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1967-06-08 第55回国会 衆議院 逓信委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年六月八日(木曜日)    午前十時十三分開議  出席委員    委員長 松澤 雄藏君    理事 秋田 大助君 理事 加藤常太郎君    理事 佐藤洋之助君 理事 志賀健次郎君    理事 田村  元君 理事 中井徳次郎君    理事 森本  靖君 理事 佐々木良作君       小渕 恵三君    加藤 六月君       亀岡 高夫君    木部 佳昭君       徳安 實藏君    中曽根康弘君       羽田武嗣郎君   橋本登美三郎君       水野  清君    井手 以誠君       大柴 滋夫君    金丸 徳重君       樋上 新一君    田代 文久君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 小林 武治君  出席政府委員         郵政政務次官  田澤 吉郎君         郵政大臣官房長 竹下 一記君         郵政省電波監理         局長      淺野 賢澄君  委員外出席者         郵政省電波監理         局放送部長   佐藤  恵君         会計検査院事務         総局第五局長  佐藤 三郎君         参  考  人         (日本放送協会         会長)     前田 義徳君         参  考  人         (日本放送協会         副会長)    小野 吉郎君         参  考  人         (日本放送協会         専務理事)   三熊 文雄君         参  考  人         (日本放送協会         専務理事)   赤城 正武君         参  考  人         (日本放送協会         専務理事)   野村 達治君         参  考  人         (日本放送協会         専務理事)   浅沼  博君         参  考  人         (日本放送協会         理事)     志賀 正信君         参  考  人         (日本放送協会         理事)     佐野 弘吉君         参  考  人         (日本放送協会         総合企画室総         務)      野村 忠夫君         参  考  人         (日本放送協会         放送業務局長) 藤根井和夫君         参  考  人         (日本放送協会         経理局長)   内田 敬三君         専  門  員 水田  誠君     ————————————— 六月八日  委員金丸徳重辞任につき、その補欠として芳  賀貢君が議長指名委員選任された。 同日  委員芳賀貢辞任につき、その補欠として金丸  徳重君が議長指名委員選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  日本放送協会昭和三十九年度財産目録貸借対  照表及び損益計算書      ————◇—————
  2. 松澤雄藏

    松澤委員長 これより会議を開きます。  日本放送協会昭和三十九年度財産目録貸借対照表及び損益計算書を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、これを許します。田代文久君。
  3. 田代文久

    田代委員 受信料使途についてお尋ねしたいのですが、三十九年度における受信料を集めた金の使途について、まずその内容についてお尋ねしたい。
  4. 志賀正信

    志賀参考人 ただいまの三十九年度受信料使途についてのお尋ねでございますが、三十九年度には、受信料収入総額は六百五十四億二百七十七万円でございます。収入といたしましては、このほかに交付金収入雑収入等がございまして、総額六百六十六億三千五百万円になっております。  これに対しまして支出といたしましては、まず協会事業費用に四百五十七億七千八百万円を使用いたしてございます。それから減価償却費に六十六億二千百万円でございます。それから関連経費といたしまして、預金利息その他に四十億一千五百万円でございます。以上が事業支出でございまして、五百六十四億一千五百万円に相なっておりますが、なおこのほかに建設費関係あるいは借り入れ金返還等資本支出充当といたしまして八十八億五千七百万円を支出いたしてございます。  以上が受信料収入及び交付金雑収入等事業収入に対しましての支出内容でございますが、この結果、当期剰余金といたしまして十三億六千万円の剰余金を生じております。以上でございます。
  5. 田代文久

    田代委員 そうしますと、いまので大体全体の割合、すぐ計算できませんけれども国内放送向けの分は大体何%くらいになりますか。
  6. 志賀正信

    志賀参考人 国内放送費といたしましては、百八十七億円を支出いたしておりますので、約三三%くらいになっております。
  7. 田代文久

    田代委員 それは三十九年度で三三%幾らですか。
  8. 志賀正信

    志賀参考人 さようでございます。
  9. 田代文久

    田代委員 そうすると、三十六年以後の変化をちょっと知らせていただきたい。
  10. 志賀正信

    志賀参考人 三十六年以降の資料につきましては、ただいま手元に持ち合わせてございませんが、放送費につきましては、年々若干ずつ増大いたしております。
  11. 田代文久

    田代委員 年々増大しているというお話ですけれども、三十九年度におけるパーセンテージというのは、全体として三分の一程度ですね。これは受信者といたしましては、私たちは非常に不満である。これはどういうわけだろうか。大体聴視者自身としては、自分たちは全部取られているわけだから、それがばく大な金が集まっているわけですから、国内放送向け自分たちのためになぜもっと金を使わないのかという問題があるわけです。ですから、全作の中で三分の一程度しか使われていないということ、そうすると、あとの三分の二はどういう方向へ主として使われているのかということをお尋ねしたい。
  12. 志賀正信

    志賀参考人 御説明がたいへん中途はんぱで十分な御理解をいただけなかったかと思いますが、国内放送費として計上いたしておりますものは、番組制作いたします際の直接の関係経費でございます。実はこれには人件費が入っておりませんので、番組関係いたします分の人件費をこれに含めますと、六〇%以上の経費番組に投入されていることになるわけであります。  なおNHKがこの事業を行なってまいります際に、この番組制作いたします仕事関連いたしまして、あわせて国際放送仕事あるいは受信料集金いたします仕事あるいは放送文化研究所ないしは技術研究所等研究機関仕事等がございまして、これをあわせまして、先ほど申し上げましたような数字になるわけでございますが、番組制作費につきましては、先ほどの三三%程度に加えまして人件費を含めて考える必要があるかと思います。
  13. 田代文久

    田代委員 ついでですが、外国の代表的なラジオテレビ国内放送向け費用というものは大体どういうことですか。十分調べておられると思いますが……。
  14. 志賀正信

    志賀参考人 外国放送機関といたしましては、一番NHKの形態に近似いたしておりますのが英国BBCの場合でございます。ただいま番組制作費につきまして大よそのことを申し上げましたが、そのほかにNHKにおきましてはBBCでは現在やっていないようないろいろないまあげたような業務集金をする関係とか、そういうような費用がございまして、こういうものを一応NHKだけの仕事といたしまして除外をいたしましてBBCNHKを比較してみる必要があるかと思います。一応そういう研究をいたしたことがございますが、ただいまのような見方をいたしますと、番組制作に要する総費用は約五九・一%ということになりますので、先ほど約六〇%と申し上げましたが、NHKの場合には事業運営費の約六〇%が番組制作費に当たっておるわけでございます。これと対応いたしまして、英国BBCの場合には番組制作費には約五九・九%ということになっておりますので、大よそNHKBBCとはほぼ同じような形をとっておるのではないかと思います。ただBBCにおきましては、受信料のようなものが一括税金の形で徴収されまして、これがBBCに交付される形になっておりまして、これがNHKの場合には自分集金をするというような形になっておりまして、またそのほかに研究機関とか、いろいろなNHK独得の形がございますので、そういうものの経費を含めて全体ができておるわけでございますが、いまお尋ね番組制作だけを考えますと、ほぼBBCと同じ形をとっているというふうに考えていいかと思います。
  15. 田代文久

    田代委員 そうしますと大体そういう形でされるのが、人件費も含めますと六十数%になる。そうすると残余ですね、残余の分についてのその使途ですね、それは先ほどのあれで出ておりましたが、ちょっと一般的に、どういうものに——カラーテレビとか、あるいはそういう問題に投入されるわけですか。
  16. 志賀正信

    志賀参考人 先ほどちょっと触れましたが、順次申し上げますと国際放送仕事、これは国内向け番組に対応いたしまして、国内受信者には直接関係はございませんが、NHKの大きな業務といたしまして国際放送仕事をやっております。これには人件費を含めまして約一・二%の金を現在かけておる状況でございます。  それから業務費と申しまして集金受信料集金関係経費及び受信者への、いろいろな見えにくいところ、聞こえにくいところに対しましてのサービスのような仕事、これに約一三・一%の費用をかけております。  それから調査研究関係といたしまして、愛宕山にございます放送文化研究所及び砧にございます技術研究所基礎研究所、これらの研究機関費用に三二%の費用をかけております。  それからなおそのほかに、減価償却費が一三・八%ございます。その他資本利子借り入れ金等利息その他で約九・七%ございまして、以上申し上げましたものが四〇・九%ございます。これが番組に直接——間接的には全部関係がございますが、いまお尋ね制作費そのものには直接関係はございません分でございまして、約六、四の比率になっておるわけでございます。
  17. 田代文久

