運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1967-06-15 第55回国会 衆議院 内閣委員会 第19号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年六月十五日(木曜日)     午前十時三十一分開議  出席委員    委員長 關谷 勝利君    理事 伊能繁次郎君 理事 塚田  徹君    理事 八田 貞義君 理事 藤尾 正行君    理事 細田 吉藏君 理事 大出  俊君    理事 山内  広君 理事 受田 新吉君       内海 英男君    桂木 鉄夫君       佐藤 文生君    塩谷 一夫君       高橋清一郎君    橋口  隆君       藤波 孝生君    稻村 隆一君       武部  文君    楢崎弥之助君       浜田 光人君    山本弥之助君      米内山義一郎君    吉田 之久君       伊藤惣助丸君    鈴切 康雄君  出席国務大臣         自 治 大 臣 藤枝 泉介君  出席政府委員         人事院総裁   佐藤 達夫君         人事院事務総局 尾崎 朝夷君         給与局長         総理府人事局長 増子 正宏君         自治大臣官房長 宮澤  弘君         自治省行政局長 長野 士郎君  委員外出席者         労働省労政局労         働法規課長   大塚 達一君         自治大臣官房参         事官      鎌田 要人君         自治省行政局公         務員課長    森   清君         専  門  員 茨木 純一君     ————————————— 六月十四日  委員伊藤惣助丸君辞任につき、その補欠として  渡部一郎君が議長指名委員に選任された。 同月十五日  委員渡部一郎辞任につき、その補欠として伊  藤惣助丸君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  自治省設置法の一部を改正する法律案内閣提  出第二〇号)      ————◇—————
  2. 關谷勝利

    關谷委員長 これより会議を開きます。  自治省設置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、これを許します。稻村隆一君。
  3. 稻村隆一

    稻村(隆)委員 谷川岳遭難の問題につきまして、自治大臣に一言お尋ねしたいと思っております。  六月二日の毎日新聞の朝刊に出ている記事でありますが、群馬警察本部は、警察庁にことし一月谷川岳遭難した岳友救助中、なだれで死亡した新潟県三条市、小黒丈夫さんら五人に、警察官職務に協力援助した者の災害給付に関する法律適用を申請していたが、このほど認定され、九月県会承認の上、遺族給付金を贈ることをきめた。同法は三十六年の改正山岳水難事故が加えられたが、警察庁から山岳遭難救助での死亡者給付金の認定をしたのは初めてである。こういう記事が出ております。この二重遭難した者は、実は私の町なんです。それで、被害者家族から依頼されまして、群馬当局としばしば交渉したわけです。ところが、これは国が半分、県が半分持つことになっているのです。大体ああいうふうな山の遭難事故は、地方財政が非常に窮乏している今日、国が全部持つのがほんとなんです。半分持たせるなんということは、これは非常に酷ですよ。交渉の過程で、私は非常に群馬県に同情したわけなんです。ですから、私は、こういう問題はやはり特別交付金などで、できるだけそういう問題のある県に支給することを十分政府考えてもらわなければいかぬと思いますが、この点について大臣の御見解をひとつ聞きたいと思います。
  4. 藤枝泉介

    藤枝国務大臣 一般的には、警察官職務に協力援助した者の災害給付につきましては、いまお話しのように、国と県が二分の一ずつ持つことになっておるわけでございます。警察費をどう負担するかということは警察法以下にあるわけでございまして、これも時代の進展とともに再検討していかなければならないことだと思います。しかし、現在におきましては、他との均衡もありまして、警察官職務に協力援助した者の災害給付については、二分の一補助ということを直ちに変えるということもむずかしいのではないかと思います。ただ、いまお話しのように、私の郷里に対しまして非常に御同情をいただきましてあれなんでございますが、こういう、ことに山の遭難というのは、少数の県に集中されるわけでございますから、そういう場合におきましての取り扱いについては、十分地元の府県の財政状態ともにらみ合わせて考えていかなければならないと思います。  ただいま、特別交付税でみたらどうだというようなお話しもございました。具体的にはさような点、特別交付税交付の際におきまして、そうした面についても考えてまいりたいと思います。
  5. 稻村隆一

    稻村(隆)委員 群馬県に行って聞いたのですが、給付の手続としては、九月の群馬県会承認の上支給されることにする、こういうことを言っております。ところが、これは県会でかなり問題になると思いますし、遭難者遺族の中には、非常に経済的に困っておる者もあるのです。できるだけ早く給付が贈られるように、私は関係当局配慮指導を望むわけです。九月県会承認を経てからということになると、実際に支給されるのは来年になるかもしれない。ことしのうちにできるかどうかわからないと思います。それではありがた味がなくなるし、家族も困りますので、群馬県が——どうも県の問題を国会に持ち出すのもおかしいのですが、しかし、これは私は持ち出してもおかしくないと思うのです。予備費から流用できるような方法を国で考えていただけないかどうか、これが一つ。  それからまた、給付額については、法律が四月から改正されて給付額も上がっておるので、旧法が適用されるこの事件については、旧法による最高の補償をしていただきたい。この二つです。これをお尋ねしたいと思います。
  6. 藤枝泉介

    藤枝国務大臣 自治省として群馬県に予備費で出せとか、そういう指示もちょっといたしかねるわけですが、できるだけ早く遺族補償金が支給されるような、そういう配慮をするようにという指導はいたしてまいりたいと思います。  また、御指摘のように給付の金額が改正をされましたが、以前の時点のものでございます。しかし、いまおことばにありましたような、旧法におきましてできるだけ十分に見るようにというような点は、指導をしてまいりたいと思います。
  7. 關谷勝利

  8. 大出俊

    大出委員 いろいろお伺いしたいことがたくさんあるわけですが、実はいまながめておりますと、去年の第七次勧告、つまり第七次の給与改定がまだできていないところがあります。ほかのほうはおおむね昨年の九月に全部新ベースになっておりますが、なおまだ新ベース改定されないで、旧ベースでもらっておるところがあります。それから地方財政全般をながめてみましても、自治省が言っておられますのと、各自治団体決算中身をよく見ますと、実はだいぶ違いがあるように思っております。したがって、またここで、八月になりますと——おそらく八月とおっしゃるだろうと思うのですが、総裁がいらっしゃいますが、人事院勧告が出てまいります。したがって、私どもは、物価が上がりますからやむを得ず給料が上がるということで、追っかけておりますから、なるべくたくさん上げてやりたいと思う一人ですが、さてそこで難関に逢着するのは、地方財政——一般会計特別会計を含みますが、そういうことに例年なる、こういうようなことなんです。そこで、実は今回の公務員部というものを設置するにあたりまして、その所掌内容等をいろいろ調べてみますと、だいぶ今度は広範に給与からあるいは福利厚生まで公務員部がお持ちになるというかっこうです。そちらはおそらく財源云々のほうではなくて、押えにかかるほうだろうと私はそんたくをするわけです。となりますと、第八次の勧告がどのくらいのことになりそうかという、その辺のこともひとつ頭に置いて、地方財政の御質問を実は申し上げたい、こういうふうに思うわけです。本来ならば、国政調査という形で人事院総裁にお見えをいただいてじっくり承りたいのでありますが、この国会最終段階で、会期延長どうなるかわかりませんけれども、そう簡単に総裁お出かけを願えるような時期もない。したがって、この際、そういう観点で人事院総裁お出かけをいただいて、おおむねいま調査を進められておる段階におけるものの考え方、見方というものをあらかじめお示しを願っておきたい、目標なしにどうも論議もできませんので。実はそういうことなので、お忙しいところをお呼び立ていたしまして恐縮ですが、ひとつお許しをいただきたいと思います。  そこで、まず最初一つ承っておきたいのは、藤枝さんが自治大臣におなりになってから間もなくのことではないかと思うのでありますが——本年三月二十一日ですから間もなくでもないわけですが、公務員給与自治相構想ということで、藤枝さんの顔写真が入りましてたいへんな見出しで、予算改定を見込む、勧告との差は財源措置、こういうことで、これを見ていきますと、予算年度の当初に何がしかの基礎財源を組んでおく、あるいはこれは、一つ水準をきめて、そういう意味水準財源になるのかもしれませんが、大体本年は七%であろうとかあるいは七・五%であろうとかいうことで、そこで、じゃ五%ぐらい組んでおくなどということにして、そして出てみたらやはり七・五%となったら、二・五%は追加財源措置をするというふうな意味で、つまり英国なんかがよくやっておりますような産業平均のような形、あるいは国民所得に対する平均というような形等々で、GNPを一つ基準にしてやる一つ方法があります。しかし、これは私に言わせると、明確に所得政策になってしまう、インカムポリシーみたいな形になってしまう、逆にいえば。そういうことになると、これはなかなか論議がむずかしくなると思うのでありますが、まず大臣に、こういう構想をお立てになったお気持ちのほどを——内閣委員会に長くおいでになりましたから、毎年毎年完全実施完全実施をめぐってずいぶん御苦労をされた中心の一人ですから、その辺がにじみ出ている気はするのですけれども、ひとつその辺の考え方をお示しをいただきたい、こう思うのです。
  9. 藤枝泉介

    藤枝国務大臣 ここ数回、人事院勧告が、五月にさかのぼって実施せよという勧告がずっと出ているわけです。これをめぐって完全実施実施でないかというような論争が、年々続いているわけでございます。一面三月三十一日に議会の議決を経て決定した予算、その中にはこの程度給与財源がありますということを御決定いただいて、それをすぐ五月から変えるということは、非常に国会審議との関係でまずいではないか、これはむしろ現在の水田大蔵大臣の非常な主張なのでございます。しかし、一方において人事院勧告完全実施という要請もあります。そういう意味で何か一定の基準をつくって、すでに翌年度予算を御審議いただくときに、この程度給与財源にゆとりを持たしておきますというようなことで御審議をいただけば、勧告実施についても相当スムーズにいくのではないか。また、国会の御審議を直ちに無視するような形にもならないのではないかというふうな考え方で、実はそういうことを述べたわけでございます。ただ、これは政府なりあるいは地方公共団体の長がかってに五%を見込むとか六%を見込むというのではまずいので、何か客観的な水準がないだろうか。たとえば、これは人事院総裁は御反対のようでございますが、予算編成期人事院から一種の予備勧告みたいなもの、見込みの勧告みたいなものを出していただいて、それを基準にするとか、あるいは政府がいろいろな指数をもとにしてしっかりしたものを出し、それを地方団体にも示すというようなことをすることによって、この人事院勧告をめぐるいろいろな論議というものをある程度前進できるのじゃないかというふうな考え方で申し上げたわけでございます。
  10. 大出俊

    大出委員 私も、ここ何年間か内閣委員会に所属をいたしておりますから、同様にずいぶん完全実施ということを目標にない頭をしぼっていた一人なのですが、中身についての異論はたくさんございます、いまのお話の中でございますけれども、しかし、何とか財源措置を一面考えなければ完全実施ができないという、いつもそこの袋小路に追い込まれてしまうわけですね。特に私が心配するのは、地方自治体関係財源、これがいつも大きな問題になる。国家公務員の場合には、前々年のときに、百五十億くらい金があるのじゃないかということを大蔵省主計局長以下の方々に面と向かって私は指摘をしたことがある。とうとうあるということになった。節約財源その他指示しておられましたからね。そうすると、あのときに二百二十三億必要とすると人事院は書いてありました。百五十億をこえるものがある。不完全実施なら明らかにこれは間に合う財源ですね。そうすると、国家公務員に対しては引き当て財源を持っていたことになる。ところが、地方公務員に関しては、いつもどうも大騒ぎになって、やれ金を貸しておいてあとメリットシステムで埋めるのだとか、後年度会計から取り立てるのだとか、いろいろなことが行なわれてきておるわけです。したがって、またここでこの窮迫を続ける地方財政の中で、特に公営企業なんかについては特にたいへんなことになりかねない。それが予測されますから、そういう意味で私はそこのところをこれから総裁にお伺いするのですけれども藤枝大臣がおっしゃっておることについては、ことしはおそらく賛成するところではない、あるいはとるところではないとおっしゃるだろうと私は思うのですが、それでけっこうだと私は思うのです。しかし、財源措置ということについては、これはいまから真剣にお考えを願わないと、またそのことが理由になって不完全実施だなんということになると——ことしは、幸いに春の賃金引き上げ運動などというものも、話し合いムード一般に言われるようにまとまってまいりまして、ことに公労協が——労働大臣内閣などと一面いわれるような微妙な関係でございまして、御病気でお休みになっておられる福永さんはじめ、大橋さんも労働大臣ですし、あるいは倉石さんもベテラン労働大臣ですし、早川さんもこれは前労働大臣だし、そういう方々がおられる内閣だからだろうと思うのですけれども、ないといわれた当事者能力を何がしか回復をして、調停段階であの線が出てきた。ただ、それは確定効力を持つという意味では仲裁によらなければならなかったということが、当時の使用者委員の発言からすれば、私は最後に残ったところだと思う。だから、調停段階ではほぼまとまった話だったわけですね。したがって、この内閣委員会等におられる皆さんが、完全実施をすべきだと言ってきたことについて、ことしはまたとない機会だろうという気が私はするわけであります。そのときに一番大きな隘路になるのが地方財政だということでは困るので、せっかくこういう構想をお立てになった藤枝自治大臣のことですから、何がしかそこにいまの段階で対策を見通されて、これから御質問申し上げる——どのくらいの勧告になるかわかりませんけれども世の中しろうとばかりじゃないのだから、おおむねこのくらいの勧告だろうという見当はつく。とすると、やはりいまの時点から、地方財政に対する一つ手当て、御見解、あるいは政府部内の折衝等、何がしかそこに用意されるものがなければならぬ、こう思うわけで、そこらについてお考えがあるかないか。もしないとすれば、これは今後お考えをいただきたい、こういう意味でこの問題を引き合いに出したわけですが、そこのところをお答えいただきたいと思います。
  11. 藤枝泉介

    藤枝国務大臣 いずれ人事院総裁のほうからお答えがあろうと思いますが、本年も勧告を出されることと思います。したがいまして、いま御心配のように、地方財政は、なるほど四十二年度におきましては、地方税伸びあるいは地方交付税伸びが従来に比して非常に多うございますけれども、しかし、それは根本的には非常に逼迫しておる。ことに、ほんとうは相当やらなければならないその地方の実情に即した単独事業などが、ずいぶん圧縮されておるという時代でございますから、給与改定をいたすという場合には、相当財源をさらに考えていかなければならないと思っております。もちろん経済界の好不況というような問題、したがって、税の伸びがさらに見込まれるかどうかというようなことは、いまからいろいろと調査をいたしておるわけでございますが、おそらくそうした地方独自の財源だけではまかない切れないような数字であろうと思います。したがいまして、国といたしましても、何らかの処置をとらなければ、今回出されるであろう勧告完全実施することはむずかしいと思います。それらの点は、税の伸び、その他の観察と一緒に考えてまいりたいと思っております。
  12. 大出俊

    大出委員 どうかひとつ、本年はこうすれば完全実施ができる、地方財政の面から考えてもこうなんだという、そういった——もちろん国というものをあわせ考えなきゃできないでしょうけれども、そのくらいのところを自治省担当責任者という立場でお考えおきいただければ、私は本年の賃金引き上げの幕じりになります公務員の場合も、また一〇・二一などという騒ぎを起こさぬで済むのではないかということが頭にあるものですから……。  なぜこういうことを言うかという点をもう一つつけ加えておきますと、私しろうとではございますけれども、最近の地方自治体あるいは自治省のやっておられることを調べてまいりますと、いまちょっとお話しになりましたように、たとえば単独事業のワクなんかも非常に狭まったり、そういう面からも、あるいはまた一般会計への繰り出し金なんかの問題にいたしましても、あるいは超過負担にいたしましても、あるいはまた税の減免措置なんかをめぐりましても、またもう一つ財源配分もありますけれども、ずいぶん自治体は苦しくなっている、しみじみ私はそう思うわけです。その反面、国税三税がかり伸びる、だから地方税の面もふえるはずだ、こういうことになるところへ、片っ方では公債発行などということがありまして、その中では、今度逆に減税措置をやるんだ、法人税の大幅な減税が出てくるということになると、その意味では地方税も減る、こういう悪循環が一面あるわけですね。そうなってくると、いま地方財政というものを支配しているというか、あるいは統制しているといったらいいのか、あるいは逆な、もっと大きくいえば、自治省地方財政はまかしてしまっている、ここまで言ったら言い過ぎかもしらぬけれども、そういう傾向さえある。そうだとすると、自治省がやはりものを考えなければ、私はそれには賛成しないのだけれども、現実の問題としては、ものは片づかない。だから、そういう意味責任を負っておられるわけですから、どうしてもいまの点に関しては、またそのときそのときになって私がこの席で御質問するときに、いや財源がない、これではあまりにもお考えがない。政府に預けたのだ、吉武さんがかつてそう言ったように、そうなっては困るので、くどいようですが、どうしてもこれだけはお考えおきをいただきたい。  ところで、人事院総裁に伺いたいのですが、いま私が冒頭にあげました日本経済新聞の三月二十一日の内容のところで、恐縮なんですが、自治大臣がおっしゃられた構想なるものに私は反対なんですけれども総裁のお考えは、これについてどういうことになっておりますか。当たりさわりなくお答えをいただいてもけっこうですから……。
  13. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 思う存分のことを言わしていただきます。私どもの基本的の立場はいろいろございますけれども完全実施を実現するために当面の措置として考えておりましたのは、公共企業体等仲裁裁定補正予算もなしにころっと完全実施されるのはどういうわけだろうというところから出発いたしますと、最初予算の組み方に相当余裕があるから、補正もなしにころっといくんじゃないか。そうなってくると、われわれのおあずかりしている一般職の分も同じに扱えないはずはなかろうということで、ここ数年来、実は大蔵大臣にはしょっちゅう会うたびごとに、大体賃金上昇傾向にあるというなら、五%でも何%でもいいから、少しでも当初予算で留保していただけば、いざというときにそうあわてないで済むじゃありませんかということをさんざん申し上げてきたのでありますけれども、一向にまだ実現をしない状態であります。たまたまいま御指摘新聞記事を見ますと、大体そういう意味では私の要望しておるところと全くそのものずばりではないかというわけで、新聞記事でありますから、正確なところはもちろんわかりませんけれども、いまの自治大臣の御答弁を聞いても、大体いま私が考えているようなことと同じようでありますし、かたがたその新聞記事には大きな赤の二重まるをつけて、ちゃんと切り抜いて私大事に持っておりますから、これはぜひ来年度再来年度、今後はこういう方向で藤枝大臣に推進していただきたいという気持を持っておるのでございますから、その点は、その記事にあらわれたところは私どもは大賛成である。ただ、予備勧告となると、いろいろ材料もそろえなければなりませんし、たとえば経済企画庁あたりのほうで手持ちの一般材料をお持ちじゃないかということもあるので、われわれとしては積極的ではありません。しかし、財源を保留していただきたいという程度要望勧告なら、これは政府のほうでお差しつかえがなければ、進んでわれわれのほうでやっても差しつかえない。これは私一人の気持ちでありませんけれども、そういう気持ちであります。
  14. 大出俊

