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佐々委員 ただいまの御
説明を承りまして、この農業共済
制度というものが国としてかなりの出費を伴う
制度であり、総体的に見まして農民が
相当の恩恵を受けておるということがわかるわけでございます。
ただ、いまの共済
金額の交付の
状況でございますが、これはやはり
災害の非常に多いところもあれ、はそうでないところもあって、ならして、そんなに恩恵を受けておるのだということにはならない。そうでない、共済の恩恵をあまり受けていない地域におきましては、この掛け金負担、付加金負担というものがかなり重圧となっておるというのが実際ではないかと思います。
そこで、私は、今日の農村問題、長口舌をふるうつもりはありませんけれ
ども、現在の農業問題の基本にあるものは何かといえば、やはり価格問題だと思うのです。農産物価格、この問題が一義的な問題であって、損害を補償するという共済
制度の問題は、言うならば、いまの農業問題から言えば二義的な問題である、こういうふうに私は理解しておるわけです。そこで、今日のような農業経済の実態から申しますと、何といっても農業の方面に日本の経済がいまあらゆる点からしわ寄せをして、農民の生活が非常に困難な
状況に置かれておる、その所得も非常に低いという現状でありますから、共済
制度でこの
程度のことをするのは当然のことだと思うわけで、何もこれを恩恵というように
考えるわけはないのです。
それだけでなしに、特に今日の農家経済の
状態から申しますと、この共済における掛け金の負担、付加金というようなものにつきましても、この際一応
考えてみなくてはならぬのではないかと思うわけです。私、ある末端の
組合について調査をいたしましたところが、支出のうち人件費がほとんど五三%にもなっております。
政府の事務費負担、それから農民に対する付加金、これが大体半々です。支出はこれでまかなっておるわけでありますが、それで足らないので町村から寄付を仰いだり農協から寄付を仰いだりというような形でとにかく何とかやっておるというのが末端の農業共済の現状でございます。そういうようなわけでありますので、農民に対してこれ以上付加金を増徴するということも非常に困難な
状況だと私は思います。もうこれが一応の限界点ではないかと思います。
財政の困難は必然に職員の給与にしわ寄せされます。共済なりあるいは
連合会、こういう方面で働いておる職員の待遇改善のためには、こういう付加金の増徴ということによっては解決しがたい時期に来ておるのじゃないかと思うわけです。
そういう点から申しまして、基幹事務費については全額国が負担しておるというような御
意見でございましたが、実情は、それは事務費の半分をまかなっているにすぎません。これを文字通り全額国庫負担にすべきだと私は思います。そうしないことには、末端の共済の職員などの待遇の改善ということはとうていできないと思います。私の見た限りで申しますと、役場よりも低いというような現状でございます。これは土地によって違うと思いますけれ
ども。そういう点から言うて、ひとつこの際事務費の全額を国庫で負担をするというようなお
考えがあるかないか、そして農民負担を軽減し、末端共済で働く職員なり
連合会で働く職員の待遇を改善する、そういう意思はあるかないかということについてお
伺いしてみたいと思うわけです。