    田代委員 そうしますと全体の利益金ですね、利潤。その内容をひとつ、やはり三十六年ころから変化説明していただきたいのですが……。
  18. 志賀正信

    志賀参考人 三十六年度以降の分につきましては、ただいまちょっと手元資料がございませんので後ほどまた御説明したいと思いますが、三十九年度には当期剰余金が十三億、お手元資料にもございますように計上されております。これは棄金と申しますれば一般会計原則の形では利益でございますが、NHKの場合には予算制度仕事をいたしておりますので、年度後半に至りまして、年度末に受信者等の増加によりまして予定以上の収入のございましたような場合、あるいは年度途中に予定をしました仕事が諸般の情勢から繰り延べになりましたような場合には、当年度はその予算支出しないわけでございまして、そういう場合には収支の残として残りまして、これが剰余金の形で繰り越される、こういうことになっておりまして、三十九年度には事業収支の差が十三億六千万円ございましたわけでございます。
  19. 田代文久

    田代委員 これは大臣にお聞きしたいのですが、経営委員会責任者ですね、これは大体四期連続に選ばれた、一般にはほかの人が選ばれるのがいいのじゃないかという世論もあったように思いますけれども、そういう経営委員会運営というものがほんとうに民主的に行なわれているかどうか、たとえばその人員の構成というような問題についてもこれは当然関係するわけでありますが、その点について大臣にお聞きしたいと思うのです。
  20. 小林武治

    小林国務大臣 いまのお話のようなことはまだ国会承認が得られておりませんから、それがどうなるかというようなことは私からお答えはできません。この経営委員選任につきましては法律に規定がございまして、その規定に従ってやっておる、すなわち中央的なものとそれから各ブロック別のものと、こういうふうにあんばいすることになっておりまするので、これらによって民主的な選任がされておる、かように考えております。
  21. 田代文久

    田代委員 これは同じく大臣ですが、受信料の問題について、これはあとから法案も出るようになっていますけれども、大体やはり高いというのが一般世論でございまして、これを軽減するというような意図があるかどうか、それをお尋ねしたいと思うのです。
  22. 小林武治

    小林国務大臣 NHKというのはいわゆる公共経済でございまして、要るだけのものを結果から申せば料金としていただければよろしい。したがって、いわゆるゆずることを目的として入ることを考える、こういうたてまえ、いわゆる公経済、かようなかっこうであると思うのでありまして、現在のところNHK仕事が適当な仕事がなされておるということになれば、それをまかなうだけの料金は適当な料金である、こういうふうに抽象的に申せるのであります。しこうして御承知のようにこの国会NHK経理状況から見て、ラジオ単独受信料は廃止をしてもNHK経営には大なる支障がなかろうということで、いわゆる従来の乙料金を来年四月から廃止するような措置をとりたい、こういうことで、その関係法案の御審議をお願いしておるのでございまして、この関係仕事は、いまNHK計算では大体来年度は八億円くらいの収入が見込めたであろう、こういうことでありますが、その八億円の収入はこの法案が成立すればなくなる、こういうことで、あとはいわゆる甲料金と称する三百三十円というテレビ関係料金は据え置くことにすればいまのラジオ受信料を全廃しても経営に差しつかえなかろう、こういうふうな考え方をいま持っておるのであります。
  23. 田代文久

    田代委員 終わります。
  24. 松澤雄藏

  25. 中井徳次郎

    中井委員 昭和三十九年度NHK決算関連をしまして二点ばかりお尋ねを申します。  第一点は放送債券についてでありますが、三十九年度放送債券はどれくらい募集されたのでしょうか、ちょっと数字を聞かしてもらいたい。それから、ことしの予算にもちょっとあるように思いますが……。
  26. 志賀正信

    志賀参考人 お答え申し上げます。三十九年度放送債券を募集いたしました総額は五十億でございました。
  27. 中井徳次郎

    中井委員 それは予算が五十億で、決算が五十億なんですか、どうですか。
  28. 志賀正信

    志賀参考人 予算五十億に対しまして予算どおり五十億円の発行をいたしました。
  29. 中井徳次郎

    中井委員 昨年はどうですか、四十一年は。
  30. 志賀正信

    志賀参考人 四十一年度におきましては十億円の放送債券発行をいたしております。
  31. 中井徳次郎

    中井委員 四十二年度はどうでございましたか。
  32. 志賀正信

    志賀参考人 四十二年度につきましては、先般御承認をいただきました予算におきまして二十億円の発行予定をいたしておりますが、現在までまだ発行をしていないところでございます。
  33. 中井徳次郎

    中井委員 まだほかに十億円あるのじゃないですか。政府がどうやらこうやら言うて、みんなで三十億じゃなかったのですか。
  34. 志賀正信

    志賀参考人 四十二年度につきましては二十億円の債券発行の計画を予算に計上いたしましたが、そのうちで十億円は財政投融資予定いたしております。残りの十億円は一般公募予定いたしたものでございます。
  35. 中井徳次郎

    中井委員 どうも先ほどから伺っておって、この放送債券でありますが、総計が三百数十億あったと思うのですけれども、去年からことしにかけまして、いろいろ皆さん説明を聞き、現実のNHK運営等を拝見しておりますと、もうことしあたりは一千億近い収支の中で特にこの放送債券なんというものを計上する必要はあるのでしょうか。これはずっと毎年やっていったら——まあ少しは、やっぱりおつき合いで、銀行との関係もあるし、ずっと出しておるというのが率直なところじゃないのでしょうか。会長、この辺のところどうです。まあ三十九年は、いろいろオリンピックがありましたから物入りがあって五十億というのも一応わかりますが、それからあとは、非常に健全な——健全ということにもいろいろありましょうけれども、私は、非常に余裕のある予算であり、決算であるというふうな判断をしておるのです。その中で十億だとか二十億だとか、まあできればこんなことはやりたくないんだけれども、万一のときがあるからちょっと入れておく、こういうことなのか。ほんとうに十億足りないのか、二十億足りないのか、この辺のところですね、率直に私はNHK当局のお気持ちをちょっと聞いておきたい。
  36. 前田義徳

    前田参考人 ほんとうのところは、毎年度足りないわけでございます。それを放送債券によってまかなうか、あるいは一般市中銀行からの長期借入金によってまかなうかの問題が経営上の問題でございます。その点につきましては、予算総則が数年前に当委員会の御承認をいただいて、必要に応じて放送債券もしくは長期借入金によってまかなうことができるという御承認をいただいているわけでございます。その理由は、近年金融市場の低金利という実情と勘案いたしまして、放送債券発行することが聴視者のためにプラスであるか、それとも市中銀行から長期借入の形のほうがプラスであるかという問題と勘案して、経営的見地からその年度放送債券部分とそうでない部分とをきめさしていただいているというのが実情でございます。  御指摘の点で特にお答えしなければならないと感じましたのは、それでは逆に今度は、二十億ぐらいのものをどうして毎年計上しているかというお話でございますが、私どもといたしましては、そこには二つ理由がございます。一つは、一般金融情勢がはたして常に安定していけるかどうかという問題でございます。市中銀行金融が逼迫した場合にはしょせんやはり限度がおのずから出てまいりますから、その場合はやはり一般公募もしくはその一部を財政投融資による放送債券の買い上げに待つかという問題が常につきまとっているわけでございまして、その意味で、毎年度相当額放送債券発行予定するわけでございますし、また、第二の考え方としては、金融情勢が急変した場合も予想しなければ、やはり安定した経営はできませんので、この二つ理由から、やはり毎年度一応の放送債券発行予定をしておくということが、聴視者皆さんに対しての責任を負うたてまえからは必要である、このように考えているわけでございます。
  37. 中井徳次郎

    中井委員 会長、とうとうとお述べになったが、結局私の意見とどこが違ったか、これはよくわからないのですが、一番最後にあなたは、一応の予定をしておく、こうおっしゃった、そうですね。
  38. 前田義徳