    大出委員 私も、当初予算くらいいいかげんなものはないと思っておる。みんなくずしちゃって、実行予算の面になると、まるっきりとんでもないことになっておる。だから、昔から決算委員会大騒ぎが起きないのがふしぎだと思っておる。大蔵省主計局の総括に行って調べてみたことがあるが、ずいぶんでたらめなものだ。実はあきれ返った時期がある。自分で議席があるようになってから調べてみて、なおその観が強い。私が反対だと申し上げたのは、藤枝さんが発表をしてしまうから、反対なしで、発表しなければいいじゃないか、こういう考え方を持てばいいという実は考え方です。所得政策というところまで論議が発展しますと、これは一つの理論ですから、私は別の見解に立っておるわけです。そこで先ほどああいうふうに申し上げた。いま総裁がいみじくもおっしゃったけれども公営企業の面でいきますと、あるいは公労法適用組合の面からいきますと、予算総則に五%の賃金上昇を予想してかくかくしかじかと書いてあった時期がある。これは大蔵省はたいへんあとで問題にして、翌年度はどう変えたかというと、もしかりに五%のベース改定が行なわれるとすれば、わが省としては予算規模幾ら幾らくらいかかりますということを書いてある。そうすると、これは悪く解釈すれば、それだけをどこか予算の中に織り込んである、こう考えられる。当初予算というものはなかなかわかりませんから、予想ですから、こうなると言われればそういうことです。さらに調べてみると、さっき私が例にあげましたように、ちゃんと国家公務員に関しては、おおむね一昨年財源措置財源手当はされていた。昨年私はそこまで調べてみなかったが、したがって、その点大蔵省方々にこの席で確かめたら、とうとうそうなってしまった。そうすると、国家公務員に対しては、総裁いま御心配になるけれども、おおむねそれらしいことは約束されておる。節約なんていったって、そんな簡単に節約はできないんだから、節約すれば出てくるように組んでしまっていればそうなる。だから、国家公務員財源手当てのことは、相当程度毎年されてきておる、こう私は考えておる。人事院も突拍子もないような大きな勧告をすることはないんだから、そうなると、問題は地方公務員だけ。それで、実は私は先ほどから地方公務員のほうを念を押しておる。地方公務員法のいきさつが出てくると、そっちがおもりになって、なかなかこっちがきまらない。さてきまるにしても完全実施ができない、こういうことになる、それが理由づけになる。自治大臣は、いつも私のほうは受け身の立場でございますからと言わざるを得なくなる。そういうふうにおっしゃらないように念を押しておきたいというふうに思っております。  そこで総裁にお尋ねをいたしたいのでありますが、いまのお話からいたしますと、ことしも勧告は、そうなってしまったように思うのでありますけれども、いまの趨勢からいって、賃金引き上げ勧告はおやりになる、こういうふうに理解してよろしいですね。
  15. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 だんだん遠いところからお攻めになるわけですけれども、よそいきのお答えとしては、いま民間調査実施中でございますから、これと抱き合わせて、格差がどのくらいあるかということを発見した上でなければ、御返事を何ともいたしかねますというのが正しい答えだろうと思います。それから先のことは、ここで私にお言わせにならなくたって十分おわかりのことだろうと思いますから、この辺のところでひとつごかんべんをお願いいたします。
  16. 大出俊

    大出委員 よそ行きのお答えをなさるのは、担当委員会、内閣委員会でないところでおやりになるならわかりますよ。これはよそ行きじゃないのです、担当の委員会ですから。勧告が出ればすべてこの委員会が処理しなければならない。法律改正も全部ここでやらなければならない。こういう委員会ですから、よそじゃございません。ですからそこのところはひとつ……。  ところで、昨年、四十一年八月十二日に総裁のほうでお出しになった給与に関する報告と勧告の概要、それからこの人事院総裁佐藤達夫ということで、四十一年八月十二日、衆議院議長、参議院議長内閣総理大臣あてにお出しになった勧告の本文ですね。それから参考資料と、こう昨年の資料が全部ここにあるわけですが、解説のほうは申し上げません。申し上げませんが、これからいきますと、本年四月までの一年間に九・七%の上昇、これは毎月勤労統計による民間給与ですね。「毎月勤労統計による民間給与は、本年四月までの一年間に九・七%の上昇を示し、物価、生計費についても、昨年に引き続いて相当の上昇が認められた。」こうなっておるわけですね。一分一厘違わない数字だと申し上げているのじゃないので、そう言えば、調査が終わっておりません、こうおっしゃる。そういうのじゃなくて、九・七%というのは、これは昨年勧告をおやりになったときの基礎数字ですから、そういたしますと、この中の「物価、生計費」これは昨年の、つまり九・七%の算定をされた基準月から今日まで、本年の四月までになりましょう、昨年度と比べて、現在お調べになっている傾向として、どうも昨年より上がっているように私は思っておりますが、そこのところをどんなふうにお考えになっておりますか。きわめて大ざっぱなところ、傾向だけ聞きたい。
  17. 尾崎朝夷

    ○尾崎政府委員 私のほうからお答え申し上げます。  労働省で調べております毎月勤労統計によりますと、このきまって支給する給与は、昨年の四月からことしの四月までの間に一一・四%上がっております。それは、去年の場合には九・〇%でございまして、いま御指摘になりましたのは、九・七%でございますけれども、その間指数の計算方式が少し変わってまいりましたので、そういう関係になっております。  それから、生計費につきましては、総理府統計局の家計調査による消費支出でございますが、これはことしの三月におきまして——四月のデータは出ておりませんが、ことしの三月におきまして、対前年比九・〇%でございます。昨年はこれは八・七%でございます。  それから、消費者物価でございますが、これは本年の四月におきまして、対前年比三・一%、全国でございますけれども三・一%でございます。これは昨年の五・〇%に対しましてやや下がっておりますけれども、こういう数字になっております。
  18. 大出俊

    大出委員 ここで私はふしぎなことをひとつ承りたいわけなのでありますが、つまり、消費者物価ということを取り上げると、人事院がいつもお答えになるのは、直接消費者物価の調査をおやりにならない、マーケット・バスケット方式ですからね。そうなりますと、消費者物価はどこで見込まれるかというと、民間給与調査等をおやりになるところで、民間給与というものは消費者物価の上昇を踏まえて上がってきている。だからそこに入ってくる、こういうとらえ方をされておられるわけです。私は、これにいつも反論を申し上げるのですけれども、きょうは人事院の皆さんのお考えを聞いているわけですから、すなおに、いつも人事院が言われているとおりに考えますと、消費者物価の数字のほうは、多少昨年より落ちている。ただし三月ですよ。四月が出てくると、あるいはもうちょっと変わってくるかもしれません。そうなると、一番中心にならなければならないこの毎月勤労統計、それからこの生計費調査の面、これはこれだけ、つまり毎月勤労統計でいけば、昨年九・〇、本年は一一・四ですね。それから、生計費調査のほうからいきますと、昨年が八・七%、本年九%という傾向になっているわけであります。そうすると、結論的に申し上げると、どうもこれは昨年を下回らない勧告になってしまう、大ざっぱ、大づかみにものを考えると、そういう傾向がすでにあらわれている、こう言えるわけですね。そこで四月の官民給与の比較をおやりになるために、国家公務員給与等実態調査をおやりになっていると思うのでありますが、本年はやはり六千五百の民間事業所、これは昨年六千五百でありますが、昨年とほぼ同程度のところの調査をおやりになっているのかどうか。昨年のを申し上げますと、「人事院は、例年のとおり、四月における官民給与の正確な比較を行なうため、国家公務員給与等実態調査実施するとともに、約六五〇〇の民間事業所につき、公務に類似する九一職種、約四五万人を対象に職種別民間給与実態調査実施した。」ということになっておりますが、これと本年やっておられることとの方式の相違はございますか。
  19. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 大体同じでございますが、事業所の数も多少上回ってはおりますけれども、大体同じだと考えております。
  20. 大出俊

    大出委員 そういたしますと、「この民間給与実態調査の一環として、いわゆる春闘において四月に遡って実施された給与改定についてもあわせて調査を行ったが、これが昨年同様に多数に上るという異常な事実が認められた。」と昨年言っておられる。本年は話し合いムードでばたばたと片づいていったりいたしております。しかし、全体的に時期がずれているという面もあります。そのことが昨年のこれと比較して異なるあらわれ方になっているのだろうか、そこのところをちょっと……。
  21. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 その点もあわせて調査をいたしております。したがいまして、その結果についての判断は、昨年と同様な態度で判断することになると思います。
  22. 大出俊

    大出委員 そういたしますと、最終的に本年も「従来方式による四月現在の官民給与較差を基本としながら、上記の遡及改定による」つまり四月遡及改定による「影響を加味した給与改定を行なう」、こういうことになるわけですな。
  23. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 直ちにそういう結論にはなりませんので、われわれとしては四月調査と銘を打っております以上は、あくまでも四月中の分をつかまえての調査である。また、よそ行きということばを使いますけれども、よそ行きにはそういうことを申し上げざるを得ない。ただし、昨今のように、非常に春闘がおくれてまいりますと、不当ないわゆる積み残しというものが出てきて、結果において適正を欠くようなことになりはせぬかということで、実態調査をながめて、そうして、なるほどこれは異常なおくれがあると認められました場合に、昨年のような措置をとる、例外的なあくまでも例外的な措置考えて臨んでおるわけでございます。
  24. 大出俊

    大出委員 ここでひとつ承っておきたいのですが、人事院は昨年の春の賃金引き上げがどの程度のパーセンテージで行なわれていたか、いたと昨年算定されたかという点と、本年は一体調査の今日の段階で、この春の賃上げというものはどの程度のパーセンテージになっているだろうかという点、昨年と本年をひとつお伺いしたい。
  25. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 これは私ども独自の調べではございませんで、労働省の発表がございますので、それによっていわゆる春闘相場などを見ておるわけでございますが、昨年の場合、労働省の発表によりますと、もちろん大企業と申しますか、銘柄企業でございましょうが、その平均で申しますと、金額で約三千二百七十円、それから率にいたしまして、一〇・四%となっております。ことしはどうかと申しますと、ことしはまだ正式の公表はないようでございますが、労働省の非公式な数字によりますと、額で四千二百円、パーセンテージで一二%ということになりますから、これを比べますと、昨年に対して九百円上がっておる。それからパーセンテージで一・六%上がっておる。そういうことになろうかと観察しております。
  26. 大出俊

    大出委員 そうしますと、昨年の賃金引き上げ勧告の率からいたしまして六%の給与改定勧告、これを八月にお出しになったわけでありますが、このときの説明によりますと、平均本俸の六%、その他を入れますと実質六・九%アップという意味のことをおっしゃっていたように思いますけれども、間違いございませんか。
  27. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 官民格差が六・九ございまして、そのうち本俸分として六%見通した、こういう言い方もできるわけでございます。
  28. 大出俊

    大出委員 そうしますと、私の言い方からいたしますと、総理府の家計調査が八・七が九になり、それから毎月勤労統計が去年九・〇、当時の説明と数字のとり方が違いますから九・七になっておりますが、これが一一・四。それから消費者物価のほうが五と三・一で、——これは三月ですからまた違うと思いますけれども、それから民間給与比較の面からいく大づかみのところ、昨年大企業平均三千二百七十円、率で一〇・四%のアップ、今年はさらに九百円方上回った四千二百円、率で一二%アップ、表の材料はこういうことになる。これは注意しておかぬといろいろなことを皆さんおやりになるから、そこにはマジックも出てまいりますので表どおりぴたりと当たるかどうかわかりませんが、私は、ここまで承ればおおむね当たっていると思っているのです。ということになると、これは昨年の勧告をたいへん上回ってしかるべきものだ。だから、どう間違っても七%以下の勧告は出ない、こう私は予測をするのでありますが、あまりよそ行きのことをおっしゃらないで、ぴしゃっと結論を言ってくれというんじゃないのですから、いまの調査の趨勢からいくと、昨年と比較をしてみると、どうも昨年以下になりそうもない、こういうことくらいのことは、やはりよそ行きじゃなくて、さっきから言っているようにほんとうの場所なんですから、総裁がいまの見通しを多少お示しいただいても私は悪くないと思いますが、いかがですか。
  29. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 よそ行きと申しましたのは、いやしくも国権の最高機関のこの御審議の場においてという意味で申し上げたので、したがって軽々しいことは申し上げかねます。気持ちにおきましては、内輪同士の気持ちといいますか、兄弟分であらせられるくらいこの内閣委員会は親近感を持っておりますが、いざ速記録に載るような答弁となりますと、やはりえりを正してお答えしなければならぬということでございまして、勧告をするかどうか、それさえもお答えできないといってしかられたわけですけれども、いまのような見通しの問題も、これはいろいろいまおあげになりましたような情勢を判断しますと、いま大出委員のおっしゃったような結論は、決して非常識な結論だとわれわれは思いません。思いませんけれども、われわれは、多年苦い経験を積んでおりまして、御承知のように、私どもは、いま民間調査の結果と公務員水準とを突き合わせて、そこに出た数字に対しては何らの作為も、あるいはしんしゃく、裁量というものは全然加えない立場でやっておりますために、ここで上がると申し上げた以上は、しんしゃくを加えてひとつ上げねばなるまいというようなことにつながる、こういうことはあり得ないわけでございます。したがって、出たとこ勝負でお願いしたい。過去においての苦い経験と申しますのは、昨年の場合なんか、御承知だったと思いますが、新聞の予測記事では前年を上回るということを各社大きな見出しで書いておったところが、結果においては上回らなかった。また、衆参両院の内閣委員会では、どうしてこういう数字が出たということで追及されまして、そのときには、これは内輪の気持ちで、私自身も予想もしなかったということを申し上げたことがありますと思いますけれどもそういうこともございますので、いまおっしゃったようなことは、およそ常識として、だれもそれを非常識とは思わないだろうということはいえると思います。
  30. 大出俊

    大出委員 私が申し上げたことは、だれが考えても非常識ではないのだ、こういう御答弁ですから、非常識でない限りは常識でございまして、日本語というのは、きわめて重宝でございますから、よそ行きというのは、こういう席のをよそ行きというのだということでございますので、あわせて考えてみて、非常識でないということになるとすれば、私は、昨年を下回るようなばかなことはない、七%以下の勧告なんか出っこない、こういうふうにいま申し上げておるのですから、おおむねそれで見当がついた、こういうふうに私は理解をいたします。  そこで、そうなると、新聞記事がありまして——これは読売新聞の六月一日の記事なんですが、「七%以上勧告公務員給与の引き上げ」「人事院住宅手当ても検討」総裁の写真入りでなかなかうがった記事が書いてあります。これによりますと、「人事院給与改定勧告は八月中旬に政府に提出されるが、」——これもあとで承りたいのでありますが、「この勧告では昨年の勧告額(平均本俸の六%、実質六・九%アップ)をさらに上回る見通しである。」こういうわけであります。ところで、「これは五月三十一日の三公社五現業関係の公労委の仲裁裁定がこれまでの最高額を記録するなど、春闘が全般的に好況だったことなどを反映したものとみられるが、佐藤人事院総裁も三十一日「勧告は八月中旬をメドに準備を進めているが実施時期は五月とする方針だ。住宅手当ての新設や、日直、宿直手当ての引き上げについても、これを勧告に盛り込むかどうか検討している」と述べている。」総裁の御答弁を引き合いに出しておる。これは内輪でないところで発表されているのだと思いますが、こっちのほうが内輪だと思うのです。ということになりますと、ますます私の申し上げておることは、全く非常識ではない、こういうことになるのですけれども、そういうふうに理解してよろしいですか。
  31. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 いまのパーセンテージの七%云々のところは、これは大きな声で申し上げておかないといけないことなんですが、一昨々年でしたか、今度は下回るだろうということを私が記者会見でしゃべったということが新聞に出まして、組合の諸君からたいへんなつるし上げを食ったことがある。そのときも、下回るだろうということを積極的に申し上げたことはないのです。記者の諸君が下回るだろう、下回るだろうということを盛んに言っておるので、黙って聞いておったら、今度は、佐藤総裁言明と出たものですから、われわれとしても多少迷惑でもあったのですが、現実にそういう苦い経験があるものですから、そういう場面においては、一切パーセンテージの見通しはつかない、ただし新聞社の諸君もみな言論の自由を持っておる、あるいは評論家としての判断はお持ちなんだろうから、評論家としての判断を自分の記事としてその責任において書かれる分には、何もこっちがそれをとやかく言う筋ではないからということを申し上げますけれども、その結果そういう記事が出たので、これは評論家としての数字だとごらんいただかなければならないことになります。
  32. 大出俊

    大出委員 人事院のクラブの方も、長年のおつき合いを総裁としておられるわけですから、あるいはこの方々もまた内輪でしょう。そうなりますと、そこでいろいろな質問が出て、私が申し上げたようなことを新聞記者も言うたのでしょう。記者の諸君に、あなた方のおっしゃることは、決して非常識じゃない、総裁はおそらくそう言ったのだろうと思う。私はいま、昨年を下回ることはない、七%以上になるであろうということを数字を並べて申し上げたのだが、あなたがそういうふうにおっしゃることは、決して非常識じゃない、こうおっしゃったわけですから、非常識でないとなれば、これは書いても自信がある、こういうわけで新聞も書いたのだろうと思う。したがって非常識じゃないということですな。
  33. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 クラブの諸君に対して、それは非常識じゃない、大出さんに申し上げた以上のことを深入りして申し上げた覚えはないのです。ここでだいぶ深入りして申し上げたというふうにむしろおとりを願っていいくらいに慎重にかまえて臨んだわけであります。したがって、これは評論の自由、言論の自由として書かれたことだということになります。
  34. 大出俊

