○
中山参考人 私、
中山でございます。
本日は、ただいま
委員長お話しのような長期
金融の
あり方とかあるいは長期
金融機関の
あり方につきまして私が御
意見を申し上げることができますのは非常に幸いでございます。
御承知のように、一言で長期
金融機関と申しましても、
長期信用銀行とかあるいは
信託銀行、生命保険会社、また、さらには
日本開発
銀行等といった
政府金融機関があることは御承知のとおりでございます。
そこで、こういった
金融機関はそれぞれ違った目的を持ちました根拠法に基づきまして設立されております。また、長期
金融の
機能におきましても同一には論じがたい点があると思います。
私は極力問題を広い
立場で整理していきたいと思っておりますが、私自身が持っております長期
金融の技術とかあるいは経験とかあるいは資料等の
関係からいたしますと、どうしても
日本興業
銀行の
立場ということからなかなか抜けられないと思いますが、ひとつこの点は御容赦をいただきたいと思います。
これは申し上げるまでもなく、御承知のように四十年代に入りましてから、
日本経済をめぐっております内外のいろいろの環境とか条件は非常に急速に変貌してきております。また、
変化のテンポも非常に早うございます。したがいまして、今後こういった諸条件の
変化に対応いたしまして、
日本の
財政、
金融、
産業などの大きな骨組みにつきまして、見直しとかあるいは改善が必要になってくるということも当然と思います。
そこで、長期
金融の場合に、それではこういった環境下で今後設備
投資がどういうふうに進むであろうかという問題でございますが、御承知のように、一部では、設備
投資はもう下火になったのだというような、多少過小評価と申しますか、そういった見方もあるわけでございますが、しかし私は、これから
日本の
経済がほんとうの開放
経済体制に入る、あるいは国際化
時代に入るとか、また、いままで非常に恵まれておりました労働の条件が非常にむずかしくなってくる、そういったことを考えますと、今後
日本の
産業が国際
競争力を一そう
強化するというような面から見ましても、ある
意味では新らしい設備
投資時代に入ったということも言えるのじゃないか。もちろん、そうは申しましても、設備
投資の水準が、かつての高度
成長時代のように、前年に比較いたしまして三割、四割ふえるというようなことを申しているのじゃございませんが、最近のいろいろの見方、論調に若干設備
投資を過小に見るという
傾向があるのじゃないかという
意味におきまして一言申した次第であります。したがいまして、今後長期の
産業資金の供給につきましては、従来以上に
効率的な供給体制を確立していくということが
要請されるわけでございますが、ことに、今後は、単に長期
資金の量的な確保ということにとどまりませんで、長期
資金の質をより重視する、つまり、期間で申し上げますれば、より長期に、それから
金利の点では、より低利に、一そう質を重視していくことが必要であろうと思います。
そこで、長期
資金と申します場合に、
企業の
立場からいたしますれば、御承知のように、株式とかあるいは社債の
発行とか、長期借り入れ金といった調達手段があるわけでございます。
そこで、株式、社債に関して、証券
市場につきましては、今後とも
市場の正常化というものに引き続き
努力することも必要であることは申し上げるまでもございませんが、
公社債市場では、たとえば起債の大型化でありますとか、期限の長期化というようなものが一そう促進され得るような環境の整備と同時に、流通
市場の育成というものについても特段の配慮を払っていくことが必要だと思います。これは後ほど申し上げますが、
国債が
発行されてきているというような事態から考えましても、流通
市場の育成ということが非常に必要になってまいります。これに関連いたしまして、当然のことでございますが、証券
金融の
強化というような問題も出てくると思います。
こうした過程の中で、今後国際的な規模を目ざします
日本の大
企業といたしましては、漸次社債
発行によりまして長期
資金を調達していくということにウエートが加わっていくことも当然と思います。ただ、この社債
発行につきましては、先ほど申し上げましたように、当然今後
企業の経営者が、株式とか社債とか長期借り入れ金とかあるいは外資といったようないろいろの調達手段を選択していくわけでございまして、ただ社債が万能であるということでは当然にございません。また、この消化構造につきましても、
