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1967-05-11 第55回国会 衆議院 地方行政委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年五月十一日(木曜日)     午前十時三十四分開議  出席委員    委員長 亀山 孝一君    理事 大石 八治君 理事 岡崎 英城君    理事 奧野 誠亮君 理事 久保田円次君    理事 細谷 治嘉君 理事 山口 鶴男君    理事 門司  亮君       木野 晴夫君    久保田藤麿君       佐々木秀世君    塩川正十郎君       中馬 辰猪君    辻  寛一君       渡海元三郎君    古屋  亨君       山田 久就君    井上  泉君       太田 一夫君    河上 民雄君       依田 圭五君    折小野良一君       有島 重武君    大野  潔君       林  百郎君  出席国務大臣         自 治 大 臣 藤枝 泉介君  出席政府委員         自治政務次官  伊東 隆治君         自治省行政局長 長野 士郎君         自治省財政局長 細郷 道一君         自治省税務局長 松島 五郎君  委員外出席者         大蔵省主計局主         計官      秋吉 良雄君         専  門  員 越村安太郎君     ————————————— 五月十一日  委員小濱新次君辞任につき、その補欠として有  島重武君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 五月九日  地方交付税法の一部を改正する法律案内閣提  出第七〇号)  昭和四十二年度における地方財政特別措置に  関する法律案内閣提出第七八号) 同月十日  消防賞じゆつ金制度の改善に関する請願(池田  清志君紹介)(第一〇七〇号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  地方交付税法の一部を改正する法律案内閣提  出第七〇号)  昭和四十二年度における地方財政特別措置に  関する法律案内閣提出第七八号)  昭和四十二年度における地方公務員等共済組合  法の規定による年金の額の改定等に関する法律  案(内閣提出第一一〇号)  地方税法等の一部を改正する法律案内閣提出  第三九号)  国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関す  る法律の一部を改正する法律案内閣提出第六  三号)      ————◇—————
  2. 亀山孝一

    亀山委員長 これより会議を開きます。  内閣提出にかかる地方交付税法の一部を改正する法律案、及び内閣提出にかかる昭和四十二年度  における地方財政特別措置に関する法律案の両  案を一括して議題とし、政府から提案理由説明を聴取いたします。藤枝自治大臣
  3. 藤枝泉介

    藤枝国務大臣 ただいま議題となりました地方公布税法の一部を改正する法律案、及び昭和四十二年度における地方財政特別措置に関する法律案について、その提案理由内容要旨を一括して説明申し上げます。  昭和四十二年度地方交付税算定については給与改定等制度改正による増加経費のほか、経済の発展及び国民生活水準の向上に資するため、関係経費にかかる財源充実をはかることといたしたいのでありますが、これに加えて、同年度においては、地方財政の一そう健全な運営をはかるため、特別措置として地方団体に対し総額百二十億円の臨時地方財政交付金交付することとし、その充実をはかるとともに、この際算定方法合理化及び簡素化をはかることといたしたいのであります。  このため、地方交付税法所要改正を加えるとともに、臨時地方財政交付金算定方法昭和四十二年度分の普通交付税額等についての特例措置を定める必要があるのであります。以上が、これらの法律案を提出いたしました理由であります。  次に、これらの法律案内容について説明申し上げます。  まず、地方交付税法の一部を改正する法律案要旨でありますが、その一は、基準財政需要額算定に用いる単位費用改定であります。行政水準引き上げにより増加する一般行政経費給与改定の平年度化等に伴い増加する給与関係経費生活保護基準引き上げ等により増加する社会保障関係経費、その他制度改正等によるものを基準財政需要額に算入するため関係費目単位費用引き上げることとし、また、特別事業債の廃止に伴う財源措置を講ずるとともに、道路事業費等公共事業増加等に伴う財源充実をはかるため、投資的経費にかかる関係費目単位費用を改めることといたしております。  その二は、基準財政需要額算定に用いる費目測定単位補正方法等に関する改正であります。  道路費及び橋りよう費を統合して道路橋りよう費とし、また清掃費及び都市計画費の一部をもって新たに下水道費を設けることなどにより、基準財政需要額算定適正化及び簡素化をはかるとともに、主として都道府県投資的経費にかかる各種の補正を整理統合して、新たに態容補正一種として、投資的経費必要度に応じて財政需要算定を行なうための補正を設けることとし、その他費目に対する補正適用の種類について所要改正を加えることといたしております。これらを通じて後進地方団体あるいは人口急増団体等について必要な配慮を加えることといたしております。  以上のほか、地方交付税算定方法改正と関連して公営企業金融公庫法及び後進地域開発に関する公共事業に係る国の負担割合特例に関する法律の一部を改正することといたしております。  次に、昭和四十二年度における地方財政特別措置に関する法律案要旨でありますが、その一は、臨時地方財政交付金交付に関することであります。総額百二十億円の臨時地方財政交付金のうち、九十五億円を第一種交付金とし、二十五億円を第二種交付金といたしております。そのうち第一種交付金は、普通交付税とあわせて算定し、基準財政需要額基準財政収入額を越える都道府県に対して交付することといたしており、また第二種交付金は、市町村道の整備に要する財源充実をはかるため、総額市町村道の延長に案分して市町村及び特別区に対して交付することといたしております。  その二は、昭和四十二年度分の普通交付税の額の算定方法等特例に関する事項であります。第一種交付金交付に伴い、その交付方法を定めるほか、基準財政需要額算定については、昭和四十一年度において発行を許可された特別事業債償還費を算入することとし、また市町村分道路費単位費用について特例を設けることといたしており、その他臨時地方財政交付金交付時期等必要な措置を講ずることといたしております。  以上が地方交付税法の一部を改正する法律案及び昭和四十二年度における地方財政特別措置に関する法律案提案理由及びその内容要旨であります。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
  4. 亀山孝一

    亀山委員長 以上で、両案に対する提案理由説明は終わりました。      ————◇—————
  5. 亀山孝一

    亀山委員長 次に、内閣提出にかかる昭和四十二年度における地方公務員等共済組合法規定による年金の額の改定等に関する法律案議題とし、政府から提案理由説明を聴取いたします。藤枝自治大臣。     —————————————
  6. 藤枝泉介

