○畑委員 どうも
総理の認識がそういうことでは、私はちょっと困ると思うのですね。それは重要な問題だったのです。たとえ池田さんがあの当時
総理であったといたしましても……。これは非常に重要な問題だったのですが、各党での共同の
考え方だったというようなことでおられるように、それほどどうも資金の問題についての関心が薄いのではないかと私は心配をいたすのです。これは非常に重大でありまして、「
選挙に関し」というだけでありますると、
選挙中でありましても、これは
選挙に関しない普通の
政治献金だといえばそれで通ってしまう。そういうことで、いままでせっかく公職
選挙法に規定を設けましても、その文字だけの挿入によってえらく本質が変わってきたということをわれわれ
社会党は問題にしたところであります。どうかひとつこの点は誤解のないように、しかもこうした小手先では私はならぬと思う。やはり思い切って
自民党のほうでまず率先をして、そうして
政治資金の
あり方を正すということでなければならぬ。まず第一に、それだから手始めに、先ほど言った「
選挙に関し」ということだけではなくて、
政治資金については少なくともそういった団体は献金してはならぬ、こうあるべきじゃないかと私は思うのです。ところで、そういうところは
政治資金を献金してはならぬということになりますと、特に
自民党のほうが非常に財政に響くというような配慮からそういうことになったと思うのでありますが、どうもこの点はきわめて遺憾でございますから、今度の措置のときにはまっ先に何よりもこれを最初に取り上げるべきじゃないかと思うのです。その点は別に答弁は要りませんが、ひとつ注意を喚起いたしておきます。
それから献金は個人に限るべきだという私の
考え方、同時にまたこれは党の
考え方でもあるのです。なるほど、われわれも総評等から、
選挙等におきましては一億円くらいの金を献金してもらっております。
自民党さんの何十億というのに比べればまことにさびしいきわみでありまするけれ
ども、そういうことになっております。しかし、それもあえてわれわれのほうでは個々の
人たちの献金、こういうことに切りかえる用意があると言うておるのです。いまはすでに全電通の組合等のごときは
政治委員会というのがございまして、そこへみんな登録をして、そこへ
選挙資金だけは別に集める。それで組合員であって私はそういう会費は納めない、カンパはしないということであれば、それもいたし方がないというような態度でやっておるのです。ほかの組合につきましてもそういう用意があるのであります。したがって、われわれといたしましてはあくまで個人に限る。金を集める人は、これはよろしい。集める機関があってもよろしい。
国民協会のようなものがあってもそれは認めるんだが、しかしまたいま言った組合が集めるというその集める機関の存在はいいんだ、こういう
考え方で、あくまで個人に限るという
考え方、その私らの
考え方の一番基本になるのは、実はこういうのです。いまの
民主政治というのは、御
承知のようにオブ・ザ・ピープル、バイ・ザ・ピープル、フォア・ザ・ピープルという例のリンカーンのことばのとおりでありまして、人民による人民のための人民の
政治、こういうことであるはずである。したがって、そういう
民主主義体制のもとにおいては、有権者はあくまで個人である。したがって、その
民主政治に参画をして
政治寄金をするものは樹くまで有権者である個人であるべきだ、こういうことが私たちの
考え方でありまして、それを法人である財閥がまとめて金を出すということは、私は
政治資金の
あり方としては好ましくない、そういう
考えに立っておるのでありまするけれ
ども、その点については
総理はどうお
考えですか。