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1967-06-28 第55回国会 衆議院 大蔵委員会 第26号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年六月二十八日(水曜日)     午前十時四十四分開議  出席委員    委員長 内田 常雄君    理事 原田  憲君 理事 藤井 勝志君    理事 三池  信者 理事 毛利 松平君    理事 吉田 重延君 理事 平林  剛君    理事 武藤 山治君 理事 竹本 孫一君       足立 篤郎君    奧野 誠亮君       小峯 柳多君   小宮山重四郎君       笹山茂太郎君    砂田 重民君       西岡 武夫君    村上信二郎君       村山 達雄君    山下 元利君       山中 貞則君    渡辺美智雄君       阿部 助哉君    唐橋  東君       只松 祐治君    広沢 賢一君       村山 喜一君    柳田 秀一君       山田 耻目君    横山 利秋君       永末 英一君    田中 昭二君       広沢 直樹君  出席国務大臣         大 蔵 大 臣 水田三喜男君  出席政府委員         大蔵政務次官  小沢 辰男君         大蔵大臣官房日         本専売公社監理         官       海堀 洋平君  委員外出席者         日本専売公社総         裁       東海林武雄君         日本専売公社企         画部長     高村健一郎君         日本専売公社技         術調査部開発課         長       高岡 市郎君         日本専売公社販         売部長     斎藤 欣一君         日本専売公社生         産部長     大塚 孝良君         日本専売公社生         産部生産課長  外山 尚正君         日本専売公社生         産部生産課長代         理       小山 光泰君         専  門  員 抜井 光三君     ————————————— 六月二十八日  委員野口忠夫辞任につき、その補欠として唐  橋東君が議長指名委員に選任された。 同日  委員唐橋東辞任につき、その補欠として野口  忠夫君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  日本専売公社法の一部を改正する法律案(内閣  提出第四二号)      ————◇—————
  2. 内田常雄

    内田委員長 これより会議を開きます。  日本専売公社法の一部を改正する法律案議題といたします。  これより質疑に入ります。  通告がありますので、順次これを許します。平林剛君。
  3. 平林剛

    平林委員 きょうは、ただいま議題になった法律案に関連をして、少し専売公社に当面の問題二、三についてお尋ねいたしたいと思います。  いずれ大蔵大臣が入ってきますから、大蔵大臣が入ってきたら、きょうは私の本題であるたばこの定価の問題についてお尋ねしたいと思ったのですけれども、その前に少し時間がありますから、万国博覧会援助広告つきたばこの問題についてちょっとお尋ねしておきたいと思います。  「ハイライト」というたばこ広告がついておりまして、一般に市販されておるわけでありますが、これは私の承知しているところでは、日本万国博覧会の準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律に基づいてこういう措置をやられておられると思うのでございますけれども、一応その根拠について御説明をいただきたいと思うのです。
  4. 海堀洋平

    海堀政府委員 一般的に公社自分商品広告するということであるならば、これは公社付帯業務として、たとえば国鉄車内広告を出しておるとか、電電公社電話帳広告を出しているとかということで見られてもわかりますように、特別な法律根拠は要らないわけでございますが、たまたま今度の万国博に対する場合には、万国博にその広告面を提供して、そうしてその収入万国博経費に充てるということで、みずからの収入を得るためでないものでございますから特別の法律によって御了解を得たわけでございます。
  5. 平林剛

    平林委員 あのたばこ広告料は一体どのくらい取っていますか。
  6. 海堀洋平

    海堀政府委員 一ヵ月間だったと思いますが、個数にして一億個と記憶しておりますが、それを一カ月間に売るということで、一億個のケースの一部分を提供するということで、広告料として二千万円を広告主からいただいていると承知しております。
  7. 平林剛

    平林委員 「ハイライト」というたばこ一口一億個、それで二千万円ということになると、大体たばこ一個について計算してみると二十銭の広告代になりますね。「ハイライト」は二十本詰めだから、一本吸うたびにあのケースを見るというとその広告が徹底をするわけでして、二十回、人の目に触れる。広告媒体としては非常にいい方法で、一回一銭という広告というのは、これは今日の広告の料金からすると、たいへん安くてそして効果的であって、なかなかいい宣伝方法であると私は思うのです。それだけに、かなり多くの広告主応募があると思いますけれども、現在の応募状況はどういうことになっておりますか。
  8. 海堀洋平

    海堀政府委員 応募状況は相当な申し込みがあるのでございます。私、詳しくは承知しておりませんので、あと販売部長から御説明いただきたいと思うのでございますが、ただ、応募があるからすべてどういうものでもとっていいというわけにもまいりません。ということは、やはり専売という制度の持っている公的な性格から見まして、そこに選択される広告も、またある程度社会常識が許す範囲内でなければいかぬというふうなことで、申し込み件数が即競争率ということではございませんで、その中から、公社製品広告をしても社会常識が許すという範囲内に限っておりますので、競争率自体、直ちにそのまま、だからもう少し高くてもいいのではないかというふうに直ちに結論に持っていくのには、多少問題あろうかと思います。競争率につきましては、販売部長から御説明いただきたいと思っております。
  9. 斎藤欣一

    斎藤説明員 応募状況でございますが、御承知のとおり、昨年の十一月からこの広告が始まりました。四十一年度について申し上げますと、四十一年度は十一月からでございますので、初めの二カ月は二口づつやりました。したがいまして、四十一年度の実数は全部で七口ということになります。それに対しまして、応募件数は十九件でございます。本年度の状況は、ちょっとここに数字を持っておりませんが、やはり大体同じ程度口数に対しまして若干多目の応募があるように聞いております。具体的には、すでに九月分までの広告主はきまっておる状況でございます。
  10. 平林剛

    平林委員 私は、たばこは大体「ピース」を吸っておりますから、あまり「ハイライト」は吸わないんですけれども、ときどき広告を見ますと、自動車広告が出ていたり、それからほかの製品広告が出ていたりすることがありますが、今日までの広告契約はどういうところとなさいましたか。
  11. 斎藤欣一

    斎藤説明員 この広告事業につきましては、実は広告を扱うものといたしまして、公社専売事業協会にこの仕事を委託してやらしております。これは先般のオリンピック広告つき抽せん券のものを出したわけでございますが、その場合にもそういった形式でやった経験もございますので、そういったことで、公社がこの広告仕事をやりますにつきましていろいろな手続もございますし、そういった点は、公社自身がやるにいたしましてはなかなか煩瑣な点もございます。それから、専売事業協会の場合でございますと、公社の監督も十分に行なえるわけでございますので、そういう意味合いから申しまして専売事業協会にやらすことになっております。
  12. 平林剛

    平林委員 私が聞いておるのは、今日までの広告として、たばこに掲載をされたのはどういうところがございますかというお尋ねをしたわけでございます。
  13. 斎藤欣一

    斎藤説明員 失礼いたしました。初めから申し上げます。  昨年の十一月に広告主が二口ございまして、プリンス自動車日産自動車、十二月がトヨタ自動車松下電器、一月以降で、一月が日本食品リプトン紅茶でございます。二月が日産自動車、三月がサントリーウィスキー、四月が三井物産、五月がゼネラル石油、六月は、ただいまやっておりますが、ライオン歯磨、そういうことになっております。
  14. 平林剛

    平林委員 昨年の十一月から初めて広告契約ができて、十一月は二口、プリンス自動車日産自動車、十二月がトヨタ松下電器、ことしの一月へ入って日本食品、二月が日産自動車、三月がサントリーウィスキー、四月が三井物産東レベンロン、それから五月がゼネラル石油、六月がライオン歯磨。ときどき私らもお目にかかっておるわけでございますけれども、いままで契約をしたところで私感ずるところは、自動車関係が多い。初めて発売されたときですから、私の記憶には自動車があったなと、先ほど指摘をしたわけでございますが、印象に残っておるわけでございます。いまお話を聞いてみると、プリンス日産は同じ日産系統ですね。四十二年の二月でも日産自動車。私は今後の計画は知りませんけれども、ばかに広告契約自動車に片寄り、しかもそれは日産自動車に片寄っていると思うのです。いまお話しになったのは六月までですが、七、八、九月はすでに契約が終わっていると思うのですけれども、今日まで契約をされた中で、私が先ほど申し上げたように、この広告としての媒体は非常に有効である。したがって、かなり応募もあるだろうという考えからお尋ねをいたしましたら、去年は、七口に対して十九件、競争率としては三倍まではないけれども、相当ある。その中において、大体今日まで契約をされた十件の中で日産系自動車広告が三分の一を占めている。今後の契約はどういうふうになっているかわかりませんけれども、非常に片寄ってはいないかという感じがするわけでございます。先ほどのお話で、専売公社自体がやっておるのではないからということですけれども、いかがでしょうか。ちょっと片寄っているとお考えになりませんか。
  15. 斎藤欣一

    斎藤説明員 確かにただいままでのところ自動車が多かったことは、そういう目でごらんになれば事実であると思います。どういった広告主広告を受けるかということにつきましては、ある程度考えもございます。たとえば万国博目的ということ、それから広告媒体専売品であるというようなことから推して、何でもかんでもというふうなわけにはまいらない場合もあろうかと思います。そういうわけで、たとえば公序良俗に反しますとか、あるいは政治的な目的に使われますもの、そういったようないろいろな制約は一応持っております。そのほかの場合といたしましては、事、万国博ということでございますので、大体の範囲といたしましては、日本産業を代表する産業というふうなことであるほうが望ましいのではないかというふうな感じは持っております。  ただ、具体的には、いろいろなところから応募がございまして、その場合に、実は広告主のほうではいろいろ時期の選定もむ、ずかしいようでございます。たとえば、第一回はどうしてもとりたい、あるいはクリスマスセールということで、十二月は自分のほうにほしい、あるいはボーナス月自分のほうにほしいというようなことで、広告主の御希望とこちら側の口数とが折り合わない場合があるような話も聞いております。  それで、さっき申し上げましたような、どういった広告主広告をとったほうが望ましいかということについて、一応の考えと申しますか、そういうものはございますけれども、しかし、出てまいりました広告主がみな、どれがよくてどれが悪いということではございませんで、具体的になかなか選定はむずかしいのでございます。したがいまして、そういった場合には抽せんでお願いする、あるいは申し込み順にするというふうなことにいたしたいということでやらしておりまして、実際問題としては、大体先に申し込まれた方を優先いたしまして広告をさせておるというふうなことになっております。
  16. 平林剛

    平林委員 順序とかその運営あとでまた聞きますけれども、私の感じとして、今日まで大体十件広告主契約されて、その三分の一が、トヨタを入れれば、自動車関係は四割を占める。あなたの言われる自動車産業日本を代表する産業であると言われればそれまででございますが、それにしても一つ会社に片寄っていはせぬかということを言っておるわけです。
  17. 斎藤欣一

    斎藤説明員 具体的には専売事業協会のほうで選定いたしておりますので、個々の選定につきまして詳しい話は存じておりませんが、さっき申し上げましたように、広告はしたいんだけれども、時期としては自分のほうはこっちのほうでないと困るとかなんとかといったような広告主の御希望もございまして、そういうことからも、選ばれましたいきさつといたしまして、そういった事情もあるのではないかというふうに考えております。必ずしも自動車会社を優先しなさいといったような指導は、公社はいたしておりません。
  18. 平林剛

    平林委員 私はそこで聞きたいのですけれども、こういう広告応募がありますね。それを専売事業協会にまかした理由はどういうわけでしょうか。これは法定なんでしょうか。私はオリンピック特別委員会法案審議は特別に参加しませんでしたからよくわかりませんけれども、こうした広告主選定をする場合に、専売公社がやらないで、どういうわけで専売事業協会にやらしたのですか。  私がそれを聞くのは、たとえば、選考の結果、非常に片寄っているじゃないかという批判がありましても、だれが責任を持つかということ、そういう批判があったときにだれがその批判にこたえるのか、こういう点の責任があいまいであると思いますので、なぜ専売公社がみずからこうした仕事に携わらないで専売事業協会にまかしたのかという点、それはどういうわけでございましょうか。
  19. 斎藤欣一

    斎藤説明員 さっき監理官からお答え申し上げましたが、専売公社は、御承知のとおり、たばこと塩の事業をするのが事業目的でございます。したがいまして、その事業に付帯いたします場合の広告ということにつきましては別段法的な制約がないわけでございまして、いずれにいたしましても、この場合、広告をすることによりまして、万国博資金調達の一助とするということでございまして、専売公社事業の固有の目的からいたしますと、広告事業というものは異質のものじゃないかというふうに思っております。その点が一つと、それからもう一点は、先ほどちょっと申し上げましたが、先般のオリンピックの際に、たばこ抽せん券をつけまして、それにまた広告主をとりまして、広告料オリンピック資金財団のほうにお納めしたという、そういった例がございます。それから、ほかの公共企業体国鉄とか電電とかというのも、御承知のとおり、こういった目的のために、たとえば電電でございますと、電話帳広告をとる、国鉄でございますと、国鉄のホームとか車内広告をとるとかといったようなことで、そこからあがります収入をこういう企業目的に充てているわけで、同じような事業をやっているわけでございますが、国鉄におきましては、国鉄広告全国連盟といったような団体事業を委託をいたします。電電電電共済会にこの仕事を委託している、そういった例にもならいまして、私どもの場合も専売事業協会にやらせている、前の経験もございますし、ほかの例もあるというふうなことでそういったことにいたしております。
  20. 平林剛

    平林委員 あまりすっきりしないのですけれども大蔵大臣も見えているので、ほかの問題に移りますけれども、終わるまでの間に大体十九件、そうして、このうち万国博覧会のほうに寄付になる金額は幾らで、そうしてそのまますっぽり入るわけじゃないと思うのですけれどもマージンとか取り扱い手数料とかというような区分は一体どういうことになっておるのでしょうか。つまり、万国博のほうに対する寄付は何ぼになって、経費その他はどういうぐあいになるかというような数字を少し説明をしておいていただきたいと思うのです。
  21. 斎藤欣一

    斎藤説明員 さっき監理官から申し上げましたが、一口、これは「ハイライト」一億個分でございますが、その広告料は二千万円でございます。その中で七三%、これを万博協会寄付することになっております。したがいまして、毎月二千万円、それの七三%でございますから千四百六十万円が万博協会寄付されるということになります。それから広告代理店手数料といたしまして一二%、これは広告目的とか規模とかいうものに照らしまして、ある程度一般市価より安くなっております。それから専売事業協会事務費を五%見ております。それから、こういった特別の広告つきたばこを出しますと、公社といたしましてもいろいろな意味経費が余分にかかることになりますので、公社がこれによって利益を得るとかなんとかいうことではございませんで、ただ、公社の必要な経費を見ていただくという意味で、一〇%を公社のそういった経費に充てることになっております。
  22. 平林剛

    平林委員 そうすると、「ハイライト」というたばこ広告を掲載することによって得た収入のうち、七三%が万国博覧会寄付をされる、その金額が三億三千五百八十万円、その他は一〇%が専売公社必要経費として控除されるというのは私は理解できると思うのです。しかし、広告代理店に一二%、専売事業協会というのに五%、一七%がいわゆる中間マージンとして控除されていくわけですね。  一般広告代理店なんかのマージンというものは、普通からいうとどのくらいになるのですか。
  23. 斎藤欣一

    斎藤説明員 大体一五%から一七%程度というのが相場のようでございます。
  24. 平林剛

    平林委員 これは専売公社は専門じゃないだろうから、全般のあれした数字であろうと思うのですけれども専売事業協会が入って、代理店マージン一二%を含めると一七%ということになる。しかも、これだけの中間的なマージンを払い、同時にまた、広告主選定などについても、私がいま指摘したように、少し偏向があるということを考えると、専売公社だけでなく、ほかの事業団体にもこういう例がございますというお話であったので、私どもも調べてみますけれども、私は、今後こうした事業を引き続き継続されるときに、こうした問題についての批判に多少はこたえるような運営をするように専売公社としても努力をしてもらいたい。こういうのをほうっておくと、私はやはり片寄ってくると思うのです。適当なときに批判を私はしておきたいと思いますので、今後の運営について専売公社十分注意をしてもらいたいと思いますが、総裁の御見解をひとつ。
  25. 東海林武雄

    東海林説明員 いまいろいろなお話がございましたが、重ねて申し上げるようで恐縮でありますけれども、なぜ一体自動車会社に片寄ったかという御質問が最初に出たのでありますけれども、これをやりますときに一番先願したのは自動車会社なんであります。しかも、相当長期にわたる申し込みがあったというように聞いております。しかし、広告の性質上から申しますと、自動車会社に片寄るということは好ましくないということで、分断してあるわけなんで、なるべく別の業種にこれを御利用していだたいて、万博に協力していただきたい、こういうことであったのでありまして、現在のところは、なるほど自動車会社が多くなっておりますけれども、今後これについてはほかの業種が出てくるだろうと思われますので、その点御了承願いたいと思います。ただ、いま御指摘になりました問題点につきましては、今後の運営につきまして私ども責任がございます。この点については、十分ひとつ注意してやっていきたいと思います。
  26. 平林剛

    平林委員 私はきょうは言いませんでしたけれども、もう九月の予定の中にも自動車会社が入っておりますね。そうすると、私がいま指摘しただけでなくて、さらにこれからも出てくると思うのです。そういうことを考えますと、少し偏向があると思いますので、御注意を申し上げておきたい。  それでは、今度はたばこ価格改定の問題につきまして、少し大蔵大臣専売公社総裁のほうにお伺いをしてみたいと思います。  税制調査会におきまして、昨年たばこ価格改定の問題について示唆がございまして、ことしの税法審議の際にも、私、調査会松隈さんにいろいろとお尋ねをしたことがございますけれども、この機会にもう一回あらためて聞きたいのです。  たばこ価格改定という問題が税制調査会で話題となり、ある簡単な答申が出されましたけれども、こうした問題は、政府諮問にこたえてたばこ価格改定問題が議論されたものであるのか、政府のほうでは、その問題については特別にどうすべきかということを諮問しなかったんだけれども税制調査会のほうが独自でこうしたものを発想したのか、その点がまだ私はっきりしないのでございます。大蔵大臣、これは大蔵省政府のほうからこうした問題について検討してもらいたいという諮問を出したのでしょうか、それとも、諮問をしなかったけれども税制調査会のほうで独自に発想して、これに触れた答申が出されたのでしょうか。
  27. 水田三喜男

    水田国務大臣 大蔵省の、長期税制はどうあるべきかという総括的な諮問に対して、中間答申として税制調査会から出てきたものでございます。
  28. 平林剛

    平林委員 そうすると、これは政府からは全般長期税制についてどうあるべきかというその諮問をしたのに対して、たばこ価格の問題に関する答申というものが税制調査会のほうから生まれてきたと私はいま聞いたわけです。ですから、この間、実は松隈さんにも言ったのですが、政府のほうからたばこ価格についてどうかという諮問がないのに、どうしてあなたのほうで独自に発想しておやりになって、国民によけいな心配をかけるのですかという意味質問をしたわけです。これは私は、むしろ政府のほうが財源政策の面において、あるいはその他の政策の面において打ち出されるなら別だけれども、現在でもたばこ税率というものは相当高い——六〇%あるいは五十数%というふうに高いので、他の、物品税をはじめとする間接税から比べましても安い税率ではないんだ、そういうことを考えると、税制調査会は税の問題を扱っているところであるから、政策的な問題にまで手を出してやってもらいたくないという注文を実はしたのでございます。いまのお話で、これは税制調査会独自であれをしたというお話でございますけれども大蔵大臣としては、この税制調査会答申をどういうふうにお読みになったでしょうか。私は、この間も松隈さんに、一体どういう意味なんですかと聞いたのですけれども、どっちにでもとれるような解釈があるのですけれども大蔵大臣は、その税制調査会たばこに関する答申ごらんになって、どういうふうにお読みになったのでしょうか。
  29. 水田三喜男

    水田国務大臣 中間答申の中にたばこの問題にも触れてございますので、一応は私どもも検討いたしました。しかし、今年度はたばこ値上げをするということは妥当でないという結論で、一切取り上げませんでした。
  30. 平林剛

    平林委員 もう少し大蔵大臣の御見解を聞いておきたいのですが、ことしは取り上げるのは適当でないという理由は、いろいろな要素が含まれていると思いますけれども、大体、どういうことで適当でないとお考えになって、政府としてはたばこ価格改定をしないことにしたのでしょうか。
  31. 水田三喜男

    水田国務大臣 たばこ価格改定ということは、実は非常にむずかしい問題でございまして、普通の商品で、コストを割って採算がとれないという場合には、値上げの基準というものも出てまいりますが、これは専売益金が減少したからこれを埋めるという意味たばこ値上げになりますので、そうしますと、現実には、たばこコストが上がって利益が減少しておる、現実にはそういう形になっておるのを訂正するということは、やはり実質的にはたばこの増税ということになりますので、ここで国の財政需要との——そこまで国が財政需要を必要とするかということと、一方、国民消費負担の、いまの他の間接税に対する負担との均衡というようなものをよほど慎重に勘案しないと、このたばこ値上げというものはむずかしい問題でございますので、これは相当慎重な検討を要する、早急に、これを簡単に決定できないということが理由でございます。
  32. 平林剛

