○小濱
委員 ただいまも長官の御
答弁の中で、陸上
消防と海上
保安庁との
関係についていろいろ説明がございました。二十四年度に
保安庁と協定ができた、そして、ドックに入っている入渠中の船、あるいは接岸している船、これは当然陸上
消防でやらなくてはならない。その他は全部海上だ、
保安庁のほうの
責任になっている。もちろん、それだからといって、
事故が発生した場合に、陸上
消防はそのままでいるとは思いませんけれ
ども、いろいろと
調査をしてみますと、海上
保安庁との
責任区分について、どうしても海上
保安庁の現有
消防力ではまだ十分でない、こういうふうに聞いておるわけです。そういう点で、いろいろといままでにも尽くされてまいりましたけれ
ども、どうしても今後発生することが残念ながら想定される
海上火災について、もっと何らかの
方法で
充実強化をはかっていかなくてはならない、そういう
責任があると思うのです。私ちょっと横浜港のことを調べてみましたが、いま年間大体六千から七千隻くらいの船が入るそうでありますが、その四八%までが油船である。そう油船が
事故を起こした例がたくさんございます。三十七年の五月五日、タンカー船
火災、これは鶴見の安全町で起こった運河内の問題でございますが、春景丸という小さな船でございましたけれ
ども、ここでやはり
死者を二名出しております。それから第一清江丸、これも
死者を出しておりますし、四十年の五月十三日には鶴見の大黒町、これは運河の中で東亜丸、二百トンが爆発
火災を起こして、付近に停泊中の十一隻を類焼させました。
死者も出ております。負傷者も出ております。それから三十七年十一月十八日に衝突
事故が川崎で第一宗像丸、これは約二千トンばかりの船でありますが、
事故を起こしまして、そうしてこれはガソリンに引火いたしまして、
死者が何と四十名、重傷、軽傷十数名を出しております。で、小型タンカー二隻、どういう船かわかりませんが、小さい船も何隻か沈めております。一番大きいのは、何と言っても四十年五月二十三日室蘭港に起こった日石の石油淺橋で外国船が
事故を起こしました。淺橋に衝突いたしまして
火災が発生して、流れた原油に引火いたしまして、
死者が五名、行くえ不明五名、重傷、軽傷が十名近く、二十二億六千万円の損害を出しておりますし、また燃失したトン数は二万三千トン、こういうふうにいわれております。こういう問題が起こると、もう手のつけようがない。あれよ、あれよと、ただ見ているだけで、そうして遠く離れて防御
対策を講じながな時間が過ぎてしまう。非常に火熱も高いし、また噴煙も高くのぼりますし、危険この上ないので、だれも近寄ろうとしていかない、こういう状態が非常に多いわけですが、何とかしてこの
対策を講じていかなければならない。
今後の見通しですが、その
海上火災に対する
対策がどうも手ぬるいように、重きが置かれていないように、言うならば無関心であるような、そういう感じを受けるわけです。とにかく四八%からの油船が出入りしておる。これは横浜港ばかりではありません。川崎も、
東京もみんなそうであろうと思いますけれ
ども、そういう危険な船がたくさん出入港しているところで起こったとき、その
対策がないでは、
責任追及をされてもやむを得ないと思うわけです。いろいろと話は聞いてまいりましたけれ
ども、どうも長官としてまだ
責任を感じておられないようにも見受けられますので、この際長官からひとつ
意見を聞かしていただきたい、このように思います。