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1967-07-05 第55回国会 衆議院 逓信委員会 第19号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年七月五日(水曜日)    午前十時四十五分開議  出席委員    委員長 松澤 雄藏君    理事 秋田 大助君 理事 加藤常太郎君    理事 佐藤洋之助君 理事 志賀健次郎君    理事 田村  元君 理事 中井徳次郎君    理事 森本  靖君 理事 小沢 貞孝君       小渕 恵三君    加藤 六月君       上林山榮吉君    木部 佳昭君       四宮 久吉君    徳安 實藏君       中曽根康弘君    羽田武嗣郎君      橋本登美三郎君    水野  清君       井手 以誠君    金丸 徳重君       樋上 新一君    田代 文久君       古内 広雄君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 小林 武治君  出席政府委員         郵政政務次官  田澤 吉郎君         郵政大臣官房長 竹下 一記君         郵政省簡易保険         局長      武田  功君         郵政省電波監理         局長      淺野 賢澄君  委員外出席者         郵政省電波監理         局放送部長   左藤  恵君         参  考  人         (日本放送協会         副会長)    小野 吉郎君         参  考  人         (日本放送協会         専務理事)   三熊 文雄君         参  考  人         (日本放送協会         専務理事)   赤城 正武君         参  考  人         (日本放送協会         専務理事)   浅沼  博君         参  考  人         (日本放送協会         理事)     志賀 正信君         参  考  人         (日本放送協会         理事)     佐野 弘吉君         参  考  人         (日本放送協会         総合企画室総         務)      野村 忠夫君         専  門  員 水田  誠君     ————————————— 七月四日  委員加藤六月君及び水野清辞任につき、その  補欠として地崎宇三郎君及び佐々木秀世君が議  長の指名委員に選任された。 同日  委員佐々木秀世君及び地崎宇三郎辞任につ  き、その補欠として水野清君及び加藤六月君が  議長の指名委員に選任された。     ————————————— 七月三日  集団住宅電話単独加入電話への切換えに関す  る請願井岡大治紹介)(第二二七三号)  同外一件(阪上安太郎紹介)(第二四〇四号)  電波法及び放送法の一部改正に関する請願(池  田清志紹介)(第二二七六号)  簡易郵便局法の一部改正に関する請願中馬辰  猪君紹介)(第二四〇五号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  昭和二十二年以前の郵便年金契約に関する特別  措置法案内閣提出第八六号)  放送法の一部を改正する法律案内閣提出第一  三七号)      ————◇—————
  2. 松澤雄藏

    松澤委員長 これより会議を開きます。  昭和二十二年以前の郵便年金契約に関する特別措置法案及び放送法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、これを許します。樋上新一君。
  3. 樋上新一

    樋上委員 私は放送法の一部改正案についてお尋ねしたいと思うのですが、その前に、私はまず冒頭に、先週の二十九日の委員会での大臣発言についてお尋ねしたいと思います。  二十九日に郵政大臣森本委員質問に答え、放送法電波法根本的改正案を次の通常国会に提出したいとお述べになりましたが、当委員会で現在審議を進めている放送法の一部改正案が成案を見た場合、根本的な改正案では三十二条だけ触れないつもりか。三十二条に触れるとすれば、現在審議している一部改正案との関連はどうなるか。根本的改正案通常国会に提出することがわかっていて、いま来年四月一日施行の一部改正案審議するのは納得ができないが、これらの点について大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
  4. 小林武治

    小林国務大臣 ただいま提案申し上げておるのは、日本放送協会予算編成もすでに八月に迫っておる、したがってこれをこの際議決しておくことの必要があろう、こういうことでお願いをしておるのでありまして、放送法改正案を来年度出したい、こういうことは出したいということで、これはわれわれの意図を申し上げておるわけでありまして、それでは間に合わない、こういうことで今回この御審議を願っておる。それから三十二条に触れるか触れないか、こういうことはまだわかっておりません。たとえばあれがいまいろいろ議論があります。こういうものは法律できめるかあるいは国会審議に待つか、こういうふうな議論もありますので、まだいずれともきめておりません。いまはただ契約しなければならない、こういうことになっておって、予算を提出して、予算の中で料金をきめて、そうして予算国会できめてもらう、それに伴って料金がきまるという間接的の方法をいまとっております。したがってそういう間接的な方法が適当であるかどうか、かような公共料金は少なくとも法律に書いたらいいじゃないかという説もあれば、あるいは政府の認可を得るようにしたらどうか、こういう議論もあるのでありまして、いまの方法は必ずしも適当でない、こういう議論がございます。したがって三十二条に触れるか触れないかは、これから検討したいと思うが、いまのような議論がある、こういうことでございます。いま申し上げましたように、今回これを願っておるのは、来年では間に合わないから、八月、予算編成もすでに迫っておるから、それに間に合うようにひとつ御審議を願いたい、こういうことで切り離してお願いをしておる、こういうわけでございます。
  5. 樋上新一

    樋上委員 わかりました。  それでは放送法一部改正案の内容についてお尋ねしたいと思いますが、先週秋田委員森本委員から質問がいろいろ出ました。多少重復する個所もあると思いますが、いま一度確認する意味と、また私の聞きのがした点もあると思いますので、あらかじめ御了解の上、いま一度重複したところもお答えを願いたい。それは前に答えたじゃないかということでなしに、もう一ぺん確認する意味でお伺いする個所もあるかと思いますので、その点ひとつ答弁のときによろしくお願いいたします。  まず最初お断わりしておきまして、テレビラジオカバレージ改正案の施行される四十三年産当初はどの程度になるのか、この点をひとつ。
  6. 淺野賢澄