    前田参考人 全部でございます。
  39. 中井徳次郎

    中井委員 これは、前田さん、一年に、ことしあたりNHK支出は一千億近いのでしょう。  月間八十億ですから、おそらく日常業務運営にはこんなもの要らない。そんなもの、三月末の支払いを十日ばかり延ばしてもいいし、何ぼでも方法は山ほどある。借り入れ金をふやしたって、今日日本銀行NHKが金貸してくれといって、よう貸さぬところ、ありませんよ。これは私太鼓判を押す。金融情勢が急変して一番影響が少ないのは、私はNHKじゃなかろうかと思います。ですから、私は、放送債券というものを、こういう勘定科目があってなにするから入れる、一千億近い収支であるから、ほんとうに超非常時のことがあるかもしれぬから、とにかく十億か五億か入れておくというならまあまあわかりますが、それ以外としては、ことしあたり放送債券の必要がもう全然ないというふうに私は思うのです。そこで放送債券予算にあげられた理由を聞いてみたい、こう思いましたのですが、いかがですか。
  40. 前田義徳

    前田参考人 私どもの立場は先生御自身の御理解とは多少異なっておりまして、その点を説明をさせていただきたいと思いますが、予算総額が、たとえば昭和四十二年度、御審議いただいたとおり約一千億でございますが、しかし収入は一千億ではございません。本年度最小限度五十億の外部資金の調達を目標として、約一千億の予算を組ましていただいたわけでございます。したがいまして、受信料もしくは先ほど志賀理事から説明申し上げたような非常に額の少ないその他の雑収入というものでこの全額がまかなえるのではございません。したがいまして、私どもといたしましては、先ほど来御説明申し上げましたように、五十億のうちの簡単にいいますと、一応三十億を市中銀行から、その余の二十億を放送債券によってというたてまえを一応きめておるわけでございまして、いずれにいたしましても、五十億不足するという事実は、これは事実としてあるわけでございます。
  41. 中井徳次郎

    中井委員 そういうことならば、私はできるだけ最初からこの五十億は節約するというたてまえで考えてもらいたいというふうに思いますがね。  いま説明を聞けば、三十億は市中銀行からの借り入れというのですが、この借り入れ金は何年の期限で、利子幾らですか。
  42. 志賀正信

    志賀参考人 普通二年程度の期間になっておりますが、予算の上では三年ないし五年くらいで返すつもりで計算をいたしてございます。利息といたしましては、約一銭六厘ないし一銭八厘が現状の借り入れ金利でございます。
  43. 中井徳次郎

    中井委員 一銭六厘の借り入れ金なんというのはすばらしいものだと思いますから、必要あらばこれで借り入れておけばよろしい。そうして二年か三年というのですから、二年か三年のうちで予定外収入といいますか、よけい入ればこれを返していけばよろしい。私はやはりこの二十億の放送債券というものの本質について、これは前田会長の言うように一千億円びしっと要るのだというものの考え方では、これはお役所よりも甘いですよ。お役所でも、自民党政府だってここ数年来に、たいてい途中で百億や二百億、予算を節約したり何かしています。できるわけなんですね。私はこの点は、きょうはもう放送債券がいけないなんということを言っているのじゃありません。もっと流動的に、必要があればもっとたくさんやってもいいと思いますが、必要がないのにもかかわらず、まあ毎年やっているのだからことしもやっておこうというふうなこと、これはどうかという意味で申し上げている。三十億の一時借り入れ金がそんな有利で借りられるならば、あえて債券をふやすのが能じゃないのですから。私はそう思いますが、あなたが最後に言われた一応の予定をしておくということなら私はわかります。一般金融情勢金融の急変を考えてということでありますが、この辺のところは、私は企業としての努力という点でもう一つ研究の余地がおありじゃないか。  特に、ここ数年来は毎年毎年テレビ聴視者の数なんぞはおそらく予算以上にふえている。ずっとふえていると思いますから、いかがですか、その辺の数字を、三十九年度決算予算に比べて受信料収入はどれくらいふえたか、四十年度はどれくらいふえたか、四十一年度はどれくらいふえたか、それをちょっとお聞かせ願いたい。
  44. 志賀正信

    志賀参考人 三十九年度におきましては、受信料は六百四十二億の収入予定をいたしましたが、決算額におきましては六百五十四億の成績をあげることができましたので、差し引き、年度末までに十一億の収入増になっております。  それから四十年度におきましは六百九十二億の受信料収入予算で御承認をいただいておりますが、これも年間の企業努力をいたしました関係から、七百億の収入を計上することができまして、八億五千万円の収入増になっております。
  45. 中井徳次郎

    中井委員 いまの数字を聞きましても、大体十億前後のものが予算外収入になっておるわけであります。この点は三十九年度決算審議ということでありますから、済んだことですから争いません。将来放送債券というふうな問題については、もう少し流動的に考えてもらいたい。去年もあるからことしも、ことしもあるから来年もというのではなくて、それを強く要望しておきます。  それから念のために聞きますが、市中銀行借り入れ金という中の市中銀行というのはどこどこですか。
  46. 志賀正信

    志賀参考人 現在借り入れをいたしております銀行は、第一銀行日本勧業銀行三井銀行、三菱銀行、富士銀行及び住友銀行でございます。
  47. 中井徳次郎

    中井委員 いわゆる五大銀行とか十大銀行とかいうところが全部入っているのですか。たとえばいまお話を聞いたが、第一とかいうのが入っておりませんが、その辺のところはどうなんですか。
  48. 志賀正信

    志賀参考人 第一銀行も入っておりまして、大手五大銀行は全部入っております。
  49. 中井徳次郎

    中井委員 シンジケートみたいになっているのですか。どうなっているのです。
  50. 志賀正信

    志賀参考人 シンジケートにはなっておりませんが、主として第一銀行及び日本勧業銀行債券の受託銀行にもなっております。(中井委員「幹事銀行は」と呼ぶ)幹事銀行にもなっております。
  51. 中井徳次郎

    中井委員 もう一点伺っておきたいのですが、それは経費の使い方のことです。  まず第一に、参考までに私は聞いておきたいのですが、NHKが巨人−阪神なら巨人−阪神の野球放送を八時から九時半までやるというふうなときには、どれくらいの謝礼といいますか料金といいますか、そういうものを払うのですか、具体的にちょっと聞かしていただきたい。
  52. 浅沼博

    ○浅沼参考人 お尋ねのプロ野球の場合でございます。これはセリーグとパリーグと両方ございまして、シーズンの始まる前にリーグとして契約をいたします。それで大体セリーグは何試合、パリーグは何試合、一試合当たり幾ら、これはこちらの都合で放送番組の編成上放送できなかった場合も払うという約束で一括契約になっております。一試合当たりの値段は、これは日本シリーズは別でございますが、大体一本二百万円見当になっております。
  53. 中井徳次郎

    中井委員 大体百万円見当と言いますが、その中で人気番組と人気のないものとの間に区別があるのですか、ないのですか。
  54. 浅沼博

    ○浅沼参考人 ございません。先ほど申し上げましたように、日本シリーズだけは別でございます。
  55. 中井徳次郎

    中井委員 ことしは総額幾らで、幾らなんですか。
  56. 浅沼博

    ○浅沼参考人 大体一試合二百万円見当で、セリーグ、パリーグ両方合わせまして二十六試合見当でございます。
  57. 中井徳次郎

    中井委員 たった二千六百万円ですか。
  58. 浅沼博

    ○浅沼参考人 そのくらいになると思います。大体五千万円ぐらいでございます。
  59. 中井徳次郎

    中井委員 五千万円と二千万円と倍違うじゃないですか。そういうことでは困るな。一ぺんこれは資料を出してください。一体セリーグは幾らでパリーグは幾ら、どういうことになっておるのか、ひとつ願いたいと思うのです。野球のきらいな人はこれはたいしたことじゃないですけれども、野球の好きな人にとりましては、聴視率も相当高いのじゃないかと思う。一時間半もやっておって百万や二百万でいけるのでは、NHKは非常にいいような感じがするものですから、ちょっと……。
  60. 浅沼博

    ○浅沼参考人 先ほど一試合二百万円と申し上げました。資料あとでお届けいたします。
  61. 松澤雄藏

    松澤委員長 答弁者のほうに御注意申し上げますが、決してあわてないで、ゆっくり考えて、調べて答弁して支障がないですから、どうか雰囲気にのまれないように確実に答弁してください。
  62. 中井徳次郎

