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1967-05-31 第55回国会 衆議院 文教委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年五月三十一日(水曜日)     午前十時四十分開議  出席委員    委員長 床次 徳二君    理事 菊池 義郎君 理事 久保田藤麿君    理事 中村庸一郎君 理事 八木 徹雄君    理事 長谷川正三君 理事 鈴木  一君       稻葉  修君    久野 忠治君       葉梨 信行君    広川シズエ君      三ツ林弥太郎君    渡辺  肇君       唐橋  東君    川村 継義君       小松  幹君    斉藤 正男君       三木 喜夫君    山崎 始男君       有島 重武君    山田 太郎君  出席国務大臣         文 部 大 臣 剱木 亨弘君  出席政府委員         文部大臣官房長 岩間英太郎君         文部省初等中等         教育局長    齋藤  正君         文部省大学学術         局長      天城  勲君  委員外出席者         参  考  人         (東京大学教         授)      時実 利彦君         専  門  員 田中  彰君     ――――――――――――― 五月三十日  委員有島重武君辞任につき、その補欠として伊  藤惣助丸君が議長指名委員に選任された。 同月三十一日  委員伊藤惣助丸君辞任につき、その補欠として  有島重武君が議長指名委員に選任された。     ――――――――――――― 五月二十七日  著作権法の一部を改正する法律案内閣提出第  二六号)(参議院送付) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  公立高等学校設置適正配置及び教職員定数  の標準等に関する法律の一部を改正する法律案  (内閣提出第八九号)  学術研究に関する件(脳研究に関する問題)      ――――◇―――――
  2. 床次徳二

    床次委員長 これより会議を開きます。  学術研究に関する件について調査を進めます。  本日は、脳研究に関する問題について、参考人として東京大学医学部附属脳研究施設施設長東京大学教授時実利彦君に御出席を願っております。  この際、参考人に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、御多用中のところ、本委員会調査のためわざわざ御出席くださいまして、まことにありがとうございました。厚くお礼を申し上げます。  なお、参考人の御意見開陳をお願いいたしまして、そのあと委員質疑お答えを願いたいと存じます。  それでは、初めに御意見を承りたいと存じます。時実参考人
  3. 時実利彦

    時実参考人 ただいま御紹介いただきました時実でございます。十五分間ほど最初に概括的なお話をさせていただきたいと思います。三点でございまして、第一は脳研究重要性ということ、それから第二点は、現在の日本における脳研究状態がどうであるかということ、そして第三点は、今後日本において脳研究をより推進するために私たちはどのようなお願いをもってしたいかということ、この三つの点でございます。  最初、第一点から申し上げます。御存じのように、現在日本における死亡率の第一位は脳卒中でございます。やかましく言われておりますガンは第二位、そして最近強力に取り上げられております交通災害交通事故あるいは労働災害によって脳に直接外傷を受けてなくなられる方が、おそらく今年度は死亡率の第五位ぐらいに上がってくるのではないかと思っております。そのほか、比較的取り残された問題といたしまして精薄とか白痴とか、あるいはそのほかいろいろな精神病というものが、かなりたくさん大きな問題として残っております。このような脳の病気あるいは脳の傷害に関しまして、これまでいろいろと研究が進められておりました。しかし、何と申しましてもたいへん複雑な私たちの脳でございますので、そう思うようには研究を進めるわけにもまいりません。しかし、私たちは決して怠慢であったわけではございませんで、あらん限りの努力をいたしまして、現在かなりの程度に研究が進んでまいりました。私たち人間行動現象として取り扱う学問、たとえば法律とかあるいは経済とか、あるいは心理学とか教育学とか、そのほかいろいろな人文社会学問、このほうは非常によく発達しておりますが、しかし、私の個人的な考えに従いますと、そのような学問基礎になるのは、やはり私たち人間をあやつっております脳の働きがわかって、初めてそのような学問も非常にはっきりと研究が進められるのではないかというように思っております。先ほど申し上げましたように、脳の傷害あるいは脳の病気もさることながら、私たち人間のいろいろな行動あるいはそれに関連する社会現象というものも、私は、脳の研究というものが進んで初めてしっかりしたその研究基盤ができるように信じております。  このように考えてまいりますと、一方では、集団の中における人間行動を、脳の働きという共通理解のもとにもつと積極的に調整し、お互いに統御することができる。他方では、またいろいろな脳の外傷精神病に対しまして積極的な予防対策も立てられますし、また、的確な診断あるいは適正な治療も可能になってくるわけでございます。幸いにいたしまして、現在研究はこの方面に着々と進められておりまして、非常な成果が、日本はもちろんのこと世界的にもたらされております。このような成果は、また私たちをして研究意欲をかき立てさせまして、そうしてこの脳研究の一そうの推進ということを私たちは非常に念願し、また、それを、できるだけの努力をしてやっているわけでございます。  御存じのように、また別の見方からいたしますと、私たち人間動物と基本的な違いがある。その違いと申しますのは、私たち人間の赤ん坊は最も未熟な、全然でき上がっていない脳の構造を持って生まれてきておる。したがいまして、私たち人間は、その未熟な未完成の脳を生まれてから保育し、教育していわゆる人間としての脳に仕上げるということ、これが私たち人間に課せられた宿命だと思っております。私たち人間だけが持っております保育、教育という義務と責任も、脳の未熟さということから来ておるのだと思います。ところが、不幸にしてそのような発達過程における、たとえば脳の傷害とかあるいは脳の病気によりまして、あるいは精薄とかあるいは白痴というような非常に悲惨な状態に追い込んで、そうして一生涯悲惨な生活を送らなければならないというようなことも、非常にたくさんございます。このような点から考えてみますと、脳の研究ということは、人間形成あるいはこの社会における私たち人間行動基盤になる基礎づけを与える研究であると同時に、また、私たち人間を開発しておりますこの脳のいろいろな傷害あるいは病気、それに対しましてよりよい対策と、そうしてより適切な診断治療ができるということになると思います。  最近交通問題が非常に強く取り上げられておりまして、私たちは、ある程度そのような交通事故あるいは労働災害というものも、いろいろな手段によって避けることができると思いますが、しかし、最後人間の問題だろうと思います。その最後人間の問題ということは、私は脳の問題だろうと思います。したがいまして、私たちは、もっとこの脳の仕組み、脳の働きというものを、真剣に取り組んで考えてみなければいけない状態ではないかというように思っております。  現在、たとえば原子力に関しましては、非常に多くの人と金がつぎ込まれております。しかし、私は考えますのに、その原子力をコントロールするものは私たち人間の脳でございます。したがいまして、私たちは、そのコントロールする人間の脳の研究に対しまして、当然、原子力研究を上回る人と金がつぎ込まれていいのではないか。これは私自身この脳の研究をやっておる者といたしまして、私は非常に残念に思っておりまして、この際、そのことを非常に強くお願いしたいような次第でございます。  それでは、現在、日本の脳の研究がどのような状態になっているか。これはほんとうにうれしいことでございまして、現在の日本研究世界トップレベルでございます。もちろん戦時中の空白状態がございまして、そうして戦後の約数年間はほとんどブランクの状態でございました。しかし、その後、日本脳研究は、脳研究者研究意欲的な情熱というのは非常にすばらしいものがございまして、現在は、量におきましてはアメリカが第一位でございますが、しかし、質におきましては、私はアメリカ脳研究に決してひけはとらないというようにかたく信じております。これは、日本脳卒中とかあるいは交通災害が多くあるということではございません。そうではなくて、やはり私たち研究者の間に、そのような意欲が非常に盛んであるということを物語っておるのだと思います。現在、私たちはこのような脳研究を進めております。  研究体制は、御存じのように、主として国公私立大学、そして付属病院でございます。そして、それを構成しております講座というものが、その研究のユニットになっております。しかし、いろいろな事情がございまして、私たちはなかなか講座をふやしていただくこともできない。幸いにも研究施設というものをたくさんつくっていただいております。現在、全国的に九つの研究施設がそれぞれの大学に付置されております。そして、その研究施設は脳という名前がついておりますが、総合的な脳研究施設もございますし、非常に特殊な問題を取り扱った脳研究施設もございます。たとえば、脳卒中の多い地区では、いわゆる脳卒中関係のある研究施設、あるいはそのほか、地域的な特色が出されております。さらにまた、基礎的な研究だけではなく、私たち脳研究には、やはり人間の脳を取り扱わなければいかぬ。それには脳の傷害とか、あるいは精神病というものがどうしても研究対象になる。したがいまして、幸いにも当局の方の御配慮によりまして、私たちはその脳研究施設の幾つかに診療科をつけていただいております。つまり患者さんを収容できるベッドをつけていただいておりまして、そして直接に患者さんを研究あるいは観察対象にさしていただくような機会に恵まれております。  このような研究施設が、現在、幸いなことに大きな地区に固まっておるのではございません。全国的に分布されております。申すまでもなく、私たち脳研究というものは、ある地区だけでやるものではない。脳の病気あるいは交通災害というものは、東京だけ、あるいは大阪だけに起こるものではございません。各地区で起こります。したがいまして、この研究、同時にまた、そのような傷害治療する、診療する医師教育というものは当然必要でございまして、したがいまして、これは各大学でそのような研究施設、あるいはそれに関連する講座というものが必要なことは当然だと思います。現在日本では、そのようなわけで、外国に比較いたしますと研究施設がかなり多く付設されておりまして、そして非常にアクティブな研究が進められております。  しかし、日本研究で、私が最初に申し上げましたように、世界に誇っていいと申しましたのは、日本では基礎的な脳の研究者と、そして脳の病気あるいは脳の傷害研究され、そして診療される、いわゆる臨床のお医者さんたちとの協力というものが非常によろしゅうございます。これは世界でおそらく日本だけが、その協力体制がよくできている。これが現在、ここ十年の間に世界トップレベルまで脳の研究を推進さしたゆえんではないかと思っております。ここに一部その資料を持ってきておりますが、オランダで「プログレス・イン・ブレーン・リサーチ」、脳研究の進歩というシリーズが出ております。これはいろいろなトピックスをまとめたシリーズでございますが、特別な配慮によりまして、日本脳研究基礎先生方臨床先生方が非常に密接な協力をして、非常にユニークな研究が進められております。そのために特別に、いわゆる日本脳研究のために、二冊にボリュームを分けて特別につくっていただきました。この本は現在世界的に広く読まれておりまして、これによりまして、日本脳研究というものは非常に高く評価されているような状態でございまして、そのようなわけで、現在は日本脳研究世界トップレベルにある。したがいまして、当然外国から多くの脳研究者日本研究に来たいという非常な要望がございます。しかし、残念ながら現在の日本では、いわゆる脳研究のために外国研究者を受け入れる特別なファンドを持っておりません。これは非常に私たち残念なことでございまして、少なくとも脳研究に関しましては、私は、このような何か学問的な交流という道を当然開いていただくべきときだと思います。研究施設はさることながら、当然私たち研究所というものの設置が必要だと思います。これは人員の面におきましても、あるいは経費の面におきましても、もっと豊かに研究ができることは当然でございまして、これは各大学の各研究施設研究所に昇格することを心から願っておる次第でございます。  そのような状態が現在の日本の脳の研究でございますが、では、そのような日本研究をさらに世界トップに進めていく、そうして、その地位を保たしていくためにはどのようなことを実行したらいいか。  それは簡単に申し上げますが、一つ研究費の問題でございまして、これは具体的なことばただいまは申し上げませんが、非常に乏しい研究費でございます。しかし、にもかかわらず私たちはその乏しい研究費を活用して、そうしてたいへん意欲的な研究を進めておるということでございます。  第二は、研究体制の問題でございまして、先ほど申しましたように、脳の研究基礎的な研究だけでなく、当然臨床的な研究もそれに必要になってまいります。したがいまして、各大学にいわゆる講座というシステムでつけていただく完全講座をつくっていただくということだけでなくて、さらに研究施設をふやしていただく。さらにまた、従来の研究施設研究所にしていただく。そうして最後の願いは、私たちは、そのようにすそ野を固めていただく一方、他方ではいわゆる国立中央脳研究所というものをつくっていただきまして、ここで総合的な強力な研究体制を進めるということがぜひ必要ではないか。これはどの学問の分野でも言われていることだと思いますが、やはり各大学のセクショナリズムというものが多少ございます。したがいまして、そのようなものをなくする意味でも、やはりお互い研究者が流動的に研究ができるということ、そのためには、中央国立脳研究所設置というものは非常に望ましい。もちろんこれは、私たちはすでに学術会議脳研究連絡委員会がございまして、もう数年前にその将来計画は立ててございます。しかし、これは私たちのイメージから申しますと、現在のこの法律ではとてもそれば受け入れることができない。やはり法律改正が特に必要であるというように聞いております。しかし私は、どんなに法律改正が非常な困難でありましても、これだけは必ず近い将来にはつくっていただきたいというように強くお願いする次第でございます。  私たちは、脳研究というものは、たとえば動物の脳を研究しているのでは決してなくて、究極目的人間の脳を研究するのだ、それは人間そのもの研究しているのだということをひとつお互いに心に銘じつつ、そうして材料としては動物を使い、あるいはそのほか場合によっては人間も使いますが、しかし、究極目的人間研究であるというようなことをいつも念じながら研究を進めております。  総括的に申し上げますことはそれだけであります。たいへん抽象的な内容になったかと思いますが、いろいろ資料は一応用意してまいりましたので、もし御質問ございまして私がお答えできる範囲でございましたら、お答えさしていただきます。
  4. 床次徳二

