○石田(宥)
委員 席をあらためまして
大臣に御説明を申し上げるまでもなく、きわめて簡単明瞭なんです。いまのわれわれのいうところの生産費及び所得補償方式というのは、それは
大臣、だれでもわかるのです。たとえば、種苗費、肥料費、薬剤防除費、その他の材料費、小農県費、大農具費、
土地改良施設費、それから資本利子、公租諸課賦、地代、これはもう動かしがたい生産費ですね。生産に要する動かしがたいものであって、最初から申し上げておるように、すでに支出しているものです。したがって、支出しておるものに対しては利息も計算をしなければならない。これも当然でしょう。問題は、こういうふうに固定的にだれが計算をしてもほとんど相違のないすでに支出したものの生産費に、プラス
農民の所得をどう計算するか、これだけの問題です。要するに、
農民の所得というのは、私どもが主張しておるのも、あるいは
農林省が主張しておるのも、都市の製造工業労働者の五人規模以上をとるか、三十人規模以上とかあるいは百人規模以上とか、そういう点に相違はあるけれども、自家労賃を都市の製造工業労働者のどういう規模にバランスさせるかという、これだけなんですよ。それが
農民の所得部分になるわけです。もちろん、直接労働時間、間接労働時間というものとかけ合わせて計算はしなければなりませんけれども、きわめて簡単明瞭なことであるから、別な機会を得なくとも、ここでひとつ御説明を申し上げておきます。
それから、先ほど来米審の
委員の問題についていろいろ御意見もございましたが、私も意見を述べたわけですけれども、なるほど、各界各層のそれぞれの
委員は、一体どういう決定のしかたをしたら、どの
程度に決定をすることが全国民のためになるか、国益になるか、そういう信念で取り組んでおることは論をまちません。ただ、しかし、そこで大きく分かれることは、食糧は国内で自給をし、でき得べくんば備蓄をしなければならないという
考え方の主張と、安ければ外国から持ってきたらいいじゃないかという主張と、ここに大きな分かれ目があるのです。要するに、私どもはいつも言っておるのですが、日本の国の国策はかつては
農業と工業と両建てで来た。
〔
委員長退席、倉成
委員長代理着席〕
ところが、
農業基本法ができたときに、工業立国に踏み切って、
農業を犠牲にして、安ければ外国の農産物を入れるべきであるという基本的な見解が
農業基本法の際に示されたのです。そうすると、そういう点で基本的に対立するものがありますから、したがって、国のため国民のためといっても、ここに意見の相違が出てくるわけです。だから、お互いにこれは国民のため国家のためという考えではあるけれども、そこに相いれないものが当然生じてくるということを頭に置いて今後の
委員の委嘱に当たっていただきたい、こう思うのです。
時間がぼつぼつまいったようでありますから、最後に、まあ
大臣の意見も大体わかりました。大体わかりましたが、そこで、基本的な米価の決定については
農業団体の意向も聞き、そのほかの意見がある人があればその意見も聞きましょうということでありますから、また時間があれば、私どもも団体を持っておりますので、先般は企画課長を呼んで実は作業の経過などを承ったわけでありますけれども、われわれの
考え方というものもできれば直接
大臣にもあるいは
食糧庁長官にも申し上げたい、実はまだ申し上げておりませんから、そういう機会も得たいと思います。
ただ、ここで伺っておきたいことは、米価の中にはいろいろな要素がございまして、いわゆる基本米価という基本的なものと、それから、各種の加算というものがありますね。予約減税というようなものもあり、あるいは硬質米加算というようなものもある。あるいは時期別格差というものもございます。これはそれぞれやはりいろいろな歴史的な経過を経て今日に及んでおるのでありまして、昨年度までそれが存続をいたしておるわけであります。したがって、急に突如としてこれを切り捨てるとか削除するというような御意向はなかろうと思うのでありますが、特に伺いたいことは、先般も私一般
質問の中で触れておきましたように、所得の
地域格差の是正という問題、これは
政府の政治の基本的な柱の一本なんですね。これは総理
大臣もしばしばおっしゃっておられるし、農林
大臣もおっしゃっておられる。
地域格差を是正しなければならない、これは当然なことです。そこで、
地域格差の是正というものが端的にこの米価の中にあらわれておるものは、いわゆる時期別格差であります。かつては八百円、六百円、四百円でありましたけれども、その後、それほど大きな金額を必要としないのではないかということで、六百円、四百円、二百円ということに、やはり三
段階でずっと二百円ずつ落としてきておるわけです。これは、いま申し上げまするように、
地域格差の是正という点において、一期作しかできない、いわゆる単期作しかできないその農場、
農村に対する
一つの配慮であることが
一つと、もう
一つは、最近配給米の食味の問題がだいぶ問題になってきております。だいぶ
大臣の耳にも入ることだろうと思うのでありますが、食味の点から見ますときに、この早場米というものは昔は味
つけで使われたものなんですね。味
つけ米として広く全国に行き渡ったものなんです。そして、相当やはり価格に差があったものなんです。そういう面で、
地域格差の是正という問題と食味の問題というようなものと合わせて、かりにこれが統制でない
状態のもとで、自由経済のもとにあるとすれば相当なハンディがつくのがまあ当然なわけなんでありまして、そういう議論がしばしば行なわれた結果、時期別格差が今日まで存続いたしておるわけでありますが、特にこの問題について
大臣の御所見を承っておきたいと思うのです。