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間島参考人 ただいま
委員長から御
紹介のありました
間島達夫でございます。
最初に陳述さしていただきたいと思います。
最初に申し上げたいことは、今度
政府で御
提案になりました
投資信託法の一部を
改正する
法律案は、
業界といたしましても、その
内容については納得いたしておりますので、ぜひ成立することを希望しておるということを述べさしていただきたいと思います。続きまして、
協会会長といたしまして、最近の
投信の概況を申し述べ、われわれの心がまえと申しますか、そういうものを申し上げて御
参考に供したい、こう思うわけでございます。
最近の
投資信託は、
皆さま御
承知のように、ここ二、三年非常に振わないのでございまして、これは
株式投信でございますけれ
ども、ここ二年半というものずっと減り続けておるわけでございます。
数字がお
手元にあるかと思いますけれ
ども、御
参考に申し上げますと、
昭和三十九年の十二の末でございますが、
株式投信は一兆一千六百十五億五千八百万円の
元本を持っておったわけでございますが、ことしの六月の末には、それが非常に減りまして七千四百七十三億八千三百万円、非常な
激減ぶりでございます。
公社債投信は、これはふえておりまして、これが
幾らかなぐさめでございます。
株式投信は、いま申しましたように非常に減り続けておるというのが現状でございます。ただここで、多少われわれが心を休めておりますのは、減り方がだんだん減ってきておる、こういうことでございます。
参考に申し上げますと、三十九年の十二月とことし六月末の
数字を申し上げましたけれ
ども、その間、実に減った額が四千百四十一億七千五百万円でございます。この内訳を申しますと、四十年中に千九百五十二億円減っております。四十一年、昨年一年中、これは暦年でございますが、千六百五十五億円減っておりますが、ことしに入りまして、これは半年でございますが、一月から六月までに五百三十四億円減っております。だんだん減り方が少なくなってきたという点におきまして、私
ども幾らか明かるい
気持ちになっておる、こういうことを申し上げたいと思います。
実は、この
元本の減ると申しますのは、われわれといたしましては非常にたいへんなことでございまして、
運用からいたしますというと、ほとんど売り一方の
運用になるわけでありまして、非常に
運用がやりにくいということでございまして、われわれはここ二年半の間非常に胸を痛めておるのが実情であります。
皆さんは先刻御
承知と思いますが、
新聞紙で言われておりますように、なぜこんなに
投信が減ってきたのか、悪くなってきたのか、こういう点を申し上げますと、過去、
高度成長時代にこれは
躍進に
躍進を続けまして、非常に膨張いたしました。かてて加えまして、非常に高率な
分配をいたしました。それから償還いたしますときには、おそらく二倍以上の償還、五千円のものが一万二千円とか一万三千円で返す、そういうものだということを
お客さまに非常に深く植えつけてしまった、ところが、
高度成長の
時代が終わって、
株式市況が沈滞した、こういう
時代になりますと、その裏目が出まして、
分配は非常に低くなる、それから
元本は割れる、こういう状態を現出したわけであります。最近も、
お客さまの手紙を見ますと、いまのようなことではとても
投信は買えない、昔のような
投信をひとつやってくれというような御
注文があるわけでございますが、非常にその点で
投資家のイメージをこわしたということが大きな原因になっておるかと思います。
そこで、私
どもといたしましては、一日も早く
投資家の
信頼を回復しまして、何とかこれを盛り返したいという
気持ちに燃えておるわけでございますけれ
ども、それにはわれわれはどういうことをしたらいいか、その根源を探りますと同時に、われわれは非常に
反省に
反省を重ねまして、どういうことをやったら
投資家の
信頼を回復できるかということに腐心いたしたわけでございまして、これはいろいろ
新聞紙上にも出ておりますとおりに、われわれといたしましては、何と申しましても、
本業、
証券会社との
分離独立ということが根幹であるということに気がつきまして、これをまず第一にやろうじゃないか、それから派生いたしまして、
株式の組み入れ
限度、これはいままでは
幾らでもできたわけなんでございますが、株のいいときはよろしいのですけれ
ども、下がったときには非常にへっこみがひどい、下がり方がひどいということで、
基準価格に痛みを与えるということで、
株式の組み入れ
限度の検討をいたしました。それからもう
一つは、いわゆる
コロガシ——コロガシというと、ごろが悪いのですけれ
ども、
信託財産相互間の取引、
売買ということでございますが、いわゆる
コロガシということ、これも過去は、やり過ぎたということを
反省しなければならない。それから、
基準価格の下がるのをとめる
一つの歯どめといたしまして、
株価変動準備金というようなものの積み上げの率を上げまして、だんだん歯どめを大きくした、防波堤を高くした、こういうことをやりました。実はここ二、三年来、われわれはそういうことにつきましていろいろ
制度の
改善をやってまいったわけでございますが、私
どもといたしましては、現在の段階でやれることはほとんど全部やった、こういうことが言えようかと思うのであります。その中で、昨年の十一月に
協会できめました
投信制度の
改善要綱というのがございますけれ
ども、いままでやりました
