○
小野参考人 これはいつぞやの
委員会でも
会長が申し上げましたように、たしか
予算を御
審議いただく過程であったと思いますが、今年度そのような
検討をいたします機関をつくりまして、それによって結論を得たいということを御
答弁申しげております。それにはやはり
明年度以降一体何をやるかという
事業計画が確定いたさなければなりません。
NHKにおきましては、現在、将来数カ
年間のそういった
事業構想のビジョンを策定いたしつつあります。そういうものが基本になりまして、はたしてどれだけの金額が必要であるか、それをどのように設定をするかという
段階になるわけでございまして、まずそういった
長期構想と申しますか
事業構想が先行いたしませんと、いま直ちにそういった
委員会をつくりましても
審議も非常にむずかしかろうと思います。いずれはそういった構想が確定をいたしますと、
受信料関係の面につきましても、そういった
審議機関を設けて、将来向けの
検討をいたしてみる必要があろうかと思います。いろいろ先ほどの私の
答弁に対しまして、
NHKの
財源は非常に安泰である、あるいは三百三十円は引き下げも可能ではないかというような御
印象を持たれたようでございますけれ
ども、今年度の
予算の規模で申しますと
受信料の
収入は七百七十億でございます。これに対しまして、前年に対して増加をいたしますいわゆる
受信料の純増加分はたかだか四十億から四十五億でございます。日本の各企業の成長率から申しますと、非常に低いものになってまいっております。既存の
事業を切って捨てればもちろん金は出てまいりましょうけれ
ども、将来
UHF対策、FM関係の問題、
カラーの拡充、衛星関係等諸般の
事業計画に盛られるでありましょう事柄を
考えてみますと、そのような徴収では非常に微々たるものでございまして、そこに大きな
企業努力をあわせ用いませんと、
料金値上げなくしてやっていけないのではないかというような長期見通しを実は持っておるような次第であります。
過去の例をさかのぼりますと、ちょうど
昭和三十七年度までにおきましては、
ラジオ料金は八十五円でございました。
テレビ料金は三百円でございました。
テレビ、
ラジオ両方を
利用すれば三百八十五円の
料金をいただいておったわけでございますけれ
ども、トランジスタ
ラジオの普及その他によりまして、
ラジオ、
テレビ両方の所在を突きとめることは非常に困難でございます。そういう場合には
テレビの
契約と
ラジオの
契約で三百円プラス八十五円をいただくたてまえになっておったわけでございますけれ
ども、一方を払えばいいだろう、
ラジオがない、
テレビだけしかないということで三百円しか払わない、あるいは
テレビをもぐって八十五円しか払わない、そういう
法律制度上からいきますときわめて不都合な
状況を来たしたわけでございます。こういう
料金体系上の非常な不都合をなくしますために、八十五円の
ラジオ料金は五十円に引き下げ、三百八十五円の支払いを要する
テレビ、
ラジオ二本立ての
契約は一本
契約にいたしまして、今日の三百三十円にいたしたというのが過去の経過でございます。その当時のそれは、あまり先の将来を見越しまして朝令暮改の
料金にならないように、安定した長期
料金であるように構想をいたしまして、その際にはいろいろな将来向けの
事業計画を用意いたしますと同時に、外部の学識経験者にも御委嘱をいたしまして
料金の調査
委員会を設け、また
国会におきましても通信部会にそういう
料金関係の調査の機関を持たれまして、厳密な
検討の上に今日の制度が実は帰着をいたしたわけでございます。来年度以降の問題につきましても、乙の問題は
料金からいたしてみますと金額的には非常にわずかでございますけれ
ども、将来の
事業計画の構想、これに要する
財源の関係については的確な見通しを持たなければなりませんので、
事業計画の構想がまとまりましたならば、将来の
料金体系はどうあるべきか、これはあわせて当然に
検討いたさなければならない問題であろうと思いますので、
長期構想ができ次第そのようなことは
考えてまいりたいと思っております。