    大出委員 じゃ、私が先ほど来毎月勤労統計から、消費者物価から、あるいは家計調査から、あるいは労働省の民間給与比較等々の数字に基づいて、昨年を下回ることはない、私は七%以上というふうに考える、こう申し上げたら、先ほど、あなたがおっしゃったことは決して非常識じゃない、こう言われたのが一番進んだ答弁だったわけですね、今日までで。そう理解していいわけですか。
  35. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 そのこと自体をずばり申し上げたわけではないので、ぐじゃぐじゃいろいろなことを申し上げながら、その中で自然とそれが浮かび上がるような申し上げ方をしたのでございます。そうはっきりとあしたの新聞記事に、佐藤総裁、前年よりも上回るというような言明をしたという記事が出てもらっては、別な面でまた困るので、そういう含みで申し上げたわけであります。記者諸君もおられますから……。
  36. 大出俊

    大出委員 内輪で承りましたから、その点は記者の方も書かぬと思いますから。そのことはぐじゃぐじゃ申し上げた中で浮かび上がるように申し上げたというのでありますから、その浮かび上がったところを私が理解しているわけでありますから——どうしても隠すよりあらわるるということで浮かび上がるわけでありますから、それ以上深追いはいたしません。浮かび上がったところだけ伺っておきます。  ところで、気になる点が一、二点ございます。住宅手当について半数以上のところが出しておるとすれば、新設を勧告しなければならぬかもしれぬ、こういう意味記事一つあるわけでありますが、かつて私は、住宅手当というものをどうお考えになるか、だいぶ詰めた御質問を申し上げたことがある。そのときには報告の中でお書きになった。あれから三年くらいたちます。したがって、当時たくさん理由を申し上げましたけれども、もう住宅手当というものを総裁の側で表に出してもいい時期だ。しかも、その後の質問のときには、政府が私が報告の中で申し上げておるようにやってくれなければ勧告します、ここまで言ったこともあるわけです。したがって、何も過半数などというところにめどを置く必要はない。先ほどあなたのほうで銘柄企業とおっしゃったが、その銘柄の主たるところがやっておられるとすれば、国家公務員なんですから、したがって勧告の中で住宅手当に触れられるべきである、報告などというこそくな手段によらずに、こう思うのでありますけれども、ここのところをひとつお答弁いただきたい。
  37. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 これもたびたび御指摘がございましたように、住宅手当の問題は、職員側の要望も非常に強いものが例年ございますし、私どもとしても、当面のところを見ましても、公務員宿舎に入っている人と入らない人というようなバランスを比べてみますと、とてもこれは深刻な問題を持っておるということは十分認識しております。さればといって、官のほうが率先して手当を新設するわけにもいかぬ。これは従来の基本的な精神に基づいて、やはり民間の動向を見きわめてからという方向できておりますので、御承知のように、ここ数年来毎年しつこいくらいに民間調査をやってきているわけであります。これも御承知のように、去年の三七%から上り坂の徴候を示しておりますが、これをにらみながら、従来手当を創設した際の例を見ますと、六、七〇%で何か創設した例が——これは大出委員のほうが御承知かと思いますが、五〇%をこしたらすぐというわけではありませんけれども、少なくとも圧倒的多数の民間企業がこれを採用しているということになれば、こっちも考えざるを得ない。ただし、これも申し上げるまでもなく、結局給与内容の配分の問題になるものですから、格差が非常によけい出てゆったりした配分ができる場面と、そうでない場面とあるわけですから、住宅手当を新設したが、本俸のほうはみながまんしてくれというわけにもまいりませんので、そことのかね合いの問題をやはり考えながら処置をしなければならぬものだ。これはやはり公務員宿舎が近ごろおかげさまでだいぶ充実してまいりました。これを一そう拍車をかけて充実さしていただければ、宿舎に入っておる人と入っていない人のアンバランス、あるいは宿舎の絶対の不足というような面が解消するのではないか。このほうの設備の増加充実のほうも、従来どおり一そう政府当局にお願いしたい、こう思っております。
  38. 大出俊

    大出委員 そういうふうに答弁をされますと一言申し上げなければならぬのですが、私は住宅手当を新設をしろと申し上げているのは、何も本俸のほうとのかね合いなどを言っているのじゃない。ほんとうのことを申し上げれば、理論的には諸手当一切要らないのですよ、つまり給与の絶対額が高ければね。それが正しいわけです。基準内賃金なら基準内賃金というところを見て、それが高ければ、ボーナスだの、年末手当だの、年度末手当だの、そんなわけのわからないものは要らない。給与の絶対額が少な過ぎるところに、日本の年功序列型という、そこに日本の特殊性が出てきておる。だから、本来ならば、給与の面からくる住宅手当という考えでなく、国の社会保障的な政策として住宅政策というものを一面進めなければいけないわけですから、だから給与の面では、ほんとうは、住宅手当なんか言うべきではない。したがって、特殊なもの、重労務手当的なもの、こういうものは要りますが、それ以外のものは要らない。だがしかし、今日の事情というものは、政府の住宅政策——これは担当の人が来ていないから言うけれども、住宅政策というものがさっぱり進まない。一世帯一住宅なんて言うだけです。だから、そうなってくると、現実の生活にみんなが苦労しているからこそ、公務員としての体面を保てないようでは困るから、そういう意味において申し上げておるわけですから、そこのところを明確に御検討いただいて、割り切るところは割り切っていただいて、現実的な処置として受け取っていただきたい。  それからもう一つ、宿日直手当というものについて今回は相当重視して御検討しておられますが、その理由と、どういうことになりそうかという点について簡単にお答えいただきたい。
  39. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 宿日直手当の調査は従来から飛び飛びにはやっておるわけであります。三年おきぐらいにやってりおます。ことしも非常に冷静なことを言えばそろそろやっていい時期だということになりましょうけれども、やはりこれは職員側の要望も相当ありますし、その意味からいっても調べる価値があるだろうということで、これはやはり結果を見てからどうなるかということになります。
  40. 大出俊

    大出委員 それから、ここに扶養、通勤手当についてちょっと触れてありますけれども、この通勤手当などの問題で、しきりに、これは国鉄の総裁石田機関車は、定期が五割引きだというこんなばかなことはないと言っておって、運輸大臣の大橋さんは慎重だから、検討はいたしませんと、何を言っているのかさっぱりわからぬわけだけれども、どうなんですか、総裁、今回調査をされている面で、ほかよりも上がるようなことになれば、通勤手当を考えてもらわなければ困るのですが、そこらのことについてはどういうふうに考えておりますか。今回ははずすというのだけれども……。
  41. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 通勤手当は、御承知のとおり昨年相当値上げがありましたのは顕著な事実でありましたし、これはどうしても調べなければならぬということでやったわけであります。また、それだけそれ相当手当てはしたつもりでございます。ことしはそういう動きはございません。したがいまして、特段の調査はしなかったということであります。  それから、扶養手当にもさっき一言ちょっとお触れになりましたけれども、これもほんとうを言うと、先ほどのおことばにもありましたように、扶養手当というものは、基本の給与がたっぷりあれば、こういうものは本俸のほうに本来は吸収すべきものだという立場で、ここずっと長年の間据え置きのままきておりました。しかし、やはりこれも昨年における生計費だとか物価の関係どもあって、そういう場合には考え合わせておるわけで、考え合わせて生活防衛的な措置をとらないと済まないだろうということで、多年の方針を破りまして、配偶者だけについて上げたのであります。これもやはり給与の専門家から言うと、何を逆行的な措置をとるのかというような批判を受けましたけれども、私どもとしては、やはりやるべきことをやった、やむを得ない措置をとったという気持ちでおります。
  42. 大出俊

    大出委員 これも出たから一言申し上げるわけですけれども、六千八百円ベース勧告のときに、扶養手当は千二百円という勧告のあったことがあるのです。この時代にはそれが混乱しておりまして、給与の絶対額というものが論議される時代ではなく、本来ならあのときにそのくらいの扶養手当をつくっておくべきだということだったのが、七千八百七十七円の勧告がつぶれたりして、以後消えてしまったものですから、そうすると、あの当時——人事院ができる最初から私はおつき合いして知り過ぎておるわけでありますが、それを昨年ぽかりと手直しをするから、理屈としてまん中がつながらない。だからいろいろな意見が出るところなんですが、いまごろになって、特にそういうものが必要だというふうに理解されたのはどういうわけか。これはフランスなんかの例を見ると、やはり福祉事務所か何かで国の政策としてこれをかってに払うのですから、これも本来ならそういうことなんですが、しかし国がやらないからやらなければならぬということになる。担当の方がおいでにならないから言うのだけれども、だからそうだとすると、検討しないのではなしに、これもやはり住宅手当と同じような意味で検討していただいて、こう毎年上がったのではどうにもならぬから、検討しないという言いっぱなしはいささか不親切だ、世の中は、配偶者だけを上げたのだから、その他についてだってことしあたりはと期待しておるわけですよ。配偶者だけ上げてその他は上げないという理由は、一体どこにあるのですか。
  43. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 これは去年行ないました民間調査の結果、ちょうどそういうことになっております。子供のほうの分は、このまま据え置きでも民間に見合うという結論で、こういう措置をとりました次第であります。
  44. 大出俊

    大出委員 ところで、ひとつここで大きな点で承っておきたいのですが、総裁が、ここのところ七賃だ、八賃だと世の中は言っているように、毎年毎年給与勧告をずっとおやりになっておりますね。やっておられる御本人、総裁という立場でこれは一体どういうことなんだろうとお思いになりますか。まことに迷惑なんですね。毎年毎年どんどん勧告しなければならぬという、なるべく高いほうのものにしてもらいたいと思っているのですが、高いものが出てくるたびに、またこれたいへん迷惑する自治体なんかもあるわけです。公営企業なんかは、鎌田さん、うしろのほうに専門家がいるけれども、あのベース改定がされなければ、そんなに大騒ぎしなくても済んでしまうものを、どんどん給与が上がるものだから、そのたびに公営企業は独立採算だといって、一つも働いている人の責任でも何でもないのに、人事院勧告すれば、地方人事委員会も右へならえで勧告する。経費も上がらないで、物価も安定しておって、波おだやかならば、地方公営企業というようなものは、あんなに大騒ぎしなくとも、再建方式なんかとらなくてもいい。何となくそっちのほうに責任があるように言うのですが、そこで私は承りたいのですけれども、どうも少し正常でない感じがするのです。公務員法の精神からいけば、かくかくの変動によって上げなければならない、勧告しなければならない、こういうふうになっておるのだけれども、しかし、全体をとらえてながめるのも人事院総裁立場なんで、給与勧告だけが仕事じゃない。そうすると、その辺のところはどうお考えですか。
  45. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 私ごとで恐縮でございますが、私自身戦争前にずっと内閣の法制局におりまして、法制局で当時は官吏の給与をやっておりました。給与の主管部局でもあったわけでありますけれども、私の在任中は、給与の基本的な変更というものはなかった。その意味で非常に安定しておった。私、人事院に参りまして、毎年毎年いま御指摘のようなことであるわけです。それはどういうことかということになりますと、これはわれわれとしては公務員法をおあずかりしておる立場でありまして、狭い職務範囲でものごとを考えるだけのことで、上げるべきときには上げなければならぬというだけのことに徹しております。それ以外の広い分野、たとえば総理大臣になったつもりでものごとを考えるということはやっておりません。
  46. 大出俊

    大出委員 実はきょうは、先ほど冒頭に申し上げましたように、給与勧告が行なわれる時期が近づいているということとからんで、地方財政が非常に問題をまたかかえて、毎年毎年給与が上がるたびにそういうことになる。また、一面では、公営企業なんというものにしわが逐次よっていって、これは独立採算なんだから、企業法の改正をして、さらに給与というものは企業の実態に即して変えなければならないとか、そうなってきているわけです。だから、そういう面で実は来年もどうなるのかということをひとつ前提にして承りたいと思って総裁に御足労いただいたのですが、最後に勧告のおおよその実施時期、その辺についてどういうふうにお考えですか。
  47. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 大体例年どおりということで調査もやっておりますし、集計等も同じテンポでいくことと思いますので、少なくとも報告は例年どおり八月の中ごろではなかろうか。場合によっては勧告も、これはよそ行きのことばになりますけれども、八月の中ごろということではなかろうかと考えて鋭意作業をやっている次第でございます。
  48. 大出俊

    大出委員 八月の中ごろ……。最後に初任給の引き上げの問題なんですが、これにも総裁は触れておられるようでありますが、優秀な人材をという、そういう意味の対策等も含めて、今回の春闘の中身からいきましても、初任給の手直しは私の知る限りでも相当行なわれております。そうなりますと、ここでまた初任給問題が当然出てしかるべきだと思っているのですけれども、そにに対する考え方をお知らせおきをいただきたい。
  49. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 私ども公務員の採用試験のほうも受け持っておるわけでありまして、できるだけ優秀な人材が公務員に来てもらわないと、国の将来に影響するというくらいに大きなことに考えておりますので、したがいまして、初任給の問題は、これも私どもの常識としては常に重く見て考えてきておるわけでございます。したがいまして、たとえば高校卒の場合にしましても、標準生計費でそのうしろのささえをしたりというようなこともございますが、初任給は今後もやはり十分民間のほうとにらんで、決して損にならないようにということでまいらなければならぬというふうに考えております。
  50. 大出俊

    大出委員 春闘が一応片がついて、今日まで、あのさなか等に総裁が参議院等でお話しになったことがありますが、あれ以後一ぺんもそういう機会はなかったわけでございます。したがって、実は近づきましたし、会期延長がないとすれば今月一ぱいの国会でございますから、そういう点等もありますので、地方財政と関連をいたしますのでお運びをいただいたわけです。あらためてこれはまた担当の総理府の場面等でもう少し突っ込んだ御質問を申し上げたいと思っておりますので、きょうはそういう意味で質問を打ち切りたいと思います。たいへんありがとうございました。  そこで、増子人事局長お見えになっているのでございますが、冒頭に、いまの関連で一つだけ承っておきたいのですけれども、毎年毎年人事院勧告が出るたびに、六人委員会のいわゆる事務局責任者立場にお立ちになって御苦労されてきているわけであります。先ほど藤枝自治大臣にお願いいたしましたように、本年は、諸般の情勢からながめまして、実施時期の問題をめぐりまして昨年のような大きな騒ぎが起こりませんように、これはお互いに、われわれも含めて努力せねばならぬ問題だと思います。そういう点でひとつ、昨年の例から見まして、本年勧告が出ることおおむね明らかないまの御発言でございましたので、私が申し上げることが非常識でない、こういうことでありますから、多少のズレはありましても似たような勧告が出る。そうすると、また昨年の二の舞いにならぬように、先ほど自治大臣にお願いしたような地方財政の問題もございますが、本年は格段の御努力をいただきまして、実施時期を含めて完全実施が行なわれる、こういうふうにいまからひとつ御準備をいただきたい、こう思うわけですが、いかがですか。
  51. 増子正宏

    ○増子政府委員 先ほど来のお話を伺っておったわけでございますけれども、今年の勧告の取り扱いにつきましては、大出委員のよく御承知のとおり、一般的に申しますと、従来の形が繰り返されるということになろうかと思いますけれども、私どもも何とかして前進したいという気持ちを常に持っておるわけでございまして、本年は特にその感を深くしている状況でございます。
  52. 大出俊

    大出委員 ところで、この公務員法の性質と申しますものは、私の見解からすれば、ドライヤー報告との関連が、ずいぶんたくさんあると思っているのです。そこでドライヤー報告の中に幾つもあります、公務員制度審議会で一つ基準をきめろ、検討しろなどというものもあります。そこで三月のたしか二十三日だったと思いましたけれども、塚原総務長官並びに増子人事局長に、私は、公務員制度審議会というものはどうなったのだという御質問を申し上げたわけであります。私は早く公務員制度審議会を開いていただいて、これから御質問申し上げるたくさんの問題について、特に地方公務員、それから地方公営企業職員、それからかって準用であり多少手直しをしております小規模地方公企労関係の団体等々に関する問題とのかね合いというものがありまして、本来ならば、それらのことを先に片づけなければいけないのに、公企労法の改正が出てきてみたり——あのときに今日の次官の柴田さんにるる申し上げて、たいした反論もなさいませんでしたけれども、その意味では、今回また公務員部という形の行政機関の一部の改正がございました。これまた公務員部の所掌する中身の中に、地方公務員制度に関する企画、立案などというものも入っているはずでございます。そうなってくると、これまた大きな関連が出てくるのであります。そういう意味でどういうことに今日なっているのか、三月二十三日以後今日までどんなことになっているのか、承りたいと思います。
  53. 増子正宏

    ○増子政府委員 公務員制度審議会の状況につきましては、ただいまお話しの、前回に申し上げました一般的な情勢と変化はございません。ただし、あの当時も総務長官から申し上げましたように、できるだけ早く再開の段取りに持っていきたいということで、関係方面といろいろな接触をいたしまして努力をいたしておる。これは引き続き現在もそのとおりでございます。
  54. 大出俊

    大出委員 そうしますと、前回私が質問いたしましたときに、前田会長——私はまだ会長だと思っておりますが、この辞任届けなる辞表が、増子さんの引き出しに八カ月入れっぱなしになっているというこの間の御答弁なんですが、引き続きあれから三、四カ月、入れっぱなしが続いているわけですか。
  55. 増子正宏

    ○増子政府委員 先ほど申し上げましたように、一般的な情勢としては変化がございません。
  56. 大出俊

    大出委員 変な言い方をされますけれども一般的情勢に変化がなければ、前回お答えになったように、私の引き出しに入っているまま続いているということですな。これは私は非常に大きな政府責任じゃないかと考えている。前回総務長官も、その点についてはお認めになりましたが、私は念のために、このドライヤー調査団長が日本においでになって、政府に提案をして、政府が受けられた、ここに書いてあるのをもう一ぺん読み直してみた。だいぶ色あせましたが、これを読み直してみますと、「本委員会の当面の関心事は、将来このような信頼をつくり出すためにとらるべき措置である。両者の重要な態度の変化が「相互信頼の確立を」と、こうなっておりますが、「実現するために必要であろうが、しかし政府の最高レベルが必ずそのイニシアをとらなければならない。」こう書いてありますね。必ずそのイニシアをとらなければならないと。そうしますと、これは労使関係ではあります。ありますけれども、この提案は、政府がイニシアをおとりください、必ずとらなければだめなんですよという提案をされた。そのことを日本政府はお認めになった。組合のほうは、認めたような認めないような答弁をいたしましたが、政府のほうは明確にこれを受け取られた。そうだとすると、昨年のあの騒ぎから今日まで、しかもあのときは、労働側委員はいろいろな性格の方がいらっしゃいますが、全員一致の行動をおとりになった。その上に立って公益委員側の方々があれをおまとめになってお出しになった。そうすると、公務員制度審議会というものを再開をする責任は、あくまでもこれは政府のイニシアによらなければなりません。しかも、そういう任命のしかたでもあるということになるわけですね。その政府責任というものをどうお考えになるかということですな。これをひとつまず承っておきたいと思います。
  57. 増子正宏

