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1967-06-01 第55回国会 衆議院 逓信委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年六月一日(木曜日)    午後一時十九分開議  出席委員    委員長 松澤 雄藏君    理事 秋田 大助君 理事 加藤常太郎君    理事 佐藤洋之助君 理事 志賀健次郎君    理事 田村  元君 理事 中井徳次郎君    理事 森本  靖君       小渕 恵三君    加藤 六月君       亀岡 高夫君    木部 佳昭君       徳安 實藏君    根本龍太郎君       羽田武嗣郎君   橋本登美三郎君       水野  清君    金丸 徳重君       山花 秀雄君    樋上 新一君       田代 文久君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 小林 武治君  出席政府委員         郵政政務次官  田澤 吉郎君         郵政大臣官房長 竹下 一記君         郵政省簡易保険         局長      武田  功君  委員外出席者         専  門  員 水田  誠君     ————————————— 五月二十六日  委員木部佳昭辞任につき、その補欠として臼  井莊一君議長指名委員に選任された。 同日  委員臼井莊一君辞任につき、その補欠として木  部佳昭君が議長指名委員に選任された。 同月三十一日  委員安宅常彦辞任につき、その補欠として栗  林三郎君が議長指名委員に選任された。 同日  委員栗林三郎辞任につき、その補欠として安  宅常彦君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 五月三十日  放送法の一部を改正する法律案内閣提出第一  三号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  簡易生命保険法の一部を改正する法律案内閣  提出第八五号)      ————◇—————
  2. 松澤雄藏

    松澤委員長 これより会議を開きます。  簡易生命保険法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、これを許します。森本靖君。
  3. 森本靖

    森本委員 この間の質問の続きでありますが、行政管理庁長官の勧告に対して郵政大臣回答を出しておるわけでありますが、その中で、総合定員のところで問題になったわけでありますが、無集配郵便局保険を一件も取り扱ってない局についてはどの程度あるか、こういうことで、調べてみてあとから説明します、こういうことだったんですが、それがわかったならばお知らせ願いたい、こう思うのです。
  4. 武田功

    武田(功)政府委員 調査いたしました結果、全然取り扱っていない局は約四十五局でございます。
  5. 森本靖

    森本委員 その四十五局というのは全然取り扱ってないということでありますが、それはどういうふうな形においてその四十五局というものを調査せられたわけですか。
  6. 武田功

    武田(功)政府委員 先般とりました実態調査の際におきますところの資料でございまして、受け持ち件数もなければ支払いもないという局をとったわけでございます。
  7. 森本靖

    森本委員 それは調査方法としては各無集配郵便局とどういう形において調査せられたわけですか。
  8. 武田功

    武田(功)政府委員 郵便局を通じまして先般とりました資料の中で申し上げましたものでございます。
  9. 森本靖

    森本委員 先般とりました資料というのはどういうふうに資料をとられたのですか。
  10. 武田功

    武田(功)政府委員 新規契約皆無のもの、また現金受け払いの皆無のものは何局であったかということでございます。
  11. 森本靖

    森本委員 調査を始めたのはいつですか。
  12. 武田功

    武田(功)政府委員 これは電話照会でございますが、各郵政局に全部問い合わせをした次第でございます。
  13. 森本靖

    森本委員 各郵政局から各無集配郵便局に対して照会したのはいつごろ照会したのですか。
  14. 武田功

    武田(功)政府委員 これは各郵便局には直接照会しておりません。
  15. 森本靖

    森本委員 そうするとどういう形の調査になりますか。
  16. 武田功

    武田(功)政府委員 郵政局の持っております資料から調べたわけでございます。
  17. 森本靖

    森本委員 郵政局で持っておる調査というのはどういう調査ですか。
  18. 武田功

    武田(功)政府委員 契約維持状況報告といわゆる精算年表でございます。
  19. 森本靖

    森本委員 そういたしますとその精算年表は毎年いつ出すのですか。
  20. 武田功

    武田(功)政府委員 各四半期ごとでございます。
  21. 森本靖

    森本委員 各四半期ごとに、これは各郵便局から保険部に出るわけですか。
  22. 武田功

    武田(功)政府委員 さようでございます。
  23. 森本靖

    森本委員 そういたしますと、郵便年金を持っておるとか持っておらぬとかいうことはどうなりますか。
  24. 武田功

    武田(功)政府委員 その報告に入っております。
  25. 森本靖

    森本委員 各四半期ごとにというのですと、これは最終の調査は四十五局はいつまでになっていますか。
  26. 武田功

    武田(功)政府委員 現在こちらでまとめておりますのは四十一年の八月の分でございます。
  27. 森本靖

    森本委員 その調査保険部にずっとやっておるということでありますが、これは各四半期ごと郵便年金保険のすべての調査を各郵便局から報告しておる、こういうことですか。
  28. 武田功