    藤枝国務大臣 ただいま議題となりました昭和四十二年度における地方公務員等共済組合法規定による年金の額の改定等に関する法律案について、その提案理由とその概要説明申し上げます。  政府は、恩給制度について、恩給年額増額等措置を講ずるため、恩給法等の一部を改正する法律案を今国会に提出し、御審議を願っておりますが、これに伴い地方公務員退職年金制度についても退職年金等年額改定等措置を講ずる必要があります。このほか、地方公務員等共済組合法施行日前に地方公共団体臨時に雇用され、厚生年金保険法適用を受けていた期間組合員期間に通算する等の措置を講ずる必要があります。これがこの法律案を提出した理由であります。  次に、この法律案概要説明申し上げます。  第一は、地方公務員共済組合支給する地方公務員等共済組合法規定による退職年金等年額を、いわゆる二万円ベースの給料により算定した額の三二%増額した額に引き上げることとし、その額のうち、地方公務員等共済組合法施行日前の期間基礎として算出する部分については、七十歳以上の者は五四・二%、六十五歳以上七十歳未満の者並びに六十五歳未満の妻、子及び孫は四四%、それぞれ増額した額に引き上げることとしております。なお、この年金の額の改定に要する費用は、そのうち地方公務員等共済組合法施行日前の組合員期間基礎として算出する部分については、全額国または地方公共団体負担することとし、地方公務員等共済組合法施行後の組合員期間基礎として算出する部分については、国または地方公共団体及び組合員負担することとしております。  第二は、恩給法改正に伴い、高額所得停止を行なっている退職年金について、恩給法高額所得停止基準の是正に準じその支給停止基準を是正することとするほか、新たに旧軍人の恩給を受けることとなる者またはその遺族に対して退職年金または遺族年金支給する等の措置を講ずることとしております。  第三は、地方公務員等共済組合法施行日前に地方公共団体臨時に雇用され、かつ、厚生年金保険法適用を受けていた期間組合員期間に算入することとしております。  第四は、増加退隠料等を受ける権利を放棄した組合員について、国家公務員共済組合法取り扱いに準じ、地方公務員等共済組合法施行後に公務による廃疾となった者と同様に、その廃疾程度に応じ、公務による廃疾年金支給することとしております。  第五は、地方議会議員共済会退職年金を受ける者が五十五歳未満であっても、その者が公務に関連する傷病により公務傷病年金を受給できる程度廃疾状態にあるときは、その状態にある間、退職年金支給停止は行なわないこととしております。  以上がこの法律案提案理由及びその概要であります。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
  7. 亀山孝一

    亀山委員長 ただいま政府から提案理由説明を聴取いたしました三案に対する質疑は、後日に譲ることといたします。      ————◇—————
  8. 亀山孝一

    亀山委員長 内閣提出にかかる地方税法等の一部を改正する法律案、及び内閣提出にかかる国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行ないます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。井上泉君。
  9. 井上泉

    井上(泉)委員 藤枝自治大臣のあいさつの内容を見ると、自治大臣は、地方自治体の振興ということについてはやはり所管大臣として文書の上では熱意を示した表現にはなっておるわけですけれども、提案されております個々の議案につきましてはむしろ自治行政が後退をし、中央集権方向で、特に府県の場合にはその方向が顕著に出ておるわけです。こういうような点から、いま自民党で問題になっております知事の四選禁止の問題ですが、これは議員立法提案をするとかどうとかうわさされております。自治法でいう公選禁止ということになれば、やはり市町村長も含まれねばならないわけですけれども、市町村長の四選禁止の問題はさておきまして、所管大臣として知事の四選禁止についてどういうお考えを持っておられるか、この機会に承っておきたいと思います。
  10. 藤枝泉介

    藤枝国務大臣 知事多選禁止についていろいろな動きのあることは私も承知をいたしております。私は、元来、こうした問題は選挙民が批判すべきものである、本質的にはそういう考え方を持っておるわけでございます。ただ現実の問題として、あまりにも長く同一人が同じ位置におるということの弊害もないわけではないのでございますが、元来は地方自治体に属する住民の自由な意思で判断さるべきものであるというふうに考えております。
  11. 井上泉

    井上(泉)委員 私はこの知事の四選禁止ということにつきましては、やはりいまの自治法憲法の中で規定をされた自治法である限りにおいては、四選禁止ということを法律で規制をするということは憲法改正することにつながってくるものである、こういうことも考えられるわけでございますので、この問題については、いま自治大臣のおっしゃられたように、住民自治原則に立って憲法規定するところに基づく方針を貫く。そしてそのことが今日地方自治を守っていく上において私は大切なことではないかと考えるわけですが、いま大臣所感を承って、その所感が今後どういう形で生かされるか見守っていきたいと思います。しかしそういうふうな精神の流れ、考え方の流れというものが、自治大臣選挙のときに言ったかどうか知りませんけれども、中央に直結する地方自治体とか、市町村とか、県とかいうようなことをよく言うわけです。大臣中央に直結する地方自治体というようなことを言うのは、これは地方自治の本質を誤らせる行き方ではないかと思いますが、この点についての自治大臣見解を承っておきたい。
  12. 藤枝泉介

    藤枝国務大臣 私、元来、中央に直結する地方自治ということばはきらいなんでありまして、もちろん国の行政地方行政とが呼吸を合わせてやっていくことが必要であることとは確かでございますが、直結するということばは、いかにも中央集権的なことに誤解を受けるおそれもあろうと思います。私自身は少なくともその中央に直結するということばは全然使っていないつもりでございますし、また、いまの御質問に対するお答えといたしましても、私の気持ちを率直に申し上げましてお答えにかえたいと存じます。
  13. 井上泉

    井上(泉)委員 もう一点。過日の細谷さんの質問の中で、住民税課税基準引き上げ等についても検討されるような話を承知しておったわけですが、この説明の中におきましても、税の均衡、地方財政を強化する面と、地方住民税軽減する面あるいは固定資産税の評価の問題、いろいろ検討して考えなくてはならないと思うわけですけれども、いまの住民税基準の問題を、来年度あたりからは少なくとも国税の所得税基準点にまで引き上げる、あるいはそれに近づけしめるということについて、自治大臣は積極的に取り組む意思があるのかどうか、そのことを承っておきたい。
  14. 藤枝泉介

    藤枝国務大臣 本会議でもお答え申し上げましたように、地方税というものは地域社会費用をその地域住民が分に応じて広く負担するという性格を持っておると思うのでございまして、一種所得の再配分的性格を持つ所得税とはおのずから性格が違うのではないかというふうに考えますので、所得税課税最低限住民税課税最低限が必ずしも一致しなくても、それはそれぞれの意味があるというふうに考えるわけでございます。ただ、現在の国民負担現況から考えまして、地方税負担というものは決して軽いものではございません。特に広く各方面負担をしていただいておる住民税についても、地方財政状況をにらみ合わせながら、やはり軽減合理化をはかっていく必要がある。そういう意味で本会議でも申し上げたのでございますが、したがって、一挙に所得税課税最低限に近づけるということは、なかなか地方財政現況から考えて困難ではないかと思います。しかし、また一方、現在地方制度調査会でも御審議をいただくわけでございますが、国と地方との行政事務の再配分に伴う財源の再配分ともにらみ合わせながら、できるだけ軽減をはかってまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
  15. 井上泉

    井上(泉)委員 今度の地方税法改正につきましても、あるいは地方財政計画につきましても、府県市町村自治体財政力を強化するという面よりは、むしろ私が前段申し上げましたように、中央支配権力支配能力というものを強化する方向にあるということがいろいろな点でうかがい知ることができるわけです。たとえばその中での単独事業債のごときにおきましても、前年度よりは相当大幅な増加をしておる。見たところでは単独事業債を大幅に増加をさせておるけれども、中身を検討すれば、その中身は、たとえば成田空港の周辺の市町村に対する単独債とか、あるいは大阪の万国博に要する単独債とか、そういうふうなことで、全般的な地域行政開発地域開発というようなものに対する財政配分がなされていないようなことが明らかになっておるわけですが、こういうようなことが人口過密化対策後進地開発と、この二つの問題を、都市人口が集中するから都市のほうに経費をよけい充てんをする。そして後進地というところは、多くは人口が減っておるということを後進地と俗に称しておるわけですが、そういうところは行政経費が余分に要るにもかかわらず、そういう方面には財政的な配慮がなされていない。こういう点について自治大臣説明の中にも、そういう過密過疎の問題について、長期的視野に立って、それぞれの地域政策確立をする、こういう説明をなされておるのでありますが、そういう説明行政の面で、あるいは財政の面で、どう具体化していくのか、今次の予算の中においてはそのことを十分掌握することができないわけですが、この点についての構想をお聞きをしたいと思います。
  16. 藤枝泉介