    床次委員長 以上で参考人の御意見開陳を終わりました。     ―――――――――――――
  5. 床次徳二

    床次委員長 次に、質疑を行ないます。  質疑の通告がありますので、これを許します。唐橋東君。
  6. 唐橋東

    唐橋委員 時実先生にいろいろお伺いしたいと思います。  ほんとうお忙しいところをおいで願いまして、御苦労さまでございます。  まず第一にお伺いすることは、一般論的な問題になるかと思うのですが、大学全体の研究組織というような考え方に立ちまして、脳研究の場合は、いまお話しのように非常にうまくいっている、こういうようなお話もありますが、先生が専門的な立場の上に立ちまして大学全体の研究組織というものを見た場合に、その研究テーマのとり方とか、あるいは研究進行中、たとえば先生の御専門でいらっしゃる場合だと、大学とその学部研究所との関係、それから研究所病院との関係、いまその点についてお話がありましたが、そういう一つ進行中の問題等もいろいろあると思いますし、あるいはまた、その研究成果についての発表の連関、こういうようなこともあると思いますか、ともかく各種の――医学だけでもあれなんですが、医学全体を見た場合に、日本大学一つ組織系統の中でいま行なわれている現実を見たときに、こういう点が非常にやはり障害になっているとか、こういう点は、いま例を出されましたように、よくなっているというような点が一般論的にありましたならば、まずお聞きしたいと思うのです。
  7. 時実利彦

    時実参考人 ただいまの御質問お答えいたします。  一般論の非常に大きな問題でございまして、これに全般的に私お答えすることはできないかと思いますが、ただ私は、常日ごろ脳研究を進める上にいろいろな日本研究体制のあり方の長所、そしてまた短所というものを体験しておりますから、おそらくそのようなこともほかの研究におきまして当てはまるのではないか、そういう意味お答えしたいと思います。  一つは、先ほど申しましたように、私たち学校、たとえば大学におきます研究、特に国立大学におきましては、いわゆる講座というのが研究単位、同時にまた、教育単位になっております。私たちは、たとえば脳研究を進めるという場合に、ただ現在いる脳研究者を豊かに研究さすというだけではなく、必ず後継者をつくらなくちゃいかぬ。したがいまして、いわゆる研究のためには必ずその後継者教育するというシステムが表裏一体でなければいけないと思います。現在、国立大学にございます講座あるいは研究施設では、部門と申しておりますが、この部門が、だいぶ前にきめられたことだろうと思いますが、たとえば教授一、助教授一、助手二、そして行政職雇員用員が二という組み立てになっておるかと思います。これは研究を進める上、そしてまた、教育を進める上でも非常に障害を来たしておりまして、この点が、私たち、この教育の面でも研究の面でも一番大きな障害である。これは外国研究所の構成と比較しますと、それが非常にはっきりしております。たとえば外国ですと、研究者、たとえば教授助教授、それに助手、これに相当する研究者スタッフがたとえば百人ございますと、その研究者の意図を体してその仕事を技術的に助けるいわゆるテクニシャン、テクニカルスタッフというのがほとんど同数ございます。ところが、日本ではその数が三分の一ぐらいでございます。外国のこまかいデータを持っておりますが、比較的研究がいままでおくれていた国は、そういうテクニカルスタッフという人の数が少なくなっております。ところが、たとえばアメリカとかあるいはドイツとか、そういうように非常にうまく研究体制が整ったところでは、研究者に見合うだけのテクニカルスタッフを持っている。そして研究者研究だけに時間をさいている。それをささえる、研究者がいなくてもできるものはテクニカルスタッフでやっている。このようなことが外国の比較ではっきり出ておりまして、私たちはそれを非常に痛感いたします。  それから、私たち文部省当局のほうへ講座の増設を強く要請さしていただいております。これは、脳神経に関する講座は全国的に非常に少のうございます。しかし、いろいろな御配慮にもかかわらず、予算面その他でございましょうが、なかなか思うようにできない。したがいまして、幸いにも研究施設という面でそれをカバーしていただいております。これは非常に私たちには幸いなことでございまして、各大学ともその研究施設というのは、講座と同じような立場でこの脳研究教育もし、そうして研究もしております。したがいまして、現在の状態では、その研究施設、そうして講座というものとが一体になっているという点では、いままで不足しておりました神経、脳の研究講座が充実されたということになると思います。  ただ、問題は研究所でございます。これはただいまの御質問の御趣旨もそこにあるかと思いますが、いわゆる研究所学部というものがどのような関係に将来なっていくであろうか。これは学問の性格によりまして、なかなか事情が違うだろうと思います。ただ、これを医学の面に限って申しますと、これは私の個人的な意見でございますが、やはり研究所と言うからには、何らかの、いわゆる人の病気観察、あるいは場合によっては研究しなくちゃいけないための患者さんを必要といたします。そのために、多くの研究所は、何らかの形でいわゆる患者が収容でき、観察でき、診療できる診療科が付設される、あるいは付属病院が付設されております。そういたしますと、医学部にも同じような付属病院がある。その辺の関係で、その両者の病院あるいは診療科というものも運営上うまくいくだろう、当然いかなくてはならないだろうと思いますが、しかし、もし何かそこに支障を来たしますと、せっかくつくっていただいたこの診療科あるいは付属病院というものが、かえって、マイナスにはなりませんが、一足す一が二にならなくて、一足す一が一・五になるというような結果にもなりかねない。しかし、これは、私たち研究者心がまえに一にかかっているだろうと思っております。したがいまして、先ほどの御質問のように、結局私たちはその研究所あるいは学部、そうして付属病院というものをどのように運営するかということは、一つは私たち研究者、そうして診療する医師心がまえにあるということが言えると思います。しかし、私は、その心がまえお互い協力的に持とうといたしましても、よく存じませんが、この経理の面であるいは法律的な面で、何かそこにそごを来たすような場合もあり得るのではないかというようにも思っております。その点は、私は詳しいことはよく存じません。少なくとも、現在、私たち東京大学にございます脳研究施設では、これはもう学部付属病院と私たち脳研究施設は打って一丸になって研究を進めて、そうしてそれに対して、現在私たちは何の支障も来たしておりません。  先ほどの御質問は、学術研究全体の問題になるかと思いますが、その全体的なことはお答えできませんので、私が脳研究ということを通じて感じております。また、現在思っておりますことを申し上げまして、お答えといたします。
  8. 唐橋東

