○森本
委員 私はその
会議に出るのが悪いとか、そういうことを言うわけではありませんけれ
ども、重要な
会議で確かに出ることについては非常に意義があろうと思いますが、ただここで私がはっきり申し上げておきたいと思いますことは、
NHKが公共放送として他の
一般民間放送と違うというところの大きな原因は、やはりこの放送法に基づいて
業務が行なわれておる。
政府あるいはその他の政党からも何ら干渉を受けない。国民から直接選ばれたところの
国会が
予算その他について
承認をし、
決算も
承認をする。さらに
国会の
承認を得たところの
経営委員会というものがこの
NHKに勧告もし、あるいは忠告もする、こういう公共放送としての仕組みがあるからこそ
NHK本来の使命と基盤があるわけであって、そういう点から
NHKが世間的にも大きな信頼を得ている、そういうふうに私は考えておるわけであります。
そういう点からいくとするならば、少なくともこの
NHKに対していろいろなことを国民の代弁としてもの申すところは、結局
経営委員会と
国会しかないわけであります。これ以外のものがこれを監督指導するということであっては公共放送にならないわけであります。そういう点からいくとするならば、少なくとも
国会の会期中においては、場合によってはいつ、どういうところから
NHKの
責任者に対して
国会に出てきてもらっていろいろの
説明をしてもらうという要請なり要求があるかもしれないと思います。特に今度の
国会は
あと会期がわずかでありますし、それから特に
NHKに非常に
関係の深い放送法改正の問題が出されておるわけであります。そういう点を考えたときに、
国会の開会中においては
NHKの首脳陣というものが国外に出るということはなるべく避けてもらいたい。そのこと自体が
NHKが放送法に基づいて行なっておる公共放送としての使命に忠実であるというふうに私は考えるわけであって、ややもすると、
国会というところは非常にうるさいところである、文句を言われるところであるという
考え方に立って、
国会を敬遠するとは言いませんけれ
ども、そういうような気分になっては私はいかぬと思う。逆に
NHKのほうから進んで
国会に対していろいろのことを
説明をし、あるいはまた
NHKとしてはこういう
考え方を持っておるが、
国会の方面の御意見はどうだろうということを密接に連絡するくらいの意気があってこそ、私は
NHKというものが
——ふだん
NHKは公共放送であるといっていばっていることはないと思いますが、そういうことの
意味が私はあると思います。そういう点をよくお考え願っておきたいと思うわけでありまして、今回の
会長の問題をとやかくということではなしに、
NHKの姿勢としてそういう点を十分に今後考えてもらいたいというふうに思うわけであります。特に
国会方面では、どうも
国会というところは文句と忠告を受けるためうるさい、こういう
考え方を
NHKの
理事諸君が持ったのなら、それはもはや
NHKの公共放送というものの使命は終わりである。逆に
国会を通じて国民に語りかけるという点を非常に重要視してもらいたいと考えるわけでありまして、その点は質問ではありませんけれ
ども、本日の私のこの発言については十分に
NHKの
会長以下首脳陣はお考えを置いてもらいたいと考えます。その点
会長の一応の所見を聞いておきたいと思うわけです。