    藤枝国務大臣 具体的な数字については政府委員からお答えをいたすことにいたしますが、いずれにしてもそういう人口激増あるいは人口激減というような現在のわが国の社会に起こっておる急激な変化に対応するような形で、たとえば激増地帯における激増補正あるいは激減地帯における激減補正交付税傾斜配分というようなことを心がけて、現在の現象に対処いたしておるわけでございますが、これだけでは十分とは考えられませんので、今後さらに地方財政確立を期する中において、十分その現象に対応できるような方向で考えてまいりたいと思っております。
  17. 井上泉

    井上(泉)委員 それでは税務局長にお伺いいたします。  地方税法の一部を改正する法律案内容について、たとえばこの改正ということによってむしろ税が増税の傾向にあることは、これは前にも自治大臣が、今度の地方税は決して軽減ではない、こういう説明をされておったのですから、あなたもこのことは承知をしておると思うのですが、利益があるものに対して税金を課するということ、この応益主義というか、この原則には変わりないのですか。
  18. 松島五郎

    松島政府委員 地方税一般に応益的な原則基礎にして税目が組み立てられるのが適当だと言われておりまして、現在の税制もそういう考え方を基本的には持っております。ただ応益原則とか  応能原則とか申しましても、それだけで税金が組み立てられるわけのものではないと考えております。たとえば住民税につきましても、所得段階  に応じまして税率がある程度超過累進の構造に  なっておるとか、あるいは低額所得者については、その他の税においても免税点なりあるいは基  礎控除というような方法によって軽減をしていくというような措置も講じられておるわけでございまして、絶対に応益原則だけで地方税がすべて割り切れるというわけではないと考えております。
  19. 井上泉

    井上(泉)委員 今度の地方税改正の中で、従前の電気ガス税の百分の五を製紙産業に限定をして適用するということが出ておるのですが、これは大手資本家以外の弱小な、中小な、零細な製紙業者はほとんどこの電気ガス税減税対象にはならないということ、これはあなたも御承知のことと思うのですが、それと同時に、時限立法で三年間を限って電気ガス税を免税しておった企業に対して、今度はその三年を排除した。ところが排除したその対象になる工場、たとえば三井化学とかあるいは三菱油化、住友化学、東洋紡績とか東洋レーヨン一とか、こういうような会社になぜ電気ガス税を免除せなくてはならないのか、このことについての御意見を承りたい。
  20. 松島五郎

    松島政府委員 従来電気ガス税につきましては、一定の基準に従いまして、産業用電気につきましては非課税措置を講じてきているわけでございます。今回、三年の期限の満了に伴いまして非課税に繰り入れましたポリプロピレンというような新しい産業につきましては、三年間を一応限りまして、その間におきます状況を見て、それが三年を経過した後においても重要産業であり、かつ電気料金製品コストの中で五%以上占めるという状態が継続しますならば期限なしの非課税に繰り入れていくという措置を講じてきたわけでございます。そういう従来の方式に従ってこの問題を取り扱っておるわけでございます。
  21. 井上泉

    井上(泉)委員 これは、産業で、この産業は国家的に見て、あるいは社会的に見て必要でないというようなものは、これは存在する限りにおいては、そうざらにはないと思うのですが、ところがあなたがこういう改正案を出す場合に、これらの対象になる工場住友とか三井とか東洋レーヨンとかという日本の巨大な資本家の経営する会社が、一体どれだけの利益をあげておるか、これをお調べになったことがあるのかどうか。お調べになっておれば、そのことをひとつお示しを願いたいと思います。
  22. 松島五郎

    松島政府委員 私いま手元に、どれだけの利益があがっているかという調べた資料を持っておりませんが、ただ、電気ガス税につきましては、これは法人税あるいは法人税割り事業税というようなものと異なりまして、その産業なり会社なりが利益があるから特別に課税をするのである、あるいは利益がないから特別に課税しないというような取り扱いになっておりませんので、要するにその電気がどういう目的に使われていて、それが製品コストの中でどの程度割合を占めるかという基準によって判断をいたしておるのでございます。
  23. 井上泉

    井上(泉)委員 そういう基準の立て方というものが、これが第一あなた間違っておると思わないですか。その点についての見解を伺いたい。
  24. 松島五郎

    松島政府委員 税につきましては、それぞれの税目に従いましてどいうものに課税をし、どういうものに課税をしないかという基準というものは、それぞれあってしかるべきものと考えております。したがいまして、たとえば所得に対します課税でありますならば、所得のある者に課税をし、所得のない者に課税をしないというような取り扱いがあるべきでありましょうし、また自動車のような物件に対します課税でありますならば、その自動車の態様に応じて、たとえば大きさでありますとか出力でありますとか、そういうようなものに応じて課税をするというような課税のしかたもあろうと思います。それぞれ税によって、そのいかなるものにどの程度課税するかということをきめてまいるわけでございますので、御指摘のありましたように、電気使用者がたまたま非常にもうかっている産業であるからということとは、少なくとも電気ガス税関係がないのではないかというふうに考えております。
  25. 井上泉

    井上(泉)委員 そういう考え方は、税というものから考えて間違っておると思わないところが、私はどうしても納得がいかないのですが、やはり税を取っても、それはその税を、地方税を取ることによって、その地方自治体がそのことによって利益を得、その行政が伸長していくということ、これが地方税を徴収するところの眼目でなくてはならない。ところが紙の、たとえば製紙産業に対する税の問題にしても、電気ガス税の問題にしても、小さな、たとえば私は高知県ですが、高知県のことを言って恐縮ですが、高知県とか愛媛県とかというようなところは和紙産業、零細な手すき業者がたくさんおるわけです。零細な手すき産業に対しては電気ガス税はそのままかかる。ところが一方、大企業のやっておる会社に対しては、電気ガス税減税になる。こういうことが、手すき産業が必要でないから、手すき産業には税金をまけないのか、こういうことにもなるわけです。ところが手すき産業というものは、地方地場産業で、地方自治体行政の中では非常に重要な比率を占めておるのです。それを中央のほうで、自治省のほうで、機械的に大資本製紙産業利益を守るために電気ガス税を免除するとかあるいは減免するとかというようなことは、これは全然筋が違うのではないか。少なくとも製紙産業に対して電気ガス税を免除するとかあるいは減免するとかという場合におきましては、これはそれぞれの地域状態に応じた減税措置をとるべきではないか。それから特に今度三年を限ってやった、それはこの工場事業場設置奨励条例とかいうものを、これは自治省が非常にテコ入れをして地方につくらしてきたわけですが、私はそのときも、地方議会の中におって、ずいぶんもうけておる会社事業税を免除する、あるいは固定資産税を免除する、そういうようなことをなぜ中央が、自治省が指導するのか、こう言って、そういう条例については反対をしたのですが、そういう地方の奨励条例を依然として、奨励をする、あるいは指導するという考え方を持っておられるのかどうかということと、そうして、あわせて、ことしもう電気ガス税が全然免税になるという対象の、たとえば三井化学にいたしましてもあるいは住友化学にいたしましても、これは年間で約十六億も二十億ももうけておる。こういう化学産業は多量の電気を使うのでありますから、ずいぶんもうけております。株主は一割から一割二分の配当をもらっておる。そういうふうな企業に対して、それをまた育成をするという意味において、何も自治省がこういう地方税を減免することによってその企業を育成するとかいうような行政措置を講ずる必要はないと思う。東洋レーヨンのごときにおいては半期四一五億、年間百億もうけておる。その百億ももうけておる会社電気ガス税は免除して、そうして税金を払うこともできない、赤字赤字で倒産にあえいでおるところから、電気だけは遠慮会釈もなく取るわけです。電気がとまったら一切企業がとまるけれども、電力会社というものは一カ月も電力料は待ってくれないわけです。こういうふうなむちゃくちゃな地方税の立て方というものは私はあってしかるべきではないと思うのですが、この二点について……。
  26. 松島五郎