    唐橋委員 たとえば今度の予算に、金沢大学がん研究所やあるいは霊長類研究所などが出ているわけでございます。その場合に、ここに霊長類研究所がある、ここにガン研究所がある、それから今度先生の主宰しておる脳の研究所がある、こういうお互い研究所進行中の連絡というようなものは非常にうまくいっているのですか、それとも何かやはり独立した中において、結果的なものだけを取り扱っているのですか。
  9. 床次徳二

    床次委員長 なるべく簡潔に御答弁いただきたいと思います。
  10. 時実利彦

    時実参考人 先ほどの御質問お答えいたします。  現在、少なくとも脳の研究に関しましては、お互い研究施設の間の関連は非常に緊密でございます。さらにまた、たとえば将来新潟に脳研究所ができましても、それは決してお互い関連が博くなるというものではございません。それは最初総括的に御説明申し上げましたように、日本ではそのような研究者の間のお互い連絡というものは非常に緊密であるということでございます。そしてそのような連絡は、文部省からいただいております科学研究費によりまして、シンポジウムを開くなりあるいは班の研究所の会合を開くなりして、その研究の交流は非常に緊密にやっております。
  11. 唐橋東

    唐橋委員 たとえば霊長類研究所と今度新潟大学には直接脳研究所ができるわけですが、そういう場合に、お互いの途中における連絡というのは、やはりその裏づけになる予算の配分等も十分あると思うのですが、そういうものを考慮した中で研究費の配分が行なわれ、その研究費の配分等が行なわれた上において、さらにいまのような密接な関連を持ちながら研究できている体制になっているのですか。
  12. 時実利彦

    時実参考人 私の知る限りではそのとおりでございます。先ほど霊長類研究所お話が出ましたが、この霊長類研究所と私たち脳研究所と非常に密接な関係がございまして、私たちは思うように人間の脳を使うわけにいかない。したがいまして、それを補足する意味で、従来は犬を使ったりネコを使っております。お金のないときは、ネズミを使ったりカエルを使っております。しかし、それでは人間の脳の研究にはならない。したがいまして、私たちはどうしても人間に最も近い霊長類を使わなくちゃいかぬ。霊長類研究所というものは、いわゆる霊長類というものを生物学の一つの資として研究する、あるいは人類進化の一つの過程における資として研究する、そういう目的もございますが、私たちは、この研究所脳研究の将来の発展に非常に活用させていただきたい、そのような意味でこの間の関係は非常に密接だ、また密接でなくてはいけないというふうに思っております。
  13. 唐橋東

    唐橋委員 非常に密接な関係があるということで、非常にうれしいのでございます。問題になっております研究費が安いということから、先回いろいろ国会では問題になりました事件等が議論されたのでございますが、先生の受け持っておる部面等を通じて、外国と比べて日本研究費というのは実際どのくらいになっており、この程度ふやせば何とか十分だというような点がございましたら、ひとつ御指示願いたいと思います。
  14. 時実利彦

    時実参考人 これは欲を申せば幾らでもいただきたいのでございますが、これは限度がございます。ただ、参考といたしまして、まず世界のオーガニゼーションでは第一の研究所、質のほうは第一とは申しませんが、しかし、オーガニゼーションでは第一の研究所アメリカにございます。これはアメリカのロスアンゼルスのカリフォルニア大学脳研究所でございます。ここのスタッフと申しますのは、日本におきまする教授助教授でございます。このスタッフは、一九六六年、この年次の報告書によりますと七十六名でございます。そして現在ここに使っておりますこの一年間の研究費でございますが、いわゆる人件費は、これは各大学、州から出ておりまして、各大学のたとえば解剖学の先生がこの研究所研究スタッフになっております。ですから、人件費を除きましたいわゆる研究費と、そしてその研究のために必要な技術員のために払う研究費、場合によっては外国研究者を招聘するための人件費、そういうものもわずか含まれておりますが、それが、一九六五年の七月一日から六六年の六月三十日までの費用が六百八十七万ドルでございます。日本円に直しまして二十四億円でございます。現在私たち東京大学にございます脳研究施設の、いわゆるカリフォルニア大学の七十六名のスタッフに相当するものが十一名おります。したがいまして、スタッフの割合は約六分の一でございます。そういたしますと、アメリカ並みに研究費がいただければ、二十四億円の六分の一で四億円でございます。ところが、実は昨年いただいております研究費が、いろいろ大学の本部のほうで差し引かれておりますが、私たちの手元に入るのが一千万円でございます。
  15. 唐橋東

    唐橋委員 いまの研究費の問題は、議論してもこれは文部当局との議論になると思うのですが、そのような少ない中において、世界トップレベル研究成果をあげられておるということ、こういうお話があったのです。そのお話の中で、何か外国から来た場合に、研究者の受け入れ態勢が非常に狭いんだというお話が出たのですが、その原因はどこにあるのですか。といいますのは、大学研究組織の中にあるのですか、あるいはまた、いまのような研究費に伴う費用だけからきている問題なんですか。いわゆる組織的なものなのか、それとも予算的な、金さえあれば研究者外国からも来れる、こういうことなんですか。外国からの受け入れ態勢が非常に悪いというその原因はどこにあるのですか。
  16. 時実利彦

    時実参考人 お答えいたします。  ここに一つ資料を持っております。現在世界脳研究連絡をよくするという意味で、数年前にユネスコの一分科活動といたしまして、世界脳研究機構、インターナショナル・ブレーン・リサーチ・オーガニゼーション、IBROと私たち略しておりますが、できております。このIBROという団体は、各国の脳研究者がそれに加入しております。これもある資格がなくては加入できない。ユネスコのほうからこのIBROは金をいただきまして、いわゆる研究者外国へ行って研究する旅費だけは出す、そのようなトラベルファンドを持っております。そういたしますと、それぞれの国が、ことしはこの国では外国研究者を二名受け入れますと報告いたします。そうしますと、その二名を応募者があればセレクションいたしまして、その二名の方に旅費を出している。そしてその滞在費、研究費はその国で持つ、そのようなことで、お互いに国際的な脳研究者の交流をやっております。ここに例がございますが、たとえば欧州のほとんどの国が、少なくとも三名の研究者の受け入れをしております。たとえばフランス、ハンガリーあるいはイスラエル、イスラエルは一名でございますが、イタリアは五名あるいはノルウェーは二名、スペインが二名、スウェーデンが二名、それからオーストリアが二名、ブラジルが一名、チェコスロバキアが一名、アメリカば、これは各大学研究岩を招聘するお金を持っておりますから、アメリカは国としてはこのようなシステムはございません。そして、このような欧州におきまする脳研究者の受け入れ態勢は、あるいは国で、あるいは国のアカデミーでそれをまかなっているという状態でございます。ところが、日本では、この国際脳研究機構に参加しておりまして、その研究者の数からいきますと、アメリカの次に多い研究者を擁しておる。数で第二位でございます。その第二位の研究者を擁しておる国が、現在一名も外国脳研究者を受け入れるファンドがございません。私たちは何年か前からそれぞれの関係当局の方々にお願いしてまいったのでございますが、しかし、脳研究のためだけにファンドを割り当てるということは非常に困難なことである。しかし、私たちは、何名かのこの研究者を受け入れるファンドルートがございますから、できるだけそれを利用してはおりますが、やはり何かの形でそのようなファンドをつくっていただきたい。日本からのたくさんの研究者を受け入れてくれておるにもかかわらず、その見返りの日本研究者を受け入れる場所がない。もちろん私たちは、大学の乏しい研究費から、外国人の滞在費を出すことはとても許されないことでございます。さりとて財界の方に何らの見返りなしに研究費を出していただくということも、これもおそらく不可能なことでございまして、あとは、何らかの形で国の予算の中からもそのようなファンドをつくっていただきたいということでございます。
  17. 唐橋東

    唐橋委員 他の委員の方からも御質問があると思いますので、私はもう二点だけ、ついでにお伺いしたいのですが、一つは、脳と直接関係があると思われるノイローゼとかあるいは精神病ですね。これが近代人に非常に急激な増加をしてきておる、こういうようなことがよくいわれるのでございますが、それらに対する研究体制あるいは医療体制というものを一口に言った場合に、これだけの増加に対して、受け入れる研究体制日本医学界ではやはり相当できておる状態なんですか。この状態をひとつ……。
  18. 時実利彦

