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1967-06-07 第55回国会 衆議院 物価問題等に関する特別委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年六月七日(水曜日)     午後一時三十六分開議  出席委員    委員長 戸叶 里子君    理事 小笠 公韶君 理事 小峯 柳多君    理事 砂田 重民君 理事 橋本龍太郎君    理事 武部  文君 理事 平岡忠次郎君    理事 和田 耕作君       青木 正久君    大野 市郎君       岡本  茂君    佐藤 文生君       坂村 吉正君    竹内 黎一君       木原  実君    武藤 山治君       山田 太郎君  出席政府委員         経済企画庁国民         生活局長    中西 一郎君         農林省畜産局長 岡田 覚夫君         農林省園芸局長 八塚 陽介君  委員外出席者         経済企画庁国民         生活局参事官  竹内 直一君         農林大臣官房調         査官      渡辺 文男君         農林省農林経済         局消費経済課長 森実 孝郎君         農林省農林経済         局統計調査部長 松田 寿郎君         水産庁漁政部長 池田 俊也君         運輸省自動車局         業務部長    蜂須賀国雄君     ————————————— 六月三日  物価値上げ反対等に関する請願(神門至馬夫君  紹介)(第一一九五号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  物価問題等に関する件(生鮮食料品流通問題  等)      ————◇—————
  2. 戸叶里子

    戸叶委員長 これより会議を開きます。  物価問題等に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、順次これを許します、小峯柳多君。
  3. 小峯柳多

    小峯委員 この委員会で四月二十日に、乳価安定に関する件ということでかなり具体的な決議をいたしております。生産名に対して、あるいはメーカーに対して、あるいは小売り商に対して、そういうものを含めて決議をしておりますが、その決議趣旨に沿ってあなた方のほうでもどういう動きをなさってこられておりますか、その経過をひとつ伺ってみたいと思います。
  4. 岡田覚夫

    岡田(覚)政府委員 ただいま御質問の点でございますが、先般乳価安定に関する件ということで御要請をいただいたわけでございます。大別いたしまして、酪農振興基本対策牛乳及び乳製品価格安定のための緊急措置という点が主点であるように存じております。  まず、酪農振興基本対策につきましては、本委員会において要請のありました方向に沿っていま——従来からもやっておるわけでございますが、四十二年度の予算におきましては、特に最近の牛乳生産伸び率の鈍化ということに対応いたしまして、これに対する対策を計上いたしておるわけでございます。国会の御承認も得ましたので、これが適切な、効果的な使用をいたしたいと考えておると同時に、畜産振興事業団乳製品差益が出てまいるわけでありますので、これを酪農振興のために使うということで、現在法案を提出いたしておるわけでございます。この法案が通過をいたしました場合に、これに基づきまして乳製品差益酪農振興のために使ってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。  それから牛乳及び乳製品価格安定のための緊急措置でございますが、この点につきましては、御要請のありました点につきまして、根本的にわれわれはこれを検討いたしまして、いかなる方法実施するかということにつきまして、根本的に検討をいたす措置をいま検討いたしておるわけでございます。  なお、末端の流通段階合理化につきましては、御承知のように、小売り改善モデル事業ということで予算化をいたしておりますので、この予算の執行を通じまして、地域地域合理化をはかってまいりたいと考えている次第でございます。
  5. 小峯柳多

    小峯委員 酪農振興に関する問題は、すぐ手っとり早くやれる問題ではないと思いますので、一応お説を了承いたします。それにいたしましても、私どもでやった四月二十日の決議は、予算はもうすでに組まれたあとなので、組まれた予算をどういうふうにこの決議に沿って有効にお使いになるか、その辺のくふうを実は伺いたかったのでございます。その中で、いま乳製品差益云々というお話がありましたが、それは現在農林委員会提案されておるのですか。そしてその輪郭をちょっとお知らせください。
  6. 岡田覚夫

    岡田(覚)政府委員 現在提案をいたしておるわけでございまして、近く農林水産委員会で御審議をいただくというふうに考えております。これは事業団が、御承知のように乳製品につきましては独占的に輸入いたしまして、また販売をすることにいたしておるわけでありますが、一応輸入しましたものを販売いたしました場合に、最近のような牛乳乳製品が需要に対して不足ぎみであるというようなこともございまして、やや価格が高めになっておったわけでございます。そういうことから、この差益が出てまいりました。御承知のように、現在の法制のたてまえでは、出ました差益をもって加工原料乳不足払い使用するということになっておりまして、それ以外に使用ができないようになっておるわけでございます。しかし、かなり差益も出てまいりましたので、必ずしも不足払いだけに使用するということもどうか、むしろ問題は生産振興であるというふうな観点から、生産振興のためにこの差益の一部を使用することができるような法案の内容になっておるわけでございます。
  7. 小峯柳多

    小峯委員 それはそれでいいですが、乳価安定の問題に対して、いま研究中、あるいはそういう考え方で進めていくというようなお話がありましたが、これは、必ず政府関係皆さんお答えになるきまり文句であります。私どもはせっかくああいうふうに決議をしているんですから、その線に沿って具体的に動き出したような点がございますか。研究中ということでなしに、何ほどかはあの趣旨に沿って動いているという実績がございますか。その点をひとつ伺わせていただきたい。
  8. 岡田覚夫

    岡田(覚)政府委員 実は、先般いただきました要請の件につきましては、従来からいろいろな審議会等によりまして提案がなされておるわけでございます。提案がなされておりますけれども現実の問題といたしましてはなかなか実行ができないという点があったわけでございます。なぜ実行ができないのかという点につきましては、必ずしも従来十分掘り下げていなかったと思うわけでございます。したがいまして、提案はありまして、そういうことで指導はいたしましたけれども、基本的な問題の解明が必ずしも十分でなかったという点のために、十分な効果をあげていないというふうにも考えられます。したがいまして、今回は、特に当委員会から御要請もございましたので、一体そういうことができないのはどういうところに隘路があるか、どういうところに対策を講ずればそれが可能であるかというふうな点につきまして、単に学識経験者だけでなくて、現実にその流通段階仕事をされる人々等意見も聞きまして、多角的にその問題を議して対策考えていきたい。一方で、先ほど申し上げましたように、小売り改善モデル事業ということで、地域的にも取り上げてまいりますので、中央で取り上げますと同時に地方でも取り上げて問題を解明して、それに対する対策なり計画を立てて、合理化を進めていこうというふうなことで、現在準備をいたしておる次第でございます。
  9. 小峯柳多

    小峯委員 それでは少し具体的に伺いますが、小売り段階で、乳価指導はなさらないということにおきめになったのだろうと思いますが、しかし、その小売り業が健全に伸びていくということに対しましては、やはりあなた方が指導するか育てていく責任があるだろうと思います。その小売り段階で、いまモデル云々お話がありましたが、実際問題としてどうでしょう、小売り店のほうで、こういう雰囲気の中で何ほどか新しい行き方をやってみようというふうな意欲、そのあらわれというふうなものはありませんか。あなたの言ったいまの小売り改称モデル云々というものに関連して、その動きをひとつお話をいただきたい。
  10. 岡田覚夫

    岡田(覚)政府委員 私たち、ただいまお話がありましたように、価格指導はいたさないわけでございますけれども流通段階合理化ということについては、これは積極的に取り上げていくべき必要があるということで、先ほどのようなことを考えておるわけでございますが、これに関連いたしまして、牛乳小売り商連合会等ともいろいろ話し合いをいたしておるわけでございますが、最近の労働事情逼迫、今後予想される、さらに一段と強化される労働事情逼迫というようなことを考えますと、小売り段階としても、現在の状態のままで永続的な形の商取引ができるというふうなことには、必ずしも皆さん考えておられない。やはり何らかの形でこれは合理化をしていかなければいかぬというふうな気分と申しますか、そういうふうな情勢が醸成されつつあるというふうにわれわれは考えておるわけであります。したがいまして、そういうふうな検討には、小売り業者一緒になって研究したいというふうな気持ちが非常に強くなっておるように思われるわけでございますので、小売り業者のそういった人々意見も十分聞きながら、合理化を進めていくような方策を立ててみたいというふうに考えておるわけであります。
  11. 小峯柳多

    小峯委員 どうですか、実際の何かそういう動きがありますか。日本中を見て、やはりこれだけ小売り商の数もあるんだから、進んで前向きに、こういう点、ああいう点というふうなことで動き出しておる傾向がありますか。また、そういうことに対して、あなた方がすでに御相談に乗っていらっしゃいますか。
  12. 岡田覚夫

    岡田(覚)政府委員 具体的に、こういうふうにするからというふうなところまでは、まだ動きはいっていないと思うわけであります。思いますが、これは、何とか考え対策を立てて合理化していかなければいかぬという空気は、かなり醸成されておるというふうに考えております。
  13. 小峯柳多

    小峯委員 やはり同じ決議文で、その合理化のために共同歩調が必要ならば合理化事業等考えてもいいということをうたっているわけですが、そういうことに対する政府側準備といいますか、調査とか何かやっておりますか。
  14. 岡田覚夫

    岡田(覚)政府委員 現在は、先ほど申し上げましたような合理化改善モデル事業をどのようにしてやっていくかということをやっておるのでございまして、全国的にどのような形で合理化するかというふうなことにつきましてのデータは、現在のところまだとってはございません。
  15. 小峯柳多

    小峯委員 私は、その後の小売り商動きを見ておりますと、やはり長い間の惰性があって、どういう方向に歩き出していいのか、ちょっと見当がつかないでいるような感じがする。私は乳価に関する指導というものは、御方針どおりやめてよかったと思うのですが、あとのことはむしろあなた方が、親切に指導してやったり相談に乗ってやったらいいんじゃないか。だんだんお答えをいただきましても、やはり役所というものはそういうものだという感じがするのですが、研究中だ、準備中だと、心がまえだけの話なんですが、そろそろ動き出してもいいのではないかという感じがするのですが、この点は、いままで実績なし、功績なしと私は認めますので、もう少し前向きに相談に乗ってやったほうがいいんじゃないかと思います。  それから、それに関連して、酪農関係メーカーが、かなり部分的に安売りをしている傾向があります。これは私は、競争を自由にしていただいて、乳価というものが落ちつくべきところに落ちついてくれたほうがいいと思うのですが、ただ酪農関係から言いますと、メーカーに対して値上げ交渉をするそのかたわら、自分のほうでも安売りをするというふうな、両刀使いをしているような感じがする。こういう傾向に対してはどうですか、局長自身も、好ましい傾向だとお考えになりますか、多少好ましくない、お行儀が少し悪いとお考えになりますか、どうですか。
  16. 岡田覚夫

    岡田(覚)政府委員 価格形成につきましては、畜産局といたしましてはタッチをしない、これは自由な価格形成が行なわるのが妥当であるというふうな考えを持っておるわけでございます。したがいまして、競争の結果、メーカーの間にも多少価格差があるということも、当然あり狩ると思うわけでございます。その点につきましては、私たちのほうでどのようなのが不当であるかというふうなことを申し上げることが、必ずしも適当ではないのではないかと考えておるわけでございます。
  17. 小峯柳多

    小峯委員 私も、自由な競争価格がきまるということは大賛成なんです。ただ、いま言ったように、一方でなま乳の値段を上げてくれという交渉をしながら、その酪農メーカー——全酪何とかというのがあるそうですな。それが、直接団地のようなところへ安売りしているのです。これも自由な競争といえば競争のようなものですが、私は両刀使いというものが、必ずしもお行儀のいいことではないと思うのです。これは、むしろ酪農のほうはほんとうに酪農の本来の仕事に徹して、そのかわりペイするような交渉を、これは相対で話し合いしていただいて、そういう公平な競争のもとで、いわば秩序のある競争のもとでやっていただくのが好もしいのじゃないかと考えておるのです。一般原則としてはあなたの御答弁よくわかるのですが、いまのようなことで、これはこのままほうっておいていいとお考えになるか、やはり多少お行儀が悪い、注意したほうがいいとお考えになるか、どうでしょうか。
  18. 岡田覚夫

    岡田(覚)政府委員 牛乳処理業行といたしましては、協同組合がやる場合とそれからメーカーがやる場合とあるわけでございますが、いずれにいたしましても、とにかく牛乳消費者のために配達する仕事を持っておるわけでございまして、その間に優劣の区別というものは、私はないと思うのであります。したがいまして、それは競争によりまして、できるだけ安く消費者のところへ届けるということができれば、それが一番いいのではないかというふうに考えておる次第でございます。
  19. 小峯柳多

    小峯委員 わかりました。その価格形成の間におけるお考えは、私もそのとおりだと思うのであります。ただ、そういうふうに価格指導をやめたという、そのやめたあとのお立場で、いまの小売り商、そしてメーカー、そういうものの関係に対して、あなた方は全然ほったらかして、なるようになれという態度でいいのでしょうか。それとも、こんなふうなことは役所としても、多少導きになるような方向を示していくほうがいいとお考えになるのでしょうか。乳価指導をやめたということは、私もよくわかりますし、いままでの御答弁でそのとおりだと思うのですが、畜産局長としては、事牛乳に関してはほったらかしなんだ、どんなことでもなるようになる、落ち着くのを待っておるという態度なんでしょうか、その点をお伺いしておきたいと思います。
  20. 岡田覚夫

    岡田(覚)政府委員 私のほうは、価格指導をやめましたから、流通段階につきましての指導をやめるということは決してないわけでございまして、むしろ流通合理化のために積極的に努力すべきだというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、お尋ねの点につきましては、できるだけ合理化をして安くするという指導はいたしたいと思うのでございますけれども、その間にメーカーなり協同組合なり、あるいはメーカーの内部におきまして、同じような形で販売が行なわれなければならぬというふうな指導は、これはなかなかむずかしいというふうに実は考えておるわけでございまして、流通合理化ということをやるといたしますと、多数のところへまとめて販売するとか、そういうふうな問題は当然出てまいると思いますので、合理化につきましては、できるだけ指導いたしたいと思いますけれども、全体を同じような形にしなければならぬというふうにも、一がいに考えていないわけでございます。
  21. 小峯柳多

    小峯委員 それでは、もう一ぺん重ねて聞きますが、私ども決議してから、畜産局としてはどういう会合をお持ちになって、どういう点で具体的な何ほどかお指図をなさいましたか。あなた自身決議を読んで、趣旨は了承いたしましたという程度ですか。その点をひとつ御明答願いたいと思います。
  22. 岡田覚夫

    岡田(覚)政府委員 これをいただきまして、実は個々的にこの問題を小売り業者等に話しましても、なかなか実施はできない。いままでたびたび言われましたけれども実施のできない理由があるわけでございますから、やはりそういう点を解明いたしまして、合理化方向を打ち出しまして、それについてやっていただくという形でなければ、なかなか実施できないと私は思います。そこで、小売り団体等につきまして、いろいろ意見交換はいたしておりますけれども、やはりそういう点につきまして、基本的な方向を明らかにしてやったほうがいいのではないか、というような意向を示しております。私たちのほうも小売り業者団体に、いかにして皆さん方合理化したらよいか、そういうものについての意見をまとめてほしいというふうな要請もいたしておるわけでございます。
  23. 小峯柳多

    小峯委員 あまり意地の悪い質問をしないほうがいいかと思いますが、どうもいま研究なさる、勉強なさる、基本的な姿勢、いろいろなことをおっしゃるけれども、どうもやはり私は手が届いていないような感じがするのです。四月二十日ですから、もうそろそろ何ほどかのことがあってもいいと思う。  なぜこんなことを言うかといいますと、実はきょうの新聞を見ますと、物価安定推進会議がきのうありまして、牛乳の問題に対しては政府がちっとも動いていない、こんなことではいかぬからという声が非常に出て、十三日にそのやり方を物価安定推進会議でまとめて、総理大臣に持っていくという記事が出ておる。物価安定推進会議がきのう開かれたのは御承知でございましたか。
  24. 岡田覚夫

    岡田(覚)政府委員 きのう開かれましたことはよく存じております。
  25. 小峯柳多

    小峯委員 そこで、こっちもわざわざ決議までしているのだから、やはり何ほどかの前向きの姿勢というものがあなた方に見られないから、こういうことになっておるのだと私は思う。物価安定推進会議というのは正式な国家機関ではないと思う。国会委員会というものは、あなた方から見れば、しろうとが寄っていろいろ言っているとお考えになるかもしれないけれども、われわれにはそれぞれ背景というものがある。国民の代表という背景がある。しかも与野党一致して決議しておる。もうちょっとこれに対して良心的に動いてもらわなければ、こんなことを百万べん言ったって意味がないと思う。これは事務的な意味でですよ。大臣がお見えになれば、大臣にも政治的な商い立場要請しなければいかぬと思うのだけれども、あまり似たようなことをまたこうして言っているから、ひがみかもしれませんが、われわれのやったことは、畜産局農林省から見ると、あれはしろうとが御託を並べているのだという程度になっているのではないか。それではやはりこの委員会がこれだけ大騒ぎをして、しかも、与野党一致でこんなにみなが一致して決議をしているときに、それでは少しのろいといえばのろ過ぎるし、誠意がないといえばなさ過ぎるし、ちょっとばかり残念だから、特にこういう質問をしているのです。以上のことを含めて、これからどうなさろうというお考えですか。少し具体的に——もう勉強する、研究するという段階ではないと思う。私どもも勉強してきた。だから、その中で全部とは私は言わない。取り上げられるものは、一つの方向で歩き出しませんと、これはやはり世間から見て、畜産局は一体何をやっているのだと言われても、弁解のしようがあるまいと思う。そういう意味においてこれからどうなさるつもりか。これから十三日に出るまで動かないおつもりか。物価安定推進会議で言われぬだって、あなたは担当の局長なんですから、もう少し積極的に前向きで動かなければいかぬと思いますが、どうですか。
  26. 岡田覚夫

    岡田(覚)政府委員 お話の点につきましては、われわれもできるだけ早くやりたいと思っておりますが、御承知のように、単にこういうことをやったらどうか、というようなことでできるような簡単な問題でもないわけでございます。したがいまして、われわれといたしましては、たとえば小売り業者であるとか、メーカーであるとか、消費者であるとか、学識経験者も含めまして、そういった方々一緒にこの問題を研究しまして、やはり実際やる人がこうやってやったらできるのだ、政府はこういうふうなことをやってくれれば、われわれとしてはこうやるというふうなことを掘り下げてまいりませんと、単に、たとえば家庭配達の慣習はやめろといいましても、現実にはなかなかこれはやめられないという問題もある。具体的な方法といたしまして、どのような方法をとってそういうことを実現するか、こういうふうな問題になるわけでございますから、そういう点で、そういうふうな合理化をやる人々を集めまして、具体的な研究をやるという準備をいま進めておるわけでございます。
  27. 小峯柳多

    小峯委員 その準備というのは、具体的に近く始まるのですか。ことに、学識経験者意見を聞かなければ、畜産局長としての腹はきまらぬのですか。
  28. 岡田覚夫

    岡田(覚)政府委員 近く始めるということで、いま準備をいたしておるわけでございます。実際の合理化をやりますのは、消費者なり、小売り業者なり、メーカーだということになるわけでございますから、そこで、具体的な話し合いをいたしまして、どういうふうにすれば消費者も喜ぶし、小売り業者としてもやっていけるかという点をほしてまいろうというふうに考えておるわけでございまして、その点を根本的にほしてまいりたいと考えておるわけでございます。もちろん、われわれだけでできないことはないわけでございますけれども、しかし、いままでいろいろなことを言っておりましても、なかなかできないわけでございますから、やはりわれわれが言っただけではなかなか実現がむずかしいので、むしろ実際にやられる方々が集まりまして、こうやろうではないか、ああやろうではないかというふうにいたしませんと、なかなか実効があがらないというふうに私たち考えておる次第でございます。
  29. 小峯柳多