    中井委員 委員長の助け船が出ましたから、親切な御答弁があるだろうと思いますが、そういうものと関連をいたしまして、たとえば昨年の人気番組とかいま非常に人気番組であります「三姉妹」などというああいう演劇ものでありますが、ああいうものは、「三姉妹」ですと八時十五分から九時までやっておりますが、あれはあの四十五分間一こまでどれくらいかかっておりますか、これをひとつお聞かせいただきたいのです。
  63. 浅沼博

    ○浅沼参考人 「三姉妹」の一こまが何分かかるかというのはちょっと私もよくわかりませんけれども……。
  64. 中井徳次郎

    中井委員 金額ですよ。それならちょっと説明しましょう。おそらくいろいろな契約の内容があるでしょう。あるでしょうが、二十回なら二十回で終わるのか、三十回で終わるのか知らぬが、その全体の経費計算されまして、出演料やら何やら取材費とか準備もたくさんありましょう。交渉費も要るでしょう。あなた方の月給まで計算せよとは私は言っておりません。そういう直接費的なものの総計を出して、そして二十回なら二十回で割る、四十五分間で幾ら、これは全体でもけっこうですよ。全体でもけっこうですが、そういう芸能関係経費について私は伺っておきたいと思います。
  65. 浅沼博

    ○浅沼参考人 「三姉妹」の総予算額は二百四十  一万二千円でございます。
  66. 中井徳次郎

    中井委員 それは四十五分間に割って二百四十一万円ですか。
  67. 浅沼博

    ○浅沼参考人 さようでございます。一本当たりの値段でございます。
  68. 中井徳次郎

    中井委員 これは何回ぐらいで終わるのです。
  69. 浅沼博

    ○浅沼参考人 これは一年間でございますから五十三本ぐらいになると思います。
  70. 中井徳次郎

    中井委員 そうしますと総計幾らです。
  71. 浅沼博

    ○浅沼参考人 年間一億二千七百八十三万円でございます。
  72. 中井徳次郎

    中井委員 この中で芸能人の出演料はどれぐらいであるか。それから立ち入って恐縮ですが、最高の人はどれぐらいの収入になっておるか、そういう内訳をひとつ聞かしていただきたいと思います。もっとはっきり言いますと、具体的に何のたれ兵衛ということになると困るのであればそれはけっこうです。けっこうですが、たとえば「三姉妹」でなくてもいいですが、昨年度なら昨年度のあなたのほうのNHK関係で最も高い出演料に当たるような人は一時間どれぐらいであるのか、そういうことをちょっと伺ってみたいのです。
  73. 浅沼博

    ○浅沼参考人 「三姉妹」の場合は、一本当たりの制作費に占める総出演料は総額で八十六万六千円でございます。それでこの出演料の内訳は、出演者の方のお名前は省略させていただきますが、一番高い方が二十五万円でございます。安い方が一万円でございます。
  74. 中井徳次郎

    中井委員 この二十五万円とか一万円というのは一回分ですね。
  75. 浅沼博

    ○浅沼参考人 一回分でございます。
  76. 中井徳次郎

    中井委員 そういたしますと、二百四十一万円のうちでそういう人件費的なものが八十六万円ということになると、あとの準備や何かにたいへん金をかけておる、こういうことになる、どうですか、セットだとかなんだとかいうことに金がかかる……。
  77. 浅沼博

    ○浅沼参考人 番組制作費は、ただいま申し上げました出演料のほかに美術関係、つまり大道具、小道具の費用、それから音楽の委嘱料あるいは原作料、それから脚色料といったものが含まれております。その中で一番多額のパーセンテージを占めるものは大道具、小道具の美術関係費用でございます。それに続いて原作料、脚色料、音楽の委嘱料というような順序になっております。
  78. 中井徳次郎

    中井委員 そういたしますと、一千億という総予算の中で、いまの最も人気番組でありますところのたとえば「三姉妹」の経費が一億二千万円、こういう比率。しかもその内訳を見ると、一万円の人から二十五万円の人までいろいろある。これは単にNHKだけの問題ではなくて、日本全体の芸能界との関連もありましょうし、そういう格づけ等につきましては、あなたのほうで何か特別の委員会でも置いて打ち合わせをされて——浅沼君の下でそういう組織があるようにもちょっと聞いておるのですが、その辺の経費の決定とか出演料の決定とかいうものはどういう形で現在行なわれておりますか。その辺のところを伺っておきたいと思います。
  79. 浅沼博

    ○浅沼参考人 協会として出演者に対します場合は、報酬として協会が考慮する基準というものをきめるのが格付委員会でございまして、現場の局の総務部長が全部集まりまして、この格付委員会というものを構成しております。それからなおこの下部組織にはその道の知識、経験の豊富なプロデューサーが下部組織の委員会を形成しておりまして、原則として年に一回技能向上等を勘案して、その格づけの修正をはかっておるというのが現状でございます。
  80. 中井徳次郎

    中井委員 そうすると、協会外の人は入ってないのですね、そういうものの決定には。どうなんです。
  81. 浅沼博

    ○浅沼参考人 入っておりません。
  82. 中井徳次郎

    中井委員 よくわかりました。これで質問を終わりますが、いま申しましたようなことにつきましてちょっと先ほどからお返事がありましたものに関連をして、たとえば「三姉妹」の前の昨年たいへん人気がありました「おはなはん」その他、ああいうことについても、一応いまあなたから御答弁いただいた程度でけっこうですから、去年一番よけい経費のかかったプログラムの資料をひとつ出していただきたい、かように思います。  以上で、質問を終わります。出していただけるのですね。
  83. 浅沼博

    ○浅沼参考人 提出申し上げます。
  84. 松澤雄藏

    松澤委員長 森本靖君。
  85. 森本靖

    ○森本委員 三十九年度決算の質問をそれぞれ各委員からいたしましたので、私も簡単に行ないたいと思いますから、ひとつ答弁のほうも簡単に要を得て答弁を願いたいと思います。この決算審議をいたします前に、実は今度の国会には放送法の改正案も出ております。それから電波問題についてもいろいろとやかくいわれておるわけでありまして、NHKにとりましてもきわめて重要な時期であるというふうに私は考えておるわけであります。そこで会長にちょっとお伺いしたいと思いますが、きょう何か外国のほうに行かれるそうでありますが、どういう御用件で行かれるわけですか。
  86. 前田義徳

    前田参考人 世界放送学会の創立総会が開かれるということについて、昨年秋以来その発起者の有力団体から私に初代の議長になるように要請がきておりまして、私はしばらくその回答を出しませんでしたが、各地の放送事業者等からも強い要望があり、また協会内の理事会等の御意見も伺ったわけですが、この際は万難を排して出席すべきであろうということになりまして、それで出席するという決心をしたわけでございます。
  87. 森本靖