    武田(功)政府委員 受け持ち状況がわかりますようにやっております。
  29. 森本靖

    森本委員 そうすると、この精算年表というのは各郵便局から四半期ごと保険部にいっておる。そうすると年三回ずっと報告されておる、こういうことですか。
  30. 武田功

    武田(功)政府委員 さようでございます。
  31. 森本靖

    森本委員 それは間違いありませんか。
  32. 武田功

    武田(功)政府委員 間違いないと思います。
  33. 森本靖

    森本委員 どうも間違いがありそうですが、あとでよく調べてなにします。  それからこの簡保の今回の最高額の引き上げの問題でありますが、これについていままで何で特別養老だけを百五十万円にするかということで何回も質問がありました。この点については私はとやかくもうこの段階で質問をいたしませんけれども、ただここで一応はっきりしておきたいと思いますことは、国会関係のある事項でありますが、第三十一回の国会簡易生命保険法改正をやるときに——家族保険の創設のときでありますが、父子世帯及び母子世帯保険実施について検討を進めるべきであると国会附帯決議をつけておるわけでございますが、そのときの大臣は、名前を忘れましたが、こういうことについては十分その趣旨を尊重して将来行ないたいと思いますというようなたしか説明があったと思いますが、その後この問題が全然出てきておらぬが、本来こういうふうな保険法改正法律案を出す場合には、この附帯決議にありますところの父子保険母子保険というような問題についてははっきりと政府のほうから提案してもしかるべきであるというように考えておるわけでありますが、これはどうなっておるかひとつお聞かせ願いたい、こう思うわけであります。
  34. 武田功

    武田(功)政府委員 当時附帯決議をいただきまして、その後当局においていろいろ研究をいたしました。まず仰せのように母子保険といたしますと、母子世帯の数、また現にその中で生活保護を受けている割合というようなことがもとになりまして、それらを基礎にいたしましていろいろ検討いたしますと、現在の保険仕組みの中におきますと、格別母子保険だけについて格安の保険料で立てていくことが困難でございます。また家族保険の中に入れることの可否という点からも研究いたしたのでありますけれども、これまた子供の数が制限されておるということと、やはり配偶者がいないという問題、そういうことからみましてただいまやっております簡易保険仕組みの中では、特に母子世帯だけについての違った角度の保険をつくることに無理がある、一応こういう結論になりまして、ただいまのところまだこれについて改正するあるいは創設する案ができておらないわけでございます。なお決議の御趣旨があるいは他の保険と異なった形で、あるいは社会政策的と申しますか、というような形のものであるというようなこととなりますれば、私どものほうでももう一回これは考え直したい、こう考えておる次第でございます。
  35. 森本靖

    森本委員 そういたしますと、この母子保険父子保険についてはこれをつくっても現在はあまり入る人がない、そういうところからつくる必要はない、こういうことですか。
  36. 武田功

    武田(功)政府委員 一つの点は、仰せのように加入数が多くを期待できないという点もございます。またもう一つは、つくりますからにはできるだけサービスの料金をきめたい、こういうような点から計算いたしまして、いまの保険仕組みで困難な面がある、こういうわけでございます。
  37. 森本靖

    森本委員 もう一度いまの保険仕組みから困難な面があるということをみんなにわかりやすく言ってください。あなただけわかってもわからぬと思うが……。
  38. 武田功

    武田(功)政府委員 ただいまの簡保仕組みを平たく申しますと、終身終身保険グループをつくりまして、その中で保険数理に基づき料率等をきめておるわけでございます。したがいまして、先ほど申しましたように、もしかりに母子だけの保険としますと、非常に小さいグループになって、保険としての妙味が少ないのではないか、こういう点でございます。
  39. 森本靖

    森本委員 しかし、それなら他の家族保険でも同様なことが言えるのじゃないですか、たった一人おらぬだけのことなんだから。たとえば両親がおって子供がおる、この場合、一方の片親がないというだけのことであるから、あなたの言うようにそれほど関係しないと私は思うのですが……。
  40. 武田功