    淺野政府委員 テレビが九五・五%、ラジオが九九・七%であります。
  7. 樋上新一

    樋上委員 ラジオカバレージはたとえわずかでも残っているんですね、いまの答弁では。受信者相互間における負担の公平をはかるということはそれではできない。つまり、ラジオだけの受信家庭は甲の受信者負担によって放送を聞いていることになり、負担の公平の原則は維持されないではないか、こういう点はどうなんですか。
  8. 淺野賢澄

    淺野政府委員 九九・七%といい、九五・五%と申しましても、実際のところはほとんど変わりはない、かように私ども考えております。何と申しましても出てまいりますものが電波でございまして、全然到達していないところもございますが、カバレージ外においても電波はやっぱり到達いたしております。ただ到達いたしております末端の評価でございますね。この絵はどの程度であるか、厳格に解釈いたしますと、それが九五・五にもなりますし、九三にもなりましょうし、九七にもなる、こういった面があるわけであります。したがいまして、もうその段階につきましてはほとんど同じである、かように判断してよいのじゃないかというふうに考えております。
  9. 樋上新一

    樋上委員 今回の改正案によりまして乙受信料廃止されるが、どの程度減収になるか。また、先日の委員会ラジオ契約乙年間収入は六億四千万円と言われたが、これは正確な数字でございましょうか。もう一ぺんお伺いしたい。
  10. 淺野賢澄

    淺野政府委員 乙によります収入が七億二千万円の予定でありますが、そのうち取り集めるために要しますお金が三億八千万円かかる予定であります。
  11. 樋上新一

    樋上委員 その年間収入のうち、つまり徴収原価は幾らになっていますかと森本委員中井委員がお尋ねになったときに、一カ月の単価が五十円に対し四六%で二十四円見当という答えでございましたが、それでよいんですか。これは質問の基本になる数字ですので、もう一度はっきりお答え願いたい。
  12. 淺野賢澄

    淺野政府委員 NHKからお答えいたします。
  13. 佐野弘吉

    佐野参考人 お答えをいたします。あわせてこの機会に前回答弁で一部私自身が間違ってお答えいたしました点も訂正をさせていただきます。  ただいま電監局長からも御答弁がありましたように、四十二年度の収入見込み額は正確に申しまして七億二千四百万円を予定いたしておりまして、これを徴収いたします経費が三億三千百万円というふうになっておりまして、この関係から前回お答えいたしましたように、大体四六%に該当するということでございます。これをラジオ五十円に一軒当たりに割ってみますと、私が大かた二十四円と申し上げましたが、正確に申し上げまして二十三円でございます。
  14. 樋上新一

    樋上委員 この前にちょっと正確ではなかったのですね。もう一ぺん重複して、十七円は。
  15. 佐野弘吉

    佐野参考人 実は前回委員会森本先生の御質問関連をいたしまして中井先生から、これまでの委員会質疑の中で十七円五十銭という協会側発言があったという御指摘がございました。その後今日まで私どもの責任で当委員会審議のあらゆる記録を調査いたしましたが、そのようにお答えをいたした記録は実はございません。率直に申しまして、中井先生の御指摘数字は何かのお間違いで御指摘になっておる数字ではないかと存じます。
  16. 樋上新一

    樋上委員 それでは、放送番組制作費や大電力の中波放送局設置FM放送局の置局などの建設費にそれでは影響はないのかどうか、それをお伺いしたい。
  17. 志賀正信

    志賀参考人 今回の放送法の改定の御趣旨といたしまして、ラジオだけを聞いておる受信者から徴収いたしております受信料廃止するというのが趣旨でございます。現実問題といたしましては、ただいま佐野理事からお答え申し上げましたように、集金手数料等を差し引きましても三億ないし四億の収入減と申しますか、経費の分といたしまして不足することになるわけでございます。一方放送法に定められましたNHKの本来の使命でございますラジオ放送につきましては従来と同様でございますので、このラジオ番組あるいはラジオ放送をよりよく聴取していただくためのいろいろな設備施設等につきましては、今後とも万全を期していく必要があるかと思います。ラジオの乙の契約につきましては、最近自動車契約の向上のために若干の上昇を見ておりますが、ここ数年間にある程度収入減にはなっておりましたけれども明年度からこれを廃止することにつきましては、やはり今後の経営上の問題といたしましてさらに合理化をいたすなり、あるいはさらに契約甲受信者の獲得に努力いたしましてこれらをカバーするようにいたします。ラジオ放送につきましては何ら支障ないように努力してまいりたいと思います。
  18. 樋上新一

    樋上委員 UHF局設置を推進する方針のようでありますが、UHF局はかなりの設備投資が要ると思うのです。この乙受信料廃止は何ら影響はございませんか。
  19. 小林武治

    小林国務大臣 いまのUHFの問題は主として民間放送の問題でございますから、NHKには別段の影響はございません。
  20. 樋上新一

    樋上委員 今度はNHKのほうにもう一ぺんお伺いしたいのですが、カーテレビ受信料を取るのか、また世帯、非世帯営業用に区別するのか、受信規約にそれを明記するのか、どうですか。
  21. 佐野弘吉