    ○増子政府委員 政府としましては、これは前回申し上げたところでございますが、せっかく法令に基づきまして審議会を設け、しかも重要な事項について答申を願うということで諮問をいたしておるわけでございます。したがいまして、この審議会が正常な状況において審議が行なわれるという事態をつくることは、これは当然政府責任だし、そういう事態を早く招来しなければならないということで考えておるわけでございます。ただ、いまお話のございましたドライヤー・ミッションの提案といいますか、そういった問題は、もちろん一般的な政府関係公共部門の労働団体とのいわゆる相互信頼関係といいますか、そういうものを早くつくらなければならぬということでございまして、その問題は、必ずしも公務員制度審議会のみの問題ではないというふうに考えておるわけでございます。いろいろな手段があるわけでございます。それらの問題につきましては、これはもちろん事情が許す限りいろいろな措置を従来も考えてきておったわけですが、今後もそういう問題が出てこようかと存じます。公務員制度審議会で審議すべき事項、これも御指摘のようにいろいろあることは、私ども承知しておるわけでございます。しかし、それがどんな順序で、どんなやり方で審議するかということは、これはもちろん審議会が開かれた場合に審議会がきめることであろうというふうに考えております。われわれとしましては、審議会が開かれる以上は、できるだけそれが正常な姿で審議ができる、関係委員もそこに出席して審議が行なわれるということでなければ、無理に形式的に審議会を開いても、出席者がかなり意図的にそれの参加を拒まれるといった事態があっては何にもならないという意味で、できるだけ審議会がそういう状態で開かれるというような条件といいますか、そういう状態といいますか、そういうものをできるだけ早くつくりたい、こういうふうに考えて、いろいろと努力をしておるところでございますけれども、現在まだその努力が実を結んだというふうに申し上げかねることは、まことに申しわけなく、残念なことでございます。
  58. 大出俊

    大出委員 増子さん、あなた、そうおっしゃるんだけれども審議会には会長というのがあるわけですね。そうでしょう。招集は会長がするんでしょう。その会長が辞表を出してしまっていて、その出した辞表を、あなた、八カ月プラス三カ月、十一カ月もあなたの机の引き出しに入れっぱなしにしておる。本人は辞表を出したつもりでおるんだから、会長は辞表を出して、あなたのほうはその辞表を入れっぱなしだったら、招集するにもしないにも、どうにもならぬじゃないか。何であなた、辞表が出ているものを、机の中に入れっぱなしのままで十一カ月もほうっておくのですか。会長は自分で辞表を出しているんですから……。
  59. 増子正宏

    ○増子政府委員 会長が辞表を出されたときの状況につきましては、前回申し上げましたけれども、実は具体的には総理に手渡ししようとされたわけですけれども、総理は受け取られなかった。官房長官も総務長官もそれを受け取られなかったということで、会長は、ほとんどもう、そこに置いていかれるような形であったわけでございます。そこで、私、審議会の事務局長として、それではお預かりしておきますということになっているわけでございます。したがいまして、政府としてはもちろん受理していない。のみならず、引き続き会長の職をお続け願いたいということは、公式にも非公式にも、政府首脳部からお伝えをしておるわけでございます。現に私も事務的には、その後も会長として御連絡に伺っている状況でございます。ただし、それならすぐ会長が開けばいいじゃないかということになろうかと存じますけれども、それはまた、大出委員も熟知しておられるようないろいろな情勢がございます。したがいまして、会長が、審議をやるから出席してくれというふうにいきなり言いましても、これはすぐそういう形にはならないということは、現在の状況では火を見るよりも明らかでございます。それを何とかしてそういう状態でなく、スムーズにいくようにしたい、こういうことでございます。
  60. 大出俊

    大出委員 これから御質問申し上げる重要な問題が山積していて、それが一々審議会ともからんでくる。それだけ大きな問題であるにもかかわらず、もちろんその御努力はあったんでしょう。あったんでしょうが、ただ開かれないままに十何カ月も過ぎていくということであってはならぬと、私は思うのです、どこから考えても。したがって、どういうことがあっても再開はしなければならない。そこで申し上げたいのは、けじめをつけなければならぬ、ああいうことになったんだから。いま会長自身が宙に浮いちまっているわけです。この間、いつか聞いたときには、会長が辞表をはっきり出した。ところが、あなたのほうでは取らないと言っている。どこにあるんだと言ったら、あなたの机の引き出しだ。そういうばかな話はないでしょう、子供じゃあるまいし。だから、けじめをつけなければならね。あなたがいろいろ御努力されていると同じように、私も知らないことはない。ただ、あくまでもこれは政府責任でやってもらわなければ困る。任命されたのでしょう、この会長は。その人が、どういう事情があるにせよ、辞表をあなたのところに置いていったんでしょう。そうすると、やめることにするのか、あるいは就任をすることにするのか、けじめをつけなければ、これは始まらぬですよ。そこで、各種団体の中で、今日までいろいろな意見があったようですが、それも時を経るに従っていろいろ変化をしてきている。したがって、それは皆さんのほうが、少しおまえたちも一緒に骨を折ってやってくれというなら、ぼくも幾らでもお手伝いをしなければならぬと思うのです。これは与野党の問題じゃないんですから、日本の公務員制度全体をよくしようということですから。そういう意味で私は放任はできない。いつごろまでにどうするかという何のめどもなくこのままほうっておくという、これは私は、その問題をいろいろ審議をしたこの委員会の責任もある。してみると、一体何をこれから先に向かってお考えになっているのか、時期的問題を含めて。総務長官は、少なくとも早急に再開ができるようにあらゆる努力をいたします、こういう答弁を三月になさっている。今日、六月ですからね。何を一体早急にあらゆる努力をされるのか。あなたは人事局長なんですからわからぬはずがない。したがって、その観点からどういうふうにおやりになったのか。それと、これから先に向かってどういうふうに見通しをお立てになっているのか、はっきりしていただきたい。
  61. 増子正宏

    ○増子政府委員 再開の努力ということは、先ほど申し上げましたように、公式、非公式に関係方面との接触を続けているということでございます。何カ月もほうっておくということでございますけれども、実は全く何もしないでほうっておいたということではございませんでして、その間にいろいろな交渉があるわけでございます。それで、いま先生も御指摘になったように、関系組合のほうの意向というものにも、漸次変化が起きておるということもございます。これも、ただ自然にそうなったのじゃなくて、お互いの間のいろいろな問題が、そういうふうに進行してきたということでございます。したがいまして、私、一般的な情勢は特に変わらないと申し上げましたけれども、こまかな情勢といいますか、そういう微妙な変化というものは、漸次あらわれつつあるということでございます。それを何とかいま御指摘のように、はっきりした、けじめのあるものにしたいというわけでございます。しかしそれが、それではいつ一体どういうふうになるかという見通しの問題でございますけれども、これはつまり、私ども一方的に決定をし得ることなら、比較的簡単にめどもつけ得るのですけれども関係方々、いろいろあるわけでございます。その間にまた時期的な、たとえば、はっきり申し上げますと、組合の大会というような問題がありますと、これは時期的な問題が関連いたします。そういった状況もございまして、私どもとしてできるだけ早いことは望まいしという気持ちでおりますけれども、それをいつごろまでというふうには、ちょっと申し上げかねる実情でございます。
  62. 大出俊

    大出委員 そこで、昨年の十二月の十四日に再たな上げの部分、在籍専従の問題については、政令をお出しになって実施しましたね。これは、そういたしますと、政府責任実施をした。少なくとも公務員制度審議会の責任ではない。公務員制度審議会は、再たな上げをして終わったわけですから、これは政府責任、こう理解してよろしいですか。
  63. 増子正宏

    ○増子政府委員 もちろん政令の公布、施行ということは政府責任でございます。
  64. 大出俊

    大出委員 それから、もう一つこの際承っておきたいのですが、八十七号条約は批准をしたわけですね。そうすると、これは国際法の理念から申しまして、批准したのですから、それに抵触する法律はもちろんのこと、八十七号条約に従ってやっていかなきゃいかぬということになる。その場合の八十七号条約をめぐる解釈、あるいは問題についての判定、そういうふうなものはどこに求めたらいいわけですか、
  65. 増子正宏

    ○増子政府委員 条約、国際法規も、批准されて日本政府に適用される限りでは、一つの法規ということになるわけでございますから、その法規間の衝突の問題は、もちろん裁判所の判決ということになろうと思います。
  66. 大出俊

    大出委員 ILO憲章並びに諸手続からいきまして、この条約に対する解釈、運用、それらのものをめぐりまして、まずあるのは結社の自由委員会でしょう。結社の自由委員会というのは窓口ですから、結社の自由委員会で判定を下して、実情調査調停委員会というものが、つまり明確な国際労働憲章以下の法律的な意味での判定の場所ですね。ところが、実情調査調停委員会に付託するのかどうかということを結社の自由委員会が取り扱っているわけですね。たまたま日本の場合には、結社の自由委員会では扱い得ない。だから結社の自由委員会としては実情調査調停委員会に付託したわけですからね。そうでしょう。いままで結社の自由委員会が窓口でみな片づけていたわけですね。まずもって解釈、運用については結社の自由委員会だということになる。それから、中にはILOの問題が起こった場合に、国際司法裁判所に提訴しているケースがたくさんある。国内の争いは裁判所ということになるケースもあるかもしれませんけれども、私はそういう手続だというふうに解釈しています。したがって、まずもって本体をなす実情調査調停委員会が出しておるドライヤー・レポートというものには、相当なウエートがやはりなければならぬ、こう私は考えております。そこらのところどう考えていますか。
  67. 増子正宏

    ○増子政府委員 ILO条約の解釈の問題というふうなことで、いろいろ御意見があったわけでございますけれども、私ども考え方としましては、国際条約が批准されてわが国に適用になれば、それは国内法の一つになるわけでありますから、それと他の国内法との抵触問題等については、やはり日本の裁判所が最終的な決定をするというふうに考えるわけでございます。それから、条約の解釈なり執行等について国際間で紛争がある場合には、その問題を解決するのは国際司法裁判所ということであろうと存じます。  ドライヤー・ミッションはそれではどういう役割りを果たしたかといいますと、これはいわゆる八十七号条約の解釈の問題について、権威のある決定をしたというものではございません。これはもうよく御承知のところであろうと思います。日本に関する一連の事案についての解決のために、いろいろな実情調査とか、あるいは提案をしたということでございます。そういう意味において、私どもはあのドライヤー・ミッションのレポートというものは、非常に大きな参考になるというふうに考えて、熟読玩味いたしておるわけでございます。これはいわば形式的にどうなったかと申し上げますと、御承知のようにドライヤー・ミッションのレポートが理事会に提出されて、理事会でそれがテークノートされたということになっております。
  68. 大出俊

    大出委員 これはその国に対する強制権はありませんから、当然そういう手続になる、これはあたりまえのことです。法解釈はそうなっておる。しかし、ILOが解釈しておる、つまり八十七号条約の解釈というものが、国際間で認められている解釈なのです。あとその国が、おのおのの国内事情がある、それとどういうふうに調和させながら八十七号条約の国際的な解釈を実施させていくか、実現させていくかというところに、専門家会議なんかもあるわけです。そう見なければならぬ。  そこで私は、ここでひとつ先ほどの件に触れて申し上げたいのですが、もし昨年十二月の十四日に施行されました在籍専従の再たな上げの引きおろし、これは政府責任だという限りは、責任を果たしてもらわなければいかぬ。そこで、この中には、この三年後、まずこういう問題が一つありますね。現状二年間、あと三年たったら期限が切れるわけですよ、今日の専従者制度は。三年で区切ったわけですね。これをドライヤーに言わせれば、法律で三年というふうに区切ったということはいかがなものか、労使でこれを相談すべきではないか、それから再延長についても労使が話し合うべきじゃないかというレポートの中身になっております。それから専従になった場合、休職という取り扱いになるわけですね。その場合に、たとえば休職という取り扱いをめぐる数々の問題が起こります。それらについて全部検討されて、こうする、ああするということを内々におきめになって、この在籍専従問題を政令公布をされたのかどうか、そこをまず承りたい。
  69. 増子正宏

    ○増子政府委員 十二月十四日に政令が施行になったということでありますけれども、実はこの政令と申しますのは、改正法律を施行する日をきめる政令でございます。それで、その政令は六月十三日に全体として出されて、改正法の大部分は六月十四日から施行になった、動き出したわけであります。ただ、在籍専従に関する部分だけは、十二月十四日までに審議会の答申がなければ十二月十四日からだというように、十二月十四日という日を政令の中で指定をした。それがいわば自動的に動き出した、こういうことでございます。したがいまして、十二月十四日から動き出すというのは、在籍専従に関する規定でございますけれども、これは御承知のように、施行後二年間はなお従前のとおりだということで、その二年間というのがそこから起算され始めるという意味でございます。したがいまして、これらの規定によって、改正法の内容になっておる在籍専従制度が、別にこの政令によって変更を受けるというわけではないことは、申し上げるまでもないのでございます。ただ、施行日の問題をきめたというにすぎないわけでございます。  なお、いまお話がありました、休職になるけれども、休職の取り扱いをどうする、こうするというような問題は、一般的な検討はもちろんしておりますけれども、具体的にそれをどうするというようなことにつきましては、現在のところきまっておるとは申し上げかねるわけでございます。たとえば、休職から復帰した場合、もその給与等についてどうなるかというような問題は、これは給与法の実施の問題になってくるわけでございます。そういう意味で、所管の点からいえば人事院の専管ということになっておるわけでございます。これは一般職に関する範囲でございますけれども、そういう意味で、その問題が現在はっきり内容がきまっておるということは、申し上げかねるというわけでございます。
  70. 大出俊

    大出委員 だから問題があるのだ。私もずっとやってきた一人ですから、いま御説明になったことは、全くそのとおりで、百も承知です。しかも、政令のその部分は生きたわけでしょう。当然生きたわけです。だから、そうなると、二年間、そこから起算しなければならない。それから三年間、こうなるわけですよ。そこで、私が申し上げているのは、もう一ぺん言い直しますと、休職が終わって、復職をするときの処遇という問題がまずありますね。これは所管が人事院なら人事院でよろしいです。それから地方公務員自治省だと思います。それから地方公企労関係は労働省でありますか、お答えいただきたいのです。まず、休職が終わって復職するときの処遇がどうなるかということ。中身を見てみると、法改正がなくてやれるもの、やれないものがある。ということは、三年間専従して休職すると、俸給表の面からいって大体三号落ちるわけです。それで、じゃあ三号落ちたのを法規の範囲内でいきなり三号回復ができるか。復職した場合には、不利益取り扱いをしない限りは、回復をしなければならない。そこらは一体どういう御解釈をされているのか。かつまた、法律改正の必要があるのかないのか、これは現実的な問題です。それから年金というものは、退職年金というものはどうなるのか。それから退職金、これは一般的にはだめなんですね。つまり退職金のほうは一般的にはだめ。ただ、市町村には退職手当一部事務組合というものが実際にはあるのです。そうすると、この組合がかけておったらどうなるかという問題がある。これは考え方としては成り立つわけです。しかし、現行制度のままでやれるかどうか。法的修正が必要だという見解もあるし、何となくやれそうだという見解もある。はっきりしない。それから離職の場合に年金をどうつなぐかという問題が起こるわけですね。年金のほうは、組合が掛け金をかけておったら、年金通算はするのかしないのかという問題がある。これは実は公務員制度審議会の中でこの点が論議されたときに出てきている問題だ。だから、たな上げとは、このことを含めてたな上げをされていた。そこで、十二月十四日期限が切れてこの政令部分が生きたとなると、生きるにあたっては、これについての解釈は、あるいは制度的改正は、政府責任において行なわなければならぬことになる。それはどうなるかわかりませんよ、では済まない。なぜ済まないかとい理由を申し上げます。さっき人事院総裁がうまいことを言って、大手銘柄組合と言ったけれども、そういう組合の大部分は、二年専従です。専従期間二年、役員期間二年ということにほとんどなってしまっている。そうなりますと、いまここで大会をずっと開かれて、ここで二年専従になった方は、つまり昨年の十二月十四日から起算をして二年間以内に、実際問題として専従終了になる。そうすると、以内ならば、専従終了になるからいいではないか、その二年間で検討すればいい、こういう理屈が一つ出てくる。出てくるが、問題は、先行き途中でやめる人もおれば、あるいは不信任を食って、役員になっても三カ月でやめる人もある。いろいろなケースが出てくる。そうなると、このままのんべんだらりとほっぽっておくと、二年先というところから始まる段階になると、あるいは来年二年間専従という段階になると、どうしても残る三年のところの中の期間に入ってくる。ところで、もう一つの問題は、専従者をやろうと腹をきめる個人にとっては、おれは女房、子供をかかえて専従をやった場合に、復職後一体どうなるのだろうかということを頭に置かなければならぬ。階級闘争だちょうちんだということを言いながら、人間だから、役員選出にあたってなかなか踏み切れるものではありませんよ。私も長い間、二十数年専従をやっておりましたが、直当のことを本人としては考えるのですよ。そうすると、ことしの大会で役員専従をやったら、この次やめるわけにいかないという人が、たとえば委員長などになってしまう人ならば、いまこれらのことが全部きまっていなければ、この大会シーズンにおれが立候補するという気持ちになる、ならぬに非常に大きな影響がある。ところが、それが何もきまっていないという不親切きわまることでは、それは政府責任である。それで私はさっき政府責任であると申し上げたのでありますが、責任上許されないと思うのです。いま増子さんが、一般的に検討はしているけれども、どうなっているかわからないとおっしゃたが、それじゃ野放しなんだ。野放しで、個人に判断させる。しかも審議会ではなお検討事項になっている。このことを含めてたな上げになっている。そうだとなると、これは政府責任で、かくかくしかじかになり、法改正をしなければならぬものは何と何でどうなるという説明を明確にしてもらわぬと、政府責任を果たすことにならぬ。したがって、私は、これは何も増子さんだけに聞いているのではないのだから、自治省からも労働省からも御答弁をいただきたい。
  71. 増子正宏