    平林委員 私は、大蔵大臣の慎重な態度、それからいまお話しになった考え方につきましては同感でございます。少なくとも、やせたりといえども——まあやせもしないけれども、いまの内閣がこの際国民の嗜好品であるたばこを上げてまで財政を確保しなければならないというほどの財政事情にはないわけでございますから、できればそういうことは避けることが望ましいという大蔵大臣のお考え方は、私は賛成なんであります。  ことしも税制調査会がまたこうした問題について検討するのではないかと伝えられておりますけれども政府はこれを具体的に諮問をするというようなお考えはないと思いますけれども、いかがでございましょう。
  33. 水田三喜男

    水田国務大臣 まだ、来年度の予算編成に取りかかっておりません。したがって、税制調査会に何を諮問するかということも現在未定でございます。
  34. 平林剛

    平林委員 まあきょう、それをしないということを言ってもらうわけにはいきますまいから、これから若干専売公社との間に議論をして、それを聞いておいていただきたいと思います。  昨年専売公社は、税制調査会たばこ価格の問題が検討されたときに試案を用意したと伝えられておりますけれども、その試案は具体的にはどういうものであったでしょうか。
  35. 海堀洋平

    海堀政府委員 これは先ほど大臣から御説明がありましたように、税制調査会が四十二年度の税制のあり方について答申をされるわけでございまして、政府はそれを受けて、その趣旨を尊重しながら税制を考えていくということでございます。政府調査会に入っておるわけではございませんので、議論の材料といたしまして、もし値上げをするとすればどういうことが考え得るのかということでございます。そういう場合におきましても、いろんな案が考えられるわけでございまして、議論の材料として何かを出せという場合に、なかなかむずかしいのでございますが、ただ、幾案も出すわけにまいりませんので、まず、値上げをする場合に許される最高限度といいますか、そういうものを出しまして、それを材料に議論をしてもらうのが一番好ましいのではないか、そういう考え方に立ちまして出しましたのが、当時新聞に出ました案でございます。したがって、それはあくまで税制調査会の議論をしていただく材料として、税制調査会の要請によってつくりましたものであるとともに、それが一応常識的に考えられる定価引き上げの最高限度を示すような案となっております。  具体的に申しますと、形式的な引き上げ率で平均しまして二六・三%になっております。ただ、定価を二六・三%上げたから直ちに収入が二六・三%上がるということではございませんで、実質的な収入の増というのはそれをずっと下回ると考えられます。ただ、形式的な定価の引き上げの率を加重平均いたしまして二六・三%の引き上げという案を、一応議論の材料としてつくったことは事実でございます。
  36. 平林剛

    平林委員 これは当時新聞でも「ピース」の十本入りを四十円から五十円にし、「ハイライト」を七十円から九十円に、「いこい」は五十円から六十円に、「新生」が四十円から五十円、「こはく」二十本入りが百円から百四十円に、「やまと」が百円から百四十円に、「ホープ」も四十円から五十円に、「富士」が五十円から七十円、「スリーエー」が六十円から七十円、「泉」が七十円から九十円、「ひびき」が六十円から八十円、「わかば」が五十円から六十円、「ききょう」が六十円から七十五円、これが新聞に報道されていた案でございまして、私、それを見たときに、全般値上げ率がいまお話しになったように二六%、これは一つの試案であり、要請にこたえて、最高限度を示すものとして出したにすぎないというお話を聞きますと、あまりこれ以上議論をする必要もないかと思うのでございますが、一応考えられる案としてこれを出されたと思うのでありますが、専売公社はこれについてはどの程度タッチしておったのでしょうか。要するに、もし上げなければならぬときはこういうふうにやるつもりでこういうのを出したのでしょうか。総裁、いかがでしょう。
  37. 東海林武雄

    東海林説明員 専売公社のほうでは、この問題について具体的な案を出したことはございません。ございませんけれども、私のほうとしましては、もしそういう値上げがあった場合には、実は、専売公社仕事の関係からいきますと、非常に価格の変動についてのトラブルが多いわけですね。したがって、そういうような対策というのは一応考える必要があるのじゃないかということで、そういうような試案に基づきましていろんな案を立てたことはございます。しかし、これは外部に何も発表してございません。
  38. 平林剛

    平林委員 私は、いまの総裁なら、単純に価格を上げて専売益金を上げるなんという商売はおやりにならぬだろう——経営的手腕をお持ちの総裁だろうと思っておりますから、単純な、算数的にかけて、それでいまのような、平均二六%それぞれ価格を上げたら七百億円か七百二、三十億円増収になるなんという計算をした商売はおやりにならぬだろうと私は思うのです。ですから、これはあくまでも大蔵省あたりのお役人さんの頭で考えた案であろうと実は思ったのでございまして、いま専売公社総裁お話を聞きまして、国民も少し安心をするのではないかと思うのでございます。  確かに、たばこの定価の改定をやったからといって、直ちにそれが専売益金収入を増加させるものになるというふうに機械的にはいかない事情があると私は思うのでございます。いままでも専売公社は全面的に価格改定をやったことはない。もし伝えられるようなことをやるとすれば、初めての経験でありますから、私は、それで、一体専売事業というものがどうなるかということについては、公社総裁といえどもなかなかこれは見通しをつけがたく、また自信がないものであるというふうに拝察をするわけでございます。特に、一般的に、もしかりに伝えられるようなものを実施するとすればいろいろな問題が起きてくるのではないかと思うのですけれども専売公社は、そういう点については、やはり問題点というものを明らかにしておいていただいたほうがいいのじゃないかと思うのです。もしかりに、ただいま伝えられるようなものが実施されるとなりますとどういう問題点があろうか、ひとつ、専門的な立場で専売公社のほうからお聞かせをいただきたいと思います。
  39. 東海林武雄

    東海林説明員 値段を上げたからどういう変化がくるかということは、これはいまお説のとおりで、いままで経験したことがございませんので、諸外国の例なんかを見ましても、まず、売り上げの高は減るだろう、それから下級品に転移を生ずるのじゃないか、こういう問題が考えられます。そうしますと、これは直ちに問題になりますのは、値上げした初年度においては数量がどうしても減少するから、そうすると、葉たばこの生産にも影響してくるのじゃないか、それから原料の貯蔵が、これはたいへんに多くなっておりますことは御承知のとおりでありますが、これらの点も考えますと、なかなかその点がむずかしい問題が出てくるのじゃないかということなのであります。同時に、公社仕事といたしましては、長期の生産計画を立てておりますが、それを全面的に変革しなければならないという問題が起こります。それが急激に起こるというと、公社仕事に対しては非常な問題点が出てくるということが想定されますので、先ほど大蔵大臣からお話がありましたように、この問題につきましては、専売公社としても非常に慎重に考えなくちゃならないということは申し上げられるのじゃないかと思います。
  40. 平林剛

    平林委員 ただいまお話のように、全面的な定価改定経験がありませんし、定価改定によって一体どれだけ増収するか、見込みの算定は非常に困難である。機械的にはいかない。特に、一般の消費者の喫煙量の本数というものも、当然それに一抵抗がありまして減るだろうし、また、今まで「ハイライト」を吸っておった人も今度は下級の同じ傾向のたばこに移ってまいりまして、そういう意味では、増収を見込みながら、実際にはそれほどたいしたことはない、下級たばこに転化するという状況は当然予想される、まあ、いまお話がありましたように、これはたばこ耕作者の減反の問題にもつながってくる、専売公社が進めておる事業にもやはりいろいろな問題が出てくる、これは容易な問題ではないと私は思うのであります。  特に、わが国でもかつて「ピース」を四十円から四十五円に一時値上げしたことがございましたけれども、わずかの期間を経てそれがやめられました。やめられた理由というのは、四十円から四十五円という価格に上げたことがはんぱであったという問題もあったかもしれませんけれども、しかし、そうしたことに対する国民の抵抗、それが結局消費量の減ということになりまして、期待したようなことにはならないで、国民の不満をつのらせたということだけに終わったことから、わずかの期間にこれが改められたという経験を持っておるわけでございます。  私、ちょっと記憶しておるのでございますけれども、外国においても、何か、同じようなたばこ価格改定をして失敗をした例があると聞いておりますけれども、博学の総裁はそうした事例について御存じでしょうか。
  41. 東海林武雄

    東海林説明員 外国の例は、フランス、オーストリア、イタリア等が近年値上げをしておりますけれども、フランスのごときは、値上げによって売れ行きが非常に下がったという事例は出ております。ただ、オーストリアの例によりますというと、この値上げが非常にうまくいったという一つの事例なんでありますけれども、それは、上級品を非常に値幅を大きくした、それで中級品で一番売れている、まあ日本で言いますと「ハイライト」が中心になるのでありますが、そういうものの値幅を小さくしたということのために、収益の金額の面からいきますと、大体これは、値上げをしたその初年度においては減っておりますけれども、その次の年から大体盛り返してきておるという事例がございます。フランスの例なんかは、これは明らかに失敗の一例としてあげられるのじゃないかと思います。  それらの点につきましては、もちろん、この値上げを想定される場合には、私どもも非常な参考になります点が多いのでございまして、十分な資料を集めて、ただ、この外国の例と日本の例が同じになるかどうかということはこれは問題点がありますけれども、十分考えてみたいと思っております。
  42. 平林剛

    平林委員 たばこ価格改定することによって、必ずしも期待するような専売益金の増収にはなりがたいものであって、アースになるものがあるし、それから、専売公社自体としてもいろいろな問題が起きる、関係するところは、単に公社一般国民だけではなくて、たばこの耕作者に与える影響も無視することはできない。  そのほかに私はもう一つあると思うのです。それは、現在のたばこの消費税は大体前年度の単価と当年度の本数の積を基準として地方財政に補てんをしていくといういまの計算法でいくと、地方たばこ消費税の影響も出てくるのではないか。伝えられた構想によりますと、専売益金収入としては七百億円ばかりを増収することがかりにできたとしても、地方たばこ消費税へのはね返り、これもある程度出てくるのではないかと思うのですが、これはどういうふうに積算されますか。大体どの程度あるというふうに見込まれたのでしょうか。
  43. 海堀洋平

    海堀政府委員 先生のおっしゃいますように、地方たばこ消費税は、前年度というよりも十三カ月前からと言ったほうがいいと思いますが、前々年度の二月から前年度の三月までの平均単価を単価として、それに当年度の売り上げ本数をかけたものに地方税率をかけて出している。したがいまして、現行の法律のまま、実行のままで値上げを行ないますと本数は減るであろうと思います。前年度の単価というものは変わりませんので、消費税は一応減る形に出てくるだろうと思います。ただその場合に、これは現在そういうことを、平均単価は計算上一年前のじゃないと出ないからやっていることでございまして、値上げをした際にどういうふうに地方税の計算をするかというのは、また別個の問題として残るだろうと思います。この値上げ案を計算しました場合には、そういうこまかい、どういうふうにして地方たばこ消費税を取り扱うかという問題を自治省と話をするほど問題が具体的でございませんでしたので、一応の計算といたしましては、値上げがなかったであろう場合の本数というものを想定しまして一応地方たばこ消費税をはじきまして、そして国の増収額を見込んでおります。この方法で妥当かどうかというふうな問題を詰めるまでには議論が具体化しなかったということでございます。
  44. 平林剛

    平林委員 いずれにしても、一方で専売益金の増収をはかるための定価改定をやりましても、いろいろな問題点があるほかに、地方においてのたばこ消費税の減少をもたらすということもございまして、あまり財源確保の方法としては得策ではない、私はそういうふうにいまのお答えを理解するわけであります。ところが税制調査会は、いままでの専売益金の益金率の推移が最近は下がってきた、戦前の昭和九−十一年は、たばこ専売益金率が五八・二%ぐらいあった、それが三十一年、三十二年になると六五、六六%というふうに上がってきたのに、四十一年度は漸次低下をして五四%にまで下がってきた。したがって、そういう意味で、他のバランス等を考えて上げねばならぬというような意向を出したことは承知しておるわけでございます。しかし、もともと益金率が五四%もあるということは、六〇%から見れば低いかもしれませんけれども、他の物品税その他から見ればまだ高きに失するくらいのものなんです。たばこを吸うたびに国民は税金を納めるという状態、しかも、所得税だとか法人税とかいろいろなことを考えますと、所得税の平均税率でも二〇%上がることでも大騒ぎをしているのに、たばこのほうは、ふだん吸うておりますからわりあいに気がつかないにしても、五四%かかっておるということは、これは私は、税負担という面から見ましても、税の問題から見てもまだ高きに失するというくらいに言えるのじゃないかと思うのであります。それを六〇%から五四%まで下がってきたからこれを調整しなければならぬという考え方は、どこを押したら出てくるのか私はわからないのでございまして、これは大蔵省はやはりそんな頭でものを考えておるのでしょうか。
  45. 海堀洋平

    海堀政府委員 大蔵省とおっしゃいますが、実は税制調査会からの答申がおっしゃっていますことは、ここで「専売物資であるたばこについては、たばこ消費者の実質的税負担が他の間接諸税と均衡のとれたものとなるような価格改定を行なうこと」を検討する、こういっておるわけでございます。この趣旨は、間接税税率できまっておりますと、たとえば、自動車価格が百万円である、それに対して四割なら四割かかっていたと考える、それが百二十万円になる。それが四割なら四割の税率がかかっておりますと、ストレートに税金の一台当たりの額は上がってくる、こういう形に間接税というのは一般的になろうと思います。ところがたばこは、まずその価格、売価のほうがきまっておりまして、そうしてそこから消費税は経費みたいな形で当然売り上げに対してかかっておるのでありますが、結局、そうした経費を全部差し引いた益金を国が納付を受けているという形になっておる。したがって、たばこの製造原価が幾ら上がりましても、たばこを吸っている方の価格は、価格改定がない限り影響がなくて、国にいただく益金がどんどん減っていく形になる。これは幾らでなければならぬかということは、お説のように別にきまった率はないかと思います。ただ、参考に考えられるのは、ある時期における間接税のお互いの均衡あるいは税金相互間のお互いの均衡という問題が一つの目安だろうと思います。ある時期にこういう均衡を持っていたということが一つの目安だろう、それからもう一つは、国際的な比較がどの程度のところにあるか。たばこは国際的に吸われているものでございまして、やはり同じくらいの生活程度国民たばこにどの程度の税金を払って吸っているか、これも一つの目安だろうと思います。  そういう目安から見ました場合に、現在たばこは実質的には十数年、十六年ほど価格が据え置かれているために益金率は低下しているということが事実であるということ、それから国際比較におきましても、欧州の諸国と比べまして税金の割合というものは相当低くなっているということも事実である、そういうことも踏まえまして税制調査会のこういった答申が行なわれたのだろうというふうに考えております。
  46. 平林剛

    平林委員 税制調査会がここにいないから、あまりけんかのあれにはならないと思いますけれども、しかし、大蔵大臣にも政府にも聞いてもらいたいのですが、外国とのたばこ状況、つまり、税率であるとかあるいは一人当たりの消費価格であるとかを考える場合には、その国の生活水準ということも考えなければならぬし、もしその諸外国の例でたばこを上げねばならぬという理屈になるならば、所得税ももう少し外国と同じように上げてもらいたい、こういうことになるわけでございまして、所得税のほうはほっておいて、たばこのほうだけは外国に比校するという——あんたとけんかしているわけじゃないですよ。私は、税制調査会に対して、あと会議録でも読んでもらいたいと思うから少し言っておきたいのですけれども、そういうことを比較するなら、所得税も同じように外国と比較してから文句を言ってもらいたい、こういうつもりなんでございます。同時に、確かに専売益金率というものは六〇%台から五三、四%に下がってはいますね。下がっていますけれども、まだ一般から比べれば高い。いま読み上げました税制調査会答申は、もっと安くせいというふうにも私は解釈できるのです。他の間接税との比較において改定せいということは、私の説に従えば、まだ五〇%なんて他の間接税に比較して高いから安くせい、どうなんですかと私は言ったことがあったのですが、どちらにでもとれるのです。だけれども、実際の動きは価格のほうに傾いているから、私は警戒して、いまのうちから議論を起こしておるわけなんです。十本当たりのたばこの単価というものは現実には上がっているんじゃないでしょうか。
  47. 海堀洋平

    海堀政府委員 十本当たりでは、高級品に移行いたしておりますので上がってきております。具体的に申しますと、いつを基準にとりますか、非常に古く基準をとっておりますので、どうもあまり参考にならぬかと思いますが、昭和二十六年度を一応一〇〇といたしますと、四十年度の決算におきまして一三八くらいの指数を示しております。したがって、百円だったものが百三十八円のたばこが吸われている、こう考えていいんじゃないだろうかと思います。
  48. 平林剛

    平林委員 かつてたばこ価格の問題を議論をしたときに大蔵大臣——前の大蔵大臣であったかもしれませんが、たばこ価格は十何年間据え置いてあるから、そういう意味では、実質的にはたばこ価格を下げたことと同じことになるのですという趣旨のお答えをしておった方があります。水田さんだったらそんな計算はしないと思うのだ。これはことばの魔術であって、実際に十本当たりの単価を見ますと、いまお話のとおりに、いつを基準にとるかはいろいろ議論がありますが、かりに昭和二十六年をとれば、十本当たり単価としては二十一円二十銭程度であったものが、いまでは三十円三十六銭に上がっているわけです。また、昭和三十年当時では、十本当たり単価が二十一円三十八銭であったものが三十円三十六銭に上がっておるわけです。三十五年程度の水準をとりましても、二十四円六十七銭であったものが三十円三十六銭に単価は上がっておるのです。したがって、国民はそれぞれ高い単価のたばこを吸うておることになるわけでありまして、価格は据え置いたといいましても、高級たばこを漸次売り出されることによりまして、実質的にはそうした面を補っておるということが言えるのではないだろうか。逆に言えば、国民は、それはうまいたばこのほうがいいにきまっておるけれども、吸い分としてのたばこ代というものはそれに相当して増加しておるということも言えるんじゃないかと私は思うのであります。  そこで、大蔵大臣にちょっと聞きたいのですけれども、閣僚の中で、去年この問題が議論になったときに、いや、高級たばこだけの値上げ政府としては考えたらどうかというような考え方が新聞に出されておりましたけれども、水田大蔵大臣はこういう考え方に賛成ですか反対ですか。
  49. 水田三喜男

    水田国務大臣 私は、さっき申しましたようなことで、たばこ値上げをやるかどうかという全般的な問題についてそういう考えを持っていますので、一般のを下げて高級品を上げるというような、そういうような具体的なことをまだ検討したことはございません。
  50. 平林剛

    平林委員 専売公社総裁お尋ねしますけれども、いま言いましたように、実際に値上げ方法によらずとも、十本当たりの単価をふやすというような商売ですね。それによっても実質的に専売益金増加をはかるというようなこともできるわけでございまして、総裁としてはいかがでしょうか。先ほどお考えは聞きましたけれども、むしろ新製品を発売して、それを国民に買うてもらうというような形に漸次変えていきまして、そうして、それによって専売益金を確保していくというような商売——商売というとおかしいけれども、まあ、民間の総裁ですから、ざっくばらんにいきまして商売、そういう経営という考え方は、私は今日やはり考えてよいことだと思うのですけれども、お考えを伺わせていただきたいと思います。
  51. 東海林武雄

    東海林説明員 私のセンスということなんですが、これはたばこ値上げというものは十何年間やっておりませんことは御承知のとおりでありますが、原料の値上がりというものはもうすでに最近五カ年間で六割五分くらい上がっておるのですね。でありますから、本来、たばこ価格の面から、単純に原料との比較からいきますと、原料がそれだけ上がっていて、上げないでいくというのは一体どういう方法があるんだというお尋ねになるだろうと思うのでありますけれども、逆に言いますと、原料がそれだけ上がっていて製品を上げないというのは、民間の仕事では通常考えられないことなんですね、単純に考えますと。そこで、いままでの益金率は、確かにお説のとおりに非常に下がっておりますけれども、その間に非常な合理化が行なわれて、仕事の面ではそれの成果があがっておるということは言えるのじゃないか、かように考えます。  いま御質問がありましたような問題につきましては、これはただ定価の一つ制約がございますから、われわれのほうで高級品を出していけといっても、ある程度制約を受けて、その範囲の中でしか操作ができないわけであります。ただ、最近健康上の問題から低タール、低ニコチンのたばこが要求されております。そういうものを順次出していっておることも御承知のとおりでありますが、そういう面で需要が伸びていくことは考えられますけれども、あまり高級なものだけねらうというわけには、たばこの性質からいきまして、逆に大衆のものを犠牲にするというような考えは持ってはならないのではないかと考えております。その点が非常にむずかしいのではないか。定価法の改正というものが全面的に自由になるということになりますと、その点はある程度まではお説の通りできるのではないか、こういうように考えております。
  52. 平林剛