    松島政府委員 電気ガス税を収益の非常にあがっている企築に対して免税をすべきではないという御指摘でございますが、先ほど来何度も申し上げますように、もうかっている会社に、そのもうけに対して課税をする税金としては、別に事業税なり法人税割りなりが地方税としてあるわけでございます。この電気ガス税は、要するに電気料金の一定割合課税をするというものでございますけれども、それがその産業におきます製品コストの中で一定割合以上のものについては課税をしないという原則に従って取り扱いをきめておるわけでございまして、その企業がもうかっておるかもうかってないかということを判断の基準といたしておるわけではございませんので、現在提案をしているような取り扱いをいたしたいというわけでございます。  それから、なお、工場誘致条例について自治省が大いに指導をしているというお話でございますけれども、私どもはかねてからこの工場誘致条例の設定につきましては、乱に流れることのないように、ほんとうにその地域社会の福祉増進のためにその企業の誘致が必要であるという場合に限って行なうように、また行なうといたしました場合にも、過大に減免をいたしまして他との負担の均衡を乱し、あるいは当該地方団体財政に重大な影響を及ぼすことにならないように、再三再四私どもはその取り扱いに慎重であるべきことを通達をしてまいっておるのでございまして、決してどんどんやれというような意味で指導はしておらないつもりでございます。
  27. 井上泉

    井上(泉)委員 それでは、この弱小な製紙産業に対する電気ガスがその原料の中で五%を占めておるとか占めてないとかいうことではなしに、製紙産業というものを地域産業の中で、あなたの言われるとおり、もうけておるから税金をどうこうするではなしに、その産業が必要であるかないかによって、これを育成することが必要であるかどうかによって税というものは課税を考えておる、こういうお考えの上に立つならば、やはり地方自治体の中での零細な地場産業というものは非常に必要なものでございます。その必要な存在のものに対しては、そういうパーセンテージによるワクをはめずに、やはり減免の措置を講ずべきでないかと思うが、その点についてはどうですか。
  28. 松島五郎

    松島政府委員 こういう問題は、どこかに線を引いてものを考えるかという問題でございます。従来からもその点につきましてはいろいろ議論のあるところでございまして、御指摘のような大きな産業については電気料金がコストの中で占める割合をもっと高くすべきであるとか、あるいはもっと引き下げるべきである、いろいろ議論がございます。議論がございますが、それじゃどこが決定的かということになりますと、なかなかこれは問題のあるところでございます。したがいまして、現在では一応、形式的ではございますけれども、電気料金がコストの中で五%を占めておるかどうかというところを一つのめどにいたしておるわけでございます。それをさらにものによって引き下げる、ものによって引き上げるというようなことになりますと、取り扱いが不備になり、かえってまた不公平も起こるという問題も考えられますので、現在のような取り扱いをいたしておるわけでございます。
  29. 井上泉

    井上(泉)委員 それはものによって下げるとか下げないとか、それを税の取り扱いが混乱するから、税制が混乱するからできないという、そのとおりだと思うのですけれども、そのとおりならばなおさらのこと、この減免の措置をする場合においては、その対象というものについては十分考えねばならぬじゃないか、こう思うわけです。それでは、あなたは税務局長ですから、ずいぶん地方税を安くして、できるだけ地域住民負担軽減をすると同時に、また一方においては新しい税収も見出すというようなことを任務とされていなくてはならないと思うわけですが、いまこの電気ガス税を免税にすることによってどれだけの地方税の減収になるのか、このことをひとつお示し願いたいのです。
  30. 松島五郎

    松島政府委員 昭和四十二年度で三億六千七百万円でございます。なお、平年度にいたしますと五億五千百万円の減税となります。
  31. 井上泉

    井上(泉)委員 これは地方税電気ガス税だけではなしに固定資産税の問題、これは午後委員会があるから、そのときに質疑いたしたいと思うのですけれども、この地方税のとり方が、やはりこれは国税と同じように下に厚く上に薄いということが電気ガス税の面でも顕著にあらわれておるのですが、やはりこれについては私はこういう税金を今度の税法の改正でも下を、一般大衆の課税を低くして、もうけておるほうから多くとるような立て方になぜ変えなかったのか。私は一年生議員で初めて出てきて、この中身を研究してから実に驚き入ったわけですが、この産業についてなんかも、電気ガス税の免税はずっと、この法律が通りますと年度のきりがないわけですが、いつまでもこれは免税にするというお考えなのかどうか。
  32. 松島五郎

    松島政府委員 電気ガス税非課税の問題につきましては、今回の新しく加えられたものも含めまして、毎年毎年と申しますか、一定の時期ごとに見直しまして、それが電気料金、製品中に占めますコストの割合がはたして五%という水準に依然としてあるかどうかというようなことを検討して、毎年というわけにもなかなかまいりませんが、時期を見て洗いがえをして、資格のないものは落としていくというような方針をとっておるのでございます。
  33. 井上泉

    井上(泉)委員 それから、これは事業税課税の問題ですが、事業税の中小企業者の税負担、これはもう事業税で一番苦しめられておるものは零細な中小企業者です。これはこの改正で中小企業者の専従者控除を引き上げるとか、あるいは免税点をどうするかということでは解決されないと思うのです。前の委員会のときに自民党の委員の方から質問をされておったのですが、所得税で、年間何も利益が出ていないものでも税金がかかるというような仕組みになっておるのですが、これも、それこそ税の簡素化意味において、事業税の減免の措置減税方法というものを、もっと明確に税法を改正をするというお考えがないのかどうか。
  34. 松島五郎

    松島政府委員 事業税所得税と異なりまして、事業に対しまして課税をする税金でございますので、現在の個人事業税の立て方は所得税の計算と必ずしも一致しない面がございます。御指摘のように、たとえば専従者控除の問題につきましては、事業税のほうが所得税よりも控除額が少ないという面は確かにございます。そういう面から所得税のかからない方で事業税がかかるという方もあるわけでございます。ただ税法の立て方が違いますので、逆にこれは極端な例を申し上げると、そんなことがあるかというおしかりをいただくかもしれませんが、極端な例を申しますと、事業税では、事業主控除二十七万円を今回の改正で御提案をいたしております。そこで、たとえば家族なしで全く一人で事業をやっておるというような場合があったといたしますと、所得税の場合は基礎控除十五万円だけしかしないわけです。一方事業税は二十七万円控除があるということで、事業税がかからないが所得税がかかる人もあり得るわけでございます。それは希有の例であろうと思いますけれども、そういうことで、税法の立て方が異なっておりますので、必ずしも所得税事業税と一致しない面がございます。
  35. 井上泉

