○稻葉
分科員 大臣の御
答弁はたいへんに明瞭で、私は納得いたしまして、別個の問題として取り扱うべきものだということをはっきりお答えになりました。たいへんけっこうだと思います。採算の問題ですが、これは非常に検討すべき問題だと思います。のみならず、新潟−ハバロフスク、ハバロフスクからモスクワ間をソ連の飛行機で運賃をかせがれては、日本は損なわけですね。日本はハバロフスクから新潟へ来て、新潟から東京間の運賃しかかせげないわけですから、ずいぶん損するわけです。ですから、そういうような点については交渉の余地があると思います。こっちが五回往復する、向こうは一回にせよとか、そういうことは向こうも納得すると思うのですね。そういうような点で交渉の余地はあるけれども、ここに新聞の報ずる——東京−モスクワ間の日本の自主運航は二年以内ときまっているのです。それをはっきりさせることが先決だというのが
運輸省、外務省両当局の意見だ、こういうふうに報ぜられているものですから、ちょっと御質問申し上げたところが、運輸大臣としては、それとこれとは別だというお答えを願ったことは非常にけっこうだ。それから、いま言ったもう一つの、運輸大臣の、採算等の問題でなおよく検討する必要があるから、そう急には乗るわけにはいかぬという意味のお答え、これも十分納得いたします。ただ、御承知のように、日ソの貿易につきましては、日ソ経済合同委員会というものが去年からできて、第一回の会議を去年東京でやった。ことしの六月五日、モスクワで第二回日ソ経済合同委員会をやるわけですね。そうして日ソの貿易を伸ばしていこうということで、この日ソ経済合同委員会の日本側委員会では、堀江薫雄さんがソ連東欧部門の担当者になられて、沿岸貿易のこと、——一般貿易と沿岸貿易のことについての担当者をきめて、沿岸貿易についても振興しようというやさきなわけです。ところが沿岸貿易の向こうの
範囲は、沿海州とハバロフスク州ということだけでは狭いから、もう少しイルクーツクあたりまで広げたらどうかということを言っているわけですね、向こうの沿岸の
範囲を。それでないと、輸入する物資なんかも一こうありませんから、そういうことを今後日本の代表はモスクワへ行ってやるでしょうが、おそらくそういうふうになるでしょう。そうしますと、沿岸貿易の交渉のために人的往復が行なわれるのだが、その往復が、横浜から北海道の海峡を通ってナホトカに行って、ナホトカから十八時間もかけてハバロフスクへ行って交渉するのでは困るわけで、それでは飛行機を使えばいいんじゃないかということになると、一たん東京からモスクワまで行って、モスクワからまたハバロフスクまで飛行機で帰ってきて、そして交渉する。
相当にいまは各構成共和国の首長に対しソ連中央
政府は自主権を与え、それらにまかしてありますから、やはり沿海州の知事とかハバロフスク州の知事とか、そういうものに現地でぶつからねばいかぬ。そういう往復のために、新潟—ハバロフスク間の航空路の開設ということは、日ソ沿岸貿易の拡大に非常な役割りを果たすのだという観点から、採算のこともありますけれども、大きく日ソ沿岸貿易の拡大、日本海沿岸地帯の振興、太平洋岸との経済格差の是正といったような国策、さらには住宅五カ年
計画というものがわれわれのほうにある。六百七十万戸をつくる。とうてい材木が足りませんよ。年間三百五十万立方メートル足りない。これで、今度の日ソ経済合同委員会で、モスクワへ永野団長以下乗り込んでいって、沿海州、ハバロフスク州の材木を入れて、そうして日本海岸の、あなたのところの浜田港とか、それから河北潟——新潟は河口で貯木場がないものですから、木材コンビナートをつくるには不適当だ。あそこで
部分品をつくって、住宅の安いものを——非常に安いのですから、アラスカ材とか米材というものとは比較にならないですから、また奥地から持ってくるには、北海道へ行くんだったら網にひっかかってだめですから、どうしても沿海州のものを直接いかだで持ってくるというようなこともありまして、今後日本海沿岸貿易の相互の交渉はひんぱんになる。そのひんぱんになるたびごとに、モスクワへ一たん飛んでいって、ハバロフスクへ帰ってきて交渉するのじゃ、あるいは沿海州へ来て交渉するのじゃ、非常に不便きわまりないものだということがあるものですから、住宅政策等にも関連をして、大きなあらゆる面に関連してくるものですから、採算のことも十分お考え願わなければいかぬけれども、そういう大きな観点から、このローカル線の開設は、
運輸省としても広い視野に立って御検討賜わりたいというのが私の所見ですが、その辺のところを大臣から御
答弁願いたい。