    平林委員 私、きょう言いたいことは、このほかにも税制調査会考えておられるように、たばこ価格が昔から据え置かれておるために、他の物価と比較をして、もう少し上げてもいいんだというような議論にはあまり賛成できないということなんです。もしそんな理論でたばこ価格を上げるならば、かなり前からの数字から考えてみても、たとえていうと、しょうゆなんかのごときも、他の価格から見て少な過ぎるから上げたらいいじゃないか、たばこは昭和二十六年を一〇〇とすれば、四十年に大体一三八くらいにしかならぬから上げなければいかぬ、他の上昇率から見ると低いから上げなければならぬという理屈が正しいとすれば、しょうゆは昭和二十六年を一〇〇として、いまではまだ一三二程度にとどまっているのですから、しょうゆも上げなければいかぬという理屈になってくると思うのです。お酒だって昭和二十九年を一〇〇として、昭和四十年は一一九で、上がり幅が少ないからこれも上げればいいじゃないか、こういう理屈になってくるわけですね。また、専売公社はなるべく価格を据え置くために合理化を一生懸命やっておられて、十本当たり単価の低い製品の発売等によって上げているというような経営をやっているけれども、そういう合理化の努力をしても上がり方が少ないから上げなければならぬという理屈になるなら、ビールなんかのごときは、昭和二十六年が一〇〇ならば、昭和四十年は逆に九六に下がっておるからビールも上げなければならぬということになるわけでございまして、私は、他のいろいろな価格との比較の面から、たばこは他の物価に比べて上昇率が少ないということで上げるならば、同じ理論を適用すれば、みそに酒にビールに波及をしてくると思うのであって、これはやはり国民生活に与える影響を無視するわけにまいりません。ですから私は、さっき大蔵大臣が言われましたように、軽々にこの問題に手をつけてもらいたくはない。いわんや、政府がこうしたことに対して具体的な諮問もせないのにかかわらず、やや専門的に入り過ぎて税制調査会がみずからそのたばこ価格を上げたらいいのではないかというような示唆を与えるがごときことは、政府の腹は、実際は意思を通じて、税制調査会を隠れみのにするようなことにもなるわけでございますから、私はやってもらいたくない。まして、税制調査会が独自で発想するがごときはもってのほかである、大体そういう機関ではないということを考えるのでございまして、どうかひとつ、政府におきましてもこの問題の取り扱いについては慎重にしてもらいたい。まして今日は、いずれ議論になるでしょうけれども、自然増収の増加が非常にたくましいものがございまして、何もたばこを五、六百億円ばかり増収をはかってやるほどの政府のふところ勘定ではないようですね。来年度の予算編成は、大蔵大臣、非常に楽にできると思われるくらいな自然増収があるときですから、たばこ価格改定をして、そこから財源を得る、国民のふところをねらうなんというようなさもしい考えは、ひとつ現内閣はどうかおとりにならぬでもらいたいということを希望いたしまして、この問題についての質問は終わっておきたいと思うのであります。  なお、他に聞きたいこともありますけれども、この辺で質問は終わることにいたしまして、また適当な時期にもう少しぜひ——久しぶりにこうした議論をするものですから、もう少しお尋ねしたい点は、他日、そうした機会をつくりたいと思いますので、その機会に譲りまして、質問を終わります。
  53. 内田常雄

    内田委員長 次は、竹本孫一君。
  54. 竹本孫一

    ○竹本委員 簡単に二、三の点を伺いたいと思いますが、行政管理庁がいま見えるそうですから……。  公社——専売公社公社ですが、公社といったようなものが最近いろいろできております。今度事業団といったような名前のものもありますが、政府の基本的な考え方として、公社というものはどういう役割りを持たせるものか、特に公社でなければならないという場合はどんなものであるか、また、公社は、普通の事業団あるいは普通の特殊法人の会社、そういうものとはどういう点において違った役割りを期待しておられるのであるか、公社のあり方についての基本的な考え方を承りたいと思います。
  55. 海堀洋平

    海堀政府委員 公社法に公社目的を書いてございますが、結局、専売事業を効率的に、かつ適確に実施していくというために公社が設けられたものでございます。前のように政府が直接行なっておりますと、そこに会計規定上あるいは事業活動の上でやや弾力性に欠ける面があるので、そういう事業活動に弾力性を与えるということが一つ目的かと思います。と同時に、やはり専売事業という国の権限を実行いたしますので、国会並びに政府の監督というものも同時におろそかにできない、国会並びに政府の監督と事業の能率的な運営というものの調和点というものを公社という経営形態に求めたのだろうというふうに推測いたします。
  56. 竹本孫一

    ○竹本委員 大蔵大臣にひとつ伺いたいのですけれども、いまの会計法上等の制約を離れて弾力的な運営をやる、御趣旨、まことにけっこうでございますけれども、ともすれば、公社経営というものは、官僚経営の悪いところと、それから一般会社のまずい点と、両方のマイナスの面だけをプラスしているような運営がありはしないかという心配をするのでございますけれども、大体、専売公社だけではなく——また専売公社については、先ほど企業努力の問題もお話がありましたけれども一般論として、公社の経営というものは、はたして公益目的に合うように、しかも効率的に行なわれているというお考えであるかどうかをひとつ伺いたい。
  57. 水田三喜男

    水田国務大臣 純然たる民間事業ではない、しかも、国の公共的な事業として、行政のむしろ一翼をになった事業としてこれを運営することが妥当であるということから、特にこういう形態のものが出てきたのでありますから、したがって、いま、国鉄をはじめとして各種の政府の公団の運営が中途はんぱになっているということは事実でございます。国の直営ではない、しかし、純然たる民間事業には適しない仕事であるということでございますから、そこで、企業の自主的な活動と政府の監督というものをいかに調和してこの事業運営を行なうかということが、公団の経営の最も中心的な課題であるというふうに考えまして、できるだけいままでこの二つの調和をはかるように、いろいろ矛盾、支障がある点を事ごとに是正しながら、改善しながら今日まできているというのが実情でございますが、まだまだ、これを企業のほんとうの自主性を発揮させるということと、国の公共目的を達成させるというための経営の事実上のあり方については改善すべき問題が現在たくさんあるというふうに私どもは見ております。
  58. 竹本孫一

    ○竹本委員 公社という特殊な経営形態というものは、実は、私どもの民社党で考えておる将来の混合経済の一つのあり方といった意味で、多くの期待を持っているわけでございます。しかし、現実の経営の実態は、いまお話しになりましたちぐはぐが相当多いし、特に、能率の面ではまだまだ改善の余地が非常にあるのではないかと考えております。しかし、一般的な問題をさらに掘り下げて、どこにどういう矛盾があるかということは、きょうは質問はやめておきますが、ぜひひとつ、期待される公社の経営形態であるだけに、大臣におかれましても、これが監督指導の面については、その能率化の面において特に格段の配慮をお願い申し上げたいと、希望を申し上げておきます。  そこで、本論に入りますが、今度監事に関する権限の規定が整備されたようでありますが、いま申し上げました点と関連をいたしまして、これは公社に対する監事のあり方についてただ規定を整備したということだけのように受け取れますけれども、一体監事に関する——これも一般論として私は非常に疑問を持っておるのでございますけれども、大体、日本の監事あるいは監査役といったようなものは十分にその使命と役割りを果たしていない。御承知のように、民間でも監査役といえば、「カン」の字は「閑」の字を書く人もおるくらいに、日本の監査あるいは監事機能というものは、全くその職責を十分に果たしていないと思うのです。そういう観点から考えまして、今度監事に関する権限の規定を整備することにした、こういうのでございますけれども、それは文字を整備したという意味でございますか、あるいはそのファンクションそのものを整備したという意味であるか、また、ファンクションを整備したならば、どういう点のファンクションを整備されたか、これを承りたいと思います。
  59. 海堀洋平

    海堀政府委員 今回監事の権限を規定上整備いたしました点は、まず、監事が監査の結果に基づきまして、専売公社総裁さらに大蔵大臣に意見を出せるということが一点、それから財務諸表を大蔵大臣に提出する場合に、これについて監事の意見を付するということが二点、それから三番目に、決算書類を大蔵大臣に提出するに際して監事の意見を付するということが三点でございます。しかし、実際はすでに専売公社の内部規定によりまして——実質的に今度は法律にはっきりと規定したのでございますが、いままで法律に規定がありませんでしたけれども、監事の執務に関する内部規定によりまして同様なことを行なってきております。  実際の実効はどうかと申しますと、監事監査の結果、たとえば三十九年度監査の結果でこういう点を是正してはどうかという指摘を受けた事項が、六十五件ございます。その結果に基づきまして公社が改善措置をとりましたのが四十件、それから四十年度の監査の結果、監事がこういう改善をしてはどうかという指摘をしましたのが三十四件、それのうちですでに改善措置がとられたものは二十三件となっております。その指摘事項と改善措置との差は、監事の指摘、必ずしもそれが経営者から見て万全であるということもございませんので、理事者側に意見のある点は相互に検討しているという段階でございます。  したがって、現在までの監事の活動というものは、御質問よりは——よりはというよりも、実質的に非常な活動をしていると考えていただいていいのではないかと思っております。
  60. 竹本孫一

    ○竹本委員 その指摘事項改善措置一つの例を一つ二つ言ってみてください。どの程度に実質的な機能を果たしておるか、その指摘事項を具体的に、例だけでけっこうでございますから。
  61. 海堀洋平

    海堀政府委員 四十年度の監事の指摘事項を二、三例をあげてみますと、一つは、年度末における支払い事務の促進ということ、これは具体的にこういう事例があったではないか、ああいう事例があったではないか、したがって、年度末というのはどこでも決算期でございまして、関係会社にとりましても非常に経理の忙しい際でございます。その際に、勘定取りに行っても、ただ従来どおりの書類の回し方では各関係会社にも問題を起こすおそれがあるから、促進をしてはどうかというふうな指摘がございました。これなんかは直ちに実行に移しているケースでございます。  それから、現在公社は設備の改善を非常に急いでおるわけでございます。設備の改善というのは、結局、近代的な設備を導入して、それによって能率をあげているわけでございます。設備を入れる際には、ある公称能力というものがございまして、こういう設備を入れれば、たとえば一分間二千回転のものを入れれば稼働率がどれだけでという数字が出ておるわけであります。ところが、現実にこの工場とこの工場ではこういうふうな能率しか出ていないではないか、これの原因はここにあるから、こういう点を直したらどうかというふうな指摘を受けまして、生産設備の公称能力と現実に出た能力との差、それの原因を指摘しまして、それを矯正するというふうなのが具体的な例でございます。   〔委員長退席、毛利委員長代理着席〕 ほかにも件数としては、非常に細部にわたってございます。
  62. 竹本孫一

    ○竹本委員 そこで、いま専売公社には監事さんが三名ですか——国鉄の監査委員会等の活動と比較した場合に差がありますか。あるいは、どういう点に特色なり相違がございますか。
  63. 海堀洋平

    海堀政府委員 国鉄の監査委員会と専売公社の監事の職務上の規定といいますか、する仕事の面ではほとんど差がございません。ただ、国鉄は御存じのように、最近非常に基本的な問題を多々持ってまいりました。たとえば、先生御存じのように、新幹線の予算というのは、初めは約二千億弱で出発したのです。ところが、現実的にはあれは約四千億弱かかったわけです。それだけ、つまり予算の二倍に結果的にはなったものでございますから、国会でも大問題になりまして、それにつきまして、監査委員会を通じてその原因を究明する、これは国会でも論議になりましたように、非常に大きな問題が出まして、それを監査委員会が究明するということが多々行なわれております。専売公社には、そういう非常に経営の基本に触れるような問題が現在のところ出ておりませんので、表面にあらわれたといいますか、世間の耳目に触れるというふうな点では、監査委員会の活動が非常にはなやかに映っているのではないかと感ぜられます。
  64. 竹本孫一

    ○竹本委員 世間の耳目を騒がせるような問題がないということは、むしろけっこうなことでございますけれども、私は、そういう問題が表に出てからあとで監査委員会で取り上げるということではなくて、平素専売公社の全体のマネージメントそのものに、監査委員会がただ事後報告的な、あるいは書類を中心に検討するという程度のものでなくて、やはりもう少し基本的な問題に取り組んで検討を加えるという姿が望ましいのではないか。いまのは、まだ遠慮しておるというか、消極的であるというか、そういった点において、もう少し積極的に掘り下げた機能と使命を持っていいのではないかと思いますが、いかがでございますか。
  65. 海堀洋平

    海堀政府委員 専売公社ではございませんで、大蔵省でございますが、専売事業審議会という、むしろ前向きに専売事業運営専売事業のあり方というものについてどうあるべきかという委員会を持っておりまして、それが前向きな制度あるいは運営という点につきまして、月一回必ず会合をいたしまして、論議を重ねております。したがいまして、その際にその専売事業審議会が専売事業運営のあり方を検討するについては、監事の指摘事項その他は十分に参考にいたしておりまして、必ず監査結果は監事から直接委員会に報告していただいております。で、専売事業審議会と監事の監査結果、それらを一体として専売事業の基本的な問題のあり方というものを検討しているのが現実でございます。
  66. 竹本孫一

    ○竹本委員 希望として、その両者の機能がさらに前向きに積極的に進められるようにお願いいたしておきたいと思います。  次に、第二の問題に入りますが、専売公社の持っておる葉たばこの在庫は、現在どのくらいあって、年々の増加率はどの程度のものでございますか。
  67. 海堀洋平

    海堀政府委員 これは決算で見ますと非常に正確でございまして、決算も持ってまいりましたのですが、いまちょっと決算書が出ないものでございますから、大体四十一年度の末でたなおろし資産全体——これは葉たばこだけではございませんが、たなおろし資産全体で約三千億円弱じゃなかろうかと思います。現在のところ、その三千億円弱のたなおろし資産が大体年々四百億円弱ふえているというふうなのが現在の姿でございます。ただ、増加のテンポはやや鈍っていると考えていただいていいんじゃないかと思います。
  68. 竹本孫一

    ○竹本委員 大体在庫量が二年分くらいということのようですけれども、二年分がはたして必要なのか、少ないのか、多いのか。要するに、適正在庫に対する基準といいますか、考え方はどんなものですか。
  69. 海堀洋平

    海堀政府委員 適正在庫というものは、大体平均して二年ぐらいというふうにいわれておりますが、適正在庫を二年と考えますと、やや多いというふうに考えております。
  70. 竹本孫一

    ○竹本委員 今後はどういうふうに持っていくお考えですか。
  71. 海堀洋平

    海堀政府委員 たばこの売れ行きの数量の伸びというものがこの在庫量に関係するわけでございますが、数量の伸びは、現在のところ一時よりは多少鈍化している、大体六%弱、五%と六%の間ぐらいのところになっております。それに対しまして、現在専売公社としましては、当分の間国内の葉たばこの作付面積を据え置き、さらに、できれば少し無理をしないで減反をして適正在庫へ持っていきたいというふうに努力いたしております。
  72. 竹本孫一

    ○竹本委員 今度の改正の第一点で、資金手当ての問題とかいろいろの問題は、みな、どの程度に在庫を持つかということで関係してくると思うのですけれども、普通常識的に考えると、二年分というのは、いまもお話ありましたけれども、少し多過ぎる。そういうことをするから、むしろ資金繰りも苦しくなるし、いろいろ矛盾が出てくるのではないかと思うのですが、ひとつ、総裁のほうのお考えを承りたいと思います。
  73. 東海林武雄

    東海林説明員 いまの適正在庫の問題でありますけれども、大体二十四ヵ月、これは熟成度の関係でそれくらいの期間を置かないといけないということになっております。ただ、種類によりましては三十ヵ月以上の在庫のものもございます。そういうものは今後調整していきたいと考えておりますが、逆に熟成度の期間を短縮する方法がないか、これは研究所あたりでも鋭意つとめておりますけれども、現在のところでは、はっきりした方法が実施するまでには至っておらないというのが実情でございます。したがって、これは国内産葉の、先ほどもお話がありましたように、作付面積というものは今年度は昨年と同じように八万七千四百五十ヘクタールということで据え置いておりますが、それを品質の向上ということでやっていきますと、大体順次そういうような適正在庫に近づく、こういうふうに考えております。したがって、いまの状態で、特にこれが延びていくから資金を圧迫するというようなことは、これは順次売り上げが伸びておりますから、在庫もふえることはこれは当然であります。その面での資金の圧迫は当然にある、こういうふうに考えます。
  74. 竹本孫一

    ○竹本委員 全体としての公社運営の効率化を特に要望いたしまして、以上で、質問を終ります。
  75. 毛利松平

    ○毛利委員長代理 午後一時三十分より再開することとし、暫時休憩いたします。    午後零時十七分休憩      ————◇—————    午後二時十分開議
  76. 内田常雄

    内田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。只松祐治君。
  77. 只松祐治

    ○只松委員 専売局でも公社でも毎年いろいろな計画を検討されておりますが、四十二年度以降のいわゆる長期計画と専売公社内でいわれておりす計画について、詳細にわたっては時間を要しますので、ひとつ概要を御説明していただきたい。
  78. 高村健一郎

    ○高村説明員 公社におきましては、昭和三十六年以来、長期の期間にわたります事業計画をつくりまして、施設の合理化あるいは人員配置の計画化、それから葉たばこ生産の計画化といったようなことをやってまいっております。毎年、実勢にかんがみまして検討を重ねながら改定をやってまいっております。  昭和四十一年度のたばこ事業に関します長期計画は、四十一年度を基点といたしまして、四十七年度までの期間につきまして策定をいたしております。  その基本的なことを何点か申し上げますと、計画の基礎になります将来の販売の計画数量でございますが、これは年々御承知のように消費数量が伸びてまいっておりますが、これを従来の実績等から推測をいたしまして、一応年率六・六%の増加がこの期間には平均的にあるという計画にいたしております。それに必要な葉たばこの生産を確保すると同時に、一面、たばこの銘柄の増加に伴いまして、必要な外葉の輸入を計画いたしております。一方、これだけの消費数量をまかないますための生産工場におきますたばこの生産の面でございますが、これはそれに必要な設備改良を逐次増強してまいるわけでございますけれども、その増強の推移と併行いたしまして、新しい能率の高い機械を導入しますことによって生産の効率を高めてまいりますと同時に、御案内のスレッシング方式という新しい原料処理の方式を導入いたしまして製品の品質を高めてまいる、同時に、需要の動向に即応いたしまして、フィルター製品の供給割合を逐次増加をさせてまいる、そういったことを基本といたしまして、数字は一々申し上げませんが、計画を立てておるような次第でございます。  なお、四十一年度の長期計画をつくりまして、あと、その後の推移を観察いたしまして、その実績等を勘案し、逐次改定作業をその後も行なっております。  簡単でございますが、以上でございます。
  79. 只松祐治

    ○只松委員 順次お聞きいたしますが、その中のまず一点として、そういうふうに設備の改良等が行なわれますと、当然に人事の異動あるいは人員の減少等がはかられると思います。人員の減少等の計画はいかがでございますか。
  80. 高村健一郎

    ○高村説明員 直接製造に従事いたします従業員の数につきましては、特段減少は計画をいたしておりませんで、製造数量の増加は、先ほど申しました新鋭機械を導入することによりまして生産効率を高めるという方法で、原則として現有勢力でもってそれだけの生産をまかなっていくという基本方針に従って計画をいたしております。
  81. 只松祐治

    ○只松委員 しかし、あなたのほうの計画を見ましても、あるいは現実に郡山で新しい機械が導入された、そういうことの実施状況等を聞きましても、たとえば、いま郡山で五百人くらいの職員がおられます。ここで三十億本くらい製造している。これを百億本くらいの製造を予定して、四百五十名、五十名くらい減らす、こういう問題が具体的に起こってきておりますね。これが、あなたが言われるように、四十七年度まで長期的な計画を実施する、こういうことになれば、あなたのほうとしては、人員についてひとつも触れてないというのはうそになりはしませんか。
  82. 高村健一郎

    ○高村説明員 毎年自然に退職者がございます。高齢でやめます者もございますし、そのほかにも途中で退職をしてまいる者がございますが、そういうものは、これは工場によって違いますけれども、ある程度は補充をしないで、自然減による全体の数の削減のままに推移をまかせておいて、一方、新鋭機械の導入によって能力をふやしていく、したがいまして、当該工場につきましては、一定の期間内に人員が減るということはあり得るわけでございます。
  83. 只松祐治

    ○只松委員 これは、使われているそこの労働者側にとりましては定数が減るわけですから——強制退職はさせないけれども、新規採用しないということになれば、当然に定数が減ってくる、こういうことになるわけですね。だから、この計画に伴って、やはり定数なら定数を減らす、あるいはふやさない——あなたたちの考え方からすればふやさない、こういうことになりますが、そういうことはやはり表示すべきです。こういうことであらためて聞けば、こういうふうに定数を減らすというふうにお答えになるのが当然かと思うのです。  それでは、定数を減らすのだ、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
  84. 高村健一郎

    ○高村説明員 これは年度によって若干の傾向の違いはございます。少しこまかいことになりますが、実は、この当面二、三年間は、これまでに建設しました工場の規模がかなり大きゅうございます。それに比べて、比較的販売の伸びがそのテンポを下回るというような趨勢がございますので、この二、三年間は若干製造関係職員の自然減を当てにいたしまして、総体の人員は少し——退職を強制するわけではもちろんございませんが、少し総体の人員を減らしていくというような必要が当面ございますが、二、三年経過いたしましたあとは、大体原則に戻りまして同一規模の人員でやっていく。ということは、二、三年経過しましたあとは、自然退職に相当する人、あるいはその一部になるかもしれませんが、ある程度補充してまいるというような計画にいたしております。
  85. 只松祐治

