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金丸冨夫君 私が質問申し上げようと思っておったそのことにもうすでに入ったわけでございますが、
保険収支の、再
保険を含めて、
現状はどうなっておるかということをお尋ねしたいのであります。いま大蔵省の御
答弁によるというと、三十九年二月の三倍
改正の当時にわれわれがずい
ぶんとすったもんだやってお尋ねしたときも、これはみな一件一件がずれておるから全然わからないというようなことで、ろくろく資料もちょうだいできなかった。これはいま
吉田委員の言われるように、契約が二年あるいはまた一年というのがいろいろありますから、それに対して一年度だけの問題を会社の決算みたいにはっきり出せということはできないかもしれぬ。しかしながら、傾向を見るということはもうすでにできるじゃないですか。たとえば、運輸省と相談しまして、といったって、運輸省の再
保険の問題のほうではちゃんとわかっている。だからこの傾向から見れば三十七年から三十八年、三十八年から三十九年、三十九年から四十年、こういうような移り変わりがあって、そうしてそれに対する事故発生と支払い
金額と、それから車両増加によっての収入増というようなものもあなた、ちゃんとわかっているはずなんですがね。こういうものがちょうだいできないはずはないのです。またこれで私は
吉田委員も十分であろうと思う。一々何月何日どこに起こった件がどういうぐあいに重なってこれは年度を越してどうなるというようなことを一々ここでもって言うわけではなくて、
保険制度自身がほんとうに円満に運営ができるかどうかということを確めないことには、これはなんぼ政令できまっておってもちょっと
運輸委員会としてはそう簡単に、はあ、よろしゅうございます、というようにはいかぬと思うのです。
大臣、われわれはそう
考えているわけですが、八月
実施もよろしいですが、それまでにひとつそういう点を、われわれの疑問とする点をひとつ本
委員会においてはっきり御説明のできますようにお骨折りをいただきたい。これはお願い申し上げておきます。
ところで、この今回の値上げは、三十九年の二月に、当時全く異例であるというような三倍値上げというようなことですね、しかも
保険金額は倍額というようなものに対して三倍の値上げを行なった。その
理由をいろいろその当時突きとめてみるというと、三十六億かなんぼか赤字があったからということでありますが、こんなものはあなた、いまこの再
保険の
数字から私が見ましても、もう一年たてばそのつりが、うんと余剰利益が残っているということはちゃんとわかっているじゃないですか。だからこういうことで今後の料金、
保険金額をなんぼにする、三百万円なら三百万円にする、それから
傷害の場合には
据え置きにするとか、こういう基本原則というものをはっきり踏まえて計算すればわかるはずなんです。ことに
数字についてはもうえんま様よりも詳しいという大蔵省が計算ができないなんということは私は言わせぬ。これはぜひひとつそういう点を出していただきたい。ことにいまの車両数、あなたの言われた車両の増加割合というようなことから見ますというと、だいぶこの
傷害事故については、三十一年から四十一年までを見ますれば、
比較いたしますというと、パーセンテージは、自動車の増加数は三十一年を基本として五百四十三となっているが、
傷害事故のほうは、発生件数で五百七となっており、これは金はどういうことになりますかまた別に計算しなければならぬわけですが、そういうことになっておりますけれども、
保険金の最も多額を要する
死亡事故というものは二百五となっており、
傷害事故の半分以下ですよ。そういうふうに
数字が減っているのですよ、絶対数はふえておりましても。これは再
保険の
数字だから、あなたのほうだっておのおのの会社全部わかっているはずです。こちらが六割、向こうが四割と、こうきまっているのだから、もしこちらにこれだけ残れば向こうも残っているということになる。そこで私がちょっとこの
保険収支の点を目の子算でちょっと計算してみたのですがね、こういうことになるのじゃないのですか。
大臣、何か四割上げるとか何とか言っているけれども、四割上げる必要はないのじゃないかと思います。というのは、いまの再
保険の収支から見ますと、四十二年の、見込み累積残額が大体三百四十九億九百万円となっておる。そうすれば、再