    ○増子政府委員 ただいまいろいろ御指摘になった点、私ども十分思い当たる点でございますけれども、ただ先ほど申し上げましたように、現在のところでは、疑問点として御指摘になったうち、退職年金につきましては、在籍専従の場合におきましても組合が掛け金をするということになっておりますので、特別に年限の関係で変化が起きるということはございません。もちろんやめてしまえば別でございますけれども、身分のある限りは年金制度の対象になっておるということであります。それから退職手当は、ただいまも御指摘になりましたように、在籍専従の期間は在職期間の中から除算するといいますか、逆にいうと算入しないということになりますから、三年間もし休職で専従をやっておるとすれば、その三年間分だけは損をするといいますか、そういうことになることは、これは疑いのないところでございます。したがいまして、先生御指摘になったうちで、私ども先ほど申し上げましたように、現在未定であるといいますか、具体的な措置がきめられていないというのは、休職期間が満了して復職した場合に俸給が幾らになるかということでございます。これは原則的にいいますと、三年間は休職であって勤務をしてなかったわけですから、三年前の俸給と変わらない。つまり休職になったときの俸給で復帰するというのが原則でございます。これはいかなる場合を通じましても、原則になるわけでございます。ただ、それだけで御承知にならないことは十分わかっているんですが、休職者が復帰になりました場合で、公務災害の傷病によって休職した場合に復帰する、あるいは私傷病で復帰する、そういった休職者の復帰した場合の取り扱いにつきましては、人事院が従来取り扱いをきめております。その中には、もちろん専従休職というものはいままでないわけですから、その対象にならない。そこでそういう問題として新しく取り上げなければならぬ問題だということでございます。それは人事院にもわれわれ問題の所在として指摘しておりますので、検討いたしております。しかし、具体的にその取り扱いをどうするという結論は、現在のところまだ出ていない。と申しますのは、いまもお話ございましたように、昨年の十二月十四日から二年間は従前のとおり休暇専従ということでございますし、それからその次さらに三年間の新しい休職専従というものがあるわけですから、復帰の問題は今明日というようなぐあいに差し迫った問題でもないというようなことで、現在のところ結論を出していないという状況でございますけれども、もちろんこれは早急にそういう段取りに持っていかなければならぬのだろうというふうに思っておるわけでございます。  その他、現在のところ、少なくとも現在の仕組みで行く限りにおいては、法令的に矛盾があって、それを何とかしなければならぬというような点まで私ども発展しておりません。しかし、現在の制度を改正するという、いわば立法論ということになりますれば、いろいろあろうかと思いますけれども、それは今後の検討なり、あるいはそれこそ公務員制度審議会の審議の結果等を勘案する、こういうことになるんじゃなかろうかと思います。
  72. 大出俊

    大出委員 いまのお話の中に全部出てきてしまっているんですが、増子さん、一つは私は非常に不親切だというんです。あれだけもめたんでしょう。並みたいていのことじゃないんです。おまけにこの三年と区切ったことについても、倉石さんの修正案のときには、三年目にころがしという考え方があった。復帰してから出てくるというかっこうでつなげるということになっておった。これはぼくと倉石さんと話し合ってつくったんだから、間違いないのです。だから、そういう事情で変わってきているわけでしょう。そうすると、さっきぼくが例にあげたように、相当の組合の委員長なんというのは、始めたら、一年でやめて帰ってしまうなんという無責任なことはできないですよ。委員長でなくても、副委員長でも、書記長でも、あるいは給対部長でも——やはり相当責任を引き受けて自分の給与政策というものを組合で生かそうとすれば、給対部長だって、一ぺん出てきてぱっと帰ってしまうわけにはいかぬ。少なくとも何期かは引き続けざるを得ません。これは世の中の常識ですよ。そうだとすると、おれが復帰したときにはどうなるのかということについては、明確になってなければ困る。家族だっていろんな心配が起こる。お父さん、そっちのほうに行っているんだけれども、一体どうなるのかということになる。そこで問題になるのは、あなたはそういうふうにお答えになるけれども、私は例をあげているんですよ。退職金にしても、一般的にだめですと認めているんです。ただしかし、市町村の中でいろいろな交渉、やりとりが行なわれておるわけです。何しろ三千五百八もあるんだから、そうでしょう。そうなると、その中で一部事務組合が金を納める形になっておるのですよ。そうすると、将来一部事務組合が納めていったら、どうなるのです。納めていけない規定はない、市町村条例だから。そうすると、そういう場合は、現在の退職金制度というものとの関連で、そのままやれるという解釈をとる人もいるのです。そうじゃないという人もいるのです。だとすると、そこらのところは一体どうなのかということです。本来的な扱いのほかに、一番わかりやすい例を私はあげているんだけれども、そうなると、そういうものまで慎重に論議をして、きめるものはきめて、在籍専従、この政令を生かすという面では、政府責任でおやりになる以上は、たな上げにしておいて公務員制度審議会において検討するということになっていたんだが、ところが開かれないから半年たってこうなっちゃった。そうすると、開こうとしたができなかった。しかし、私は政府責任があると考えておる。そうすると、政府責任でおやりになる以上は、そこまで明らかにしておくべきであって、人事院にその規則制定といったって、それこそお説のとおり、専従休職などというものはいまだかってない。そうすると、規則制定権はあるんだけれども、意見を申し出れば人事院は聞かなければならぬ。そういうこと等についての政府見解というものをあらかじめ明らかにしていかなければ、これは政府責任を果たせないことになる。だから、そこらのところは、まことに政府責任を負っていないではないか、こう私は申し上げておるわけです。したがって、労働省、自治省からもひとつお答えをいただきたい。
  73. 大塚達一

    ○大塚説明員 ただいま御質問のありました公企体等についての、専従者の休職以後、復職以後の身分の取り扱い、それは休職に関しての問題でございますれば、これは団体交渉で当事者間で取りきめるというのが、公労法、地公労法のたてまえでございます。したがって、それにつきましては、団体交渉できめられるべき事項だと考えております。その他共済年金につきましては、公共企業体の場合には、公共企業体の職員共済組合法によりまして、国家公務員共済組合の場合と大体同じ取り扱いになっております。
  74. 長野士郎

    ○長野政府委員 地方公務員の場合におきましても、法規課長からお話がありました国家公務員の場合と、大体給与についての考え方は同じになるわけでございます。ただ、先ほど例におあげになりました退職手当組合等の関係はどうなるのだというお話でございますが、これは組合と関係の市町村との規約によりまして、団体としてその職員に対する負担をしておるということは、ある給与総額に対してしておるということについては規約がある。それでそういう納め方をするということになると思いますが、ただしかし、そうだからといって、個々の職員の退職手当を計算するときにどういう適用になるかということになれば、これは御指摘のようにいろいろ混乱するのではないかというおそれがあるかもしれませんが、たてまえとしては、個々の職員の適用関係というものは、休職になった職員についてその適用関係ということで考えるのが当然だというふうに思っております。
  75. 大出俊

    大出委員 これはあなた、いま私の質問に対してとっさにそう思いつきになっていうのでしょうけれども、末端にいきますと、いろいろ心配が両方にあるから、一生懸命話し合っておる。それで、これは病気だとか何とかじゃないものですから、したがって、人事院だって組合に対する専従休職というものについては、基準が出ていない。いままでなかったんだから、そうでしょう。人事院考える範囲だと皆さん言っているんでしょう。人事院が専従休職というものの取り扱いについて、何かそこに旧来の休職とは多少ひねった取り扱いが出てきた場合に、そんなことはないと言ったって、これからつくるんだから、そうは言い切れない。だから、下部のほうでいろいろやりあっておるのを私いろいろ記録しておりますが、ある市町村で、これは一部事務組合が払っていけばよろしゅうございますと言っておるところがある。そうすると、それらの点については、これは末端にいけば、よろしゅうございますとやっていくでしょう。そうでしょう。あなたがいけないと言ったって。そうなれば、法律的な解釈も必要だし、これは当然出てこなければならない。だから、そういうことになると、私はどうも……。まだ検討されていないところを私が質問しているから、それは無理もあろうとは思うけれども。労働省のほうだって、人事院に規則制定権があって、向こうがやるんだから、組合の側にしたって、人事院国家公務員についてやられたら、国の機関だから、それは明らかに基準になりますよ。それを待つことになる、両方ともちょっと待ってみましょうということになる。そうすると、やっぱり国が意思決定をすることが、これは優先をするんですよ。ところが、いまのお話では、検討してないんだから、妙な簡単な御答弁はいただきたくない、またあとでもめる材料ですから。だから、してないならしてないでいいですから、これから検討するなら検討するできちっとしてください。
  76. 増子正宏

    ○増子政府委員 検討してないとは先ほど申し上げたわけではございません。というのは、これは私どもとしましては、いろいろな場合を考えましたけれども、先ほど申し上げましたように、国家公務員一般職については、人事院の所管でございますので、問題点の所在は人事院のほうに連絡してございます。人事院としましての結論は聞いておりませんけれども、いろいろ検討しているはずでございます。
  77. 大出俊

    大出委員 それで、この三年の問題について一言見解を聞かしておいていただきたいのですが、ドライヤー・ミッションの中には二千二百三十八項というのがございまして、「この問題について、何らの国際的基準ないし、実質的な国内慣行の機関がない」というんですね。ドライヤーがながめた限り国際的な先例がないというんですよ、日本の場合。したがって、「当委員会としては、この問題の処理されるべき方法について、特定の勧告を行なうことを差し控えるが、」と、差し控えているわけです。「しかし」と、意見を言っているわけです。「しかし、修正法の中で」今度施行になった法律の中で「規定している三年の期間にするという法的制約が、賢明、あるいは適切であるということは、満足のいかないことである。このような権益に対して、法律規定で三年間に制限することは、それ自体では道理にかなったものであるとは考えられないが、しかし当事者双方が、この期間の延長が適当であるとみなす一切の場合において、全般的に適用される協定によって、この期間を延長することを、法律で禁止することに関し、適当な、あるいは納得のいく理由があるようには考えられない」というのですね。法律で三年と切った適当なる理由、納得のいく理由、そんなものはないという。ドライヤーからすれば考えられない。「したがって、当委員会は、公務員制度審議会が、この種類の何らか満足のいく解決をもたらすという目的から、この問題をさらに検討すべきであると勧告する」とこうなって、「勧告する」となっている。そうすると、これは公務員制度審議会でドライヤー・レポートをすなおにその趣旨に沿ってやっていこうということになると、公務員制度審議会で検討しなければならぬことになる。ということになると、これはなおのこと、その検討の過程でいま私が申し上げた具体的取り扱いも含めてたな上げにされていたわけですから、そうでしょう、それが期限が来て制定部分が生きたという今日までの状態から見て、公務員制度審議会が開かれていない、またいつ開かれるかの見通しも明らかでない、確信もお持ちでない、そうだとすると、ますますもってこれは宙に浮いちゃう。そうなると、これはやっぱり相当政府のほうでは慎重に取り扱い方を相談をしていただかなければならぬことには、責任が果たせない、こうなると私は思うのですがね。ここらのところはどうですかね。
  78. 増子正宏

    ○増子政府委員 ドライヤー委員会の報告の内容につきましては、いま御指摘になったような事項があることは承知いたしております。これはいまお読みになったところでも明らかでありましたように、勧告じゃない、勧告はしないということでございますから、まあ一つ考え方というか、意見をここで述べたものというふうに考えるわけでございます。そういう意味におきましては、問題必ずしもこの在籍専従の問題ばかりに限らず、いろいろな面でそういうものがございます。私どもとしましては、公務員制度審議会の本来的な目的からいいましても、公務員等の労働関係の基本に関する事項の調査審議でございますから、そういう面でいろいろな面について公務員制度審議会としては調査審議をし得る、そうして、そこできまった意見を出し得る、それによりまして、政府として行政上の措置なりあるいは立法措置を要するものは、それぞれしかるべき方法でそれを実施に移していく、こういう体制だろうと思います。いま指摘されたのは、その中での一つの問題というふうに考えておるわけでございます。
  79. 大出俊

    大出委員 いま増子さんの受け取り方が少し違うのですよ。在籍専従それ自体のよしあしについては、国際的な基準も慣行もないから、したがって勧告はいたしませんというのですよ。ただしかし、ここは勧告するというのです。いま言っておるのは、三年で禁止するというふうに法律で禁止したということについては、これは納得がいかないというのです。理由も発見できないというのです。もう一ぺん読みますよ。「法律で禁止することに関し、適当な、あるいは納得のいく理由があるようには考えられない。したがって、当委員会は、公務員制度審議会が、この種類の何らか満足のいく解決をもたらすという目的から、この問題をさらに検討すべきであると勧告する。」これは勧告なんです。だから、公務員制度審議会で検討するように勧告しますよ、こう言っておるわけです。在籍専従というものについてのよしあしということは、国際慣例もなければ、基準もない。しかし、両当事者が話し合っていくべき問題だ。それが原則だ。そこでこれは長い条文ですから引用しませんが、そこで、しかしこれだけは言える、だからこれだけは勧告するというのが、三年ということを法律で禁止した、これは理由がないぞ、だから、そこのところを満足のいくようにするために公務員制度審議会が検討しなさいということを勧告しておるわけです。だから、これは将来とも問題が起こる。また、われわれのほうはILOへ持ち出しますから、そこでまた問題になる。だから、この種の問題はほんとうを言えば、公務員制度審議会が開かれていての上ならば、政府がおやりになることもいい。しかし、開かれなかったのですから、本来ならば、あなたのおっしゃるとおり二年、三年という先なんですから、一年待てないことはない。そうだとすれば、ほんとうなら、この部分は生かさないでおいて、何らかの措置を講じて、公務員制度審議会で論議すべきであった、私はそう考えておるのだけれども、結果論としてはしかたがない。だから、この点を念のために私は申し上げて意見を聞いたわけです。  それからもう一つ、専従の許可という問題についてドライヤーはものを言っておるわけですね。専従の許可と自由裁量、二千二百三十九項ですよ。ここでは、自由裁量権を当局が持つということは、非常に危険だというのだ、結社の自由との関連で。この男は好ましくないといって専従を許可しなかった、こういうことになれば、これは明らかに八十七号条約違反だと言っておるのですよ。「そのような制度(使用者が専従者を承認したりしなかったりする)は、実際問題として労働組合間の差別待遇という結果におちいるかもしれないし、そのため、この制度が、結社の自由及び団結権保護条約(一九四八年八十七号)の規定に抵触することにもなりかねないし、」その危険があると言っておる。「あるいは、団結権及び団体交渉条約(一九四九年九十八号)の規定にもとる方法で、使用者が組合役員の選出に介入することを許すことになるかもしれない。」二千二百三十九項。これなんかの問題だって、専従たなおろしをする云々ということになれば、当然これは公務員制度審議会で、学者も入れた中で、双方の言い分も出して論議しなければならぬ問題です。それらの問題が全部そのままになっているままで出されている。出されていることについて詳細な準備が整っているかというと、ない。それでは政府責任が果たし得ないのではないかと思っておる。後段のここらのところはどうですか。
  80. 増子正宏

    ○増子政府委員 その御指摘のあることも、私ども承知いたしております。したがいまして、この在籍専従制度の問題を論議いたします場合には、当然そういう観点からいろいろ議論が出て結論を求めなければならぬだろうというふうに思っておるわけでございます。
  81. 大出俊

    大出委員 私はいま一つ例をあげましたように、実際問題はすでに起こっている。起こっているから取り上げているわけなんです。単なる予測で申し上げておるのではない。  それからもう一つここで承っておきたいのですが、労働省の方をあまり長くお引きとめするのは恐縮ですから先に承りたいのですが、職員団体の構成という問題ですね。ここで混合組合をつくっていいようになりましたね。そこで、この混合組会というケースで地労委に提訴が行なわれて、地労委が却下をした。そこで中労委に提訴が行なわれている、こういうケースがあるわけです。これもやはりILO八十七号条約と非常に関連する地方公務員制度としての一問題点です。そこで例をあげますと、京都の南丹病院の事務組合で、ある自動車の運転手さんが——名前を申し上げないほうがいいですから、まあある運転手さんということにしましょう。この方が配置転換を受けた。ところで、この配置転換を受けたのは、作業員ということですね。ところが、この管理者の方々のほうからは、給与表その他一切変更はございません、こう言い切られて職種転換をしたわけであります。そうしたところが、給与表がたいへんに違って低い。そこで、これは不当労働行為になりやせぬか。管理者がそう言ったとすれば労働法七条の適用ケースであろうということで、これが地労委に持ち出された。ところがこの混合組合は、一般職方々の中に一部地方公企労法適用の方々が入っている。そういう混合組合ができるようになった。したがって、それでつくられた組合、こういうわけです。ところがこれは地労委で却下になった。却下理由というのは何かというと、主たる構成員が単純労務の方々でなく、一般労務の方々だ。単純労務の方々が少ない。したがって、地労委としては労組法の適用は受けないものと解釈する。だから、内容についてはいろいろわかるけれども、つまり適用のしょうがないのだといって却下をした。しかし、少なくとも労働組合法は個々の人たちの権利を守ってあげなければいかぬ法律ですよ。そうすると、こういう職員の構成から労組法の不当労働行為という問題が適用されないのだということになれば——この組合としては、地方公営企業ですから、当然単純労務には労組法が適用されるべきですよ。そうだとすれば、これは当然救済対象になるはずだ。ところが、構成の面でこうなっているということで却下だ。だから中労委に持ち出した、こういうことなんですね。ここらのところは自治省とからむわけですよ。区分なんかについては自治省の権限。ところが、さていまの段階にくると労働省の権限。したがって、こういうケースについては、どっちへ行っても救済されないなどということはあり得べきではない、そう思っておりますが、その原則に立ってどういう御解釈をなさるのか、それを承りたい。
  82. 大塚達一

    ○大塚説明員 ただいまの先生の御指摘の南丹病院の件は、私、承ってはおりますが、ここで個別的に一つ一つのケースについての判断を申し上げるべき立場では必ずしもなく、むしろそういう判断は地労委なり裁判所なりがすべきものであろうと思いますので、個別的な具体的判断としてお聞きいただいては困ると思いますが、一般論的に、地方公務員法とそれから私どもの所管しております地方公営企業労働関係法の対象者、これの団体的な労使関係についての取り扱いにつきましては、地方公営企業の職員や、それからいわゆる単純労務者、これが主体になって組織している労働組合と、それから地方公営企業職員以外の地方公務員法一般職公務員、これが組織している団体、それを法律はそれぞれ分けて取り扱っておるわけでございます。そして、前者を労働組合法上の労働組合として取り扱い、後者は地方公務員法の職員団体という取り扱いになっておるわけでございます。その場合に、それは一点のまじりもあってはならぬというものではございません。それぞれどちらかが主体になっておるということで判断して、労働組合あるいは職員団体ということを判断すべきものであろうと存ずるわけでございます。その場合に、たとえばその所属している団体が労働組合である場合、ただいま御指摘のあったような単純労務者あるいは地方公営企業職員が当該労働組合の活動をしたことのゆえをもって不当な差別待遇を受けたということになりますれば、これは当然労働組合法上の不当労働行為としても提訴できますし、またこれは救済の道が開かれておるわけであります。ただ、その所属しております組合が職員団体の場合でございますと、労働組合法でいうところの労働組合ではございませんので、その当該団体のためにした行為は、直ちには労働組合法上の不当労働行為ということで取り上げて処理されるということにはなっておりません。しかし、その身分がいわゆる単純労務者あるいは地方公営企業職員で地公労法の適用を受ける職員の場合、労働組合のためにしたものについては、すべて不当労働行為としての救済が行なわれる、そういう限りにおいて労組法のほうでは救済が受けられるというふうに考えておるわけでございます。ただそれが、いま申し上げましたように、職員団体のためにした行為になりますと、労働組合法上は救済し得ない、こういう問題が残るわけでございます。
  83. 大出俊