    ○只松委員 およそその数はどのくらいですか。
  86. 高村健一郎

    ○高村説明員 総数が大体四万二千六百名程度でございますが、ここ二、三年のうちに五百名程度は、できたら自然減の範囲内で減らしてまいりたい、それが実現いたしますと、四十四年、再来年ころからは大体いまの計画では横ばいになるというふうな数字に作業はなっております。
  87. 只松祐治

    ○只松委員 たとえば、組合の機関紙を見ましても、四十七年度までに総人員で千五百九十五名減員の検討案が出されておる、こういうことが出ております。これは専売の組合のことですから、そうでたらめじゃないと思う。これなら約三分の一くらいですか、あなたの発表はそういうことになるのですが、組合員はいささか杞憂にすぎる、オーバーで、あなたたちのほうが正しい、こういうことですか、
  88. 高村健一郎

    ○高村説明員 ただいま説明申し上げましたのは、四十一年長計の数字に基づいて申し上げましたが、一年前、四十年の長計の数字を見ますと、計画の当初と最終年次との間にその程度の開きが、減少があるようでございますが、組合のほうからお聞き及びになりました千五百名はどういう意味でありますか、ちょっといまのところつまびらかでございませんが、それだけ製造職員を減らすというつもりで申し上げるというケースはございません。
  89. 只松祐治

    ○只松委員 製造関係だけで——あとでまた販売とかなんとか、合理化の問題は聞いていきますが、製造関係でこれだけの、千五百九十五名の減員の検討案というものがすでに出ておる、こういうふうに書かれておるわけですね。これは一般に印刷して出しておられるわけですから、私はそうでたらめじゃないだろうと思うのです。だから、いや、それはでたらめで、組合側がオーバーだ、杞憂にすぎぬので、それほどの計画はありません、五百名前後です、こうおっしゃるならそっちのほうがいいわけですけれども、ただ、あなたのほうでおっしゃったのが正しいのか、組合側の杞憂にすぎぬのかどうですか、そこらを聞いておるのです。
  90. 高村健一郎

    ○高村説明員 総体の人員について御説明申し上げましたが、当面、ここ二、三年の間に若干総体の人員を減らしたほうが都合がいいというような状態にあることは事実でございます。これは実際売れ行きがどうなるかによってかなりそこらは違ってまいるわけでございますけれども、労働組合との話の場面におきまして、売れ行きが満足な状態でない場合、たとえば四十二年度あたりでかなり過員になる計算も出てくるので、それに対して何らかの手を打つ必要も出てくるかもしれない、しかし、これは将来の販売促進等による販売の伸びとか、あるいは実際の作業のいろいろな基準の問題とか、いろいろ関連し合う問題でございますので、何も千五百名を、一応の計算があるとしましても、それを減らすというような提案をした記憶はございません。売れ行きが悪ければかなり過員になってくる危険性があるというような説明は、折衝の過程でいたしておることでございます。
  91. 只松祐治

    ○只松委員 皆さん方の当初の計画案の伸び率は大体七%くらいであったわけですね。ところが、いま説明があったように六・六%に落ちている。実際上は、本年度あたりだって売れ行きが減って六%を割っておるでしょう。ことしは六%いくかいかないか、こういうことでしょう。来年はどうなるかあとで聞きますが、値上げをすることになれば、さらに相当大幅にダウンになる、こういうことですね。だから、そういうことを前提として人員の問題に入っていくということがほんとうかと思うのですが、そうじゃなくて、それはおいおいあとで聞いていくことにいたしますが、そういうことは一切抜きにしても、これだけの案が一応公社内で検討されている、こういうことですから、職員の人はたいへんに心配をしておりますから、まずその問題をただしておこうと聞いているのです。だから、確かに来年三%くらいに落ちないで、来年一〇%ぐらい伸びるのだというならば、減らす必要はない、ふやすことも出てくる。しかし、それは空理空論であって、ことしは六%を割るだろう、そういうとこを前提にしてこういうことをなされるのですかということを聞いているのです。
  92. 高村健一郎

    ○高村説明員 四十一年長計では年率平均して六・六%の伸びを前提に計画をいたしておりますが、その長計策定後の売れ行きが思うように六・六%まで伸びておらないというような事実は御指摘のとおりございますし、また、将来を見通しました場合に、販売の伸びにいろいろな悪い影響を与えるファクターも出てまいる心配もございますので、これをかなり下回るような情勢になったときには、事業全般にどういう影響が出てくるかというようなことを中間的に検討をいたしております。中間的な検討でございますので結論とは申せませんですが、そういう検討はもちろんいたしております。そうした検討と、先ほど御指摘になりました組合との話の過程で出てまいった人員の問題等も、あるいは関連をいたしているのではないか、私は折衝の場面自体存じませんのでわかりませんが、あるいはそういう検討との関連があるのではないかというふうに推測をいたします。
  93. 只松祐治

    ○只松委員 そのほか、たとえば葉たばこ生産の合理化のために、四反以下の零細耕作者を切り捨てる、あるいは収納作業場を統合して小さいところを廃止する、こういうことをおやりになっている。これはあとで広瀬君等が聞くと思いますけれども、いわゆる葉たばこ生産者に対する合理化というものは、そういう農民の方々にもいろいろな影響を及ぼしてくる。あるいは製造工場におきましても、いまちょっとお話がありましたように、新規機械の導入、こういうことによって事実上人員を減らしていく、いろいろな職場の作業の強化、こういうことをもたらしていく、こういうことがいろいろ計画されておりますね。あるいは販売の面におきましても、委託輸送の拡大、あるいはまたノルマ制度といいますか、営業課というようなものを新設して、営業員といいますか、セールス——これもあとで聞きますけれども、自由競争でないたばこをセールスをしてどうやって販売を伸ばすのか、職員間でいろいろな問題が出てきているようでございますけれども、そういう職員に対する強制的な割り当て、こういうものがいわゆる合理化の一環として各部面にあらわれてきているわけですね。  公社長期計画案というものは、私は一、二例を引いて示しましたけれども、そういう内容を持つものでありますかどうか。これはこまかい問題、具体的な問題であると同時に、基本的な問題でもありますので、ひとつ総裁のほうからもお答えいただきたい。
  94. 東海林武雄

    東海林説明員 いま耕作者の問題と小売り店の問題を御指摘になりましたが、耕作者に対しましては、御承知のとおりこの四十二年度の耕作面積は八万七千四百五十ヘクタールで据え置きになりました。据え置きにしましたけれども、一人当たりの作付反別というものは非常にふえております。ということは、私のほうが合理化促進ということではないのでありまして、これは、いまのたばこだけじゃございませんけれども、農業人口が減ってまいります。したがって、そういうような作付面積が広がっていかないと仕事にならないという面が、たばこの面でもあらわれてきておるということなんでありまして、その点は耕作人口が確かに減っていることは事実でございます。  それから、小売り店の問題につきましては、いまノルマというお話がございましたけれども、私のほうでは小売り店に対してノルマを課している事実はございません。ノルマと考えられますのは、小売り店を指定する場合に何級地で大体どれくらい売れるということが一つの目安になっておりますので、その標準を果たすようにということなんでありまして、いま小売り店の整備をやっておりますのは、そういうようないわゆる注文の販売と生産とのバランスをとろうということで、いわゆる計画生産に持っていくためにはそういうような小売り店の計画販売が必要であるという意味のことをいまやっているわけなんであります。それが、あるいは小売り店のほうにとりまして、何かノルマを与えられたように考えられておるかもしれませんが、これは、私のほうの方針ではノルマと考えているわけじゃございません。  それから、たとえば耕作者の収納所の統合の問題でありますが、この問題にも触れられておりますけれども、御承知のように、収納所というものは非常に数が多い。おそらく只松さん御存じだろうと思いますが、いなかのほうに行きますと、馬係所という、馬をつないだところというような形式を備えている収納所がいまだに残っております。しかし、最近のように交通事情が非常に発達してまいりまして、なおかつ道路が非常に整備されて、馬で運んだものが自動車になっておるということになりますと、そういうところを統合する必要があるのじゃないか、そして、もっと設備のいいものをつくったらどうか、こういうことを耕作者の皆さんに呼びかけておるわけなんであります。それは耕作者の側からの何であって、専売公社としましては、決して無理やりにいままでの収納所を統合しようという考えではございません。むしろ耕作者の便をはかって、そういうような統合をしたらどうかというようなことの呼びかけをしているのでありますから、地方によりまして非常に多い収納所をある地方に集めてきまして、その収納所の設備を非常によくしようということが、いま行なっている段階でございます。これは、地方によりましては、いろいろな関係で、収納所の統合ということについては御賛成にならない向きもあるのでありますが、私どもは強制的に統合しようという考えはございません。  大体その程度だったと思いますが、ほかにございましたら……。
  95. 只松祐治

    ○只松委員 さっき製造のパーセンテージはお触れになりませんでしたけれども、皆さん方の計画によれば、製造は大体年一〇%伸びるということになっておるわけでしょう。ところが、なかなか売れないから実際上、下げてきているわけなんだけれども、しかし、そういう新規設備の導入等によりまして製造は加速度的にふえておりますね。しかし、売れるほうは六%を割っている、こういうことですから、勢い倉庫にはたばこが余ってくる、こういう現象がいま出てきておるのですね。  そこで、いまぼくは小売り店のことを——あとで聞きますけれども、聞いたのじゃなくて、いわゆる営業課というようなものをところによって新設したり、あるいは営業員というものを置いて、そうして、皆さん方の目から見れば強制的であるかないかわかりませんが、職員側から見れば、相当強制的に、ノルマ的に一定の割合を設けて小売り店に押しつけてくる。自動車とかなんとか、各社があって、A社B社がセールスマンを置いて激しい競争をする、そして自社のものを売りつけるというなら、これはわかります。しかし、こういう嗜好品でありますし、それから独占企業のこういうもの——吸うなと言っても、それをやめるのはなかなかだし、吸わない者に吸えと言っても、それほどじゃない。皆さん方手品か何か、いい知恵でもお持ちか、手段をお持ちかどうか知りませんけれども、職員によけいに売ってこいということを相当強くいま指向されておりますね。計画をされておる。そういうことございませんか、どうです。そういう職員の中からは、そういうことに対する、たとえば私の地元の大宮等では、そういうことをめぐって相当激しく職員と皆さん方の側において、争いというか、ビラを張ったり何かしたりして、問題が生じたことは事実です。また、現に生じておりますね。そういうことに関してどういうふうにお考えになりますか。
  96. 東海林武雄

    東海林説明員 先ほど申し上げましたように、小売り店に対するノルマという考えはございませんし、それによって職員のほうにノルマを与えているということはないと思いますが、ただ、職員が販売の業務でいまやっているということは、いまの販売のあれからいきますと、計画生産をやろうというには、的確にどれだけ売れるかということの目安がつかなければこれはできないわけなのです。そういう意味での特約店の相談相手、小売り店の相談相手、それと販売拡大に対する、どういうような方法で拡大するかという御相談に応ずるという意味でお伺いしているのだと思いますので、職員に対するノルマということはないと思います。私は聞いておりません。
  97. 只松祐治

    ○只松委員 なければけっこうな話ですが、皆さん方のその計画によれば、いま言うように営業課を新設する、こういうようなことをはかって、そこに一定の区域を設けたり、まあ区域を設けるのはいいとしても、区域を設けると、当然そこに一定の本数を割り当てて売りつけていく、こういう形をとろうという計画が、これは現に具体的に問題になっておるのでありますが、総裁はないとおっしゃるかしれませんが、職員の中には現実に問題になってきておるわけであります。  そういうふうに、製造能力はふえてきた、また、販売体制その他も強化されてきておる、ところが、国民たばこを吸う率がそれほど伸びない、こういうことで——これだけじゃありませんけれども、ほかの国家財政とも関連してまいりますけれども、皆さん方の計画によりましても、大体四十三年度に値上げする、したがって、四十三年度、明年度は伸び率が三・二%前後に落ちるだろう、こういう策定に基づいて作業が進められておるやに聞いております。そのとおりですか。
  98. 東海林武雄

    東海林説明員 税制調査会のほうから出た問題で、きょうも午前中いろいろお話出ましたけれども値上げの問題は、一応ああいうふうな御意見が出ております。それに対する試算は当然私のほうでもしておりますが、しかし、いまの長計の線にそういうものを織り込んでいくということは、私のほうではしておりません。ということは、これはまだ値上げするということがきまったわけじゃございませんし、しかし私のほうとしては、かりに値上げをした場合にはどうなるかということは、これはもちろん検討すべき事柄でございますので、そういう場合を想定した計画というものは、内部では検討しておりますが、その点は外部にそれが出ておるということではございません。したがって、いまの御質問のように、そういうものを織り込んで三・五%しかふえないんだというような計画で、いまの四十三年度の計画を立てておるわけではございません。
  99. 只松祐治

    ○只松委員 それでは、そういうふうな試算を内部的にされたことはある、こういうことですね。
  100. 東海林武雄

    東海林説明員 ええ、これはいたしております。
  101. 只松祐治

    ○只松委員 そういたしますと、専売公社の意向としては、できるならば明年は上げてもらいたい、こういう意向だ、こういうふうに解してもいいわけですか。
  102. 東海林武雄

    東海林説明員 それは全然違うんじゃございませんか。ただ、そういうような意見があったから、そういうような場合には、その場になっていろんな計画を立てるということは、これは私のほうとしては非常な手落ちになるわけなんで、そういう場合にはどうなるかということの想定は、当事者として当然考えておくべきだと思います。しかし、そういうことを考えるから値上げ希望しているのだということにはならぬだろうと私は思います。
  103. 只松祐治

    ○只松委員 なるかならないかは別にして、希望していますか。これは本年度から値上げということを一応意思表示されたわけでしょう。それだけれども、国会なり国民の反対の世論が強い、こういうことで、税調にまで若干反映していったわけですから、税調に反映したということは、政府当局の専売公社あたりが一つのサゼスチョンもなくて、常識で私たちが知っておる限りにおいても、突如として税調に出てくる道理はないと思います。ないならない一ないほうがけっこうですから、否定される限りは、来年度も値上げしないとここで明言されればそれに越したことはないから、それでいいのです。ただ指向、その他皆さん方の内部情勢を見ると、どうもやはり上げる可能性が強いのじゃないか。ことしはやむを得ぬ、来年は上げなければならない、こういうことじゃないだろうかと思って私聞いておるわけです。ないならないで、けっこうですよ。はっきり言ってください。
  104. 東海林武雄

    東海林説明員 ただいまのお話は、何か私のほうから値上げの案を出したように聞こえますけれども、そういうことは全然ございません。
  105. 只松祐治

    ○只松委員 小沢さん、どうです。
  106. 小沢辰男

    ○小沢政府委員 私どものほうからも、値上げをやるようなイニシアチブをとった覚えはございません。
  107. 只松祐治

    ○只松委員 では、大蔵省専売公社としては、明年度も値上げする意思はない、こういうふうに私のほうとしては了解してよろしゅうございますか。
  108. 小沢辰男

    ○小沢政府委員 私どもは、来年上げるか上げないか、また、そういうことについても一切議論したことはございませんので、いま、来年上げないかと言われましても、そのとおりであるとも言えませんし、しからば、上げることを考えているのかと言われても、それは私どもが、いや、そういう考えはございませんと申し上げるので、いまのところは、値上げの問題については全く白紙でございます。
  109. 只松祐治

    ○只松委員 ナマズ問答をしてもしかたがありませんから話を進めますが、そういうことで、一つ長期計画の中には、来年度の値上げということを前提にしたいろんな形の作業が進められておる。ところが、一般的になかなか国民の需要がそんなに伸びていかないし、またいく見通しも少ないようです。  それで、たとえば新製品をつくったり何したり、いろいろなことをして需要を伸ばすようにしておりますけれども、小売りの問題に——最後は国民に接する、国民に販売する場合には小売り店になるわけですが、私たちもいろいろ小売り店の新設を要望したり、あるいは私のところの草加団地や何かのように、非常に膨大な団地ができておりまして、ほとんどが東京通勤者で、朝早くて夜おそい。こういうところに公団指定の売店が二軒か三軒できる。こういうところは朝おそくて夜早く店を締めますからたばこを買えない、こういうことになりますね。こういうところにもっと許可したらどうだ、あるいは、公団は確かにいわゆる民間の私有家屋ではないから許可基準というものはきわめてむずかしいであろうけれども、何らかの便法を講じたらどうだろう、あるいは機械なんかどんどん据えたらどうだろう、こういうことを言いましても、管理がどうだとかこうだとかおっしゃって、一向になさらない。日本人だから、草加で買わなくても、東京でもどこでも、電車のホームで買う、こういう態度でしょうけれども、職員にそれだけのノルマを押しつけ、あるいは地域の人からは新規開設の希望があっても、そういうものは官僚的に許可しない。きわめて官僚的ですよ、たばこ小売り店の許可については。私もたくさん頼んでおるからそれはよく知っておりますよ。そういうものはなかなか許可しない。距離が近い、あるいは売り上げが少ない、見通しが立たない、そうしておいて、何か職員だけにはノルマを課す、あるいは、配達をするのがめんどうだから委託販売をする、こういうことです。何か、そういう専売公社のやり方を見ておりますと、たとえば三菱重工だとか住友とか、こういう大きなメーカーが重工業品をつくるのではなくて、一般国民に直結する消費物資をつくっておるわけですから、そうするならば、その末端の小売り店からサービスまで考え専売公社はその営業を営んでいく必要があると思います。ところが、職員の段階までは、小売り店許可基準まではきわめて官僚的です。何か一生懸命やっておるけれども、肝心の小売りをする、国民と接触する面に至っては、何か門戸を閉ざしてしまって、みずからそれを少なくしよう、こういうことをなさっておるように私たちは見受けますね。草加団地、あれだけ膨大なところに幾つあるか。春日部団地も埼玉県にできておりますけれども、こういう団地が社会構造の変化に伴ってできてくる。この辺に三十何階建てのビルができておりますね。こういうところは一階だけに販売店を置いてもだめなんです。出張販売は多少ゆるめるようになっておるようですけれども、しかし、やはりこれだけ大きいビルには何階かに許可したほうがいいと思います。こういう地域社会あるいは建物一つの構造の変化に伴って、そういう販売の、セールスのしかたというものは当然異なってくべきだと思います。私は前からそういうことを皆さんに言っておる。ところが一向にそういうことについては研究されないでしょう。されたなら、ひとつ御報告をいただきたいのです。皆さん方が実際に国民にサービスをする部面においてはどういう計画をお持ちになっておりますか。
  110. 東海林武雄

    東海林説明員 この前、たしかそういうお尋ねがあったと思いますけれども、小売り店の許可基準については、従来の考え方を、非常に柔軟性を持ったやり方にしようということをお答えしたと思いますし、現実にはいろいろ何級地、何級地と分かれておりまして、距離制の制限もございますが、いまおっしゃったように、構造が非常に変化しておりますし、交通事情も変わっておりますから、そういう点につきましては、最近の傾向といたしましては、その点は大幅にゆるめていこうという考え方でやっております。したがって、今後のそういう指定基準や何かについてはいままでのような苦情がないだろうと大いに期待しておりますし、一方、公団なんかの場合には、公団のほうでなかなか許可しないという面もありますが、その点につきましては自動販売機を併用する、それから、時間の短縮によりまして長時間小売り店で販売するというわけにいかないところが多くなってまいりますから、そういう点についての対策をどうするか。実はいま販売委員会をこしらえて、従来のやり方を一歩前進させようということで発足さしておりますので、近い将来にいま御質問のありました点は大幅に改善されていくものと私は期待しております。
  111. 只松祐治

    ○只松委員 近い将来と言うが、私は三年前から大体これと同じことを言っているのですよ。それで、その後見ておりますけれども、草加の団地に一カ所か二カ所の販売機械が置かれたということを聞いておりますが、あれだけの広いところに一カ所や二カ所置いたってどうにもなるものじゃありませんよ。そのことはまたあとで聞きますけれども、まあ埼玉、千葉、神奈川のように、東京に通勤する人口が埼玉は三十五万人、たばこの販売本数が地方の財政計画の基礎に置かれておりますね。こういう場合に、いわゆる朝六時から七時ごろ起きて東京に通勤する、たばこ屋は起きておらない、夕方は八時、九時、十時ごろだ。この中にもおそらくたくさんそういう団地からお通いになっている方や郊外から通勤されている方があると思うのです。ホームに飛び込んでそこで一服というわけにいかないので、がまんして電車に乗って東京で買う、こういうことになりますと、いわゆる学校教育から、し尿処理、すべて埼玉なり千葉なりがやって、たばこ益金からくるそういう財政需要の基本は東京にくるようになる、こういうことが起こってくるわけですね。ただ単に、皆さん方がやっておられることは、たばこの販売、のむのまない、消費量が増大する、減少するという問題だけにとどまらないで、こういう問題にもずっと影響を及ぼしてくるのです。そういうこともあって、私は近郊都市から出ておる議員の一員として、こういう地方財政のあり方とも関連して、ひとつ、ここは早朝に開くと言っているから、早朝に開く店を許可してくれないか、あるいは、こういう団地に対してはもっと機械設備を置いたらどうだ、こういうことを言っているけれども、なかなかそういうことがなされないのです。いま近い将来ということをおっしゃいましたけれども、これはいつも言うように、ものの見方によっては、一年も近い将来、五年も近い将来です。そういうことをいつからやるお考えですか。
  112. 東海林武雄

