○
田代委員 将来
戦争が起こらないとかあるいは
インフレが起こらないとかあるいは
国民が苦しまないようにする。ないようにする、ないようにする、これはあたりまえですよ。そういうことは
常識以前の問題です。しかし問題は、実際においてないようにする、そういう
常識的なあたりまえのことじゃなくて、実際にそれをどう
保障して、安心して
国民が加入できるかどうかということが実際の問題です。もし
政府が、いま
大臣が言うような
説明をされているとすれば、これは全く——ですよ。これは——ですよ。
国民の金をたくさん集めて、そして入りなさい、入りなさい、これはこんなに役に立つのです、こんなにいいじゃないですか、あなたの
子供さんが生まれて、そして学校に行くようになったらこんなになる。その間に
物価はどんどん上がる。その非常にとうとい金を使わして、いざ使おうと思ったらもう役に立たないということになる。そういう
可能性が十分ある。また事実過去においてあった。あったということがこの
法案の出されているあれですから、それをされるということは——じゃないですか。——だと思うのです。しかも一方においてこういう
勧告をして、実に美しい、かわいい
お子さまの
学資や
結婚の御準備に
年金をおすすめいたします、
老後のために働ける間に準備なさい。働く労働者がほんとうに骨身を削って働いて、そして
自分は当然その日に食う御飯に使いあるいは魚代にしなければならぬ金までも貯蓄してこれに入るのです。たとえそれは
任意制度と言われましても、われわれの
生活は十分
保障されておらないから、したがって何とか
自分のとにかく骨までも削って、
自分の肉までも削って、そうしてこういうことにしなければ生きていけない、そういう
立場から入っているのです。そういうことはわかった上でなさらないと、これは全く
意味がないと思うのです。ですから実際いまの
政府の答弁というものは、これは
国民に対する欺瞞であるということは明らかだと思うのです。
そこで私は、なおこれを別の面からそういうことをよりはっきりさせて、
国民の前に明確にする必要があると思うのですが、大体そのようにして集められたばく大な金というのはどのように使われたか。二十二年以前の
年金の
契約の
総額は
幾らで、そうして何に使ったか、何に投資されたか。そうしてその
内訳は現在どうなっているという点を御
説明願いたいと思うのです。