    佐野参考人 実は受信規約改正は来年の四月一日から、今回の法律改正が成立をいたしました暁には、その節から受信規約の変更をいたすことになるわけでございますが、非常に機械的に申しましてまだ相当の期間がございますことと、国会におきます衆参両院の御審議模様等を拝見させていただきまして、そしてその結果に基づいて受信規約訂正に移りたい、このように考えております。ただ、ただいまの御指摘カーテレビ受信料の扱いをどうするかという点では、ただいま私ども事務当局考えておりますところは、率直に申しまして、先般秋田先生電監局長お話のやりとりの中にもございましたように、今日いわゆるカー自動車をどのようにとらまえるかというようなことで御質問あるいはお答えがありました。私どもも今日自動車がいわゆる大衆化して、一般の相当の低所得層とは申しませんけれども、かなり普遍的に大衆が自動車を持つというような時代に入ってきて、その観点からカーラジオについては世帯延長とみなしてはいかがかという郵政当局お答えがありました。同様に、協会の側におきましても、いま検討いたしておりますそのポイントについて申しますれば、カーテレビにつきましても、その把握のしかたを援用いたしまして、あるいはカーテレビジョンに限ってこれは世帯延長としての一つ契約の中に包括してもあるいはいいのではないか。そういう時代的なあるいは社会的な発展に即応して、カーテレビ受信料上の取り扱いを一世帯契約単位としてとらまえても、あるいはいいのではないかという検討を、率直に申し上げましていたしておる段階でございます。ただ、これに付言をいたしますと、非世帯、これはホテル、旅館、その他官公庁、事業会社等もございますし、この非世帯の中に、いわゆる営業用自動車テレビというものもあるいはなくはない。ごく少数でございますが、ございます。したがって、営業用という形で受信規約上にこれを規定するわけにはまいりませんが、一括的に非世帯契約のところでは、設置場所単位設置場所だという意味カーテレビを把握するしかたもあるし、あるいはそれがいいのではないか。世帯に限っては先ほど御説明しましたような、とらまえ方があるいは社会的発展に即応するものではないか、このように考え、かつ受信規約上の取り扱い検討を進めてまいりたいという考えを持っております。
  22. 樋上新一

    樋上委員 私は先日前田会長カーテレビは取らない、あるいは取るほうがいい。もしそうだったら、テレビのほうの受信料を値引きしたらどうか、そういうようなことをやったらどうかということを聞いたのですけれども、つまり、その減収分があまり影響ない、こうおっしゃるならそれまでですけれども、それではその減収分財投にたよるというお考えはないのですね。
  23. 佐野弘吉

    佐野参考人 カーテレビに局限してお答え申しますれば、御承知のようにカーラジオと異なりまして、自動車に直接適応するようなテレビジョンのセットは今日つくられておりません。したがいまして、たとえば世帯の中にあります、いわゆるポータブルテレビを若干車内に持ち込む。しかもそれは契約単位者であります世帯構成員利用するというようなことでございまして、現にカーテレビとして協会契約をいたしておるのは、ほんとうに率直にいって七百という数字でございまして、今後におきましてもこの数字が非常に発展するというふうには考えられません。そこがラジオテレビの性質の違いかと考えております。
  24. 樋上新一

    樋上委員 では、私がいま尋ねました、財投にたよる気はないとおっしゃるのですね。どうですか。
  25. 小野吉郎

    小野参考人 そういう気持ちはございません。
  26. 樋上新一

    樋上委員 私は経営が行き詰まったことを考えいろいろ話をしたのですけれども、そんな心配はない。NHK収入の面も経営の面も堅固である。そんな心配をする必要はないじゃないか、老婆心であるというようにおっしゃるならば、それでしまいなんですけれども、私はいろいろと健全財政——長期経営し、またNHKでも収入の入る面としては、また違った面で収入を得ていったらどうか。  この前おもしろい話が森本委員から提案されたのですが、鉄塔のところに広告利用をする。それで収入を得るという考えはないかというようなことも聞かれましたが、私もいろいろ考えまして、放送法の一部を改正して、NHKにおいて、ある一定の時間にコマーシャルをつけるという方法考えてみたらどうか、この点は郵政大臣またNHK幹部はどのようにお考えになっておるか。あるいは十一時から十二時までの一時間とか、時間は別としてNHK放送法改正して、ある区切った時間に限ってコマーシャルをつけたら資金の面でも相当あるのではないかと思うのです。減収の面についてはそういうことも考えてみたらどうか、この点について大臣NHK幹部はどうお考えになっておるか、一ぺんお聞かせいただきたいと思います。
  27. 小林武治

    小林国務大臣 NHK使命から見て、私は適当でなかろう、たとえばいまの、先般森本委員から電波送信塔広告をというお話がありましたが、民間におきましても、たとえば芝のあれにも広告は出ていない。私は非常に醜くなるのではないか、こういうような感じがいたしまして、まだにわかに賛成いたしがたい。  また放送の中にコマーシャルを入れるということは、NHKとしては私はなすべきでない。そのほかの方法——いまのような方法でいろいろ費用を適当に見積もっていけばそれがよい。たとえばCMを入れただけでも、必ずしもそのためにNHKが中正にやれるかどうか、こういうような問題も起きてくる。かように私は考えております。
  28. 小野吉郎