    ○森本委員 私はその会議に出るのが悪いとか、そういうことを言うわけではありませんけれども、重要な会議で確かに出ることについては非常に意義があろうと思いますが、ただここで私がはっきり申し上げておきたいと思いますことは、NHKが公共放送として他の一般民間放送と違うというところの大きな原因は、やはりこの放送法に基づいて業務が行なわれておる。政府あるいはその他の政党からも何ら干渉を受けない。国民から直接選ばれたところの国会予算その他について承認をし、決算承認をする。さらに国会承認を得たところの経営委員会というものがこのNHKに勧告もし、あるいは忠告もする、こういう公共放送としての仕組みがあるからこそNHK本来の使命と基盤があるわけであって、そういう点からNHKが世間的にも大きな信頼を得ている、そういうふうに私は考えておるわけであります。  そういう点からいくとするならば、少なくともこのNHKに対していろいろなことを国民の代弁としてもの申すところは、結局経営委員会国会しかないわけであります。これ以外のものがこれを監督指導するということであっては公共放送にならないわけであります。そういう点からいくとするならば、少なくとも国会の会期中においては、場合によってはいつ、どういうところからNHK責任者に対して国会に出てきてもらっていろいろの説明をしてもらうという要請なり要求があるかもしれないと思います。特に今度の国会あと会期がわずかでありますし、それから特にNHKに非常に関係の深い放送法改正の問題が出されておるわけであります。そういう点を考えたときに、国会の開会中においてはNHKの首脳陣というものが国外に出るということはなるべく避けてもらいたい。そのこと自体がNHKが放送法に基づいて行なっておる公共放送としての使命に忠実であるというふうに私は考えるわけであって、ややもすると、国会というところは非常にうるさいところである、文句を言われるところであるという考え方に立って、国会を敬遠するとは言いませんけれども、そういうような気分になっては私はいかぬと思う。逆にNHKのほうから進んで国会に対していろいろのことを説明をし、あるいはまたNHKとしてはこういう考え方を持っておるが、国会の方面の御意見はどうだろうということを密接に連絡するくらいの意気があってこそ、私はNHKというものが——ふだんNHKは公共放送であるといっていばっていることはないと思いますが、そういうことの意味が私はあると思います。そういう点をよくお考え願っておきたいと思うわけでありまして、今回の会長の問題をとやかくということではなしに、NHKの姿勢としてそういう点を十分に今後考えてもらいたいというふうに思うわけであります。特に国会方面では、どうも国会というところは文句と忠告を受けるためうるさい、こういう考え方NHK理事諸君が持ったのなら、それはもはやNHKの公共放送というものの使命は終わりである。逆に国会を通じて国民に語りかけるという点を非常に重要視してもらいたいと考えるわけでありまして、その点は質問ではありませんけれども、本日の私のこの発言については十分にNHK会長以下首脳陣はお考えを置いてもらいたいと考えます。その点会長の一応の所見を聞いておきたいと思うわけです。
  88. 前田義徳

    前田参考人 まことにごもっともなことと存じます。私の今回の決定につきましても、経営委員会の了承並びに当委員会委員長の御了承も特にお願い申し上げまして、御了承をいただいております。私どもとしては、国民の機関でございますので、その代表の府である国会に対して、それに出席を忌避するとかそのような気持ちは毛頭ございません。私どもはもとより政府委員ではございませんが、参考人としてお呼びいただいているわけでありますが、機会あるごとに私どもといたしましてはNHK実情、それからNHKに対する幹部の考え方、したがって放送法との関係における責任の所在とその行動の限界というものを御理解いただくように努力してまいりたい、このように考えております。
  89. 森本靖

    ○森本委員 それから、これはいずれ放送法の改正の際の電波の問題のときに一応問題になると思いますけれども、何かこの間の新聞記事に、会長が今回のいわゆるUの問題について、NHKとしてもう一波Uの割当を全国的にもらいたいものと考えているという発表が出ておったわけでありますが、この点の真相について、ひとつ会長の御意見を聞いておきたいと思います。
  90. 前田義徳

    前田参考人 あの新聞記事の書き方その他についてはこれは別の問題かと考えますが、昭和四十二年度予算を当委員会で御審議いただいた際にも、当時大学教育を中心とする放送の問題について御質疑が出まして、私自身もそのとき質問をいただきました。その意味において、もし国が、また国民が放送による広域大学通信教育をほんとうにおやりになるならば、私どもとしてはこの機会にUHFの処理と関連して、さらに全国的な一波をいただきたい気持ちであるということを、当委員会においても申し上げております。おそらく新聞はその後——御承知かと思いますが、私どもは定例記者会見というのを一月に一度いたしております。国会のそのような質疑応答と関連して、当時の記者会見でその質問が出まして、国会で申し上げた所見と同じ所見を記者クラブにおいても申し上げたわけでございます。
  91. 森本靖

    ○森本委員 この問題は、いずれ放送法の改正の際に質問をしたいと思いますので、本日は避けたいと思いますが、ただ、いま会長が言われましたように、あの新聞の記事の内容というものは、当委員会で前に言われたように、大学教育のいわゆる視聴覚教育というような形における問題である、あのときの発言とは変わりはないということであるとするならば、この問題はいずれ放送法の改正の際に、また大臣その他にも質問をしたいというふうに考えます。  それでは、この三十九年の決算に入りたいと思いますが、三十九年度のこの決算雑収入については、これは幾らになっておりますか。
  92. 志賀正信

    志賀参考人 雑収入の金額は十一億円でございます。
  93. 森本靖

    ○森本委員 その内訳のおもなものをちょっと……。
  94. 志賀正信

    志賀参考人 正確には十一億一千十一万五千円でございますが、そのうちで預金利息関係が二億八千五百万円でございます。それから、放送債券の積み立て金の利息収入といたしまして、三億四千六百万円でございます。それから保証金等で電電債券等を保有いたしておりますが、これの利息分の収入が六千九百八十万円でございます。それから当年度はオリンピックがございました年でございまして、外国放送機関に対しましてNHKが設備その他の便益の供与をいたしておりますが、これに伴いまして実費の回収といたしまして、これが一億六千九百六十九万円でございます。それからオリンピックの関係、オリンピックのその他の雑入金関係で四億八百万円でございますが、このうちでオリンピック関係番組の提供関係が二億三千万円でございます。それから一般番組提供関係が一億一千十八万円でございます。それから固定資産税の前納報奨金が八百万円、その他職員の家賃あるいは技術協力費等がその他でございます。
  95. 森本靖

    ○森本委員 たとえばこの三十九年にはないと思いますが、星条旗紙のあの建物について、調達庁から借料をもらったような場合には、それはどの収入に入りますか。
  96. 志賀正信

    志賀参考人 雑収入の中の内訳で、雑入金というところへ計上をいたします。
  97. 森本靖

    ○森本委員 一応そういうNHKが建物を貸したり土地を貸したりなんかして入っている収入は年間どのくらいありますか。三十九年度です。
  98. 志賀正信

    志賀参考人 三十九年度につきましては、竜土町の問題につきましてはまだ解決いたしておりませんが、職員の家賃その他建物関係の貸与の収入といたしましては四百六十万円でございます。
  99. 森本靖

    ○森本委員 職員の住宅とかそういうものでなしに、NHKが建物、土地を貸しているというようなものはほかにありませんか、竜土町以外に。
  100. 志賀正信

    志賀参考人 大きなものでNHKが特に貸与いたしているものはございませんが、田村町の会館の角にございます郵便局の局舎及び放送センターの構内にございます郵便局の局舎等は貸与物になっております。
  101. 森本靖

    ○森本委員 このNHKは、先ほど中井委員も言ったように、収支がいまのところ非常にいいわけであります。そこで、このNHKはもうけることをやるわけではないわけでありますので、収入については案外おおらかですが、しかし、これは放送法に基づいてやっているわけでありますから、いたずらに金が入ってくるといっても、それはできぬわけでありますが、ちょっとここで私、法的に聞いておきたいと思います。これは電波監理当局に聞きたいと思いますが、NHKテレビ塔とか、放送塔、あれに広告をさせるということは放送法に基づいていかぬですか。
  102. 淺野賢澄

    ○淺野政府委員 よくわかりませんが、しかし、設備自身の品位を落とさない、こういった面からならばいいのではないかと思います。
  103. 森本靖

    ○森本委員 全国のNHKテレビ塔なんかをずっと見てみるに、おそらくあれに広告をさせるということになれば、広告業者は飛びついてくると思うのですよ。ただこれは放送法に基づいて、放送法の第九条の中の三項に、営利を目的とするものであってはならぬ、こうあるわけでありますけれども、いま言ったような、たとえばテレビ塔に広告をするという場合には、テレビ塔の不要な部分を貸すとして、これは貸し料になるわけでありますから、そういうことで取るのがいかぬのかどうか、こういうことです。これはラジオ受信料も廃止されるしいろいろなことになると、現行の放送法の中において正当に入る金であるならば、入ってきてもよろしい、こう私は思うわけですが、これはNHK当局はどうお考えですか。
  104. 前田義徳

    前田参考人 放送法の条項で、送信機、鉄塔その他と関連いたして私ども理解するところでは、これを特別に他の者に使用を許す場合には、郵政大臣の認可を経ることが必要になっておりますし、同時に郵政大臣は認可を与えたあと国会承認を経ることが必要ではないかと、私どもの立場としてはそう理解しておる次第でございます。
  105. 森本靖