    井上(泉)委員 その一例があるとかいうことではなしに、そういう事業税をもっと合理的に、ほんとうに事業をやっておるからといっても、その事業が全然利益があがらないにもかかわらず、それに事業税をかけるということがいかに不都合であるかということ、これはあなたも理解をされているのですか、その点どうですか。
  36. 松島五郎

    松島政府委員 事業税所得税と異なりまして……。
  37. 井上泉

    井上(泉)委員 異なっていることはわかっておる。異なっているから言っているのですから、そこは説明せぬでもいいです。
  38. 松島五郎

    松島政府委員 事業税につきましては、事業税を納めることが、事業を行なうものが地方団体から受けるサービスに対する経費として考えるべきだという議論もございます。そういう意味からは、所得のあるなしにかかわらず外形標準的なものをとらえて課税をするのが本来の事業税のあり方ではないかという議論もあるのでございます。ただそうなりますと、御指摘のとおり、所得のない方にも税金がかかるというようなことから、個人事業についてそういう課税のしかたがいいかどうかという点について議論があるわけでございまして、現在は所得課税標準にいたしております。したがいまして、御指摘のように所得がない、収益がないのに事業税がかかるというたてまえにはなっておらないのでございます。ただ事業税をそれじゃ今後どうするのかという問題はいろいろあろうかと思いますけれども、現在の個人事業税につきましては、毎年と申しますか、毎年のように事業主控除の引き上げというようなことをやってまいる。また税率の引き下げ等も行なってきておるのでございまして、昭和二十五年のシャウプ勧告当時では事業税収入が、府県税収入の中で個人事業税が三六%の割合を占めておりましたが、現在は個人事業税収入は府県税収入の中で三%を占めるにすぎないような状態になっております。これは御指摘のようなことから、年々減税を行なってきている結果であろうと考えているのでございます。
  39. 井上泉

    井上(泉)委員 それから軽油引取税、これは農業者の農耕用に使う油にも税金をかけるということについてずいぶん問題になって、農免の道路の予算とかいうことが出たのですが、この税を取る場合に、私どもいつも地方でよくガソリン税の値上げ反対の話を聞かされるし、またわれわれもこの税に苦しめられる一人ですけれども、農業者あるいは漁業者の使用する軽油引取税についての減免について、何か特例的なものを設けるということを考えてないのかどうか、そのことを……。
  40. 松島五郎

    松島政府委員 軽油引取税のうち、農業用の軽油引取税につきましては、地方税法の七百条の六の第四号で、「農業又は林業を営む者その他政令で定める者が動力耕うん機その他の政令で定める機械の動力」の用に使います軽油は非課税といたしております。その機械といたしましては、動力耕うん機その他の耕うん整地用機械でありますとか、栽培管理用の機械でありますとか、収穫調整用の機械でありますとか、そういったものを取り上げておりまして、そういったものに使います軽油につきましては非課税になっておるのでございます。
  41. 井上泉

    井上(泉)委員 農業用の税については、また後日質問することにいたしまして、今度の税法の改正ですが、遊興飲食費用というものが、会社、法人の交際費等でもずいぶん出ておるのですが、これについての税、これを改正をする、つまりこういう方面における税負担を——今度の改正には税率の改正とかいうようなことを全然考えてないのですが、これはどういうことですか。
  42. 松島五郎

    松島政府委員 料理飲食等消費税の問題につきましては、いろいろな御議論が現在でもあるのでございまして、たとえば、現在税率が、三千円以下の遊興行為等につきましては一〇%、三千円をこえますものにつきましては一五%と、二段の税率になっておりますけれども、こういう消費税について、税率に段階区分を設けることは適当でないのではないかというような議論もございます。また旅館におきますサービス料についても、現在一〇%までのものに限って、その部分課税標準から除外いたしておりますけれども、これをもっと引き上げるべきであるというような意見もございます。さらに、免税点の問題につきましても、これをもっと引き上げるべきであるというような、いろいろな御意見がございます。それらの御意見もございますけれども、現在の経済情勢のもとにおいては、少なくとも現段階においては、やはり現在の料理飲食等消費税の体系を維持していくことが適当であると考えているものでございます。
  43. 井上泉

    井上(泉)委員 それでは、税務局長に対する質問は、幾ら言っても切りがないので、また後日にいたしたいと思いますが、こういうふうな税の取り方、地方税改正内容というものを、自治体行政を指導する立場に立っておられる自治省行政局の担当の方、長野行政局長にお伺いしたいのです。自治省の中で税務局は、税のたてまえから、税を取ることに中心を置いておられるわけで、このことが全般的な地方行政を振興させていくという、自治省行政の中で考えられておればよいけれども、そうではないような印象を私は非常に強く受けるわけです。たとえば製紙産業に対する税の問題でも、あるいはこういう特殊な化学産業、いわば独占資本の系列に属するような大きな企業に対しては税金を安くしておる。あるいは固定資産の問題にしても、そしてまた事業税の賦課の割にしても非常に安くなっておるわけです。自治法の精神に従って、地方行政を全般的に指導する立場にある行政局としては、いまの地方税の立て方をこのままでよいと思うのかどうか、その辺についての御意見を承っておきたいと思います。
  44. 長野士郎

    ○長野政府委員 お尋ねは非常にむずかしい問題でございまして、十分私どももお答えになるかどうかわからないのでございますけれども、全般といたしまして地方団体地方自治というたてまえから考えましても、自主財源というものが増強されるという方向で、ものが考えられていくということは、これは全体の考え方としてはぜひ必要だと思っております。個々の具体的な税法の税目等につきまして、国税との関係あるいは産業の育成の考え方、租税だけの見地というより、いろいろな政策というものがありまして、それが国税と地方行政との中で均衡や調和をとっているということで、いろいろな租税の政策というものが具体化しておると思うわけでありますが、そういう点でいろいろな見方や考え方ができるとは思いますけれども、全般といたしまして、それでは現在そういう意味で自主税源が十分であるかどうかということになれば、まだまだ十分であるとも言えませんし、新しい経済、社会の発展に伴ういろいろな行政需要に十分対応するだけの財源措置か行なわれているかといえば、それもなお十分ではないということになるのだろうと思います。それをどういうふうにして解決していくかということでございますが、これはひとつ政府なり国会なりにおきまして、地方財源充実するという方向と、国税との調和をどういうふうに全体として考えていくかという問題と、両方にらんでいただきまして、適切な措置をとっていただけばよいのではないだろうかというふうに考えております。
  45. 井上泉

