○宮地政府
委員 ただいまの福岡電波学園に例をお引きになっての御質問でございます。
まず、福岡電波学園の不渡り手形を出したという問題でございますが、実はこの
学校は、終戦後、各種
学校をやっておりましたものが高等
学校をつくり、短期大学をつくり、四年制大学をつくるというふうに、十年足らずの間に、
先ほどおっしゃいましたように、学園としては八千人の生徒、学生を収容するほどの非常に大
規模な
学校になったのであります。いろいろ
学校もございますが、特にこのように短期間に非常に
規模を大きくしました
学校といたしましては、勢い、一般の会社等で申しますれば、過剰設備、過剰投資と申しましょうか、ただ寄付金だけではなくて、非常に多額の金を借りまして、そして今日までの
学校を短期間につくり上げたので、そこに非常に無理がある。その他、一般の
学校は三十年、五十年の伝統を持っておって、少しずつ
規模が拡大しておる、福岡電波のほうはそうでなくて、十年ばかりの間に今日の八千人の生徒になった、そういう特異な
学校でございますので、一般の私立
学校の姿が今回の福岡電波学園に見られておるのだという見方は、ちょっと当たらないかと思います。そういった
意味で、まことに遺憾な事態でございますが、私立
学校は経営が苦しゅうございますが、中でもきわめてまれなケースとして、福岡電波学園が今日のような状況になったというふうに
考えられます。原因につきまして、こういう席で申し上げるのもいかがかと思いますが、
理事長の経営がきわめて放漫であったというふうに、一口で言えば言えるのではないかと思います。この人は、たとえば今
年度もございましたが、いまの電波学園をもとにしまして佐賀県に伊万里大学をつくるのだというようなことで、設置
認可をついことしに入ってやってきておったのですが、いろいろ調べてみまして、とてもこれ以上伊万里に大学をつくるだけの財力はございませんので、これは不
認可にいたしました。そういうことから、こういう一流の手腕を持たれた方でしょうけれ
ども、いわば次々と
学校をつくっていく、それで、世にいいます自転車操業と申しますか、そういうかっこうで
資金回転をしていく、ところが、伊万里大学をつくるのが不
認可になったために、そこで自転車操業に破綻を来たした、そういうようなことから、いろいろな債権者から問題が急に出てきたというように私
どもは感じております。もちろん、文部省といたしまして監督が十分でなかったということは、まことに申しわけないと思いますが、
学校の経営につきましていろいろ私
ども年次監査もいたしますし、また私立
学校振興会からここに数億の金を今日まで
融資いたしまして、そういう際にはいろいろ調書もとっております。そういうときに出されました書類が、正直に申しますと、
相当部分がでっち上げの書類をつくっておられたというふうに見られる点もございます。そういうようなことでございますが、それに
関連いたしまして、いろいろな借金についての、特に
利子の高い負債についての肩がわりの問題で五十億円ばかり
融資したそうだという御質問がございましたが、これは、四十一
年度から私立
学校経営が非常に苦しゅうございまして、特に大学急増等の関係で
施設を急に充実していった、
銀行から金も多額に借りた、そういうことで、その高利債の肩がわりをしようということから、四十一
年度から三カ
年間で百億円の高利債の肩がわりの
融資をしようということで始めました。四十一
年度三十億円、今
年度は三十五億円を予定いたしております。
利子は大体七分でございますが、日歩二銭以上ということにいたしております。大体の調査をいたしますと、
学校関係で日歩二銭以上で特に
施設等に使う金を
銀行から
融資した。その二銭以上のものが三百億円くらいあるようでございます。したがいまして、それが三
年間で百億円でございますので、必ずしも十分ではございません。
そういったような実態から、ただいま、私立
学校の振興につきまして抜本的な対策を検討するために、臨時私立
学校振興方策調査会という調査会ができております。この調査におきましても、過般、この四十二
年度予算ですぐにでも間に合わされるようなものについては即刻対策を講じたいということで、中間答申をいただきました。
その中には、最後に
先生が触れられました税金の問題も一項目ございます。それから、いま申しました高利債の肩がわり等を含めましての私立
学校振興会の
融資額の増大、それから
融資条件、いわゆる利率
なり償還年月ですか、そういったようなものの
改善、こういったようなものを含めまして、四項目ばかりの中間答申がございました。この六月末までに本答申が出ますが、経常費問題を含めまして、いまの振興会の
融資、この
融資は政府の出
資金と財投から原資を仰いでやっておるのですが、そういったようなことを、税金の問題、あらゆる問題につきまして、現在審議をいただいております。それで、六月末答申が出ますれば、この答申を、私
どもとしましてはよりどころといたしまして、全面的に答申を尊重して、今後の
予算要求もしたいというふうに
考えております。