○
政府委員(
河毛一郎君) ただいま
政務次官から
お話のございましたとおりの
方針でございますが、具体的な問題でございますので、私からお答え申し上げたいと思います。
御
承知のとおり、
船員の
労働災害関係につきましては、
船員法自身にこのための
根拠法規がございまして、また、これに基づきまして
労働安全衛生規則その他が整備されております。
それからまた、特に
疾病関係につきましては、
船員法は
陸上の場合と違いまして、
船自身に、
一定の大きさ以上のものにつきましてはドクターを乗せることを
法律的に強制いたしております。
さらにまた、それ以下の船につきましても、必要な
範囲におきましても
衛生管理者を乗せましてその辺遺憾のないようにいたしておりますので、
海上労働の
特殊性に基づく従来の配慮につきましては、一応私
どもといたしまして考慮できる
範囲の
措置を必要に応じましてとってまいりましたものでございます。さらに、全体的に
船員の
疾病あるいは
災害の
一つの問題といたしまして、
療養給付その他の問題がございますが、これにつきましては、御
承知のとおり、
船員保険制度というものが
総合保険として確立されておりまして、これによりまして大部分のものは、
陸上と全く同じような
関係においてカバーされるということに相なっておる次第でございまして、これらに関する
船主の
保険料負担というものも、
相当の金額になっておりますことは御
承知のとおりでございます。
さらにまた、現場の
機構でございますが、私
どもといたしましては、
全国に
海運局がございますが、ここに
船員労務官を配置いたしまして、この
船員労務官によりまして具体的な
労働安全衛生関係の
法規の順守につきまして、あるいはまた、それらの
法規を円滑に運用するための
指導につきまして遺憾なきを期しておる次第であります。ただ、御
指摘のように、
現状において全く十分であるということは、私
どもといえ
ども申し上げることはできないわけでございまして、このたびの
法律案も、そういった点を別の見地から、
船主の自主的な
災害防止活動ということの面から
一つの
措置をしようということが
努力のあらわれでございます。ただ、私
どもは、このように
船主の
自主的活動にすべてをまかすのであるという
考え方では決してございませんで、今後、ただいま申し上げましたような点につきまして、たとえば
船員労務官の数が非常に
全国的に見まして少ないわけでございますので、この定員をふやすということにつきましては、御
承知のとおり、ただいま
予算的には一番むずかしい点でございますが、何とか
実情を
関係方面に説明をいたしまして、できるだけ増加するように
努力してまいりたいと
考えておる次第でございます。
それからまた、すでに
陸上では、こういった
労働安全衛生関係の
指導監督につきまして
指導員制度というものを設けておるようでございます。これらの点につきましても、私
どもといたしましても十分に
陸上の
施策を研究いたしまして、取り入れることが適切であると
考えられるものは取り入れ、今後一そう、
船員の
労働安全衛生関係の
施策に遺憾なきを期したいと、こう
考えておる次第であります。