○
田代富士男君 午前中に引き続いて二、三の
問題点について
質問をしたいと思います。
〔
委員長退席、理事谷口
慶吉君着席〕
午前中の最後になっておりましたが、
スクラップ・アンド・ビルドの問題につきまして、一対一・五という比率でいきますと、弱小
船主はなかなか新造船をつくるのはむずかしいと、そういうわけで、こういう点は大
企業のほうに優先的に流れるんじゃないかと、憂いがあるんじゃなかろうかと、そういう私が
質問をしましたところが、そういう心配はないと、何べんもそういうことは検討されているということを、午前中の最後のほうに聞いたわけなんです。しかし、実際はこういう弱小
船主に対する
公団の
融資という問題、これは政府自身の問題に含まれてくると思いますけれども、これはあまり優遇されてないです。たとえて例を申し上げますと、もうすでに御
承知のとおりに、大阪を中心とした
瀬戸内海の
航路におきましては、関西汽船がすべての実権を握っております。特に京阪神対四国の間におきましては、いろいろな船
会社もありますけれども、関西汽船の力というものは絶大といってよいくらいの力を持っております。そこで、この陰に隠れた中小の船
会社の
実態というものはどうであるかといえば、もっと育てていけば育てていくべき道も開かれるのじゃないかと思う点があるわけなんです。
一つの例は、御
承知のとおりに阿波共同汽船というのがあります。これは前身は摂陽商船とか、そういう呼び名で言われていたと思いますが、それがいまは阿波共同汽船となっておって、現在は四国の小松島−大阪と、このように就航しているわけなんです。この
実態を見てみますと、表面では阿波共同汽船ということになって、大阪の事務はどこでやっていますかといえば、全部関西汽船がこれはやっているわけなんです。今度は徳島へ行きますと、この関西汽船の仕事というものは阿波共同汽船で全部やっているわけです。そうすれば、二つの
会社でありますけれども、事実上は徳島では阿波共同が仕事をし、こちらでは関西汽船がやっている。そういうような姿が実際的に見られるわけなんです。そこで、この阿波共同汽船が関西汽船と一緒にそのような仕事をやっておりますけれども、阿波共同汽船は御
承知のとおりに外航船の阿波丸というのを売りに出しております。だから、いろいろな意見もあります、もっと新しい
航路をふやしてもらいたいと。ところが、既得権と言われますか、
海運業界にはまだまだ封建的な問題が多々残っておるということも聞いております。近代化ということは叫ばれておりますけれども、なかなかできないです。こういう面におきまして、こういう弱小
船主に対する配慮という面が、私は事実の上で、いまここで論議されている面では配慮をしていると言われますけれども、実際の面におきましてはこのような
状況でなされているのですけれども、こういう点はどういうふうにお考えなんでしょうか。その点最初にお伺いしたいと思いますが。