○平林
委員 調査の結果を待ちまして、その
措置が政務次官おっしゃられるがごとく実行せられるかどうか、私も監視をしてまいりたいと考えます。
それでは、次に般若鉄工の倒産の問題につきまして
質疑を行ないたいと思います。
般若鉄工というのは、冨山県の高岡という市にある旋盤のメーカーでございまして、わが国の旋盤のシェフの中では六割を占めて、当時は
従業員三千名と呼ばれる、異常な進出を遂げた旋盤メーカーでございます。経営のまずさから
昭和三十六年に不渡りを出しまして、会社更生法の
適用を受けることになったわけでございます。会社更生法の
適用を受けて再建の努力が続けられたのでございますけれ
ども、再び三十九年に第二次の倒産をやりまして、今日破産の
状態にありまして、破産の管財人の手によりまして今後の問題が
検討されておるという会社でございます。この般若鉄工の倒産の問題につきましては、
参議院においてはすでに二回、商工
委員会、大蔵
委員会において取り上げられました。また、衆議院におきましても、法務
委員会におきまして、かって同僚の藤田議員がこの問題につきまして
政府の
措置をただしたことがございます。今日に至るもその
措置は進められず、これらの問題についての再建も見通しが立たないという
状態にありまして、先般、私
どもこの問題につきまして何らかの
処理を進める必要がある、議会でも両三回にわたって議論されたものをそのまま放置するわけにはまいらぬ、そこできょう私がこれを取り上げることになったわけであります。
さてそこで、問題はどこにあるかと言いますと、まず第一番に問題なのは、この二度にわたる会社の更
生計画にかかわらず破産になりました。その間、三千名をこえる勤労者の賃金、
退職金、社内預金、それがすべて不払いのままに置かれておるわけであります。当時の金額で申しますと、当然勤労者が受けるべき賃金、それの金額は一億円、それから
退職金だけで二億五千万円、そのほか、会社に対する預け金、つまり社内預金的なものなぞを含めますと、勤労者が失っておる金額は相当なものになりますし、また、現在まで再建のために努力しておった
従業員にとりましては、家族を含めて数千名の人の
生活の問題につながっておるのでございまして、依然として未払いのまま置かれている、これについてどう対処するかという問題が、
一つの今後解決すべき点でございます。
第二の
問題点は、これに対して最近金沢国税局は、どうも再建がうまくいきそうもない、それならば、この会社をひとつ公売に付するということになりまして、その調査を進めておるそうです。私は、この間、税の執行に関する小
委員会で国税庁長官に対しましては、この
措置は議会でも問題になって、どう
処理するかということが
検討されているやさきであるから、国税庁の任務はわかるけれ
ども、ひとつ、今後の
処理と相まって
検討するように要請をいたしておきました。きょうは国税庁長官はこの席には呼びませんでしたが、こうした
問題点が
一つあります。
第三の
問題点は、これは、こうした勤労者の賃金が不払いである、しかも、労働基準法違反として告発、告訴されておるくらいに働いている者が犠牲になって、幾ら労働基準法違反として告訴、告発いたしましても、証拠不十分として不起訴になっておる。犠牲になっておるのがこうした勤労者であるにかかわらず、これに融資をしておった銀行、北陸銀行、これはのうのうと担保物件を自分のふところに入れている、自分では少しも損をしないという形をとっておるわけでございます。もちろん預金者保護というたてまえから、銀行の経営に欠陥がないようにそれを保全するという任務は、私は否定をするわけではございません。しかし、諸般の法規、
法律から照らしてみまして、単に銀行だけがその融資を確保するだけで済まされるかどうかという
問題点が私はあると思うのであります。
しかも、その批判とともに、こうした
措置かなぜ行なわれたかということを調べてみますと、会社更生法が
適用されるや、北陸銀行の重役が経理担当としてそこの会社に入った。もう倒産やむなし、破産やむなし、こういうことであるので、その経理担当として入った地位を利用して、まず北陸銀行の担保だけは確保するというやり方は、私は、道義的にもいかがなものであろうか、こういうことを考えるのでありまして、都合、三つの
問題点があるわけであります。
そのほかにも、私はきょうは労働省がかんべんしてくれと言うからこれを認めたのでありますけれ
ども、労働省が、数千名にわたる家族、三千名の
従業員のこうした
問題点について、その後一体いかなる
措置をとったか。
政府というものは、労働省というものは、こういう問題に対して、何らかの積極的な手、あるいは解決すべき行政
指導などについても、私は、これだけの人数になってきますと、これは
法律でもって、労働
委員会でやればいいんだというような
措置ではないのではないか。しかも、議会で取り上げられてきておる問題ですから、
政府においても何らかの
措置をとらるべきものであると思うのでございます。まあ、総括すれば四つほど問題があるのでございます。
しかし、きょうは銀行局長に主としてお尋ねをしたいと思うのでございますけれ
ども、この状況に対しまして、銀行局のほうでは何らかの
措置、相談、そうしたものを受けられたことがあるのかどうか、それから、私がいま指摘したような問題につきまして、どういう見解をお持ちか、そのことにつきましてお尋ねをいたしたいと思うのです。