    ○森本委員 大臣、これはどうですか。いま電波監理局長は、品位ということを言いましたが、品位を落とさないような、上品な広告も私はあると思うのです。それで、これは広告料を取るということでなしに、要するにテレビ塔に広告を出すために貸与するという形にすれば、いまの雑収入の形の中と予算決算の経理は同じような形になるわけでありますが、ただこの放送法の九条にありますように、これは別のことでありますけれども、たとえば受信機の修理とかその他についても営利を目的としてはならない、こういうようにあったわけですが、その辺私も非常に疑問に思っておるのですが、大臣、どうですか。
  106. 小林武治

    小林国務大臣 この問題は、正直に言って私は虚をつかれたと申しますか、あまり考えたことはありません。しかし、いまのお話のように、場所を貸す、こういうふうなことは、NHK業務に支障がなく、またNHKの品位を傷つけないようなことであれば、場所を適当に貸してもいいのではないか、こういうふうに考えますが、これはなお検討いたしたいと思います。
  107. 森本靖

    ○森本委員 これはひとつ郵政省当局、それからNHK当局も真剣に考えてみてもらいたいと思うのですが、そういうふうな要望も、いわゆる広告をする側にもあろうと思いますし、また事実問題としてこれを許可するということになると、かなりの収入になると私は思うのです。おそらくNHKにすれば、そんな広告というようなみみっちいことができるか、大NHKがというふうに居直りそうに思うけれども、しかし私に言わせれば、なるべくなら収入が入ってきて、そうして受信料の負担というものを下げるということは必要だと思いますから、法律違反にならない限りにおいては、収入があるところから取っても私はいいというふうに考えておるわけでありますので、これはひとつ郵政省当局、NHK当局も十分に御検討願いたいと思うわけです。  それから、この財産目録の中に貯蔵品の増大というのが非常に目立っておるわけでありますが、三十七年に六千七百十五万円というのが、三十九年に一億四千七百万円というふうになっておるわけでありますが、これは一体どういうふうな傾向ですか。
  108. 志賀正信

    志賀参考人 貯蔵品につきましては、三十九年度に一億四千七百万円、ただいまお話しのとおりでございます。三十八年度においては四千三百万円、三十七年度には六千七百万円というふうな決算になっておりまして、お話のように三十九年度には約一億円ばかり貯蔵品が急増いたしております。まずこの貯蔵品の内容といたしましては、一般事務用品、それからNHKが特に業務上使用いたしております、なまフィルムと申しておりますが、撮影用のフィルム関係、それから全国の放送局が用意いたしております放送の謝礼品、それから技術研究関係の用品類、真空管とかトランジスター、コネクター等でございます。そのほかに調度、用具というようなものがございます。この三十九年度に特に金額が増大いたしましたのは、ちょうどEDPSの電子計算機の組織を導入することがこの年から発足いたしておりますので、特にフィルムの関係につきまして、従来使用いたします部局が必要のつど購入をいたしておりましたものを一括して購入いたしまして、そして払い出すという方式をこの年からとりました。その残品につきましてはEDPSによって一括処理できる方式をとりました関係で、各部局で随時購入いたしておりましたものを一括購入することになりまして、主としてカラー及びモノクロのなまフィルムの関係で貯蔵品が増大いたした関係であります。
  109. 森本靖

    ○森本委員 いまのフィルムについてはこれから使うフィルムでありますが、ここでちょっとお聞きしたいのは、先ほど問題になりましたたとえば「三姉妹」、それから「赤穂浪士」、それから「花の生涯」といったようなああいう大作ドラマは一億円以上でつくっておる、こういうことでありますが、そういうドラマのフィルムは残しておるわけですか。
  110. 浅沼博

    ○浅沼参考人 残しております。
  111. 森本靖

    ○森本委員 それから一時間もののドラマでも、優秀なドラマというものはすべて残してありますか。
  112. 浅沼博

    ○浅沼参考人 残すものと残さないものとがございます。
  113. 森本靖

    ○森本委員 たとえば「おはなはん」のようなものは残してありますか。
  114. 浅沼博

    ○浅沼参考人 残してあります。
  115. 森本靖

    ○森本委員 そこでこれももうけ仕事ですが、そういうふうないわゆる古いドラマについて、これをそのままフィルムで残しておくということはもったいないと思う。これはかりに地方の三流の映画館とかそういうところでこのフィルムを分けてもらいたい、あるいはまた今後どういうことになるか知りませんが、いま十二チャンネルなんかは、よその放送したものをもう一回放送しております。確かにもう一回「赤穂浪士」を見てみたいという人がおるかもわからぬ。そういう場合に民間放送がそのNHKのドラマのフィルムを売ってもらいたいというときに、これは売ったら大いに私は収入になると思うのですが、その辺どうですか。
  116. 浅沼博

    ○浅沼参考人 大体保存してありますフィルムの場合は十六ミリでございます。それからビデオの場合は、御承知のようなテレビの機械でなければ放送できないビデオテープでございます。したがいまして市内の常設映画館等でこれをかけるというようなことは技術上不可能だと私は存じます。民放等にこれを提供する場合どういうような基準を設けておるかと申しますと、大体こちらの編成上支障がないということ、つまり具体的に申し上げますと、NHKでもう一度再放送とか再々放送とかをしないという見きわめがついた場合、それからもう一つは、著作権等の処理がついた場合、こういった諸条件を勘案しまして、それに抵触しない場合には貸し出しに応ずるということになっておりますけれども、実際問題として大きなドラマになりますと、各演劇団体あるいは映画会社等から有名な役者がたくさん出演しております。したがいまして、出演者個人の承諾だけではなく、映画会社、それから演劇団体等の了解を十分に求めなければ、これの他機関による再上映とか再放送とかいうことは非常に困難でございます。たとえば「赤穂浪士」でも「太閤記」でも有名な役者がたくさん入っておりまして、それぞれ大きな映画会社に所属しておりまして、これがNHKの放送に出るというだけの約束で出演をしてもらったものが、今度はほかの映画館とかほかの放送会社から上映されるということになりますと、また条件がおのずから違ってまいりますので、非常にその点の交渉は困難かと存じます。ただ「赤穂浪士」の場合は外務省等から要請がございまして、海外在留同胞の慰安のためにプリントを回してくれないかという話がございまして、こういう大義名分のついたものは各映画会社、各演劇団体の了承を得ることができました。これは海外のほうに在留同胞の慰安のために出したことがございます。
  117. 森本靖

    ○森本委員 著作権の問題についても、最初につくるときにそういう約束で出演をしてもらえば問題はないと思うが……。
  118. 浅沼博

    ○浅沼参考人 さようでございます。
  119. 森本靖

    ○森本委員 だから最初につくるときにこのものは最終的にはずっと一年間放送するけれどもあとでこれはフィルムになって、場合によっては再度民間放送で放送される場合もあるし、あるいは年月が五年以上たった場合には映画館でやられる場合もありますよ、それでいいですかという条件で出演してもらえば、これは何ら差しつかえないわけですね。
  120. 浅沼博

    ○浅沼参考人 そのとおりでございます。しかし実際問題としてそういう条件でなかなか出演はしていただけないものと思います。
  121. 森本靖

    ○森本委員 それこそNHKの大型のドラマをつくるという場合に何も有名俳優ばかりを追わなくともいい。出なければ出ないでいいのだ。NHKは何もスターシステムをとる必要はないじゃないか。だからこれからどんどん新人を養成をしていけばいいと思うわけなんだけれども、こういう点はNHKなんか少し殿様商売だと思う。やはりもうちょっと収入が入ってくることを私は真剣に考えるべきだと思う。だからNHKは殿様だ殿様だといわれる。何も一億二千万円もかけたような大作ドラマをフイルムにしてそのまま貯蔵しておく手はないですよ。民間放送がそれをもらいたいといえばどんどん実費にちょっと値をつけて売ればいい。あるいはそれが五年以上たった場合には——すぐはだめですよ。五年以上たった場合にはやはりどこかの映画館で売ってもらいたいといえばこれも売ればいいのだ。やはりそういう点を私はいま少し考えてみていいじゃないかと思うのですが、どうもNHKのやるのは、たとえば一億二千万円というのは親方日の丸で、普通の民間会社はこういうことは絶対にやりませんよ。映画会社でも民放でも、一億二千万円も製作費をかけたフイルムなんというものは、何回も何回も使うくらいの算段をしますよ。だからやはりこのNHKの場合は親方日の丸というふうに私には思われる。NHKのあの大作ドラマでもあるいは一時間ドラマでも、やはりもう一回もう二回見たいという人はあるかもしれない。あるいは「花の生涯」あたりも五年後はあれをもう一ぺん上映したところで見る人はたくさんあると思う。そういう点商売というと何だけれども受信料が減らされる、収入がない、先ほどの放送債券の問題でも出ておるように、やはりある程度入ってくることも考えていいんじゃないか。そういう点をひとつ私は真剣に考えてもらいたいと思うのですが、どうもこのNHKのやり方は、殿様商売、殿様商売といわれるところはそこにあるのじゃないか。われわれが普通の会社をつくって一億二千万もかけてつくった映画があるとするならば、これはもうできる限りとにかく売りたいということになりますよ。もっとも売る必要がNHKにはないから売らぬということはありますが、売れるものなら売ればいいと思うのですよ。どうなんだ、浅沼君。
  122. 浅沼博