    井上(泉)委員 たとえば昨年米価の値上げの場合に、農民の要求する額だけの米価がきまらなくて、それの何か一つの妥協的なもので、五十億の予算を組んだことは皆さんも御承知のとおりです。ところがそれを町村で、米作の奨励金とか何とかいうことで配分をしておるわけですけれども、その配分をするにしても、予算へ計上しないのです。あれは自治省の通達か農林省の通達か何かで、予算に計上しなくてもかまわないような仕組みになって、市町村でその金をかってに使える。たとえば農業委員会が飲み食いに使ってもかまわないということになっておる。同じようなものが今度の交付税の中にもあって、二十五億の金が市町村道の面積あるいは延長に案分して配分される。二十五億とか五十億の金を市町村配分しても、ほんのわずかな金額になるわけで、これは地方財政行政とが、これが一つに、両輪のごとく一体になっていかないと、地方自治体というものは振興しないと思うのです。ことに、今日のような、都市人口が流出をしていき、地方には課税対象になる産業はだんだんだんだんなくなっていく、こういう状態に対して、自治省として、私は、具体的な行財政の政策というものを立てないと、これは幾ら大臣過密化対策、あるいは後進地域をどうするといったところで、大臣はそのときの閣僚として発言をし、やっておるわけですから、具体的にそういう政策を立案していくのはやっぱり自治省の方が考えなくちゃならないと思うのですが、こういう地方の、後進地域財政の貧困化に対する措置というもの、これについて税務局長は、税の面からそういうことは全然考えられていないような、ただ税を取りさえすればいいという主義で、地方自治体を振興させるという形で税を取っていないわけです。そういうことを私は非常に不満に思うので、これはひとつ財政局長の見解もこの機会に承っておきたいと思います。地方財政を強化するためには、地方税というものが一番重要な役割りを持っておるので、この際、財政局長からも、地方税に対する後進地域の税制をどう改めていくのか、あるいは地方税をどういうふうに、地方財政を強化していく中で改正をしていくべきであるか、そういう見解を承っておきたいと思います。これは、私もこれから国会の中でいろいろ勉強するために、それぞれの局長の御意見を聞いておくことがたいへん参考になると思うのでございますので、一年生議員と思わずに、ひとつ御答弁願いたいと思います。
  46. 松島五郎

    松島政府委員 後進地域と申しますか、あるいは最近問題になっております過疎地帯と申しますか、そういうところの地方税の問題についてどう考えるかというお尋ねでございますが、これは非常にむずかしい問題でございまして、私どもも日夜この問題をどうすべきかということを苦心をいたしておるのでございますが、申し上げるまでもなく、税は終局的には所得から支払うわけでございますけれども、過疎地域なり後進地域なりにおきましては、経済活動そのものが全国的水準から見れば低いわけでございます。その低いところでなお税源を得ようとすれば、どうしても所得の低い人に、あるいは所得の少ないところに税金がかかっていくというような形にならざるを得ない。それでは税負担の全国的な地域間の均衡というようなものも維持できないというような問題に突き当たるわけでございます。そこで、税負担地域間の均衡あるいは全国的な均衡というような面を中心に考えてまいりますと、どうしても経済活動の盛んな地域所得水準の高い地域から税金を取るというような形にならざるを得ないことになって、後進地域なり過疎地域なりにおいては十分な税収入が得られない、こういうことになるわけでございます。先ほど来問題になっております課税最低限の問題にいたしましても、課税最低限を上げれば上げるほど後進地域なり過疎地域におきます納税義務者の数は減り、減税の影響は強くあらわれてくるわけでございます。そこで、そういう問題をどう調整していくかということは、単に税制の問題だけではなかなか解決し得ない面に突き当たるわけでございまして、そういう点から、交付税制度の運用なり、あるいは歳出面において、後進地域開発なり、そういった面をあわせて進めていかなければ、税だけの問題としては、いま申し上げましたような限界に突き当たるのではないか、かように考えておるのでございます。
  47. 亀山孝一

    亀山委員長 山口鶴男君。  きょう、午後、固定資産税の小委員会もありますので、できるだけ十二時には、と思いますから、どうか、そのおつもりできようのところは御質疑を願います。
  48. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 地方税について幾つか御質問をいたしたいと思います。  第十一次地方制度調査会が、地方税に対して二項目にわたりまして答申を出しております文書を拝見いたしました。第一は、道路整備に関連いたしまして、道路財源をもっと地方充実すべきであるということをうたっているわけであります。そこで、第五次道路整備五カ年計画、当初七兆三千億ぐらいの要求だったそうですが、現実に策定されたのは六兆六千億、しかし、その中で、どういうわけか知りませんが、地方の単独事業費だけは、当初の要求が一兆九百億円だったのが一兆一千億に伸びている。当初要求よりも策定された単独事業の経費が上回っているのですから、当然それに見合って道路の特定財源というものを強化しなければ、これは道路整備五カ年計画の策定の趣旨からいってもたいへんおかしい。それから、第十一次地方制度調査会の答申の趣旨からいってもたいへんおかしいわけです。第十一次地方制度調査会の答申並びに道路整備5カ年計画策定の経過からいって、道路財源が、特に市町村に対する特定の道路財源というものがなぜ措置せられなかったのか、その点をまず次官からお伺いいたしましょう。都合によっては政府委員から先でもけっこうです。
  49. 細郷道一

    細郷政府委員 道路五カ年計画は今度から改定をしたいということで、現在大筋の了解だけを閣議においてきめておる、今後なお、国、地方負担算定の上で、それに伴う財源措置を考えていく、こういうことの段階でございまして、さしあたっては四十二年度分の事業計画だけが定まっておりますので、それに応ずるものとして地方部分についての措置をいたしておるものでございます。
  50. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 どうも私の聞いた趣旨と違うようなお答えなんですがね。それは地方財政計画の中で、単独事業費の算定が、一千八百億円ですか、昭和四十二年度に入っておりますことは、それは財政計画上承知をいたしております。しかし、第十一次地方制度調査会が答申をいたした趣旨は、交付税で、単独事業のワクを財政計画で見ればいいという、そういった程度のものではなくて、当然特定財源を与えるべきではないか、こういう趣旨の答申をいたしておるわけですね。それからまた、道路整備五カ年計画で、五カ年間に一兆一千億円の地方巣独事業のワクというものが閣議決定の大筋の了解だそうでありますが、見ている。とすれば、当然それに見合って、交付税である程度事業費のワクを見ることはもちろんけっこうでしょう。しかし、地万制度調査会の答申も相まって考えれば、当然特定財源を与えていくということが道路整備五カ年計画を遂行していく上にも当然必要だと私は思うのです。そういうことに対して一体どうなのかとお尋ねしたわけです。
  51. 細郷道一