    時実参考人 お答えいたします。  確かに、いわゆる現代病といわれておりますノイローゼあるいはそのほか関連する精神病者はどんどんふえております。それを受け入れる医療体制のほうは、これはまあ私直接にタッチしておりませんが、聞くところによりますと、当然医療的な処置を受けなくてはいけない精神病患者の十分の一しか、適当な病院あるいは施設に収容されていない。ですから、ほとんど大部分は野放しの状態にあるのではないかというように聞き及んでおります。  それから、研究体制のほうでございますが、これは関連講座あるいは研究施設におきまして非常に強力に研究を進めております。しかし、これはもう非常にむずかしい研究でございまして、動物にノイローゼをつくり、勅物に非行性のネコをつくるというようなことができますれば、これはもっと処理ができるのでございますが、しかし、思うようにそれができない。したがいまして、やはり人間対象にする。そのためにはいろいろと制約がございます。したがいまして、もっとたくさんの研究陣を擁した研究所、あるいは中央にりっぱな研究所をつくっていただきますならば、これに対する研究の推進というものは、私は決して暗いものではないというように思っております。ですから、問題は、現在日本におきましては、そのような研究施設あるいはそれをサポートする研究費の問題だろうというふうに思います。
  19. 唐橋東

    唐橋委員 わかりました。  最後に先ほどもお話しいたしましたが、一番当面の問題として、交通災害の増加に対する対策ということがどの方面からも問題になってきておるのでございますが、先生の専門の立場から、いま何が一番この災害等に対して必要なのか、こういうような点を率直にお伺いしたいわけなんです。
  20. 時実利彦

    時実参考人 お答えいたします。  最初にもちょっと触れましたように、交通事故あるいは労働災害で脳に傷害が起こりまして一度脳がこわれますと、あと決して脳は再生回復はいたしません。ほかのからだの場所と違って、こわれたらもうそれまでという非常に深刻なものでございます。ですから、できるだけこわれないように、こわさないようにしなくてはいけない。いろいろな道路の整備とかあるいはそのほかの方法によりまして、ある程度の交通事故あるいは労働災害は防げますが、しかし、最後人間が運転し、人間が歩いているのですから、間違いは必ず起こるだろう。その間違いがなぜ起こるか、そこを追及するのが私たち究極のねらいだろうと思います。したがいまして、私たちは、一方ではできるだけそのような災害を防ぐ施設なり御配慮をいただくと同時に、なぜそのように、にもかかわらず交通災害が起こるか、あるいは交通事故が起こるか、労働災害が起こるか、結局頭の働きのどこかに歯車のかみ合いが悪くなったに違いない、最後はそこの問題だろうと思います。たとえば、現在の日本の脳外科、いわゆる交通事故あるいは労働災害による脳の外傷、あるいはそれに伴う後遺症などに対する研究なり医療の技術は非常に進歩しております。しかし、もうすっかりこわれてしまった脳を何とかしてくれと言ったって、これはできないことでございます。したがいまして、こわれないようにするということ、それには先ほど申しましたように、最後はやはり人間交通事故なりあるいは労働災害を起こさないような頭の仕組みにするということ、それが一番大切ではないか、それには私たちは脳の仕組みをもう少し解明しなくてはいけないのではないかというように思っております。
  21. 床次徳二

  22. 長谷川正三

    ○長谷川(正)委員 時間がありませんので、ほんの一、二だけ質問さしていただきます。  本日はありがとうございました。先ほど来お話を伺いまして、日本脳研究世界ではトップレベルに立っているという、たいへん心強いお話を承ったわけですが、これに対しての御努力に敬意を表しますとともに、ただ、いまもお話が出ましたが、にもかかわらず交通災害等で、脳外科の専門医が少ないために、当然助かるものが助からなかったというような話を所々で聞くわけです。先ほども、質的にはアメリカの水準にもちっともひけをとらない、量的にはまだ相当見劣りがするというように裏返すとうかがえますので、そういう点で、全国的にも付置研究施設等はかなり地域的にも片寄らずに配置されているというお話でありますけれども、これは厚生省の管轄にもだんだん入っていくかと思いますが、その一番基礎的な脳外科のお医者さんなり学者なりの養成ということが、やはり量的にもっと拡大する必要が緊急の課題としてあるのではないかという感じがいたしますが、この点についての御見解を承りたいと思います。
  23. 時実利彦

    時実参考人 お答えいたします。  全くおっしゃるとおりでございまして、とにかくどの病気も同じでございますが、適当な医療が施されなければ助かるものも助からない。特に現在は、交通事故労働災害によっていわゆる脳のけがでなくなる方が非常に多いということは、裏を返せば、その専門家が、量的に分布が少しアンバランスになっておるのではないか。比較的都会のほうにそういう方が集まっているということは、もっと東京以外に全国でいろいろそのようなお医者さんを教育し、また、そのようなお医者さんが研究できる関連講座なりあるいは研究施設研究所ができれば、このような問題は、現在の日本脳研究者あるいはそれに関連するお医者さん方の研究意欲で十分に達成できるというふうに私は考えております。
  24. 長谷川正三

    ○長谷川(正)委員 それから、もう一点だけお尋ねいたします。  それは今回、過日の委員会を通過しました国立学校設置法の中で、初めて新潟大学脳研究所ができるわけでありますが、研究所になりますと格が上がると申しますか、予算上は、相当いままでの研究施設よりも端的に言ってよくなる。ところが、ちょっと伺いましたところでは、今度は独立した研究所になりますと、大学付属病院との関係等がむずかしくなるんじゃないか。先ほど、日本の脳医学は、診療部門基礎学問部門が緊密な提携をして進んでいるところに、非常に世界的に高い水準の研究ができているというお話がありましたけれども、その面が、研究所になることによって予算的にはかなり強化されましても、運営上――先ほど先生お話では、これはもっぱらそれに当たる学者の心がまえによって解決されて、新潟の場合もうまくいくんではないかというふうに私伺ったのですが、その点、心配でありますので、念のために、法的に何か改正でもしておかないと実際上運営で困るようなことはないのかどうか。この点について、先生が行政のほうの専門家でありませんから、もし先生にあまり突っ込んだことで御意見がないようでしたらば、大学学術局長のほうからでも、その点の心配はないかどうか、あわせて……。
  25. 時実利彦

    時実参考人 たいへん行政的な御質問でございますので、それには私お答えできないと思いますが、ただ、先ほど申し上げましたように、結局いろいろな、見たところうまくいくような法律的な処置をしていただきましても、やはり人の問題というものは大きいと思います。したがいまして、私は何はともあれその研究者あるいは診療するお医者さんたち協力的な、協調的な心がまえというものが一番大事ではないかと思う。少なくとも日本脳研究がここまで進んできましたのは、そのすべての大学研究者が打って一丸となってここまでやってきたんだ。新潟大学が将来脳研究所になりますれば、その点は私はもう全然心配ない、よくスタッフの方は存じております。心配ないと思います。ただ、行政的な面では存じません。
  26. 天城勲

    ○天城政府委員 一般の研究所学部との関係というものは、医学関係だけでございませんで、全体にいろいろ問題がございます。特に医学関係研究所は、お話にもございましたように診療部門を持つ場合がございますので、病院と離れ離れになってはぐあいが悪いという心配もございますので、これはいろいろくふうをいたしております。現実には、大体研究所ないしは研究施設の診療部門におきましては、別途要するに診療部門病院の中に置くというやり方をいたしまして、他の分野と孤立しないようにというくふうをいたしております。新潟の場合も、それから東大の脳研の場合も、そういう方法をとっているわけでございます。
  27. 長谷川正三

    ○長谷川(正)委員 終わります。
  28. 床次徳二

    床次委員長 参考人には、たいへんお忙しいところ長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただいて、まことにありがとうございました。厚くお礼を申し上げます。      ――――◇―――――
  29. 床次徳二

    床次委員長 次に、内閣提出公立高等学校設置適正配置及び教職員定数標準等に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。  この際、文部省初等中等教育局長より発言を求められておりますので、これを許します。齋藤初等中等局長
  30. 齋藤正

    ○齋藤(正)政府委員 面会、川村先生から新旧対照表の附則の点につきまして御質問がございまして、その場で適確にお答えいたさなかったので、この席でお許しを得てお答えいたしたいと思います。  新旧対照表の附則として掲げてありますのはこれは制定当初、すなわち昭和三十六年のときの附則でございまして、これの四項以下は今回の改正法によりまして技術的に改正する必要があると思いますから、この附則につきまして新旧対照表を載せましたが、実は本改正法自体の附則につきましては新旧対照表に載せておりませんので、あるいはその点がお読みづらかったのではないかと思うのであります。でございますから、資料として念のためにあとに新附則を掲げておりますれば、少し御理解が願えたのではないか。法律的には問題のないように成文してきたつもりでございます。  以上でございます。
  31. 床次徳二

    床次委員長 川村継義君。
  32. 川村継義

    ○川村委員 いまの問題でございますが、法案自体のお尋ねでなくて恐縮でしたが、この前私の疑問として投げかけた点については、担当の課長さんからつぶさに同じような御趣旨を聞きまして、了解いたしました。この席であらためて御発言いただいてたいへんありがたいと思いますが、ただ、私たち法律を審議する場合には、やはりそういう点、専門家でないんですからね。この附則の問題にいたしましても、新旧対照表で上のほうに現行、下のほうに改正法、こう並べていただく場合に、附則は法律技術的に見てやはり古いものでも書き並べてある、こういうことになるのですけれども、どの法律を見てもそういう一つシステムになっております。ところが、この附則の現行法の一、これは省略してありますけれども、二、三というのは実は死文と同じなんですね。必要ない。しかし、それを現行法に入れるということは、従来の慣習もあるし、法律技術的に見ても一つの慣行として、あるいは法律の沿革を見る、そういう意味から非常に大事なことである、こういう意味に解せられると思います。そこで、それであればいま局長お話しのように、今度の新しい改正案の附則をやはり末尾に追加して明記するというような親切があってしかるべきではないか。特に附則の中には、そういう意味から考えると現行法の一、二、三に匹敵するようなものは、もう一つ昨年度改正の附則要綱があるはずです。「この法律は、昭和四十一年四月一日から施行する。」という法律二十一号の附則もあるわけですから、それも並べる。そして今度の新しい改正案も、改正案の中にちゃんと追記して、そして対照表をつくって示してもらう。ひとつこういうような親切を示していただきたい、こういうことを強くお願いしておきたいと思います。
  33. 床次徳二