    小峯委員 その点は私もよくわかりますが、お願いすることは、何にしても結論をつかみ出す動きだけでも始めてもらわないと、これだけ世間で騒いで、物価委員会でもいろいろ取り上げて、共同決議までいたし、そして推進会議でも一向に動いていないから、ということでは、私は少し不名誉のように思うし、この委員会で、それこそ議論し合ったことが、何か軽くいなされているような感じがするので、こういうふうに申し上げているのです。  お説のとおり、急にできる問題ではありません。しかし、少なくともそういう前向きの方向に対して、あなた方が相談し合う形でも何か進めなければ、畜産局は何にもしてないじゃないかということになるのですよ。あなたは、御答弁ではいろいろのことばを尽くされましたけれどもことばじゃないのです。これは、そういう意味で十三日の物価安定推進会議総理のところへ行くと、今度は、総理からおこごとをちょうだいしますよ。その前に、やはりお立場があるのだから、少し動き出されてはどうですかということを私は申し上げておるのでありますから、どうぞこの点は特に胸の中におさめていただいて、局内の御意見をまとめて動き出されるようにしていただきたい。私は決して、結論を出して必ずこれがいいのだということを、あなたから聞こうと思っていなかったのです。せっかくいま物価委員会でこのように言っているのだから、その線に沿った努力をいたしておりますという姿が見えれば、私はこんないやみを言いませんよ。一体お役所仕事というのは、のろいのが定評なんですけれども、こういう問題、特に生鮮食料品というものは鮮度が落ちますよ。鮮度が落ちないうちに動き出されることをお考えにならなければいかぬと思うのです。あなたに対する質問はこれで終わります。  この間、二回ほどにわたって中央卸売市場の機構の問題を私どもは勉強してまいったのでありまして、関係者の御意見も承ってまいりました。そうして、それぞれのお立場から伺ってなかなか勉強になったと思うのでございます。そこで、その流通機構の問題を、皆さんから伺ったお話を中心に少し伺ってみたいので、あるいはこれが直接の担当の局長でなしに、市場関係の方の御答弁をいただかなければならぬような問題があるのじゃないかと思いますが、どうぞひとつ、それぞれのお立場で御答弁いただきたいと思います。  生鮮食料品を中心に、どうでしょうか、最近十年間に、これは特に十年と限らなくてもいいのですが、食慣習のようなものが変わってきているのじゃないかという感じがかなりするのですが、たとえば、一人当たりの消費量で、蔬菜がどうだ、果実がどうだ、あるいは水産物はどうだ、この水産物の中でも冷凍されたもの、加工されたものとの割合はどうだろうか。私は、やはりいろいろな変化というものがあるだろうと思うのです。そういう変化が、いまの価格形成にも一つの役割りを果たしておると思うのであります。  この間、神戸の小売り商の方の御意見だったと思うのでありますが、こういうお話をしておりました。政府は、あんまり豊かな生活というふうなことをうたうものだから、魚の消費傾向に対しても一つの傾向が出てきていると言うのです。この人は、私はサバとアジを大衆魚として、非常に栄養もあるし、一生懸命売りたいのだが、売れ行きが悪くなった、これは魚の本質からきている問題じゃなしに、サバやアジしか食わせないのかという御主人の意向もあるし、御近所の奥さま方と一緒に市場へ行っても、サバとアジだけ買うのはみえの上からも困るのだというお話です。委員長などそういう心理は御存じかもしれないけれども、私は、伺ってたいへん興味ある問題だと思ったのです。そういう問題も含めて、この成長経済下の中で、食慣習の変遷もあるだろうし、い言ったような経済成長から生み出された副産物みたいなものもあるのだろうと思いますが、生鮮食料というものは、最近十年間に——何でも十年間でなければならぬというのではなしに、食慣習の上で何か変化、変遷というものがあるのではないかと思いますが、お気づきの点を、それぞれのお立場からお聞かせいただきたいと思うのであります。
  30. 池田俊也

    ○池田説明員 ただいまの御質問でございますが、水産物の需要は、一般的に申しますとかなり強いわけでございますけれども、一人当たりの消費という点から見てみますと、数量で申しますと、昭和三十七年ごろから大体横ばいでございます。ただ、その中身について見ますと、ただいま先生から御指摘をいただいたわけでございますが、かなり変化があります。一つは、ただいま御指摘いただきました生鮮魚の中で、特に魚種別の嗜好と申しますか、そういう点が確かに変化しているように思います。いわゆる多獲性の大衆魚でありますサンマでございますとか、アジ、サバでございますとか、そういうものに対する消費者の需要が必ずしも昔ほど強くない。それに対しまして、高級魚に対します需要が一般的にはかなり強いわけでございます。  それからもう一つの特色といたしましては、生鮮、冷凍、それから加工と、いろいろな形態があるわけでございますけれども、いわゆる生鮮、なまものでございますが、これの割合が非常に減ったわけでございます。これは、いろいろ技術的な進歩というようなこともあるかと思いますが、現在では生鮮魚というのは大体一割程度でございまして、消費者の方が魚屋さんから買っているのは、実は冷凍魚が非常に多いのでございます。  それから加工品の割合が非常にふえております。その中でも練り製品、かまぼこでございますとか、フィッシュソーセージでございますとか、そういうものの割合が非常にふえております。それから、同じ加工品の中でも、これはやはり多獲性大衆魚の傾向と同じだと思いますが、非常に単純な塩乾、たとえば干ものでございますとか、そういうものの需要が必ずしも強くございませんで、比率としましては、横ばいないし若干の減少ぎみというようなことで、いわゆる高次加工品がふえております。こういうような一般的な傾向がございます。  この理由でございますけれども、これは一般的な傾向といたしますと、やはり国民の生活水準が向上いたしておりまして、従来は、比較的安いサンマでございますとか、アジ、サバ以外のものはなかなか手が出なかったのが、比較的高級品にも手を出し得る余裕が出てきたというようなこともあると思いますが、また、一つには、主婦が比較的そういう調理の手間を省きたいというような傾向が非常に強くて、そういうような関係で、昔でございますと、サンマを炭で焼いて食べるというようなことでございますけれども、こういうのをあまり好まないで、比較的簡単に調理できるようなもの、あるいはそのまま食べられるようなものに傾向が移っている、こういうようなのが水産物の需要に対します一般的な傾向ではないかと思います。
  31. 小峯柳多

    小峯委員 ほかに、それぞれのお立場から、ひとつ……。
  32. 八塚陽介

    ○八塚政府委員 私どもの所管をいたしております作物の中の、たとえば野菜について申し上げますと、これは、ただいま水産庁のほうから話を申し上げましたのと同様に、家計調査等で一世帯当たりの野菜の重量的な増減という点からまいりますと、必ずしも野菜は一人当たりについて多く消費されるという傾向にはございません。ただ、外食であるとかあるいは独身者等の数が非常にふえております。したがいまして、全体の生産量、供給量あるいは需要量というのは、これは、たとえば昭和三十五年を一〇〇といたしますと、約一二五程度のふえを示しております。ただ、その中で、しからばどういうふうに変わってきたかということでございますが、これは御承知かと思いますが、ものによって比較的違うわけでございます。たとえば、東京都の中央卸売り市場へ入荷いたします野菜がたくさんございますけれども、それを三十五年対四十年で比べてみますと、レタスとか、ピーマンであるとか、あるいはセロリーであるとか、そういう、かつて昭和三十年あるいは三十五年当時は、いわば特殊な作物であったというのが、その五年間の間に、二〇〇%であるとか二七〇%であるとかいうふうな大きな伸びを示しております。それからキャベツ、あるいはパセリ、そういうものもやはり一五〇%というようなことになっておるわけでございますが、一方サトイモであるとか、あるいは白菜、大根というようなものは、これは全体の入荷量でございますから、必ずしも的確にあらわれていない場合もございますが、約一三〇足らず、そういうことになっておるわけでございます。  この原因は何だということになりますと、これもあるいは通り一ぺんのことかと存じますが、やはり一応所得が伸びてきておる。一方、いわゆる保健思想というのが非常に普及してきておる。それから、たとえば、これは非常に端的な言い方でございますが、いわゆる煮ものと申しますか、塩味、しょう油味のついた煮もので白いごはんを食べるという食物のとり方、それがだんだんと肉であるとかそういうものに対して、いわゆるビタミンCなりなんなりを含んだ生鮮な野菜をなまで食べるというような傾向が一般的に進んでおります。そういう意味におきまして嗜好が変化しつつあります。  それからもう一つの変化といたしましては、周年的な傾向を帯びてきております。たとえば、従来でありますと、トマトにいたしましても、キュウリにいたしましても、いわゆるしゅんに食べるけれども、特殊な場合以外は冬に食べるということはなかったわけでございますが、現在は促成あるいは抑制、ハウスもの等の生産体制と対応しながら、一方ではかなり普通にトマト、キュウリを冬に食べるというように傾向が変わってきております。そういうことに対応いたしまして、産地のほうでも漸次体制が、やや東京近郊と気候的に違うところから供給する、そういうことも変化の一つとしてあるのでございます。  私どもといたしまして、そういう傾向をよしとするか悪しとするかということでございますが、実は私、昨年佐藤総理に呼ばれまして、一体何を指定野菜としてやっているのだということで、これこれしかじかと説明をいたしたことがあるのでございますが、うっかり冬のトマトまでは、というようなことをちょっと言いましたら、もういまの段階では、冬のトマトというのは必ずしも特殊な家庭で使うというものではないのではないかと、逆に御指摘を受けたこともございまして、そういう傾向はあらわれておるというふうに考えますので、どうもそういうことをぜいたくであるというわけにはまいらないと思います。むしろ保健上はそのほうが進歩である。したがって、私どもとしましてはそういう方向へやはり供給をしていくという態度をとるべきではないかと思っております。
  33. 小峯柳多

    小峯委員 くだものはどうですか。
  34. 八塚陽介

    ○八塚政府委員 くだものにつきましては、まず一般論としまして、一人当たりの消費は、大体くだもののほうの消費が野菜よりもふえております。この十年で約倍になっております。ちょっと私くだものの数字をはっきり覚えておりませんが、昭和三十年で一人当たり約二十キロであったのが、現在は四十キロから四十五キロ、あるいはそれ以上になっておるかと思います。ただ、その中での品目の相違というものがかなり顕著にございます。一つは、これはウエートとしては大きくないのでございますが、外国からの輸入くだものが最近はふえております。もっと大きな変化といたしましては、いわゆるかんきつ類の消費がふえている。リンゴ等が、現在日本人は一人で約十一キロ程度食べております。これは大体、アップルパイであるとかいろいろ加工用に使いますアメリカの水準程度になっております。それに対しましてミカンのほうは、量も著しくふえて、従来供給量からいいますと、昭和三十年ごろは、どちらかというとリンゴのほうがやや多かったわけでございますが、現在はミカンのほうが、供給量即需要量と考えますと、リンゴの倍ぐらいになっております。これも一つは、そういうようにリンゴの絶対的な消費量というものもございますけれども消費者の嗜好といたしましては、やはりジューシーである、腹がふくれないでしかもビタミンCなりなんなりが多いほうがいいということで、やはりミカンのほうへ手が出るという、野菜について申し上げましたような、いわゆる保健的な、あるいは食生活についての高度化の傾向があらわれているというふうに見ております。
  35. 小峯柳多

    小峯委員 いまそれぞれのお立場で、好みの国民消費の変遷というものをお述べいただいて、たいへん私は興味深く伺ったのでありますが、国民生活局長はさっきお出ましになっていなかったので、さっきの話をもう一ぺん繰り返しますと、この間参考人でお魚の小売商の方に来ていただいたら、サバとアジがまるっきり売れない、そうして、一つはみえみたいなものがあって、奥さま方が一緒においでになると買わない。これで私ヒントを得たんですが、原局ではこういうことに対していい悪いという判断をすべきではないが、あなた方のようなお立場で、消費生活を指導するというか、啓蒙するというか、そういう努力をやっていらっしゃいますか。あるいはそういうものをやっていないとすれば、将来どういうふうにお考えになりますか。あなたのお立場でいかがでございましょう。
  36. 中西一郎

    ○中西政府委員 お話の点、一つの問題点だと思っています。経済企画庁が自分でパンフレットをつくって配布するというわけにもまいりませんが、都道府県段階あるいは市の段階で、一種の暮らしの手引きといいますか、暮らしの改善といったようなねらいで、いろいろなパンフレットをつくる、それを文部省関係の社会教育の場とか、あるいは新生活運動の生活学級の場とか、そのほか消費者関係団体がたくさんございますが、そういうところと連携をとりながら、仕事としては緒につき始めております。ただ、それが十分であるかどうかということになりますと、まだしなければならないことは相当あるのじゃないかと思います。すでにここでも話が出ておりますけれども、昨年の十一月からですか、第四チャンネルで、ことしの予算では大阪のほうも、テレビ番組などを通じて、その日のお買い得品を紹介することを、午後二時過ぎですか、やっておるようです。わりに好評のようですが、それやこれやいろいろ手だてを講じていく必要は相当あると思っております。特に、欧米諸国に比べますと、民間の消費者自体の活動に非常に差がございます。そういう意味で、過渡的には、やはり行政機関を通じてそういうことをやっていく必要があるというふうに考えております。
  37. 小峯柳多

    小峯委員 私がいま消費生活の変遷の御質問を申し上げましたのは、そういうふうな変化を伺いますと、生鮮食料品の商品としての性格が少しずつ変わってくるのじゃないか。市場で取り上げます場合に、たとえばお魚で、全部鮮魚である場合と、加工品や冷凍品が取り扱われる場合とでは、市場の取引の機構にまで影響が出てくるというふうに考えたから、実は伺ったのであります。くだもの以外は一人当たりの消費量はそうふえていないようでありますから、人口の増加を腹の中に入れておけば、私は原局としては供給の体制というものはつくれるような感じがするのですが、どうでしょうか。原局の皆さんとして、そういう変遷に応じるような生産指導のようなことをやっているのでしょうか。これはお魚でも、蔬菜でも、くだものでも同じでございますが、どうでございますか。
  38. 八塚陽介

    ○八塚政府委員 先ほど国民の一人当たりと申しますか、一世帯当たりの消費のいわゆる重量は、あまりふえていないということを申し上げました。同時に、中のウエートがいろいろ変わってきておるということをつけ加えたわけでございますが、なお全般としては、やはり消費は、たとえば野菜についても相当伸びております。したがいまして、先ほども申し上げたと思いますが、三十五年を一〇〇といたしますと、四十年の供給量は一二五ぐらいになっておるというふうに申し上げたわけでございます。一方価格は、やはり非常に伸びておるわけでございます。約倍になっておるわけでございますから、やはりそういう面から考えますと、でき得べくんばもう少し低い価格で供給するのが必要であります。もちろん、品物ごとに必要な需要に応じてつくるのでございますが、しかしそれにいたしましても、一面生産者に、高いということを責めるわけにいかない事情が実は多々あるわけでございます。労働時間が、たとえば促成キュウリなどというものは一反歩二千時間かかるというように、非常に時間のかかる集約的な作物であり、なかなか機械化というのもむずかしい。そういう点からいいまして、生産費を下げるように私ども生産者の方に御援助しなければいかぬ。反面、これまた御承知のように、価格の騰落が野菜は非常に激しいわけでございます。そういうことで消費者生産者両方に御迷惑をかけてもいけないというような全体の状況の中で、私どもといたしましては、やはり全般としては消費需要が強い、それに対していまのように生産費のほうで、あるいは価格安定のほうでいろいろ対策を講じながら、そういう消費に対応した生産をやっていくことが必要であろうというふうに、一般論として考えておるわけでございます。  そこで、あるいはあとから御質問があるのかもわかりませんが、一般の消費いたします野菜のうちで、約六割程度を占めます八品目を指定いたしまして、それを特に重点的に取り上げて対策を講じておるわけでございますが、その中にも実は品目的には二つございます。たとえば大根というのは、先ほども申し上げましたように、特に消費がどんどん伸びておる作物ではございませんし昭和九年、十年ごろと比較いたしまして、現在なおたいしてふえていない。しかし、一方、消費の中のウエートは非常に大きいものでございます。そういうふうに、必ずしも需要のふえておる作物ではないけれども、依然として伝統的な食習慣の中では大きなウエートを占めておる作物、それから一方、先ほども申し上げましたように、トマトであるとか、キュウリであるとか、新しい意味で需要をされておる、今後ますますされるであろうというようなもの、こういう二つの類型に分けられると思います。そういうことを考慮いたしまして生産対策を講じてまいる、あるいは価格安定の対策を講じてまいるというふうに考えております。
  39. 小峯柳多

    小峯委員 ほかに、それぞれのお立場で、簡潔にどうぞ答えていただきたい。
  40. 池田俊也

    ○池田説明員 水産物の関係でございますが、これは、御承知のように生産面から考えますと、裁培をするものと違いまして、海にいるものをとるわけでございますので、そういう需要の変遷に応じてすぐそれに沿ったような漁獲をするというのはなかなかむずかしいわけでございます。それから、一つには資源との関係がございまして、ある魚種について非常に需要が強いということがありましても、資源の関係から、必ずしも漁船の隻数をふやせないというような事情もございます。  ただ、私どもといたしましては、やはり先ほど申し上げましたような傾向でございますので、生産なりあるいは加工等の面でなるべくそれに合うような方向に持っていくべきではないだろうかということで、生産面につきまして一、二事例を申し上げますと、これは全般的な数字からいたしますとわずかな数字でございますけれども、たとえば、最近ハマチと申しましてブリでございますが、ハマチの養殖というのが非常にふえております。これは稚魚を非常に小さいときにとりまして、一定の囲いの中でえさをやりまして大きくする、こういうことでございまして、これの生産量というものは、最近かなり急速にふえているわけでございます。それから、浅海におきますいろいろな養殖、ノリでございますとか、その他の貝類でございますとか、そういうものにつきましても、極力浅海漁場の開発ということを構造改善事業の一環として取り上げておりまして、そういうような比較的需要の強くて、しかも沿岸漁民がそれに大きく依存しているというものの生産をふやしたい、こういうような施策を進めているわけでございます。  それから、加工というような面から考えてみますと、やはり先ほど申し上げましたように、非常に簡易な、主婦があまり手を加えないで食べられるというような方向に極力持っていきたい。たとえば、多獲性の大衆魚でございますけれども、これも、団地等で煙を出して無を焼くというようなことも、非常にぐあいがよろしくないというようなこともありますし、また、一方から考えますと、頭でありますとか内臓でありますとか、そういうものは大体は食べないで捨ててしまうものでございますから、そういうものに対するむだな輸送をしたり、あるいはじんかいを処理するというようなことが極力ないようにということで、これは一つの実験でありますけれども、無頭無内臓といいまして、頭と内臓を産地で取りましてそれを冷凍にする、そうしてそれを消費地へ持ってくるということで、それが最終的に消費者の手まで行けば非常に効果的なわけであります。これはまだ必ずしも一般的にうまくいっているわけじゃございませんけれども、私どものほうでやっております冷凍水産物の流通改善事業というのがございますが、その中で若干取り上げまして、そういうような傾向を進めてまいりたい、こういうようなことで努力いたしておるわけでございます。  それから、その他の一般的な方策といたしましては、やはり魚の鮮度をよく保って、そしてそれを最終的に消費者の食ぜんまでのぼせる、こういうようなことで、冷凍施設の整備ということは非常に重要のように思います。従来からこれは、産地、消費地にそういう冷蔵庫をつくるような助成をいたしておるわけでございます。さらにそういう冷蔵庫に一応入れました魚を、今度は一般に普及するということで、冷蔵自動車あるいは移動展示車というようなものを助成いたしまして、一般の消費者方々の理解を深めたい、そういうような施策をやっておるわけでございます。
  41. 小峯柳多

    小峯委員 いろいろお話を承りましたが、今度は市場の問題で、これは「東京都中央卸売市場取扱高の推移」という資料によるものであります。いま皆さんの御答弁の中で、一人当たりの消費量が非常にふえているものはくだものだけなんです。お無も、蔬菜も内容の変化はたいへんあるように承りましたが、一人当たりの消費量は、くだものだけがずば抜けてふえて、あとは大体横ばい、こういうふうに御答弁いただいたのですが、この統計を見ましてたいへん興味のありますことは、一人当たりの消費量がずば抜けてふえているくだものが、取り扱い数量が、三十五年を一〇〇として七割一分ふえているのです。そして値段のほうでは、一キロ当たりの値段なんですが、五割五分上がっているのです。わりあいに蔬菜や水産物に比べると、値段のほうが安定しているのです。これは中央市場の取り扱い高ですから、これが全部いままでお話のあったようなものを的確に表示しているとは私は思っているのじゃないのだけれども、一番たくさん食べるようになったくだものは、値段としては上がっていない。しかし蔬菜のほうは、同じ時期で数量で三割六分ふえて、値段は九割上がっております。それから水産物のほうが、数量が二割五分ふえて、値段が七割三分上がっているのです。これは中央卸売り市場の統計なんです。  そこで、私はいま承った傾向と少し食い違いがあるように思う。こういうところに東京都の中央卸売市場としての機構上の欠陥があると思う。これは広い意味の欠陥です。たとえば、卸売り人の集荷能力の問題もありましょう。あるいは仲買い人のその中における活動のしかた、あるいは小売り商がそれにつながりながら、かなり私は、不合理な面もあると思います。それから全体の市場が非常に狭隘で、なかなかたくさんの数量をこなし得ないというふうなこともあるのじゃないかと思います。いろいろなことが重なり合っていると思うのでありますが、いまの一般的な傾向の中でこういう違いが、特に蔬菜の値段が九割高く、水産物が七割三分高く、くだものに比べてかなり飛び上がっているというところに、何かやはり市場全体としての欠陥というものが私は内包されているように思うのでありますが、どうですか。市場を担当なさっている責任者のお立場から、いまの中央卸売市場というものを取り上げて、どういうふうに改善すれば——これは直接影響のある面もありましょう、あるいは間接の影響になる面もあると思いますが、どういうところを直したら、末端の価格にわずかでもいい影響があるとお考えになっているか。いや、いまの市場でいいのだとお考えになっているか。私は、市場を改善していくのも、あるいは拡充していくのも、結局末端の消費行のためでなければならないと思うのです。その末端の消費者立場を含めて、いまの市場というものに対して、市場を監督なさるお立場から、どこを直したいのだ、どこに欠陥がありそうだという見当がついていますか。それをまず総括的に伺ってみたいと思います。
  42. 森実孝郎