    ○浅沼参考人 一億二千万円という金は年間五十三本の総額であります。一本当たりは二百三、四十万というところが相場でありまして、これは一本が四十五分ないし五十分でございますから、たとえば二時間の映画といたします場合、映画の製作費よりははるかに安くなっております。一年間通じますので一億二千万円という数字が出るのでございますけれども、しかしこの再放送ということは毎回やっておりますし、ものによりまして再々放送までやっておりますので、それを勘定に入れますと、一本当たりの単価というものは再放送の場合は半額になります。再々放送の場合は三分の一というような勘定になってまいります。それで金をかけた大型ドラマあるいは成績の非常によろしい、評判のよろしいようなドラマはいずれも再放送、再々放送をするのが普通でございますので、一本当たりの単価というものは決してほかの映画産業等に比べて高くはないというふうに存じております。
  123. 森本靖

    ○森本委員 それが殿様商売だ。普通の映画会社がつくる映画というものは、一流館から三流館に至るすべての収入がどうなる、それから最終的には外国で売れた場合はどうなるということまで考えておるわけですよ。だから再放送、再々放送すれば何ぼというような考え方は、これは民間放送ならそういう考え方はしません。さらにまた売れるものなら売ろうという考えです。たとえば「花の生涯」にしても、あれだけの長いものを全部フイルムにして、それを全部売れとは言わぬが、あれを二時間ものの三本くらいにつくり直して、いわゆる再編集をしてやればりっぱな映画になる。それを見たいという人はたくさんおると思う。だから一年分のものを全部やったらたいしたものですよ。それを一応編集をして前編、中編、後編の三本くらいにして売るということは、私考えてもいいのじゃないかと思う。現に十二チャンネルが——これから放送法の改正のときに問題になると思いますが、いま他の放送局でつくったものを放送したりいろいろやっておりますけれども、案外視聴率が高い場合があります。だからこういうものは一がいに捨てたものじゃないと思う。どうもそういう点で商売げがないというふうに私は考えざるを得ないと思うわけでございますが、このドラマのフイルムの再生あたりはもっと真剣に考えてみていいのじゃないか。それから八ミリか十六ミリか知らぬけれども、それは一般の映画館では上映できぬということですが、一般の映画館で上映できるようなフイルムに直せばいい。いまの技術ならそれはできるはずです。やる気がないからできません、こう言っておる。そんなこと子供だってわかっているよ、八ミリのやつが普通の映画館でかからぬということは。かかるように直せばいい。やる気がないからそういうことを言っているわけです。こういうせっかく大金を投じて、しかも相当の俳優が出ておるし、それから国民的な人気もあるというものは、要望があればどんどん出せるというぐらいにやっておけば、これはかなりの収入に私はなると思う。この辺ひとつ再検討するつもりはないですか。
  124. 前田義徳

    前田参考人 浅沼専務理事のお答えを補足して申し上げますと、私どもといたしましては御指摘のとおり大衆が要望する番組については、これを市場に出したいという根本的考え方を持っております。ただこの点について国内市場の問題と国際市場の問題、当面それぞれの立場から検討する必要があるということを考えております。たとえば映画界にこれを出すという場合に、日本実情それから従来数年間にわたって当委員会等を通じて論争の的となったテレビと映画産業の関係の問題等を考えまして、NHKが自発的に、映画界もしくは民放と公共放送が並立するという現状において、民放の仕事を阻害するような印象を与える措置はとりたくないという根本的な考え方を持っております。しかし御要望があれば国内においてもこれと完全に御協力申し上げるという基本方針をきめております。  さらに国際的には、私どもといたしましてはわれわれの制作した番組が国際的要望にこたえ得るものは積極的に出してまいりたいという方針を持っております。したがいまして、前回放送法の改正についての意見を求められた際、私といたしましては、まずそういう実情から、国内問題は別といたしましても、国際的に市場を広げたいという考え方で、一部の投資条項を入れていただきたいということを要望いたしております。しかしその後放送法の改正はございませんので、私といたしましては現在、一種の仮の呼び名でございますが、NHKインターナショナルという部分を現在のサービスセンターの中に設けて、国際的に要望を受ける番組は積極的に出してまいりたいという考え方を持っているわけであります。ただいまの浅沼専務の答弁は、私が申し上げました国内実情から、国内的マーケットに対する一応の私ども考え方を事務的に説明申し上げたわけでありまして、こういう考え方は根本的には放送法に違反するものではないという考え方を私としては持っている次第で、そのような環境が熟せば、もちろん御指摘のとおり、私どもは全力をあげてその方向からもNHK収入を得たいという熱望を持っております。
  125. 森本靖

    ○森本委員 これは大体実費で分けるということについては、現在の放送法からいっても何ら違反でないわけでありますから、そういう点については、いまの会長考え方についても十分にひとつ推進をしてもらいたい。  ただ、会長に、いやみではないのですが、ちょっと申し上げておきたいと思いますことは、あなたは大体国際人かどうか知りませんけれども、国際的にということになると一生懸命になるけれども、案外国内的な問題についておろそかになる傾向がある。国際的に頒布するということもけっこうでありますが、国内的にも、たとえば花の生涯とか赤穂浪士なんかは、私が先ほど言うように三巻ものくらいに編集をして、いなかを回っても、けっこう見る人が多い。いま郵政省の貯金局、保険局あたりが十五、六年前のフィルムを買ってきて、それで貯金、保険の宣伝なんということで映写機を持って回っておるわけでありますが、あんな古いフィルムをやるよりかはNHKのこういう大作フィルムを集約したものを持って行ったほうが、もっと見る者が多いというふうに考えられる。そういう面についてもこのドラマについては使う方法がいろいろあるわけでありますから、いま会長が言った国際的もけっこうでありますが、国内的にもひとつ十分にやられるようにお願いをしたい、こう思うわけであります。  それから、まだたくさんありますけれども、だんだん時間も迫ってまいりましたので、最後一つ、退職手当の問題について聞いておきたいと思います。この退職手当の引き当て金が三十八年度は六億円で、今度は九億円になっているわけですが、これはどういう理由ですか。
  126. 志賀正信

    志賀参考人 退職手当引き当て金につきましては、将来に備えまして、職員の退職に際しましての手当につきまして、財政の負担の均衡をはかりますために並行いたしまして積み立て制度を採用いたしておるものでございます。  三十九年度におきましては三億円の積み立てをいたしまして九億になっております。
  127. 森本靖

