○前田
参考人 ただいま
議題となっております
日本放送協会の
昭和四十二
年度収支予算、
事業計画及び
資金計画につきまして、御
説明申し上げる
機会をお与えくださいましたことに対しまして、厚くお礼申し上げます。
協会は、
昭和三十七
年度を起点とする第二次六カ年
計画を策定し、
委員各位の御
協力を得まして、着々その実現に努力いたしておりますが、
昭和四十二
年度における
事業の
運営につきましては、この第二次六カ年
計画の最終
年度としての諸
計画を各部門にわたり積極的に推進することとし、テレビジョン、ラジオ両
放送の全国普及の
早期達成につとめるとともに、すぐれた
放送を
実施して、
国民の要望にこたえ、
国民生活の充実
向上に資することといたしております。
次に、そのおもな
計画について御
説明申し上げます。まず、
建設計画から申し上げますと、テレビジョンにつきましては、総合、教育とも全国
放送網の
早期完成をはかるため、総合、教育両テレビジョン局とも百二十局の
建設を完成し、五十局の
建設に着手することといたしております。これらにより四十二
年度末におきましては、総合テレビジョン局六百六十局、教育テレビジョン局六百五十一局となり、全国総世帯に対するカバレージは両者とも九五・五%となる
予定であります。
一方、ラジオにつきましては、
放送の受信困難な
地域の解消をはかるため、大阪大電力
放送局を
建設するほか、第二
放送四局の
増設を
実施することといたしております。また、超短波
放送の普及をはかるため、四十局の
建設を行なうことといたしております。これらによりまして、四十二
年度末の全国総世帯に対するカバレージは、第一
放送九九・七%、第二
放送九八・六%、超短波
放送八七%となる
予定であります。
また、
放送規模の拡大と
放送内容の多様化に対処し、
放送センター第二期
工事を取り進めることといたしております。
このほか、ローカル
放送の充実に対処するための地方局演奏所の
整備、テレビジョン、ラジオ
放送設備の充実
改善、研究用
施設、局舎、宿舎、
業務の合理化のための機器の
整備等を
実施することといたしております。これらの
建設計画を
実施するために必要な
経費の
総額は百九十億円でありますが、これらの
資金手当につきましては、
自己資金により百三十六億三千万円、
外部資金により五十三億七千万円を
調達することといたしております。このうち、
自己資金につきましては、減価償却引き当て金、固定資産の売却代金及び前期繰越金百二十六億三千万円のほか、受信料からの繰り入れ十億円を
予定いたしております。また
外部資金につきましては、
放送債券の発行によるもの二十億円、長期
借り入れ金の借り入れによるもの三十三億七千万円であります。
次に、
事業運営計画につきまして申し上げます。
まず、国内
放送につきましては、テレビジョン、ラジオとも番組
内容の
向上刷新につとめることといたしておりますが、テレビジョンにおきましては、特に、教育
放送の
放送時間を一時間三十分
増加いたしまして、一日十八時間の
規模をもちまして、学校
放送番組、
通信教育番組等の充実をはかることといたしております。
また、カラーテレビジョン
放送につきましても、
放送時間を三時間二十分
増加して、一日七時間三十分とし、カラー番組の積極的な編成につとめることとしております。そのほか、ローカル
放送につきましては、
地域社会に直結した報道、教養番組の充実をはかることといたしております。
ラジオにおきましては、新しい
放送分野である超短波
放送におきまして、そのすぐれた特性を生かした番組の刷新強化を行なうことといたしております。このほか、報道取材編集体制の
整備、
放送番組の
利用促進等の諸
計画を
実施することといたしております。
また、国際
放送につきましては、
放送時間を三十分
増加して、一日三十六時間三十分、十八方向の
規模により、
放送を
実施することといたしておりますが、アジア近隣
地域向け等について、
拡充をはかるとともに、報道番組の充実強化、送信の増力等を行ない、
放送効果の増大をはかることといたしております。
次に、受信
契約者の普及、協会
事業の周知につきましては、大都市圏における総合受信者対策、UHFテレビジョン置局
地域に対する受信者の維持開発対策、テレビジョン共同受信
施設に対する助成、
事業周知の強化等によりまして、受信
契約者の維持
増加につとめるとともに、受信料の収納につきましても、一そう確実を期するよう努力することといたしております。
また、受信料の免除につきましては、社会福祉上の見地から、新たに、
契約乙の受信者のうち、辺地居住世帯、肢体不自由者、戦傷病者、原子爆弾被爆者並びに母子世帯及び高齢者世帯の一部に対し、
契約乙受信料全額免除の
措置を講ずることといたしております。
調査研究につきましては、番組、技術それぞれ基礎的分野の
調査研究を重点といたしまして、
国民世論動向
調査、テレビジョン及びラジオ番組聴視状況
調査並びに意向
調査、
放送衛星の開発に関する研究、カラーテレビジョンの
改善研究、UHF
放送技術の研究等を積極的に
実施することといたしております。
経営管理関係につきましては、
事業規模の拡大に伴う
業務の増大に対処いたしまして、
業務全般にわたり合理化を積極的に進め、
経費の節減につとめますとともに、
職員に対する教育訓練の
実施等によりまして、企業能率の
向上をはかることといたしております。
また、給与につきましては、社会水準に比し、適正な水準を維持し得るよう
改善をはかる
所存であります。
最後に、これらの
事業計画に対応する
事業収支につきまして申し上げますと、まず、四十二
年度における受信
契約者の増減につきましては、
契約甲においては、
年度初頭千九百十万一千件に対し、
年度内九十八万件の
増加、
契約乙においては、
年度初頭百十七万八千件に対し、
年度内十万件の
増加を
見込みまして、これによる受信料
収入を七百七十億三千五百万円と
予定いたしております。
このほか、国際
放送関係等の交付金
収入一億四千八百万円、預金利息等の
雑収入十億二千三百万円を合わせまして、
事業収入の
総額は、七百八十二億六百万円であります。
これに対する
支出といたしましては、
放送債券償還積み立て金、
外部資金の返還金、受信料からの
建設費充当などの資本
支出関係六十三億五千万円のほか、
事業支出関係に七百十三億五千六百万円、予備金に五億円を充てることといたしております。
以上、
昭和四十二
年度日本放送協会の
事業計画につきまして、そのあらましを申し述べさせていただきましたが、わが国経済文化の発展、
国民生活の
向上に
放送の果たすべき使命が、ますます重要となっていることに思いをいたしまして、従業員一同総力をあげ、この責務遂行に努力する
所存でありますので、
委員各位の変わらざる御
協力と御支援をお願いいたし、あわせて何とぞすみやかに御
審議御
承認賜わりますようお願い申し上げまして、私の
説明を終わらせていただきます。