    森実説明員 御質問が非常に広範でございまして、必ずしも的確にお答えできないかもしれませんが、いま御指摘になりました数字が手元にございませんので、しかとお答えいたしかねますが、ただ、先ほどからの園芸局長答弁にもございましたように、営業用消費というものの比重が非常に高くなっておるということは、ひとつ十分御了解願いたいと思います。  市場自体といたしましては、私ども、現在、特に東京、大阪の市場の問題を中心に審議会を開きまして、いろいろな角度から御検討賜わっております。政府と申しますか、農林省といたしまして、この審議会に特に基本的に重要な事項としてお取り上げを願っておる点は、大きく分けると二つあるわけでございます。  一つは、市場の狭隘化という問題を抜本的に解決しなければならぬ。そういう意味で新市場の建設と、既存の市場の抜本的な改造というものを並行して考えていただきたい。そういう意味で私ども事務局の試案でございますが、たとえば東京では六市場、それから東京周辺で既設市場以外に五市場、大阪では二市場、大阪の周辺で新市場として三ないし四市場というものの建設を計画的にスピードアップしていく。特に、中心市場の整備もございますが、人口の増加の形が外縁部に放射線状に伸びていく実態から考えて、外縁部に、交通の関係等も考慮してつくっていく問題、これも一つの考え方の方向ではなかろうかと思います。  それからもう一つは、市場取引の問題でございますが、先生も御承知のように、現在市場取引の原則は、委託販売、せり取引という取引原則をとっているわけでございます。私どもある程度規格性もあり、貯蔵性もある品目で、かつ、需給予測の立つものについては、定価売りあるいは相対売りというもの、あるいはまた集荷にあたっては、合理的な買い付けのしかたというものを、一定の範囲で秩序あるルールをつくっていくべきではなかろうか。それとの関連におきまして、ある程度規格性の高度のものについては、鮮魚の取引のようなものはなかなか問題があると思いますが、たとえば冷凍品、くだもの、こういったものを中心に、見本取引の導入を考えていくべきではなかろうか。こういった二点を特に焦点といたしまして、市場の建設、運営の問題につきまして御審議を賜わっているわけでございます。
  43. 小峯柳多

    小峯委員 構想は大体わかったのですが、少し区別をして伺います。  私は、この間も参考人に伺ったのでありますが、市場というものはどうしても一カ所に集中する傾向を持つと思うのですよ。交通機関が発達する、通信機関が発達する、どうしても市場というものはその国の中で一番大きなものに集まっていって、その他のものがだんだん相対的に小さくなるという傾向を持つように思うのです。言いかえますと、中央市場、特に東京、大阪が集散市場としての性格が非常に強くなる。それだけによほど思い切った設備の拡充強化をやりませんと、その市場本来の傾向にマッチできないと思うのです。ですから、いまお話がございましたが、どうしても東京は特に大きくなると思うのですけれども、もっと大きくなりますと、転送するとかまたあるいはまたトンボ返りに、消費地を通り越して集まったものがまた消費地に行くというようなことも出てくるので、いろいろな問題はあると思うのですけれども、やはり傾向としては、大市場化ということは避けられない。そこで、その大市場化の傾向の中で、地方の市場との連携といいますか、関係というものを、どういうふうに律していったらいいか。中央市場は大きくなりっぱなしで、地方は細々とした不完全なもので残しておいていいか、それとも大きくなる傾向承知しながら、中央の市場機能というものを地方にもそのまま生かせるような、たとえば、これはまるっきり性格は違うのですけれども、証券市場などでは中央の、東京の市場の写真相場といいますか、結局そこでできた相場がほとんどものを言うような傾向にございます。そういう意味合いで、中央の市場、言いかえれば東京、大阪の市場の充実強化と地方市場の充実を、どういうふうなかね合いでお考えになっておられるか、その連携をどういうふうに律していったらいいか、その辺のお考えを承りたいと思います。
  44. 森実孝郎

    森実説明員 いま御指摘がございましたように、確かに東京、大阪の集散市場化の動向は、一つの方向としては評価していかなければならぬ点があると思います。そういう意味で、ちょっと言い落としたのでございますが、やはり東京自体には、相当思い切った規模の集散的機能を持った市場をやはり考えていかなければいけない。そういう意味で、実は私ども審議会で一つの検討の中心として、従来の神田、築地の果たしていた機能というものと、築地と、それから新しく建設を予定しております大井の埋め立て地の新市場に置きかえて考えていくという問題を、特に具体的なテーマとして、いま御審議をお願いしておるわけであります。  地方市場との連携の問題でございますが、大きく分けますと、地方市場と申します場合に、いわゆる東京周辺の地方市場の問題と、それから地方中小都市の地方市場の問題と、二つ違った意味合いでやはり考えていかなければならない。確かに先生御指摘のように、東京周辺の地方市場が、ひとつのむずかしい段階にきていることは事実だろうと思います。私どもの基本的な考えといたしましては、予算を御審議願ったわけでございますが、本年度地方市場対策協議会というものをつくりまして、一つの基本的な考え方を整理してまいりたいということを予定しているわけでございます。私どもの基本の考え方としては、地方市場の統合と設備の近代化は、やはり相当組織的に考えていく必要があると思います。二番目に、特に東京周辺の市場については、個々の地方問屋と東京の商業資本との調整という問題がございますので、やはり小売り店消費者立場というものも考慮しながら、ある程度経営的な提携とか、あるいは資本的な提携というものも、それなりに評価していかざるを得ないのじゃないかという考え方をとっております。  それからまた同じ間接集荷と申しますか、いわゆる転送あるいは仲買いの回送、そういった全体の問題を含めまして、いわゆる間接集荷自体が持っている一つの合理的な側面というものも評価して、それに一つの秩序ある規律なりルールというものをつくっていく、こういう三点が考え方としては必要なのではなかろうか。特に、東京等の周辺につきましては、事態の緊急性もございますので、昨年度からこういった総合的な、ある程度整備された地方市場について、開銀融資等で融資のあっせんということも講じていきたいと考えております。
  45. 小峯柳多

    小峯委員 東京市場の拡充のスケジュール、これはいまお話を承ってお考えはわかったのですが、いつごろにどの程度のものが拡充され、強化される、そういうスケジュールがございますか。
  46. 森実孝郎

    森実説明員 これは最終的に、大体八月ごろまでに審議会の御報告をいただきたいと思っておりますが、大体私ども審議会に御検討いただいております素案といたしましては、東京都内では十年間に六市場をつくりたい、前期に板橋、砧、杉並、練馬並びに三多摩の市場の建設を行ない、後期に大井、足立の市場の建設を行ないたいというあたりで計画を進めてまいりたい。それからまた大阪につきましては二市場を、前期で北を、後期において南をというあたりを中心にして御審議を賜わりたいと思っております。
  47. 小峯柳多

    小峯委員 前期、後期とはどのくらいの目安ですか。
  48. 森実孝郎

    森実説明員 大体昭和四十五、六年を境にいたしまして、四十六年くらいまでに前期の分を、それ以降に後期の分を、大体五年ごとくらいに分けて考えていきたいという希望でございます。
  49. 小峯柳多

    小峯委員 私は、こんなに生鮮食料品が問題になっているのだし、確かに市場の狭隘化ということが、私は間接ながらやはり末端価格を上げていると思うのです。ですから、四十五、六年までが前期ですか、私ちょっとそれでは時間がかかるような感じがするので、これだけ火急な問題ですから、もっと時間を詰めるような努力を、これは必要とあれば私ども委員会としても意思表示は幾らもいたします。どうも私は見せてもらって、いかにしてもいまの設備じゃ市場大規模化の傾向の中で無理だという感じが強いものですから、こんなことを申し上げるわけであります。  もう一つ、卸売り人という制度を、私どもしろうとながら勉強してみまして、どうもこの卸売り人の数が、まあ理論からいって、寡占段階に入っているのじゃないかという感じがしてならないのです。中には卸売り一人の場合もあります。これは長い御商売ですから、自分でマニピュレートするというようなことで信用を落とすという愚はしないだろうと思うのですが、しかし、やはり寡占あるいは独占になりますと、委託者とその卸売り人との間に、何か密着した関係が出てくるのじゃないかという感じがしてならないのです。東京都の卸売り人の中に、東北地方に加工場を自分でお持ちになっておって、その製品をせりにかけているというような卸売り人があることも実は聞き及んでおります。そういうふうな数名ないし一人の卸売り人だけでせりをしているという、そのこと自体が市場の機能の上に妨げになっているようなことはないかどうか、その辺の御見解を承りたいと思います。
  50. 森実孝郎

    森実説明員 東京の例で便宜申し上げますが、御案内のように青果につきましては、東京は築地、神田をはじめとしまして七市場、十一分場がございまして、市場間でかなり激烈な競争をやっております。そういう意味では、むしろ私ども多少懸念しておりますのは、市場間の過当競争という実態でございます。  水産につきましては、御存じのように築地と足立と大森がございますが、あくまでも中心が築地であることは事実であります。これは現在、鮮魚だけで申しますと五社、塩干を入れまして七社ございまして、かなり大規模なものが相当激烈な競争をやっておりまして、具体的に寡占といえる段階には、まずないのではないかというのが私どもの見方でございます。  ただ、市場の問題につきまして独占、寡占という問題、あるいはよくいわれております単数、複数の議論というものの見方は、いろいろな評価なり見方があるのではないか。確かに先生御懸念されるような見方もあるわけでございますが、むしろ現実の姿としては、一般論でございますが、一般論では、荷主はむしろ多くの場合複数を希望するという実態があるというのが普通ではないかと思います。  それから、東北の冷蔵庫の問題に若干お触れになったわけでございますが、便宜ここでお答え申し上げておきますと、実は東北に冷蔵庫を持っておりますのは、築地のうちの一社が兼業で、東北、北海道に冷蔵庫を持っております。それからあとの三社が八戸に子会社で冷蔵魔を持っております。ただ、これは実は築地の市場に持ってくる荷を、そこで加工したり、ストックしているというふうな実態にはとうていなっておりません。実はこの三社はどちらかというと、比較的大手メーカーとの系列も弱いほうで、集荷力にも多少問題があるほうで、むしろ地元の中小メーカーと中小船主と提携して、ある程度集荷を確保したいという観点から冷蔵庫を持っているようでございますが、その中身につきましては、いずれも地元資本から、経常上の理由から買い取らされたというような経緯のものでございまして、規模も非常に小さいものでございます。特に、それが需給操作をしているというふうには、現時点では理解しておりません。売っておりますものも、調べましたところでは、たとえば地元の漁船用のえさ等に冷凍サンマを売っているというふうな売り上げの実情でございます。
  51. 小峯柳多

    小峯委員 私は、特別に卸売り人に遺恨があって申すわけではございませんで、これはおもしろく書いておるから、あるいはエピソード程度かもしれませんが、これは「物価戦争」という讀賣新聞社のものですが、しろうとですからこういうものを参考にして勉強したわけです。「入荷した冷凍サンマの三分の一は、市場の荷受け会社である東都水産が、岩手県宮古市にある自分の冷凍工場で作ったものだった。これだけなら、なんの変哲もない話だが、同社がこのサンマにだけ「最低販売価格」をつけてセリに出したため、相場は“波乱ふくみ”となった。」これは一部の記事なんです。私は中身のことはしろうとでよくわかりませんが、この木の中にこんな記事があるんで、そういう懸念がないのでしょうかと伺ったのでありますが、あなたは御経験上、こういうことがあったということは御承知でしょうか。
  52. 森実孝郎

    森実説明員 いま東都水産の例を御指摘になりましたが、これは東水が現在四カ所産地に冷蔵庫を持っておりますので、このうちの一部から出てきたものであろうと思います。それで、ある時点において、確かに東水が自分で扱いました冷凍サンマが、自分の兼業しております冷蔵庫から出荷されたという事情はございますが、東水をよく調べてみましたところ、全体といたしましてはほとんど大部分がえさ用に販売しております。ある時期にはそういうことがあったことは事実でございます。  それからさし値の問題でございます。さし値の問題につきましては、一昨年そういった誤解を招くような操作をしているケースがあったことは事実でございます。この点は私どもも指摘いたしまして、現時点ではこういうことはやっておりません。
  53. 小峯柳多

    小峯委員 仲買い人について少し伺いたいのですが、仲買い人が売る場合の価格にマージンをくっつけているのですが、この間の参考人の話ですと、大体平均五%だというお話でございました。しかし、他の参考人によりますと、なかなかそうじゃなさそうなお話も承りました。これは、自分でせり落としたものがその値段で売れない場合もあるということでありますから、いろいろのケースがございましょう。しかし、仲買い人のマージンをある一定——と言っては語弊がありますが、少なくとも最高のマージンをきめるとかいうふうなことはお考えになったことはありませんか。また、そういう考え方はきわめて実態に即さないもので、しろうと考え方だとお考えになりますか。
  54. 森実孝郎

    森実説明員 仲買いマージンの規制という問題は昔から確かにあった議論でございます。一つの側面をついておられることもまた事実だろうと思います。ただ、問題がございますのは、いま先生御指摘ございましたように、仲買いマージンというものは品物によってまちまちでございます。この前、参考人の話にも出ました、たとえば三%から七%で、平均して五%前後というふうな形というのは、小売りと仲買いの決済が非常に順調に行なわれている場合で、仲買いが特別の調製、加工というふうな手を加えていない商品ということが言えるのではなかろうかと思います。現実に仲買いと小売りとの決済関係を調べてみますと、個々の事例によってまちまちでございまして、いわばマージンを統一的にきめていく基準というのがなかなかつくりにくいという点もあります。  それからもう一つは、特に魚とか一部の高級蔬菜、くだもの等になりますと、仲買いが手を加えて調理、加工して小売り販売をする、あるいはある程度加工しているというケースも、ある意味では最近ふえてきております。ここら辺をどう見るかという問題もありまして、いわばマージンをきめていく共通の基盤をつくるということがなかなかむずかしいのではなかろうか。しかし、一つの小売り店に対して多数の仲買い人が、売り手としては競争関係にあるわけであります。小売り店に、入荷量とかあるいはせり価格等を理解させるようなPRの組織と申しますか、伝達組織を強化することによって、競争の過程で実質的にそういった問題を解決していくという努力については、ひとつ検討してみたいと思います。
  55. 小峯柳多

    小峯委員 仲買い人のせり価格や数量を表示するという装置は、新しい電光設備か何かでやったとかやるとか聞いたのですが、そんなことをお考えになっておりますか。
  56. 森実孝郎

    森実説明員 従来からも、市場につきましては主要品目の入荷量の表示は、通常すべて行なっておりました。ただ、これをできるだけ見やすい形、しかも東京のように数市場にわたっておるときは、全体の概況がわかるようにということの必要性が認められまして、昨年予備費の支出を受けまして、東京におきましては青果、水産とも、前日と当日の入荷数量を表示する、あるいは市場別の入荷量を表示する等の装置をつけまして、六月一日からすでに稼働しております。これをさらに整備したいと考えております。また、それ以外の市場につきましても、現在の施設整備の過程で、入荷数量の表示をもう少しビジブルと申しますか、わかりやすい、正確なものに改めるという点については、現在各開設者といろいろな協議をしております。
  57. 小峯柳多

    小峯委員 せり価格はどうでありますか。せり価格の掲示をしておりますか。
  58. 森実孝郎

    森実説明員 せり価格については、現在掲示はしておりません。
  59. 小峯柳多

    小峯委員 それを掲示するような御意向はありませんか。
  60. 森実孝郎

    森実説明員 実は、せり価格を一々掲示をいたしますことは、卸売り場から仲買い売り場への物の流れなり取引なりが非常に短時間に集中的に行なわれるという過程があって十分にできるかどうか。それからもう一つは、卸売り価格というのは、産地、銘柄別に、荷日別に非常にフレがございますので、当然品質が変わる。このあたりで技術的になかなかむずかしい点もあるかと思います。先般、東京の市場長からも参考人としての意見の陳述もありましたが、私どもとしては、標準的な品目の標準的な相場と入荷数量を並行してできるだけ集中的に表示する仕組みについては、ひとつ検討さしていただきたいと思います。
  61. 小峯柳多

    小峯委員 仲買い人の数は、現在の状態でよろしいとお考えになっているか、あるいはもっと減らす必要があるとお考えになっているか。いかがでございますか。
  62. 森実孝郎

    森実説明員 市場によってかなり差がございますが、東京の市場につきましては、私どもは若干仲買いの数が過大ではなかろうか、もう少しその数を減らし、一軒当たりの商いを伸ばすということが、価格形成上も、物資の集配上も好ましい姿ではないかという考え方を基本的に持っております。
  63. 小峯柳多

    小峯委員 その仲買いの大型化の問題がかなり前からいわれているように承っておりますが、現実にはどういう進行をしておりますか。
  64. 森実孝郎

    森実説明員 仲買い人の統合につきましては、昭和三十八年の閣議決定で、仲買い人の統合、法人化を進めるという線が打ち出されまして、これに従って各開設者を指導して統合を進めております。
  65. 小峯柳多

    小峯委員 ここ数年の仲買いの数はどうなっておりますか。
  66. 森実孝郎

    森実説明員 水産と青果、まず東京でございますが、東京の水産は、当時勧奨をした時点では千六百三十人仲買い人がございました。このうち四百二十八の仲買い人が統合あるいは法人化に同意されまして、二百十九の法人がつくられております。それから、西のほうの代表的市場として大阪の例を申し上げますと、六百四十二の仲買いのうち百十三がこの法人化に同意されて、八十一が統合法人として生まれております。それから青果でございますが、青果はどちらかと申しますと、現在進捗状況がおくれておりまして、東京で昨年の暮れまでに報告されたところでは、四十三の仲買い人から三十四法人ができました。大阪は、青果の統合は、ごく近々にある程度まとまると思いますが、まだ現在まで実績はあがっておりません。
  67. 小峯柳多

    小峯委員 その大型化なりあるいは法人化がかけ声のわりあいに進んでいないと私は承ったのですが、どういう原因だとお考えになっていますか。
  68. 森実孝郎

    森実説明員 一つは、やはりのれんと申しますか、各店舗が個人商店の形でそれぞれの顧客関係を持って独自にやっております。そういう意味においては、いわゆる個人商店の合併と同じでございますが、やはり意識の点でなかなかむずかしい点があるというのが一つの基本だろうと思います。それからもう一つは、現実に統合した場合において、従業員なりそこに働いている人を整理できるかどうか、逆に整理できないとすれば、一人当たりの売り上げを確実にどこまで伸ばしていけるかどうか、この二点が一番大きな問題だろうと思います。
  69. 小峯柳多

    小峯委員 私は、先般来ずっと問題にしているように、こんなに流通機構が問題になっているときに、それはのれんの点もありましょう。一国一城のあるじを気どらなければならぬ気分はわかりますが、やはりもっと強力な指導、その指導に対する裏づけが案外ないのじゃないかという感じがするのです。どうもあまりめんどうを見ないで求めるだけ求めても、なかなか進まないような感じがするのです。あなたにそれを申し上げても無理かもしれませんけれども、たとえば金融のめんどうを見るとか、それも形だけのものではなしに、大型化を進めることが私はいいのじゃないかという感じがするのであります。たとえば、先ほどもあなたは仲買い人が加工のような仕事もやっているというふうにおっしゃいましたが、そういうものは仲買い人の機能として抵触しませんか。何か法に触れるようなことはありませんか。
  70. 森実孝郎

    森実説明員 私、加工と申し上げたのは、あるいはちょっと不正確だったかもしれませんけれども、調製をやっているという意味でございます。
  71. 小峯柳多

    小峯委員 調製というのはどういう意味ですか。
  72. 森実孝郎

    森実説明員 たとえば、小売り店を対象にいたしまして、ある程度パックするとかあるいは魚等については半調理の形で小売り店に出すというようなケースでございます。
  73. 小峯柳多

    小峯委員 それからもう一つ、仲買い人の法的な立場というものはたいへんあいまいだというお話を聞かされたのです。法律を見ますと、仲買い人を置くことができるというような意味に書いてあるような気がするのです。置くものとするということにしていただくと、もっと仲買い人の立場がはっきりするし、政府のほうの御指示も承って実行しやすいのだということを言う仲買い人がおりますが、御見解はいかがでございますか。
  74. 森実孝郎

    森実説明員 仲買い人の地位の明確化と申しますか、法制化の問題は、以前に国会でも議員提案で御提案がございまして、審議未了になった経緯がございます。これにつきましてはいろいろむずかしい点もあると思いますが、私どもとしては、現実に必要な市場には現在仲買い人を置くというようなことをしておるわけであります。この法制化がぜひとも必要だという性格のものであるとは必ずしも思いませんけれども、しかし、一部にございますように、仲買い人の評価に対する認識が十分でない、あるいは極端な議論では、仲買い人不要といったような議論の動向等を考え、しかもまた現実に仲買い人が果たしている機能というものを評価するときに、そういった法律改正を提案される真意については、いろいろ理解できる点はあるのではないかというような見方をしておりますので、今後の推移を見て、ひとつ慎重に検討してまいりたいと思います。
  75. 小峯柳多