    小野参考人 先ほどラジオの乙の契約廃止、あるいはカーテレビ問題等関連をいたしまして、そういう財源の穴埋めに財投を要求する意思ありやいなや、こういう御質問に対しまして、その恵山心はございません、と申しました。それは決してNHK財政状態が未来永劫に安泰であるというような楽観的ムードで申したのではございません。今日の財投にいたしましても、これは外部資金一つでございますけれども、その手段方法放送債券の引き受けをしていただくということになっております。放送債券に関しましては、市場消化の道もございますし、そういった方面において、必ずしもその限りにおきましては財投に結びつかないということを申し上げたわけでございまして、決してNHK財政が非常に豊かで非常に安泰であるということではございません。今日、甲契約を、すなわちテレビでございますが、過去非常に急速な伸びをいたしましたけれども、今日どうやらこれらも飽和点に達しまして、今後の増加は前年に比しますと、非常に微々たるものになっております。今日直ちにではございませんが、いずれは将来において値上げの必要もあろうかと思います。そういう状況でございますので、決して財政が非常に豊かであるというような印象で申し上げたわけではございません。とは申しましても、いろいろと企業努力をいたしまして経費の効率的な利用方法なり、またいろいろな努力をいたしまして、できるだけ値上げを避けて現状の収入でもって必要な事業を営んでいかなければならないことは当然でございます。その意味におきまして、現在の通常手段によります受信料収入以外に、品位を害さないで非常にかっこうな財源があれば、そういうものの調達考えるべき必要はあろうかと思いますが、それかと申しまして現在のNHKのある一定の時間をコマーシャルをつけて、そういった商業採算の方式も加味するという問題は、現行放送界秩序は、そういうことに依存をして経営をするいわゆる民間放送系列と、そういうことをしてはならない受信料収入をもってこれに充てていく、なおこれによって不足を来たします建設等所要資金は、借り入れ金あるいは放送債券外部資金調達も可能であるという二つの系列に分かれております。そういう意味から申しますと、たとえ一部でありましても、そういうコマーシャル収入に依存いたしますことは、現在の民間放送NHKの二大放送系列秩序根本的変動を来たしまして、NHK性格自体を今日の状況から見ると本質的変化を来たすであろうと思います。そういう意味合いから申しまして、にわかにそういう面につきましてのお答えを申し上げかねるわけであります。
  29. 森本靖

    森本委員 ちょっと関連して。大臣みそもくそも一緒にした御答弁をされては困る。コマーシャルを入れるという点については、これは現行放送法においてはかたく禁ぜられておりまするし、またそういう点についてはNHKとしてはそれはやるべきでない。しかし私がこの間言った鉄塔広告するという点については、これは現行放送法においても許されておる、できるわけであります。ただ問題は美観をそこなうかどうか、NHKとしての品位をそこなうかどうかという問題にかかってくるわけであります。しかしながらこの場合も、はっきり言うと夜鉄塔があるかないかわからぬのですよ。それに広告をやってもそれがNHK鉄塔かどうか他から見た場合にはっきりわかりませんよ。だからいまいわゆるラジオ聴取料が減った。そういう場合に幾分かでも財源を持ちたいという場合に、私はおそらく全国でやれば数億円になると思う。しかもこれがつまらぬ広告をやるということでなしに、上品なものをテレビ塔にやるということについては何ら私は差しつかえないというふうに考えておるわけであります。だから放送コマーシャルを入れるという問題と、私がこの問提起をしたところの鉄塔広告をするということとは全然これは別個の問題であります。鉄塔広告をするという点については、これはNHK検討させてみたらどうですか。大臣が好ましくないなんということをいま言うのは少し軽卒にすぎると思う。どうですか、大臣
  30. 小林武治

    小林国務大臣 検討してもらいましょう。
  31. 樋上新一

    樋上委員 いろいろと収入の面をこういうふうにしたらどうかというふうに考えて、健全財政長期構想で当然合理化自動化による節約がうたわれると思うのですが、当分は値上げしなくてもいい、私は三百三十円をむしろ三百円に値下げしてもらいたい、このくらいに思っていろいろ申し上げておるわけでありますが、そういうように会長お答えになりましたこと、健全な方針でやっていってもらうことは私たちの願うところであります。それならば安心していけるのですけれども、先ほどからちょっと話を聞いてみますと、減収分に対して何らかわりがないような印象も受けましたし、またカラーテレビにおきましてもそういうものは徴収しなくともいける、ゆうゆうたるように私は感じたから老婆心ながらこういうことを申し上げたのでありますけれども、当分は値上げせずにいけるのだ、こういうことですね。——そういうように了承いたします。受信料収入という点についてはこれで打ち切ります。  それでは趣を変えましてヨーロッパのBBCではカラーテレビ値上げ考えているが、カラーテレビ特別料金を取るというような考えはございませんでしょうか。またいまわかっておれば各国の受信料はどうなっておるかということを知らしていただきたいと思うのですが……。
  32. 小野吉郎

    小野参考人 カラーテレビにつきまして特別料金を取るかどうかにつきましては、BBCの例をおあげになりましたが、BBCにおきましてはそのような考えを持っておるようでございます。もともと白黒時代におきましてもBBC財政は非常に行き詰まっておるようでございまして、何とか放送系列をふやしてそれによって四ポンドの料金を六ポンドくらいに上げたい、こういう考えカラーテレビ特別料金徴収いかんにかかわらず前々から考えておったようでございます。たまたまカラー時代に入ろうというときに、これも一つ財源になりますので、そういった面においてBBCではカラー特別料金制度をとられるやに聞いておりますが、NHKにおきましてはすでにカラー放送はここ数年前から実行しておるわけでございます。まだ普及は多くはございませんけれども、これに対しては当初から特別料金を設定いたしてございません。今後日本におきましてもカラーテレビの拡充の面は考えなければならない段階になっておりまして、現に本年度の予算におきましてもかなりの拡充を考えております。明年度以降の予算においてもそのような事業計画を立てる必要があろうかと思いますが、この問題につきまして現在の段階といたしましては先日会長お答え申し上げましたとおり、目下のところカラーに対する特別料金を設定しようという考えは持っておりません。
  33. 樋上新一