    東海林説明員 近い将来と申し上げましたのは、そういうやることの方針をきめておりまして、一部は実施しております。ですから、これから順次お説の方向に実現するものとお答えしてもよかろうかと思います。
  113. 只松祐治

    ○只松委員 それから、専売公社等では役員も大蔵省からいろいろ出向しておる、あるいは天下っておるわけですから、たばこの機械ぐらい置け、こうおっしゃれば、私はそうぐずぐず言わないと思うのです。私は、あなた方の熱意がなかったから置かなかった、こういうふうに理解しますね。だからどうです、それだけ言っても公社で聞きませんか、大蔵省、そんな権威もないですか。やったことがあるのですか、ないのですか。
  114. 斎藤欣一

    斎藤説明員 団地の問題につきましては、ただいま只松先生御指摘のような実態が方々にあります。一口に団地と申しましても、住宅公団のものもございますし、それから地方公共団体のものもございます。各それぞれに応じまして、先般先生から御指摘のございましたこともございまして、いろいろと話はしております。最近できましたものにつきましては、そういうことで自動販売機も設置しました。それから、私のほうといたしましても、団地の中の小売り店の問題につきましては、一般の指定のものさしと申しますか、それによらないで、距離だとかなんとかあまりやかましく申しませんでやってみるということにいたしております。ただ、そういうことをやりましてもなかなか限度がございますが、この方向はそれとして、いろいろ今後折衝を続けていきたいというふうに考えております。  それから東京付近のいわゆるベッドタウンと申しますか、それには、いままさに先生のおっしゃいましたような事情がございまして、神奈川県、埼玉県、千葉県あたり、非常に人口がふえてきております。小売り店のふえ方も、全国平均に比べますとかなりふやしており、数字といたしましては、全国のふえ方に対しまして倍くらいになっておると思いますけれども、どうも、のむ人口のふえ方のほうが少し先にいっております。したがいまして、小売り屋さんの数が相対的にちょっと少ないんじゃないか、その辺のところも検討いたしまして、できるだけ消費者の皆さまに御不便のないようなことを考えております。
  115. 只松祐治

    ○只松委員 それから、同じ販売のことに関しまして消費税の問題が起きるわけですね。たとえば、小さい市がいまたくさんできておりますね。いまのことと関連するわけですよ。小さい市ができてきて、駅がない。たとえば私のところの与野市なんていうのは、与野駅という駅はありますけれども、その土地は浦和市なんです。与野市に所属する駅がない。与野駅で幾らたばこを買っても、さっき言うように、地域で許可しない。バスで送り迎えしますから、自分の団地では起きていないし、駅で買う。その駅で買ったたばこは浦和市に金が行くのですね、そこは浦和ですから。上尾を一つ例にとってみますと、上尾に原市団地ができている、ここからほとんどバスで送る。どこに送るかというと、東大宮に送るのですね。上尾市に住んで、上尾市の市政下にありながら、たばこ消費税はほとんど大宮市に落ちるわけですよ。消費税の場合もそうだし、いろいろな還付金や何か、それから交付金の基準に使用されてくるたばこの本数というのも、確かに県と県を見ればそういうことが言えるが、こういうものは何十万という人間、通勤者だけで三十五万、それからいろいろな形で出ているのはおそらく何十万とあるわけですが、こういうものを換算すると、単に県と県だけの本数、あるいはそこの地域における消費税というものは、これは大きな誤差が生じてきているのですよ。団地のようなものがぽこっと何千戸とできて、そこから駅にバスで通勤するということになれば、今後なおさら顕著にそういう傾向が出てくる。地域はその市にあるけれども、隣の駅のほうが近い、こういうことで、自動車会社は近いところにバスを発着させる。こういうことについては、具体的にAという市の人間が明らかに消費しているものであれば、Bという市に駅があっても、これは何らか是正するなり何なりすべきだと私は思うのです。あるいは別個にこういうものを考えなければならぬ。これは大蔵省と自治省に——私はきょう自治省を呼んでおらなかったですが、大蔵省当局は、財政需要の基準になる点と関連して自治省側と相談して、特に顕著にあるそういう点——まあこまかいところはいろいろあると思いますが、顕著にあるところはやはり地元各市町村なり県の意向を聞いて修正すべきだ、これが私は正しい行政のあり方だと思います。そういうふうにお考えになりませんか。
  116. 海堀洋平

    海堀政府委員 いまおっしゃいましたように、たとえば、ある市町村の住民がたばこを他の市町村で買う、それで、たばこ消費税は全国平均単価をとっておりますけれどもあと、それに売り上げ本数をかけるものですから、そういった不均衡が出ている、たばこ消費税の面から見ればそういう不均衡は確かに存在しているだろうと思います。それをどういうふうに合理化するかといえば、いろいろな案があるかと思います。たとえば住民の数で割るとか、それから、もっと飛躍すれば、国税のような形にまで持ってくるとか、いろいろな考え方があるかと思うのですが、その問題は、それぞれ得になる県、損になる県があるし、ある意味においては得になる市、町、損になる市、町があるものですからなかなか議論がまとまりにくい問題であって、直接には大蔵省と自治省の話し合いで合理化を将来はかっていかなければならぬかと思うのです。  ただ、その不均衡が直ちにそのまま地方財政に対する不均衡になっているかといいますと、それはそうなっておりませんでして、御存じのとおり、交付税交付のときには、基準財政需要額をはじきまして、それから基準財政収入額を引きまして、その差額を交付税の形で出すわけですが、その基準財政収入にはたばこ消費税の大部分を基準財政収入として算入しまして差っ引いておりますので、たとえば、たばこ消費税で多く入る市はそれだけ交付税が少なくなるというふうな操作によりまして均衡をはかっているというのが現実でございます。ただ、そうは申しましても、現在のたばこ消費税が全く合理的であるかどうかという点には問題があろうかと思いますので、今後とも自治省と相談していきたいと思います。
  117. 只松祐治

    ○只松委員 その基本は、私は地元でたばこを買うということに置くのが正しいのじゃないかと思いますね。そういう意味で、さっき小売り店をもう少し安易に開設してはどうかと言ったわけです。団地や何かでそういうふうに集団的に他の駅へ移動していく、こういう社会形態、住居のあり方の変遷に伴ってそういうものに対応するやり方をすべきだと思う。ここに団地の中に住んでいる人はおいでになりませんか。とにかく朝開店はおそいのですよ。それで夕方しまうのは早いのじゃないですか。そういうところへたばこを預けてあるわけです。しかし、主人はそうでなくて、朝早く出て夕方おそく帰ってくるわけですから、こういうことで、地元ではたばこをだんだん買わなくなる。これはまた一つの習性で、東京なら東京のある店で、あるいは電車へ乗るときに買う習性がついている人はそこで買うようになりますから、地元でおそく帰ってもたばこがあるということになればそこで買うのですよ。ですから、今後ぜひそういう地方財政の面も考え——私のところの市町村長や何かはそういう要望をしておる。あなたは大蔵委員をしているのだから、ひとつ何とかそういう点はもう少し公平にやってくれ、学校教育だとか、し尿処理だとか、そういう面だけわれわれに受け持たせて、金をくれないのでは弱ってしまうという要望が相当強いのですよ。皆さん方もそういう責任の一端を負っておられるわけですから、ぜひひとつ是正をしていただきたい。  それから最後に、これは臨時行政調査会であったですか、太田さん等が発言した問題でございますが、塩業、塩の専売を民間に移したらどうかとかなんとかいういろいろな議論がございましたけれども、この問題について、その後皆さん方のほうで御検討になっておりますか、お尋ねしておきたいと思います。
  118. 東海林武雄

    東海林説明員 この間新聞にも出ましたので承知をしておりますけれども、あれは三十九年の臨時行政調査会答申の一端になっておりますので、塩の専売を廃止するかどうかということは、私はこの前確かここの決算委員会で申し上げたと思いますが、現在の状態では塩の専売を廃止するということは、私としては好ましくない、つまり、専売は廃止すべきでないということを私の個人の意見として申し上げておいたのでありますが、それはどういうことかと申しますと、三十九年の答申の時分にもいろいろ専売公社あるいは大蔵省側としての意見が出ておりますけれども、その事情はいまも変わっておりませんが、ただ、私が現在の時点においてと申し上げましたのは、その当時と現在とは塩の情勢が非常に変わっておるということなんであります。  御承知のように、今年度、四十二年度の計画によりますと、四百五十万トンという大量の外国塩を買っております。内国塩は限度量一ぱいできるといたしましても九十二万五千トン、この四百五十万トンの塩を買うということは、諸外国の例をとってみましても、これだけの大量の塩を買っている国はないわけであります。この中で、もちろんソーダ工業が四百十七万トンを占めておりますけれども、これがいま、御承知のとおりに、たとえばスエズの問題が長引くといたしますと、アフリカ塩に依存する度合いが最近少なくなってはおりますけれども、そういうものが非常に大きな影響を与えるということは、皆さん方御承知のとおりだと思います。食料塩は、九十二万五千トンの中でほんとうに純粋な食料塩というのは五十万トンにすぎませんけれども、これは何といっても国民の非常な貴重な食料品になりますために、これを公平に配分する、あるいは価格が一定価格で配給するということになりますと、これを製造の面におきましても配給の面におきましても、いささかでも混乱させることが好ましくないことは皆さんにもおわかり願えるのじゃないかと思うのであります。その上に、最近外国塩が非常に値段が安い、こういっておられますが、事実、外国塩は国内塩に比べますと相当の値開きがございます。ございますが、最近のイオン交換樹脂膜法の製法によりまして、これがだんだん明るい見通しを持ってきたということは事実でありますし、これの見きわめがつくのは、あるいはまだ二、三年かかるかもしれませんけれども、そういうような安定した日本の製塩というものが確立された上でなければ、私は専売制度というものははずすべきじゃないという考えを持っておるわけなのであります。  なお時間がございますればいろいろ詳しいことを申し上げたいと思いますが、そういう事情で、私は現在の専売制度というものは廃止すべきじゃない、かように考えております。
  119. 只松祐治

    ○只松委員 いまのお話はわかりましたが、たばこの問題で一つ、聞くというよりも意見になりますが、忘れておりましたので申し添えておきたいと思います。  先ほど聞きましたように、来年はまだ白紙だが、本年は値上げをしない、当分は値上げをする意思はない、こういうお答えでございましたが、実際上、新しく出てまいるたばこ価格を見ますと——前はこの大蔵委員会で形だけの了承ということを求められておったわけですが、今度専売公社で自主的にきめることができる、こういうふうになりましてから、大体平均いたしまして、今度二六・三%前後の値上げ案が予測されるわけですね。しかし、現在でも新規のものは、高いので四〇%、普通品でも一四%程度、いわゆる新しいものは実質上もう値が上がっておる、こういうことになるわけでございますが、幾ら本委員会において了承を得る必要がなくなったといっても、あるいは値上げをしないと、こうおっしゃっても、新規品だけこうやって、主として高級品ですが値上げになっているものがある。こういうこともいかがかと思うのです。これは実質上のなしくずしの値上げだと思うのでありますが、本委員会の了承を得なくなっても、ひとつこういう面については、さっきから言うように、値上げしない、こうおっしゃっておるわけですから、慎重に取り扱っていただきたい。  こういうことを要望いたしまして、私の質問を終わります。
  120. 内田常雄

    内田委員長 広沢直樹君。
  121. 広沢直樹

    広沢(直)委員 まず、小沢政務次官かあるいは海堀監理官にお答えいただきたいと思いますが、ただいま提案されております日本専売公社法の一部を改正する法律案について若干お尋ねしたいと思います。  ここに書いてありますとおり、公社の資金繰りがここ数年きわめて窮屈になってきたということで、資金運用部からの借り入れが、この姿を見ていくと将来も増大していくのではないか。そこで、たなおろし資産の増加分を積み立て金として、国庫に納付しないでよいことにしようとする、こういうことが出ているわけです。これに別に異論があるわけじゃないのですが、そこで、「四十二年度の借入金増加額と資産増に伴う内部留保の予定額」という参考資料をいただいているわけですが、この中に借り入れ金増加額が六百十二億余、それから消費税増に見合う借り入れ増加額が二百六十五億余、それで資産増に対応する借り入れ増加額が三百四十七億余になっております。一方、予定になっております資産増加額は五百二十一億余になっているわけです。それから、いま言った資産増加額から借り入れ増加額三百四十七億余を引きますと、その残りの分が百七十四億、これを一応積み立て金として留保する、こういうことになっているわけです。  そこでお伺いしたいことは、あと、こういった関係において借り入れ金を運用部から借り入れる場合、あるいは、今回のように民間から借り入れできる、こういうことになっているわけですが、この場合の資産増加額をもう少しこれは大きく、言うならば、資産増加額これ全部を納付金から見ていくならば、納付金は減っていくでありましょうけれども、しかし、借り入れという問題は起こってこないのじゃないか、そういった面について、これだけ若干しか見込んでないわけですが、その点についてのお答えをいただきたいと思います。
  122. 海堀洋平

    海堀政府委員 いま御質問数字はそのとおりなんでございます。要するに、公社に内部留保いたしました額は百七十四億余りでございます。その内訳は、これは内訳なんで、法律上ではございませんが、固定資産の増加分が百二十四億円、それからたなおろし資産の増加分のうち五十億円を留保いたしまして、合計百七十四億円余を留保することにしたわけでございます。もちろん、それでもなおかつ借り入れ金の増加額が六百十二億円余にものぼることが予定されていまして、固定資産はまあ全額留保になっておりますが、たなおろし資産につきましては、借り入れ金でまかなうほうがずっと多いということになるわけでございます。もちろん、専売事業の経営という面から見れば、ランニングストックを自己資本で全部持てるということが、企業の形態として一番望ましいことは論をまたないわけでございますが、何ぶんにも専売納付金というものは一般会計予算の非常に重要な部分を占めておりまして、急激に全額を留保いたしますと、納付金が急減するというような事態になります。一般会計の現状を見ますと、一般会計予算の中で公債によって財源を調達している割合が相当高いのは御承知のとおりと思うのであります。そういう観点から、専売公社と財務体質を改善しつつ、なおかつ一般会計に激変を与えないというふうな配慮との均衡で、たなおろし資産に対する内部留保は五十億円ということに落ちついたのでございまして、一般会計の財政事情が許せば、今後、御質問のように徐々に内部留保の額をふやしていきたいというのが、専売公社の立場に立ちます大蔵省のものの心づもりでございます。
  123. 広沢直樹

    広沢(直)委員 それでは先ほどからずっとこの年次的なものを見ておりますと、確かに売り上げの本数においては伸びてきているわけですが、しかし、その率においてはやはり鈍化してきている。そういうような関係から、すでに、いまさっきずっとお話がありましたように、確かに原材料、葉たばこも値上がりをいたしておりますし、たばこ消費税も当然これは率が上がってきておりますので増額している。国庫納付金はいままではふえてきておったのですが、今年急に減ってきておる。そういうことに対する今後の見通し、この状態がどういう見通しになっていくか、それをちょっとお聞かせいただきたいと思います。
  124. 海堀洋平

    海堀政府委員 現在数量的、まあ金額の問題でございますから、売り上げの金額的な伸びが大体八%から九%程度、八%程度ではなかろうか、数量が五%と六%との間ぐらい、金額が、単価が二%ぐらい伸びて大体八%前後の伸びというのが、定価の改定がなければ正常な姿と考えていいんじゃないかと思います。というのは、数量の伸びの五・五%というのは決して低い数字じゃないのじゃないか。というのは、成年人口の伸びというのは大体二%程度ですから、それを考えますと、それ以上の伸びを数量で示しておるということは、よく伸びておるのだと考えていいんだろうと思います。したがって、売り上げの伸びが今後、いままでの実績——最近落ちている落ちているといいますけれども、そういう落ちているといわれる実績を越えて伸びていくということを望むことは常識的じゃないではないか、むしろいまが正常な姿じゃないのかと考えております。それに対しまして、消費税は、御存じのとおり、その売り上げの伸びに対して率でかかりますものですから、これはもう売り上げ金額の伸びに比例するわけでございます。そうしますと、今度はあとどういうことかといいますと、コストの伸びがどうなるかということでございますが、葉たばこの最近の値上がりというものはだんだんに伸びは落ちておりますが、それでも去年、まあことし収納しましたものが六%余り、翌年度収納しようとしておるものが五%余の値上がりを前提としております。それから給与につきましても、御存じのように、やはり全体の民間給与の伸びというものは尊重していかざるを得ないと思います。したがって、コストの伸びは相当高いものがあろうかと思います。そうしますと、専売納付金の伸びというものは、やはり売り上げの伸びのような伸びを見ることがやっとではなかろうか、むしろ売り上げの伸びよりは多少率としては落ちるのではなかろうかという感じがします。ただし、ことし特に納付金が減りましたのは、これは御存じのように、地方たばこ消費税の税率を変更いたしまして、従来納付金にきていた部分がたばこ消費税のほうに回った分が二百六十億円余ございましたので、ことしの納付金の減少というのは特別でございます。それと、先ほど申し上げましたたなおろし資産のための内部留保を五十億円というものを足して考えて比較していただかぬと、ことし減少しましたのはそういう二つの特殊な要因がありますのですが、そういうことは一応ことし、ことしといいますか、四十二年度予算を除外いたしまして考えれば、売り上げの伸びまで納付金が伸びていくのはなかなかむずかしかろうという感じがいたします。
  125. 広沢直樹

    広沢(直)委員 そこで、政務次官にお伺いしたいと思うのですが、いま言った説明の中から、先ほどもお話がありましたが、国庫納付金は今年は特にこういう一時的な減少になっておる。そうなりますと、大蔵省としては、専売納付金に財政的に依存している依存度といいますか、そういった面はどの程度まで一応考慮していますか。
  126. 小沢辰男

    ○小沢政府委員 財政のほうから申し上げますと、できるだけ販売実績をあげてもらって、納付金が多いほうが望ましいわけでございますが、どこまでをめどにしたというか、一定の率で、総予算の中で専売からの納付金が大体何%なければいかぬというような気持ちを持って予算編成はいたしておりません。この前税調等で議論がありましたのも、要するに、国の専売という性格を持ったものが、国庫納付金が千四百億円見当で、地方が千七百億円、これもちょっとおかしいのじゃないかという議論もしたりいたしまして、また私ども、確かに多ければ多いほど国家財政の見地から見ればいいことでございますけれども、しかし、それかといって、地方財政の財源の確保ということは、これまた大事なことでもございますから、一がいに何%ということをめどにして、さっきいろいろ販売の議論なんかありましたが、ノルマなんか考えているような、そういう考え方は一つもございません。
  127. 広沢直樹

    広沢(直)委員 そこで、先ほど申し上げましたように、たばこ消費量の伸び率は大体定着期に入ったのではないか。多少はふえていくにしても、過去のような伸びは考えられない。そうなりますと、先ほど申し上げましたように、経費的なものが相当増大してまいりますと、当然たばこ消費税、地方税制を潤していくものについても考えていかなければならなくなってくる。そうしますと、この専売納付金がそれによって変動することは当然のことであります。しかし、先ほど申し上げましたように、公社自体がいま民間から借金をするルートを認めてもらいたいということになっておるわけですね。そういうわけですから、そういう依存度を考えてない——これまた考えられないのかもしれませんが、これはたばこの消費量によって、当然きまってくる問題であるし、いま言った経費的な問題との関連もあるわけですから、当然一がいにきめてしまうわけにはいかないと思います。しかしながら、その依存度をはっきり考えられない、その状況によって変動があるというならば、納付金を減らしても、公社自体の運営の上から考えていっても、借金をしてやっていくという面を考えていったらどうか。先ほどのように、たなおろし資産として一部を認めてくれというのでなくて、当然増加分については見積もってもいいじゃないか、こういう考えを持っておるわけです。それについてはいかがですか。
  128. 海堀洋平

    海堀政府委員 これは民間の企業をやる場合に、ランニングストックといいますか、そういう一種の運転資金でございます。運転資金を自己資本でやるか、借り入れ金でやるかということは、原則というものはないのではないだろうかと思います。ただ、運転資金だから借り入れ金でやっていいという結論は直ちにできないのであって、自己資本でやれば、それだけ体質は改善されて、企業としては非常に強いものがあるだろうと思います。  公社の場合を考えますと、公社の場合における運転資金というものは非常に大きいわけでございます。それは葉たばこが、現在の技術をもってしては二年間寝かさなければならないということで、運転資金の額が非常に大きな額になってきている。したがって、これを全額借り入れでやるということは、体質的にもなかなか問題がありますので、できれば、ある程度は自己資本でまかないたいという考えでございます。ただ、では全額すぐ自己資本でまかなわなければどうにもならないかというと、いままでとにかく全額借り入れ資本でまかなってまいりましたので、特にすぐそうしなければ公社運営に支障がくるという問題でもない。一方、増加分——大体四百億円でございますが、四百億円を直ちに納付金から差し引いて内部留保に持っていきますと、それだけ一般会計に納付する金額が減って、一般会計の財源が非常に苦しくなるという問題がございますから、一般会計の財源の事情と公社の財務体質という問題を常に彼此勘案いたしまして、そのときどきの事情によりまして、一般会計の財政事情が楽になればできるだけ多く内部留保を認めてもらう、一般会計が苦しいときには、内部保留をしないで、借り入れ金でやる、そういう弾力性を与えてほしいというのが、今回の改正の趣旨でございます。したがって、四百億円ふえる、たなおろし資産について五十億円というのはわずかでございますが、原則としてはそういう道を開くという点に重要な意味があるのではないかと存じております。
  129. 広沢直樹