個人消化について
努力していくべきでございますが、これはアメリカ等の例に見ましても、やはり私はそこに限界があると思います。
そこで、長期
金融機関といたしましては、今後こういった
公社債市場の育成というものにも当然協力していくことも必要であると思います。
また、株式
市場につきましては、かつてありましたような投信の急膨張を背景といたしました大量な増資はもちろん許されません。たとえば、時価
発行への移行、あるいは株主の額面割り当てというような場合でありましても、
市場原理を尊重した形がとられることが必要になると思います。
そこで、こういった
各種の
金融の調達手段が整備されるに伴いまして、先ほど申しましたように、
企業側といたしましては、
企業の収益力でありますとか、あるいは
金融情勢といった、そのときどきの環境とか、条件、
資金需要の性格などを勘案しながら最も
効率のいい
資金調達を選択することになりましょうし、また、このような
要請にこたえるために、
金融界でありますとか、証券界の体制を整備していかなければならぬと思います。
そこで、長期
金融の問題に入るわけでありますが、
わが国では、御承知のように、長短分離の
制度がとられていることは皆さまとくと御承知と思います。このことは、
金融政策の合理的な運営、また、
金融機関の健全性維持など、広く申しますならば、
金融の
効率化という観点から
金融制度の基本的な理念とされているわけでございまして、その上に
長期信用銀行、
信託銀行といった長期
金融制度が成り立っているわけでございますが、もちろん、こういう
制度はありましても、この
制度は、
わが国の
経済の実情とか、あるいは諸
外国の
金融制度の
あり方を勘案いたしましてつくられたわけでございまして、合理的なものでありますし、私も、今後の
金融制度も、やはり基本はこの
方向は変わらないと思います。しかし、これを固定的に考えていく必要はないわけでございまして、
経済発展の実情にあわせまして、弾力的に運営されていくことは当然でございまして、この点に関しまして、先日
田實会長がお述べになりましたような御
意見もあるわけでございますが、しかし、私は、田實さんの御
意見も、いま申し上げたような大
原則を踏まえました上での御議論であるというふうに推察いたします。
この点は、過去におきます
昭和三十一年度から四十一年度の間の設備
資金の供給
状況を見ましても、
民間金融機関全体では八兆三千億円見当の供給をしているわけでございますが、このうちで、専門の長期
金融機関であります
長期信用銀行と、また
信託銀行の中の
信託勘定、生保などが供給いたしましたのはその六割見当でございまして、残りの四割見当は
都銀、地銀といったその他の
金融機関から供給されておるわけでございます。すなわち、ここでも長短分離の
原則は、そのときの
金融環境に応じて弾力的に運営されてきているという
一つの面があるわけでございます。
そこで、われわれ長期
金融機関といたしましては、従来も本格的な長期
資金を供給することに
努力してきたわけでございますが、残念ながら、いままでのような環境のもとではなかなか本格的な長期
資金の供給というわけにはいかなかったわけであります。この点は、たとえば、公社債の期限
一つとってみましても同様でございます。また、いま期限は七年でございまして、七年
程度ではまだ不十分ということが言えると思います。幸い、今後は、
経済の安定化が進むにつれまして、漸次本格的な長期低利の
資金を供給できるような環境が熟しつつありますので、一そうこの面の
努力をしていきたいと思います。
御参考までに申し上げますと、私
どもの
銀行の長期貸し付けのうちでは、その約八割強が期限五年をこえるものでございます。
企業側の
要請と、私
ども努力いたしまして、たとえば、最近四、五年間の
傾向を見てみますと、四年以下の比較的期限の短いものは、四年前の一一%台から六%台に
比率が減少しております。逆に、七年をこえまして十年以下のような長期の貸し付けが一八%から三〇%というふうに
比率が上昇しております。
そもそも、こういった長期の
金融は、長期間にわたりまして、
企業の収益でありますとか、あるいは減価
償却の一部といった自己
資金によって返済を受ける性質のものでありまして、その点が短期の
金融とは償還資源の面から見ましたときに違った性格が出てくるわけでございます。
