○村山(喜)
委員 私は、初めに行政管理庁の所管事項であります行政改革の問題と、今回四十二年度の予算編成の上にあらわれました五つの公団、中身は三つが改組でありますが、純然たる新設が二つあるわけです。これらのいわゆる公社、公団等に対する
政治の姿勢の問題について、まず
松平行政管理庁
長官並びに
水田大蔵大臣にお尋ねをしてまいりたいと思うのでございます。
御
承知のように、行政監理
委員会は、新聞にも出ておりましたが、公団の再編成を急ぐように
政府に申し入れをすることがきまり、
松平さんのほうからもその旨を取り上げられておいでになるわけであります。閣議でもこれの整理統合については推進をするというふうにきまったように聞いておるわけでございますが、三年前に臨時行政調査会が公社、公団等の改革に関する意見を出しまして、現在百八ほどある公社、公団、特殊法人、これに対しまして、その時点において調査が終了をいたしました十八の公社、公団、特殊法人等につきまして、これを整理統合をすべきであるという勧告を行なったのは三年前でございます。その後今日に至るまでほとんど処置されない中において、さらに今回新設二つを含む五つの公社、公団が顔出しをしているわけです。しかも、その業務
内容等を、これから
一つずつ取り上げますが、見てみますと、なぜ公社、公団として設立をしなければならないのかということが
国民にわからない形の中で出されようとしておるわけであります。これらはやはりそれぞれの
委員会でやることになりましょうから、私はこの点については基本的な問題だけをお尋ねをしておきたいと思うのでございます。
そこで、私が行政機構改革の問題を本日の
委員会で取り上げるということになりましたら、あちらこちらからやはり電話が入ってまいるのであります。愛知用水公団の組合のほうからもわざわざ電話が入ってまいりまして、どういう形で取り上げるのだということであります。これは
自民党の人であるならば、おそらくは愛知県の知事あたりから、あるいはそのほかの角度からそれぞれ圧力がかかってくるだろうと思う。そういうような形の中で、一ぺんでき上がりますと、なかなかこれがつぶせないというのが今日の行政組織の実態であろうと思うのです。それをやはりこの際あえてつくらなければならない。また、行政監理
委員会としてもさきに答申を出しているわけですから、この答申が行なわれることを期待をし、また、そういうような方向で今後の行政を進めていかなければならない
責任が私はあろうと思うのです。
そこで、この予算書を見てみますると、どうも行政管理庁の場合には、予算の増額というものもほとんど見えませんし、人員の増員というものも見えないわけであります。しかしながら、新聞によりますと、この公社、公団の整理の問題については積極的に取り組んでいくんだ、こういうようなことが述べられておりますが、一体、予算はつかない、人員もふえない形の中で、現在のスタッフでこれを処理していくということについて、どういうような決意のもとにおやりになろうとしているのか、この際、明らかにしていただきたいのであります。
それと、やはり私
たちがこの整理をこれからやらなければならないということになってまいりますと、これは非常に大きな決意をもって取り組まなければならないかと思うのです。社会党といたしましては、基本的にはさきに臨時行政調査会が打ち出しておりましたこの答申の方向というものは承認をするという形の中で、党の態度を決定をいたしております。この行政機構改革というのは
国民の声だ、この
国民の声にこたえなければならないんだという立場から取り組んでいるわけであります。しかしながら、具体的な、現実的な問題として出てまいりますと、たとえばこういうような問題がございます。
今度動力炉の事業団ができるということになってまいりますが、この名前がどういうふうになるのかはっきりまだわかりませんけれ
ども、動力炉核燃料開発事業団、こういうような名前になるようでもございます。その場合に、現在原子燃料公社、それから原子力
研究所がある。これらの事業
内容を引き継いでいくんだということになっているわけであります。しかし、原燃公社が現在やっております
内容というものは、いわゆるプルトニウムの採取、それから国内におけるところのウラン鉱の発掘等を
中心といたしました事業
内容形態でございます。大体従業員が七百名くらいおるわけでありますが、そのうち二百名くらいは国内におけるウランの発掘というものに人形峠等を
中心にして働いておる。ところが、今回、ウランがだぶついて価格が落ちておりますから、外国から輸入したほうが安あがりである。こういうようなこともございますし、海外における新しいウラン鉱を発掘するということを
民間の会社に委託をするというのが事業
内容として出ているわけであります。そうなってまいりますと、この新しい高速増殖炉の開発の問題をめぐりまして、いま原子力
研究所で
研究いたしているわけでありますけれ