    小峯委員 最後に一つ、小売り段階なんですが、市場の中にそれぞれの小売り商といいますか、買い出し人が、自分からトラックを持ち込んで、しかもかなり早い時間から、助手まで逃れてきてやっていることが、実はかなり小売りのマージンを上げなければならぬような形になっているのだと思います。私は、仲買い人の大型化の問題とも関連して、仲買い人にむしろ自分のつかんでいる小売り商や買い出し人に対しては配送するような、トラックでもって自分で配って歩くようなことにすると、あの市場の混雑もかなり救えると思うし、買い出し人、小売り商の負担するそういう意味の買い出し費用なんかも節減できはしないかという感じがするのですが、どうでございますか。
  76. 森実孝郎

    森実説明員 小売り買参の問題は、確かにいま御指摘がありましたように、場内の混雑緩和、取引の迅速化とか、あるいは集配の能率化とかいう意味においては、マイナスの点もあると思います。ただ、現実小売り屋さんの買参という制度が、やはり小売り屋さんの意向というものが市場に反映されやすくなり、あるいは現実に個々の小売り屋さんがみな顧客が違いますので、自分の顧客に合った、非常に時宜に適した見つけものと申しますか、仕入れがしやすいという面の評価もやはりできるので、一がいに功罪を議論することはできないのであります。しかし、確かに先生おっしゃったように、仲買い人の配達制等を伸ばすということが、小売り屋さん自体としても経費の節減になるという点もあると思います。私どもといたしましては、今後の行き方といたしましては、具体的には仲買い人を中心として小売り屋との間にボランタリーチェーンを結成する、あるいは小売り屋さんの代表買参制を基礎としてボランタリーチェーンを結成するということが、重要な意味があるのではなかろうかと評価しているわけでございます。これにつきましては、昨年の小売り業の近代化協議会でも、この線に沿っての御報告が行なわれておりまして、本年度からは実験的でございますが、通産省とも御相談して、こういったボランタリーチェーンの問題については、しかるべく金融の道を講じてまいりたいという考え方をとっております。また、これとの関連において、現在不規則にあるいは計画性なく行なわれております仲買い人の配達というものを、もう少し計画的に行なわせるということは、ある程度従来の抑制的な態度から離れまして、むしろ組織的に指導するという観点で検討をさせていただいております。
  77. 小峯柳多

    小峯委員 最後のもう一つ最後になりますが、これはどなたにお答えしていただいていいのかわかりませんが、水産物は、加工品や冷凍したものは別ですが、鮮魚それから蔬菜、青果全部ひっくるめて、この商品というものは動かすたびに目減りもするし、品いたみもするしそれから鮮度も落ちる。そういう意味の保険料みたいなものが各段階につくのではないか。普通のマージンのほかに、その保険料のことを考慮してやらなければ、正しいマージンという判定ができないのではないか。ことに、私は小売り段階にそういうふうな感じがあると思うのです。たとえば、花なんかでもそうですけれども、午後になると花が非常に安くなる。ですから、そういう意味の商品価値の低減に対する保険料みたいなものが、こういう商品にはやはりつきまとわなければいけないのじゃないだろうか。市場機構を調べてみまして、これが全部ではないと思いますが、相当このことも考慮しなければいけないのじゃないかという結論を私自身は持ったのでありますが、私の見方というものに対する御批判をいただいて、これを最後にいたしたいと思います。
  78. 森実孝郎

    森実説明員 私から、小売りの観点で、先生御指摘になったロスの問題を、若干総括的にお話し申し上げたいと思います。  これは実は正式の調査ではございませんで、聞き取りによって行ないました調査で、多少信憑性に問題があると思いますが、まず第一は物理的ロスというものがございます。小売り過程だけでも、青果物に例をとりますと、野菜ではこの物理的ロスが最低二%ないし三%、最高は一〇%程度ございます。それからくだものについてはこれより高く、大体五%から最高のバナナのように一五%ぐらいのものもございます。また水産物でございますが、水産物は、大体なべて申しますと、貝類以外は大体物理的ロスは五%ぐらいと見られております。  それから、これ以外に経済的ロスと申しますか、その日のうちに売れなかった場合、それを夕方おそく値引きして売るという問題、それからもう一つは、翌日になればさらに多く値引きしなければならないという問題がございます。この値引き率は、実は品目によって非常にまちまちでございます。たとえば、くだものではイチゴなんかが、こういう値引き幅が非常に大きくなってくる。魚では、原則としてその日のうちに売るために、特に貝類なんか非常に値引きしなければならぬというふうなことがございます。総じて、私どもが聞いております範囲では、小売り店の過程でのロスは、大体水産物、青果物とも七、八%物理的、経済的にあるというふうに報告されております。ただ、これについては十分な研究もしておりませんが、一応の報告として聞いております。
  79. 小峯柳多

    小峯委員 だんだんお話を承って、幾らか見当がついたような気がするのですが、やはり市場の整備拡充ということは予算の裏づけが必要でしょうが、どうしても私はいまの市場ではだめだと思うのです。これがかなり間接的ながら価格にも影響があると思うので、特にひとつ市場の拡充、整備強化、ことに岸壁が小さいとか、冷蔵庫がどうとかという問題は私はあると思うのです。そういう問題を含めてもっと——特に東京都の場合は、この過密人口に対処できるだけの、ことにその集散市場としての機能にふさわしいだけの大市場を一日も早くつくることを、特に私は要望いたしたいと思います。  委員長、これで質問は終わります。
  80. 戸叶里子

    戸叶委員長 佐藤文生君。
  81. 佐藤文生

    ○佐藤(文)委員 私は、二点お尋ねします。  第一点は、畜産局長にお尋ねしますが、庶民の家庭で、野菜と肉と魚の値段が安定し、あるいはまたコストダウンするならば、米価が一割ないし一割五分ぐらい上がっても、私はたいして影響はないんじゃないかという考え方を基本的に持っております。したがって、野菜、魚という問題について相当論議されたのですが、あとの一点である肉について私は畜産局長にお尋ねしますが、いまから三年ほど前に、私は大分県ですが、食肉牛の追跡をやったことがございます。大分県の国東という半島で生まれた黒毛の和種が、半年後に市場に出されて、そしてその買い手が栃木県の人で栃木県の石橋市場に買われていって、運賃大体千円ぐらい取られたんですが、その石橋市場から群馬県に移行し、群馬県からどこに行ったんですか、そこまでは私はわからなかったのですが、大体そこで一年間ぐらい肥育されて、そして再び石橋市場に出されて、買って帰ったのが実は大分県の家畜商で、それを大分県に持って帰るときには、四千円ほどの運賃が取られた。大分県で大体半年ほど肥育されて、そして市場に出されて、買って行ったのが京都であります。京都で市場に出されて初めて神戸牛になったというようなことを、私は追跡調査したことがありますが、その当時の一番最初に市場へ出されたところの市場価格が、生まれて半年後ですから、大体その当時の価格で四万円ですから、いまの相場からすれば半額だと思います。最終に市場に成育牛として出されたところが二十三万円ということで、卸問屋に渡り、それから小売り商に渡って消費者に渡るという経過を見て、非常に繁雑な経過の中から、食肉の価格にいろいろな影響がある原因があると思いますので、私は三点だけお尋ねいたします。  第一点は、絶対量が足りないということで、その生産計画についてどういう指導をやっておられるか。生産地指定あるいは生産の面についてのその他の指導方針がありましたら、明確にひとつ御説明をお願いしたい。  それから第二点は、何と言ってもこれは飼料だと思うのです。具体的に申しますと、大分県では九重高原に草地の改良をやって、そうして牧草をつくり、一方ではアメリカからマイロを輸入して、それを農家に植えさして指導しておるけれどもなかなか生産が成り立たないので、農家としては、それがいい飼料であるけれども、自家経営ができないので困っておる。しかし、いいものだというので、こういったような飼料対策というものをどういう指導をやっておるのか。  それから三番目が、今度の環衛公庫で、肉屋さんに非常に簡単に、しかも長期な金融をいたしまして、近代的な肉屋さんがどんどんできるわけです。ところが、ひるがえって市場を見ますというと、子牛を売買する市場と成育牛を売買する市場がありますけれども、子牛を売買する市場というのは買い手が農家でありまして、その市場の形態というものは非常に非近代的である。二十数年前にわれわれが見た、そでの下で取引している姿がまだ依然として行なわれておるといったような市場、大分県の例をとれば、あんな小さな県で二十数カ所市場があります。その市場を十カ所ぐらいに整理統合する必要があると口では言っているんですけれども、なかなか市場統合ができない。そういうために、小さな市場で買い手が少ない、したがってその値段を買いたたく、したがって農家は困って、なかなか子牛の生産に大いに乗り出すことができないといったような面、こういったような不合理の面が随所にあるわけでありますので、この市場の統合に関してどういう行政指導をやっておるのか、統合した場合の市場の運営について、どういう具体的な市場運営をやることがいいという指導をやっておるのか。そういう生産に対する指事と、飼料に対する指導と、それから市場に対する行政指導、この三点についてお尋ねします。
  82. 岡田覚夫

    岡田(覚)政府委員 お話の肉牛の問題につきましてお答えいたします。  まず第一の生産計画の問題でございます。実は御承知のように、日本では牛というものは、大体において農家の労働力として、営農の補助下段として飼育されるという形態が一般的であったと思います。しかしながら、その後農業の形態が非常に変わってまいりまして、機械化が進展するというふうな形になってまいりましたので、労働手段としての牛の必要性が非常に少なくなってまいった。一方で、国民の食生活の構造が非常に変わってまいりまして、食肉の需要というのがふえてまいりました。そういうふうなこととからみ合いまして、だんだん肉牛が屠殺されまして、資源的に申しますとかなり減ってまいったわけであります。昭和三十一年ごろまで、たしか二百七十万頭くらいであったと思うのでございますけれども、それが逐年減ってまいりまして、最近は百五十五万頭程度までに下がってまいっておるわけでございます。  そこで、先ほど申し上げましたように、食生活の構造変化に伴いまして、肉の需要が非常に増大しておるということに伴いまして、どうしても需要に応じた肉の生産の必要があるわけでございます。一方、国際的に見ましても肉の需要が非常にふえておりますので、自由に肉の輸入ができるということは、将来なかなか期待ができないのではないか。そういうふうな点から申しまして、一そう国内で肉牛の生産をする必要があるというふうに考えられるわけでございます。ただ、肉牛につきましては、非常に零細な規模で生産されておりますために、大規模生産ということにはなかなかいかないわけでございますが、できるだけ増産をさして、必要な量を国内でまかなうというふうな点から生産振興をはかっておるわけでございますが、特に草資源の豊富な地域において飼育される必要があるというふうに考えまして、草地改良事業の推進ということをまず考えておりますが、いずれにしましても肉牛の生産がふえなければならないわけでございます。しかも、優秀な肉牛資源がふえなければならぬということでございますので、繁殖育成センターというものを設置させて助成をいたしまして、そこを中心にして生産された小牛を農家で育成するというふうな考え方を進めておるわけでございますが、一方で、何と申しましてもわが国の肉牛というものは、肉質としましては非常にすぐれたものでございますけれども、肉の生産力という点におきましては、従来労働手段として使われるという形で改良が行なわれておりましたために、肉の生産量という点については、やや外国の牛と比べて落ちる点もございます。したがいまして、そういう点から、たとえばアメリカのアンガスだとか、ヘレフォードだとか、あるいはフランスのシャロレーというような肉の生産量の非常に高い牛があるわけでございます。そういうものを導入いたしまして、F1と申しますか、雑種をつくっていくというふうな考え方も一方で進めておるわけでございます。少なくとも十年くらいの間に二百五十万頭くらいの肉牛を国内において飼育をするというふうなことを目標にいたしまして、諸般の施策を進めておるわけでございます。  それから飼料の問題でございますが、御承知のように乳牛、牛肉を問いませんが、牛というものは本来草食性の動物でございます。草を十分に食わすということが最も適当であり、家畜の生理的にも非常によろしいわけでございます。草の生産というのは、これはもちろん国内でできるわけでございますから、できるだけ国内で草資源を開発しましてそれを与える。理想的な形態といたしましては、おおむね九〇%程度自給飼料によるということが望ましいというふうに考えておりまして、将来はそういうふうな形で飼料が供給されるというふうにいたしたいと思っておるわけでございますが、ただ、何と申しましても最後の仕上げの場合には濃厚飼料に依存せざるを得ないということになるわけでございます。トウモロコシ、マイロ等は濃厚飼料でございますが、わが国のような零細農家におきましては、収益性が非常に低く、反収が非常に少ないわけでございますので、外国のように非常に膨大な面積の上においては成り立つわけでございますけれども、わが国のような非常な零細規模の場合には、なかなか成り立ちにくいという点がありまして、この濃厚飼料の生産というものが、十分にわが国の農業の中に入り込んでいかないという面があるわけでございます。できるだけ合理的な生産というものについて促進をいたしたいと思っておりますけれども、必要なものについては外国から低廉な飼料を輸入いたしまして、それを供給をするというふうな考えでおるわけでございます。  それから子牛の問題でございますが、これは先生の御指摘にありましたように、従来複雑な過程があったと思うのでございます。原則的に申し上げますと、従来の肉用牛の流通というものは、まず最初に生産地帯の農家から、生後六カ月くらいして産地の家畜市場において、家畜商または農協が購入しまして、育成地帯の農家に売り渡すというのがまず第一でございます。それから次に、育成地帯の農家が十八カ月ないし二十四カ月齢まで育成いたしまして、これを家畜商に販売いたしまして、育成牛が集散地の家畜市場において家畜商間で取引されるか、あるいは市場外において家畜商間で取引されまして、肥育または飼育地帯の農家に売り渡され、それからそこで肥育または飼育されました成育牛が家畜商に販売されまして、一部は集散地の家畜市場において家畜商間で取引され食肉市場に出荷される、こういうふうな形が行なわれておったと思うのでございます。ところが、最近になりまして非常にこの形態が変わってまいりまして、先ほど申し上げましたように、農業機械化の普及だとか飼育労働力の不足等から、育成飼育地帯が衰退をいたしまして、生産地帯と肥育地帯というふうな二つの形に分化をしてまいってきつつあるように思われるわけであります。したがいまして、家畜の取引もその生産地帯から直接肥育地帯に参るという形がふえておりますので、従来のような非常に複雑な過程をたどるというふうなものは、やや単純化されてまいっておるというふうに思うわけであります。ただ、その間におきましても、家畜商が入りまして途中で移動するという場合はもちろんないことはございません。ないことはございませんけれども、全体といたしましては、非常に単純化をしてまいっておりますので、その意味では、流通過程は合理化されつつあるというふうに考えておるわけでございます。  それから家畜市場でございますが、お話のように、家畜市場というのは小さいものから大きいものまで非常な種類がありまして、必ずしも合理的な形ばかりではないと見ておるわけであります。しかし、家畜の取引がこの家畜市場を中心にして行なわれるわけでございますから、合理的な価格形成、それから公正な取引が行なわれるためには、どうしても家畜市場を整備していかなければいかぬというふうに考えられますので、大体、おもな生産地帯というものをとりあえず中心にいたしまして、その家畜市場の整理統合というものを毎年計画的に進めることにいたしております。四十年から大体毎年十五カ所程度、その地域の家畜市場を整理統合しておるというふうな形で進んでおるわけでございまして、今後もそういうふうな形でさらに合理化を進めてまいりたいというふうに考えております。  問題は、運営の問題でございますが、従来そでの下取引だとかいろいろな形態があったわけで、これが取引の不合理を起こすもとになっておったわけでございます。そこで、家畜市場におきましては、要するに明朗な取引が行なわれることを前提にいたしまして、われわれは助成なり指導をいたしておるわけでございますが、家畜商が中心になるわけでございますから、家畜商法という法律ができまして、家畜商につきましては一応免許制度をとっております。これによりまして家畜商の資質の向上、地位の確立ということをやっておるわけでございますが、なお、そのために必要な資金等につきましては保証基金をつくりまして、それによりまして保証をいたすということで、経済的な面からも援助をするようにいたしておるわけでございます。
  83. 佐藤文生

    ○佐藤(文)委員 ただいまの生産と飼料とそれから市場の問題というのが、私は食肉の生産から流通過程における問題点だと思います。そこで、その問題についてはさらにいろいろと突っ込んだ問題があると思いますので、それは後日に譲りまして、私は一応参考のためにお聞きしたい、一とは、蔬菜が大体生産価格の三倍くらいが消費者価格になるんだというのが、大体アメリカにおいても、イギリスにおいても、フランスにおいても、そういうような一つの基準があるようです。したがって、そういう目安ができるのですが、食肉の場合に、最後の市場に出されてそこで落札されて枝肉になった場合の食肉の部分の価格、それが消費者価格になったときに、大体何倍くらいになるのが妥当であるかという点について、参考のためにお尋ねしたいのですが、これは意味おわかりでしょうか。枝肉になった場合の価格消費者価格になった場合に、大体何倍くらいになるのが妥当であるかという点を承っておきたいわけであります。
  84. 岡田覚夫

    岡田(覚)政府委員 牛につきましては、肉質等の点からいろいろ違いがございまして、一がいに、幾らが妥当かということは、なかなかむずかしい問題だというふうに思っているわけですけれども、平均的なかっこうといたしまして、私たち価格形成の過程を一応調べてみたわけでございます。これは、農協の出荷した場合にどういうふうな形になるかというのを検討したことがあるわけでございますが、その点では、小売り価格が一〇〇とした場合に、それぞれの段階がどういうふうな形になっておるかという点でございますが、仲買いの段階が七五、それから卸売りの段階が七二、農家の段階が六七というふうな、一応の調査があるわけでございます。枝肉と小売りとの関係につきましては、そのときの経済事情、需給事情によりまして若干の違いがございまして、必ずしも一がいには言えないわけですけれども、大体調査をしましたところでは、農協が共同出荷いたします場合に、小売り店ではこういうふうなことになっておるように思っておるわけでございます。
  85. 佐藤文生

    ○佐藤(文)委員 それでは、この食肉の問題の、生産と、飼料と、それから市場の統合、さらに市場の運営の面における合理化、こういった面について、私は何ものにも優先をして、これは精力的にやるべきだという考え方を持っておりますので、この点を十分にお願いしておきたいと思います。  それから第二点の問題は、園芸局長さんにお願いいたします。これは古い資料ですが、昭和四十年の一月二十七日に、科学技術庁の資源調査会が、食料品の流通機構の青写真を示して、今後の情報取引移行については、こういうぐあいになるべきだという資料を、科学技術庁長官に勧告いたしております。これから見ましても、食料品の流通機構の将来は、これはもう情報取引にいくのだということを考えまして、私は今後の情報取引のあり方ということについてお尋ねをいたしたいと思いますが、だんだん情報網が発達してきて、今度の予算にもそれが載っておりますが、私は情報が発達してくるというと、次の四つの点に効果的に発達してくると思うのですが、この点について御意見をお伺いいたしておきたいと思います。  情報網が非常に発達してくると、生産者が計画出荷をしてくるようになるであろうということが第一点。それから第二点が、大都市における中央卸売市場内における投機的要素がなくなってくるのではないか、これが第二点。第三点が、近郊都市における市場の、いわゆる品不足というのがなくなってきて、そうしてある程度価格安定に影響してくるようになるのではないか。それから第四点が、産地仲買い人の投機的な要素がなくなってくるのではないか。情報が非常に発達してくると、大体この四つの点に効果的に発達してくるのじゃないかと思うのですが、不徹底な情報網のあり方で終わるというと、私はこの四つの点に何らの効果がないような結果に終わるのじゃないかということを心配いたしております。したがって、本年度の予算をもって情報こういうような網が張られるのですけれども、それが、この四つに効果的に発展するために、今後どのような考え方を持っておるのかという点について、園芸局長の御意見をお伺いしたい、こういうぐあいに思っております。
  86. 八塚陽介

    ○八塚政府委員 情報、特に本年農林省考えております情報の関係の整備につきましては、担当の統計調査部長が出席いたしておりますので、私に関連いたします部分だけをとりあえずお答えいたすことにいたしたいと思います。  一般的に情報が十分であるということは、あらゆる場合に必要なことであり、けっこうなことであるわけでございますが、ただ、たとえば野菜につきましても、生産者はきわめて多数であるわけです。あるいは消費者、中間段階関係者もきわめて多い。したがいまして、情報が正確であるということは、即全部が同じ行動を起こすということには必ずしもならない場合があり得るわけでございます。たとえば、やや長期的な情報でございますが、来年はこれこれの作物の作付が相当ふえるであろうという情報が、かなりな程度正確に出た場合にも、人によっては、したがってやめよう、したがって裏をかいてやってみようという人がございますから、情報が正確であるということと、すぐ生産者の計画出荷がうまくいくということには結びつかない。その場合には、やはり生産者の組織化というものが同時に対応していくことが必要ではないだろうかというふうに存じます。その他いろいろな場合に、やはり情報が必要であるという第一前提の上で、しかし情報さえあればそれで全部が安定的に行くということではなくて、それぞれのステージ、局面に応じて対策と申しますか、補完すべき制度というものがなければ、情報の正確さ、情報の完備というものが十分に生かされないのではないだろうかというふうに考えます。ただ、やはり世の中は、だんだん情報はとにもかくにも整備してまいりますし、それから生産にいたしましても、あるいは流通の過程におきましても、大量になり、かつ長期的な見通しの上でやっていくという傾向に当然あるわけでございます。むしろそういう線に沿って、いろいろな対策を講じてまいるというふうに考えております。
  87. 松田寿郎