    武田(功)政府委員 家族保険の場合には、一定の保険料で、家族が将来子供がふえますと、自動的にその子が入ってくるというところに家族保険妙味がある、こういうわけでございます。
  41. 森本靖

    森本委員 しかし、これから子供がふえないということであっても、現実に何人かいるから、母子保険父子保険というものをやっても効果がないということになりますね。
  42. 武田功

    武田(功)政府委員 効果と申しますか、先ほど家族と比較いたしました場合にうまみが少ない、こういう意味でございます。
  43. 森本靖

    森本委員 どうもうまみが少ない、うまみが少ないと言うが、うまみは具体的にどう少ないのですか。
  44. 武田功

    武田(功)政府委員 繰り返しますように、家族の場合は、第一子、第二子また第三子というふうになりますので、親の場合の満期養老保険料と、それから特約といたしまして、子供の場合の定期保険保険料を合算することになりますけれども、母子だけといたしますと、その点が最初から数が固定されております関係で、家族保険と比べていわば有利性がないという意味でございます。
  45. 森本靖

    森本委員 だから、具体的に数字をもって例を示してもらいたい。
  46. 武田功

    武田(功)政府委員 かりに一例を申し上げますと、現行家族保険でございまして五十五歳満期、二十五歳加入保険金額十万円という例をとっていたしますと、現行家族保険では保険料三百円でございます。これと同じような仕組み試算したわけでございますけれども、かりに母子保険といったようなものをつくりました際には、当時の試算では二百七十円の保険料をいただくということに計算が出たわけでございます。そういたしますと、先ほど申しましたように、現行家族保険ですと、また子供がふえましたら、極端な場合、何人ふえてもこれでやっていける、この三百円の保険料でいい、ところが母子家庭の場合はそうはいきませんので、ずっと引き続き二百七十円というところが、私、先ほど申し上げましたうまみのないものだ、こういう意味でございます。
  47. 森本靖

    森本委員 その場合には、若干のうまみがないということはわかるけれども、それでは一般保険としての価値がありませんか、その場合。
  48. 武田功

    武田(功)政府委員 保険的な価値というものは、ないことはございません。
  49. 森本靖

    森本委員 ないことがないなら、なんでやらぬのですか。
  50. 武田功

    武田(功)政府委員 先ほども申しましたように、母子家庭が、当時の計算で六十六万世帯あるいは複母子世帯というのが三十万くらいございますから九十万、百万弱の世帯があるといたしまして、生活保護を受けております世帯が約七%程度ございますので、相当数が入れるかと思うのでございます。これは現行養老保険でも保険料が二百四十円でやっていける、こういうふうに考えましたときに、先ほどから申し上げますように、このときの試算がいまの保険仕組みでいたしましたので、あまり政策的料金にしておりません関係で、それだったら、むしろいまの養老保険でも差しつかえないのではないか、こういうようなところで現在まで特別な政策的なものを立てなかったわけでございます。
  51. 森本靖

    森本委員 この母子家庭とか父子家庭というものについては、一般家庭よりもよけいにこういう簡易生命保険というものの恩典に浴せるものなら浴させてやるのが、私は簡易生命保険あり方だと思う。だから、そういうことからいろいろ試算してみたら、あまり得にならぬからこれをやらぬというふうな答弁ではなくて、何とかこれが得をするような方法を考えて、そして九十六万くらいの家庭だったら、そのものがある程度この簡易生命保険というもののほんとうの恩典に浴するということを考えてやるのが私は政府の施策ではなかろうか、こう思うのですが、その点どうですか。
  52. 武田功

    武田(功)政府委員 確かに国営保険といたしますと、あるいは多少そういう採算という問題を離れて考えなければならぬ面もあるかと思いますので、この点検討させていただきたいと思います。
  53. 森本靖