ども、それらの問題の中から、当然海外からウラン鉱を輸入するという体制をとるためには、いま国有化しております核燃料というものを民有化していくという
方針がはっきり出てこなければならない、これが
一つの問題であります。さらにまた、今度は現在国内においてウラン鉱の発掘に当たっております諸君の身分の問題と生活の問題に関係が出てくるのでございます。したがって、現在これらのものを吸収した上で、四十名ほどの定員を積み重ねて、これを統合した形の中で新しい事業団をつくっていくんだという構想のように承るのでありますが、その場合に、いわゆる定員、働いている人
たちの首切りという問題、これが一番労働者としては切実な問題として出てくるわけであります。したがって、統廃合イコール合理化であり、首切りである、こういうような
考え方に立てば、これに対する抵抗というものが非常に大きくなってまいります。したがって、そういうような問題を処理する場合においては、この公社、公団、特殊法人の機構改革にあたりましては、やはりそこに働いている人
たちの生活の不安、雇用条件の悪化という問題を頭に据えながら、そういうような方向には持っていかないんだという基本的なかまえというもので行政制度の改革はやらなければならないかと思うのでありますが、それと取り組む
政府の姿勢というものは、どういうような方向のものを持っておるのかということをお尋ねしておきたいのであります。
それと、これは大蔵
委員会でありますから、私はそれに関連をする問題としてお尋ねをしているのでございますが、現在一番問題になっておりますものは環衛公庫の新設の問題であるようであります。これについては大蔵官僚が激しく抵抗をして、世界の国々の中でバーやキャバレーにまで
政府の資金を、
国民の税金を使うようなばかな国がどこにありますかというようなことで憤慨をした、その記事等も私は見ました。全くそのとおりだと私は思うのであります。しかしながら、実際の取り扱い要綱といいますか、そういうようなもので、そういう
国民の声にこたえながら、姿勢を正した形で業務
内容の策定が行なわれつつあるようでありまして、ただ、私はその
内容はまだ確定はしていないだろうと思うのですが、実際これが動き出す中身といたしましては、取り扱い業務は
国民金融公庫であるとか、あるいは
中小企業金融公庫、さらに商工中金、そういうものにまかして、そしてその資金量は三百億円で発足をする、こういうふうなことに承るのであります。しかも、そこには特利をつけるというようなことで、基準金利よりも安い金利で特殊のものについては種目をしぼりましてやろうというかまえであります。しかし、その資格者、これらの環境衛生関係の事業団体の総数がはっきりしたものはわかりませんが、かりに五十万件だということにいたしますと、これらの資金量三百億円というものを割り算してみますと、一件当たり六万円
程度にしかならない。しかもそれが三百万円ぐらいの近代化事業をやるとするならば、一年に一万件くらいしか出ない。五十万件の処理をするためには、これによってすべてをやり、物価
対策として取り上げるのだ、近代化のために取り上げるのだということをおっしゃるとするならば、それを消化していくために、この環衛公庫をつくることによってどれだけの目標が達成され、何のためにこのようなものが生まれてきたのかということが
国民の前に明らかにはならないと思うし、また実効性の上から
考えましても、この点については非常に問題があるのではないか。むしろ今日、
国民金融公庫の
内容の改善なり、あるいは運営
方針の中において今日までとられてまいったような方法の中で解決をするほうが、かえって実際の利益にも合致するし、それらの業態の人
たちの利益にも合致するし、また、あえてそういうような機構をつくって役員を置いて、そこには役員は
理事、総裁、そういうようなものを置かれるということになるならば、これに対しては二十万円から三十万円の月給を払い、一期つとめたら一千万円以上というような退職金を払う、まさに官僚の隠居場所を与えているようなかっこうになっていくと私は思う。そういうようなものをつくり上げていくということが、はたして統治能力のある
自民党並びに
政府のやるべき行ないであるのかどうかということについては、私は非常に問題があろうかと思うのであります。特にこの行政制度の問題につきましては、荒木調査会が、賛成をすべきものとして、四つの問題については整理することを承認をしようじゃないかという態度を党自体においてもきめております。魚価安定基金、愛知用水公団、森林開発公団、畜産振興事業団、こういうようなものはもう取り
やめるべきだ、解消すべきだということを、党自体においても、あなた方のところにおいてもきめて、それがなぜできないのかということになってくると、非常に私は問題があろうかと思いますので、これらの点に対する基本的な
考え方だけでけっこうでございますから、お聞かせを願っておきたいのでございます。