    ○松田説明員 ただいまの先生のお尋ね、私のほうはこれからその情報をサービスするほうでございまして、その効果、ねらいについてのお尋ねで、あるいは私のほうの所管以外にも関係がずいぶんあると思うのでございますが、たとえば、われわれのほうの地方の事務所、出張所の職員が農家にたびたび調査に参りましたときに、畜産物あるいは農産物の現在の消費地における取引価格について、よく質問を受けるというふうな報告が参っております。そういう意味から申し上げましても、特に畜産物などでは、生産自身が相当いろいろなそういうアップ・ツー・デートな情報を知りたがっておる。われわれはまずこれに対してサービスをしてまいりたい。と申しましても、個々の農家にそれぞれサービスするというわけにもなかなかまいりませんので、その点では、たとえば新聞、ラジオでございますとか、あるいは有力な農協に連絡をする、それによって有線電話で個々の農家が知るというふうな経路をとって、サービスをしてまいりたいというふうに考えております。  それから地方市場のそれの利用の方法でございますが、お答えになりますかどうですか、たとえば、現在われわれのほうでテストといたしまして、東京へ集めてまいりました情報を、実は大阪だけは毎日午前中に送っておりますが、その大阪の市場の関係者のお話によりますと、たとえば、ことしの二月大阪市場で非常に白菜が品不足で値が高かったことがございましたが、その当時福岡の市場では、同じ白菜が相当安値であったということで、さっそくその福岡の市場に照会をして、その産地である熊本から白菜を引いたことによって大阪市場の価格が安定することができ、たいへんありがたかったというふうな経験も実は聞いております。いろいろ先生のお話になりましたような効果はもちろんございますが、それ以上に、それぞれの土地で需給あるいは価格の安定に貢献するのではないか。あるいは、たとえば北陸、東北では、夏は産地でございますが、冬になりますと蔬菜等の、むしろ完全な消費地になるという中小都市がたくさんございます。そういう中小都市の市場関係名というものは南のほう、あるいは西のほうから品物を集めるために、大市場にむしろほんろうされるきらいがある。そういうときに、十分な全国にわたる情報がほしいという経験談も聞いております。十分なお答えにはならないかもしれませんが、われわれとしてもそういう点でいろいろな効果が発揮できるのではないかというふうに考えております。
  88. 佐藤文生

    ○佐藤(文)委員 いまのは生産者に対するサービスですが、私は今度はその情報が、いまの二点の、中央卸売市場の投機的な要素がなくなるというようなことがあると思うのですが、ございませんですか。  それから近郊都市におけるところの市場で、大都市に全部蔬菜あるいはその他のものが集中的に行ってしまって、近郊都市には全然なくなった、こういうような面を防ぐ意味においても、情報網というものは活用さるべきじゃないか。私は、そういうところまで活用されて初めて情報サービスというものができるのじゃないかと思うのですが、これは消費者に対するサービスに非常に直結すると思うのです。そういう面があり得るか、あり得ないか。  それから消費者に対して、テレビを通じて大都市ではやっておるけれども、これは将来だんだん全国的にそのサービスは広がっていくものだと私は思うのですけれども、こういう面についても今後のお考えをお聞きしたい。  要するに、市場に対する作用、それから産地仲買い人に対する投機的な要素がなくなる面が出てくるのではないか。それが即消費者価格に好影響になってくるのだ、こういった面にまで情報網というものはタッチしていかないと、ただつくったというだけでは効果は少ないので、また、ただ生産者だけにサービスするのではなしに、そういったような流通過程における好影響があるのではないかという考えを持っているのですが、そういう点についてはどうお考えですか。
  89. 松田寿郎

    ○松田説明員 効果については、その関係の方からお話があると思いますが、われわれがサービスをします対象といたしましては、先ほど申し上げました生産者はもとよりでございますが、そのほか市場関係者、荷受け会社等には、これはまたいろいろな品目にわたる十分な資料が必要なわけでございますので、それに必要な十分な資料を関係者に届くようにするつもりでおります。  なお、中小都市その他のことでございますが、実はそういうためにも、われわれが東京へ集めておる全国の情報を、全府県のわれわれの各事務所にまで送り返す。それによって消費者に対しては新聞、ラジオ等を利用して、それぞれの地方に関係のある情報がそれぞれの地方で消費者に届くようにするということを、実は考えておるわけでございます。
  90. 森実孝郎

    森実説明員 ただいまの佐藤先生から御指摘の点でございますが、生鮮食料品でございますから、物価調整の機能にどこまで貢献できるかという点には、多少問題もあると思います。しかし、市場間のフレをなくすと申しますか、でこぼこをなくす意味では、そういった情報網の効用というのは非常に評価できるのではないか。その意味で、ただいま統計調査部長から申し上げましたように、私どももできるだけそういった情報は市場関係者に広く利用してもらえるように、また、自分たち仕事の一つとしてそれに協力するように、こういう呼びかけに対しては十分理解をしているつもりでございます。  それから消費者に対する反応という問題でございますが、これは私確かに、何と申しますか、地域間の価格のでこぼこがなくなるということ、したがって日々の変動、いわゆる小さな波での変動、短い振幅での変動ということは、比較的なくなってくるという意味では、特に消費者にテレビサービスをやる場合、やはり毎日毎日の買い得品を教えていく、紹介していくということ以外に、ある程度のタームをとって理解してもらうという、一とが非常に意味があると思いますので、そういう意味では非常に貢献する点があるんじゃないかというふうに理解しております。
  91. 佐藤文生

    ○佐藤(文)委員 もう情報革命の時代がやってくるんですから、これもなまはんかなやり方をやらないで徹底したやり方——当然これは予算が相当要ると思いますが、徹底したやり方を将来やっていただくようにお願いをしておきたいと思います。私の経験では、大分県と鹿児島県で、この情報の徹底したことにおいて、たいへん失敗した例と成功した例を知っております。大分県で養豚事業を奨励したけれども、めちゃめちゃにやられて暴落して失敗した、こういう例があったときに、鹿児島県はテレビでもって、鹿児島県の農政部ですか、それが民間放送を通じまして、現在の子豚は、三千円以下ならば農家は買っていいが、四千五百円以上の子豚は買ってはなりませんといったような具体的な価格の指令を流して、いわゆる養豚農家に指導したということで、鹿児島県の養豚農家はそれで救われた。ところが、全然情報を流さなかった大分県は大失敗をした。こういったような面が非常に出てきましたので、生産者にも、流通過程の各部門にも、消費者にも徹底したやり方をやっていただくことが、今後の物価安定策に非常にいいんじゃないか、こういうぐあいに考えますので、以上お願いを申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
  92. 戸叶里子

    戸叶委員長 武藤山治料。
  93. 武藤山治

    ○武藤(山)委員 前の委員会において、なぜ物価が上がるかという真犯人を追及してきたのでございますが、なかなか逮捕できないで、だれが犯人であるかがわからぬという状態でございましたが、その間いろいろ説明を聞いて、また、きょう配付された資料を見ると、どうも皆さん答弁している数字ときょうもらった資料とでは、たいへん食い違いがあるような気がするのでありますが、少しくお尋ねをしてみたいのであります。  まず、きょう配付された資料の二ページに卸売り価格の推移が出ております。この数字を見ると、いろいろなことを感ずるわけでありますが、たとえば、二ページの卸売り価格と三ページの小売り価格と比較をしてみた場合に、具体的に一例を指摘してみたいのでありますが、三ページの下のほうの四十二年三月、大根が、小売り価格五十一円、白菜が八十一円、キャベツが七十七円、トマトが二百五十三円というふうに順にございます。これの卸売り価格は一体幾らかというので、その前のページの同じ三月をちょっと出してみますと、大根三十一円、白菜が三十九円、キャベツは四十八円、こういうふうに大体小売り値は倍近くになっているわけですね。卸売り価格小売り価格を比較してみると、とても三割のマージンというわけではないですね。もちろん、大ざっぱな農林省の説明の、小売りのもうけは三割くらいであろうというのは、乾物からいろいろなものを全部ひっくるめた八百屋さんの利益という説明かもしれないですが、これを見ると、大体三割程度でおさまっているのは幾つもないわけですね。ナツミカンも倍、タマネギなんというのは貯蔵のきく、腐敗しない品物なのに、卸は八十円、小卸りは百三十七円、とても三割のもうけではきかぬわけであります。こういう数字が出るのに、従来三割程度しか生鮮食料品の八百屋さんの利益はないという判断になぜ立っているのか、そこらをひとつ明らかにしていただきたいと思います。
  94. 渡辺文男

    ○渡辺説明員 事務的なことにわたりますので、私から御説明させていただきます。  卸売り価格のほうは、注にもございますように、月間全市場取り扱い金額を全市場取り扱い数量で割った平均価格でございます。それから小売り価格のほうは、総理府の小売り物価統計調査の、月央の十二日を含む週のある特定の三日間のうちの仲値の平均値でございます。調査報告のそういった相違のほかに、もう一つは、小売り価格のほうの場合には、卸から小光りに至るまでの間の物理的なロスというものは、先ほど来御説明のございましたように相当ございます。したがいまして、たとえば小売り価格で一キロ十円だとした場合に、卸の場合にはこれが一・二キロ、一・三キロなんです。ロス率に見合う分だけ、小売り価格の数字がふくらんでおると理解していただくことが妥当ではないかと思います。そういうことで、この数字を直に比べられて、この間の数字がマージンである、あるいはそういった量的な意味での御判断をいただくことは、ちょっと問題があるのでございまして、先だっても御説明いたしましたように、マージンというものを調べますときには、事例調査ということで、かなり厳密なトレース調査をいたしませんと、正確に出てこないわけでございます。
  95. 武藤山治

    ○武藤(山)委員 卸のほうはロスのない値段だ、これはわかります。小売りのほうは、もちろん仕入れしたものを店頭で売る場合には、売れなかったロスはその価格に付加されることは当然ですね。ロスになった部分は、現実に売られる商品の価格の中に入ってくるでしょう。そういう価格がこれなんですからね。ロスになって売れないものは、当然売れる商品の値段に含まれてくるでしょうね。それにしても、同じ商品が倍近くの値段に変わっていくという説明は、いまのあなたの説明では納得いかぬですね。
  96. 渡辺文男

    ○渡辺説明員 先生御指摘のような問題はもちろんございますが、ここで私が申し上げましたのは、たとえばキャベツの例をとってみた場合に、卸から小売り段階に来て売られるまでの間に、外側の皮がいたんだというようなときは、それをはぎます。そういったロスを私は主として説明したつもりでございます。
  97. 武藤山治

    ○武藤(山)委員 そうすると、そういうロスを全部計算に入れたら、三割じゃなくて、八百屋のマージンは七割見当ですよ。あるいはものによっては倍になりますよ、仕入れ値段よりは、そのくらいのロスが実際あるから、ロスの分がかぶさりますからね。たとえば、一貫目買ったものが五百匁になったら、五百匁で一貫目の卸値段がかぶさってくるから、それにマージンがプラスされるから、七割、八割、多いのは倍になりますね。こういうことですね、しろうとにわかるように説明すれば。
  98. 渡辺文男

    ○渡辺説明員 先ほども申しましたように、正確に、キャベツならキャベツで、卸で十円に実際の値がつきましたものが、小売りで幾らに売られたかといったトレース調査をして、マージンの調査というものをいたしましたのが、先だって出しました三割という数字です。先生御指摘のように、どんぶり勘定と申しますか、いろいろやりました場合には、また違った数字が出てくることもあろうかと思いますが、先ほど申しました二ページと三ページの数字を直に御比較いただく場合には、もう一つの問題としまして、先ほど申しましたように、小売りのほうは月央のある日の調査をいたしました数字でございますし、片方は月の中の全市場取り扱い金額を全市場の取り扱い数量で除したという数字でございますので、その面のズレのあることも御理解いただきたいと思います。
  99. 武藤山治

    ○武藤(山)委員 それにしても大数法則で、大体三割というのが、まあ四割程度の上下ならばあなたの説明で納得しましょう。しかし、七割あるいは倍ですよ。片方は三日間の小売りの平均を出したから、片方は一カ月を総平均したものだから食い違いが出るという、その食い違いが四割前後を上下しておるというならまだわかるですよ。だが、あまりにも差があり過ぎるので、従来の三割という説明を、そうかなと思ってわれわれ引き下がるわけにはいかない。これはもう少しメスを入れなければならない。前に橋本君が、追跡調査の結果を明らかにせよと追及したけれども、三十七年くらいのしかない。そんな古いのをここで議論しても、五年も片の話をやってもしかたないから新しいのを早くつくりなさい、こういう要求を稲木君もしておったわけですが、どうもいまのこの数字を見た限りでは、あなたの説明で納得できませんから、あとでひとつ詳しく、小売りのほうはこうなるという中身を文書にして私の手元まで出してください。それによってまたゆっくり質問したいと思います。
  100. 八塚陽介

    ○八塚政府委員 官房調査官のほうから別途御説明をさせましたが、ただ、いまのお話に別に反対するわけではございませんけれども、先ほど来調査官が言っておりますのは、やはり追跡調査をやらなければなかなか出てこないということを言っておるわけですが、一方、たまたま私ここで気がついたわけでございますが、その次の次の五ページと六ページ、これは最近の五月の状況がございますが、ここあたりになると、私どもの言っております三割程度のものもかなりあるわけでございます。ですから、しいて三割をこれだけで強弁するわけではございませんけれども、四十二年の三月のここにあります卸と小売りだけで、いかにも乖離しておるのではないかということではなくて、あるいはもっと積極的に御説明しなければいけないと思いますが、こういうふうに小売りと卸は調査のやり方が違うものでございますから、そういう差があるのじゃないかというふうに思っております。
  101. 武藤山治

    ○武藤(山)委員 片方は四十二年五月一日からの日付を入れてやっておる。片方は五月が出ていない。だから、いまの局長の反論でいくならば、当然この二ページについても五月分というものを出して、こちらの五ページ、六ページと比較できるように、親切に出さなければいかぬわけだ。それを出してもらってから議論しましょう。それは、現在、全然議論する土台が違うのですからね。局長は、部下をかばおうとしていま立ち上がったとぼくは思うが、どうもそれはヒットにはなりませんわ。エラーですね、いまの答弁は。  次に、具体的にお尋ねをいたしますが、時間もたいへん過ぎておりますから、どこから質問しようかと思ったのですが、政府がこれだけ物価対策に力を入れると国民に約束をしておりながら、具体的な施策というものは非常に少ない。与党の諸君がいろいろと、どうするんだということを提案的な意味質問されても、納得のいくような、これでひとつ物価を鎮静させるのだ、あるいは、これでずっとこう安定させるのだという、きめ手になるような施策はさっぱり答えが出てこない。本年の予算を見ると、農林省予算流通情報サービス、これに六千八百八十万五千円ですか、卸売り市場施設に九億万百万、前年より三億五千万円ばかりふやした。集配センターが八千万、小売り市場施設が十二カ所、一億二千万、新規はこれだけです。そうすると、大体農林省関係で物価対策としてストレートにきき目があるような予算というのは六、七億、この程度ですね。どうです、七億程度と見てよろしゅうございますか。
  102. 渡辺文男

    ○渡辺説明員 先生御指摘の点でございますが、農林省のほうで四十二年度の物価対策関連予算としてまとめたものがございます。これは、主として生鮮食料品生産対策関係とか、あるいは流通改善関係とか、あるいは消費者対策関係のおもなものをまとめたものでございますが、その関係で申し上げますと、野菜対策で八億四千万、前年度六億一千二百万、肉牛関係で七億八千四百万、前年度が四億一千七百万円、その他酪農関係あるいは中央卸売市場等を合わせまして、前年度は二十四億七千六百万円、四十二年度におきましては四十三億二千五百万円、前年度比一七五%ぐらいにふえております。先年おっしゃいました中央卸売市場の数字なり小売り市場の数字なり、そういうものを個別に取り上げますと金額は御指摘のような数字になってはおりますが、農林省全体といたしましてはかなり力を入れたつもりでございます。
  103. 武藤山治

    ○武藤(山)委員 あなた、農林省のほうの小さな、款項目の目のほらばかり見ていて比較したら、なるほどかなり力を入れたと言えるでしょうけれども、元来物価問題に対する予算の土台が低いんですから、それを、この程度の七億ぐらいの予算を新規につくったからといって、これでは物価対策に力を入れたなどと言えないですね。これは大臣の問題だから、あなたに責任はないんだから、あなたに質問しても気の毒だからやめますけれども、とにかくそういうようなわけで、流通情報サービス費用というものの六千八百八十万五千円は、具体的にいつ、どこで、だれが、何をするのか、ひとつそれを明らかにしてもらいたい。
  104. 森実孝郎

    森実説明員 流通情報サービス事業は、四十一年度は、年度途中から東京においてテレビ放送を実施しておりました。四十二年度は、東京以外に大阪につきましても、七月から実施するということで計上した予算でございます。予算の概要は、大体毎日十五分ずつ一週五回、主婦に対して商品の見方、買い方、使い方、あるいは市況の情報等を流していく。これ以外に、大体一年に、年間ベースで十八回ぐらいは特発番組でやっていきたい。それを、それぞれ東京都及び大阪市が事業主体になって、国が二分の一の助成を行なっていくということで計上した予算でございます。
  105. 武藤山治

    ○武藤(山)委員 そうすると、この六千八百万円はそっくり放送局に支払われる金ですか。
  106. 森実孝郎

    森実説明員 この六千八百万円は、これに義務負担がつきまして、倍額の形で番組の制作費とか電波料として支払われるわけでございます。
  107. 武藤山治

    ○武藤(山)委員 そうすると、これには農林省の役人の給料や旅費、そういうものは一切含まれていない、それは全部そっくり放送等の費用に支払われる、こう理解してよろしいのですか。
  108. 森実孝郎

    森実説明員 そのとおりでございます。東京都等は、このために専任の職員等を設置しておりますが、これももちろん入っておりません。
  109. 武藤山治

    ○武藤(山)委員 第二掛目の、卸売り市場の施設を改善するために三億五千万円増額する。これは具体的にどこの市場のどういう施設のために、三億五千万円ふえた分が使われるのか、これを明らかにしてください。
  110. 森実孝郎

    森実説明員 中央卸売市場に対する予算の全体のワクは、市場ごとに、一応年度途中におきまして、予算編成時におきまして各都市の希望を聞きまして、この希望を積み上げて、それに実施可能率というものを過去の経験等から出しまして計上したものでございます。ただ、四十二年度につきましては、従来の補助対象から除外されておりました電気設備とか、衛生設備とか、水道設備とか、運搬設備とか、あるいは駐車場、倉庫等を全部補助対象に加えるという前提で作業いたしまして、予算のワクとしては大体前年度の六割増しということで計上したものでございます。したがいまして、補助対象都市といたしましてはおおむね十八都市程度、市場数としては三十市場前後が補助対象になっておりますが、この点はまだ確定はしておりません。
  111. 武藤山治

    ○武藤(山)委員 この場合は公設のものだけで、地方の株式会社の市場には適用しませんか。
  112. 森実孝郎

    森実説明員 これは中央卸売市場の施設費の助成だけでございまして、先生御指摘の三億五千万円は、公設の中央卸売市場二十五都市を対象に、それ以外に新しく開設される都市もございますが、公設中央卸売市場の施設費の補助だけでございます。
  113. 武藤山治

    ○武藤(山)委員 そうすると、私たちが東京の中央市場を視察したときなんか、いろいろ車の問題とかあるいは場所の狭隘の問題とか、そういう抜本的なものを改善するのにはこの予算では見込んでいない、そういうものに対する補助までは見込んでいない、そういう大きな問題は、やはり自力で起債なりあるいは市場自身でやってもらう、そういう考えですか。
  114. 森実孝郎

    森実説明員 これは年次計画の関係もございますが、全部見込む考え方になっております。ただ、御参考までに申し上げますと、現在の中央市場の補助体系では、土地取得資金はもちろん起債で考える、新市場については、建設費を国が三分一助成し、残った三分の二は起債で、政府資金その他でめんどうを見ていくという考えでございまして、先生の御指摘になりました新市場の建設費というものは、施設につきましてはその三分の一は当然含まれております。ただ、具体的に四十二年度の事業といたしまして、施設費を見込む段階に達しておるものは、東京市場についてはほとんどございません。四十二年度中に大体用地取得を完了いたしまして、四十三年度から大幅にこれが入ってくることになっております。ごく一部は入っております。
  115. 武藤山治