したがいまして、私
どもが長期
金融を行なうにあたりましては、当然のことでございますが、内外の
経済情勢であるとか、
産業の動向などを勘案いたしまして、長期的な見通しに立ちまして
企業の将来の予測を行なうことが必要になるのでございますが、さらには、こういった長期の期間には、御承知のように通常予測し得ないようないろいろの不測の事態が発生するわけでございます。私はよく申すのでございますが、
企業に長期の
資金をお貸しいたしておりますと、その期間中には
企業のほうでかぜを引くこともありますし、おなかをこわすこともある、これを、やはり治療に御協力しながら健康体に持っていくということが、長期
金融機関としての
一つの使命ではないかということを申しておるわけでございます。
そこで、御承知のように、
日本の
企業はいわゆる
借金経営ということになっておりまして、先般の不況のときにもいろいろの事態が出てきたわけでございますが、その原因の
一つといたしましては、やはり
借金経営の中でも、当然のことでございますが、借り入れ金の量が多いと同時に、その質が問題でございまして、期間が短期であるとか、あるいは高利の
資金を使うというところに問題があるわけでございまして、
借金をいたしましても、質が適正であればいろいろの
変化にも耐えていかれるというような面があるわけでございます。それが、先ほど申し上げましたような長期
金融機関としてこういった
金融をいたします場合に、
資金面におきましても十分そういうかまえとか備えというものを持って対応しなければならぬということが
一つの
特徴であると私は思います。
また、これもたびたび申し上げますのですが、御承知のように、私
どもの
銀行は戦前は特殊
銀行でありまして、特殊
銀行という
立場に立ちまして、先ほど申し上げましたようないろいろな
経済情勢の
変化あるいは恐慌的な事態の場合にもこういった事態に対処し得る
機能を果たしてきたわけでございますが、戦後は、
日本の
金融制度といたしまして
政府金融機関が幾つかございますが、それぞれの
金融機関は法律によりまして
機能が限定されております。たとえば、開発
銀行さんは設備
資金しか出せない、あるいは輸出入
銀行さんは輸出入の
金融だけということになりますと、そういった事態に
機能し得る
金融機関が
制度的には欠けているわけでございます。そこで私
どもといたしましては、いろいろ御批判はあると思うのでございますが、過去におきまして、そういう事態に、
民間金融機関としてあるいは株式会社として許し得る範囲におきまして、また、
銀行の経営採算の許し得る範囲においてこういった
機能を及ばずながら代行してきたつもりでございまして、こういった
機能を、今後
金融制度をお考えになる場合にどういう部分において担当するかという問題も
一つの問題として私はあると思います。
次に、長期
金利の問題に触れるわけでございますが、
産業界が、御承知のように国際化
時代に入りまして、今後欧米の
企業と戦っていけるという
一つの条件としては、やはりこの
金利の引き下げという面が必要になってくると思います。長期
金融機関もその中におきまして当然
努力していく必要があるということは言えるわけでございます。
しかし、この
金利の問題につきましては、やはりそれぞれの
金融機関が経営の
合理化等によりまして
努力することはもちろんでございますが、やはり国全体の
金利体系全般との関連におきまして考えていかなけたばならぬ面が多いのでございまして、
金融市場全体への影響について配慮しながら、これは慎重に取り組んでいかなければならぬと思います。
一つの例といたしまして、昨年、御承知のようにわれわれ長期
金融機関といたしまして、二度にわたりまして、少のうございますが、〇・五%の長期
貸し出し金利の引き下げを実施したわけでございます。そこで、この間におきまして、私
どもの
資金吸収手段であります
債券レートの引き下げは、いろいろ
金利体系への影響を考慮いたしまして、極力小幅にとどめざるを得なかったわけでございまして、利付債は〇・一%、割引債は〇・二%、その大部分がいわゆる
合理化によって吸収したわけでございます。先ほどから
金利引き下げの問題が
金利体系全般との関連において考えなければならぬということを申し上げましたが、昨年の引き下げのときもやはり社債の利回りというようなものはいろいろの事情で引き下げができなかったわけでございます。したがいまして、