保険が六割だから、
保険会社
関係のほうが四割とすれば、とれが二百三十四億、そうするというと、累積残額合計五百八十九億円となるはずなんです。これはほかに使うことはできぬということをあなたのほうは言うから、これは残っておる。五百八十九億あるとすれば、四十一年から二年について
保険料の入りが九十億ですよ、それから、今度は、支払いが八十五億です。若干のズレはありましょう。ありましょうけれども、大体とんとんということになっている。そうすると、約六百億になんなんとする金をじっと
政府とそれから
保険会社と持っておる。そして、今度は、三百万円の値上げについてどういうことになるか、その計算はまだ私はわかりませんが、そうやったといたしましても、私は十分にいけるのじゃないか。ことに、車の台数なんというものはどんどんふえておりますから、だから必要ないのじゃないかという気がするわけです。そして、もちろん上げなければならぬということがあるならばよほどの、料率を上げずに
据え置きにして上げるというなら、まあわれわれはそうとこでもってとっちめるという必要もないと思いますが、いやしくも国民全般に非常に広くなった、一般の所有者あるいはまた営業方面、零細中小
企業というものに大きく
負担をかけるということの前提に立つならば、どうしてもここをひとつはっきりさしていただきたい。国民もみんなその点を非常に心配している。ことに政令でありまするから、
大蔵大臣がこうやろうと言えば、ああさようでございますかというて、
運輸大臣のほうでもこれを了承するはずはないと思いますけれども、同時に事
業者自身の経営ということも
考えていかなければならぬ。われわれは
保険金額を上げることには賛成であります。賛成でありますけれども、それによってどういう
負担が社会的、いわゆる交通
関係の事
業者に対して
負担になるか、あるいはまた一般の所有者に対してどういう
負担になるかということは、これは一ぺん確かめなければ、そう、よろしいというわけには実はいかぬと思うのです。それで、この点をいますぐに御説明ができればよろしいですが、それでなければ、私もいま
吉田委員の
お話と同様に、再
保険でこういう
程度のものがわかっておるのだから、との対前年でずっとこれを見ますとわかるのですよ。あなた方のいう、一件一件支払い予想、それを仮払いに立てて、そして、一方やるとかいうむずかしいことをやる必要はないのです。私は、大勢はわかると思います。そういう
意味における材料をひとつぜひ出していただきたい。
それから、やかましく言うだけが能ではないのだが、最近の人件費その他の値上がりで、まあ
保険会社はこれを
一つの口実にしておるようですが、いわゆる付加
保険料の内容ですね、こういうものが
相当赤字になっておるとかいうことを聞いておりますが、これはもう赤字になれば大蔵省としては目の色を変えてそれを
考えるでありましょうが、そういうものが一体どのくらいになっておるか、こういう点もひとつ資料をぜひ出していただきたいと思います。これはお願いであります。私の見たところでは、現在の車両数の増加割合と事故の発生及びこの支払い
関係とを、両方にらんでみますというと、大体三百万円にして、そうして
傷害の場合は
据え置きとするということであるならば
据え置きで差しつかえない。これは何も五十万円になったら五十万円全部やるわけではないのだから、
傷害の場合にはそういうことになると、計算からいって大体値上げをせぬでもよろしいということになると思います。もしならないとするならば、そこにどういう
理由で上げるのか、この点はひとつしっかりわれわれの納得のいくような資料を出して御説明をお願いしたい。これは大蔵省にお願いです。
それで、
大臣に、申しわけありませんが、先ほど申し上げましたように、この問題について八月ということでございますけれども、少なくとも
保険料を値上げということになるならば、それについてはひとつ十分に国民に対してこういう
理由で、こういうぐあいになっておるということの一応のひとつの御説明を伺ってからでなければ、政令をもって実行に入るというようなことは、この前の例もありますし、ひとつあられないように希望いたしたいと思うのであります。
それから、同時にまた、
保険料値上げということになれば、いろいろ公共料金との
関係において責任省としてどう
考えるかということについて、ひとつはっきりもう一度御
答弁をお願いしたいと思います。