    森本委員 これは、たしかもう七、八年くらい前の国会だと思いますが、これから先いろいろ検討した結果、そういうことであるとするならば、私は、やはり国会でものを言わぬと、そのままほうったらかしておくということじゃないかと思う。たまたまこの保険法律が今回かかって、私がちょっと復習的に前の国会から見てみたところが、いわゆるこの附帯決議があったということで、そこでこういう質問をすると、またひとつそれでは真剣に検討してみよう、こういうことになっているわけですが、こんなことを言われなくても、やはり政府当局としてはやるべきであるというふうに考えるし、それからいま言ったような保険局長考え方であるとすれば、その八年くらい前の第三十一国会においてこういう附帯決議をつけるときに、そんな附帯決議をつけても、こういうことで私のほうはなかなかむずかしいと思いますということを言えばいい。これは与野党が満場一致でつけた附帯決議であります。そのときには政府側としては、理事会においてそういう附帯決議はまことにけっこうです、こういうことから国会はその附帯決議をつけた。つけたところが、六、七年もその附帯決議はほうったらかしてあるじゃないか。何でほったらかしておったかといえば、いま言ったように保険局長はいろいろな理由をつけてそれをやってもうまみがない、うまみがないとすれば、そのときの保険局長は、やってもうまみがありませんから、そういう附帯決議をうけてもだめですよ、こう言えばいいのです。ところが、そのときにはおべんちゃらかお追従か知りませんけれども、まことにけっこうです、議員はばかだと思っておるかもしれないけれども、とにかく政府もけっこうだというから、われわれが見ても母子保険父子保険というものはけっこうだと思うから、この附帯決議をつけた。これは職務怠慢なのか、あるいはそういうふうにおべんちゃらを言ってつけさしたのか、はっきり言ってどっちかになるわけです。少なくともそのときには、省側事務当局としてはまことにけっこうだ、こういうことになっておる。だから、これはやはりそういうふうに附帯決議をつけられても、私のほうはなかなか困難ですということをいまになって保険局長が言っているわけで、まことに私は政府側考え方としては心外でならぬ。もっとも、その時分局長郵政局長か何か、どこかでやっておったと思うが、それは知らぬけれども、その当時の保険局長としてはかなり責任があるし、大臣としても責任がある。だから、やはり今回のこの法律が通過するに際しては、もう一回この父子世帯、それから母子世帯経済生活の安定をはかるために、この母子保険もしくは父子保険というものの実施について簡易生命保険として十分に考えてみたい。そうしてある程度この母子家庭父子家庭というものが簡易生命保険によって恩典に浴する、こういうことをひとつ真剣に簡易生命保険当局として考えてもらいたい、こう思うわけですが、これはひとつ大臣から答弁を願っておきたい、こう思うわけです。
  54. 小林武治

    小林国務大臣 森本委員の御意見に私は賛成でありますから、さようなことをあらためてひとつ検討いたします。
  55. 森本靖

    森本委員 それでは次に進みたいと思いますが、そこで今回のこの簡易生命保険法改正でありますけれども、これは特別養老保険だけを百五十万円にする、こういうことで、当委員会としてもこれが全部百五十万円にせよということの修正が後ほど出るだろうというふうに私は考えておるわけであります。そこで、この簡易生命保険の問題について、いつでも最高額の問題がこの国会において問題になるたびに民保との間でいろいろの争い、あるいは論争が行なわれるわけでありますけれども、私はこの簡易生命保険というもののあり方について、もうようやく根本的にあり方というものを考えてみなければならぬと思う。それはどういうことかといいますと、いまいたずらにこの簡易生命保険最高額、それから民保では無審査の額というものを民間保険簡易生命保険が争うという形でなくして、これはやはり戦前簡易生命保険あり方に変えていくべきではないか。何もこの百五十万円あるいは二百万円、三百万円というふうに額を上げることに簡易生命保険というものはきゅうきゅうとすべきでない。たとえば簡易生命保険は百万円であってもよろしい、あるいは八十万円でもよろしい、いまの状況であるとするならば。そのかわり、戦争前にありましたように、そういうふうな、たとえば簡易生命保険というものが最高額百万円とするならば、百万円までは簡易生命保険でなければやってはならぬ、民間生命保険は百万円以上に限る、こういうことにするのが元来この簡易生命保険というもののあり方だろうと思うのです。いわゆる民間生命保険が、終戦後独占禁止法その他の関係からこの小額保険というものも同様にやり始めてからこういう問題が起きてきたわけです。ここで政府としてもやはり簡易生命保険というもののあり方を考えた場合に、私は根本的に戦前あり方をもう一回思い起こしてみる必要があるのではなかろうか、こう思うのですが、この点についてひとつこれは事務当局でなしに大臣から御回答を願っておきたい、こう思うのです。
  56. 小林武治