    樋上委員 それでは各国の——わからなかったら資料でまた報告してもらっていいですが、わかりますか。
  34. 佐野弘吉

    佐野参考人 御質問趣旨カラーテレビに限ってのことでございましょうか、それとも一般的な受信料制度全体についての御質問でございましょうか。
  35. 樋上新一

    樋上委員 カラーテレビに限ってわかれば………。
  36. 佐野弘吉

    佐野参考人 現行におきまして世界じゅうあらゆる放送機関においてカラーテレビジョンの特別料金を取っておるところはございません。ただ先ほどもおっしゃいましたように、この十二月にイギリスのBBCにおきましては現在のラジオテレビを含めた五ポンドの受信料に対しましてカラーテレビセットを備えたものに追加受信料として五ポンドを加える、こういうことになるようでございます。
  37. 樋上新一

    樋上委員 今度改正案受信料は一本化されるわけだが、来年度予算総則では新料金体系が出ていなければならないと思うのですが、どうですか。
  38. 小野吉郎

    小野参考人 今年度予算までにおきましては料金のそれは甲乙の二本の体系になっております。ただいま御審議中の法案が成立いたしますと、来年度予算におきましては料金は甲料金一本でございます。そうなってきますと、甲というのは非常に明確な名称ではないと思いますが、乙を廃止するゆえんのものは、放送界の今日の発展状況からいたしましてほとんど大部分はテレビラジオ、そのテレビにおきましても白黒、カラーラジオも中波、短波、すべてこれを聴視しておられるような状況でございます。そういった実情に着目いたしまして放送料金というような観念でいくべきものではない、このように考えます。名称はともかくといたしまして、明年度予算におきましては、受信料収入の面につきましては放送収入といったものに一本化されることに相なるわけでございます。
  39. 樋上新一

    樋上委員 現在は三百三十円になった。その前にラジオの普及の時代には六十円でしたかね。それでこの三百三十円にこだわらずに、適正な料金水準を定めるべきだと私は思うのです。値下げをする、三百円なら三百円にする、そういうようなことを、NHK料金体系について調査委員会などを設けて根本的に検討する考えはないのでありますか。
  40. 小野吉郎

    小野参考人 これはいつぞやの委員会でも会長が申し上げましたように、たしか予算を御審議いただく過程であったと思いますが、今年度そのような検討をいたします機関をつくりまして、それによって結論を得たいということを御答弁申しげております。それにはやはり明年度以降一体何をやるかという事業計画が確定いたさなければなりません。NHKにおきましては、現在、将来数カ年間のそういった事業構想のビジョンを策定いたしつつあります。そういうものが基本になりまして、はたしてどれだけの金額が必要であるか、それをどのように設定をするかという段階になるわけでございまして、まずそういった長期構想と申しますか事業構想が先行いたしませんと、いま直ちにそういった委員会をつくりましても審議も非常にむずかしかろうと思います。いずれはそういった構想が確定をいたしますと、受信料関係の面につきましても、そういった審議機関を設けて、将来向けの検討をいたしてみる必要があろうかと思います。いろいろ先ほどの私の答弁に対しまして、NHK財源は非常に安泰である、あるいは三百三十円は引き下げも可能ではないかというような御印象を持たれたようでございますけれども、今年度の予算の規模で申しますと受信料収入は七百七十億でございます。これに対しまして、前年に対して増加をいたしますいわゆる受信料の純増加分はたかだか四十億から四十五億でございます。日本の各企業の成長率から申しますと、非常に低いものになってまいっております。既存の事業を切って捨てればもちろん金は出てまいりましょうけれども、将来UHF対策、FM関係の問題、カラーの拡充、衛星関係等諸般の事業計画に盛られるでありましょう事柄を考えてみますと、そのような徴収では非常に微々たるものでございまして、そこに大きな企業努力をあわせ用いませんと、料金値上げなくしてやっていけないのではないかというような長期見通しを実は持っておるような次第であります。  過去の例をさかのぼりますと、ちょうど昭和三十七年度までにおきましては、ラジオ料金は八十五円でございました。テレビ料金は三百円でございました。テレビラジオ両方を利用すれば三百八十五円の料金をいただいておったわけでございますけれども、トランジスタラジオの普及その他によりまして、ラジオテレビ両方の所在を突きとめることは非常に困難でございます。そういう場合にはテレビ契約ラジオ契約で三百円プラス八十五円をいただくたてまえになっておったわけでございますけれども、一方を払えばいいだろう、ラジオがない、テレビだけしかないということで三百円しか払わない、あるいはテレビをもぐって八十五円しか払わない、そういう法律制度上からいきますときわめて不都合な状況を来たしたわけでございます。こういう料金体系上の非常な不都合をなくしますために、八十五円のラジオ料金は五十円に引き下げ、三百八十五円の支払いを要するテレビラジオ二本立ての契約は一本契約にいたしまして、今日の三百三十円にいたしたというのが過去の経過でございます。その当時のそれは、あまり先の将来を見越しまして朝令暮改の料金にならないように、安定した長期料金であるように構想をいたしまして、その際にはいろいろな将来向けの事業計画を用意いたしますと同時に、外部の学識経験者にも御委嘱をいたしまして料金の調査委員会を設け、また国会におきましても通信部会にそういう料金関係の調査の機関を持たれまして、厳密な検討の上に今日の制度が実は帰着をいたしたわけでございます。来年度以降の問題につきましても、乙の問題は料金からいたしてみますと金額的には非常にわずかでございますけれども、将来の事業計画の構想、これに要する財源の関係については的確な見通しを持たなければなりませんので、事業計画の構想がまとまりましたならば、将来の料金体系はどうあるべきか、これはあわせて当然に検討いたさなければならない問題であろうと思いますので、長期構想ができ次第そのようなことは考えてまいりたいと思っております。
  41. 樋上新一