    床次委員長 それでは、質疑の通告がありますので、これを許します。斉藤正男君。
  34. 斉藤正男

    ○斉藤(正)委員 去る五月二十六日の本委員会におきまして、自民党の葉梨委員から概括的な質問が行なわれました。私のただいまからの質問と重複する面も多少ありますけれども、なるべく重複を避けたいと思いますが、速記録もまだ出ておりませんので、あるいは若干重複するかと思いますけれども、その点はお許しをいただきたい。  まず第一に、学級編制基準について伺いたいと思うわけでありますけれども、学校教育法第三条の学校設置基準、これは御承知のとおりでありますが、「学校設置しようとする者は、学校の種類に応じ、監督庁の定める設備、編制その他に関する設置基準に従い、これを設置しなければならない。」という条項を受けて、同法の施行規則五十六条があるわけでありまして、これには、第四章高等学校という章の第一節、設備、編制、学科及び教科というところに五十六条を起こして、「高等学校の設備、編制及び学科の種類は、高等学校設置基準の定めるところによる。」ということになっておりまして、同法の定めるところから考えますれば、編制の基準を四十名ということに明らかに明示をしているわけであります。この四十人という編制基準がある以上、やはりこれが基準となるべきだというように思うわけでありますけれども、今回の一部改正の法律案によりますと、やはり若干違うわけでありますけれども、一体この設置基準との関連を大臣はどのようにお考えになって、今度の一部改正をなされようとされているのか、その点についてまず基本的な態度を伺いたい。
  35. 齋藤正

    ○齋藤(正)政府委員 ちょっと私から、技術的なこともありますのでお答えいたします。  御承知のように、現行の高等学校設置基準は、学校教育法の規定に基づいて設けられたものでございますが、これは考え方として、国立、それから公立、私立を通じて適用される準則でございます。この点といわゆる標準法との関係については、三十六年の法制定の際にもいろいろ議論、御質疑がございました。この定数表は、実質的には一種の財政保証の意味を持つ。そして財政保証の意味でありますから、自然財政との関係で、現在どの程度が妥当で一番効率であるかという観点を、どうしても財政の観点からとるわけでございます。したがいまして、現在の時点で私ども考えましても、学級編制につきまして、四十人にしてやるよりは四十五人ということを定めて、むしろ定数の充足分を高等学校の各種の機能という分に回したほうがよかろうという考え方で改正法を立案したわけでございます。でございますから、理論的には、設置基準自体は国公私立を通ずる準則である。しかし、この公立の主たるねらいが、地方における地方公共団体の教職員定数を確保するという財政的な問題でありますから、この現時点並び将来数年の間のことを考えますと、こういうことのほうがよかろうという判断にいたしたわけでございます。
  36. 斉藤正男

    ○斉藤(正)委員 考え方ばいろいろあるのですから、そういう考え方でやられたということについては了承はいたします。しかし、世界的な動向からいきまして、佐藤総理もたびたび本会議の答弁でも言われておりますし、また、施政方針の中でも言っておられますけれども、わが国の国力の現状というようなものにつきましては、お互いに承知をいたしておるところであります。日本が先進国であるか、後進国であるか、あるいは中間であるかというようなことは、ものさしの当て方によって違ってくるし、見方によって違うと思いますけれども、少なくとも先進国と言われている諸外国におきましては、この後期中等教育の編制基準はあるいは四十人以下であったり、あるいは三十五人以下であったり、さらには三十人以下の国さえもあるわけでありまして、教育効果の向上を目ざして世界各国がきわめて前向きの姿勢をとっていることは、大臣も御案内のとおりだと思うわけであります。わが国におきましても、後期中等教育の拡充整備に関する答申等々との関連からも、当然編制基準を法に定められている四十人以下というように考え方としては考えるべきだ。財政的な措置の裏づけを云々というようなことから、今回四十五人にされたというその気持ちはわかりますけれども、諸外国との対比において、大臣も御承知だと思いますけれども、イギリス、デンマーク、ベルギー、スウェーデン、東独等においては三十人以下である。フランス、イタリア、スイスにおいては三十五人以下である。ソ連、アメリカ、西独等々においてもあるいは二十五人から三十人、二十五人から三十、五人、二十五人から四十人というように、西独の四十人というのはありますけれども、いずれにしても二十五人なり三十人なりというようなところで、後期中等教育の学級編制基準が実施をされていることから考えますと、一体この四十五人というような編制基準をどのようにお考えになっているのか。先進諸国と言っていいかどうか知りませんよ、日本よりもむしろおくれているんじゃないかと思われるような国々もありますけれども、これらとの対比において、一体どのようにお考えになっているのか。これは大臣からひとつ伺いたい。
  37. 剱木亨弘

    ○剱木国務大臣 高等学校の編制基準を四十人にいたしますことは、この設置基準に書きましたのは、終戦直後におきまして、日本のあるべき姿というので相当理想的な面を一応目標として掲げたと思います。まあ私どもも、日本の国力の伸展に伴いまして、漸次四十人以下に持っていくことが理想でございまして、その方向に向かって努力しなければならぬと思いますけれども、現に現在まで五十人でやってまいっておったのでございまして、この高等学校の生徒の急激に減少してまいりますこの機会をつかまえまして、漸次この線に近づくために、第一段階として四十五人というところまでまいりました。しかし、今後はどういたしましても四十人以下の理想に向かいまして努力を続けていかなければならぬと思っておりますけれども、あまり急激にやりますと、御承知のように地方財政にも相当大きな影響を及ぼしますので、やはり漸次段階を追いましてそのほうに近づけてまいるのが適当ではないかと思っております。
  38. 斉藤正男

    ○斉藤(正)委員 漸次漸減の方向でいくというお答えでありますが、決して了承したわけではありませんが、答弁は答弁として承っておきますけれども、今回の改正案で、普通科、商業科、家庭科等は五十人編制を四十五人にした、定時制は五十人を四十人とされている。しかしながら、いわゆる職業課程、農、工、水につきましては現状どおりであって、改善の案は出されていないのでありますけれども、一体この職業課程、農業、工業、水産業等の高等学校に対しましては、改善の必要はないというようにお考えになっておるのかどうか、また、今後さらに学級編制基準について検討、改善をはかる用意があるのかないのか。先ほどの答弁から推察いたしますれば、漸次改善をしていきたいというように言われておるように思いますけれども、具体的に、たとえば農、工、水についてはどういうようにお考えになっているのか、さらに、全般的な学級編制基準の引き下げについてはどのようにお考えになっておるのか、考え方を伺いたい。
  39. 剱木亨弘

    ○剱木国務大臣 お説のとおり、農、工、水につきましては現在四十名になっておりますので、学級定員は四十名を引き下げるという措置をとらなかったわけでございますが、実際これらの学校におきましては、最近実習等におきましてはグループ的に班編成と申しますか、そういうので実習がずっと行なわれておりますので、この実習助手と申しますか、こういった面におきまして相当考慮をいたしまして、できるだけ実態に即して小分けにして実習が行なわれますように措置をしたわけでございます。実際の農、工、水の教室内におきまするのは四十名でいたしますけれども、実習等について相当数を増しまして、実際上は小分けにして実習ができる、こういう考慮を払ったわけでございます。
  40. 斉藤正男

    ○斉藤(正)委員 学級編制基準の引き下げを職業教育課程においてはやらずに、実習助手というような面で配慮したという答弁であります。私がお聞きしたのは、農、工、水は現状四十名だけれども、先ほどお話しのありました漸進的な方向でさらに改善をされるという前向きの姿勢の中で、農、工、水はそれではこの次やるのか、あるいは四十名なら四十名で、実習助手その他の手当てでいいと考えられているのか、基本的にいわゆる職業課程の現在の高等学校の学級編制基準について、抜本的なお考えはどうかということを伺いまして、実習問題等につきましては、なお問題がありますので後ほど伺いますけれども、まず四十名という編制基準は、もちろんいいとは思っていないと思いますけれども、今回手をつけておられませんので、近い将来なり遠い将来どのようにお考えになるのか、この点を伺いたいわけであります。
  41. 齋藤正

    ○齋藤(正)政府委員 先ほど大臣お答えいたしましたように、職業教育関係は、学級自体のまとまりとしては四十人の現行に据え置いておりますけれども、専門教育を充実するために、実習助手のみならず、教員自体についても専門教育はグループ等に分けてできるように、従来もそういう考え方で定数を配置しておりますけれども、さらにそれが容易になるように配置をするということに重点を置いて、改正をしたわけでございます。
  42. 斉藤正男

    ○斉藤(正)委員 それじゃ局長の答弁でも四十名は当分おくということですね。この次、今度普通科が四十になったというようなときに同時に考えるというのですか。実習助手や、教育効果をあげるためにほかで配慮したということを聞いておるのじゃないのですよ。農、工、水四十名というのは、このままおくのかこの次考えるのか、そこを聞きたいのです。
  43. 齋藤正