    大出委員 大臣、お見えになったからもう一ぺん申し上げますが、いまのケースは自治省のほうとからむのですが、京都の南丹病院の組合員の方で、自動車の運転手をやっておる。そうしたら、管理者の方が作業員のほうにかわってくれと配置転換した。そこで御本人が聞いてみたら、給与表というものは変わらないのだから、実際落ちることはない、行ってくれと言われて、そちらのほうに職種転換をした。ところがあとで調べてみたら、給与表が違うからがたんと落ちる。これは明らかに不利益な取り扱いになる。そこで、これは労組法第七条にいうところの不当労働行為という意味の救済措置を講じられてしかるべきではないか、こういう解釈で地労委に提訴をしたわけですね。そうしたら、この組合はどうなっているかといいますと、地方公企労法の改正以後、つまり混合組合という組合ができるようになって、一般職、それから単純労務の方、こういう組合。したがって、「主たる」という例の文字——ILOのときにたいへんもめましたが、あれにひっかかりまして、主たる構成員が一般職だ、単純労務の方々が少ない、だから労組法の適用は受けないのだということで、地労委が却下をした。ところが、この方々が適用を受けているのは、たとえば地方公営企業労働関係法の労働組合でして、そうなれば労組法の適用はある。あるから七条の不当労働行為の救済はできる、こういうわけですね。そこで、これは中労委に持ち上げたわけです。これはどうなるかわかりません。わかりませんが、私が指摘を申し上げたいのは、いまの御答弁でも、少なくともこの人にとっては労組法七条の適用はあるわけですよね。そうすると、組合の構成という問題とからんで、実は適用をしないという結論が出る。私はいまの状態から見ておりますと、中労委もこの地労委と同じ結論を出すと思う。いま一般論としてお答えをいただきましたが、これは本人はその意味で救済されるべき人間だと言い切っておられる。にもかかわらず、職員団体の構成、つまり主たるという問題、それから混合組合という問題、これはドライヤーは勧告しておりますけれども、小さな町の中に十の職種の違うものがあれば、十の組合をつくらなければならぬ、それは間違いだという意味——それじゃ組合が強くならぬじゃないかという意味のものを出しておりますけれども、そういうものと関連をして、一体自治省の側から見れば、これはどういうことになるか。私は、こういう構成のしかた、それから現行法の「主たる」という文字について、私はあれだけ論議したのですから、私はこだわり過ぎるくらいILO特別委員会で質問をしましたが、主たるという文字がたくさんある。「主たる」という問題にうんと私はこだわった。なぜかというと、こういうことになりかねない。だから、それらの点を振り返りまして、これはあらためて地方公務員制度ということになってくるとすれば論議をし直さなければならぬものだと私は思っておりますけれども、現実の例が起きましたから申し上げる。しかし、それをずばりお答えしにくいというなら、一般論でけっこうですから、自治省のほうの皆さんはどうお考えになりますか。
  84. 森清

    ○森説明員 京都の南丹病院の事件そのものについては私何にも存じませんので、一般論として申し上げますが、公営企業職員あるいは単純労務職員が、いわゆる身分救済という面で一般職地方公務員が持っておるような人事委員会あるいは公平委員会に提訴して救済を受けるという制度はございません。したがって、そういう意味での救済は受けられませんが、もちろんこれは行政不服審査として最終的には道を開いている、司法裁判所による救済の前身的なものとしてやられるべきでありますが、最終的には、法律的には同じような救済措置があるわけであります。  問題は、労働組合を結成している場合に、あるいは労働組合を結成しようとしている場合に、その労働組合、いわゆる団体としての労働組合との関係で不当労働行為というものが成立するわけであります。ある個人が不利益な取り扱いを受けたことそのものは、この労働組合法七条の問題ではないわけであります。その個人に対する不利益が、労働組合そのもの、あるいは結成しようとすること自体に関係する場合でございます。そうすると、その労働組合を結成しようとかあるいは結成しておるその実体がなかった場合に、七条は直接には適用になってこないという判断、これもまたいたし方ないことではないか。そういたしますと、そういった意味での単純労務職員なり公営企業職員が不利益な処分を受けたときにどういう手続があるかというと、たとえば苦情処理機関というふうなものがあれば、そこで妥当な解決もできましょうし、また最終的には、労働者がそういう地位の向上を求めるためには組合の結成が認められておるわけでありますから、積極的に組合を結成するという方向で解決すべきものではないかと思います。しかし、法律的に申しますと、最終的には司法裁判所の判断も入るわけでございますが、そういう意味での行政不服審査としての人事委員会、公平委員会制度には入らないし、また労働組合を結成していない以上、不当労働行為制度もない。したがって、そのほかの方法を使っていただくより現在のところしようがない、こう思っております。
  85. 大出俊

    大出委員 だから、そうなると、これは私申し上げるように、中労委だって却下するのですよ。そうなると、こっちからお答えになっているように、あくまでも地方公営企業労働関係法の適用組合員ですよ。そこで問題は、とにかくそうなるとすると、ILO条約八十七号というものを批准をいたしましたから、結社の自由というものは明らかになっておるわけです。それに私はまた問題が戻ると思うのです。だから私は、たとえば構成員、これは混合組合ですから、組合に入っているもので構成しているのですよ。あなたのお答えはそこのところがはっきりしないけれども、主たるという問題にからんで、主たる構成員は一般職方々なんだ。したがって単純労務の方々は主たる構成員じゃないのだ。だから、これは職員組合という一つのカテゴリーに入るのだ。だから、その方々地方公営企業労働関係法の適用を受けている方々だけれども、しかし、職員団体というケースでものをとらえるのだ。そうすると、労組法の適用はないのだ。ないから、ケースとしてはそっちのほうのケースだけれども、却下いたしますよ、こういうわけですよ。そうなると、主たるという問題が消えておれば、何人も入っておるのですから、一人や二人じゃないのですから、この方々は単純労務なのですから、そういうとらまえ方をして取り上げられる。しかし、主たるという問題とからんで、法規制からいけば職員組合なのだ、職員団体なのだということになる。そうすると、不当労働行為には該当しない、こういう問題が出てくる。これは一体将来は、八十七号を批准した以上は、どういうようにすればいいのだという問題、それを私は聞いているわけです。
  86. 森清

    ○森説明員 不当労働行為制度というのは、世界じゅう全部がこういう制度をとっているわけではございませんで、特定の国がとっているわけでございますが、一般の職員が職員団体を結成しようとしあるいは加入したことによって不利益な取り扱いをしてはいけないということは、地方公務員法にも書いてあります。しかし、それをしたときのいわゆる不当労働行為制度的な意味での救済措置は、一般職員にはないわけでありますから、したがいまして、一般職員がつくっております職員団体にたまたま単純労務の職員の方々が入っておられるのだと思いますが、もちろんそういう意味では団体における地位というのは一般職員と同じように扱われてもやむを得ないのじゃないか。そうしますと、一般職員につきましては労働組合法が適用になりませんので、結局不当労働行為制度、ここにいわゆる労働組合法第七条にいうような不当労働行為制度による救済ということはないわけでございます。したがって、問題は、一般職員にも労働組合法を適用するかどうかということに帰着するわけでございます。その問題の解決がない限り、そういう矛盾が起こることもあるいはやむを得ないのではないかと思います。
  87. 大塚達一

    ○大塚説明員 ただいまの先生の御指摘でございますけれども、私どもは、地方公務員の中の一般単純労務者について労働組合法の適用の道を開いておるということは、一般職の職員でありながら、その職務内容自体はいわゆる民間の労働者に近いものがある、そういう趣旨で、その団体的な労使関係について、一応その労働条件を労使の交渉できめるような形でそういう道を開いておるわけでございます。しかしながら、そういう道を生かすためには、やはりその適用対象の単純労務者の方々が労働組合を結成しあるいはこれに加入してその権利を行使していただくのでなければ、なかなか現在の制度では、先ほどから自治省からも御説明申し上げ、私どもも申し上げましたように、現在職員団体としての行為、職員団体を結成しあるいはこれに加入せんとする行為について、労働組合法の適用はございませんので、そういう意味でいわゆる行政的な救済措置というものは与えられていない。しかし、その人たちが労働組合を結成しあるいはこれに参加するという形でその権利を行使していただくならば、現在の労働組合法の救済措置もこれは利用でるきわけでございます。一つにはそういう方法で活用していただくこともできるのじゃないか、こういうふうに考えております。
  88. 大出俊

    大出委員 いまのお話は、それでよろしいという皆さんの御解釈なら、これから申し上げる反論があるのです。  そこで承りたいのですが、管理職の範囲について、例の公務員制度審議会をめぐるやりとりで、結果として皆さんは実施をされたわけでありますが、地方公務員あるいは自治労というふうに申し上げてもいいのですけれども、管理職は数でどのくらいふえましたか。
  89. 森清

    ○森説明員 もともとそういう制度がございませんでしたところ、去年六月につくりましたので、それがどのくらいふえたかと言われると申し上げかねますが、現在管理職の範囲に決定しておりますものの人数は申し上げられます。
  90. 大出俊

    大出委員 私ここに実にこまかく調べたものを持っているのですが、目が遠いのか見えないくらい小さい数字があるのだから、申し上げればいいのだけれども、皆さんのほうの正確なものを聞きたい、こう思ったわけでございます。
  91. 森清

    ○森説明員 十月二十三日現在の調べでございますが、都道府県で管理職に決定された者の数は、三万七千三百一名でございます。それからいわゆる政令都市でございますが、それが五千五百六十九名、それからそのほかの市町村でございますが、五万九百五十七名でございます。
  92. 大出俊

    大出委員 そこで、ある出張所で三人しかいないのです。そのうち、二人管理職に指定してしまった。そうすると、一人しかいない。これはどうさか立ちしたって、一人じゃ組合できませんよ。それをあなた、単純労務の方々が一人残ったからって、その人を組合をつくって救済しろといったって、つくりようがないでしょう。三人のところ、二人管理職にしてしまったところはたくさんあるのですよ。だから、法律をつくるときにもう少しものごとを考えてもらいたい。そうなれば、そんな隣の市町村へ行ってつくるわけにはいかないのだから——さっき申し上げたように、全国の市町村の数は、北九州五市合併のあとは、今日二千五百八あるわけです。そうすると、公務員なんというものは、全部では星の数ほどあるのだけれども、いないのだから、それをつくれといったってできようがない。そうすると、「主たる」だなんということはあんまり言っていると、へんてこりんなことになる。だから、これは職員団体の構成ということについての現在の法規のミスなんです。不備なんですよ。まさにドライヤーの言うとおり、組合を弱めることになる。しかも管理職をこれだけ抜いたことも、組合がたいへんな打撃をこうむるようなひっこ抜き方は慎めとドライヤーは言っいる。これは慎むどころの騒ぎじゃない。見てごらんなさい。十月二十三日で、都道府県で三万七千三百一名、政令都市で五千五百六十九名、市町村の段階で五万九百五十七名。三人で組合ができるのに、三人のところ二人ひっこ抜いたから、一人になってしまう。そういうことじゃ——そこは、所長兼事務員兼小使をみんなやっているのです。そこまで、出張所長だからといって管理者、出張所次長だからといって管理者、あと単純労務の一人しかいない。これはおかしな話です。特に地方公務員の場合、自治労傘下の場合、皆さん所管をされている傘下というのは、非常に細分化されているわけです。だから、そこのところをそういう取り扱いをしたことについて、三人のうち二人が管理職ということについて、どういう御意見をお持ちなんですか。
  93. 森清

    ○森説明員 ただいまの管理職の範囲、約十が人程度になりますが、職員団体を結成することができる地方公務員の数は約百三十万ほどでございますので、七、八%ということでございます。ちなみに国家公務員の場合は、たしか八%か九%だったと思います。だから、総体的には別に問題がなかろう。三公社五現業等の実情を見ましても、もう少し率の高いところできまっておると思うのです。ただ、小さい規模の事務所等で、その事務なり事業の性格上、そのようにきまった場合も例外的にはあろうかと思いますが、おおむね三名程度のたとえば駐在所——駐在所といいますか、たまり場というようなところでは、管理職がおろうはずがございませんので、きわめて例外的な特に管理的な仕事をしておるような小さい事務所で、そのようなことがきわめて例外的にあるところもあろうかと思います。しかし、一般的な問題ではなかろうと思います。また、ことばを返すようでございますが、一名残ったと言われましても、それはその単位の事務所で一名残るだけでございまして、地方公務員であれば、他の事務所あるいはほかのところとも一緒になって職員団体を結成するのが普通でありまして、その事務所ごとに職員団体を結成しておる例というのは、現在の地方公務員の現状から見れば、ほとんどないわけでございます。また、自治労の組織方針も、そのような事務所単位に職員団体を結成しろということではなくして、その市町村単位あるいは府県単位に職員団体を結成するという方針でございますので、先生の御指摘のような組合員一人の組合をつくらざるを得ないではないかということはないのではないか、こう思っております。
  94. 大出俊

    大出委員 あなたいま七、八%というふうに言われましたが、県単位というお話もありましたが、徳島、広島、愛媛県というのは、一〇%をこえておりますよ。お調べください。
  95. 森清

    ○森説明員 県の場合でございますと、一〇%はこえてなかろうかと思いますが、市の場合、あるいは町村の場合、団体が小さくなりますので、どうしても管理職のウエートが大きくなるのは、これはやむを得ないことだと思います。個々には一〇%をこえているようなところもあろうかと思います。
  96. 大出俊

    大出委員 徳島、広島、愛媛県、一〇%をこえておりますね。あなたのほうは御存じない。ひとつどのくらいのパーセンテージに各都道府県、各市町村がなっているのか、一ぺんおつくりをいただきたいと思います。  ところで、増子さんに承りたいのですが、管理職の範囲というのは、例の公務員制度審議会で論議をしてきた過程では、論議をしたのですか、しないのですか。しかもどうなっておるのですか。
  97. 増子正宏

    ○増子政府委員 論議ということの内容でございますが、この範囲をいかにすべきであるかというような観点からの意見のやりとりということは、なかったかと存じます。しかし、問題を含みながらの意見、見解発表というような形は、あったように記憶しております。
  98. 大出俊

    大出委員 それならば、論議しなかったということになる。ドライヤー報告は、管理職の範囲拡大問題について、「本委員会は、管理職員等の範囲について、その現有の、あるいは潜在的な組合員の相当部分を奪うことによって、その団体を弱体化するほど広範囲に定義を行なうべきではないこと」、また、「人委事員会及び公平委員会が各別に行なう管理職員等の指定について、その間に一そう高度の一貫性を達成すべきことを勧告する。」こうなっているわけですね。これは二千二百二項、節は五十四節です。結社の自由委員会は、管理職という概念が、日本では通常団結権が与えられているカテゴリーに属する数千人の人々をカバーするほど広い意味で適用されている。各国からながめてみると、やたら管理職をつくってしまうという、みな組合のほうを弱めるために取り上げてしまうという五十四次報告で明らかですね。そうすると、公務員制度審議会が論議もしないでぽかっとやってしまって、公平委員会、人事委員会にぶんまかしてしまうということにするものだから、いま私が申し上げたようなたいへんな、管理職をやたらつくってしまうということになる。ここにも増子さん、公務員制度審議会が、本来ならば地方公務員制度のあり方について早急に十分な論議をしなさいと言っているのに、そっちのほうを先行させようとしないで、片一方のほうだけどんどんやってしまう。そこへ持ってきて、おまけに、今度公務員部をまたすぐつくるという、片手落ちも何も話にならぬでしょう。地方公営企業法についたって、ドライヤーは幾つも指摘しているでしょう。ところが、そんなものは一つも本格論議をやろうとしないで、制度だけはどんどん締めつけを強めるようにつくってしまう。そういうことであっていいのかどうかという、大きな問題があるわけであります。つまりこの管理職の範囲についても、ドライヤーは、さらに「公務員制度審議会によって検討をさるべきことを勧告する。」といって勧告しているのでしょう。これは二千二百二項の一番末尾です。こうなっているということになりますと、私はどうもあまりにも一方的過ぎやせぬかと思う。これは俗なことばで言えば、ひど過ぎるじゃないかということになる。それで、七、八%だから適当にうまいぐあいにいっているんだなんていうけれども、それは組合だって、強いところと弱いところとあるのですから、組合ががたがた騒ぐところというのは、そうそうふんだくれないものだから、五、六%になっているところもある。ところが、ものを言わない静かなところというのは、がしゃり持っていく。そういうことになっていると、一貫性を主張しているドライヤーの言い分からすれば、これはあまりにも凹凸があって、一貫性を欠く。公務員制度審議会が審議されなかったにしろ、八十七号条約を批准した結果としてあらわれていることなんですから、せめてドライヤー・ミッションくらいはやはり筋を通してお考えいただいてやっていただかなければ困るんじゃないか。あぶなくてしょうがない。うっかり公務員部をつくられたら、何をするかわからない。大臣、そこはどうなんですか。
  99. 藤枝泉介

    藤枝国務大臣 公務員部につきましては、これは御承知のように、提案理由でも申し上げました自治省責任体制を確立するということでございまして、地方公務員制度に関して、何ら自治省の権限がふえもしなければ減りもしない。ましてや地方公務員の労使関係に変更を加えるというものではございません。そういうことで、基本を調査する公務員制度審議会の議を経なかったというのは、そういう意味でございます。また、管理職についていまお話がございましたが、管理職というものは、あくまで客観的にきまるものであろうと私は考えます。労働組合を弱くするためによけいにしたり、あるいは労使間の力で少なくしたりというものではない。あくまで客観的な立場でやると思うのでございますが、ただ、これは先ほどもお話がございました日本の給与制度そのものが、なかなか本筋で基準給与を上げるわけにはいかない場合があって、いろんな、たとえば管理職をふやして管理職制度で管理職手当を出すとか、あるいはいろいろな手当をつけるとか、そういうことが外国の例と違いますので、そういう意味で、外国から見れば、いかにも管理職というものが多過ぎるではないかという批判は、一応受けるのも当然だと思います。いずれにしましても、私は管理職というものは客観的にきまるもの、労使間の団体交渉などできめたりするべき、あるいは使用者たる地方公共団体のほうが力で管理職をたくさんつくるというような意味のものではないというふうに考えます。
  100. 大出俊