現状におきましては、ほんの一部の社債の
発行者利回りを除きまして、優良
企業の社債の
発行者利回りというものが、私
どもの長期
金融機関の貸し出しのベストレートよりは高いというような
状況すら出ております。また、これは体系だけの問題ではございませんで、今後こういう
債券類の消化の構造のうちで大きな柱になります
日本の基幹
投資家というものの
資金コストでありますとか、あるいは
投資のビヘービアというものが変わってまいりませんと、こういった
金利水準の引き下げということもなかなかむずかしいわけでございます。
次に、
中小企業に対します長期安定
資金の供給という面から、われわれ長期
金融機関の果たし得る
役割りについて申し述べたいと思います。
御承知のように、資本の
自由化でありますとか、あるいは大
企業の再
編成が進展いたします面から、今後
中小企業につきましてはやはり
金融以前のいろいろ施策も当然に必要になってくると思いますし、私はむしろそれが先行すべきだという感じすら持っているわけでございますが、しかし、当然
金融面からもいろいろの施策を講じていかなければならぬわけでございまして、その
一つといたしまして、現在、御承知のように、
金融制度調査会でこの
中小企業金融制度の問題が議論されておるわけでございます。もちろんこの論議を十分尊重していくべきだと私思います。しかし、
日本の
中小企業の実態というものは、もう皆さまが御承知のように、非常にいろいろの階層もございますし、また経営等にもいろいろの格差があるわけでございます。したがって、こういった
中小企業について、先ほど申し上げましたような、
金融以前の施策というものを十分に施す必要があるということは当然でございますが、
現状におきまして、
金融制度だけをかりにすっきりするということでは、なかなか片づき得ないのではないか、むしろ
中小企業の
現状というものを前提にいたしまして、この
中小企業金融制度というものを考えなければならないのではないかという感じがするわけでございます。
一般論は、もうこれは御承知のとおりでございますが、
中小企業が収益力が低い、あるいは証券
市場を利用し得ない、したがって、大
企業に比べまして自己資本の不足が非常に激しゅうございます。そこで、
中小企業に対します長期
金融が大
企業以上に必要になり、またその拡充が望まれるわけでございます。先ほど申し上げましたように、長期の
金融をいたします場合には、大中の差なく、私は、
金融のたてまえとして、あるいはかまえとして十分の備えがあることが必要であると思いますので、そこで
中小企業金融専門機関というような
機関が認められました場合に、こういった
機関が、長期の
金融を
中小企業といえ
ども大量に、大きな比重でするということは、
金融制度としてもあるいは健全経営という面からも若干問題があると私は思います。
そこで、どうしてもこれを補完するというたてまえが必要になってくるわけでございます。その面におきまして、
政府金融機関の
役割りもあると思いますが、われわれ
長期信用銀行といたしましても、今後、従来ありましたような代理貸しというような
制度が、率直に申しまして、
債券発行銀行のほうから見れば
資金調達という面に比重が置かれ過ぎておる、また、
中小企業金融専門機関の
立場から見ますれば、どうせ
債券を消化するならというような観点から、本来の
中小企業長期
金融という
立場が若干軽視されてきたんじゃないか、そういった
意味におきまして、この補完としての代理貸し
制度というものを、ここでいま申し上げたような本来的な
中小企業の長期
金融、あるいは準
政策的な
金融をこれに加味していくというような面において代理貸し
制度を活用するということも私は必要になってくるんじゃないかという感じがするわけでございます。
以上、るる申し上げましたが、今後
金融の
円滑化でありますとか、あるいは
資金の
効率化、健全経営の推進、あるいは均衡のとれた
国民経済の発展といった観点から
金融制度全体を見直し、その中での新しい
各種の
金融機関の位置づけというものを検討するということは、大いに私は
意味があると思うのであります。しかし、この点は
田實会長もおっしゃったように、
金融機関の問題というものは、事柄の性質上なかなかデリケートでございます。
また、後ほ