    ○森本委員 そこでNHKの退職でありますが、NHKは退職年齢というのはきまっておりますか。
  128. 志賀正信

    志賀参考人 原則といたしまして満五十五歳の満つる日をもちまして定年といたしております。
  129. 森本靖

    ○森本委員 五十五歳で定年退職ということでありますが、これは管理職も一般職も一緒ですか。
  130. 志賀正信

    志賀参考人 さようでございます。
  131. 森本靖

    ○森本委員 これはいまの官公庁にあるような優遇退職というふうな措置はないのですか。
  132. 志賀正信

    志賀参考人 現在のところはそういう制度はございません。
  133. 森本靖

    ○森本委員 五十五歳ということになりますと、この退職年齢という定年というものは、これは一般のものと比べて非常に早いのじゃないかと思うのですが……。そういう場合に、これはある程度そういうふうな退職金の割り増し、優遇退職というようなものを考えていいのではないか。たとえば郵政省あたりは、特定郵便局長が六十八歳ということになっておるわけでありますが、六十六、七歳でも、やめるときは優遇退職にかけてやる、こういうふうなことになっておって、非常に年齢の相違があるわけであります。NHKの場合に、五十五歳で定年退職ということで普通の退職金でやめなければならぬということは、私は、いまのこの年齢的な社会情勢からいくとするならば、ちょっと早過ぎやしないかというふうな感じがするわけでありますが、これは定年をもっと引き上げるとか、あるいは場合によっては、五十五歳の定年にするとするならば、優遇退職というふうなものを考えるとかいうふうな措置を——いまの社会的な状況からするならばまだ五十五歳といえば相当の働き盛り、五十五歳ということになれば理事以上は全部定年で首ということになるわけでありますが、理事以上は職員でないから、重役ということで、定年がないわけであります、任期しかないわけでありますが、そういう点を考えた場合に、この五十五歳の定年ということについて、さらに退職手当という問題については、相当考えてみる必要がありはしないかというふうに私は思うわけでありますが、どうですか、その辺。
  134. 志賀正信

    志賀参考人 ちょっとただいまの私の答弁を訂正いたしておきますが、五十五歳に定年になってやめたと同じ条件で五十三歳からの退職を認めるという制度がございます。訂正申し上げます。
  135. 森本靖

    ○森本委員 それにしてもこれは、いまの他の官公庁、それから一般の民間会社から比べて少し——NHKは給料がいいから、早うやめても、一生あと食えるということならこれは別でありますけれども、そうでないとするならば、まだ五十三から五十五といえば、いまは働き盛りです。そういう点では、この定年という問題と退職手当という問題については、ひとつNHK当局でも十分に、他の類似産業あるいは官公庁とにらみ合わせて、考えてみてもいいのではないか、こう思うのですが、どうですか。
  136. 前田義徳

    前田参考人 その点につきましては、ただいま申し上げました五十五歳というのは、世間的な五十五歳ではございませんので、一年延長された、五十六歳というのが正確でございます。  定年延長につきましては、私どもも数年来考えております。私どもが現在、皆さんの御意見も伺いながら、一部定年延長いたしたいと考えているのは、いろいろな部門における専門的知識と経験の豊かな方々に限ってさらに数年の定年延長をしたらどうかという考え方で検討中でございます。一般的に申しまして、普通の産業と異なりまして、年齢によって能力を判断することが困難な仕事がわれわれの仕事でございまして、その意味において、一般事務の仕事と、さらに新しいものをつくり出していくという仕事の間で、NHKの定年を何年にすべきかという問題を検討中でございます。
  137. 森本靖

    ○森本委員 もうこれで一応終わりにいたしますが、最後に、今回放送法の改定が出ておりまするが、これはラジオ受信料を来年の四月一日から廃止するということになっておりますけれども、現実にこの法律が出た以上は、現行の五十円のラジオ聴取料というものを、いまから三月三十一日まで徴収するということは、私はなかなか困難になると思います。ところがこの点についての対策をNHKとして十分に考えておかないと、まじめな正直者が損をする、不心得者が得をするということになりがちなわけです。もうこれは四月一日から廃止になるからもうやめた、やめたということで納めなかったら、納めない得、こういうことになる可能性が非常に多いわけであります。おそらくこれに対するところの対策はNHKの事務当局としても十分に考えておると思いますけれども、これはひとつ真剣に対策を考えないと、国民に対して不公平になるおそれが多分にあります。そうかといって、これを一時問題になりましたように、家宅捜索までして徴収するということもなかなかこれはむずかしい問題でありますが、しかしながらこの問題を十分に予算決算にからんで考えていかなければならぬということを特に私は注意をしておきたいと思います。  それからおそらくこの四十二年度決算において、今月から来年の三月三十一日までの間のこの五十円のラジオ聴取料というものが私はぐんと下がるというような気がしてならないわけでありますが、その点十分に対策を検討しておいてもらいたい。  それから各委員からいろいろ質問がありましたように、この支出の問題については、やはりNHKというものは殿様的なやり方でなくして、もっと要るところにはどんどん出してもいいけれども、不要不急のところについてはこれをはっきりと引き締めて、そして国民の放送という立場からこの支出についても厳重にやってもらいたい。同時に収入の面についてもいろいろあろうかと思いますので、ひとつ収入の面については、できる限り放送法の範囲内において、入ってくる金があれば、これは入ってきてもらってけっこうでありますので、そういう点について、収入支出の面についても、より一そう厳重に注意をして、公共放送としての使命を全うせられんことを望みまして、私の質問を終わります。
  138. 松澤雄藏

    松澤委員長 これにて本件に対する質疑は終了いたしました。
  139. 松澤雄藏

    松澤委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出もありませんので、直ちに採決に入ります。  日本放送協会昭和三十九年度財産目録貸借対照表及び損益計算書について採決いたします。  本件について異議なきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  140. 松澤雄藏

    松澤委員長 起立多数。よって、本件は異議なきものと決しました。  なお、ただいま議決いたしました本件に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存んじますが、御異議ありませか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  141. 松澤雄藏

    松澤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。〔報告書は附録に掲載〕
  142. 松澤雄藏

    松澤委員長 この際、日本放送協会会長前田義徳君より発言を求められております。これを許します。前田会長
  143. 前田義徳

    前田参考人 日本放送協会昭和三十九年度財産目録貸借対照表損益計算書を含む三十九年度決算の全体につきまして非常に御親切な御審議をいただき、お認めいただきましたことについて深くお礼を申し上げます。  御審議中の幾多の御意見につきましては、私どもも十分これを尊重し、今後の協会運営に取り入れてまいりたいと考えておりますので、今後ともよろしく御指導いただきたいと思います。ありがとうございました。      ————◇—————
  144. 松澤雄藏

    松澤委員長 この際、田代文久君より資料要求に関し発言を求められておりますので、これを許します。田代文久君。
  145. 田代文久

    田代委員 大臣に先日郵政互助会の問題につきまして資料要求をしておきました。それについて資料をいただいたのでありますけれども、特に私がぜひともほしいと思っておった、互助会の資金の運用あるいは貸し付け先、条件等というようなものについてまだ資料がきておりません。したがって郵政省は、そういう資料について、互助会に資料を要求されたかどうか。それからその資料を取られるために、また政府は監督の責任を果たされるために、互助会に対して会計内容その他の調査を十分やられたかどうか、おそらくやられておると思いますが、その調査の結果を文書で提出していただきたいということです。  まず最初に、その調査をされたかどうか。その調査の結果が大臣のところに報告がきておるかどうか。それからきておるとすれば、私が要求しました資料の提出が、これはまだ非常に不十分でありますから、それを出していただきたいということです。
  146. 小林武治

    小林国務大臣 資料につきましては、お話しの中の多くの部分をもう提出いたしてございます。ただ、互助会の業務の秘密と申しますか、プライバシーと申しますか、そういうふうな部分につきましては御要望にまだ沿うておりませんが、これらのことにつきましては、互助会としてもこれを応諾しておらない、こういうことでございます。しかしできるだけ要望に沿うように私ども努力をしたいと思います。  なお、この委員会その他におきまして、互助会の貸し付け等につきまして問題がありましたので、通常の業務監査以上の立ち入り検査等に及ぶ検査をいたさせました。その結果口頭の報告はありますが、近く書面による大臣に対する報告が提出されてくることに相なっております。これらにつきましては、また必要によってその報告書等も提出したい。いま私の聞いたところによりますれば、互助会の貸し付けについては不法とかあるいは非常な不当、こういうようなものは見当たらない、こういう口頭の報告を受けております。書面が出ますればまた御報告申し上げます。
  147. 田代文久

    田代委員 大体調査をなさった、そうして監督の責任も果たしつつあるということでございますが、その資料の中に特に、それは文書で、いま大臣の御答弁によって報告されるということになりますので、内容は非常にはっきりすると思いますが、その上で質問申し上げますけれども、子会社である弘信産業、弘信興業、弘信観光、そういうものの経理内容を調査されておると思いますので、その内容を同時に文書でひとつ提出していただきたいということを要求しまして、資料要求の発言を終わります。
  148. 松澤雄藏

    松澤委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、直ちに理事会を開きますが、本日はこれにて散会をいたします。   午前十一時五十九分散会