○門司
委員 抜本策について、
検討中と言っているうちにも
事故は起こりますから。ただあなたのほうは
検討中で済むかもしれぬけれ
ども、現地ではきょうも何人かの人が死んでいるはずです。それに対して運転者は処罰を受けているはずです。運転者自身も、先ほどから話をいたしましたけれ
ども、
免許証を取り上げられれば、実際その一家というものが生活に困るのは当然であります。なくなった人は無論どうにもならない。
事故を起こしたほうも生活の道を絶たれるというような社会悲劇が、御
承知のように、どれだけ起こっておりますか。そうして、その
原因の
一つがそうした運輸
行政の中にあるということになりますと、ただ抜本的に
検討しているということだけで一体済まされるという運輸省の
考え方について、私は非常に大きな不満を持っておる。なるほど総理府で何か総合対策によってやっておいでになるようでありますけれ
ども、それではどうにもならぬのです。私はほんとうに運輸省がこの問題を解決しようとするなら、少なくとも建設省との間にも十分——これは建設省のほうにも私は聞かなければならぬと思っておったけれ
ども、ここであわせて話しておまきすが、ダンピングにならないような措置は一体講じられないものかということである。そうしてダンピングして四〇%程度まで落としておいて、下請業者が非常に苦しんでおる。政治献金を見てごらんなさい。大建設企業は、何千万円というお金をちゃんと自民党さんに献金しているでしょう。大企業の建設業者は、非常にたくさんのもうけをして、そうして数千万というような金の政治献金が行なわれて、その一番下の、ほんとうに建設に従事している諸君が今日のような悲惨な状態でよろしいのかということである。この責任は一体だれの責任であるか。総理府に
一つの、まだ局とも言っておらないほどの連合体みたいなものがあって、宮崎さんが中心でやっておるようでございます。そして運輸省のほうでは、何か知らぬ、抜本的に
検討中だという。いつまで一体
検討するつもりなんです。さっき言いましたように、毎日毎日人が死んでおる。毎日毎日
事故が起こっている。いまも起こっているでしょう。私は、政府は少し責任を感じてもらいたい。監督の権限を振り回すというだけが役人じゃないでしょう。憲法に何と書いてある。憲法は明らかに、国民への奉仕だと書いてあるんだ。これが逆に国民に対しては、いまのような状態を十分解決する策もなくて、そうして抜本的に
検討中だというようなことが
国会のこの場所で答弁されるという、私は政府の心臓の強さというか無感覚さというものにたいへん大きな不満を持つ。一体どうするつもりなんです、こういう問題に対して。これらの問題は
行政的に処置ができるはずである。ところが、現状には、こればかりでなくて、こういう問題の起こるもう
一つの
原因があるでしょう。それはどこにあるのか。それはいわゆる
免許業者に対する地域の問題でございましょう。神奈川県の業者は、神奈川県でなければ仕事ができないようになっておる。地域がちゃんと規制してある。それ以外になかなか建設業者は出られない。しかし、やみ屋でも仕事はできる。いま北海道からも、あるいは鹿児島からも出てきて仕事をやっているでしょう。現実にやっているでしょう。ところが、大事な運輸省が許可をしておる
免許業者は、神奈川県の諸君が東京でやってもらっちゃ厳密には困るということでしょう。これらの問題を一体総合的にどうお
考えなんです。しかも発注する仕事は至るところに起こっておるでしょう。これを請け負う建設業界は、地域の制限はないんです。したがって、今日のように、何々組というように下請までずっと系列化しておりまする場合には、親会社が北海道へ行けば、その子会社が北海道へ行って仕事をするということにならなければならぬ。まごまごしておれば外国にまで行くかもしれない。今日外国でたくさんの建設事業をやっておるようでありますから。ところが、そういう形で
免許を持っておる諸君には、地域割りが厳重に、厳密に言えば
施行されなければならない。一方はこれは野放しだ。そうして運賃はダウンされていく。一体建設省は何をしているか。運輸省は何をしているか。私はこういう抜本的な問題を、この災害問題を解決しようとするには政府が真剣に
考えなければ、ここでどんなに
警察庁長官におこごとを言ってみたところで、国家公安
委員長におこごとを言ってみたって、それはおさまらない。直らない。このことについて、当面の責任者であります運輸省のもう少し誠意のある御答弁を願いたいと思います。
同時に、私はいまおいでになっております
業務部長さんですか、もちろん、職掌柄運輸省としてはかなりの地位におありだと思いますけれ
ども、この場合、やはり運輸大臣なりどなたかに来ていただいて、そうして責任のある答弁を聞かなければ、これらの法案を通すわけにいかない。ただ単に運転者に対するこの刑罰、ことにこの法案の中にもう
一つ刑罰の問題があるのは、運転者と同時に運行管理者に対する処罰を
規定されております。どんなに運行管理者と運転者を処罰いたしてまいりましても、積載オーバーの防止はできません。なぜできないか。荷主が上におる。荷主がこれだけ積んでいってもらいたい、こうしてもらいたいということに対して、下請の運輸業者がそれを拒否してごらんなさい。おまえさんのところに頼まないから、ほかに頼むからということになる。それらの諸君が受けてくれば、運転手がそれを拒否してごらんなさい。あしたからほかの運転手を雇うからということになる。一番弱いところに全部しわ寄せか来て、そうして一番弱いところが全部しょわなければならぬ。これが今日の現状でしょう。したがって、この積載オーバーの問題等につきましても、建築資材その他の運搬の問題でこれが往々にして行なわれておりますが、大体の問題が建築資材だと思います。こうした問題に対してもう少しはっきりした答弁を、部長さんでできないということになれば、私は
委員長に頼んで、大臣なり責任のある人に来ていただいて、もう少しこの問題をこの機会に明らかにしておきたい。
私は何も白ナンバーを全部なくしてしまって、そうしてこれをどうしようとは言わない。これもある程度必要でしょう。しかし、問題の焦点は、それらの問題が十分取り締まりのできる処置をしておいていただかぬと——これから私は労働省に質問いたします。労働省も、これでどんなに指令を出しましたところで、白ナンバーの一台か二台、あるいは三台ぐらいしか持っていない諸君にやかましく言ってみたところで、なかなか追っつくものではない。そうすると、今日これだけの災害が起こっておって、そうしてその災害の車の大部分というものが、取り締まりが野放しだ。ごくわずかの諸君だけが取り締まられて、それに運輸省も文句を言えば、労働省も文句を言う。寄ってたかってそこに文句を言う。一番おしまいはどこに行くか。だんだん下請に行き、
事故を起こした運転手にすべてがしわ寄せされる。今日のこの運輸
行政に対する政府の態度に対しては、
一つずつそういう問題を解決していきたい。そのためにひとつ、それ以上運輸省で御答弁ができないというなら——私はきょうは実は自動車
局長さんに来ていただきたかったのでありますが、自動車
局長は見えていないようであります。縄張りの
関係と許可の
区域の
関係等は、大体自動車
局長の主管だと思います。私はこういう問題を答弁を要求するのでありますが、もし部長さんで答弁できなければしようがない。
委員長、この次の
会議にはぜひ大臣に出てもらいたい。そうして大臣の所信をはっきり聞かなければ、むやみに通すわけにいかぬ。——むやみには失言です。言い過ぎですから、これは訂正をいたしておきます。軽々しく通すわけにはいかないと私は思います。ひとつ
委員長にお願いをしておきます。
その次は、いま申し上げました労働省にちょっと……。