    細郷政府委員 少し御質問の趣旨を取り違えまして恐縮でございますが、五カ年計画は、いま総ワクで六兆六千億円ということでつくろうという了解を政府内部においてしているわけです。そのそれぞれの事業の中身をこれからつくって最終の決定をいたすわけでございます。その間地方負担につきましては、公共事業費の中の地方負担がどれくらいになるかということもまだわからないわけでございまして、それが出ますと、それと単独事業の負担分と合わせて五カ年間の地方の総負担になるわけでございます。したがいまして、そういった作業と並行いたしまして財源措置を考えていかなければならない、かように思っております。したがいまして、先般の閣議了解におきましても、六兆六千億の規模を進めると同時に、今後の経済情勢及び国、地方における特定財源の確保等を含めて、財源事情を勘案しつつ弾力的にその実施をはかるというような実は了解もつけておるわけでございます。その上におきまして、地方の特定財源の問題も処理をしてまいりたい、かように考えております。
  52. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 いまの話を聞きますと、ずいぶん先の長いようなお答えだったわけでありますが、しかし地方制度調査会の答申は昨年の十二月出ているわけですね。当然昭和四十二年度予算の中にそれを反映することを期待をして出していると思うのです。しかも、この地方税に対する答申を見ますと、他の事項についてもいろいろ触れておりますが、その他の事項はきわめてばく然とした表現であって、具体的な文章はあまりないのでありますが、特に道路整備については、1、2とあります、その1全部を使って、そして具体的に考え方を述べておられるわけであります。とすれば、地方税に対して、地方制度調査会の答申を受けた、それを当然四十二年度予算に反映しなければならぬ、その場合に、まずもってこの道路財源のことだけは、せめて具体的に問題を解決するということが私は当然じゃないかと思うのです。しかるに残念ながら二十五億というような、きわめて不完全な形でしか臨時特例交付金措置しなかった。不完全なものまでいってないという意見もありますが、全くなってない面もいろいろあると思うのであります。一体どうしてこういうみすぼらしい結果になったのですか、その点をひとつお聞かせいただきたい。
  53. 細郷道一

    細郷政府委員 地方制度調査会の答申の趣旨もございますし、政府におきましても新五カ年計画による改定を行なうという時期でもございましたので、私どもは四十二年度につきましては、せめて道路のガソリン税、目的財源について百四十億ほどの移譲を受けたい、こういう考えで実は要求をし、折衝を続けたわけでございます。ところが、私ども非常に不満足な結果に終わったのでございまして、ことしは二十五億というようなことで、いま御意見のあったように、なっているとかなってないとかいうふうなこともございましょうが、とにかく非常に不満足な結果になったわけであります。しかし、それには反面五カ年間の道路計画の見通しということも関連いたしておりますので、先般二十五億できめます際に、この問題についてはなお五カ年計画の改定の時期もあるので、あわせてその際に検討するのだ、こういうことになっておるのでございます。
  54. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 それではあらためて次官に聞きます。  自治省当局としては、一体答申を尊重する趣旨でどの程度の努力をやって、そうしてこうなったのですか、当然大臣がおれば大臣にお聞きしなければいかぬのですが、大臣おりませんから、次官にお伺いします。しかもこうなったということ以外に、来年度以降に向かっては一体どうするつもりなのか、こういった決意もあわせてお聞かせいただきたい。
  55. 伊東隆治

    ○伊東政府委員 委員会の答申は大いに尊重しまして、百四十億を目標として努力いたしたのですが、遺憾ながら二十五億でとどまったことは返す返すも遺憾でございますので、明年度からはこの差を取り返すために最大の努力をいたすつもりでございます。
  56. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 大蔵省の主計官おいでですね。地方制度調査会の答申を見ますと、こう書いてあります。「道路目的財源配分は国に著しく片寄っている。少くともそれぞれの事業費に対する目的財源割合が同率となるよう、国と地方団体間における道路目的財源配分割合を変更する必要がある。」こう言っています。これは具体的には揮発油税の配分を変えろということだろうと思うのです。まあ、お話を聞きますと、建設省や大蔵省がだいぶ抵抗して、いわば配分を認めなかったというお話も聞いているのですが、大蔵省としてはこの地方制度調査会の答申をどう考え、またどう解釈したのですか。
  57. 秋吉良雄

    ○秋吉説明員 私、地方財政を担当しておりますが、この問題は実はどちらかというと公共事業係の主計官のほうで担当いたしております。私が関係しておる限りのことで御答弁さしていただきますが、この問題は目的財源、特定財源の比率という問題の御議論、確かに私どもわからないわけではございませんが、要するに投資可能資金量としてどうかという議論もまた別途あろうかと思います。したがいまして道路に対する財源といたしましては、特定財源のみを議論する見方と、それからもう一つは、やはり交付税において見られている面もしんしゃくすべきではないか。あるいは地方税といたしまして、これは目的財源とはなっておりませんが、地方税としてやはり道路財源に似つかわしいような自動車税とかあるいは軽自動車税とか、そういった税金も一部あるのじゃないか。いろいろの議論もございまして、問題はやはり投資可能資金量として把握するのは別途考え方としてあり得るのじゃないかというような議論もございまして、単に特定財源の比率だけで議論を片づけるのは、やはり一面をとらえた議論ではないかという面もございまして、この問題についてはなお慎重に検討すべきものだ、かように考えております。
  58. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 軽自動車税が市町村にありますが、資料を拝見いたしますと、百四十六億程度のきわめて僅少な額しかないわけですね。ただいまの秋吉主計官のお答えですと、担当官は別においでのようでありますから、これを主管いたしました主計官、並びにこの問題につきましては建設省とも関係ございますので、本日は無理かと思いますので、この点を保留いたしまして、次会にひとつ担当の主計官並びに建設省の所管局長なり適切な方をひとつ委員会にお呼びいただきまして、さらにこの問題については議論をいたしたいと思います。
  59. 亀山孝一

    亀山委員長 了承いたしました。
  60. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 次にお尋ねをいたします。  同じく地方制度調査会の答申でございますが、これを見ますと、二項にいろいろな問題をうたっておるわけであります。第一は、「所得税からの住民税への税源の移譲」をすべきである、こう言っておるわけであります。税務局長この問題についてはどう努力をいたしましたか。
  61. 松島五郎

    松島政府委員 所得税から住民税への税源の移譲の問題につきましては、かねてから自治省としても一つの基本的な考え方として努力を続けてきておるところでございます。ただ現実の問題になりますと、昨年度もこの問題についていろいろ検討が行なわれたのでございますけれども、所得税を一定部分減税をいたしまして、その部分住民税に移譲したという形において、住民税がその分だけ増税をする、こういうことに結果的にはなるわけでございます。しかしながら、所得税減税ということは、国と地方団体という財政の分野では移譲という形にはなると思いますけれども、一般の納税者の側からいえば、所得税をそれだけ余分に減税をしたんだというふうには、一般にそう受け取られるということはむずかしい問題でございます。減税は多ければ多いほどいいということに一般的には受け取られるわけでありますから、所得税住民税に移譲するために、その分だけよけいに減税したんだということを納税者に理解をしていただくということは非常にむずかしい問題でございます。したがいまして、その分を住民税がいただいて納税をしたのだということ、要するに所得税減税は当然のことであって、住民税は純粋な増税であるというふうに受け取られるわけでございまして、ここにこの問題のむずかしさがございます。昨年度住民税減税に際しましてこういう問題を取り上げ、また今年度の税制改正にあたってもいろいろ論議があったわけでございますけれども、そういった面から実現がなかなか困難であった。さらに今後とも、そのやります場合にはもっと技術的な調整という問題も十分含め、また一般の理解も十分得られるような措置も講じつつやらなければならぬ、こういうふうに考えております。
  62. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 どうもむずかしさばかり指摘をいたしまして、やろうという御熱意があまりないので残念に思いますが、基本的な態度は大臣にでもお尋ねしないと、松島さんのほうはなかなか慎重ですからお答えにならぬと思いますから、その点は大臣の所信表明に対する質問に譲りたいと思います。  こまかいことを聞きましょう。  消防施設税についても答申は触れておりますね。消防施設税の問題についてはかねがねわが党が主張してまいりまして、いまなお解決をしていない。どうですか、消防施設税くらいの創設は昭和四十二年度でやってもよかったのじゃないですか。これじゃ全然一つもしないということになるのですよ。答申が出ました。ところが道路の目的財源についてもだめでした。それから国税から住民税への移譲は、これはたいへんむずかしくて困難だ。それならせめて消防施設税くらいやったらどうですか。これはあまり困難がないと思うのですがね。
  63. 松島五郎