    広沢(直)委員 そうすると、それを見きわめながら徐々にふやしていくという考えですね。
  130. 海堀洋平

    海堀政府委員 徐々にふやしていくといいますか、ふやすことができればふやしていきたい。一般会計の事情がございますものですから、また公債発行もいたしておりますし、だから、必ずしも徐々にふやしていけるということをいまここで申し上げることも、来年度の予算編成、さらに再来年の予算編成に関するものですから、徐々にふやしていくんだということもちょっと申し上げかねるわけでございます。ということは、要するに、そういう道がいままで閉ざされていたのに対しまして、財政事情が許せば内部留保がやれるんだということを規定しておきたいというのが法案の趣旨でございます。
  131. 広沢直樹

    広沢(直)委員 それじゃもう一点お伺いしますけれども、本年度の見通しとして、運用部の資金は大体どのくらいになっておるか聞かしていただきたい。
  132. 海堀洋平

    海堀政府委員 前年度末でございますが、前年度末に一応七百八十億円運用部から借り入れることを予定したわけでございますが、実際は五百六十億円の借り入れで年を越すことができたという実績になっております。
  133. 広沢直樹

    広沢(直)委員 そこで、四十二年度末には、ここに書いてありますが、千三百九十億円を運用部から借り入れることが必要となるであろう、このまま放置すると、四十七年度には三千億円に達する見込みになった。これにひっかけて、また民間からも借り入れる道を開こうということが載っておるわけですが、新聞によりますと、運用部資金は今度は全体が相当だぶついてきておる。そういう時期に、運用部の資金の利率と借り入れ利率と、それから一般銀行の利率から考えますと、それは当然運用部のほうが利率が低いと考えられるわけで、この時期においてはまだ民間から高い利率で借りる道を開く必要はないんじゃないか、こう考えられるわけなんですが、どうですか。
  134. 海堀洋平

    海堀政府委員 実は、私は運用部の仕事をしたことがございますものですから運用部のことを多少知っておりますが、運用部の資金というのは、御存じのように大部分が長期資金なんでございます。郵便貯金、厚生年金が主体でございます。それに各政府関係のいろいろな機関の預託金、これはほとんど大部分が長期の資金で、一番長いのが七年ものでございますが、大部分が七年ものと考えていいと思うのでございます。その七年ものの資金で現在何をしているかといいますと、長期の融資を行なっておりまして、それが財政投融資という形になっておるわけでございます。しかしながら、財政投融資を行なうにつきましては、主として入ってくる郵便貯金というものが季節的にある変動をもって入ってまいります。他方、使うほう、要するに財政投融資の運用のほうでございますが、これは年平均して使っていくという形でございます。したがって、いま余裕金があるないという議論がときどき新聞に出るのでございますが、それはあくまで季節的な余裕金と考えていただいていいんじゃないだろうかと思っております。それで、そういう大きな金を運用いたしておりますと、ある季節的な余裕金は出る、そういう意味で余裕金があるないというような議論があるわけでございまして、その余裕金を現在まで年度末に持ち越す借り入れとして専売公社も借りてきたわけでございます。ところが、そういう余裕金は非常にきゅうくろになっているのが現状でございまして、今後、たとえば四十二年度末にこちらが所要いたします額が、はたして運用部の余裕金でまかない得るかということについて、すでにまかない得ないともはっきりは言えないと思いますが、まかない得るだけの余裕金が必ず出るというふうにも自信がないものでございますから、それで民間からの借り入れの道も開きたいというのが今回の提案の趣旨でございます。  したがって、運用部といたしましても、余裕金がある限り政府関係機関がめんどうは見てくれると思います。しかし、余裕金がない場合に、これは何も財政投融資のように閣議決定いたしまして——閣議決定といいますか、運用計画を決定いたしまして、そうした相手が、それによって計画的に運用している機関に専売公社が入っているわけではございませんので、余裕金があれば当然めんどうを見てくれるのでございますが、余裕金がない場合にはどこにもしりの持っていき場所がない、その場合に金がないと——五月三十一日までに前年度の納付金を納めなければなりません。もし納めなければ法律違反になるわけでございますので、そういう意味でこういう民間から借り入れる道を開きたいということなんでございます。
  135. 広沢直樹

    広沢(直)委員 これは当然以前から言えるわけでありまして、今度特に運用部の資金が詰まってきたから云々というのであれば、いま申し上げたように、確かに運用部資金については、今年度の予算措置から見ましても、当然財政投融資についても控え目にしておりますし、運用部の資金が余っていると考えられるし、大体、新聞によりますと、六千億か何か運用部資金がだぶついているというように出ておったのです。そういうわけで、運用部の資金を回せないという場合においてはこれを回すという意味はよくわかるわけです。その点については一応事情がわかりましたので、けっこうですが、次の問題として、確かに、最初に申し上げましたように、消費量が大体定着化していく、あるいは鈍化していくということになりますと、経費あるいは消費税等の増大によって、あるいはまた、獲たばこ原価ですね、原材料の値上げによってだんだん納付金も減ってくるし、純益というものは減ってくるわけです。  そこで、この問題を今後ずっと維持していこうと考えるならば、当然売り上げをどのようにして伸ばしていくかということは考えなければならない問題であろうし、あるいはまた経費をどのように考えていくかという問題にも考えがくるでしょうし、あるいは納付金の率を減少さしていくか、これは財政依存という考え方もありますので、この三つの点が考えられるわけですが、まず第一点の、売り上げをどういうふうにして今後伸ばしていくか、その見通しですね。それについて総裁のほうからお願いしたい。
  136. 東海林武雄

    東海林説明員 いろいろな問題がありますけれども、私の立場としましては、何をさておいても売り上げを伸ばしていくということが一番大事な問題なのであります。そのためにはどうするかということになりますと、これは嗜好品といいますけれども、ほとんど国民の大部分の中にとけ込んでいる必需品のようなものでありますから、その動向がどういう嗜好動向をとるかということがこの問題点でありまして、いま言われています、たとえば低タール低ニコチンの問題、こういうものに好みがいきますと、それに合った品物をつくっていくということをまず第一に考えなければならぬ。  最近その点につきましては、公社としましても、新しい品物は大体そういう軽いたばこ、俗には軽いたばこと言っていますが、低タール系のものを新しいもので出していこうということが一つありますし、ただ、これは幾ら宣伝いたしましても、ほかの商品と違いまして、専売仕事になっておりますから、そんなに宣伝したから、あるいはそういうような低タール低ニコチンのものをつくったからもっと売れるということは考えられないのではないか、かように考えます。しかし、われわれの努力する面等におきましては一応そういう方向をとっていきたい。これでどこまで伸びるかということが問題点だろうと思いますし、諸外国に比べてみますと、日本の伸び率というものは鈍化しているといいながら、相当高い率でいま進んできているということはまだ言えるのではないか、かように考えます。
  137. 広沢直樹

    広沢(直)委員 そこで、売り上げの問題になってまいりますと、昨年から非常にやかましく言っておりましたたばこと肺ガンとの問題があるわけでありますが、これは昨年の国際会議等を見ましても、世界各国においてはこの肺ガンとの問題が相当大きく取り上げられてきている。昨年度は確かに新聞をにぎわして、国民にはこの問題は相当ショックであったわけでありますが、その後こういった問題について、どの程度まで進んでいるのか、その点について高岡開発課長さんにお願いしたい。
  138. 高岡市郎

    ○高岡説明員 試験研究のほうでございますか、それとも販売のほうでございますか。
  139. 広沢直樹

    広沢(直)委員 両方です。
  140. 高岡市郎

    ○高岡説明員 実は、私どもの委託研究で本年も日本の各権威者に約一千五百万ほどの委託研究費を出しまして、そして、さらに私どものほうで喫煙と肺ガンの問題について、病理学的、臨床学的また統計学的なものも含めて現在研究をやってもらっております。  それから製品の開発の問題につきましては、ただいま総裁のほうからお話のございましたように、低ニコチン、低タールに関するたばこの開発、それから特殊フィルターつきたばこの開発、それからアメリカン・ブレンドといいまして、主として特殊加工を中心としたたばこの開発研究、それから日本に古来からあります在来種を中心といたしました研究開発、こういう四つにしぼって研究を進めておる現状でございます。
  141. 広沢直樹

    広沢(直)委員 問題は、先ほど売り上げとの関連で話しているわけですが、これは人体に非常に影響があるということがはっきりしたならば、やはり将来この研究が進んでいくにしたがって、先ほど総裁が言われたたばこの売り上げを伸ばそうということにも大きく影響があるんじゃないか、こう考えられるわけです。ところが、この国際会議において特別講演に招待されたハーバード大学のマクメーン教授によれば、絶対害があるんだということを強く主張している。それに対して、日本の人たちは存外こういうことに対してはまだまだ研究がおくれておるのではないか、そういうようなことから、国民としてはたばこの害ということは十分に認識されてないような状態にあるわけです。したがって、その間においては、これは漸増的にせよ、一応売り上げというものは宣伝によっても伸びていくでしょうけれども、その反面において、先ごろ、公社のほうでも考えてニコチンあるいは、タールの含有量というものを発表しております。これは発表しただけであって、それがどれだけ人体に影響があるかどうかということについて、それが欧米諸国のように、この程度は影響が、害がありますとはっきりと表示しながら、あるいはたばこの表示の中にそれを書き込む、それぐらい徹底はされてないわけです。この問題については日本の国立癌研究所の平山博士ですかも、確かにこれはあるということは言っているわけです。  そこで、この問題に関して、たしかここには書いてありますが、これは高岡さんも確かにその大気汚染との関係なのか、あるいはたばこが直接そういった肺ガン等の大きな原因をしているのかはっきりわからないということをお話なさっていらっしゃるのですが、その点に対しての見解はどうなっているかということを、もちろんいま厚生省のそういった関係からお伺いすればよくわかると思うのですけれども、きょうは来てもらっておりませんので、ひとつ高岡さんにお願いしたい、こう思っておるわけです。
  142. 高岡市郎

    ○高岡説明員 実は、国際ガン会議のパネル討論に二通りございまして、一つは、肺ガンそのものを医学的に攻めた接触が一つあったわけでございます。それからもう一つは、禁煙運動の方法とその成果というパネルディスカッションがございました。この場合問題になりましたのは、禁煙連動の方法と成果というそのパネルディスカッションのほうで、日本の禁煙運動に対する理解が非常に少ない、薄いのじゃないかという議論がなされたようでございます。  確かに、医学的な問題につきましてはさておきまして、その後私どものほうでいろいろ議論いたしまして、また、厚生省のほうでもいろいろ科学的な会議を持ちまして専門のお医者さんに見解を問うた会議がございます。また、われわれももちろん平山先生の御意見なり、あるいはいろいろの会合の席上で私ども公社でお願いしておる委託研究者の先生方に見解をお伺いいたしますと、やはり疫学的な研究の場においては、最近大気汚染あるいは気象説それから喫煙説と、いろいろあるけれども、最近の傾向としては、病理学的な裏づけと疫学的な研究の裏づけとがほぼ一致している方向に出ているということはいわれております。  しかし、多くの医学者は、まだ日本の肺ガンの発生というのは非常に特異的であるということ、特に欧米に多く見られる扁平上皮ガンが非常に少なくて、いわゆる腺ガンといわれるガンが多い。扁平上皮ガンはむしろ喫煙との関係があると現在いわれているわけでございますけれども日本の場合には内分泌腺とかいろいろな腺につく腺ガン、これが多い、これはいわば喫煙との関係ではなくて、むしろ体質的なものであるということがいわれております。  それからもう一つ、未分化ガンというのがございまして、これははん痕ガンあるいは微小ガンといれるただ分化していないガンでございますが、そのうち日本では腺ガンが非常に多いということが非常に特異的であるということ、それからもう一つ、喫煙人口がふえてないにもかかわらず、日本の女性の場合には腺ガンの患者が非常に多くなっている、こういう特異なものがございます。  それから気象学的に見てまいりますと、ロンドン、ニューヨーク、東京というものを見ますと、東京の肺ガンの発生というものはほかの二都市に比べると低い、これはおそらく雨が多いということによって大気がきれいになっているということの一つの証拠ではないかというようなことでございますが、そういう意味で、日本の肺ガンの発生というものは非常に特異的であるということと、それからもう一つ日本における肺ガンの問題だけではなくて、世界各国でまだガン原物質そのものの本体がつかめていないということがございます。それからもう一つ、気象的な要因というものは、たばこというものは、一年にあるいは一日に何時間あるいは何分間しか吸いませんけれども、大気というものはわれわれ死ぬまで呼吸して吸っているので、むしろそういうふうな要因が多いんじゃないかという説もございまして、長期にわたる多量の喫煙というものは何らかの害があるのではないかという結論が医学的には出ております。
  143. 広沢直樹

    広沢(直)委員 そこで、一応ガン原物質の実体は世界的にいってもまだこれは解明されておらない。しかしながら、いま最後にお答えがありましたように、確かにこれは多く吸うということも害があるのではないだろうか。ニコチンそのものあるいはタールそのもの自体が人体に影響があるということは、これは医学的に全然無害であるということではなくて、医学的には有害であるということが一言えるわけでしょうから、それもやはり過ぎるとすべてが害になってくることは何ごとも当然ですけれども、やはりそれがたび重なって——私も愛煙家の一人なんですが、そういうわけで、これが長いこと十年、二十年とずっとやっていくうちに、たばこを吸っている人自体が医学的に考えたときには肺ガンになる率が非常に多いし、死亡率も多いというデータも学会では発表されておるわけです。  したがって、いまこの問題が確かに一歩進んで、国民の健康、衛生の上から考えていったときには、公社の側に立っていえば、これだけの益金をあげてやっていかなければならないのですから、それは企業体として害がありますということはなかなか言いにくい問題ではないかと思う。それをまっこうからかざして、そうしてたばこの売り上げをあげようなんということはとうてい考えられないことである。   〔委員長退席、藤井委員長代理着席〕 しかしながら、アメリカあたりにおきましては、これは民営で行なわれている。したがって、厚生省自体でも確かにこの程度の害があるということをはっきりと打ち出していっているし、そういった見地において、各業者のほうもその点を一応認めて、いま言ったたばこには表示をしていくというふうに、健康留意の上から考えた手を打たれているわけですね。ところが、わが国のように専売で、独占企業で、しかもそれを政府機関でやっているわけでありますから、まだまだその結論が完全に出てしまうまではその手は打っていかないんじゃないか、とすると、前の国際会議で話があったように、この新聞には出ておるわけですが、その研究は相当進んでいる。この問題については肺ガンの急激な増加という問題が出てくるんじゃないか。終戦当時非常に少なかったものが——当時は年間の肺ガン死亡者というものが七百人ぐらいだったものが、現在においては、これは昨年ですが、四十年度においては八千人近く、十倍近くにものぼっている、こう発表されておりますし、こういった面に目を注いでいくならば、まだまだどんどん解明されてふえていくんじゃないか、その要素を持ったものがふえていくんじゃないかということが考えられるわけです。  そこで、このときに、問題になっておりました公社と厚生省、そういった関係における連絡会議的なものを設けて、研究と相まって、やはりそういった問題に対して真剣に取り組んでいかなければならないのじゃないか、こう考えるわけでありますが、総裁からそういった点についてのお答えをいただきたい。
  144. 東海林武雄

    東海林説明員 非常にごもっともな御意見でございますが、いままででも厚生省のほうとは連絡をとってやっておりますし、この問題につきましては、今後さらに緊密な連絡をとってやっていきたいと思っております。
  145. 広沢直樹

    広沢(直)委員 そこで、そういった関係から考えてまいりますと、当然今後の問題として考えられることは、やはり売り上げを相当伸ばしていかなければならない。売り上げが伸びていくならば、もちろんその利益というものは多少増加していくわけでありますから、いま言ったように、原材料が多少伸びようと、あるいはまた、消費税というのは率がきまっておりますから、率の改正がない限りは大きく変わるわけがありませんが、そういうような経費的なものはどうしても増大していかなければならないようになってきます。そこで、この売り上げが、いま言ったように、消費量というものは大体限界線にきて、そして漸増的な状態になってきている。それに加えて、いま言ったような医学的な問題に大きな疑問を持たれるようなこういった製品の問題について、売り上げそのもの自体を急激に伸ばすということは、先ほどお答えにあったように、考えられなくなってくる。となりますと、当然この専売納付金というものもだんだん少なくなるんじゃないか、これは常識的に考えてそういうことがいわれてくるわけであります。  ところが、先ほどお答えがありましたように、やはり財政的に依存度が非常に大きいという立場で考えてまいりますならば、先ほど論議になっておりましたが、当然ある時期において値上げをしなければならないんじゃないか、こういった問題に立ち至ってくるわけであります。それが、本年は値上げは見送りになっておりますけれども、来年あたりどうかという、そういう問題の焦点で先ほど論議が繰り返されておったわけです。それでもってあいまいなことになっておるわけですが、こういった現象から見てまいりますと、特に加えて、いま言った原材料、葉たばこというものの原価、これはどんどん上がってこなければいけないと思うわけです。これを押えてしまうわけにいきませんし、となりましたならば、この表から見ますと、今年度の作付面積というものは四十一年とそう変わりないくらいのことになっておりますし、今後これを押えていくかあるいはまた減少さしていくかということにまで考えが出てくるのではないかと思われるわけです。それが特に問題点になってまいりますが、それができないとするならば、当然これは製品値上げということにやってこなければ、もう経費の増大は考えられぬということになる。  ですから、その点は、専売納付金を減少さしていくというたてまえで考えていくならば——この専売納付金のいわゆる利益率というもの自体は、これはほかの製品に比べて相当高いわけですね。ですから、これは他の製品と同じというわけにいかないでしょうけれども、その率が五五・九%くらいある、これもだんだん低くなってきているわけですけれども、これは将来においても減ってくるのが当然ですが、どの点までその点を考えているのか。企業的に考えたら利益率というものが一番問題になってくるわけであります。ところが、これは専売としてやっているわけでありますので、公社的な存在でやっていますので、一がいに利益ばかりを考えてやっているわけではない。しかしながら、この率というものも、ある程度どの辺まで考えているのかということを——まあそれが三〇%とかあるいは二〇%とかいう率までを考えているならば、当然値上げの問題は昨今問題にしなくてもいけるんじゃないか。しかし、これはどうしても財政的な依存があるので、大体専売納付金というものはこの程度のもの、これでいえば二千億近くですね。この前後でありますが、そういった点に関して、依存度というもの、ある程度の財政依存ということを考えているならば、当然この利益率というものは大きくなっていなければならない。そのままを継承していくならば、値上げという問題が、いまは、来年度はわからないと言っても、先ほど総裁かだれか答えておりましたが、普通商業的に考えていくならば、この時期において値上げ考えるのはあたりまえの話であるけれども、いろいろな事情があって来年度は考えられない——まあ、考えられないというのか、まだそのことはわからないというあいまいな答弁であったわけでありますけれども、いま申し上げました率というものをどれくらい考えていらっしゃるのか、それをお答えいただきたい。
  146. 海堀洋平

    海堀政府委員 特に率が幾らでなければならぬということはございませんということをけさ申し上げました。ただ、専売はこういう益金納付という形でございますけれども、結局税金と同じだと思います。だから、諸税間のある時期の均衡というふうなものと、それから諸外国のそういったたばこに関する税金の率というふうなものが参考になるのだろうと思います。ただ、幾らでなければならぬかというものが絶対的にあるというものではございません。
  147. 広沢直樹

    広沢(直)委員 そこで、それであるならば、いまの納付金制度というものは、諸外国にも例が二、三あるようでありますが、やはり総売り上げに対する一定率をかけたもの、いわゆる税金的なものであるならば、そういった考え方が当然論議になると思うのですが、その点についてはどういうお考えでありますか。
  148. 海堀洋平

    海堀政府委員 売り上げに対する率でかけますと、専売公社は結局売り上げが伸びれば、率ですから、税金も伸びていくということで、その範囲内でコストをまかなわなければいけないのですが、現在のところは、率できめたのでは、その率を一年こっきりで、二年目にはたして維持できるかどうかは非常に疑問だと思います。
  149. 広沢直樹

