○美濃
委員 次に、家畜診療の充実強化についてお尋ねいたします。
この中で特にお伺いいたしたい点は、昨日の
質問にもございましたが、これから畜産を伸ばしていく上において、いわゆる家畜の事故防止と診療は非常に重大な業務になってまいります。これは非常に
農民自体も期待をしておるが、家畜診療という仕事が、まあ診療所が赤字になる、昨日の質疑で出ておりますような
状態が現地に起きておることは、私も承知しておるわけであります。それで、その原因の中で、本日お伺いしたいのは、これは特に
政務次官にお伺いしたいわけですが、加工原料乳不足払い、この中で、いわゆる基準取引
価格、国が乳価を保証する体系の中で、乳業会社に補導費、いわゆる事故防止的な経費を製造
販売経費に合わせて、それを国の
政策の中で認めておる。この認めておる体系が非常に共済組合の事業と競合するわけであります。片や流通経費の中で
価格体系、いわゆる乳製品の指標
価格と原料乳との間に、そういう技術経費を国は認めておるわけです。これが流通
販売経費にかかりますから、その技術体系はもちろん無償となります。
〔仮谷
委員長代理退席、
委員長着席〕
この無償という行為が、たとえば共済組合は無償ではできないわけです。しかもまた、その見込んでおります体系が、共済組合の技術の一点単価よりも高い
水準で見込んでおるのでなかろうかと思うわけであります。ということは、そういう乳業で獣医師を採用する場合、大学を出まして、共済組合では雇えないような高給で雇い入れをするわけであります。だから、いい獣医師はそういうほうへとられる。一面、末端の
農家では、乳業は無償で技術サービスをする、共済組合にかかったら金がかかる。こう言う。それが真に無償であればいいのですけれ
ども、何もそれは無償ではないわけです。国が保証しておる
価格体系の中で、いわゆる基準取引
価格というあのような制度で、きちんと乳業の経営からその製品
販売価格を保証した体系の中に、そういうことができるように経費を見込んでおるわけですね。これは非常に私は問題があると思うわけです。一面、その経費体系の中で、
農民に乳業が無償で技術サービスができるということ、これは一面考えようによっては無償だからいいじゃないかという考えになるかもしれませんけれ
ども、片や共済組合は無償ではできない仕組みになっておるわけです。そこに矛盾が起きるわけです。そこで、私の考えは、こういうことではいけないから、この技術補導経費というものは、いわゆる製造
販売経費、乳業の経費からはずして、そして補導費の分、たとえばそれが一キロ五十銭とするならば、五十銭は基準取引
価格を引き上げて、ほぼ乳価は同じでありますから、不足払いのほうに技術補導経費をつけて、そしてこれを一体化すべきである。末端の
農家の技術体系を一体化することによって人員と質とが
向上できる。そして真の事故防止、それから診療、畜産体制の指導ときちっとしたスタイルができると思うのです。いまの技術体系はそういうふうなことで、そして片やこの乳業の設置しておる技術というものは、決して、共済組合の行なっておる真に
農家の家畜をよくしよう、あるいは災害を直そうという技術でなくて、無償供与の技術体系を一応形をつけて、牛乳集荷を有利にしようというセールス手段でございますから、その意図と
目的がかなり違うわけです。ですから、ただ見てくれるから、金がかからないから、
農民は喜んでおるけれ
ども、共済組合の獣医師と同じ診療料金を取られるということになると、これは問題があるのです。無償という形ですから、ただ見てくれるのだからいいわという考えでおります。そうすると、そこに診療体系と、そういういわゆる国が保証しておる体系の矛盾と、末端で技術がそういうふうに二本立てになっておるところに、技術体系が完全にならないという一つの矛盾があるわけです。この
政策はどのようにお考えになっておるか、これは
政務次官にお尋ねします。