    ○武藤(山)委員 そうすると、東京市場みたいに、地下駐車場をつくれば非常にスムーズに流れてよろしいんだという意見が強いわけですね。ああいう地下駐車場のような計画は、政府のほうには申し出はないんですか。
  116. 森実孝郎

    森実説明員 ちょっと具体的に申し上げますと、現在私どものほうと東京都のほうと、既存市場についても抜本的な施設の改造をやろうではないかということで、市場ごとに詰めております。先生のおっしゃった地下駐車場というのはございませんが、駐車場の立体化はかなり、五市場ばかりで現在計画中でございます。すなわち、築地についても考えておりますし、神田についても考えておりますし、またその他の市場におきましても、一部立体化という形で駐車場を考えております。こういったものは、事業がきまったところから逐次具体化されることになると思います。
  117. 武藤山治

    ○武藤(山)委員 その事業がきまるのに、結局呼び水がないというのが実態のような気がするのですよ、あの予算書を見るとし借金が膨大にあって、中央市場自体やりたいことが一ぱいあっても、問題は、資金的な裏づけがないためになかなかできない。したがって、国が農業関係に低利長期の金を貸すように、やはり農林省あたりが非常に安い、しかも非常に長期のそういう資金を融通してやらぬことには、なかなかいまのような時勢に対応する処理というものはできないのじゃないですか。
  118. 森実孝郎

    森実説明員 中央卸売市場の施設の整備につきましては、国が補助金を出す。つまり、新設の分では三分の一、既設の分では五分の一、今回からほとんど全部を補助対象に加えましたので、補助対象にならない部分はごくわずかでございます。それ以外の残余の三分の二、五分の四の分は、全部地方債でまかなうことにしております。本年度は、その分といたしまして、中央市場分だけで約四十八億ばかりのワクを計上しております。これは、事業の実施過程で二、三億の変動はあるかと思いますが、それ以外の地方の公設市場を含めて五十四億ばかりのワクを計上しておるわけでございます。したがいまして、資金的な手当ては考えております。これ以外に、地方債につきましては、ことしから、自治省とも話し合いまして、政府資金のワクをふやすことによって、若干昨年度に比べて金利を下げるという措置を講じております。
  119. 武藤山治

    ○武藤(山)委員 私は、特に物価対策として、中央市場、公設市場というものを改善するためには、いまの地方債のワクの中でやれといってもなかなか無理だという感じなんです。というのは、大蔵委員会でも議論しているわけですが、四十一年度の事業債千二百億円を、政府は、本年度九十五億だけめんどうを見るが、来年度からは見ない。したがって、地方自治体としてそうやたらに起債ができるというわけではないですね。その利子の返済、あるいは元金の返済という将来の展望を見た場合には、そう地方債のワクの中でやれといっても、あれもこれもいろいろあって、資金がなくてなかなかできない。そこで、国が特別な別ワクを設定して、この生鮮食料品流通改善のためには、国のほうでそういう起債というものはひとつ見てやろう、そのかわり、二年間ぐらいの間に抜本的な改善をやりなさい、こういうような指導方針というものを上からがちっとおろさぬことには、私はなかなかむずかしいと思うのです。ちょっぴりちょっぴりわずかずつ改善するにはするかもしれぬが、いまの時代の要請にこたえて、がちっとやって、それが早く効果を及ぼすような、そういう手だてというものがいまは必要ではないか。まああなたにそれを話してもむだですけれども、やっぱりこの次には大臣を呼んでくださいよ。起債ワクの問題、地方債の問題、政府の処理のしかた、これらについてのやはり根本対策検討し、結論を出さぬことには、ちょっぴりちょっぴりこう薬ばりみたいなことでは、なかなか国民の期待するような流通機構の改善にはならぬ、こういう気がいたすわけであります。そういう地方債のワクの問題を、ひとつあなたも自治省と、こういうものを別ワクにしたらどういうことになるか、検討してみてください。私はそのほうがいいと思うのです。農林中金なら農林中金、農林漁業金融公庫なら農林漁業金融公庫のあいている部分を大いにつぎ込んでやる、そのかわり地方債や事業債のワクというものは狭めない、そういう配慮を流通機構の場合にはすべきだ、こういう私の意見を十分ひとつ検討してもらいたいと思うのです。  次に、集配センターというのはどこへつくるのですか。八千万円の集配センターの予算が載っていますが、これをひとつ。
  120. 森実孝郎

    森実説明員 集配センターは、本年度から全販連に助成いたしまして、実験的に実施することになった事業でございまして、設置個所としては、四十三年度は東京の周辺ということで、現在用地の選考が東京周辺の埼玉県、または東京都下等を候補地として進められておるように聞いております。
  121. 武藤山治

    ○武藤(山)委員 この集配センターの機能というものは、一体どういう機能を果たして、それができることによってどういうメリットがあるのか、それをひとつ伺いたい。
  122. 森実孝郎

    森実説明員 先ほども申し上げましたように、まだ実験的な段階でございまして、確定的にどうなっているかということにはいろいろ未知数の点もありますが、ねらいとしては、第一は、生産団体が消費地の周辺でストックするという、消費地周辺におけるストックポイントとしての機能でございます。こういう形で、出荷の弾力的な運営をある程度生産団体としてはできるようにするわけでございます。  それから第二番目は、ある程度そこでストックされるものについては、販売について、従来のルートで販売する以外に、大口需要者その他についての直接的な販売考えるという点を一つのねらいとしておるのでありますが、運営上、まだまだいろいろ実験過程を通じて明らかにしなければならない実態もありまして、その確定的な効果ということを申し上げられる段階にはまだきていないのではないかと思います。
  123. 武藤山治

    ○武藤(山)委員 八千万という予算は、本年度は土地を取得する程度で、施設までは及ばないということですか。
  124. 森実孝郎

    森実説明員 これは、本年度、単年度事業として土地を取得して施設をつくるということでございます。土地の取得費はもちろん補助対象になっておりません。設備の三分の一の補助ということでございます。
  125. 武藤山治

    ○武藤(山)委員 これは農林省でやるのではなくて、県にやらせるのですね。補助ですね。
  126. 森実孝郎

    森実説明員 これは、先ほど申し上げましたように、全敗連が事業主体でございまして、全販連に国が補助するという形であります。
  127. 武藤山治

    ○武藤(山)委員 そうすると、この建設予算というものはどのくらいをまず計画しているのか。それともう一つは、せっかくこういうものをつくるのでしたら、何億という金をかけて大きな冷蔵庫施設というものは当然持つわけですね。かりに東京の中央市場へ出荷する量にこれを換算した場合、どの程度の数量がこのセンターにストックできるものだろうかね。
  128. 森実孝郎

    森実説明員 これは、事業費といたしましては、施設費は全体で、内部の一部の動産的施設も含めまして、大体二億五千万前後と考えられております。用地費は、敷地の規模や単価がまだきまっておりませんので、だいぶ動く点もあるかと思いますが、これに見合うものとしてそう大きなものではないだろうと思います。  なお、市場に占めるシェア等につきましては、事業内容といたしましては、野菜と畜産物、食肉、食鳥、鶏卵等を予定しておられるようでございます。野菜についてはもちろんのこと、食肉についても、これを東京の市場全体の流通量というものに比較した場合、まだ決定的なウエートを持つというほどの性格のものではないと思います。
  129. 武藤山治

    ○武藤(山)委員 私はしろうとでよくわかりませんが、冷蔵施設で長く保存するもの、短いもの、いろいろあるでしょうが、各県で、野菜生産出荷安定法に基づいて野菜の指定産地をつくって、そこから出荷されるものがかなりだぶつきそうなときは、あるいは昨日よりは多目のときは、コントロールするために、大体前日規模程度に市場へ出荷していく。社会党の物価安定緊急措置法案というやつは、各県に大きな冷蔵施設を国がつくるべきであるとしているが、国はその倉庫を、農業団体なり、出荷団体なり、生産団体に安い金で利用させる、この程度のことは、いまの日本の予算から見たらそうむずかしいことじゃないじゃないですか。われわれに言わしむるならば、なぜそれを国がやらないのか。物価安定は至上命令だということからも、思い切ってひとつ各県につくらせる。各県といっても、東北の奥のほうは要らぬということになれば、二県に一カ所ぐらいでもいい。そういう場合の冷蔵庫というものを一カ所つくるのに、どのくらいの予算がかかるものだろうか、しろうとでわからないからちょっと参考に聞きたいのです。その県の生産、出荷団体がかなりの量をそこへストックされて調整のできる、そういう冷蔵庫をかりにつくる場合、日本で一番大きな冷蔵庫というものは、どのくらいの規模で、幾らぐらいでできたものがあるかということを聞けばわかると思うのですが、どうですか。
  130. 八塚陽介

    ○八塚政府委員 冷蔵庫は、何坪くらいの冷蔵庫がどれくらいかかるかというのは、ちょっといますぐわかりませんが、ただ、考え方の基本といたしまして、私どものほうでも、たとえば、タマネギの野菜指定産地について新しく近代化計画をやらせるという場合には、そのタマネギの産地に冷蔵庫をつくらせる、そういう事業は認めておる、あるいは奨励をいたしておるわけでございます。ただ、おっしゃるように、国の野菜の相当量を全部冷蔵して、いわば計画的にそういうものを国全体として出荷させていくということは、実はこれはあまり考えていないわけでございます。なぜ考えていないかと申しますと、まずプリンシプルの問題は別にいたしまして、野菜についての需要というものはきわめて多岐でございます。もしかりにタマネギだけを野菜として国民が食べて満足するということでありますと、あるいはタマネギについては、ものとして冷蔵にきわめて適しておりますし、それから年間に出荷されるのがある時期に集中いたしておりますから、そういう意味では考えられるわけでございますが、きわめていろいろな野菜を需要するということでございますから、どれだけを握っていくか。もっとも二百何種類とか百何種類とかということでなくて、大体大衆的な野菜というのは二十二種類くらいで、しかも、私どもがコントロールしようと思っておるのは現在八種類、その約八種類が占めますのは全野菜の六割くらいでございますから、極端に何もかも全部ということではなくて、やはり私どもとしましては大きな消費のウエートを占める部分を、何らかの形でコントロールしたいと思っております。そういうふうに全部国が需給計画を、いわゆる物動的には立てられないけれども、しかし、一方生産者の納得を得、あるいは消費地の市場関係者の了解あるいは示唆の上で需給計画を立てて、そうしてそれに出荷を対応させていくという、こういう程度のコントロールは、いまの段階では不十分でありますから、もっとやっていく必要があると思っております。そういう意味におきまして、武藤先生のおっしゃるような考え方で、その県あるいは東京市場なら東京市場の物量的な安定、あるいは価格の安定をはかるには、一体どの程度の冷蔵をやればいいか、それにはどのくらいの資金量なり土地が要るかというようなことは、しばらく時をかしていただきまして、また別途検討をいたしていきたいと思います。
  131. 武藤山治

    ○武藤(山)委員 私が言いたいのは、これを地方でかってにやれば補助金は出す、設立の趨勢は地方にまかせておく、これでは、建設コストが全部使用料に加算されるわけですよ。だから、もうけをとろうと思わずに冷蔵庫を利用させるのには、やはり国営でなければだめなんです。それでなければ、地方自治団体でやったものに対して、国が金をある程度、半分くらいは出してやり、そのかわり使用料というものはほんとうに安くしてやる。それが価格にはね返ってきては、冷蔵庫をつくっても何もならないのです。ぼくの言いたいのはそこです。だから、建設コストが価格にはね返らないシステムで冷蔵施設をどうつくったらいいかということです。私どもはいまの予算の中で、そのくらいのことを政府がやろうと思えば可能だと思う。しかも、それをやらなければ、せっかく野菜生産出荷安定法に基づいて四百四十カ所の指定産地をつくってつくらせたところで、調整する機能がなければ、また豊作貧乏になる。でき過ぎたときには安くなって、農民は農林省を恨む。そういうかりに十日でも二週間でも調整がつく冷蔵施設というのがあることによって、かなりでこぼこのない出荷体制というものが可能だと思うのです。だから、翌日のものはそのまた翌日売るようにして、順繰り順繰りに古い順に出していけば、二週間か三週間の調整が可能ならば、野菜の場合にはそんなに被害を受けずに生産の調整も可能である、ところが、そういうものがいま日本ではほとんど皆無じゃないですか。公の国なり地方団体が持っておる冷蔵庫というものは、幾つぐらい全国であるのですか。
  132. 八塚陽介

    ○八塚政府委員 中央市場には公営のものがございますが、国営の冷蔵庫というのは、ちょっと現在の段階では、私はないというふうに存じております。ただ、水産庁のほうから来ておりますからあれでございますが、そちらのほうから冷蔵庫の需給事情の説明があるかと思いますが、たとえば、タマネギ等を冷蔵いたします場合に、私ども、あまりそれが不自由であるというふうには必ずしも聞いておりませんし、かたがたタマネギ等については、貯蔵庫について考えております。しかし、これは武藤先生の御趣旨とは違いまして、つまり営業ベースでの話を私は申し上げておるわけでございますから何でございますが、ただ、かりに野菜一般につきまして、そういう国営の冷蔵庫をやって需給を調整するという場合にも、そのストックの期間というものをどういうふうに考えていくか。確かに一日ないし二日、あるいは十日ないし二十口の需給調整ということもございますけれども、私どもまず根本には、この五年程度傾向から見ると、やはり傾向的に野菜の価格が上がっておる。それはやはり傾向的に需要に対して供給が追っつかない。ですからそういう意味では、むしろ供給を着実にふやしていくということがまず基礎にあって、そしてその上でそういうときどきの騰落というものに対しては、やはり出荷調整協議会とかそういうもので対応していくというふうなやり方をやっておるわけでございます。
  133. 武藤山治

    ○武藤(山)委員 農産物の場合は、これは釈迦に説法ですが、大量生産、薄利多売できないのですね。大量生産、薄利多売の競争では所得が保障されない。というのは、天候のぐあい、気温のぐあい、また土地そのものというものに制約がある。一反歩の田んぼも、他の産業なら千五百坪、二千坪に利用できますね。しかし百姓という職業は、一反歩は三百坪しかどうくふうしても使えない。地下二階、三階つくって、日の当たらない地下三階でウドとかアスパラガスをつくって、上に野菜をつくるというわけにいかないのですから、いまの資本主義の大量生産、薄利多売の競争の社会システムの中で、農民に確実な所得を保障し、しかも消費者にうまくて安いものを供給するということは、政府の行政的な介入がない限り不可能ですよ。農業というものの存立すら不可能になると思うのです。ですから、せっかく指定産地までつくるのですから、国はそれを今度は調整する冷蔵施設というものは当然考えなければ、政策が片ちんばになって、結局、野菜生産出荷安定法に基づいてやったところで、今度は豊作貧乏になれば、農林省にだまされたといってまた野菜出荷しませんよ。農民が出さなければ、量が減ってまた値段が上がる。そこを両々相まって検討しないことには、農林省の施策というものはまた失敗するのじゃなかろうか。いつも農林省あとを追いかけていっている。繭が安くなったら桑の木は引っこ抜いちゃえ、今度果樹がいいというので果樹をすすめたら、ブドウ、モモ、ナシができ過ぎてとても採算ベースに合わないというようなことで、いつも後手後手を食うような施策を、私らの見る目では、ここ十年ばかりやってきておる。ですから、せっかく指定産地をつくるからには、いまここでようやく芽を出し始めた集配センターでもいい、こういうものを国がもっと本腰を入れて——これは全敗連が一カ所モデルにやられるのですが、これを農林省がやる。そして、もうただみたいな値でその倉庫を利用させて、そこでうまく調整がつくような方法は可能であると思うのです。キャベツの場合だったらかなりの期間、一カ月や二カ月保存できるんじゃないですか。そのキャベツが、この表を見ると、出荷の状況によってべらぼうに違うのですね。そういうものだって——局長は一生懸命タマネギの例を言っていますけれども、タマネギ以外のものでも、いまの価格の水準からいけば、かなりのものがかなりの期間ストックが可能だと思うのですよ。それで常に最というものをコントロールしていけるんじゃないだろうか。これは将来の大きな検討事項だと思うのです。いま資本主義社会だから、プリンシプルの問題だからということはわかりますよ。わかるけれども、農業という特殊の商売であるということを頭に置いて、ぜひ混合経済的な体制にまで農林省が踏み切っていかない限り、農民を救い消費者を救うなんといううまいことはできないと私は思うのであります。そこらはひとつ局長にも十分検討をしていただきたいと思いますが、あなたの見解をもう一回承っておいて先へ進めたいと思います。
  134. 八塚陽介

    ○八塚政府委員 ストックの問題、キャベツも決してできないわけではないだろうと思います。いろいろパッケージをし、かつ冷蔵をするというようなことはできないわけではないと思いますが、問題はやはりバルクなり重量なりに対して、何カ月間持っておってそのコストが十分に報いられるかどうかということです。たとえば、春のキャベツが安いというのでしばらく入れておったところが、今度はほかの野菜が出てきて、必ずしもキャベツの値段が上がらなくなるというような、それぞれ競争と申しますか、キャベツだけではなかなか考えられない。そのあたりの問題もございますから、やはり現在の段階では、冷蔵してそれなりに経済的に見合うというのは、ある程度高価なものの場合に比較的安全である。ただ、大衆の食べられるものを大がかりに貯蔵するということは、なおいまの流通形態ではなかなか検討を要すべきものが多いだろうと思います。  ただ、そういう技術的な問題は、だんだんに勉強いたしますればいずれ解決することでございますが、一般的に野菜をどういうふうに行政の対象にしていくかということでございますが、少なくとも現状では、野菜の生産は他の穀物等よりもきわめて零細であり、かつ、商品化する部分は商品化作物として取り扱われ、自給部分は農家の自給用として栽培され、しかも、きわめて零細であるというようなことで、現在の生産の状況からいいますと、行政的にコントロールするのを画一的に進めるというのは、あまり適していない状況であろうと思います。むしろそういう状況の中でしっかりした野菜の生産地をつくり上げていく、そしてそういうものがもう少しカバー率が大きくなってきた段階で初めて、われわれが現在やっておりますいろいろな出荷のコントロールであるとか、そういうものが効果を発揮してくるのであろう。したがって、現在の段階では、きわめて統制的な形で進めるのはあまりうまくないのではないか。むしろだんだんにそういう状況をつくっていくスタートの段階であるというふうに考えておるのであります。
  135. 武藤山治

    ○武藤(山)委員 全然局長答弁じゃ私は不満です。スタートの段階だなんて言ったって、物価が何年間上昇を続けているのです。いまごろになってスタートの段階だと言っておっては、無策だと言われてもしかたないですよ。昨年七月に法律までつくって、しかも、これから四百四十カ所の指定を四、五年のうちにきちっとやっていって、四、五年先になればかなり需給バランスがとれるようになって、心配はなくなるという答弁がこの間あったわけだ。そういう体制になってくるというその緒にまずついたとするならば、その間に調整のできる機能、きょうの出荷量ががくっとふえたり減ったりしないように、ある程度ずっと調整できる国の施設というものを、当然検討してつくらなければいかぬのじゃないか。それが、資本主義の体制というものに幾らかそれると、これは社会主義的な——あなたはいま統制ということばを使ったけれども、私は統制だなんて一つも感じていないんだ。単なる調整である。あなたが統制ということばを使っているのは、意識的に、そういうことはすでに社会主義的な要素が含まれるからいかぬのだという先入観があるようなニュアンスを感ずるのですけれども、私は、そこまで突っ込んで社会主義政策で一切貫徹してほしいと言っているのじゃない。いま物価の問題が叫ばれているけれども、いまなし得る仕事は何かといえば、何もないじゃないですか。皆さん答弁には、具体的にこういうものをやっていくというのがないじゃないですか。あれも試験これも試験、実験、検討中でございますと言うだけじゃないですか。そのうちに米価が上がる、米の値段が上がれば、同じ農民なんですから、野菜をつくっている者も米価に合う程度の収入がなければ、野菜は合わぬということでいろいろな不満が出てきますよ。そういう議論に発展していくと、米価が年々上がる限り野菜の上昇もやむを得ないんだ、幾ら物価対策委員がぎゃあぎゃあ騒いだってどうにもなるものかと、農林省みずからがそういうあきらめを持ったような態度ではまことに不満です。  たとえば低温流通機構調査委託費というのは、本年は九千二百九十三万八千円、去年よりも半分以上減らしたのですね。九千七百万円去年よりもことしは減らしてしまった。去年は一億九千万ばかりあったものがことしは九千二百九十三万八千円になっている。これは科学技術庁に頼んでいるコールドチェーンの研究でしょう。なぜことし半分も削っちゃったのですか。どういうわけなんですか。
  136. 八塚陽介