ども御質問に応じましてお答えいたしたいと思いますが、私はこういった問題の検討、取り扱いというものは十分徹底してやっていただきたい。これが、ことばは悪うございますが、中途はんぱで検討されるということでは私はいかぬと思います。検討については十分徹底して、あらゆる角度から検討していただきまして、そうして
一つの
結論が出た場合には、
実行はむしろ大胆に行なっていただきたいという感じがするわけでございます。
そこで、長期
金融機関が今後どういった位置づけを受けるかということで、具体的に長期
金融機関の場合、たとえば
政府金融機関との間の
業務の
分野の調整というものも
一つの課題になると思います。
基本的には、御承知のように、
政府金融機関というものは、
国民経済的見地から見まして、特に重要な
分野で
民間金融を補完するという使命を持っているわけでございますが、今後環境の
変化に即応いたしまして、前向きにこの
機能を活用、再検討していただく必要があると思います。今後は、
方向といたしましては、やはり一そう質的な補完
機能に徹していくべきであるというふうに考えます。
また、
民間金融機関につきまして、こういった自由主義
経済体制のもとにおいて競争原理を働かせる、そこで経営体制の
合理化をはかっていくということは、これは当然のことでございますが、しかし、
金融機関の場合には、他の
産業と異なりまして、当然この競争の原理を働かす場合にも
一つの限界がございます。また、この競争原理を導入して
制度をかえていく、あるいは再
編成をしていくという、その手法いかんによりましては、かえって
金融機関の過当競争というような面が出てまいりまして、こういった
編成がえのねらいでございます
金利の低下とか、あるいは
効率化と逆の結果というものもその過程では出てくる危険もあると思います。特に長期
金融につきましては、これは
金融市場におきまする
金融の短期的な繁閑によりまして、当然こういった面の影響を受けるわけでございますが、長期
資金の供給体制が大きく変動するということは、私は好ましい
現象ではないと思います。
そこで、こういった見地から、長期
金融機関につきましては、
金融機関としての
公共性でありますとか、社会的責任といったことが、より強く
要請されるわけでございますから、その面におきまして、先ほど異常な事態における長期
金融機関の
一つの
役割りということもひとつ指摘したわけでございます。われわれ長期
金融機関相互間におきましても、正しい
意味での競争
関係と同時に、やはり大きな
立場からの協調
関係というものを打ち立てていくことが重要であると思います。
最後に、こういった問題に関連いたしまして、最近新聞、雑誌等で、
長期信用銀行あるいは長期
金融機関というものが
資金の調達の面から
一つの曲がり角にきておるのではないか、そういうような議論が出ておりますわけですが、一面においてそういったことも言えるわけでございます。私は、やはりこういった問題は、単に長期
金融機関だけの問題ではございませんで、
日本の
各種の
金融機関全般に、多少質は違いますが、それぞれ先ほどから申し上げておりますようないろいろな
変化に即しまして問題が出てきておるわけでございまして、私
どもの
銀行の
債券の消化について出ております問題も、御承知のように、
都市銀行さんのほうでなかなか
預金が
資金の流れの
変化とともにおふえにならない、あるいはそういった
状況下におきまして、
国債とか
政保債とか社債、
金融債、多量の証券
投資を必要とするというような事態から、かなりいろいろむずかしいポジションにおありになるというようなことから
債券削減というような問題も出ておるわけでございますが、私はこういった
債券の削減という問題も、いま申し上げたような事情を考えますと、ある
意味では当然のことである。当然当然と言っておりますと、
債券は売れないわけでありますけれ
ども、しかし、事柄はむしろそういった
債券を消化なされる側に非常に大きな問題が出てきておる。したがって、その問題の解決が、単に
債券の消化を削減するということだけでは私は片づき得ないという感じすらあるわけであります。
そこで、いま話題になっておりますような
多様化とかあるいは
同質化とか、いろいろな問題が出ておるのではないかという感じがするわけであります。あるいは何か弁解めいたお感じをお持ちかもしれませんが、私は、最近起きておる問題の性格をそういうふうに理解しておるということを申し上げまして、一応御説明を終わらしていただきます。