    ○齋藤(正)政府委員 私どもは、今回の措置も一挙にできないことでありまして、長期的な計画でこれに達しようということでありますから、現在の時点でそれを変えるという考え方はございません。  それから、国際比較の問題でございますけれども、単に学級規模だけで比較するということは、私は必ずしも優劣ははっきりしない。たとえば各国との授業時数の比較あるいは教員一人当たりの比率、いろいろな要素、それから中等教育の持っている地位、たとえば非常にアカデミックなギムナジウムとかいうものと、日本のようにこの法案でも八〇%を予測して教育をするというような、いろいろな性格をかませて、現時点でどこに重点を当てるほうが教育効果があがるかということも考えなければいけないわけで、それは理想的に申しますればいろいろな考え方がございますけれども、この法案は年次計画をもって実現するということでございますから、現在のところはむしろ専門教育の教員を充実するほうがより効果をあげるというふうに私は考えております。
  44. 斉藤正男

    ○斉藤(正)委員 ばかにこだわるようですが、外国の例などはやはりいろいろな条件を加味し、総合的に判定しなければ、これはただ単なる編制基準だけでは判断はできないということはわかるわけです。ただ、くどくなるようでありますけれども、私がお聞きしたい点は、農、工、水については現状四十にとめおいたということは、いまの段階ではやむを得ないことである、これもわかるわけなんですよ。しかし、普通科の五十を四十五にし、定時制の五十を四十にした、これとてもいつまでもこれでいいというわけではないというおことばでありますから、その段階で農、工、水についても考えるということなのかどうかということを聞いているのでして、四十名でいつまでもいいんだということではないと思うのですけれども、そこらはどうなんですか。
  45. 剱木亨弘

    ○剱木国務大臣 定数をたとえば五十名を四十五名にいたしますその一番のねらいは、それによりまして教員の定数を割り出すということになると思うのです。でございますから、農、工、水等につきましては、その教育の態様からいたしますと、農、工、水でもやはり普通科の教育とかいうものが教室で行なわれるわけでありますから、普通科とか、そういう教室内の教育につきましては、一応今日におきましては四十名の単位でやってもらいます。そうして農、工、水で一番必要なことは専門教育の面の教員数を増すということでございますので、この四十名を下げるということをねらわないことで出てまいりました教員の増を、専門のほうの教員の増に振り当てまして、教員のほうも実習助手のほうも増加していきたい。むしろそれのほうが、専門教育を高めていくという意味におきまして、私は措置としては適切ではないか、普通科の教員までもその割合でふやすというよりも、専門教科の教員をふやすということに努力を集中したほうが適切ではないか、こういう観点からそういう制度をとったのでございます。
  46. 斉藤正男

    ○斉藤(正)委員 文部省の考え方はわかりました。だけど、私の質問にはやはり答えられていないので、これはまた後ほどひとつじっくり伺うことにいたします。  その次に、過日も葉梨委員質問に答えて、全国の中学生の現状、さらに昭和四十六年の状態、さらに公立の高校生の現状、四十六年に見込まれる推計といったようなものも承りました。大体大筋としてはそういう傾向に推移をしていくだろうというように思うわけでありますけれども、絶対数の漸減は、これはもう特に統計の上からはっきり出てくることでありますけれども、このうちでただ一点伺っておきたい点は、全国的にはそういう傾向にあるけれども、その絶対数といえども地方により、地域により相当な特色が出てくるのではないか、これは過密地帯、過疎地帯といったようなものの考え方もありますけれども、そのほかの条件からも、地域別に、全国平均と申しますか、全国の数値とは違った特殊な形態もあるのではなかろうかというように思いますけれども、こういう点については全国的な、概括的な推移とともに、地方により、地域により、特殊な例外はあるというように見ていいのか、それともほぼ各県、各地方ともこの傾向にあるのだときめつけていいのか、その辺を局長にひとつ伺ってみたいと思います。
  47. 齋藤正

    ○齋藤(正)政府委員 これは昨年の改正のときにも、その地域によって差があるという前提でわれわれは高等学校教育の全体を判断したのでございます。概括的に申しますと、進学率がわりあいに早く伸びたようなところ、たとえば山陽の地区だとか、一部を除いた四国だとか、あるいは大分でありますとか、そういうようなところは進学率も早く頂点に達し、そしてそういうところはベビーブームの波もわりあいに総体的に早くきている。ですから、これは減の速度は速い。それに比しまして東北のようなところは、進学率も現在非常に低い。それから絶対数もそれらの地区よりはカーブがゆるいというようなことがありまして、総体的に見ますと、その両者がからみ合いまして、府県によりまちまちである。大ざっぱに申しまして、定数法上考えますと二種類に分けられる。非常に早くくるところが半分、そうでなく比較的ゆるいところが半分と見まして、これは後に御質問があるかもしれませんけれども、経過措置の中で三年くらいで早く目標に達するところ、それから原則として五年で達するところというふうに分けて財政措置ができるようにいたしたい。その点は、府県の見通しというものを個々に伺って、集積をしているわけでございます。
  48. 斉藤正男

    ○斉藤(正)委員 この点はそのとおりだと思いますが、経過措置等の問題につきましては、後ほどまた触れることにいたします。  過日も葉梨委員質問にも答えられて、五年後、すなわち昭和四十五年あるいは四十六年の進学率を、全国平均八〇%というように触れたかと思います。また、これは私が非公式に伺った際の数字かとも思いますけれども、もう一度伺いたいのは、昭和四十五年なら四十五年あるいは四十六印なら四十六年の段階で、高校進学率をどの程度に押えられているのか、さらに、もう少し先になりますけれども、十年後の中学生の高校進学率はどのようにお考えになっておられるのか、この点をひとつ伺ってみたいと思います。
  49. 齋藤正

    ○齋藤(正)政府委員 私どもが県のそれぞれの見通し等を聞きまして推定いたしましたところは、昭和四十五年度で八〇・六%、四十六年で八一・五%、十年先と申しますか、私どもは計画を一応四十八年までに置いておりますから、これを八四・三%と全国平均見ております。しかし、この数字は一体どういうふうになるかということになると、これは的確に予想する道はないので、もう八〇%をこしますと一極の限界状況に達するということも、これはございます。ですから、八〇%をこしたときの状況というものは、現在までの七〇%台の動きよりは、一%くらいの見通しというものは非常に狂う可能性がございますが、少なくとも私どもが四十五年まで見通したこの七〇%から八〇%に達する間のものは、現在の見通しとしてはこれを根拠に置いて全体の教育人口を考えていいのではないか、かように考えられます。
  50. 斉藤正男

    ○斉藤(正)委員 そういたしますと、過日の葉梨委員質問に答えられまして、四十六年の高校在籍数二百八十六万、これは公立だけだと思いますけれども、というようにお答えになったと聞いております。さらに、国公私立を含めて、四十六年時点で高校在籍生徒数というのはどのくらいになると見込まれているのか。
  51. 齋藤正

    ○齋藤(正)政府委員 昭和四十六年の高校在学者数は、国公私立、全日制、定時制を含めまして四百四万二千と推定いたしました。そのうち、いまお話のありましたように公立が二百八十六万、国私立が百十八万二千というふうに推定いたしております。
  52. 斉藤正男

    ○斉藤(正)委員 御承知のように、高校教育に対する国民的な要求の高まりに対応するためには、教育水準の向上あるいは後期中等教育の拡充という観点から、高校の施設、設備の拡充整備も当然はかっていかなければならぬ。これは重要な文教施策であろうというように思うわけでありますけれども、この施設、設備の現状といったようなものは、必ずしもりっぱなものではないというように考えるわけであります。生徒急増期をすし詰め教室、すし詰め教育で経過してきた今日、いまこそ高校教育の質的な向上をはかるために、施設とか設備の拡充整備をはかる絶好の機会だというように思うわけでありますけれども、観点を変えて、ひとつこの施設、設備の拡充に対する文部省の考え方をこの際伺っておきたい。
  53. 齋藤正

    ○齋藤(正)政府委員 進学率を想定いたしましても、特に従来進学率の低かった府県におきまして、今後早急に全国平均に歩んでいくというところにおきましては、特に施設、設備の整備等が問題になってくるだろうと思います。これは公立文教におきます老朽改築等の補助金をふやす、あるいは地方財政におきまして高等学校の施設、設備に関連するもの、この分を今後なお増強していく必要があると思います。実は先回、先生から御質問があったときにもお答えいたしましたけれども、今回地方財政の方でも、高等学校関係につきましては改善の方向に非常に踏み出しておりまして、たとえば高等学校運営費を充実するため、運営費の重要な部分を占める光熱水料でありますとか、あるいは老朽改築分とかいうものについても今回新たに出てまいりましたので、あるいは前年度に比べて三〇%以上も増加して積載したものもございますから、そういうふうに財政的な措置というものを強化して、各府県が高校教育を充実していくための援助をしてまいりたい、かように考えております。
  54. 斉藤正男