    松島政府委員 消防施設税の問題につきましては、長い間の懸案でございまして、私どもも今回はぜひ実現をいたしたいというので努力をいたしたのでございます。ただ現在考えております消防施設税は、火災保険会社課税をするということでございますが、こういう課税のしかたについてはまたいろいろな議論がございます。御承知のとおりだと存じますけれども、火災保険会社というのはできるだけ保険料を軽減をしていくのがたてまえである。そこで消防施設税がかかればその分だけが被保険者に、保険加入者に転嫁されていくということになるではないか。もしもそうだとするならば、保険に入っている人だけが消防施設税を納めるというのはどういうわけか。消防の恩恵を受けるのは、保険に入っていようといまいと、すべての家屋、物件が利益を受けるのであるから、むしろ固定資産税的なもの、あるいは家屋税的なものとして消防施設税を考えるなら考えたほうがいいのじゃないかという議論もあるわけでございます。一方、これに対して、火災保険会社は、少なくとも消防施設が充実されることによって保険金額、支払い金額が減ってくる、それによる利益というものは、終局的には火災保険料の引き下げという結果に落ちつくとしても、少なくとも経過的には施設が充実されて火災が減る、それにより支払い保険金額が減るというのが、保険料の引き下げに及ぶまでには利益があるのだから、税金を納めてもしかるべきではないか、こういう議論もあります。まあそういう議論を中心にしていろいろ検討をいたしたわけでございますけれども、両論対立したままでなかなか決着をつけがたく、今回成案を得るに至らなかった。まことに遺憾ではございますけれども、そういう事情でございます。
  64. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 いろいろお答えがありましたが、後段の局長さんの言われた見解は私は正しいと思うのです。確かに火災が少なくなって、それで保険料が下がっていけばそれはいいかもしれませんけれども、現実の損保会社の収益なりそれから保険料の推移なりを見れば、それがすぐ保険料の引き下げになってあらわれてくるかといえば、現実はそうじゃないのです。ですから、そういう意味からいけば、いま局長がお答えになった後段の御意見をもっと強く打ち出して、そして消防施設税をこの際実施をするということが正しいと思うのです。この点につきましても、聞くところによりますと、大蔵省の銀行局等が損保会社の肩をお持ちになって、大蔵省自身がなかなか消防施設税の創設については協力的でないというお話も聞くことがあるのですが、これも所管が違いますかな。——違うとすれば、またあらためて担当の方をお呼びしてお伺いしてもよろしいのじゃないかと思いますが、どうですか、次官、一つぐらいは断固実行するくらいの意気があってもよかったのじゃないですか。
  65. 松島五郎

    松島政府委員 この答申にいろいろ掲げられておりますことを何も実行しなかったではないかというおしかりをいただいておるわけでございますが、ここにも書いてございますように、調査会といたしましても、おそらく来年すぐにこれらの問題がすべて解決をするという見通しでは必ずしもなかったのではないか、そこに検討をする必要があるということばをお使いになったのではないだろうかと考えるのでございます。だからといって私ども努力をしないでよい、あるいは努力をしなかったというわけではございません。たとえばこの中で取り上げられておりますもののうち、住民税の均等割りの税率の調整につきましては、法人だけではございますけれども、その措置を講じまして、御提案申し上げておるわけでございます。それから市町村に対する税源の充実の一つの行き方といたしまして、大規模償却資産につきまして、固定資産税の県と市町村配分割合の変更についても取り上げておるわけでございます。それから市町村納付金合理化の一環といたしまして、水道等の施設に対します交納付金改正も御提案を申し上げておる次第でございまして、私どもも答申の趣旨を尊重いたしまして、そういうふうに具体的に今回御提案を申し上げておるものもありますことを御了承いただきたいと思います。
  66. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 そういうお答えならば、私はまた前に戻って議論しなければいかぬと思うのです。そういう検討をする必要があるという文章があるから、まあ検討すればいいのじゃないかという趣旨のお答えだったと思うのですが、それならば、道路整備についてははっきり言っているじゃないですか。そうでしょう。言っておって実施できなかったのですから、私はそういう言い方は無責任だと思うのです。  それならもう一度聞きましょう。なぜ道路整備については二十五億ぐらいで引き下がったのですか、そういうことを言われるならばですよ。
  67. 松島五郎

    松島政府委員 私の申し上げ方が悪いので、まことに申しわけありませんが、検討をする必要があるとあるから、ただ検討をすればいいのだと、こういうことを申し上げたわけではございません。検討をする必要があると書いてありますけれども、私どもは、先ほど具体的に申し上げましたようなものについては、検討の結果成案を得て、提案を申し上げて御審議をいただいている。そのほかの問題についても、努力もしてまいりましたし、今後とも努力をしていきたいということを申し上げたわけでございます。
  68. 細谷治嘉

    細谷委員 関連して。いま、調査会の答申というのはすぐは実現できないという逃げの答弁があったわけですけれども、この答申の調査会の小委員長はどなたですか。税調の小委員長はどなたですか。
  69. 松島五郎

    松島政府委員 松隈先生でございます。
  70. 細谷治嘉

    細谷委員 同じ人でしょう。
  71. 松島五郎

    松島政府委員 そうでございます。
  72. 細谷治嘉

    細谷委員 同じ人が書いたわけですからズレはないはずですよ、税調とこの調査会の答申は。それを書いたのが一つも実現しないということは、自治省の努力不足を物語る以外の何ものでもないじゃないですか。税調と調査会の間には狂いがないわけですよ、同じ人物が書いているのですから。そうでしょう。これは単純な理論ですよ。ですから一ぺんに実現しないといったって、なるほどわかりますが、いろいろ書いてあるものが一つも実現していないんですから、これは政務次官、自治省の努力不足ですよ。そうじゃないですか、もう一ぺん答えてください。
  73. 松島五郎

    松島政府委員 努力不足とおっしゃられれば、結果的には実現しなかった面もあるわけでございますから、おしかりをいただかなければならぬと思いますが、一つも実現しなかったかどうかということにつきましては、先ほど来申し上げておりますように、住民税の均等割りの税率の調整につきましては、法人について今回提案を申し上げておりますし、また市町村に対する財源充実の一環といたしまして、大規模償却資産についての課税割合の問題についての調整も提案を申し上げております。また市町村納付金合理化の一つといたしまして、水道に対します交納付金の問題も取り上げているわけでございまして、その他の問題につきましては、たとえば二十五億というようなわずかな額になって努力が足りなかった、あるいは実現しなかったという問題もあろうかと思いますが、これにつきましては、おしかりのとおり力足らず、あるいは努力不足であったかも存じませんが、今後とも努力していきたいと思います。
  74. 亀山孝一

    亀山委員長 明日午前十時半から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。    午後零時二分散会