改善の中でこれが一番大きなものでございます。
御
参考に申し上げますと、大体三つの柱があるのでございますが、
一つは、
委託会社の
自主的運用体制の確立、むずかしいことを言っておりますけれ
ども、これは実は
本業との
分離独立をどういうふうにやったらいいか、どういうふうにしたら完全にできるかというようなことがその
内容でございまして、その
一つといたしまして、
本業の
販売にあまり依存するからいけないのであって、それでは、
販売を
一般の
証券会社に公開してはどうか、これをひとつやろうではないか、こういうことをきめたわけでございます。それからもう
一つは、
販売公開いたしましても、われわれの
信託財産の
株式の
売買を
本業の
証券会社だけに出すのではよくないから、これは
販売公開して、
販売してくれた中小の
証券会社にも
株式の
売買の
注文を出すというようなことをやろう、
委託発注の分散と申しておりますが、そういうことをやろうじゃないか。それから
あとは、
本業との間の
役員人事の交流を避けるというようなことが
内容でございます。要は、先ほど申し上げましたように、
本業の
証券会社からいかに
分離独立するかということが
内容になっております。
その二は、
証券投資信託協会による
自主規制の
強化ということでございます。過去、
募集のできるときは
幾らでもやった、それから
幾らでも
株式を組み入れたというようなことが災いいたしまして、非常に
基準価格の下落、
元本割れということを現出した点にかんがみまして、
協会の
自主規制の
強化ということをはかって
——具体的に申しますと、
理事会に
会員外の
理事をお入れし、もう
一つは、
協会の
審議会的な
機構、
評議員会というのを設けまして、この中にまた
業界外から半分をお迎えしていろいろ御
意見を聞く、われわれとして一番これを期待しておりますのは、非常に
株式状況がよくなって、
投信が売れてしょうがない
——早くそういう
時代が来ればいいのですが、そういう
時代が来た場合、いわゆる過熱の
時代に、われわれひとつ自粛して、
募集額は
幾らでもやらないで、なるべくそれは適正なものにとどめておこうということをやろうじゃないか、あるいは、組み入れ比率はいま七〇に押えております。これはユニットでございますが、これも、こういうふうに過熱してきたらひとつ考え直そう、そういうことを自主的にやる
機構といたしましてそういうものをつくろうじゃないかということを考えまして、すでに定款の
改正をしたわけでございます。
その他は、先ほど申し上げましたように、
株式の組み入れ
限度、それから
早期解約の
防止——非常に
解約が多いものですから、
早期解約の
防止をするとか、
価格変動準備金の率を上げるとか、
信託報酬の取り方を合理的なものにするとかというようなことをきめたわけでございます。
これで、大体私
どもとしてやれることはやったつもりでございますが、なお
法律を待たなければできないことということで、今度の
改正法案はわれわれの
制度改正の総仕上げという形であらわれた、こういうふうにわれわれは理解しておるわけでございます。
そこで、この
改正案をわれわれが希望いたします
理由と申しますのは、われわれ業者といたしまして、この
制度の
改正あるいは
改善というようなことが
新聞に出まするというと、そういう
業界に問題のある
品物というのはなかなか売りにくい。私は各地を回りましてそれは痛感したわけなんでございます。客は非常にきらうわけなんでございます。そこで、
改正法案がここで通りまして、一応
投信制度の
改善改正はこれで終わったのだということになりますと、その面のことはもう
新聞にも出なくなるということで、われわれとしては、それを
出発点といたしまして、これからの発展のために前向きな努力を続けていきたい、もちろん専心これに打ち込む、真剣に打ち込んでいきたい、こういうわけで、早く
改正とか
改善というあれを打ち切りたいという意味で私は成立を希望した、こういうことでございます。ただ、私
どもは、これを
出発点と申し上げましたのは、これでわれわれは
制度改正した、
法律も通ったということで、すぐに
品物が売れるということは
一つも考えておりません。そんな甘いことは考えておりません。これから
投資家の
信頼を回復した上に、
投資家が非常に魅力のあるものだと思うような商品をつくっていかなければならない。現に一生懸命つくっておりますけれ
ども、まだまだ足りませんので、これから大いに勉強して、そういうものをつくって
投信の
販売を伸ばしていきたい、こういうふうに念願しておるわけでございます。
幸いに、この
投資信託という
制度は、
大衆の資金を
資本市場に導入する
一つのパイプといたしまして、
一般からも、これは国民経済的に非常に重要なものであるということを認めていただいておりますのですが、一方におきまして、
アメリカあたりでも最近非常に
投信が伸びておりまして、最近は
アメリカの
投信の
元本が約三百八十億ドル、十三兆円にもなるわけでございます。毎年毎年伸びておるわけでございますが、そういう例を見ましても、
投信というものは、必ず
大衆に受ける
品物であるという確信を持っておりますので、こういう両面から、われわれは
投信というものは非常に将来に大きく発展する、伸びる
可能性を持った事業であるということを確信しておるわけでございますが、私
どもは、そういう将来の明かるさを見詰めながら、一生懸命努力したいと考えておるわけでございます。
一応、これで私の陳述を終わらしていただきます。ありがとうこざいました。