    ○斉藤(正)委員 次に、教職員定数の標準について伺ってまいりたいと思うわけでありますけれども、そのまず第一は、法律案要綱によりますれば、現行規定による定数算定上教員の定数の不十分な小規模校並びに大規模校について改善をはかるというような説明がなされておるわけであります。全日制高校におきましても定時制高校におきましても、九学級以下の小規模校につきましては、現行規定による教員定数と全く同じ数の教員配置であって、何ら改善策はとられていないと私は思うわけであります。とりわけ定時制高校にありましては、生徒数四百五人、すなわち九学級でありますけれども、これ以下の学校が定時制課程の八五%も占めている。すなわち定時制におきましては、四百五人、九学級以下の学校があらかただといっても過言ではないと思うのでありますけれども、こういう現状から考えた場合、小規模校に対する教員定数算定の規定は、依然として不十分ではないかというように思うわけであります。私の法、案調査なり研究が不十分であって、間違っているならば間違っていると御指摘を願いたいと思うのでありますけれども、一体こうした小規模校に対する配慮が欠けているというようにしか受け取れませんけれども、この点はどういうようになっておるのか、承りたいと思います。
  55. 齋藤正

    ○齋藤(正)政府委員 小規模校の問題につきましては、従来は小規模学校をできるだけ整理するという方向で進みました。また、整理してしかるべきものもあったわけであります。それもだんだん推移してまいりまして、現在は、どちらかというと勤労青年のために、山間僻地等、真に必要なものが残っているという実情でございまするので、むしろ小規模学校に対して手当てを加えたほうがよかろうということで、教職員をさらに増加する措置、加算する措置をとっておるわけであります。例を申し上げますと、たとえば生徒数が八十人の学校におきまして、現行法では四人になりますが、改正法案では七人ということになります。それから六十人でありますと、四人が六人というふうに相なるわけでございます。そしてこれを、実態と、それから本校からの派遣あるいは非常勤職員の活用ということを実際に調べてみまして、必要な限度の改正を加えたつもりでおります。
  56. 斉藤正男

    ○斉藤(正)委員 いまの答弁にもありましたように、現在小規模校といわれて残っている学校はもうどうすることもできない。むしろそれを育てるという必要こそあれ、統廃合等の条件というのは全然ないのが残っていると思うのです。したがって、そういう配慮のもとに、いま言われたような教員配当がなされるということならけっこうですが、それはごく小規模、いわゆる最小規模の学校のことでありまして、私が申し上げましたような九学級、四百五人、そこらは、言うならば、小規模ではありましてもやや中規模に近いような学校につきましては配慮されていないと思うのですが、その点はどうなんですか。
  57. 齋藤正

    ○齋藤(正)政府委員 九学級以上の学校になりますと、いろいろなところへ出ております。学級編制の改善の部分とか、専門教育の充実の部分とか、あるいは定時制を四十人に持ってくるとかいうようなことの関係が全部出てまいりますので、小規模校として特に手当てを加えたいというのは、いま問題になっております百人未満のところに特別に手当てを加える。それから、先ほどちょっとお触れになりました三十一学級以上のような過大なものというようなものについて、現実に若干の問題があるということで、両極端のところへ手を加える、あとは学級編制なり、専門教育の厚みを増すというような効果が全部及んでくる、こういうふうになっておるわけであります。
  58. 斉藤正男

    ○斉藤(正)委員 さらに一点伺いますけれども、高校設置基準の第九条に、教諭の数が十二人未満のときには十二人以上とすると規定をされております。現行法も改正案も、定時制のみに最低数を八人と規定をしておると思うわけでありますが、小規模校に対する教員定数は、現行法のままで十分だというふうにお考えになっておるのか。現行法と改正法との関連から、この設置基準第九条の条項との関係をお聞かせ願いたい。
  59. 齋藤正

    ○齋藤(正)政府委員 私どもが小規模校、すなわち百人未満、従来取り扱いに非常に困っておった学校の実態を見ますと、二百四十八校ございますけれども、この中で全日制高校の分校が三校ございまして、あとは定時制かあるいは定時制、全日制の併置というようなものでございます。したがいまして、今回の措置をもって実態に対処し得る改正になるということでございます。まあ、いま申しましたように、非常に全国でわずか三校分がかりに問題になるといたしましても、今回の改正というものは、相当県単位に考えれば教員定数を増すわけでありますから、それは実情に応じて運用していただけば、県に対する財政措置としては、私は十分実態をまかない得るものだと考えます。
  60. 斉藤正男

    ○斉藤(正)委員 さらに、法律案要網によりますと、教頭、定時制主事及び生徒指導担当教員等の設置のために教員の定数の算定基準を改善する、こういうようになっております。これは九条四号の規模別補正と関連をさせておるのか、あるいはそれとは関係がないというのか、それが一点。  第二点は、このことによって教頭、定時制主事、生徒指導担当教員等は授業を担当しなくてもいいと考えていいのか。教頭、定時制主事、生徒指導担当教員、こういう皆さんは授業を担当するのかしないのか、この点。  それからもう一つは、なお九条四号におきまして教頭、主事等の算定基準の改善をはかるとすれば、小規模校には何らの措置も講ぜられないということになってくると思うのですが、この点は一体どう考えたらいいのか、伺いたい。
  61. 齋藤正

    ○齋藤(正)政府委員 教頭、それから定時制主事、生徒指導、その他管理的な職務ないしは授業以外の特別の職務を行なうという職員につきましては、従来も考えておったのでございますが、その考え方は、いま先生おっしゃるように、およそ授業を持たないということではございません。要するに授業時数を少なくして、そういうものを執行するのに余裕を得るというような考え方でございます。ただ、定数のほうにおきますれば、あるいは学校の実情によっては、授業を非常に極端に少なくするというようなことも可能でございます。考え方はそうでございまして、従来二十五学級以上の学校には、そういう意味で教員一人を加算しておったわけであります。今回は、先生おっしゃるように、九学級以上ある程度小規模学校でも教員一人の加算を行なうように改めるということと、それから二十一学級以上についてはさらに一人、これは生徒指導等を兼ねるというようなことで、さらに一人加えるように措置いたしました。そのほかに三十一学級以上の学校については、授業の編成上さらに一人の加算を行うということにいたしまして、全体をつかまえてみますと、授業時数に非常にゆとりが出てまいりまして、これらの管理職ないしは特別の職務を担当する先生方の仕事がしやすくなるというふうに考えております。
  62. 斉藤正男

    ○斉藤(正)委員 そうすると、教頭とか定時制の主事とか、あるいは生徒指導担当教員といったような皆さんは、授業をやってもいいけれども、やらなくてもいい、むしろ授業はやらなくてもいいのだ、ある一定数の上に増置するのだから、それはそれ本来の仕事に専念してほしい、本来の仕事に専心しろという意味のほうが強いのじゃないですか。その辺はどうなんですか。
  63. 齋藤正

    ○齋藤(正)政府委員 定数上それを予定して一人振っておきますれば、今度はどっちが教育上いいかという問題になろうかと思いますが、これはいままでの実例を見ましても、基礎授業から全く離れてしまうよりも、同じ生徒指導を担当するにいたしましても、教頭にいたしましても、あるいは教務主任というあれを持つにいたしましても、私はこれはむしろ少しは持ったほうがいいという場合が多いかと思っております。それで例を国立学校にとりますと、国立学校のたとえば独立の電波等でございますが、これは教頭それから教務部長あるいは学生部長に相当する者、これらの方の実態を見ますと、大体教頭で七時間ぐらい持っております。そういうように措置はしております。むしろ若干持つことが教育上いい場合があるし、また、それを持つことによって全体の先生方のゆとりというものも出てくる。しかし、これは学校の運営の方法でございますから、固定して考える必要もないし、また、規模が非常に大きくて、校長の立場で処理し、計画等の審査をしなければならぬというような場合は、これはあるいは専任的になるかもしれませんが、それはむしろ学校の運営の実態にまかしていいのではないかと思っております。
  64. 斉藤正男

    ○斉藤(正)委員 次は養護教諭の配置についてでありますけれども、従来は学校配置という原則でありましたものが、全日制と定時制併設の場合には課程別に配置をされるというような点につきましては、これは一歩前進であろうというふうにも考えます。しかし、先にも申し上げましたように、四百五名以下の定時制がかなりの数を占めている今日のわが国の高校教育の現状からすれば、まだきわめて不十分だというようにしか考えられません。現に若干の県では、県の負担で定時制にも養護教諭を配置し、あるいは父母負担、さらに勤労生徒の負担によって私費の養護教諭を置いている学校も少なくないという現状は、大臣も御承知のとおりだと思うわけであります。特に昼間働いて夜勉学に励む定時制高校生の健康保健管理は、昼間の生徒以上に大切な問題であろうというように思うわけでありますけれども、養護教諭を全校に配置をする必要度、緊急度がきわめて高いというように私は思うわけでありますが、こういう現状から考えまして、養護教諭の問題は、現状ではとても要望にこたえていないというように思うわけであります。また、改正案によりましても不十分だと思うわけでありますけれども、一体どのように対処されようとしているのか、展望も含めてひとつ御意見を伺いたい。
  65. 齋藤正

    ○齋藤(正)政府委員 今回の改善は、現行法が十三学級程度に一人ということで計算してありますのを九学級程度ということに下限を下げたこと、ただいまお話しのように課程別ということを考慮したものであります。この結果、実は約七百名くらいの増員になります。この養護教諭の問題は、一つには実態との関係というものがございまして、現在で高等学校だけに限って見ましても、その定員と現員とにはなお差があるというふうに見ていいのであります。  それからもう一つは、養護教諭を、どういうふうに力を入れるかどうかというのは、現段階では府県によりかなり差がございます。それをもし定数全体を活用すれば、私は今回の全体の財政措置によりまして、県がそこに着目をして、たとえほかのほうは若干がまんいたしてもこういうところに配置しようということならば、高等学校は全く地方財政の措置でございますから、これだけの全体の量の財政措置が行なわれますれば、特にそういうふうに着目して配置することも可能だと思いますけれども、ただ養護教諭を全部配置するということにつきましては、財政上も現在の実態等との関連、それからその職務に対していろいろ県のやっておりますやり方というものがありますので、私は、今回の改正につきましては、むしろ現行程度で充実をはかるということでいいのではないか、かように考えておる次第であります。
  66. 斉藤正男