    ○八塚政府委員 コールドチェーンの問題はちょっと別にしまして、私が先ほど申し上げましたのは、傾向的に野菜の値段が上がることを是認して、それでよしということでは毛頭ございませんし、それから、それの対応策として着実に生産をふやしていくということは、この前私どものほうの課長からも先先にお答え申し上げたと思いますが、かなり着実に歩いておるわけでございます。むしろ緒についたばかりであるといった問題は、日々の騰落等が野菜にあって、それについてもっと恒久的な足取りを示すような施策が必要ではないかというお話に対して、私、実は米が一応対象として頭にあったわけであります。別に社会主義的云々ではなくて、つまり、米の統制のように野菜の統制というものができるということはおそらくない。米についてはまず穀物であり、こちらは生鮮なものである。それから米については百年以上の歴史がある。そういう意味で申し上げたので、しかし、さりとてそういう騰落が激しいということが、結局安定的な生産をするということにマイナスになっておりますから、決して私どももそれでいいのだというつもりはないわけでございますが、ただ米との対比でお答えを申し上げたので、若干誤解を招いたかと思います。  コールドチェーンの問題は官房調査官のほうから……。
  137. 渡辺文男

    ○渡辺説明員 科学技術庁の行なっております四十一年度と引き続いて本年度やっております事例実験調査費の総額でございますが、前年が約三億、本年約一億でございます。前年度の経費の約半分、正確な数字は記憶しておりませんが、約半分前後は実験の過程で使いますプレクーリングのための冷蔵施設だとか、パッキングの機械とかいう施設費でございまして、それ以外が、ランニングコストといいますか、事例実験するための経費でございます。今年度はその施設をそのまま使いますので、同じ規模で実験調査を行ないますが、経費は半分で済むということでございます。
  138. 武藤山治

    ○武藤(山)委員 それでは、これだけの予算を前年にとって、本年半分にしたのは、去年つくったのがことしそれで実験できるということですね。しかし、もっともっと普及しようというのでいろいろな指導をして、業者にも、もっと実験店を何軒か選んでくれと依頼しているいうようなことが、この間参考人から発言があったりしておりますね。そういう点から見ると、もっと力を入れてやっていこうという傾向のときに、九千七百万も削る必要はなかったのではなかろうかと思うのですね。しかし、去年のを実験に使えるからまあいいやということで削ったのだと思うのですが、こういう傾向も、コールドチェーンに取り組んでいる姿勢としては、予算書を見た限り何か熱意が足りないのではないかという感じを受けるわけですね。これも不満の一つだったわけです。  それから企画庁のほうで、消費者啓発指導費というのが予算に二千七百万組まれていますね。これは企画庁、先ほど農林省流通関係でテレビで放送している情報サービス、これなどとは関連のない予算なのか。企画庁が刑に取った予算というものは、何を対象にどんなことをやるのですか。
  139. 中西一郎

    ○中西政府委員 大きくは二つに分かれていまして、一つは、全国に五千九百三十五人の消費生活改善に関するモニターを設置する予算であります。府県に渡しまして、府県で自分の負担分を加えて事業費にしている。一県当たり百二十九名ぐらいに考えております。各省にいろいろモニター制度がありますが、それぞれ特殊の任務を持っております。計量法の関係とか、あるいは機械器具の関係とか、あるいは薬事の関係とか、広告の関係とかきまっております。私のほうで今度考えておりますのは、そういうこと全部含めまして、むしろ現段階で手の届いていない盲点をさがして機動的にモニターの活動をしてもらうという考えであります。  あとの事業としましては、日本消費者協会で消費生活のコンサルタント養成講座というのがあります。もうすでに二百名近くの研修を終えた人がおりますが、それに対する事業費の補助というのを考えております。これが約五百万円で、あと全部モニターの関係です。
  140. 武藤山治

    ○武藤(山)委員 時間がもう五時になりますので、あとの人の時間になるそうですから、芽だけちょっと出しておいて、次に会議録を中心にいろいろ尋ねたいと思います。  通産省の消費生活合理化対策費二千百五十万円というのは、これは一体どんなことをやるわけですか。何に使うのですか。
  141. 中西一郎

    ○中西政府委員 それは、日本消費者協会でやっております商品テストの補助金であります。省からも二百五十万円ですか、同様の趣旨の補助金が日本消費者協会に出ております。
  142. 武藤山治

    ○武藤(山)委員 これは全部民間団体への委託費ですか。これは何か効果があるのですか。
  143. 中西一郎

    ○中西政府委員 効果があるかというお話ですが、民間団体といいますか、事業費の補助金が出ていますが、別段の特殊法人ではございません。それで、二十名程度の職員がおりますが、電気製品あるいは衣料品なんかについての消費者の苦情を一つの出発点にして、工業技術院だとかあるいは試験所とかにそれぞれの商品の検査を依頼しまして、その成果を分析し業界と話し合う、あるいはそれを、月刊「消費者」という機関誌がありますが、それに公表するというようなことで、消費行の自覚を促すと同時にメーカーのほうにも反省をしてもらう、そういう活動をやっているわけであります。
  144. 武藤山治

    ○武藤(山)委員 それはあとで、この補助金を交付している団体の住所、名称、役員、主としてこの資金の使い方、そういうものを資料でひとつ御提出を願いたいと思います。  それからもう一つ、通産省が新規でつくりました商業流通構造調査委託費九百十三万円、それから流通合理化促進調査委託費三百九十三万六千円、これもひとついま申し上げましたような性格、どこへ委託するのか、そういう内容を資料にして提出を願いたいと思います。  きょうは実は生産増強の具体策、飼料輸入価格と畜産振興の問題、計画出荷と冷蔵庫、地方自治団体の任務、こういうような問題をいまの国の施策の次に質問をして本論に入ろうと思ったのですが、時間がもうございませんから次の機会にいたしたいと思います。  ただ、最後に、せっかくおいでいただきましたので運輸省にお尋ねをしておきたいと思います。最近、バス料金あるいはタクシー料金の値上げ動きが出てきているといううわさを新聞などで聞くのでありますが、現在陸運局に料金の改定をしたいという申し出は出ているのか出ていないのか、出ているとしたらどういう府県で、あるいは中央でどの程度出ているか明らかにしてもらいたい。
  145. 蜂須賀国雄

    ○蜂須賀説明員 ただいまのお尋ねでございますが、バスにつきましては、現在申請の出ておりますのは東京及び東京周辺が大部分でございます。あとは出ておりません。それからタクシーにつきましては、これは全県出ておりまして、現在全国で八十五地区出ております。  なお、バス、タクシーの運賃につきましては、現在の動きとしましては、申請の経緯を見ますと、人件費その他の経費の高騰、または都市におきます交通渋滞による車両の運用効率の低下というようなことのために、経営が悪化してまいっております。したがいまして申請が出たわけでございますが、これらに対しましては全般的な、総合的な物価対策との関連がございますので、経済企画庁とも協議いたしまして、経営合理化指導しましてもなおかつ欠損が出る場合には、やむを得ない範囲内で認めていくという考えでございます。
  146. 武藤山治

    ○武藤(山)委員 八十五地区からというと、ほとんどの府県から出ているということですか。出ていない県もございますか。
  147. 蜂須賀国雄

    ○蜂須賀説明員 出ております。ちょっと府県別資料を持ってこなかったものですからあれですが、事業者の数で申しますと、全国の約半分の数が出ております。
  148. 武藤山治

    ○武藤(山)委員 その料金の引き上げは、業者は何%ぐらいを一応希望しているわけですか。
  149. 蜂須賀国雄

    ○蜂須賀説明員 これは、タクシーの場合は陸運局長権限でございますのであれでございますけれども、場所によって違いますが、大体二割ないし三割くらいだと思います。
  150. 武藤山治

    ○武藤(山)委員 大臣がおらなくては大方針ははっきり伺えないと思いますが、人件費の高騰等によって採算ベースが非常に悪いという会社は認める、こういう方針だということになりますと、あれですか、バスもタクシーの料金も四十二年中に上がるという一応見通しなんですか。それとも物価対策大臣も、これは行政指導で何とか上げずに済ませよう、こういうかたい決意でおりますか。あんたは大臣でないからちょっと無理かもしらぬけれども、どうですか。
  151. 蜂須賀国雄

    ○蜂須賀説明員 これはただいま申し上げましたように、一般物価対策との関連がございますので、政府におきまして事務的には協議いたしますが、臨時物価対策閣僚協議会にかけまして、そこできまるわけでございますので、ここでちょっと私は言いかねます。
  152. 武藤山治

    ○武藤(山)委員 企画庁長官の言うことは、牛乳も何とか上げずに済ませると言っておるのですが、さっぱり実行されないのです。まだこの問題は具体的な騒ぎになっていないのでありますから、企画庁としては、ひとつ物価安定の政府見通しを実現する上からも、タクシー、バスの料金を上げるということは、国民の非常な不満のもとでありますし、いまの時節柄上ぐべきでない、こういう強い意向があったということを企画庁長官にお伝えいただきたいと思います。さらに運輸大臣にも、物価委員会の中でそういう希望が出ていたということを、強く御報告を願いたいと思いますが、よろしゅうございますか。
  153. 中西一郎

    ○中西政府委員 御報告いたします。
  154. 戸叶里子

    戸叶委員長 大野市郎君。
  155. 大野市郎

    ○大野(市)委員 時間が迫りましたので、尋ねたいことはたくさんありますが、はしょって二、三点伺います。  まず、前の委員会で調べてほしいと申しておきましたが、その答えからいただきたい。  第一点は、牛乳びんのポリエチレンフィルムがスイスで製造開発されておるということであるが、それによって非常に安く容器が手に入る。これが解決するなら二円程度値上げはやらないでいい計算が出るということを、この委員会で、新聞の報道をもとにした記録を残してあるわけでありますが、これが実態について畜産局長調査があったらお知らせ願いたい。
  156. 岡田覚夫

    岡田(覚)政府委員 ただいまお話のものでございますが、ポリパックはプラスチックチューブを利用した水まくら状の牛乳容器でございます。このプラスチックチューブは、製造時摂氏百八十度の高温で処理され、殺菌されたと同じ効果がありまして、その後空気に触れませんので衛生状態は良好であるということであります。心配されるプラスチックの毒性有機微生物もなく、牛乳への臭気の移行もないようであります。強度は、人間が乗っても破壊されないくらい強靱で、充てん時若干の空気が入りますので衝撃にも強い。日光にさらされても紫外線を吸収してビタミンCの破壊も少なく、保存性もガラスびんよりはよいというふうにいわれております。原材料はガラスのびんと同じ程度でございまして、一八〇cc当たり三十銭くらいにつく。びんは一本十二円でございますが、これは四十回転くらいいたしますので、値段といたしましては同じでありますが、軽量で、回収の必要がないので販売コストは軽減できる。原材料は英国のシェルという会社が開発したもので、日本でも製造可能であるわけであります。充てん機はスイスのオフィシーネ・ベルトグリオという会社の特許のものでありまして、能力は一時間当たり一八〇ccで四千袋くらいになります。ガラスのびん詰め機が一時間当たり一万二千本ということになりますので、それよりは劣るようであります。  ポリパックは、いま申し上げましたようなことで、技術的な面においては従来のガラスびんに十分代替し得るものではありますが、水まくら状という形状からして消費者にそのまますなおに受け入れられるかどうかということについては、まだ必ずしもはっきりした見通しがないようでございます。この技術を開発しましたヨーロッパにおいても、まだ十分普及するという段階にはないようでございます。  わが国では雪印乳業のみが試験を行なっておりまして、一般市場へは出ておりません。メーカー消費者の意向との関連で、直ちに採用に踏み切るという意向はどうも現在示していないようでありますが、今後の問題であるというふうに思うわけであります。
  157. 大野市郎

    ○大野(市)委員 とにかく物価を安定させなければならぬというのでこの委員会はできておるわけであります。消費者の需要に合うかどうかはなるほど未知数のものもあるかもしれぬけれども消費者はみずから労力を提供して、販売店まで足を運んでまで価格の低廉を望んでおる現在の状況でありますから、衛生的に、栄養的に、価格的にその要求が満たされるものであれば、びんがいいかポリパックがいいかというような消費者の好みは、からだに飾る装飾品ではないから、これは私は見込みがあるという私見を持っておる。そうすると、そういう芽が出たならば、これはぜひとも容器の改革という問題で、これこそ行政指導をなさるべきものだと思う。そうして、場合によったならば試験研究機関がその機械を購入をして、試験して、それらを安売りどころか、ちゃんとした値段でけっこうだから、このものであればこの値段で売れますよという事柄を消費者に示すという努力が私は必要だろうと思う。そういう前向きの形で、消費者牛乳消費に対する指導の責任を持っておる農林省当局として、この問題は消費者啓蒙の大きな問題であり、物価安定の問題であると思いますが、これをさっそく実行される御用意があるか、伺いたい。
  158. 岡田覚夫

    岡田(覚)政府委員 この問題は厚生省と関連する問題でございますが、われわれといたしましても十分資料を収集いたしまして、経済的に十分可能であり、十分使用されるという可能性があれば、これは使うということについて指導をすべきものであろうと考えておるわけでございます。
  159. 大野市郎

    ○大野(市)委員 関係筋もあることでありましょうから、きょうすぐなんということも無理だろうとは思いますが、これはごく近い日に、企画庁とも御相談されて、政府部内の意見調整をされて、とにかく試験的でもいいから、国内にそれらのものが普及できるような道を開いていただきたいと思う。まだこの委員会が続くのでありますから、おそい場合には、与党でも、この点は国民のために厳重に追及いたしますから、ひとつ至急に御検討いただきたい。  それから第二点は、東印で野菜に、あるガスを注入して、野菜の保存が数カ月もつということでありましたが、これも新聞の報道がたよりでございますので、この委員会で園芸局長からその点の見通しについてお答えいただきたい。
  160. 八塚陽介

    ○八塚政府委員 新聞の報道にありました東印で現在試験研究をやっております、いわゆるポリエチレンの袋に入れまして、まず真空状態にし、かつ若干の炭酸ガスを入れて、そして野菜の、いわば息をすることをとめてしまって、収穫したときの状態に保っておく、かつそれをいわゆる冷蔵いたしますならば、相当長くもつのではなかろうかということで東印が試験研究いたしております。いろいろ東印のほうから聞いてみますと、そういう方向でかなり技術的ないろいろな難点を解決して進めておるようでございますが、実は東印のほうでも、まだ三年ぐらいの計画でそういう研究を完成させたいというようなことを言っておりまして、その段階でございますから、技術的にまだ最終完成ということにはなっていないようでございます。ただ、先ほど来お話がございましたが、今後の野菜の流通合理化ということを考えてまいります際には、やはりそういう形でプリパッケージをやっていく、それからなるべく鮮度を保持していくということは、全体の合理化に役に立つ方向でございますから、近く農林省におきましても審議会等で、そういう方向への一環として、このものを取り上げて検討をいたしたいというように考えております。これは技術的な問題もございますが、当然のこととして経済的な、いわばペイするかどうかというようなことも、なお種々検討いたさなければならぬ問題でもございますし、たまたまキャベツ等からスタートいたしたわけでございますが、その他のいろいろなもの、イチゴであるとかそういうものも対象にして、今後やっていくということに相なろうかと思います。検討すべき問題は多々ございますが、いま申し上げたような方向で取り扱っていきたいというふうに考えております。
  161. 大野市郎

    ○大野(市)委員 この問題も私は注文がある。そういう新しい保存方法の芽が出ておるときに、一民間の会社に、その研究をやっておるんだから結論が出るだろうということであっては、何のために国家がいろいろな研究機関を持っておるのか、われわれとして、まことに心もとないわけなんです。東印が研究をされるのもけっこう。しかし、方向として、われわれごくしろうと考えても、そういうポリの袋に入れて——いま御承知のニシキゴイだとか金魚の輸送が、ポリの袋に入れて、酸素を注入して輸送できるようになった。これで販路が広がった。だから、野菜が炭酸ガスを吹き込んでもつということなら、もうわれわれは実験なんか要らない、理屈でわかるアイデアです。ただ、それがどれくらいの機械で安くできるかということですが、入れるのは楽なんです。金魚やニシキゴイの輸送のためにポリの袋に入れるのは、しろうとがやっているのです。しろうとが酸素ボンベを持ってきて、しゅつと入れてきゅっとくっつけるとあれはできてしまうのです。単純で安いのです。同じ原理なんだからできないことはない。そういうものがあったら、政府機関にこれを加えて、そして政府仕事としてそれらの先べんをつける熱意が必要である。私どもこの委員会は与野党はないわけなんで、先ほどの武藤君の御発言なんか——武藤さんはしきりにイデオロギーを心配されていたようだが、今日すでに国債発行によって、わが国の現在は混合経済ですよ。だから、混合経済を心配する必要はない。総理大臣が混合経済の実行を始めたのだから、その意味でのことは心配ないから、そういう国全体の福祉をはかるためには差しつかえありませんよ。いまの資本主義の制度の中でできるのですよ。そのためには補助金がいいか、あるいはただの設備の利用を許すか、これは方法がありましょうが、きょう大臣おいででないものですから、いずれそういう場所もまたあると思いますが、とにかく一生懸命守ろうとするだけで、何か言われると、いや、わしのほうはやっておるんですがねというような形が出るために、われわれは非常に歯がゆく思うのです。内応についてお聞きすれば、きょうの状況はこうだということはわかるんですよ。きょうの状況はそうだろうと思う。しかし、私は正直言って、あすどうしようという問題についてわれわれは言っているんですから、きょうできなくていいですよ。きょうできないならできないが、こういう方法があるからあすはやります、そういう答弁がわれわれはほしいわけなんです。どうかそういう意味——これはお金はたいしてたくさんかかるというのじゃないのですよ。熱意があればできるんですから、この点ひとつ、人さんの研究をまたないで、われらがやるぞということで、局長、ひとつ大臣を勉励していただきたい。また機会を見まして、われわれもその問題を大臣にも、原則論的な問題で詰め寄る機会をいただきたいと思いますが、きょうはそういう趣旨で御理解をいただきたいと思います。  きょう用意した質問と内容が変わるのですが、この配付された資料の中の入荷量と卸売りの価格を見まして——四ページが入荷量、五ペーシが卸売り価格ですが、これをいま私が見てまいりますと、タマネギのような保存のきくものでありながら、入荷量と価格操作の結果のせりの値段というものが、全然理屈——われわれは理屈で、いっぱい入れば安くなる、少ないときは高くなると思っている。野菜というのは、二割も荷がふえると半値になったり、二割も入荷が減ると倍になるんだという話はよく聞かされておったのですが、その原理にも合っていないわけです。ですから、四ページの入荷量と五ページの卸売り価格の毎日の変化を——一目すれるかもしれません、その日のですから。五月一日の欄からずっと書き込んでみますと、タマネギ三百三十二トンに対して七十六円、二日は四百十三トンに対して七十三円、三日は三寸四十一トンに対して七十一円、四日は四百二十六トンに対して六十七円、五日は五百四十五トンに対して五十円、六日は五百五十一トンに対して四十二円、八日は六戸六十六トンに対して三十五円等々で、今度ひどいのは、六百二十二トンで二十円、六百六十五トンで十九円、四百八十六トンで二十二円というようなぐあいで、玉ネギのような保存のきくものでありながら、入った量と卸のせりの値段というものに何にも相関性がないんですね。  さらに私は、そのあとの七ページの水産物のほうでもサンマを見たのです。このサンマの入荷量と卸売り価格を同様な形で合わせてみますと、十六トンしか入らぬときに六十五円のものが、二千八百六十七トンの十月の大量入荷のときには八十二円というようなぐあいで、このころは一番あぶらが乗ってうまいときでしょうから、需要供給の関係で、うまいときに値が上がるのもわからぬことはありませんが、これもまた、いっぱい入ったからどの程度安い、少ないからどの程度上がるという関係がこの表では出ないのです。  これは、私は追跡調査とひとしき価値があると思うのです。一日ずつの値段ですから、あとの統計のほうの月別平均とは違うと思うんです。一種の追跡調査値だろうと思うのです。ですから、こういうような値がせりでついてくるということになると、私はいわゆるせりの価格形成というものに対してもう少し勉強せねばならぬということを、実はこの表をいただいて感じ、またびっくりしたのです。この点に対して何か、いや、それはこういうわけでそうなるんだというふうなことが、園芸局のほうと水産庁のほうで納得のいく理論づけがあるものであれば、価格を安定させるための、産地の入荷量を調節するという問題に直接結びつき得るのですから、重要な問題なんです。何か原理的に、あるいはトレンドでもいいのですが、こんな形ですよという原理でもよろしい、それを聞きたいと思いますが、いかがでしょう。
  162. 八塚陽介