    広沢(直)委員 その率のきめ方にも問題がありますし、また一長一短あるのですが、ある程度の低い率できめておきますと、公社内におきましても、それだけ売り上げが上がり、あるいは経費の節約した分が余裕金として残ってまいりますし、そういった問題も当然生まれてまいりますから、一長一短というものはあると思うのです。ただ、先ほどの値上げの問題になるのですが、値上げという問題については、いまのところはお考えにないように伺っているわけですけれども、先ほどから申しております税制調査会、これは当然価格改定を要するというようなことを言っております。それにつれて、大蔵省としてはこういうのがあるのですが、所得税の大幅減税を実施するためにはたばこ値上げもやむを得ないとあらためて判断し、四十三年度から一本につき一円値上げする方向で検討を始めているというのがあるわけです。そういうふうに仄聞しているわけですが、この点についてはどうでしょうか。
  150. 小沢辰男

    ○小沢政府委員 たばこ値上げ問題は、昨年から本委員会においても他の委員会においてもいろいろ御議論ございまして、私どもは、十六年も上げてない、上げてないということは、実質的な減税をやってきているわけでございまして、また、先ほど先生もおっしゃいましたように、いろいろ諸経費から考えてみますと、これはもう当然上げていいんじゃないかと思う。また、地方と国とのいろいろ不合理な点もございます。ただ、しかし、一にかかって物価政策というのが大きな政治的な私どもの命題でございますので、そういう観点からその時期ではないというので、今年は値上げをしないということにしたわけでございます。  したがいまして、今後の検討は、やはり私ここで申し上げられるのは、先ほども申し上げましたように、値上げするともきめてないし、値上げしないともきめてないわけでありますけれども、一にかかって物価問題に対する全体のいろいろ検討から結論を出していくことが政府の本問題に対処するきめ手になるのじゃないか、こう思います。先ほど来只松先生も、それから先生も、当分値上げしないそうだがという御質問といいますか、その御質問の過程でそういうお話でございますけれども、そういうふうにきまったわけでもありません。そういう点は、やはり高度の政治判断を要する問題でございますので、ただ専売事業の観点からのみ判断するわけにもいきません。今日のところはその程度でひとつ御了解願いたいと思います。
  151. 広沢直樹

    広沢(直)委員 いまお伺いしたのは、要するに、ある報道によれば、すなわち、大蔵省は、所得税の大幅減税を実施するためには当然毎年毎年やっているわけですから、そういった財源的に考えてみても、こういうふうに二十六年から据え置きになっている、他との比較をして、そういう面で当然値上げもやむを得ないんじゃないか、こういうふうなことの判断の上に、四十三年度からの具体的なたばこ値上げについて検討を始めているというニュースを仄聞しているわけでありますが、そういった事実があるのかないのかということを聞いているわけであります。   〔藤井委員長代理退席、委員長着席〕
  152. 小沢辰男

    ○小沢政府委員 おっしゃるように、値上げ問題については検討していることは事実でございますが、検討しているということが、直ちに値上げにつながってこないわけでございます。やはり他の政治的な、政策的ないろいろ考え方というものがあるわけで、物価政策という非常に大きな問題がございますので、それと一方、所得減税を大幅にやるためには非常に大きな財源が必要でございます。したがいまして、結論を申し上げれば、財政全般のいろいろな見地、それと物価政策の見地、そういうことのかね合いできめていくべき問題でなかろうかと思います。が、しかし、いろいろ事務当局として検討していることは、それは事実でございます。また、したこともあるわけでございます。
  153. 広沢直樹

    広沢(直)委員 要するに値上げ問題は、一般の、特にたばこの消費者にとっては、相当の嗜好品として、もう離れられないものである。単に、先ほど言ったようにたばこの害があるからということで、そんならやめようかという簡単なものではないわけでして、やめたいと思ってもなかなかやめられない、こういう状況にあるし、切っても切り離せない状況にあります。まして、たばこに現在かかっております税金の率から考えてみても、それだけから見た場合は相当大きいわけでして、したがって、この値上げ問題について、先ほど申し上げました財政的な納付金依存度というものを大きく考えておりますと、こういった問題はすぐにでも売り上げの伸び率が落ちてくるし、あるいはいま言った経費的なものが上がってくるということになると、もう何といっても値上げという問題にすぐ結びついてくる問題で、相当この点に関しては今後ともまた論議してまいらなければならないと思うわけでありますけれども、やはり先ほど来お話にもなっておりました利益率が非常に高いということならば、これはある程度、いま言った見地から考えていっても、他と比較して値上げ考えていくのではなくて、そのもの自体である程度値上げを押えていくことはできないか。当然たばこ値上げ等に関連しまして、ほかの一切の問題も値上げ論議というものがまた起こってくることも考えられる。二十六年からたばこ値上げはしていないから、これは考えるべきではないかという税制調査会答申のようでありますけれども、しかし、それと現在の時点における考え方というのは、また一つの違った考えがあるのじゃないかと思われるわけです。  その点に関して、意見として最後に申し上げておきたいことは、値上げに関しては極力押えていくべきである。当然、利益率の上から考えていっても、あるいは諸般の情勢から考えていっても、現在あるいは来年度においてもこれは値上げすべきではない、そういうふうに考えておりますし、そういった点に関して、極力値上げをしないということの前提の上に立ってひとつ御研究願いたい、そのことを申し添えて、質問を終わりにしたいと思います。
  154. 内田常雄

    内田委員長 次は、唐橋東君。
  155. 唐橋東

    唐橋委員 たばこの災害補償に関する質問をいたすわけでございますが、その前に、一、二確認的な意味においてお伺いしたいと思うわけでございます。  一つは、たばこ消費税は、暫定予算で二百七十七億七千五百十一万九千円、本予算で千七百十一億四千三百二十万一千円、合わせて千九百八十九億一千八百三十二万円、これが本年度の消費税として見込んでいるもの、それから専売納付金として見込んでおるものが千五百九十九億九千四百八十八万九千円、合わせまして、いわば税として考えられるのが三千五百八十九億一千三百二十万九千円と、こういうように理解していいかどうか。
  156. 海堀洋平

    海堀政府委員 いまの暫定予算のは本予算の中に含まれますので、これは二重計算になっておりますので、その暫定予算の数字だけを引っぱっていただいた額、したがって、本予算のほうの両方を合計していただいた額と了解していただきます。
  157. 唐橋東

    唐橋委員 わかりました。  その中で、これを見ていきますと、塩事業勘定の十八億五千八百九十万七千円というものが塩事業では当期の欠損だということで、これはいまの消費税並びに納付金から差し引いてその分を今度食っている、こういうことになりますか、そういうことでありますので、実質上、たばこ関係の納付ということになると、これを加えていいかどうか。
  158. 海堀洋平

    海堀政府委員 そのとおりでございます。
  159. 唐橋東

    唐橋委員 もう一つ確認をしておきたいのですが、この予算書の四五ページの日本専売公社事業損益及び専売納付金予定額の中で、下のほうに千七百七十四億四千三百四万八千円という数字が出ておりまして、その下の欄に資産純増加額の一部控除という項が百七十四億円以上出ておるわけですが、普通の損益ならば、やはりその中で、塩事業勘定ならば塩事業勘定、たばこ事業勘定ならばたばこ事業勘定の中で資産関係が消化される、合わせて最後に資産関係が一部控除される、こういう点は、私何かまだ理解できないのですが、これはどういう意味なんですか。
  160. 海堀洋平

    海堀政府委員 葉たばこ事業勘定はそれぞれ損益計算をいたしまして、純益が千七百七十四億四千三百万円になります。ところが、そういう事業全体に対しまして内部留保を百七十四億四千八百万円認めよう、これは固定資産並びにたなおろし資産に対する内部留保を百七十四億円認めましょうということでその純益から差っ引きまして、その差し引きが納付金として千五百九十九億四千八百万円となっておるわけでございます。したがって、千七百七十四億円出るまでは、これは完全な損益計算でございます。あと事業として、そういう損益が出たものに対して幾ら内部留保を見るかという問題でございますので、これはこれでいいんだろうと思っております。
  161. 唐橋東

    唐橋委員 一応了解いたしました。  これだけの専売納付金並びに消費税という、三千億円をこす税になっておるわけでございますが、これだけのものがある場合に、耕作者の立場に立ってみますときに、非常に災害補償というものが少ない、少ないというよりは、補償体系というものが十分でない、こういうことがいろいろな場合に出てくるのでございまして、それらに対する質問でございますが、補償の条件の中で四点ほどあると思うのです。  その四点は、御承知のとおりでございますから省略いたしまして、これらの点について、ひとつ基本的なものとしてお伺いしたいのは、収穫前災害と収穫後の災害が同一に算定されているけれども、これはそれでよいだろうかという疑問が実はあるわけでございます。  御承知のように、三割以上の損害を受けた、こういう場合に、耕作中もやはり三割それから収穫後もやはり三割、こういうことになりますと、たばこ耕作のような非常に労力だけが中心になる作物で、収穫までのあの乾燥したり、取り入れたり、天候によって毎日働いておりますが、そういう収穫の終わったときの災害と、まだ畑にあるときの災害が同一に三割ということで見られていることは非常に矛盾でないのかということを耕作者の立場では言われるのでございますが、それについてのお考えをひとつお伺いしたいわけでございます。
  162. 大塚孝良

    ○大塚説明員 ただいまの唐橋先生のお話でございますけれども公社の災害補償の考え方というものは、原料を確保するために、耕作している方が安心して栽培ができるように、全損の場合でも五割、それから場合によっては七割まで補償いたしましょうという考え方に立っておりますので、その労力とか資材を投下した量に対してどれだけ補償をいたしていくという考えではないわけでございます。
  163. 唐橋東

    唐橋委員 いまのような考え方は実際わからないわけじゃないんです。ですが、やはり耕作者の立場になってみますと、同じ全滅でも、畑にあるうちの全滅と、それからほんとうに労力をかけていって、もう収納直前の全滅というものに対しては非常な違いがあると思うわけでございます。そういう場合に、いまのような補償四条件というようなことについては、やはり耕作者の立場においては了解できない。といいますのは、やはり同じ率を見ていく場合でも、労力を一ぱいかけていった場合のものと、労力をかけていかない場合のものは、やはり根本的に災害補償の場合に一つ見られないものだろうか、こういう考え方なんです。ですからこれは、ひとつ、いまの法律でこうだということよりも、総裁あたりのほうから、こういう基本的な災害に対する御意見をいただきたいと思います。
  164. 東海林武雄

    東海林説明員 いまの収穫前と収穫後の災害の補償の差異というものはお説のとおりだと思いますけれども、実際問題としてはなかなかむずかしい問題なんで、これはなおひとつよく検討させていただきたいと思います。
  165. 唐橋東

    唐橋委員 なおあとで議論の時間があれば、もう少し伺います。
  166. 平林剛

    平林委員 ちょっと関連して。  ここ一年ばかり火災によって損害を受けたというのは、どのくらい件数があるのですか。ここ一、二年どんな状況になっておるか、ちょっと説明してください。
  167. 大塚孝良

    ○大塚説明員 四十一年の発生件数を申し上げますと、三百三件でございます。面積はちょっとわかりませんが、これを地方局別に申し上げますと、東京が二件、水戸が三十件、宇都宮が二十件、高崎が十八件、郡山が二十九件、仙台が三十八件、名古屋が八件、金沢が十件、大阪が八件、岡山が六件、広島が二十八件、徳島が二十二件、高松が三十二件、福岡ゼロ、熊本が二十七件、鹿児島が二十五件、合計三百三件でございます。
  168. 唐橋東

    唐橋委員 もう一つ、原則的な問題で、実際の取り扱い上で三割という場合に、やはり収穫前に、ことし干害で非常にひどい地方がございます。私も一週間ほど前行って見たとき、干害で二割なら二割減った、そのあとで収穫後一部今度類焼して一割減った。そういう場合に、合わせていけば三割以上になるということがまま出るわけでございますが、実際の取り扱いとしては、前のほうも二割以下だ、あとのほうも二割以下だということで、申請を出すというそういう指導が実はないということなんですよ。こういう点においては、いままでどういう指導をされておるのか、お聞きしたいと思います。
  169. 大塚孝良

    ○大塚説明員 そのとき単独で二割なら二割と判断されて出されないような場合に、あと、先ほどお説のように類焼というような場合には考えて出すように指導いたしておりまして、収納結果が三割以上の被害になった場合には、災害補償金を払っております。
  170. 唐橋東

    唐橋委員 じゃ、こういうふうに確認していいですね。いろいろな災害が、一つの災害であっても、あるいは二つ以上の災害であっても、収納後、前三年間の平均の三割以下に下がった場合には必ずこれは災害補償として出してよろしい、こういうように指導されていますか、はっきりと。
  171. 大塚孝良

    ○大塚説明員 ただし、たばこ専売法とその施行規則にございます法定災害の場合だけでございます。
  172. 唐橋東

    唐橋委員 私は現場におりますから、そういう点の不徹底さということは、個々の場合にいろいろな事例を持っています。が、その事例はここで一つずつ出すことは時間的にも余裕がございませんので、あとでいろいろ具体的な中でお話し申し上げたいと思いますけれども、この点の不徹底さというものはよく徹底さしていただきたいということをまずひとつ要望し、そのことに対する御返答をお願いしたいと思います。
  173. 大塚孝良

    ○大塚説明員 その点、今後徹底いたさせます。
  174. 唐橋東

    唐橋委員 それから一番問題になりますのは、「適当の管理を怠り、又は自己の責に帰すべき事由により災害を発生せしめ、若しくは被害の程度を大ならしめたと認められるとき。」というのが一番中心的な一つの条文にもなっておるのでございますが、この「自己の責に帰すべき」という点の解釈が地方局によってまちまちでございませんか。
  175. 大塚孝良

    ○大塚説明員 私どもはまちまちだとは考えておりませんが、一番そういう点があいまいとお考えであろうと思われるのは、火災の場合だろうと存じます。  火災の場合に、私どもといたしましては、不可抗力によるものと、管理不注意によるものと二つに分けております。その不可抗力によるものというのを大体例で申し上げますと、まず類焼、それから落雷、漏電、放火、停電、ガス漏れ、突風、原因不明、これまでを不可抗力に入れてございます。それから管理不注意によるものと考えられるものは、乾燥機のバーナーの過熱と連なわ等の脱落、鉄管の過熱、給油中の引火、火の不始末、おもやの失火、子供の火遊び、その他、こうなっておりまして、こちらのほうは管理不十分というもので災害補償を支払っておりません。
  176. 唐橋東

    唐橋委員 その中で、いろいろ具体的な例について意見を出したいのでございますが、一つ例をあげてみますと、火災の原因の中には子供の火遊びというのが非常に多いのです。御承知の消防白書を見てみても。その中で、地方局によって、子供の弄火はこれは不可抗力、こちらに該当すると認めておる局と、いまお答えいただきましたような形で認めていない局と、はっきりありますが、そういう点は御承知ですか。
  177. 大塚孝良

    ○大塚説明員 その点は承知いたしておりません。
  178. 唐橋東

    唐橋委員 たとえば八歳以下、学齢以下の子供の場合には、どうしてもこれは被害が自己の責めでない、注意していても子供が——ほとんどもう留守になるような場合があるわけですね、農家というものは、これは農家の実態として、たいへんですよ。子供が留守中にちょっと火遊びをした、これはいかに監督をしたいと思ってもしようがないのだというような考え方の中から、いまのように子供の弄火というものは、自己の責めでないのだという断定を下しておる地方局があることも私は知っております。そういう地方局ごとの調べというものを具体的にひとつあとで出していただきたい。私も質問通告のときにそういう地方局ごとの例を出してください、出しましょうということだったのですが、今日まで届かないのですよ。これはやはりひとつはっきりと、地方局の具体的な事例を出しながら、あとで資料をいただきたいと思うのでございます。
  179. 大塚孝良

    ○大塚説明員 なおよく調べて、御提出いたします。
  180. 唐橋東

    唐橋委員 具体的例を一つ出してみたいと思うのです。これは質問通告いたしましたときに、現地の調査をされて、あなたの手元にはありますし、その調査の内容等も私は知っておりますが、福島県の耶麻郡に起こった一農家の災害でございますが、これはほとんど収穫前にいわば自分の家屋もたばこも全焼いたしました。原因については、推定はふろの煙突から出たのだろう、こういう推定であるわけなんです。そして、その耕作者というのは、あなたのほうへの報告も出ていると思うのですが、非常にまじめな、熱心な年来の耕作者です。それは全身やけどを負うて、二カ月以上の入院をした、実に気の毒な例なんですが、その場合に、私も近くですから見舞いに行きましたら、まず第一に来たのは、これはあとで議論したいのですが、全焼したときに、原因についてあなたたちのほうの職員が調査に来ました。そして復命をして、それによって、これは災害補償を請求しても出せないものだという判断がすぐに出ました。それならば、警察署のほうではどういう証明が出ているだろうということで、警察署長に私会いました。聞いてみますと、署長のほうは実に明快です。私のほうでもし原因を書いた証明書を出して、それが基本となって農家に災害補償がいかないとするならば、農家からあるいは裁判になるかもしれない。失火だと思ったものが、あとで放火であったということになるかもしれない。もしそうなった場合には、災害補償は今度は警察の責めに帰すかもしれないので、私のほうは、火災の現場証明だけであって、原因については一切書いてありません、こういうことなんですね。それほど慎重に警察のほうで取り扱っているのに、いわば、私たちから見れば、火災原因の調査にかけては非専門の専売局の職員が二名ないし三名行って、一時間や二時間の聞き込みや、新聞で見て、その報告書が実は生きて、これはもうだめなんですという判断がすぐに出されるのです。これが実情です。だから、私は専売局の局長さんにもお会いしました。どうなんですか、あなたのほうで、この推定がもし間違ったということが三月後、半年後に出たときには、賠償の形の補償を出しますかというと、そういう事実はいまだありませんと、こう言うのです。  ですから、ひとつお伺いしたいのは、あの調査に行く職員にはそのような専門的な指導が——警察官は毎日、三日も四日もかかって原因を調べるのですよ。それでさえ不明のものがずいぶんある。そういう場合に、単なる新聞記事や聞き込みで、その報告で、これは該当します、該当しません、該当しないから、これは出してもだめですよという指導をしているわけなんです。こういう場合に、あなたのほうは、警察官と同じような調査指導ということは専門的におやりになっているのですか。
  181. 大塚孝良

    ○大塚説明員 火災原因について、警察官以上の専門的指導は、残念ながらいたしておりません。
  182. 唐橋東

    唐橋委員 私は、実はそういう紋切り型の答弁をいただくとは思いませんでした。そういうのはあたりまえのことなんです。ですから、あなたたちが事務的に取り扱う報告認定ですね、これが実に軽く取り扱われているということ、この現実だけは私はあなたたちに認めていただきたいのですが、どうですか。
  183. 大塚孝良

    ○大塚説明員 軽々しく認定しているとは考えておりませんです。
  184. 唐橋東

    唐橋委員 おそらく軽々しくやりましたという御答弁はこの場でできないと思います。現実は、一時間や二時間現場に行って聞き込みでつくった報告書なんですよ。警察官は三日も四日もその現場に行って、焼けあとをひっくり返して原因調査をしていますよ。そして、証明書は何かというと、いま申し上げましたように、火災の原因について、もし私のほうで書いたならば、それがきめ手となって、損害に該当するかしないかという証拠になるならば、私のほうは書かれませんと、こう言う。これが現場における実態だということだけはお認め願いたいわけです。そういう事情にあるということは理解できますか。
  185. 武藤山治

    ○武藤(山)委員 関連。  総裁にちょっと詰めてみたいのでありますが、いまの質問を聞いておって、過失にあらざるそういう火災というのはあるのですよ。そういうものが全部ことごとく、火災のものはもう補償せぬのだといって、三百三軒のものが泣いているという事実は、ほんとうに耕作農民にしたら気の毒です。一年ばかり前にこの質問をされたときにも、総裁は、検討させます、こういう答弁をしていますよ。議事録にありますよ。火事の場合にも、過失の場合、それから全く他の原因で延焼してきた場合、いろいろな場合があるわけです。あるいは子供が留守居をしておったときの失火——ひとつ、公社はそういう例を具体的に幾つかあげて、この程度の場合まではひとつ補償してやろう、どうしても補償できないのはこういう場合だという具体例をつくって、早急に措置できるように検討願いたいと思いますが、総裁見解を確認をしておきたいと思います。
  186. 東海林武雄

    東海林説明員 その点はよく検討させていただきます。
  187. 唐橋東

    唐橋委員 結論はそれでいいわけでございますけれども、ただ、もう少し二、三伺いたいのは、原因不明なものは、いまのお答えで、全部賠償のほうに入っていますか。これをひとつはっきりしてください。
  188. 大塚孝良

    ○大塚説明員 私のほうとしましては、原因不明は災害補償を支払うほうに入れてございます。
  189. 唐橋東

    唐橋委員 その点、さっきの質問と関連するのですが、各地方局でまちまちでございませんか。まちまちでないという自信ございますか。あなたたちの所管の地方局でその点に対する取り扱いがまちまちになっていないか、おりませんという自信はありますかということをお聞きしている。
  190. 大塚孝良