    小林国務大臣 もう簡易保険につきましては民保と何の相違があるんだ、こういう議論が出てきておるのでありまして、私もあまり相違がない、特質はただ多くの窓口を使って国がこれを経営しておる、この特質はあるが、そのほかのいろいろの問題についてはあまり区別がない、こういうことはいわれておるとおりでありまして、私もこの際簡保あり方というものは根本的に考えなければなるまいと思いまするが、まずどうしたらいいかということについては私まだ考えが及んでおりません。いまお話しのようなことも私は一つの大きな検討事項であろうと思うのであります。何か民保簡保がただ同じレベルで競争するなんということはこれは少し国営事業としてもおかしいというふうに私も考えておりまするし、お話しのようなことも一つの素材としてこれは検討してみたい、かように考えております。
  57. 森本靖

    森本委員 事務当局にお聞きしますが、これは戦争前はどうなっておったですか。
  58. 武田功

    武田(功)政府委員 戦前は当時の簡易生命保険法におきまして「簡易生命保険ハ政府ヲ管掌ス」それから簡易生命保険民間がやってはならない、こういう条項がはっきりございました。
  59. 森本靖

    森本委員 そしてその額は当時にして幾らですか、昭和十八、九年にして。その限度は……。
  60. 武田功

    武田(功)政府委員 十九年ごろで千円でございます。
  61. 森本靖

    森本委員 これが無審査という形において小額保険民保がやってよろしいということになったのはいつからですか。
  62. 武田功

    武田(功)政府委員 二十一年にただいまの条項がはずされました。「簡易生命保険事業ハ保険会社ヲ営ムコトヲ得ス」というのがはずされました関係で、二十一年から民間保険のほうでも無審査保険を始めたのであります。
  63. 森本靖

    森本委員 その二十一年に改正になったときには、どういう理由でこれが改正になっておりますか。
  64. 武田功

    武田(功)政府委員 当時のことをあまりつまびらかにいたしませんが、記録によりますと、従来簡易生命保険独占しておりましたけれども、制度の変遷並びに経営の経験にかんがみて独占の必要がもうなくなったという点が第一点。それから当時の民間保険におきましても戦争の打撃からの回復という点を考えて、そして民間保険のほうにも無審査月掛けを認めるというふうになったように私は承知しております。
  65. 森本靖

    森本委員 これは私が先ほど言ったように、いわゆる占領政策としての独占禁止法に違反をするという形においてこれがなされたんじゃないですか。
  66. 武田功

    武田(功)政府委員 歴史的に申しますと、あるいはそういうことも動機をなしておるようにも聞いております。
  67. 森本靖

    森本委員 大臣は古い郵政官僚の一員でありますからその時分のことも御承知があろうと思いますが、いま大臣もある程度この簡易生命保険の根本的な検討というものはやらなければならぬということであったと思いますが、しかしこの簡易生命保険の根本的な検討をするということは、私はやはりこの小額保険というものを簡保独占にするのか、民保と同じようないまのような形にしておくのかというところに一つの焦点があると思う。で、簡保民保が両立して両方がそれぞれ立っていくということにするためには、やはり私は簡保のほうは小額保険に限る、それから民保はその簡保のやるところの上のほうをやるというふうに、簡保民保のそれぞれの持ち分というものを明確に戦前のようにしたほうがはっきりしていいのではないか。いましかしこの点についてはもしそういうことになるとするならば、民保のほうからこれは相当の反対があろうと思いますけれども、政府としてはやはりこの点について相当慎重に考えてしかるべきではないかというように考えますが、いまの日本の経済状態、国情からしてそういうふうに戻すということは非常に困難と思いますか、どうですか大臣は。
  68. 小林武治

    小林国務大臣 これはもうお話のように非常に困難であります。要するに無審査というものが民保に入った、こういうことのために簡保区別がなくなった。したがって簡保としてはもう最高制限を上げる以外には競争の道がない、こういうことで現状をもとにすればいまの方法しかない。しかしお話のように簡保民保と何も変わらぬものを何を政府がやる必要があるのだ、こういう議論も出てくるのでありまして、簡保政府でやるのはおかしいじゃないか、あるいはもうこのごろ非常にきらわれておる公社でも公団でもいいじゃないかというような説が出てくるのは当然であります。したがって私はやはり簡保は何のために政府がやるのだ、こういうことからいけば、ああいうワクをはずしてしまったことがどうかということを考えます。これをまたもとに戻すということは非常に困難であるが、私は簡保としては簡保特質を持たせたい。政府がなぜこういうものを経営するか、こういうもとに戻って考えなければならぬと思うのでありまして、私も簡保自体については、郵政省審議会等もあるから、もう一ぺんひとつ考えてもらったらどうか、こういうふうに思っております。
  69. 松澤雄藏

    松澤委員長 明二日午前十時より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時五十一分散会