    ○八塚政府委員 最初に、ポリエチレンの袋の件につきましては、私どものほうも、もちろん積極的に取り組むという姿勢を持っておる次第でございます。元来、この技術は農林省の食糧研究所で研究をいたしておりまして、そういう意味におきましては、私ども役所としては相当初めから足を踏み込んでやっておる仕事でございます。なお、小売業近代化研究会とか、民間と役所一緒にやっております包装の共同グループで、さっそくにも具体的に取り上げてやってまいりたいというふうに考えております。なお、上司のほうにもよろしくいまのお話は伝えておきたいと思います。  それから、中央卸売市場におきます入荷量と卸売り価格関係でございますが、確かに、端的に申しますと、その日入荷量が多いから、すぐそれに応じて価格が前日より下がるというきれいな形になかなかなっておりません。これは私どものほうも、実はどういうことであろうかと、そのつど市場に聞きますと、いろいろ具体的な、いやきょうはこういう行事が一般に町にあるから、少々入荷量が多くても高いんだとか、ケース・バイ・ケースの説明があるのですが、しかし、どうもそれだけでは納得がいかない。いま大野先生の御指摘になりましたように、その日の入荷量とその日の価格というものは必ずしも一致しない。ただ、私ども一応いま考えておりますのは、せりをいたしますとき、落とすほうが、前日少したくさん買い過ぎたというようなことになりますと、むしろ調整をするとか、あるいは売る場合——売るのは、これは産地から送ってきたのを全部その日に売り切るわけでございますけれども、多少のそういうストック的機能であるとか、価格の調整機能であるとかいうのが無意識のうちに働いて、そういうものがあるいはあらわれておるのじゃないかというふうにも考えたのでございますが、正直に言いまして、これはいまのところ日々の形では出てこないので、私どもとしましても、ことし、学識経験者の方のお知恵も拝借して、そういう点をもう少し究明いたしたい。ただ、それはあくまでごく短期的なものでございまして、やはり長期的には入荷量とそれから卸売り価格小売り価格というものは、グラフをとってみますと、傾向としては平衡いたしておると思うのであります。  たとえば、先ほどタマネギについて御指摘がございましたが、いまごろのタマネギは実は貯蔵ものではなくて、ちょうど貯蔵ものの切れる時期で、新しくできたタマネギでございまして、これは、たとえば五月の一日から六日まで、三百三十二トンから五百五十一トンと、やや傾向的に微増しておる。そういたしますと、やはり卸売り価格のほうは七十六円から四十二円に漸減しておる。ただ、ふえたのが約四割ふえたのに対して、七十六円から四十二円にずっと下がっていったというのはどうかというようなこと、あるいはその一日一日をとらえますとどういう傾向になっておるかというのは、いま御指摘になったとおりでございますが、そういうことでやや期間を長くとりますと、やはり市場は十分にその機能を果たしておるのではないだろうかというふうにも、現在の段階では考えております。なお、そういう点についてはもう少し私どもも勉強いたしたいと思います。
  163. 大野市郎

    ○大野(市)委員 いまの一件は、あなた方も、こういう表はお出しになったが、引き比べはきっとなさっておられないと思うので、いまの長期的な傾向ということになると、先ほどの月の総額を月の総金額で割って出すような統計手法しかないのです。ですから、それはそれで利用性がありますが、私が端的にいま——お魚のほうはお聞きしないでよろしいです。毎日のことをいま突然お聞きしても、それは答えられないのがあたりまえなんですからね。ただ、そういう引き写しをされて研究をしておいていただかないと、将来供給量を、情報を流して、これはもういまだぶついているから、ちょっと漁獲を待てとか、出荷を待てというふうな情報を、荷受け機関並びに政府生産者に指図をして、いわゆる豊作貧乏を防ごうとするとき、そこで防いだつもりでも、なに、来たところが、きょうはたたいてやるのだというような形の値段がついたのでは何にもならぬわけなんです。ですから、どうしてもこれを追跡調査していただいて、たとえば、六月のきょうからでもいいじゃありませんか、きょうはどういう理由だ、きょうはどういう理由だということで刺激をしていけば、私は、やはり長年の商売ですから、その商売の付け値というものの合理性がないならないで発見されると思うのですよ。そうでなければ、仲買い人のほんとうの機能というものは達成されないのですから。私どもは仲買い人の機能は、前回も申し上げたとおり非常に高く評価しています。評価しておりますけれども、それにはいわゆる評価ということの合理性がわれわれに納得できなければ、それは絵にかいたぼたもちを見せられただけですから、改革をせにゃならぬ。そのためにはやはりこの追跡調査をお願いしたいので、きょうはそれ以上の御回答は要りませんが、そういう御研究を積んでいただいて、将来生産調整、出荷調整に資していただきたい。それは生産者だけの利益でないのでありまして、物価が高からず安からざる形で消費者に配給せられるならば、国民経済的に価値があるから申し上げておるわけですから、そういうことをひとつお願いをしたいと思います。  それから、同じ意味合いにおいて、先日参考人の方がおいでのときに、東京中央卸売市場の青果部のほうに、長い歴史があって、二万人からの買参人が参加しておられるという報告を受けたわけでありますが、私は、ものはどんなに理屈があっても、理屈がこうだからというて、それができた事情、経緯、歴史というものを無視してはならぬというふうなものの考え方をしておるものですから、決して、筋があるからそこで大転換をせにゃならぬという考え方ではございません。ございませんが、やはり筋論でこれを見ましたときに、買参人という形で小売り方々が一万人も入っておられるということは、市場が狭いというわれわれの印象、実際の状況よりいたしますと、どうしてもこの問題はお互いがいろいろ検討をいたさなければならぬ問題だろうと思うのです。この点、たとえば参考人としての場長の御意見では、実は多いのだという御意見も出ました。私どもはそれに対して、小売り商方々の生活権の擁護という問題がございますから、小売り方々が仲買いの手数料を抜いて卸に参加して、それだけ安いものをうちに持って帰って、消費者にできるだけ安く売るんだということはわかるのですけれども、大量取引こそ中央市場の生命だと思いますのが、そのために、結局その取引が円滑にいかないんだということになれば、元も子もないわけですから、その意味においては、協同組合共同裏業のできる中小企業等協同組合法に基づく小売り商の組織化というものによって、いわゆる代表買参人ですか、さっき森実課長も触れられたが、そういうふうな着想で、市場の狭隘を妨ぎながら、合理的なせりが可能な道が開けるならば、いわゆる不特定な多数の方々に売りさばく仲買い人の方と違った意味の、特定な方々に売りさばく代表買参人の意味合いというものが、市場の性格としても意義が出るんじゃなかろうか。こんなふうにも推察されるのでありますので、いまいる一万人の方々を、要らないからどうしろということではなくて、それらの人々が満足する方法をその中に入れて、大量の取引をやって、御自分の店にふさわしい品物を分けて引いていくというのが、私は流通合理化の本筋であると思う。ただ、手数料が目につくから、手数料だけ安くなればいいというような考え方では、大量の取引はできないと思いますので、中央市場が必要だという理念からいきますときには、手数料の問題は、品質と価格の全体からいって吸収できるのではなかろうか、こう思うのでありますが、市場担当者の御意見はどうでありましょうか。
  164. 森実孝郎

    森実説明員 先生御指摘のように、小売りの買参人の数は、東京市場では非常に大きな数になっていることは事実でございます。おそらくその三分の二ないし七割前後は、毎日買参人として参加しておるのが現状でございます。確かに小売り買参人の制度は、店の事情に応じた仕入れとか、あるいは小売り店の意向を反映させる意味ではプラスの面もございますが、取引の迅速化とか、分荷の能率化という意味では、やはり中央市場のあり方としては、マイナスの面もあることは事実だろうと思います。そこで、具体的な方策といたしましては、近く東京と大阪市で協議する段取りになっておりますが、仲買い人を中心とした、配達制を基礎に置いたいわゆるボランタリーチェーンの結成の問題、それからまた、小売りの代表買参を基礎としたボランタリーチェーンの結成の問題、それについては、一挙に広範に及ぶことはなかなか無理があると思いますが、できるだけ育成の働きかけをやっていきたいということで進めております。なお、これ以外に、現に築地市場で魚類について実施しておりますように、買い出しにきた小売り店のいわゆる共同配達制、共同運搬制ということについても、できるだけ評価を高めるということで進めたいと考えてあります。
  165. 大野市郎

    ○大野(市)委員 おもしろい着想ですから、ぜひ研究を進めていただきたいと思います。  あと二点だけですが、この間参考人をお呼びして承ったとき、私からも質問したのでありますが、これは当事者であるために、それ以上のお答えは無理でありましたが、きょうは担当がおられますので承っておきたいのでありますが、中央市場の規定を通覧いたしましても、明らかにせり、入札というものが根幹であって、定価売りとか相対売りというものは、そのつど、いわゆる開設者の承諾を得てやらなければならぬ。しかも、定価売り、相対売りのときにどういう条件があるかというような事柄は、その業務規程あるいは業務規程施行細則によって、さまざまにこまかく、例外であるという事柄が明示してある。ですから、その市場法の法に基づいて行なわれているものであるから、将来はともかく、今日の市場法内において定価売りあるいは相対売りを奨励するような傾きの、いわゆる行政指導が行なわれるといたしましたならば、私は、これは法律にもとるものであろうと思う。特に定価売りに関しては、冷凍魚が定価売りであるということであった。いわゆる品物を一ぱいそろえて、好きなものを買いなさいということは、買う側に便利であるということはわかるんです。わかるけれども、それが便利だからといって、狭隘な市場を利用させながら、特例としてしか認められていない定価売りで、大きな漁業会社の一方的な、この冷凍魚は幾らの値段でござるよといって定価のつけられたものを、はいはいと言って買わされるようなことで市場が狭隘であるということになったならば、この法律をないがしろにするものだと思う。私は、卸売り市場あるいは仲買い人の諸君が便利でござんすというので、定価売りをただ喜んで扱っているようなことになったならば、中央市場法の本旨がなくなるから、極端なことばであったが、自殺行為とまで参考人の方には申し上げたのであります。これは一つの指導方針でありますから、むしろ冷凍魚は定価売りといってくるならば、いろいろな会社に競合させて、しかもせりにして出してもらうようにして、そのときの時価相場で手に入るような方法を講ずるように行政指導されるべきではないかと思いますが、いかがですか。
  166. 森実孝郎

    森実説明員 大野先生御指摘のように、現在の市場法のたてまえからは、集荷については委託、販売についてはせり、入札が原則でございます。したがって、買い付けによる集荷とか、定価売り、相対売りによる販売については、あくまでも例外であるということは事実でございます。私ども最近その点を特に言っておりますのは、むしろこういった商品がケース・バイ・ケースでボランタリーチェーンに送られてくるというところに問題があるのではないか。商品の性格とか取引の実態から見て、合理性のあるものはルールとしてこれを認めていく、そうでないものは押えるというふうに、実態に応じてやはりルールを適正に運用するということが本筋だという意味で、そういう意味での再評価ということを申しておるわけでございます。したがって、運用にあたりましては、買い付けの問題についても、定価売り、相対売りについても、当然事業計画に基づいて開設者の承認制を励行さしておりますし、特に私どもが開設者にいま要望しておりますのは、事前の計画的承認という点に力点を置くということでございます。  ただ、定価売り、特に水産物の定価売りの問題の御指摘がございましたので、これを中心に若干御説明申し上げますと、定価売りと申しましても、実は冷凍魚等につきましては、鮮魚自体の日々の需給関係を見て、やはり価格をきめていかなければ処理できるものではないという実態がございますので、定価売りといっても、その日の定価売りという意味であって、いわゆる長期間を通しての定価売りという性格とは若干違う。むしろ定価売りという意味は、相手によって値段を変えないという意味の性格のものである。つまり、定価を表示して、その日はその値段でだれにでも売りますという意味での定価売りであるということを御了解賜わりたいのであります。  また、冷凍魚等につきましても、御案内のように、太もののマグロとか、規格性のないものにつきましては、これは当然せり取引で売られているものが多いのであります。現在私どもが定価売りを是認できるものとしては、高次加工品、これは工場製品としてやむを得ぬ。もう一つは規格性、貯蔵性があって、かつ需給予測が明確に立っているというもの、そういうものを中心に認めていくべきではなかろうかという考え方で、開設者を指導しているわけであります。  なお、市場からそういった取引形態のものは分離してはどうかという御意見が、確かに理論的に有力に成り立ち得る点もあるとは思います。ただ、取引の実態を見ますと、やはり市場というのは小売り店にとってワンストップ・ショッピング・マーケットという、総合市場としての要請が現在の小売りの事情からも非常に高まってきております。だから、商品自体もある程度規格性、貯蔵性があって、需給予測のはっきりしているもの、また輸入品等もふえてきているという実態から見て、やはりけじめをつけ、ルールをつけた上で、一定の範囲では認めていく。しかし、現段階では、定価売りを無条件に奨励することが、大いに問題があるということは事実だと思っております。
  167. 大野市郎

    ○大野(市)委員 いまの担当のお話しですと不満なんです。定価売りというのは、鮮魚の入荷量によって上げたり下げたりされるのだ。私が言うのは、買い手と売り手がせりによって自由価格の形成というのが今日のほんとうの姿なんですよ。先ほども独占、寡占の問題が出ましたが、私は卸売り人についての独占、寡占の心配は——私の持論としては単がほんとうだ。公的な性格なものである。手数料だけなんだ。売れはいい。しかしながら、そういう理論は別にしまして、単複論があるのだから、これはお互いに議論があるのだから、それはよろしいが、定価売りといって、これは幾らでございます、きょうは幾らでございますよ、あすは品物が少ないからきっと値が上がりますよなんというのを押しつけられて、消費者が一方的な値段で買わされる制度が私はがまんがならない。それが独占的な、大会社が一社しかない、あと入ってこないからほしいということであればやむを得ないが、しかし、そういうものに対しても、私はまだ事情がよくわからぬから極端な議論になるかしれませんが、そういう販売が独占企業になるのだから、私は反対です。そういう意味合いにおいて、そういう事柄を、ただ便利だからということで、国が、あるいは開設者がただ迎合して、買うたらいいでしょう、買いたい人がありますよということで便宜供与をするという、その出発点に問題がある。これは議論になるから、その点私の意見はそういう意味で、定価売りの問題にはさらに検討していただきたい。  それからもう一点お聞きしたいのは、産地仲買い人の問題であります。これはひとつ漁政部長にお願いしますが、産地仲買い人の問題は、われわれが中央市場で考えた場合の相手というのは、野菜なんかにしてみますと生産者だ。たとえば、農協が送ってくる場合でも、農協は生産団体のただ代表で、送ってきたものを、もうそこで仕切りが済んで、さてこれは幾らに買うたが、中央市場に送り込んだら幾らになるのかという勝負をしているわけじゃない。それから近海魚、なまものの魚、生鮮魚介数については、産地が地方に分散しておるがために、漁民が陸揚げするというと、産地仲買い人がそこでせり場を立てて買い取る。仲買い人がせることは間違いない。せって買ってしまう。買ってしまうと所有権は仲買い人の手に移ってしまうわけだ。それが氷詰めになって貨車に、トラックに乗って中央市場に届くのです。届くとどうなるかといったら、これは今度は手数料でござんす、委託ですという筋書きだと承っておりますが、この問題は、一勝負する仕事が浜であるのですね。これが、いまの物価対策をやります場合にどのような効果があり、どのような弊害があるか、改善するような場所がなかろうか、こういう点を、実は中央市場の問題に並列して、私は生鮮魚介数の価格形成に対して産地仲買い人の機能、その得失、こういうものに対して所見を伺っておきたい。
  168. 池田俊也

    ○池田説明員 産地仲買いと申しますか、その前提といたしましての産地市場の機能と申しますか、それを一体どういうふうに考えるかという問題、実は非常にむずかしい問題でございます。特に水産物の場合に産地市場というもののウエートが非常に大きいわけでございますが、私どもの理解では、水産物においてなぜ——現在全国で千二百ほど産地市場がございますが、産地市場というものがなぜそういうようなかっこうできているかということでございます。私ども考えておりますところでは、基本的にはやはり水産物の漁獲、そこからきている。これはいまさら申し上げるまでもございませんけれども、全国に非常にたくさんの数の漁港がございまして、沿岸の漁民でございますとか、あるいは中小漁業でございますとか、それぞれ根拠地がございまして、それぞれの産地における漁港に水揚げをする。もちろん最近では、遠洋ものでございますと直接中央市場に水揚げするというものも若干ふえておりますけれども、ウエートとしましては圧倒的に産地市場が多いわけでございます。その水揚げをしましたものを、産地におきまして市場で仲買い人がせるというかっこうでございます。その仲買い人がせり落としましたものが、その先どういうふうに流れていくかということでございますが、私ども調査では、大体半分くらいが地元で何らかのかっこうで処理される。もちろん、その中には直接地元の消費者に流れるものもございますし、あるいは加工業者に渡りまして、そこでいろいろな加工に回されるというものもございます。そういうかっこうでございますが、残りの半分ぐらいが消費地へ出荷されるわけでございます。その場合に、もちろんその価格によりまして、どういう用途に回されるかというようなウエートはかなり変わるわけでございますけれども、私どもといたしましては、産地においてそういういろいろな仕分けをするということは、これは基本的にやはり産地市場の機能といたしまして、かなり重要な機能を果たしているのじゃなかろうかというふうに考えているわけでございます。したがいまして、産地市場におきます仲買い人につきましても、これは中央市場でも同じでございますけれども、仲買い人の基本的な機能といたしまして、荷を分けるというか、分荷ということばで言っておりますが、分荷ということにつきましてのそういう仲買い人の基本的な機構というものが、水産物の場合に特に大きいのではなかろうか、かように考えているわけでございます。もちろん、そのほかに仲買い人の機能といたしまして、品物の評価でございますとか、あるいは信用の供与というようないろいろな機能がございますけれども、私ども感じでは、特に水産物の場合に分荷という機能が大きな役割りを持っているのじゃなかろうか。そういう意味で申し上げますと、現状のあり方等については、いろいろまた御批判があると思いますけれども、基本的には必要な機能ではなかろうかと考えております。
  169. 大野市郎

    ○大野(市)委員 その点私ども研究が不足ですが、ひとつ水心庁とされても価格形成の中で——これが地方に分散しているために目につかないのですよ。きっといい部面があるでしょうが、またあるいは陋習があるかもしれぬ。ぜひこれも追跡調査をされて、そしてもっと合理的な方法があるならそれをとるべきである。というのは、御承知のように漁民は縁が切れてしまう。値が上がろうと下がろうと、漁民は命がけで行って、もらっただけで終わりなんです。それが実際に消費者の手に高く——安ければけっこうですよ。それはタイのさしみが食いたい者には高い値でいいのですけれども、イカとかサンマとかそういうものを食べたい者には安く供給すべきなんです。そういうふうに、鮮魚も、同級魚と大衆魚とを区別していっていいと思うのですが、とにかくそういうことで、ひとつぜひ産地市場の機能に対して御調査をされたら、当委員会で別な機会に御報告をしていただくなり、あるいは簡単なレポートをしていただくなりしていただきたい。私は研究していただく価値のあるものだと思います。これは委員長、ひとつそういうおとりはからいを願います。  最後に、大臣おられませんので、これは言うてもお互い限度があるのはわかるのでありますが、要するに市場が狭いのですよ。足らないんだ。だから人間も、余ると言うのはおかしいが、人間はごちょごちょとおる。場所が狭いというのですから、結局国の予算を大幅に出して分場して、設備も人も移して、そうしてトラックの便をよくして流通をスピードアップすること以外どうも結論はないようですね。そうすると、結局は金の問題で財政投融資になると思うのです。これに対して、武藤君もしきりに指摘されて私も同感でありましたが、実際に流通関係に使われるお金は、何兆円という総予算の中でほんとうに微々たるものです。これはひとつ委員長、当委員会は超党派でお互いやるのですから、われわれも与党の中でやりますが、委員会の声として、こんなことで流通の改善、物価の安定なんか言っても、これは焼け石に水だということを私ども痛感しますので、あなた方は上司にも、そういう声が与野党とも出ていることをお伝えいただいて、ひとつ善処が願いたい。  私が驚いたのは、この第八条の規則の中で、市場の設備の新設、増設または改設の補助金として三分の一以内の補助をなすという規定があるのに、参考人の大阪の場長の御説では、改築しても五分の一しか出ないんだと言う。以内だからなるほど法律違反ではございませんが、こんなみみっちいことで、物価を下げようとがんばっておる当事者に、以内だから五分の一とっておけなんということは、よもや農林省はそんなようなことをおっしゃってはいないだろうと思う。予算折衝の過程でのいろいろな実態だろうと思います。いろいろのこともわれわれもわかります。しかし、これはせめて主務官庁である農林省や今度各省の調整をとる企画庁は、こういう問題にやはり命がけで働いて、予算獲得というものをがんばるというのが、私はこれは行政官として一番大事なことだろうと思う。これはひとつ上司にも、われわれも申しますが、ひとつ担当の方々からも、委員会においての発言として正確にお伝え願って、そういう問題の是正をやってもらいたい。この点だけ、これは両局長おいでで、経済局長はおられませんのでちょっと御無理かと思いますが、ひとつこれをきょうは希望しておきます。終わります。
  170. 戸叶里子

    戸叶委員長 大好委員の希望に対して、どうぞよくお考えになっておいていただきたいと思います。  残余の質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時四十四分散会