    大出委員 別に大臣がおっしゃることにこの席で反論しようという気じゃないのですが、ただ見解の相違もありますし、少し受け取り方の相違がありますから、つけ加えておきますが、ドライヤーは管理職の範囲についても話し合ってきめろという趣旨のことを言っているのです。それがすべての前提になっている。ただ、一貫性ということが一つあるから、公務員制度審議会で一つの一貫性というものを持たしたらどうなんだろうか、こう言っているわけですから、そこのところは誤解のないようにひとつお受け取りいただきたいと思います。  それから、ここでひとつ私は構成についてどうしても疑義があるのです。というのは、ドライヤーの言い分をここで紹介しますと、二千百六十七に、日本の実情をきわめてよく知ってものを書いておる。「法律の再検討にあたって、現在地公法の適用を受けている者について、より簡単にして、合理的な形の労働組合の組織を助長することが望ましいことに対し、特別の考慮が払われるべきである。」あまり複雑な法規制で小さなものをやたらつくってしまうということはよくない。だから、それは特別な考慮を払って、もっと大きなもので助長しろと言っているわけですね。さらに受けて、「日本には四十六都道府県及び数百の独立の村を含む三千五百」——正確には三千五百八でしょう。「三千五百の地方公共団体がある。各地方公共団体は、みずからの教育部局、ガス及び電気事業、水道事業、職業安定所、地方税務事務所等を組織している。地方公務員法(教員は別である)のもとでは、これらの職員は十の異なった事務所につき十の異なった組合を組織することを法律的に要求されている。」それはそうでしょう。「このほか、各村には、わずか二、三人の単純労務者がいるであろう。彼らの団結権は、地方公営企業労働関係法によって規制されており、二、三人の組合員からなる組合を結成するようになるかもしれない。」現にさっき申し上げたとおり。「もし村において六人の水道職員を雇用している場合、彼らが団結を希望するならば、同法により別個の組合を組織しなければならない。」法律の筋からいけばそうなる。しかも、そこから所長だ次長だと引っこ抜けば、六人が四人になる。「一村の学校が四人の教員を有する場合、彼らは彼らだけの組合を結成する。十の異なった事務所ごとに結成された労働組合の人々は、当該村の範囲においてのみ連合体を結成することができるが、かかる連合体は前述した一村の二、三人の単純労務者、六人の水道事業従事者、または教職員を含めることはできない。」、幾ら何を言ったってしょうがない。そうなっている。「教員は別として、これらの職員(水道事業従事者及び単純労務者のこと)は、一村の範囲を越えた連合体、または合同組合を結成することはできない。その結果、一つの村の二人の単純労務者組合が、他の村の二、三人の単純労務者組合と連合体を結成すれば、当該連合体は、いずれの村の当局とも交渉する法律上の権利を主張することはできない。」、どうですか。課長、あなたさっきあんなことを言うけれども、そのとおりじゃないですか。違いますか。あなたはさっき二、三人じゃなくて、もっと向こうと一緒になればいいというけれども、一緒になったら、こっちの村ともこっちの村とも交渉できない。そういうことを言ってはだめです。あなたは法律の専門家としてお出になって、私はすぐ言おうと思ったけれども、あまり失礼だったから黙っておった。気がつくかと思ったけれども、あなたは気がついていない。つくるといったってできないでしょう。もう一ぺん言い直してください。そんな不見識なことがありますか。
  101. 森清

    ○森説明員 ドライヤー・レポートの二千百六十七号に指摘されておりますこと、これは批准に伴う改正地方公務員法が施行される前の話であります。前の話であっても、このことは少し表現がオーバーであろうと思いますが、改正後においては、このようなことは大部分が緩和されております、たとえば教員でございますが、おそらく外国では村ごとに教職員——日本もそうなっておるわけでありますが、そうすると、村ごとに給与をきめるということになっておるのだろうと思います。したがいまして、その村長と教員の給与を交渉するということになるのだと思います。わが国では、義務教育職員の給与は都道府県の教育委員会が決定するということになっておりますので、組合の勤務条件の向上を目ざすとするならば、市町村長当局に対する交渉よりか、むしろ都道府県教育委員会に対する交渉のほうがより実質的であります。そのような事情の違いもありますし、また改正された地方公務員法あるいは地方公営企業労働関係法によりますと、ここに指摘されているようなことは、大部分解決されているのではないかと思います。全部が解決されているとは申しませんが、大部分は解決されているのではないか、こう思っております。
  102. 大出俊

    大出委員 どうもあなた、率直に間違ったことは間違ったと言わなければいけないですよ。ドライヤー報告というのは、改正法の前に出ました。出ましたが、改正法を全部研究した上でものを言っているのです。例をあげて申しましょう。いいですか、これはドライヤー・レポートですから、そう思ってお聞きいただきたいと思います。「改正法では、地方公共団体の中で働いている国家公務員等やこれまで地方公労法の適用を受ける単純労務者が、地公法上の職員団体に加入していても、それの登録が受けられる手続はきめられているが」ということが、百も承知で言っているのです。案はできておったのですからね。だから、そこのところは、あなたはそう言うけれども、解決しないからものを申し上げている。  続けますが、「したがって、地方公務員法の適用を受ける百四十五万七千二百九十八人にのぼる組合員が」、あなたはさっき百三十万とおっしゃったが、百四十五万七千二百九十八人というのがドライヤー委員会の算定です。百三十万でなくして、もっと今日ではふえているのではないかと私は思う。そこで、「およそ三千以上の組合に分断され、これらの組合のみがそれぞれ属する組合員のために交渉する法律上の権利を有するという事態が生じている。」だから村の中で六人の水道従業者がいて、二人管理者に引っこ抜かれれば、四人で組合をつくらざるを得ない。向こうの村の組合員四人と一緒になれば、村長さんは連合体だからというので、交渉主体としては受けませんよ。そうなれば、四人でつくって、四人で村長に交渉するより手がない。だから、管理職の範囲というものが拡大されれば、さっき言った三人のうち二人になれば、あと一人しか残らない。一人で村長にどう交渉するか。守れないでしょう。そこに混合組合というもののシステムができておるわけです。だからこそ、混合組合をつくってしまえば、今度どうなるか。これは改正案の趣旨をくんでできておるものです。そなたが言うようには解決しない。混合組合をつくるほかないというから、つくってやっていこうとすれば、不当労働行為になっても、労組法上の救済措置は行ない得ない。そうなれば、一体どうしたらいいんだという問題が残るでしょう。だから、こういう問題点については少し御研究をいただかないと——そういう筋になりますね。別にあなたを困らせるつもりで言っているのじゃないですから、誤解しないでくださいよ。だから、こういうことになってしまうんです。「平均的な組合は、四百人から五百人の組合員を有しているが、約一千の比較的小さな市町村においては、平均二十人から三十人の組合員からなっている。」ドライヤーの言うとおりですよ、これは。自治労の書記長に聞いてもはっきりしておる。「最も現実的な解決策は、自治労または少なくともその県本部に対して、教職員を除くすべての地方公共団体及び地方公営企業の職員を組織し、かつそれが希望する場合、全国組織の地方支部を通じて市町村と交渉することを許すことであろう。」こういうわけです。自治労の方針だってそうなっているのですが、あなたは自治労を登録団体として認めていないじゃないですか。登録団体として認めていますか。
  103. 森清

    ○森説明員 大出先生の御指摘は、職員団体を結成できるかどうかということと、その職員団体に登録される資格要件があるかないかという問題と、二つ分けてお答えしなければならないかと思うのでございます。職員団体が職員団体として結成されますれば、それは当然に職員の勤務条件の向上を求めて交渉を求めるわけでございます。当局は、そういう団体と交渉することが正常な労使関係の確立に役立ち、また勤務条件の改善に役立つということであれば、これは交渉するものであります。地方公務員法はそれを予定しておるわけでございます。ただ、登録されましたならば、多少恩典があるわけでございます。恩典の一つは、法人になれること、それから在籍専従が許されるということ、それから、恩典というかどうか別でございますけれども、少なくとも登録職員団体から交渉の申し出があれば、必ず交渉に応じなければならぬという義務があるという法律の表現になっております。そういうことになっております。小さい職員団体を考えますと、在籍専従も、もちろん千人に一人くらいの割合ですから、そういうことは考えられませんし、法人格を持つという実益も、ほとんどございません。交渉するかしないかは、その職員団体の内容あるいは交渉事項ということによってきまってくるわけでございますから、そういうことから言えば、かりにそういう事態で登録されない職員団体であったといたしましても、小さい団体等では、そう困らないのではないか。そういうことで、実質的に団体の結成そのものに対して法制が阻害を与えているということにはならない、このように解釈いたし、また現実もそうではないかと思っております。
  104. 大出俊

    大出委員 森さん、とんでもないことをあなた言うんで困るんですよ。佐久間さんのやっておられるころは、専門家だったからかみ合うのですけれども、あなたとはどうもかみ合わない。大臣、さっき非公式に専門家がしろうとをいじめては困るとおっしゃったが、いじめる気はないのですよ。実益はない、恩典とは何事ですか、法人登録が。八十七号条約の七条を読んでごらんなさい。恩典ではない。結社の自由は最大の権利ですよ。法人登録を認めないということは、結社の自由、八十七号条約違反ですよ。言い切っているのですよ、ILOは。恩典どころじゃないですよ。八十七号条約の第七条をあけてごらんなさい。そういうものの考え方だから、労働組合に対するものの解釈が全く違ってしまうわけですよ。「労働者団体及び使用者団体並びにそれぞれの連合及び総連合による法人格の取得については、この条約第二条、第三条及び第四条の規定の適用を制限するような性質の条件を付してはならない。」法人格を与えなければならないとはっきり言い切っておる。だからこそ、学者の意見を見てごらんなさい。今度の答申の中でも、新しく法律をつくれと学者も言っておるでしょう。なぜかというと、非登録団体が法人登録ができないとなれば、これは八十七号条約に抵触してしまう。だから、公益委員の意見としては、非登録団体は新しく法人格を取得できる法律をつくれ、早急に検討しろという意見をつけて答申しておるのです。何が恩典ですか。とんでもないですよ。条約を読んでごらんなさい。
  105. 森清

    ○森説明員 恩典ということを申し上げたことについては、ことばが過ぎておりますので撤回させていただきますが、ただ、わが国の法人格の制度につきましては、諸外国のあるところでは、団体を結成すれば法人格というものを持たなければ団体として行動できないというふうな法制のところもあります。わが国は、法人格の取得については、非常に厳格な許可主義とか認可主義というものをとっておりますから、現実に団体の事実はある、しかしながら、法律上の法人格はないというものについては、判例で人格なき社団というものを生み出しまして、そうして現実に法人格を持っておるものと同じような活動ができる、あるいは裁判所に出訴する権利も持つというようなことが判例上確立されておりますので、そのような事態をもあわせて考えますと、現在のように登録されない職員団体に対しては、そういう意味での法人格、いわゆる法律上の厳格な意味での法人格を与えないでも、八十七号の条約に違反しないという解釈であろうと私は思っておるわけですが、なお、公務員制度審議会等でも議論になりまして、将来の法人格の付与の問題、特に自治労のような全国的な組織については、法人格の付与については検討しようということになっておりますので、鋭意検討中でございます。
  106. 大出俊

    大出委員 日本政府がいろんなことを言っていきましたが、ILOは一切受け付けない。法人格取得については、明確な勧告を出しておる。日本政府は、法人格を取得しなくても、財産をあまり持っておらないから実害がないという一点張りなんです、ILOに対しての答えは。それでは実際に実害がある例をあげましょう。都職労というのは、いま登録団体ですか。
  107. 森清

    ○森説明員 登録団体ではございません。
  108. 大出俊

    大出委員 自治労の川崎市というのは、登録団体ですか。
  109. 森清

    ○森説明員 川崎市職労は、登録団体ではございません。
  110. 大出俊

    大出委員 川崎市労連というのはどうですか。
  111. 森清

    ○森説明員 名前を間違えました。市労連でございます。
  112. 大出俊

    大出委員 これはいずれも登録団体ではないですね。都職労は七万ありますよ。なぜ登録団体でないかというと、区が入っておるから。おまけに区の中には区の職員というものはうんと少ない。都の派遣、出張がうんと行っておるでしょう。実際問題として一緒にならざるを得ないのですよ、一緒に仕事をしておるのだから。派遣職員、出張職員、そっちは違うのだ、そんなことはできないじゃないですか、同じ条件で仕事をしておるのに。そうでしょう。そうなりますと、入れざるを得ないわけですよ。また入れなければ組合にならない。だから、一緒にやっておる。そうしたら、これは登録団体ではない。七万人もあって、いろんな財産を持っておって登記ができない。川崎市労連を見てごらんなさい。川崎市の職員は、水道、交通、みな入っておる。みんなが金を出し合って市労連合会館をつくっておる。たいへんな財産です。これが登録できないから、登記してない。ILOの八十七号条約から見れば、いかなる団体であろうとも、法人格を取得させなければならないことになっておる。だから、実際問題として公務員制度審議会から出された答申の中でさえ、非登録団体といえども法人格を取得させなければならない、だから法律をつくれというようなことを言っておる。これは増子さん、検討していますか。
  113. 増子正宏

    ○増子政府委員 検討いたしております。
  114. 大出俊

    大出委員 検討いたしておるということですから、それはわかりますが、あなたが言っておるように、恩典では困りますよ、権利ですから。  ところで、私がいま申し上げました都職労、これは東京のおひざ元ですからわかると思うのですが、七万人もいまして、旧来から長い伝統のある組合ですね。それが区があるからというので、区の中では一緒に仕事をしておるのに、これは登録団体として取り扱えないというのは、矛盾だとお考えになりませんか。大臣、どうですか。
  115. 藤枝泉介

    藤枝国務大臣 いまの地方公務員法からいって、どうしてもいまの都職労というやつは、登録団体にはできないわけで、はたしてそういうことがいいかどうかという現実の問題になると、いろいろ問題はあろうと思います。したがって、いま質疑応答にありましたように、公務員制度審議会で検討もしろというようなこともあるわけでありまして、そういうものは検討していかなけばれならぬと思います。ただ、現行の制度としては認められないということだと思います。
  116. 大出俊

    大出委員 先ほどから私が幾つか例をあげているだけでも、たとえば単純労務の、わずかな数の村なんかで水道職員なんかもかかえているというところ、それから例の家畜試験場というのがありますね、県の。あれはほんとにわずかなんですよ。三人ぐらいしかいないのですよ。その中で、二人は管理職で、あと一人なんだ。そうでしょう。一人じゃ集団じゃないですからね。そういうことになっちゃっているわけです。そういう意味では、何らかここに法的な手当てをしなければならない。日本には、労働組合法もあれば、あるいは地方公営企業労働関係法もあるわけですから。これの法意というものは、救済措置がついているわけですよ。そうすると、これは救済されない。さっき例を申し上げましたが、地労委に持っていけばけ飛ばされちまい、中労委に持っていけばけ飛ばされちまう。法律は厳としてある。あるけれども、適用はできない。こんなばかなことはないですよ。これは法制に問題がある。これはやはり私はドライヤーの言うとおりなんですね。法体系のジャングルだというんだ、日本という国は。やたら何でもかんでも法律だという。表通りを楽隊が通ったからといって立ち上がったら、訓令、規則だ、ちょうちんだ、違反だという。それは人情ですよ。救急車が通れば、わっと立ち上がりますよ。それまで取り締まっている。近代国家というにはほど遠いと言っている、ドライヤーの報告によれば。その種の法律的なところが、全部隘路になってひっかかってくる。そこで私、さっきからもう一つひっかかるのですが、森さんは、よくながめて、登録されない団体だけれども、これと交渉に応ずる必要があればやってやろうという言い方なんだけれども、そうなっていますか。ILOのレポートから始まって今日まで、あれだけ大きな論議をしているのですよ、非登録団体というのは。私は資料を一ぱい持っている。いまあなた方が一体どういう指導をして、何をやっておられるか。いまあなたが言うとおり指導しているのか。これは私もまたILOに出かけていって言いたいくらいなんですけれども、ほんとにそれはひどいもんですよ。市町村会の顧問かなんかになっている弁護士さんの書いているのなんて、もっとひどい。それを一生懸命やっているといって皆さん黙っている。自分たちがあれをやっちゃたたかれちまうから、市町村会の顧問弁護士なんかがやっているやつをながめて見ているというかっこう、よろしくないですよ。そういう指導のしかたをしたんじゃ、これはやはり健全な労使慣行をつくるなんていったって、信頼の回復なんていったって、初めからできやしないです。あなた方は、非登録団体についてはどういうふうにお考えか、もう一ぺん言い直してくださいませんか。さっきみたいな言い方はないですよ。
  117. 森清

    ○森説明員 非登録職員団体も、交渉するためにつくられた団体でございまして、それが交渉の申し出があった場合、交渉に通常の場合応ずるのは当然でございます。また、公務員制度審議会の答申のところにも、そういう意見も付せられておるところでございますので、われわれもそのように指導いたしているところでございます。
  118. 大出俊

    大出委員 答申ですね、公益委員だけのかっこうで出しておりますが、この答申の中身を見ても、この答申にははっきりそこの点を書いているんですよ、団体交渉権について。「交渉に関する規定については、交渉が事実上必要な行為であることを認める立場において、職員団体の交渉を正常化するために一応やむを得ないものであると判断される。ただ、当審議会は、職員団体のために十分な救済制度がない以上、当局がこれらの規定を形式的に理解し、職員団体の交渉を不当に制限することがないように」云々というところから、つまり平たく言えば、非登録団体といえどもあなた方は交渉に応じなければいけない、そういう趣旨のことをつけているわけですよ。おまけに、ドライヤーのほうは再三再四——あなた方がものを持ち込んでは、登録しないでいいように、登録団体でないところは交渉しないでいいようなことを言っているけれども、その意味の差別待遇をしてはいかぬということを明らかにしている。あなた、御存じですか。
  119. 森清

