○田
説明員 学童園児の交通安全の確保につきましては、文部省といたしましては基本的には二つの大きな対策をとっております。
一つは教育の面、交通安全教育を体系的にしっかりしたものを実施するということで、現時点におきます子供たちの安全を確保する。それからまた将来子供たちがおとなになりました後に、正しい
運転者となり正しい
歩行者となる、そういう面での教育をしっかりいたしたい、それが
一つでございます。
それからもう
一つは、いわゆる
管理の面でございまして、登校下校の際におきまして交通の安全を守る、そのために文部省といたしましてできますことは、集団登下校の実施の問題、それから通学路の設定の問題でございます。そのほか安全施設あるいは交通規制などにつきましては、それぞれ建設省あるいは警察庁と、先ほどの児童の専門部会の席をかりまして、あるいは直接いろいろ
お話をいたしまして進めていただいておるという状態でございます。
やや具体的に次に申し上げますと、安全の教育の問題につきましては、この三月にこういう「交通安全指導の手引き」というのをつくりまして、これを
全国の小中学校におきまして、参考として、交通安全の指導を強化をしてもらっております。
この手引きの大きい目標は、先ほ
ども申しましたように、
一つは現時点において
交通事故から子供たちの身を守らせるという
意味におきまして、正しい歩行ということを中心にしてこれを習慣づけをはかっていく、安全を確認して正しい行動をするということにつきましての習慣づけをはかっていくということでございます。
それからもう
一つは、将来の
歩行者あるいは
運転者としての基礎的なことを教えまして、それで将来社会の交通安全に積極的に協力できるような
国民の育成をはかりたい、こういうことでございます。この手引きは、これを小学校から中学校まで四つの発達段階に分けまして、それぞれの発達段階に応じた指導目標、指導内容というものを定めまして、これによって行なっていくのでございますが、中心はやはり習慣づけでございますので、交通安全訓練というものが中心になります。それに知的な理解に基づきますところの実践意欲というものをプラスしていく。低学年から中学年にかけましては、いわゆる習慣づけのほうに重点を置きまして、それから高学年、中学校に及びまして、いわゆる実践意欲の高揚というほうに相当なウエートをかけてきております。
それから
管理の面でございますが、集団登下校は、御
承知のように集団登下校の途中に大型車が飛び込みまして、大きな悲惨な
事故を起こしたというようなことがございまして、私
どもは集団登下校はきわめて有効な安全なやり方であるということで、相当積極的にこれを進めてきたわけでございますが、最近の情勢にかんがみまして、昨年の十二月二十三日に文部事務次官通達を出しまして、集団登下校を行なう際には、その通学路における
道路事情あるいは交通事情というものを十分に慎重に検討した上で行なってほしい、それからその際には、警察等にお願いして、途中の危険な個所におきます誘導等について遺漏のないようにはかってもらいたい、それから子供たちにつきましては集団訓練というものを十分にやってもらいたい、こういうことを言ったわけでございます。
それから同じく
管理の面で、通学路の設定につきましては、まず四月の初めに、学校の先生が
自分で子供たちに安全な通学路というものを
点検いたしまして、なるべく危険な個所を避けて、安全なところを通って学校に来るように、個人個人の生徒についてまでそれを調べまして、家庭と十分連絡をとって通学路というものをきめていくということを指導しております。現在は交通事情というものが日々変わってまいりますので、途中適宜に通学路の検討をしてこれの改定をするようにというようなことを指示しておるわけであります。
なお、学校に対しましては、昨年十二月二十三日の通達によりまして、通学路の安全施設等の調査を十分にやって、それぞれ
関係方面に十分にお願いするようにということを言っておったわけでありますが、いま
お話がございましたように、本年の二月に、市町村に学童園児等
交通事故防止対策協議会というものの設置が進められまして、警察庁のお調べによりますと、もう大体九〇%の市町村にできておるようでございますが、これに学校も参加しておりますので、この
機会を利用して、十分に通学路の安全施設を進めるようにということを指導している次第でございます。