    樋上委員 わかりました。わが公明党といたしましては、受信料というものは大衆負担になりますし、公共料金の性格を有するものであるという観点から、なるべく安い受信料で適切な放送サービスを提供するようにしてもらいたいと考えておるのですが、今後も経営合理化を進め、受信料収入を有効に将来計画の実施に使用してもらいたいということを希望いたしておきます。  また、契約乙が廃止されたからといって、ラジオの普及をなおざりにしてもらっては困る。番組面においてもこの点十分配慮すべきであると私は思います。特に非常災害のときにおけるラジオの機動性という効用は非常に大きいものである。協会首脳部は常日ごろからラジオ軽視にならないように心してもらいたい、こういうふうにお願いしたいと私は思うのでございます。  それから、この前も話が出ましたように、テレビによる政見放送について私からも大臣にお伺いしたいのですが、政見放送を実施するとすれば県別放送が必要となってくる。いまの総合、教育のNHKの二波ではむずかしいのじゃないか、第三の波が必要と思いますが、郵政大臣はこの点どうお考えになりますか。
  42. 小林武治

    小林国務大臣 これは第三放送という問題でなくて、政見放送、選挙等にテレビを使うということになれば、いまの広域放送圏をそのまますぐに置くことはできない。したがって、近畿にしてもあるいは東京にしても、いまの放送局の波の届く範囲の中においてもやはり各県に新しいテレビ局を置く必要が出てくる、こういうふうに私は考えます。したがって、これは選挙制度審議会なり政党あるいは政府考え方いかんによってはさような局を新しくつくる必要が必ず出てくる、かように考えております。
  43. 樋上新一

    樋上委員 NHKが政見放送をやっておるときには、同じように民放も政見放送をやらなければだめですね。チャンネルを合わせてみたら、NHKは政見放送をやっておるのに、民放のほうは娯楽番組をやっておる。これではさっぱり政見放送を聞きませんので、民放もNHKも同じ時間は全部、どこをかけても政見放送をやっておるというようなことはどうでしょう、きめられないものでしょうか。
  44. 小林武治

    小林国務大臣 それは適当なあんばいができると思います。
  45. 樋上新一

    樋上委員 そこでこれはNHKのほうにお伺いしたいのですが、テレビで政見放送について各国はどういうぐあいにやっているのでしょうか。まあ外国もやっていると思うのですが、どういうぐあいにやっているのですか。これはいまわからなければあとで資料を出してもらってもけっこうですけれども、わかりますか。
  46. 浅沼博

    ○浅沼参考人 いま的確な資料を手元に持っておりませんが、私が記憶する限りにおいてお答えさしていただきます。  まず第一にフランスでございますが、これは政党の代表放送、つまりその政党を代表する人物の放送が選挙放送の主体でございます。個人の政見放送はやっておりません。イギリスの場合も同然でございます。それからアメリカの場合には、これは有料で放送時間を買うことができます。しかしその場合に放送局のほうに規定がございまして、Aの政党の候補者に時間を売った場合、その反対党の候補者から、さらに時間を買うという申し込みがあった場合にはこれを拒否することができないというようなことがございまして、実際問題として個人の政見放送ということは、ヨーロッパにおいては行なわれておりませんし、それからアメリカにおいては有料という商業放送の名目のもとに、しかもそれが公平さを維持しつつ行なわれている、しかしその回数はきわめて少ないようでございます。いま的確な資料は手元にございませんが、私の記憶する限りにおいて、そうお答え申し上げます。
  47. 樋上新一

    樋上委員 わかりました。  それでは今度はひとつ小林郵政大臣にお伺いしたいのですが、小林郵政大臣は、先日の委員会UHFの採用を明らかにしたが、UHFはどのような効果をもたらすのか、VHFとの技術的な違い、長所は大体わかっているのですが、政治的な効果をお聞きしたいのです。
  48. 小林武治

    小林国務大臣 これの効果はもういまのVの波が一ぱいになっちゃって、新しい親局の免許ができない。したがってUを使用することによってVの制限をのがれて、そして別に新規な民放局が設置できる、こういうことでございます。
  49. 樋上新一

    樋上委員 徳島でNHK実験局の実験結果がまとまったように聞いているのですが、まとまったとすればどのようなものか、きのう報告があったと聞いていますが、どうですか。
  50. 淺野賢澄

    淺野政府委員 先日NHKから報告書をいただいたわけであります。これの取り扱いでありますが、まだこれはなお実験の完成にはなっていないのであります。   〔委員長退席、志賀委員長代理着席〕 私どもといたしましては、NHKの実験局におきましてまとまりました結果を十分析いたしまして、その結果を今度は技術審議会に提出をする、このように考えております。ただNHKから出てまいりました実験の結果でありますが、御存じのように、この実験につきましては二月二十日から実験を開始いたしました。送信設備関係、受信設備関係、電波伝搬関係、この三項目に分けて実施いたしたわけであります。詳細につきましては目下私どもの担当において検討をいたしておりますが、概括いたしましたところ、当初想定いたしました実験計画、また期待いたしました実験内容、こういった面に非常に満足のいく結果か、それに近い、またはそれを上回る非常に満足のいく結果であるようにただいまのところ考えております。
  51. 樋上新一

    樋上委員 では電波技術審議会が答申したら、それによってチャンネルプランを考える、こういうことですね。
  52. 淺野賢澄

    淺野政府委員 ただいま申し上げましたNHKの実験結果と、それから私どものそれに対する見解それからUの波が大都市におきましてはある程度減衰するのではないか、こういった面で、私どものほうにおきましても、東京、大阪、徳島において別途大都市減衰の状況検討いたしております。この結果の分と、それから受像機につきまして検討さしておりましたあるデータがございますが、こういったものを合わせまして技術審議会でこれから検討していただく。この結果が七月末または八月上旬に出てまいりまして、それによって、もし当初のように非常によいということになりましたなれば、それによりましてUとVとは併用して使ってもよろしい、大きな局として使ってもよろしい、こういう結果に相なるわけであります。そういう結果になりましたらただいまお話しのような計画を進めてもよい、こういうふうに相なるものと考えております。
  53. 樋上新一