    ○森説明員 ILOでしばしばそのような見解が出ていることは、よく存じております。
  120. 大出俊

    大出委員 いま私のほうの理事からお話がありまして、質問を保留しておいて、ひとつ受田先生にというお話なんですが、委員長、私、これもう少しやっていきますと、公務員部をつくるということに対する異議の申し立てになってくるわけです、だんだんはっきりした。たとえば、いまその入り口まで来ているわけですが、この文書によりますと——どうも本人の前でうまくないんですが、自治省森公務員課長の北海道における発言要旨というのがあるのですよ、あなたの発言要旨が。これをやっていきますと、今度は、公務員部をつくったら、あなた、何を言い出すかわからぬ。いま、全部関連が出てきますから。したがって、時間の関係もございますので、きょうはここで打ち切らしていただいて、あすでも続けていまの点だけは、おたくの問題ですから、大臣のおられるところで申し上げますが、そこでひとつ、行き違いがあって、恩典だなんてことを言われると困るので、少し整理をしていただいて、何を承ろうかということはおわかりと思いますので、御答弁いただきたい。あと受田さんにかわりまして、残った点はあすまた続けさしていただきたい。
  121. 關谷勝利

    關谷委員長 受田新吉君。
  122. 受田新吉

    ○受田委員 今度の改正案の骨子は、行政局に公務員部を新設される問題が重点であります。そこで、この公務員部をなぜ新設しなければならないかという理由を、提案の趣旨説明で承っておるのでございますけれども、いままで、この地方公務員に対する対策というものを課長によって十分に果たし得なかったのであるかという問題が起こってくるわけです。その具体的事例として取り上げたいのは、地方公務員法というりっぱな法律が昭和二十五年からできている。この法律の運営の点において、公務員部を設置しなければならないほど窮迫しているのかということです。地方公務員法第十五条には、地方公務員の任用の根本基準が掲げてあるし、二十四条には給与その他勤務時間等の勤務条件をうたっておる。地方公務員法の規定に基づいて、国家公務員に準じた、特に給与などは、国家公務員給与、及び他の地方公共団体との関係、民間事業の従事者の給与その他という一般職給与法に規定したようなつながりのある規定がここにあるのですが、現実に地方公務員の一例を給与にあげてみましょう。国家公務員に準じた扱いがしてあるのかどうか。地方公共団体の条例を制定してこれをきめることになっておるのでございますが、人事委員会、また市町村の場合、十五万以下の人口のところには公平委員会というものが置かれており、また他の公共団体と公平委員会を共同でやったり、あるいは他の人事委員会に委託して公平事務をやらしたりというような、実にあいまいもこたる規定が地方公務員法にある。そういうものの扱い方で、地方公共団体などの中には、人事委員会も公平委員会も設置しなくてよそへまかしてもいいというような、実に融通のきく規定があるのでございますが、現実に地方公務員の身分、給与の扱いなどが、そんなものを共同でやるところでりっぱなものができておるのかどうか、一括してお答え願いたいのです。私がいままで質問しておることを時間の関係で一括してお答え願いますが、地方公務員給与は、国家公務員基準よりも、地方財政の都合で、はるかに高い水準に置かれているものもあれば、低いところに置かれているものもあると思うのですが、そういう地方公務員の一例を給与にとった場合の、バランスというものをどう考えられておるのか、実態を前提として対策を伺いたいと思います。
  123. 藤枝泉介

    藤枝国務大臣 今回、公務員部を設置したいといいますのは、何ぶんにも二百三十万人にも及ぶ地方公務員がおります。そしてしかもその職種もたくさんでございます。従来、それではいままでの課の組織でそれらの助言あるいは協力ができなかったか。いままでもやっておったわけでございますが、そういう地方公務員の実態にかんがみまして、やはり責任体制をとり、しかも専門的な知識をもちまして助言と協力をすることが妥当であるというふうに考えたわけでございます。それでは現在の地方公務員法が十分その趣旨に沿ってやられておるかという問題を、給与に例をお引きになって言われましたが、確かに御指摘のように、国家公務員に比べて高いところもあり、低いところもある。もちろん地方の財政の事情にもよりましょうが、これらにつきましては、その職員が十分に能率を発揮して、公共の福祉に合致するように、住民の福祉に十分こたえられるように、そうした待遇が与えられることが妥当でございまして、そのような点につきましては、常に地方自治体の実態を見、給与の実態を見まして、いろいろと助言も協力もしてまいりたいと考えております。
  124. 受田新吉

    ○受田委員 地方公務員給与のアンバランスの具体的事例をひとつ示していただきたい。事務当局でけっこうです。
  125. 長野士郎

    ○長野政府委員 国家公務員地方公務員との給与の比較でございますが、単純に比較いたしました場合と、それからラスパイレス比較指数によって比較した場合と、両方出てくるわけでございますが、四十年四月一日現在と四十一年四月一日現在と両方で見てみますと、単純に比較いたしまして、国家公務員の給料は三万四千八百四十五円ということになっております。地方公務員全体、これは都道府県、六大市、市、町村全部含めておりますが、三万四千八百七十三円、その中で、府県は三万八千七百四十八円、六大市は三万七千三円、市は二万九千七百四十八円、町村は二万三千三百三十七円、こういうことになっております。ラスパイレス比較指数による比較は、ちょっと古うございますが、三十八年七月一日現在ので見ますと、国を一〇〇といたしました場合に、都道府県は一〇七・九、六大市は一三四・二、市は一〇八・三、町村は八七・二、こういうふうに、御指摘のとおり、国家公務員地方公務員との間にも差がございますが、地方公務員の間にも、府県なり五大市なり市、町村の間において、差がございます。
  126. 受田新吉

    ○受田委員 人事局長さん、国家公務員給与をきめられるときの勧告の資料にされる場合に、民間給与地方公務員給与というものは考えるのかどうか。
  127. 増子正宏

    ○増子政府委員 人事院勧告いたします場合の話になると思いますが、地方公務員給与を直接観察といいますか、比較の対象にしているということはないように私承知しております。
  128. 受田新吉

    ○受田委員 これは民間給与その他の、他の公社職員等の給与も、また地方公務員給与も、そういうようなものを総合的に判断して、その間のバランスがとれるように国家公務員給与というものがきめられていく、こういう形が、給与の公平を期する上においては、つまり国家公務員地方公務員給与を参考にし、また地方公務員国家公務員給与に準じた扱いをするということがりっぱに運営されるならば、国全体の公務員給与体系がりっぱに打ち立てられると思う。直接には参考にしない、民間給与だけを基準にしていくという形であるならば、公務員の数などにおいて国家公務員よりもはるかに巨大な人数、二百三十万という公務員をかかえておる、そういうばく大な数をかかえた地方公務員給与というものと国家公務員給与というものとの間のほんとうの体系というものができるような扱いをする、それが私は政府の、つまり自治省あるいは総理府、そういうところの役目じゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。
  129. 増子正宏

    ○増子政府委員 御説のようなやり方も一つ方法であろうと存じますし、あるいは結果としてそれが非常にいいことになるのかもしれないのですが、実は国の場合をきめます場合に、地方公務員の実態を考慮する場合に、それをどの程度に考慮いたしますか、現在はどちらかというと地方公務員給与をきめる場合に国の公務員給与状態を参考にするといいますか、基準にしておるわけでございますから、その辺がどちらが先、どちらがあとになるのか、実際問題としては非常に扱いにくいところではなかろうかというふうに思うわけでございます。  それからもう一つは、人事院にしろ、私どもにしろ、地方公務員給与を観察の対象にするということになりますと、これは実に膨大なる対象でございます。それを実態的に把握するということになれば、これはかなり大きな仕事でございます。おそらく現在の人事院の陣容としましても、それに十分たえ得るかどうか疑問だと思いますし、ましてわれわれのところでは、とうていその能力はないと思います。もちろん自治省がそういう意味で従来までその任に当たっておるわけでございますけれども、そういう観点から見て、さらにそれに耐え得るような組織という意味で、あるいは公務員部構想をお持ちになったのじゃないか、これは私の想像でございます。
  130. 受田新吉

    ○受田委員 そうすると、人事院の機構、人員では、地方公務員給与の実態調査をやるのにも、はなはだ貧弱だ。地方公務員の実態調査部門を、自治省がこの公務員部を設置して、そこで人事院の果たす地方公務員給与の実態調査を委託して、すなわち大まかに言って実質的に委託して、それを資料にして国家公務員給与のほうの参考にしたいという人事局長の御答弁であると理解してよろしいかどうか、その理解は間違っているかどうかを、ひとつ御答弁願いたい。
  131. 藤枝泉介

    藤枝国務大臣 増子人事局長の言われたのは、要するに地方公務員給与の実態調査などというものは自治省でおやりになるのだ、まあそういう意味公務員部もその一役を買うという意味だったと思うのですが、公務員部をつくりますのは、地方公務員公務員制度についての企画立案をするために責任体制をとり、専門的な技術を導入するという意味におきまして、そしてそれによって地方公共団体と申しますか、地方公務員の労使関係等について助言をし、協力をするという意味公務員部をつくったわけでございます。  もう一つ、その前段になる、受田さんが国家公務員給与をきめる場合にも、地方公務員給与の実態を考慮してしかるべきではないかというお話でございましたが、これはむしろ現在のように国家公務員給与がきまり、それに地方公務員地方の実情を合わせながらこれに準じていくという、現在の制度でいいのではなかろうかというふうに考えております。自治省給与の実態調査等をいたしますのは、あくまでも冒頭に御質問のありました国家公務員との給与のいろいろな差、そういうものについてそれが適切かどうかということをわれわれとしては知ってまいり、また助言もしてまいりたいと考えておる次第でございます。
  132. 受田新吉

    ○受田委員 私は、いま主客転倒したような形の質問をしたように見えるんだけれども、私が懸念していることは、国家公務員給与基準にして地方公務員給与をきめることに、地方公務員法の精神はなっておる。なっているにかかわらず、地方公共団体はかってな給与をきめて、非常に高いところもあれば、国家公務員の八〇%をちょっとこえた程度の町村の職員の給与というものもある。しかし、対象になってる人員は、町村に例をとれば、年をとった公務員の非常に多い町村があるわけです。定年制も置かれていないというかっこうで、六十をこえ、七十近くなった公務員が、そのまま勤務している町村もある。町村などというものは、任命権者というものが、個人の情実などでどんどん採用していくから、ちゃんと法律にきめてある競争試験というようなものもやらない。そういうこともやらないで、つまり自民党系の町村長が多いところ、これは圧倒的に多いのですが、そういうところが、自分の選挙の力をつけるために都合のいい人間を採用している。そして選挙のときには、政治活動の制限規定を実に巧妙に逸脱して、事実はどんどん違反をさして当選をするという傾向のあるところもあるのです。そういうところがあるのです。現実にそのために処断されているところがたくさん出ている。そういうことを考えていくと、地方、特に町村の人事管理、給与を含んだ人事管理というものは、非常にずさんなところがまだ残っている。体系ができておらぬところがある。そこは、いまのような地方公務員法一つの機関であっても、公平委員会も人事委員会もつくらぬでいいような規定までできている。町村合併で町村の規模は相当大きくなっておるのですから、そうした機関をきちんと必置条件にして、きちんと法律改正をして、きちっとした機関が、終始人事管理の勧告権を持つような、そういう体制に持っていかなければならぬときにもうきていると思うのですがね、その点だけ先に答弁してください。
  133. 藤枝泉介

    藤枝国務大臣 まさに地方公務員法に基づいて、町村の職員の採用についても、競争試験あるいは選考という形できちっと行なわれなければならぬ。いま受田さん、そうなってこない実例をお知りのようでございますが、そういうこともありまして、私どもは特に町村などの地方公務員の労使関係の正常化というものをぜひはかってまいりたい。そのためにいろいろな助言もし、協力もしてまいりたい。そういう意味で専門的な知識も備えた者を充実いたしまして、そういういわば前近代的な人事管理の行なわれているようなところを是正してまいりたいというふうに考えておるわけであります。
  134. 受田新吉

    ○受田委員 行政局長さん、いまあなたがお持ちになっている資料、できれば明日委員の諸君にお示しを願いたい。いまおあげになられた五大市、それから各都道府県、市、町村別の給与差というものの資料を、委員の諸君全部いかなくとも、数部だけひとつお示しを願いたい。これは委員の参考になると思いますから、できれば委員に配っていただいて、それをもとにして明日具体的な質問をさせていただくようにさせてもらいます。  ここでいまいみじくも前近代的な人事管理をやっている町村があることを、大臣もお認めになっておられる。そういう問題があるからこそ、公務員部をつくりたいという御意見がいま大臣から出ておるわけです。もう小さな町村というものはごくわずかしか残っていない。町村合併促進法によって、たいてい一万人以上の町村に少なくともなっているのです。そのときに、やはり地方公務員法という法律によって、いま私が指摘したようなところに公平委員会、人事委員会というきちっとした機関があって、町村の人事管理を監督して、そして適正な給与基準あるいは任用の基準等をきちっときめて、すかっとした人事が行なわれようにする。町村長がかってに給料をきめて雇用していく、ばかに安い給料で雇用されておる人もあるし、それからばかに年寄りをかかえた町村もある、非常に人事が老廃化しておるというところもある、そういうようなところを、ひとつ自治省としてはもっともっとすみやかに基本的な対策を立てておかなければならない。そこで、あまりにも老齢化した人が職員にならなければならない個人の事情というのは、本人が生活の基盤を失なうという危険もある意味で私よくわかります。しかし、ある一定の年齢というものを一応基準にして、勤務体制を厳正にやっていけるような定年制というもの——定年制をあまり若い基準に置いては問題があるのですが、一応うなずける線の定年制というものが、政府で、特に地方公務員の場合には大事な問題になってくるのですが、大臣としての定年制に対する考え方というものはどういうところにあるのか、お答え願いたい。
  135. 藤枝泉介

    藤枝国務大臣 定年制は、公務員の新陳代謝をはかり、そして事務の能率を向上していくという上において、必要性を認めるものでございます。ただ、その定年制をしく場合に、はたしてどのような先行条件を必要とするか、あるいは定年になって退職された方が再就職するためのいろいろな手段というものもございましょう。また、年齢をどの辺にきめるかということも問題でございます。そういうものとあわせて、目下検討をいたしておる最中でございます。
  136. 受田新吉

    ○受田委員 それはどこの機関で検討しているのですか、自治省としてですか。
  137. 藤枝泉介

    藤枝国務大臣 自治省としてでございます。
  138. 受田新吉

    ○受田委員 時間が進んでおりますが、もう一つだけ。地方財政再建促進特別措置法という法律が、昭和三十年に誕生いたしました。当時この法案が出たとき、その直後の委員会でも私の意見を述べたことがあるのですが、赤字をかかえて再建債を発行して財政再建をはかろうという地方公共団体に勤務する公務員、その公務員給与をそういう再建団体が国家公務員基準より高いところへ条例をつくっていく場合に、自治省としてはどういう扱いをするのか。条例変更の指示権もなければ、これを指揮する権限もない。そういう場合に、再建団体の公務員給与——しかし公務員の意欲をわき立たせて勤務を熱心にさせるという意味からは、公務員給与だけはしっかりしたものにささえておきたいという地方公共団体もある。そのことは、人によって再建団体がりっぱな仕事をしていくという意味においてはいいじゃないかという場合に、どういう扱いをするかという当時の御意見も伺っているのですが、現時点においてはどういう考えをお持ちであるか。
  139. 長野士郎

    ○長野政府委員 財政再建団体の再建計画をつくりました当時には、いま御指摘がございましたように、そういう赤字をかかえておる——まあ赤字の程度にもよりますし、赤字が出ております原因にもよりますけれども、財政的に赤字をかかえておりますところは、非常に財政に弾力性をなくしておるわけでございます。そういうものの歳出の構造などを考えてみまして、団体として比較したりいろいろいたしますと、どうしても人件費がかかるのだ、特にまた人件費の内容について考えました場合に、いまお話がございましたように、国家公務員給与ベースよりも非常に上がっておる、そういうような団体につきましては、その当時にも、権限がないとおっしゃいましたが、極力指導をいたしまして、大体給与を正当なところに位置づけるというために関係当局者一同たいへん努力をいたしまして、そして十分とは申せませんかもしれませんが、その合理化については非常に努力してまいったわけでございます。現在でもそういうところがあるではないかという御指摘かとも思いますが、そういうところは確かにございます。今後ともやはりこの給与問題というのは、常時その歳出構成なり、歳入構成なり、団体の状況も動きますが、給与は一面非常に固定した、一定の幅をもって年々一定の規模で増額してまいる、これは職員の構成なりいろいろなものとも関連をいたします。そういうものを標準団体なり、あるべき姿と申してはあれでございますけれども、そういうものと比較いたしまして、特に著しい難点を示したものについては、常時それの適正化の方向に指導してまいらなければらならない。そういう意味で、お話のございました新陳代謝でございますとか、そういうものも考えてまいらなければならぬわけでございますが、現在は定年制というものが合理的にはっきりしておりませんので、地方団体としてはいわゆる勧奨退職、こういう制度によりまして新陳代謝をはかっていく、こういう方法をとっておるわけでございます。
  140. 受田新吉

    ○受田委員 私、いま指摘した中に、条例変更の指示権もなければ指揮権もないという状況の中で、条例を変更させる、つまり地方財政を健全化させるための条件として条例を変更させ得ることもあり得るという答弁を当時もらっておる。つまり条例変更を直接やることはできないが、地方財政再建計画をやる上の条件として条例ということも変えさせられることになっておるという御答弁をいただいた。そういうことになると、条例を変更すると同じ結果が起こってくるわけです。もう時間がきましたが、いまの点は研究しておいてもらいたい。  それから、国家公安委員会の委員長である大臣に伺いますが、地方の警察に勤務している警視正以上は国家公務員なのです。警視以下は地方公務員である。非常に給与の低いところに行くと、国家公務員給与をもらう警視正は、非常に高い生活ができる。非常に地方公務員給与が高いところに行った警視正以上の国家公務員である地方警察本部の部長以上は、非常に苦しい生活になる。同じ国家公務員で、任地によって生活条件がよくなったり悪くなったりしておる。この悲劇があるのですよ。だから、国家公務員地方公務員給与はできるだけ公正なバランスが保たれておらなければならぬ。その問題があるのですけれども、その問題について一言御答弁を願い、残りの問題はあとにします。
  141. 藤枝泉介

    藤枝国務大臣 まさに受田さんのおっしゃるようなところが出ると思います。そういう地方公務員給与のいかんを問わず、任地によって物価の高いところ、低いところもありまして、全国に散らばっている国家公務員たる警察官などには、いろいろ問題があります。そういう意味で、受田さんは先ほどの地方公務員国家公務員との給与のバランスがとれていなければならぬという御意見だと思います。われわれも今後とも研究してまいりたいと思います。
  142. 關谷勝利

    關谷委員長 次会は、明十六日午前十時から理事会、十時十分から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会をいたします。    午後一時五十六分散会