    ○斉藤(正)委員 養護教諭の問題についてはまだまだ議論のあるところでありますけれども、一応一歩前進という点で了解をいたすわけであります。  次に、学校図書館の問題であります。今回学校図書館の重要性を考慮し、さらにその事務量といったようなものも考慮されまして、十二条二号において、八百十人、すなわち十八学級以上の課程に、図書館事務担当の事務職員を配置するということになっております。御承知のように、学校図書館法第五条に、「学校図書館の専門的職務を掌らせるため、司書教諭を置かなければならない。」と規定されております。現在、全国的に見て、高校における司書教諭の配置状況は、きわめて不十分な状況にあるようであります。図書館はあるけれども司書教諭がない。必ずしも全部の学校図書館に司書教諭が配置をされているのではないように聞いておりますけれども、その実態は一体どのようになっておるのか。いますぐここでおわかりになれば、数字を示していただきたい。わからなければ、後ほどでもけっこうであります。  なお、司書教諭の配置の不十分さは、学校図書館法附則第二項の「当分の問、第五条第一項の規定にかかわらず、司書教諭を置かないことができる。」という条項もありますので、これにも原因があると思われるわけでありますけれども、私はこの際、この附則第二項を撤廃をしなければ、いつまでたっても学校図書館の充実も発展もないというようにしか考えないのでありますが、一体この撤廃をする意思があるのかどうか。  また、三番目といたしまして、図書館事務担当の事務職員に対して、図書館法第五条第二項にあるような司書補の資格を要求するのかどうか。一体図書館事務担当の事務職員という人の身分はどういうことになるのであろうということであります。したがって、身分とか給与、待遇というようなものはどのように――一般事務職員に近いのか、それとも図書館に勤務するという立場から司書とか司書補とかいうものになるのか、この辺少しあいまいでございますので、図書館担当の事務職員の性格について、この際明らかにしておきたい。
  67. 齋藤正

    ○齋藤(正)政府委員 御質問の第一点の高等学校に司書教諭がどのくらい発令されているかという点でありますが、昭和四十一年五月一日付の指定統計によりますと、全国で二百六十四人でございます。これは私、やや現行法批判になって恐縮でございますが、学校図書館について考えてみます場合に、現在、司書教諭ということについて、これは専任ではございませんで司書の職務を兼任するという考え方でございますが、こういうふうに少ないということは、高等学校のようなところを考えますと、むしろ司書教諭というよりはそれは図書部長というようなことで、むしろ図書館を多く、図書館を充実するという方向が将来の課題ではないかと思うわけです。私どもは、この学校図書館の振興策というものを今後どういうふうに考えるかということは一つの課題になっておりまして、その方向をまだ検討しなければなりませんけれども、せっかく定数法の改正の機会でございますから、この際に事務職員のワクとしてその司書をつかさどるべき者を一応入れておいたほうがよかろうという判断に達しました。御質問の第三点にございました司書というものをどういう任用資格で今後考えるべきかというようなことは、いまの司書教諭の問題と、それからこの司書というものをどういうふうに組み合わせていくかという、やや立法論のようなことを加えながら検討していくほうが、高等学校段階等における学校図書館の充実にはいいのではないかという考え方で、現在のところ吏員相当の事務職員というままで定数を加えておりますので、将来これを埋めるにいたしましても、学校図書館における司書というものをどういうふうに考えるかということを検討してまいりたいというふうに思います。そういうことを検討いたしますためにも、定数改正の際に学校図書館という問題を出しておいたほうがよかろう、普通の事務職員という形よりか、そういうもののために積算するんだという考え方を出したほうがよかろうという結論に達したわけでございます。
  68. 斉藤正男

    ○斉藤(正)委員 これは基本的な問題に触れる答弁でありまして、なかなか議論のあるところであります。局長の答弁によれば、学校図書館法そのものに問題がある、まあ現状との比較でそういうように言われていると思うのですけれども、しかし、図書館運動というものは戦後きわめて活発に、アメリカ占領軍の政策もあったかと思いますけれども、燎原の火のごとく全国にほうはいとして起こった運動なんです。これは学校図書館にしろ、あるいは自治体が設けている図書館にしろ、私立の図書館にしろ、国民の文化水準を上げるためには必要欠くべからざるものである。社会教育上にも非常に重要視されている施設だというように思うわけでありますけれども、局長の基本的な考え方から推察をすれば、司書教諭というのはあんまり必要じゃないんだ、むしろ一般の高校の先生が図書部長なり図書館長をやることによって図書館事務を総括をし、本を貸したり借りたり整理をしたりというのは事務職員でいいんだ、事務官でいいんだというような考えにとれるのですが、そういうようにとっていいんですか。
  69. 齋藤正

    ○齋藤(正)政府委員 少しことばが過ぎて先のことを言いましたけれども、方向として、いまおっしゃったように、図書館というものは重要であるから、むしろ、たとえば高校図書館にいたしましても、単に事務的な貸し出しだけでなく、レファレンスを担当できる司書に重点を置くわけでございますから、将来の方向としてはむしろその司書というものに力を入れていって、それを校務分掌で担当するのは図書部長で、高等学校先生で十分足りるんであって、むしろ教諭のほうよりは図書館活動を充実する上から、将来の方向としては司書の方向に向くべきではないかということをついでに申し上げてしまったのでございますが、そのことは今後の課題でございますので、その課題を検討するにいたしましても、やはり学校図書館のために特にある程度の職員があるならば、この際せっかく改正の際ですからやっておいたほうがよかろう、こういう考え方でございます。
  70. 斉藤正男

    ○斉藤(正)委員 先ほど昨年の指定統計によりますと、司書教諭の総数は百六十四人ですか……。
  71. 齋藤正

    ○齋藤(正)政府委員 高等学校では、二百六十四人司書教諭として発令されております。
  72. 斉藤正男

    ○斉藤(正)委員 そうすると、高等学校の図書館というのは幾つあるのですか。
  73. 齋藤正

    ○齋藤(正)政府委員 高等学校の図書館――図書館といいましても、通常のようにある程度の規模で別に建てたものがどのくらいあるか、それからいわゆる図書室を拡充された程度のものがどのくらいあるかは、いま資料がありませんけれども、高等学校の図書資料の観点から見ますと、おおむね基準を充足しておるというような実態がございます。私もどの程度のいわゆる図書館らしいものがあるかということを調べておるのでございますが、いまその区分けの数字はございません。図書の実態はおおむね学校図書館の基準に達しておるのが大部分である、こう考えております。
  74. 斉藤正男

    ○斉藤(正)委員 どれくらいあるのですか。
  75. 齋藤正

    ○齋藤(正)政府委員 全部の学校の図書館が、ほとんど図書館法にいう基準が充実しておる。それの充実しないものは比較的少ないというふうに見ていいと思います。
  76. 斉藤正男

    ○斉藤(正)委員 大体事務職員定数、さらに実習助手定数等について伺いたいと思いますけれども、これもまた今回の改正によりまして若干の改善が行なわれていることは了といたします。しかしながら、高校設置基準と比較をいたしますと、依然として半数くらいの定数しか算定されていない。このことは、設置基準があまりに理想案過ぎると考えられているのか。先ほど冒頭の大臣の答弁等々から推察いたしますと、あれは一つの基準ですということになると、私が言う理想案だというようにしかとれませんけれども、こんな点、その関連を伺っておきたい。  さらに、教壇外職員の配当が不十分であって、なお今後改善をしなければならないというふうに考えるものでありますけれども、いま申し上げましたような、一連の直接授業は担当しない職員について、どのようにお考えになっておるのか伺いたい。
  77. 齋藤正

    ○齋藤(正)政府委員 設置基準自体に対する考え方は、あまりそう単に理想だとかいうふうに申し上げることもないのでございますが、事務職員――この定数法で取り扱っておりますのは、要するに吏員相当のということを法律で規定し、その他の職員については交付税のほうで見るという立て方を現在とっております。でございますが、今回吏員相当の事務職員につきましては、従来六学級までは一人だというようなことでございましたのを、これは高等学校でございますから、今回は、六学級につきましても会計事務とそれから庶務的なもの、各一人が最低規模の学校でも確保できるというふうに改めておるわけでございます。その他補助職員等の問題につきましては、地方財政の関係から、なお努力すべき点で学校の実態から見てあろうと思います。
  78. 斉藤正男

    ○斉藤(正)委員 時間が来てしまいましたので、まだあと三分の一ばかり予定したのが残っておりますが、ではここで終わりますから、後日もう少し時間をいただきたいと思います。
  79. 床次徳二

    床次委員長 この次に回しまして、この次のときは質疑者にも少しがまんしていただいて、できるだけ終了したいと思います。      ――――◇―――――
  80. 床次徳二

    床次委員長 この際、おはかりいたします。  本案について参考人から意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  81. 床次徳二

    床次委員長 御異議なしと認め、さように決しました。  なお、日時及び人選につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  82. 床次徳二

    床次委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  次回は、明後六月二日、金曜日、午前十時より理事会、午前十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時四十分散会