    樋上委員 既設テレビ局の再免許は十一月と聞いているのですが、Uテレビの新免許の時期をいつごろと考えておられるか。また再免許、新免許にあたって大臣はどのように考えをもっていらっしゃるのか、方針をお聞かせ願いたいと思います。
  54. 小林武治

    小林国務大臣 再免許は十一月一日、こういう期限になっておりますので、まだこれらに対する態度というものはきめておりません、検討しておる、そういうことでございます。  それからUの問題につきましては、前会のこの委員会で申し上げましたが、年内にはひとつある程度の局の新免許をいたしたい、まだこういうふうな程度でございます。
  55. 樋上新一

    樋上委員 Uの親局として免許申請が出ている北九州また名古屋、静岡、新潟等はどうされるのか。また放送法改正を行なわずに免許する方針かお聞きしたいのです。また大臣は先日森本委員質問に答えて、緊急地区は年内にと言われたのですが、もう一度確認しておきたいのですが間違いありませんか。
  56. 小林武治

    小林国務大臣 私どもは年内にさような処置がとりたい、かように考えておりますし、具体的の場所については、前会も、長年懸案になっておった緊急の地区、こういうふうに申し上げておるのでありまして、どこどこの場所、こういうことはまだ申し上げられるような段階にない、こういうふうに御承知願います。
  57. 樋上新一

    樋上委員 それではお伺いするのですが、近畿地区はそのところに含まれているか。その中に入っておるか、入っておると見てもよいか。また近畿地区では既存のテレビ局が四局と近畿放送、和歌山放送などが競願していると聞いておりますが、早く免許してもらいたい。特に京都市及び京都府下舞鶴、中舞鶴、宮津、福知山、さらに滋賀県彦根、甲賀、こうした京都市を中心とした難視聴地域にはNHKだけしか入らない、民放は全く受像できない。これは調べてきたのですけれども、この地図にありますように、この赤い、大阪府、京都市を中心として、この近郊はNHKだけしか見えない、民放は一つも入らない、京都府下におきましても何とかならないものかという声は前からだいぶ出ておるのです。同じ三百三十円の受信料を取って、十二チャンネルも聞ける、鮮明に映る地区と、NHKだけで民間放送が少しも映らない地区、これは不公平なことである。何とかこの際この近畿地区の中に、特に京都においてUの親局を免許してもらい、そしてここからこの近郷に至るところの難視聴地区を解決して永年の悩みを解消させてやるという考えはございませんでしょうか。その点お伺いしたいと思うのですが。
  58. 小林武治

    小林国務大臣 御意見はよく承りまして、これらの検討の対象になるべきもの、かように考えます。
  59. 樋上新一

    樋上委員 そこで私はNHKのほうにお伺いし、また希望申し上げたいと思うのですが、公共性の立場から協力してこの解決に乗り出すという意気はあるかないか。NHKだけ受像できればよいではないか、民放が一局も映らなくてもしかたがないじゃないか、映るような設備は個人負担でやりなさい、こう言われてしまったら花も実もないことです。何とか大衆がともどもに楽しみ、ともどもテレビが見られる、こういう立場に立って郵政省と協力してこのキーステーションの設置ということに力を注ぐべきだと思いますが、NHK幹部の方々いかがでございましょう、この点。
  60. 三熊文雄

    ○三熊参考人 ただいま民放の新設その他についてもNHKは協力すべきではないかという御意見、われわれといたしましてもできる限り協力したいと思っております。現に民放と同一地区に建設する場合には共同建設ということをやっていまして、たとえば同じ局舎をつくる場合に両方がおのおのの必要な部分を共同でいわゆる分担を適当にしましてやるとか、鉄塔をお互いに協力するとかいうような方法を現にとっています。したがって近畿地区におきましてもし民法その他からこういう御希望がありますれば、いつでも御相談に乗りましてお互いに納得のいく線でもって共同していくことには何らやぶさかでない、こう考えております。
  61. 樋上新一

    樋上委員 ここは相当個人負担をしてやっているんですね。聞いてみますと、相当お互いに出し合って民放を聞こうとしているんですね、この経済不況の中から。こういう難視聴地区をNHKと協力して救ってもらいたい、私はこういうお願いをする次第であります。またそうしなければならない、こう思うのです。
  62. 三熊文雄

    ○三熊参考人 ただいま個人負担というお話しだったのですが、そうでなしにいわゆる民放の必要とされる部分については民放でお出しになるし、それからNHKの必要とする部分についてはNHKが出すというので分担の公平ははかってあります。民放の分までNHK負担するというたてまえではございません。(森本委員「共同徴収について聞いているんだ、何も建設のことを言っておりゃしない」と呼ぶ)私、申し上げましたのは、同じように放送局を設置する場合の共同建設というポイントでお話ししました。共同徴収につきましては御承知と思いますが、共同徴収される場所におきます費用の約三分の一はNHK負担しています。したがって、その共同徴収される組合自体が民放ももちろん入るように考えておられる、こう思っています。
  63. 樋上新一

    樋上委員 わかりました。  それでは大臣にお伺いいたしますが、現在VHFテレビの受信機がこれだけ多く普及しておるが、オールチャンネル受信機に切りかえる家庭はUになったときにごく少ないのではないかと思うのですね。VHFのテレビの受信機の耐用年数を見ても五年はかかる。またコンバーターをつけても七千円くらいはかかる。聴視者も二の足を踏むと思うが、これでUHFテレビを免許しても経営が成り立つかどうか、大臣のお考えをお伺いたしたい。
  64. 小林武治

