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国務大臣(
大橋武夫君) 御
承知のとおり、料金というものは国民の日常生活に伴うものでございまするので、物価政策という点から
考えましても、これにつきましてはできるだけ安い状態を維持していきたいというのは当然でございます。ただしかし、安いだけでサービスが悪くなるというようなことでは
意味がないわけでございまして、やはりいいサービスをできるだけ安く提供させる、これが料金の根本的な
考え方でなければならぬと思うのでございます。かねてこうした
考えのもとに料金の認可をいたしておるわけでございますが、最近になりまして、
全国の
中小私鉄、またバス
事業、またハイヤー、タクシー等につきましては、いろいろな業種によって
事情等必ずしも同一でございませんが、経営のコストは高くなっております。そのためにどうしても料金の値上げをしていかなければ従来のような経営が維持できなくなったというような理由で、たくさん運賃の改定の申請が出されておるのでございます。で、ハイヤー、タクシーなどの
事情もいろいろ聞いてみますというと、最近二、三年の間に
相当収支の悪化しておるものがあって、そのために、従来は新しい車を購入いたして後、これを
事業に使用いたしまして、一年半ぐらいに使ったならば買い直すというようなことをやっていたけれ
ども、このごろはそれがだんだん二年ぐらいに延びていっているというようなことも聞いておるわけでございまして、とにかく経営が
相当苦しくなってきており、しかもこれを救済する方法としての経営の合理化という
努力もある程度その企業としては限界に来ておるというようなものもございますので、そういうものはやむを得ずこの際ある程度引き上げを認めていきたい。ただ、これを一斉に引き上げさせるというようなことになりますと、引き上げること自体はいずれも
中小の企業であり、大して影響はない、あるいは
全国的なものでなく、ごく一地方一地方のものであるといたしましても、まあ、ここの料金も上がった、あそこの料金も上がったというようなことが一時に起こりますというと、そのことによって一般物価に与える影響もございまするし、また、
政府の物価対策全体を進める上からいっても考慮しなければならない問題だと存じまするので、そうした値上げやむを得ざるものにつきましても、時期等についてはできるだけ慎重にして、一般物価の引き上げに影響を与えるような懸念のないように運びたい、こういうふうに
考えておる次第であります。