    ○大塚説明員 まちまちになっていないと思いますけれども、なおよく検討いたします。
  191. 唐橋東

    唐橋委員 もう一つ、たとえば失火であったと思ったのが、今度放火であったとあとでわかったという場合は、今度当然賠償する原因が生じたわけですね。そういう場合に、出先の局が親切に、今度はあなたのほうはあれなんですよというような指導——出させるというような指導はやっておりますか。一たんきまったものは、もう出てこないのだからしかたがないんだ、出てくれば検討しましょう、こういうかまえが実は見えるのですけれども、そういう場合には出していいのだという耕作者の人たちへの指導、毎日指導していますから、あなたたちの職員と耕作者というのは実に密接ですよ。そういうほんとうに密接な第一線の指導者に、そういうことを徹底していく教育なり指導なりをいままでしておりますか、おりませんかということをお聞きしたい。
  192. 大塚孝良

    ○大塚説明員 いままではしておるつもりでございます。
  193. 唐橋東

    唐橋委員 それではひとつはっきりと、要望の意味を含めて、その方針を出していただきたいのです。やはり火災の原因というようなものは、多くはあとでわかります。あるいは原因不明なものもずいぶんあります。そういう場合に、やはりあとから、もう三月なり半年なり過ぎてしまって、収納代金は全部終わってしまった去年度の分であったとしても、もし災害に該当するような場合には当然出していいんだぞということを、あらためてひとつ下部末端に徹底する指導をしていただきたいと思うのですが、指導できますか。
  194. 大塚孝良

    ○大塚説明員 具体的事例で指導したいと思います。
  195. 唐橋東

    唐橋委員 それから、さっきの問題をもう一度確認しておきたいが、地方局の実施細目基準はあとで出していただけますね。
  196. 大塚孝良

    ○大塚説明員 地方局にそういう内規は、規定としてはございません。
  197. 唐橋東

    唐橋委員 とんでもない話ですね。ないのですか。あとは、あなたたちの手元にあるのはこの四項目だけですよ。それが細分化されずに——さっき話したように失火の場合、原因不明の場合は該当する、しない、その基準は地方局でやっているのでしょう。その地方局がその基準がないということならばたいへんですよ。私はその基準を出せますかということを言っているのです。ないはずはないですよ。ないならば、いままでどういう基準でやっておったのか、かってにやっていたのですか。
  198. 大塚孝良

    ○大塚説明員 地方局ごとにはございません。本社にはございます。
  199. 唐橋東

    唐橋委員 本社にあるのですか。ほんとうに本社にありますか。何だかおかしいな。じゃ、はっきり言いますよ。私はこの資料を要求したときに、そういう基準は本社にはこざいません——本社にあるのはこれだけなんですよ。地方局のそういう失火の場合は、天災だから該当しない。火災の場合を言っているんですよ。子供の弄火の場合にはどうなんだ。たとえばいま武藤さんが検討しますという、そういう検討基準というものがあって、初めて災害に該当するんだ、しないんだ——いわゆる故意のものであるか、故意のものでないのか、過失であるか、過失でないのか。この事例がなくてただやっているんですか。それは本局にありますか。私は連絡されておいでになった人に聞きましたら、これは地方局ごとにございますと言うんです。それを今度は、本局にあって地方局にないんだ、地方局にいまのところないんだという。そうすると、地方局長はいままでどういう基準でやっておったんですか。だから私がさっき言ったでしょう、子供の弄火一つをとってみても、地方局で違いますよ。子供の弄火を災害に該当させている局と該当させていない局がありますよ。どこの基準になるのですか。
  200. 外山尚正

    ○外山説明員 補償金の問題につきましては、たばこ専売法並びに同施行規則、並びにこれを受けました公社内のたばこ災害補償規程というものがございますが、これを全国的に適用いたしております。それで、各局ごと、ばらばらというものはざいませんという意味で部長が申し上げたのでございます。
  201. 唐橋東

    唐橋委員 さらにたいへんになりましたな。私はいまあなたが言われたのを持っております。これ以外にないのですね。これ以外にいわゆる実施細目的な、あなたたちの指示事項の中で、こういう場合はどう取り扱えよという、細目といっていいんだか、あるいは基準といっていいんだか、そういうものは具体的に地方局に示してないんですね。ことばは、あなたたちの中ではいろいろのことばを使っているかもしれませんけれども…。規則というかあるいは規約というか、取り扱い基準というか、そういうものはなくて、単にこれだけで、いまあなたが言われたこの条文だけで、あと一切地方局に基準がなくて、そういう細目がなくていままでの災害を取り扱ってきたわけですね。ひとつ明白にしてくださいよ。とんでもない問題だ、これは。
  202. 外山尚正

    ○外山説明員 ただいまの発言を取り消しますが、全国的にございますたばこ災害補償規程というものに準拠しまして、各局では名前は違うかとも思いますけれども、取り扱い手続に基づきまして実施をいたしております。
  203. 唐橋東

    唐橋委員 正式に言ってください。
  204. 外山尚正

    ○外山説明員 局によって違うと思いますが、たばこ災害補償手続だと思います。
  205. 唐橋東

    唐橋委員 もうちょっと明確に言ってください。
  206. 外山尚正

    ○外山説明員 たばこ災害補償手続だと思います。
  207. 唐橋東

    唐橋委員 だと思います。——だと思いますというようなことでいいんですか。明確にひとつ……。
  208. 小山光泰

    ○小山説明員 災害補償制度につきましては、基準と申しますのは、法律と省令でございまして、それ以外には基準となりますものはございません。ただ、手続的な事務のやり方等につきまして、本社のほうでは災害補償金の支払い規定がございますし、各地方局によりまして、その事務の取り扱いにつきましての内規がございます。しかし、これはどこまでも基準ではございませんで、どういう手続で申請書を出すとか、どういうふうに現地へ行って調査をするとか、そういう方法だけが規定してございます。したがいまして、省令及び法律に基づきまして実施をいたしておるわけでございます。
  209. 唐橋東

    唐橋委員 ようやく明白になりました。そうしますと、はっきりすることは、地方局長がこのあれにありますように、条文は読まなくてもあんたたちは暗記しているやつですから……。自己の責に帰するという判断は、私はずいぶんむずかしいと思います。法定災害ならこれはいいですよ。自己の責に帰するかどうかということは、ほんとうの善意の過失もあれば、また弄火の場合、火遊びの場合というようなものもあれば、いろいろ具体的事実についての判断というものは非常にむずかしいと思います。そういう場合に、私は基準と言ったんだが、あんたたちの受け取り方が悪いのですが、やはり取り扱い内規とか、いわば内規的なもの、こういうものはないですね。あとは、出た場合にこうするんだ、こうするんだという事務的な系統だけであって、地方局長が、これがこうなんです、こうなんですという判断を下す基準ですね。ことば上においては内規であるかもしれません。そういうものは局にはないのですね。あるのかないのか、答えてください。
  210. 小山光泰

    ○小山説明員 先ほど申し上げましたように、法律及び政令に基づきまして実施をいたしておりまして、あとは事務的な手続なんでございます。
  211. 唐橋東

    唐橋委員 私の言っておる趣旨のがあるのかないのか。
  212. 小山光泰

    ○小山説明員 それはございません。
  213. 唐橋東

    唐橋委員 これは総裁にお聞きしなければならない。これは私初めてわかりました。現場の耕作者が、そういう基準、内規ですか、私の言う基準ということばを理解していただきたいと思うのです。そういう基準がないために、三年前のものとことしのものが、また隣のもの、こっちのもの、いろいろ耕作者の立場からいえば理解のできない事例というものが間々出てきておる。その原因というものを私は初めてここで理解できました。過失といっても、善意による過失なんということは不適当かもしれませんが、どうしてもやむを得ないような過失があって全焼して、そして、これはおまえは失火なんだからだめなんですよと一蹴された場合、こういうものをどうするんだという基本的なものをいままで専売公社は持っていなかったということが、私はここではっきりわかったのです。さっき武藤さんの質問に対して、検討すると言うから私は実は引っ込めたかったのですが、これははっきりした内規的なものを十分検討してやっておかなかったならばだめだということが私はここでわかったのであります。これは総裁、ひとつ責任ある立場からお答え願いたいのです。
  214. 東海林武雄

    東海林説明員 この問題はいまお聞きしまして、私も実は知らないで、はなはだ申しわけないのでありますけれども、いろいろな場合が想定されます。それだけに、自分責任であるかないかということになりますと、その判断の結果、災害を受けられた方にとりましては重大問題なんでありまして、これは検討すると言うとおしかりを受けるかもしれませんが、いままでの事例もありましょうし、どうしたらいいか、これは本社でもって十分検討しまして、よく地方の者に徹底するようにしてみようと考えております。その点でひとつ御了承願いたいと思います。
  215. 唐橋東

    唐橋委員 いままで内規がなかった、これはやはり手落ちだ、こう私理解したのです。といいますのは、やはりそれだけむずかしい個々の判断なるがゆえに、それが地方局ごとに違わせたり、局長がかわったとたんに変わったり、こういうことはさせておけないということです。だから、これは本社のほうでいろいろな具体的な事例を集めながら、そういう内規的な、基準的なものをはっきりと速急につくっていただかなければならぬ。ですから、それはやりますという御返答をいただきましても、それが二年も三年もでは困るんですよ。こういうようなことは、半年ぐらいでほんとうに十分なということにはなかなかいかないとしても、なかったものをつくり上げていくということは、事務的にそんなにむずかしいことじゃないので、一応どのくらいを目安につくれるか、これをひとつお伺いしたい。
  216. 東海林武雄

    東海林説明員 早急にというと、またおしかりを受けるかもしれませんけれども、できるだけ早く御趣旨を体しまして研究さしていただきたいと思います。御了承願います。
  217. 唐橋東

    唐橋委員 総裁を信じます。  それでは、さっきちょっと出ましたが、前渡金の問題、これは正式には何というんですか、耕作する場合に前渡し金をやりますね。さっき私、事例をあげました人は二万五千円借りていました。たばこが全焼しました。前渡金だけ残っておりましたので、すぐ払いなさいときた。払いようがないのです。しかし、これはどうしてもことし納めていただかなければならないんだというので、あなたたちのほうは取り立てをいたしました。そこで、たばこ耕作組合が入って、たばこも納めないのなら、それは私のほうで身がわりをしましょうということで、ようやくたばこ耕作組合のほうが二万五千円を身がわりしました。しかし、身がわりしても、今度はことしの収納代金から利息をつけて払わなければならない。こういうことを総裁知っていますか。全く非情なものですよ。そういうときこそ、ほんとうにそのくらい見舞い金で上げられないんですか。全焼された家からどうしても前渡金を取らなければならないのですか、生産部長、あなたの気持ちを言ってください。
  218. 大塚孝良

    ○大塚説明員 現在の規則では、いただかないわけにはいかないと思います。
  219. 唐橋東

    唐橋委員 総裁にお聞きします。そちらは事務的にお答えになるが、あなたは責任者なんです。たばこが全焼したところから前渡金を取るんですか。
  220. 東海林武雄

    東海林説明員 いまのような場合は、前渡金は出してあります。ところが、焼けた原因が災害補償の対象にならないという認定をされた、この場合には自分で払うのがほんとうだと思うのです。しかし、いまのお話のように、その原因が非常にむずかしい問題がひっかかっているという場合はこれは別ですけれども——いかがですか。
  221. 唐橋東

    唐橋委員 取らないということにはなかなかできないと思います。しかし、現実は、あの農家は全身やけどをして医療扶助まで受けなければならなくなったんですよ。そういう場合に、これだけの税金を納めているのですから、公社だって——個人の会社だって自分の従業員に見舞い金を出しますよ。公社なるがゆえに見舞い金がいかないのです。同時に、あなたたちは事務屋さんだから、どうしても取り立てなければ会計監査のほうからおこられる、そういうことで取らなければならないという返事がくるのは私もわかるのです。そういうのも含めながら、ほんとうに火災という悲惨な——台風や何かのように大規模でないために全国的な問題ではないとしても、この三百何軒の耕作農家というものは、個々的に言えばこれは全く悲惨な生活に入ると思います。そういう場合にはどういうようにしてやるかという、ほんとうに耕作農民を大切にしていくかまえがいままでなかった。なかった一つの事例がいまの前渡金です。だから、さっき申し上げたように、そのような判断と同時に、いまのような問題で、火災の場合の前渡金については、それでは延納してやるとかあるいは年賦払いにしてやるとか、そういうような基準がないからこそ、いまの話のように取らなければならないということになってくる。だから地方の人たちは取らなければならないのです。取りに行った人が気の毒なんです。取れないところから取ってこなければならぬのです。そういうのも含めながら、さっき御答弁いただいたように、全体的な検討をしていただきたいと思うのでございますが、もう一度、くどいようですが、御答弁いただきたい。
  222. 東海林武雄

    東海林説明員 いまのような問題が起こりますと、いまの公社の立場からいたしますと、まあ規則というとしかられますが、規則は規則ですが、しかしそれは、そういう事態になったということは私も知りません。しかし、いまお話のように、たとえば会社の従業員がそういう災害にあった場合には、見舞い金を出すということはあります。そういう意味で考慮するのは当然だと考えるのです。しかし、これは私個人だけの考えでございますから、規則の上にそれを盛るかどうかということは、先ほど申し上げたように検討いたしますが、いまの事態に対しては、なお実情をよく調べまして、私自身でできますことは、お見舞い金でも何でも処置をとりたいと思います。
  223. 唐橋東

    唐橋委員 総裁の気持ちはわかりました。けれども、規則は規則だということが何だかひっかかりました。やはり規則はこれだけの規則なんです。あとはあなたの権限内における一つの細目的なものがあると思います。延納もそうです。分割払いもそうです。だから、そういう規則的なものを、責任者として、私が申し上げたような気持ちでひとつ今後御検討願いたい、こういう趣旨です。  次は、これは実は私もはっきり出すか出さないか迷ったのですけれども、やはり出して、総裁にも知っておいていただきたいと思いまして調べてきました。二十五年にそういう通達がいっているということのようでありますが、そうすると、その通達に違反した職員に何か今度はひどい責めがいって、おまえ、とんでもないことをしたぞとしかられそうな気がしたので、そういうことがないように御了解いただいて、私がここの委員会で取り上げたからといって、その職員の責任を問うというようなことがないという前提に立ってものを申し上げたいと思いますので、その点、あらかじめお含みおき願いたいと思います。  それは、たばこの収納に来たときのことですが、等外のたばこが、こう積まれたわけです。そうすると、耕作者の前でそれに火をつけて燃やしてしまうのです。それに対する耕作者の言い分はどうかというと、実は、去年までは鑑別員が、この程度はだめなんですとか、この程度は合格しましょうというようなことで、事前の指導があったので、そんなに一ぱい持っていきませんでした。しかし、ことしはその指導がないために、——大体これでいいだろうというような指導があったので一ぱい持って行きました。持って行ったとたんに、これはだめです、こういうことで、しかも、苦労をした一年間のものを目の前で火をつけて燃やしちゃう。なるほど、山のようになっちゃうから何とも始末がつかない。どこにも片すわけにいかぬ。調べてみましたら、輸送賃だけは払います。ある耕作者は全く血のにじむような投書を新聞にしました。そこで、私もここへ来て、こういう取り扱いはどうですかと聞いたら、ちゃんとそれは昭和二十五年にそういう事例があったのでこんな通達が出ているのですと、その通達の内容を前にもらいました。ですから、私がこのことを取り上げるのは、もう少し耕作者を大切にしていくというかまえをほんとうに総裁として——これはまあいままでだって大切にされていたと思うのですけれども、そういうことをひとつ末端まで徹底させていただきたいという一つの事例に出してあるのです。そういう事例、あるのですよ。総裁、全く生産者というものはかわいそうなものですよ。これは申し上げるだけにしておきます。答弁いただくと、あとであれですから。  次に、もう一つは、今度小売りの場合に入りたいと思います。生産者、小売り、その中で三千億の税金が出てくるのですから、両方大事だけれども、この歩率の問題ですが、結論を申し上げますと、上げる見通しはおありですかということ、小売り人の手数料——いまはそれは十万円、八万円という段階になっております。内容はいまは省略して、何か小売り人が運動しないと上げないのだ、そういう経過をたどってきました。だから、その中においてやはりそういう基本方針を出しておく、こういうことが小売り人に希望を持たせ、さっき売り上げの増強の話が出ましたけれども、やはり売り上げ増強の末端は小売り人ですよ。小売り人の一割なんというようないまの手数料は、私も物価対策委員だから物価のあれを見たのですけれども、全く一割の小売り人のマージンなんてどこにもございません。回転率が早いからなんていうが、白菜やニンジンと回転率のどこが違うか、こういうことで、小売り人の通称あげる歩率に対しての基本的な方針、もし今後上げるとするならば、それらに対する基本方針を総裁のほうから明確にひとつお伺いしたいわけでございます。
  224. 東海林武雄

    東海林説明員 この歩率は昨年改定をやっておりまして、いまのお話のように最低十万円になりました。今後は、いまのところはこれをさらに上げていくという考えはございません。
  225. 唐橋東

    唐橋委員 いまのところはないといっても、これはやはり、さっき申し上げましたように、売り上げ増強という問題と真剣に取り組むとするならば、ここが一番の基本だ、こういうことは理解できますか。
  226. 東海林武雄

    東海林説明員 小売り人が営業の末端であるということは、私もよく承知しております。でありますから、小売り人の方々が熱意を持ってやられるかどうかということが売り上げに非常に影響することもよくわかっております。でありますけれども、ただ歩率を上げていくことだけが一体問題なのかということになりますと、そこにはやはりまだほかにも問題があるだろうと思います。そういう意味で、私は、昨年改定したばかりの歩率をいままたさらに上げていくという意向はないということをいま申し上げたわけでございます。将来のことはわかりません。
  227. 唐橋東

    唐橋委員 まあ、歩率の問題は、時間がないようですから議論いたしません。  ただ、これだけは解決してもらいたいと思いますのは、たばこの配給を受ける場合に、一回分は前配給なんです。これは商法の商いの常道からいえば、消費者に迷惑かけないためにあたりまえだと思います。そうして、いつでも一回分、七日ないし十日分は保管していなければならない。それを漸次補充するという形がとられているのです。これは一応商いの常道からいえばあたりまえだと言えますが、しかし、一つの独占企業の中で、一カ月の配給のうち、十日分だと三分の一です。三分の一以上、現金としてあなたのほうは前取りしているのです、結果から言えば。そうでないと、あなたのほうの御指導はなかなか強いですから……。そして、その一カ月の売り上げ高の、七日とすれば三分の一弱です。三分の一弱の金利なんというものはたいしたものでしょう。それを前取りしている。その利子計算だけでもたいへんです。そういう点は、小売り人に対してほんとうに不親切なんですよ。これは歩率がないならば、報償金とか何かの形でその点に対するめんどうを見ていくというかまえはできないものですか。これは毎日こまかにたばこを売っている一軒一軒の人たちの直接の願いです。総裁、ひとっこれは覚えておいていただきたい。どうですか。
  228. 内田常雄

    内田委員長 販売部長。簡単に願います。
  229. 斎藤欣一

    斎藤説明員 ただいま先生から御指摘のございました金利の問題、これは次の配給までの間の利息というものは小売り屋さんに持っていただくわけでございまして、その間に金利がかかることは当然でございます。そういったものを計算いたしました結果、ほかの業種と比べてみた場合に、純益率というものを比較検討しているわけでございますけれども、そういう一般の場合には金利は負担していただいても、まあ利益率としては、かなりいい数字になっていると思います。ただ、私どもは、山の中とか離島とかというところで、ある程度長く持っていただく場合は、その期間について金利を見るということをやっております。
  230. 唐橋東

    唐橋委員 ちょっと、金利を見ているのですね。非常に大切なところだから……。
  231. 斎藤欣一

    斎藤説明員 いえ、丁寧に申し上げますと、一般の場合は見ておりません。たとえば一週間に一度、十日に一度配給しているところは見ておりません。ただ、たとえば冬季雪が降りましてなかなか配給に参れません、そういう場合には、冬の始まる前に三カ月分なら三カ月分ぼっと買っていただきます。そういうときは、長い期間でございますから、しかるべき金利を計算いたしまして、金利を払っております。
  232. 唐橋東

    唐橋委員 私のほうは雪国です。その問題は出さなかったのですが、やはり季節的にはほとんど一カ月ぐらいは持っていなければならない地域が非常に出てくるのですよ。その場合の問題も実は出そうと思ったんですが、あまり時間が長くなるのでやめようとしていたら、あなたのほうから出されたからしたわけです。その場合に、たとえば十日以上はどうだとかという、さっきは災害補償の基準と言いましたけれども、どうも基準、基準と言うとおかしいようですが、ほんとうにそういう利息を見るといういわゆるきめ、内規、基準といいますか、そういうものがはっきりとできていますか。
  233. 斎藤欣一

    斎藤説明員 基準の中身はここに持ってきておりませんが、本社において、何日以上は幾ら、金利の水準はどうということで、詳しい基準をつくっております。
  234. 唐橋東

    唐橋委員 それでは、あとでそれをひとつ資料としていただきたい。これもやはり相当まちまちだということを私は言わざるを得ないのです。  時間も非常におそいので、委員長、これだけにして、あと、機会があればまたお願いしたいと思います。
  235. 内田常雄

    内田委員長 本日はこれにて散会いたします。    午後五時十分散会