    小林国務大臣 お話のようにまだオールチャンネルの普及がうまくいっておらないということでございますから、Uの免許がある程度できればそれに伴って当然オールチャンネルの受像機が普及はできる、こういうふうに思いますが、私どもただいまの見通しでは、たとえば年内にそういうふうな事態が出るとしても直ちに採算がとれるという見通しは持っておりません。あるいは二年、三年は黒字にならないかもしれない、こういうふうなことを考えておるし、また免許も受けるほうにおいても十分それはお考えになるべきである、こういうふうに思います。テレビの免許さえあればもうかるなどという誤解が世間には相当あるようでありますが、これからのUはしばらくの間さようなことにならないだろう、われわれはそう思っておりますから、そのことはみな世間にそういう認識を持っていただいたほうがよかろう、こういうふうに考えます。
  65. 樋上新一

    樋上委員 Uの免許をしても、いま大臣がおっしゃるように経営ということを考えていかなければならぬと思うのですが、徳島の実験局は電力三十キロワットで十三万世帯をカバーしておる。同じ徳島のVの電力はわずか一キロワットでやはり十三万世帯をカバーしておる。つまりこれだけUHF局は普通のVHF局より電力をよけいに使うし、設備投資もかかるわけですが、採算を度外視してU局をつくって、受像機の普及度ゼロのエリアの上にどうして経営が成り立つか、心配はないか、こういう点を私は思うのですが、いかがでしょう。
  66. 小林武治

    小林国務大臣 それはただいま申し上げたように、しばらくの間はなかなか採算がとれないだろうということを私どもも申しておりますし、したがって免許を受ける方も同様な考えを持つべきである。ただ将来にわたってどうか、こういうことになれば、しばらくの間は採算はとれないであろうが、やがてオールチャンネル受像機の普及によってとれる時期がくる、われわれもそう思っておりますし、また免許を受けようと考えておられる方も同様の考えでおやりになる、こういうふうに思っております。
  67. 樋上新一

    樋上委員 私はUHFの採用には反対するわけではない、むしろ賛成であるけれども、採用してみたらうまくいかなかったということでそのことがつぶれてしまって、せっかく免許をしても経営がうまくいかなかった——アメリカもそうでしたね。アメリカも三年前に始めて、オールチャンネルの受像機しか製造させないという方針をとってかろうじていけた。また日本にこういうUの免許があっても、ほんとうに健全な経営がいっておるかということは非常に心配になっておるのです。先日の委員会NHKの三熊技師長がUHF局設置の費用を概算で説明されが、新局をつくる場合、ある民放幹部が徳島の実験局を視察したあとで大体の推定費用として、舎屋の土地建物、VTRスポット送出機器、スタジオ設備など約五、六億円、人件費について百五十人、諸経費年額二億円前後、その間UがV程度に普及する期間を五年間と見て、その間の営業収入が問題となってくるではないか。このほか、中継局の設置カラー化のための新規投資等、かなりの費用を考えなくてはならないと言っているが、電波監理局長はこの点についてどのように見ておられるか、承りたいと思います。
  68. 淺野賢澄

    淺野政府委員 いまお話のうちで、アメリカの例を御引用になられましたが、アメリカと日本におきましてはだいぶ実情が違ってくると思っています。   〔志賀委員長代理退席、委員長着席〕 アメリカにおきしまては、Uを伸ばしてまいりましたのは、主として教育局を中心に伸ばしてきております。したがいまして、経営上当初から非常に困難をきわめている、この点ははっきり申し上げられると思います。日本におきましては、現在すでにUの局は二次局、微小局を入れますと数百局になっておりまして、現在すでに相当動いておるわけであります。そういった点から、アメリカとは相当違ってまいる。それから、どういうふうになりますか、今後Uの局は、親局がある程度免許になってまいりますと、アメリカにおけるよりはオールチャンネルの受像機というものは自然に出回ってくるんではないか。と申しますのは、メーカー自身が、昨今、アメリカのオールチャンネル法が成立しまして以来、輸出のテレビセットは全部オールチャンネルであります。したがいまして、まず生産体制におきましても十分な準備ができ上がっている。それから、値段におきましてもそう高いものでもないといったところから、自然のままに置いても案外伸びていくのではないか、かように思っております。それで、テレビの絵に対する需要というものは、外国に比べまして日本においては非常に強いようであります。普通の絵を見たいといった面が非常に強いようでありますから、アメリカにおけるようなことはない。ただし、全体的には、大臣がただいま申し上げましたような線は、これは残るわけでありますが、しかしアメリカにおけるようなことにはなりますまいというふうに考えております。
  69. 樋上新一

    樋上委員 最後に大臣にお伺いしたいのですが、UとVの混在方式をとるのか、それとも、全部Uに切りかえるというお考えですか。これはテレビジョン受像機メーカーだけではなく、聴視者にもかなり影響を与えるので、ぜひはっきりとしたお考えを明らかにしていただきたいと思うのです。
  70. 小林武治

    小林国務大臣 UとVの混在方式を今後とも続けたい、かように考ております。
  71. 樋上新一

    樋上委員 時間もありませんね、この辺で。まだ宇宙開発の問題を聞きたいと思いますが、この次に残します。  それでは、この次に宇宙開発の面についてまだお伺したいところがあるのですけれども、時間も、昼になりましたので、きょうは放送法の一部改正にとどめて、私の質問を終わりたいと思います。
  72. 松澤雄藏

    松澤委員長 明六日午前十時より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十三分散会