運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1967-07-06 第55回国会 衆議院 石炭対策特別委員会 第24号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年七月六日(木曜日)     午前十時五十八分開議  出席委員    委員長 多賀谷真稔君    理事 神田  博君 理事 藏内 修治君    理事 西岡 武夫君 理事 三原 朝雄君    理事 八木  昇君 理事 池田 禎治君       木野 晴夫君    進藤 一馬君       菅波  茂君    田中 六助君       野田 武夫君    古屋  亨君       井手 以誠君    石川 次夫君       細谷 治嘉君    渡辺 惣蔵君       田畑 金光君    大橋 敏雄君  出席国務大臣         通商産業大臣  菅野和太郎君  出席政府委員         厚生政務次官  田川 誠一君         厚生省年金局長 伊部 英男君         社会保険庁年金         保険部長    網野  智君         通商産業省石炭         局長      井上  亮君         通商産業省鉱山         保安局長    中川理一郎君     ————————————— 七月六日  委員倉成正君、中村寅太君及び木原津與志君辞  任につき、その補欠として古屋亨君、木野晴夫  君及び渡辺惣蔵君が議長指名委員選任さ  た。 同日  委員木野晴夫君、古屋亨君及び渡辺惣蔵君辞任  につき、その補欠として中村寅太君、倉成正君  及び木原津與志君が議長指名委員選任さ  れた。     ————————————— 本日の会議に付した案件  石炭鉱業年金基金法案内閣提出第一四〇号)  石炭鉱業再建対策の推進に関する件      ————◇—————
  2. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員長 これより会議を開きます。  内閣提出石炭鉱業年金基金法案議題とし、質疑に入ります。  質疑の通告がありますので、これを許します。八木昇君。
  3. 八木昇

    八木(昇)委員 石炭鉱業年金基金法案について、若干の質問をいたしたいと思います。  最初に、この法案そのものについて数点ただしたいと思うのでございます。なお、きょうは、私どもの主張をいろいろ申し上げつつ質問をするというよりは、むしろ純然たる質問で、いろいろと話は間接的に聞いてはおりますけれども政府態度を明快に正規の委員会で表明しておいてもらいたい、こういう趣旨質問をいたしたいと思います。よろしくお願いします。  まず、この法案の第九条についてお伺いをいたしたいと思います。第九条の二項でございます。「役員は、政令の定めるところにより、会員のうちから選任する。ただし、特別の事情があるときは、会員以外の者から選任することを妨げない。」こういうふうになっておるのであります。この石炭鉱業年金基金法は、申すまでもなく、炭鉱に働く労働者が特に労働性質上たいへん苦しい仕事であるし、また石炭鉱業そのものが不景気でありまするために、非常に労働力確保が困難になっておる、そういった事情を解消する手段の一つとしてもこういった法律が必要だということになっておるのだと思うのですが、そういう趣旨からいきまするならば、やはりこの飢饉に労働者代用的な人、労働者の実情というものを働くもの立場からよく知悉している人、こういう人が役員として何名かこの中に入れられることが望ましいのじゃないか、こういうふうに考えるのです。そういうお考え政府としてはお持ちにならないかどうか。特にこの二項の「特別の事情があるときは、会員以外の者から選任することを妨げない。」と書いてあるのはどういう意味であるか、これらを御説明願いたいのであります。
  4. 伊部英男

    伊部政府委員 通例、かような特殊法人ないしこれに準ずる機関をつくります場合に、こういったただし書きはよく見られるわけでありますけれども、この場合におきましては、基金理事会員の中から自主的に選任することがたてまえでございますが、特別の事情により会員以外の者から選任する場合といたしまして、この基金事業年金という専門的技術的なものであることにかんがみまして、年金数理その他年金事業業務運営等学識経験を有する者で、通常会員の中から選任することが困難である、かつこういった方々選任したいといったような場合に、このただし書きが活用されることになろうかと思うのでございます。  なお、ただいま先生指摘のように、との基金労働者の老後の生活厚生年金の上積みとしてのプラスアルファ支給しようということでございますので、労働者方々関心の深いことは当然でございますが、この制度のたてまえといたしまして、これは石炭鉱業審議会答申以来、石炭事業主が合同して行なう年金制度である、合同企業年金制度である、そして全額事業主負担をするといったことから、この理事の中に実は先生の御指摘のようなことは予定はされていないと思われるのでございますが、ただこの制度を実態的に厚生するにあたりましては、ご承知のとおり有澤先生を長とする石炭小委員会が、労使双方意見を十分に煮詰めまして、この資料にもございます考え方というものにまとめ上げまして、この法案成立後はそれを骨子として構成してまいろうと考えておる次第でありまして、また、との法案自体の中におきましても、その運営審議会というものを設けまして、この運営審議会が、ちょうどこの法律案をつくる過程におきまして有澤委員会が果たしたような役割りを果たしていく。事業主側意見も十分聞き、あるいは労働者側意見も十分に聞いた上で、ここで公益委員一つ取りまとめをしていく、あるいは煮詰めていくということを考えておるのでございまして、そういう形におきまして労働側の御意向反映するような努力なり仕組みをくふうしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
  5. 八木昇

    八木(昇)委員 ただいまの御答弁についてさらに確かめたいと思うのですが、できる限り労働側意思反映できるような、具体的な人事にあたってはそういった配慮というようなものをしたいというような意味に受け取っていいわけでしょうか。
  6. 伊部英男

    伊部政府委員 この人事は、もちろん基金そのもの理事その他運営審議会選任するわけでございますけれども、特に運営審議会につきましては、われわれのほらとしても十分基金の御相談に乗りまして、ただいま御指摘のように双方事情がよくわかってかつ公正な方々、たとえば今度の有澤委員会メンバーであられた方々といったようなことを念頭に置いで考えておる次第でございます。
  7. 八木昇

    八木(昇)委員 そこで、もっと具体的に、理事選任の場合と運営審議会委員選任の場合を分けまして、理事選任の場合には、ただいまの御答弁では、基金自身理事を選ぶことではあるけれども、しかし双方事情がある程度わかる、そういういわば公益的な立場学識経験者みたいな人を入れるということをお考えになっておるのか。それからまた、それのみならず、いわゆる労働者代表といえないまでも、そういった労働者代表的な学識経験者、そういったふうな人を何名か理事の中に加えるように、基金側相談をしてそういった行政指導をやるおつもりがあるのか、そういう辺をもう少し具体的に言ってくれませんか。
  8. 伊部英男

    伊部政府委員 理事は御指摘のとおり基金が自主的に選任をするわけでございますが、このただし書きにございます「特別の事情」といいますのは、やはり年金といろ専門的技術的なものであることにかんがみまして、会員の中からそういう方方を選ぶことが困難である、しかもそろいう方々か必要であるといったような場合を想定しておるのでございまして、これもやはり基金が自主的に選定をしていく問題ということになろうかと思うのでございます。先ほど、厚生省としても基金十分相談をしたいと申し上げたのは、審議会委員の人選でございまして、これも法律上は理事長が委嘱するということになっておるのでございますけれども基金業務の適正な運営に必要な学識経験を有する右の中から理事長が委嘱するということになっておりますので、労働側事情も詳しく、あるいはお気持ちもわかるといったような公正な方々を選はれるように期待をしたいと考えておるものでございます。たとえば今回の有澤委員会の御審議過程におきまして、労働側意見も、相当いろいろな機会に御意見を尽くして煮詰めた案に最後の考え方がなっておるわけでございますが、そういった方々をこの審議会委員考えたい、そういうふうに基金とも相談していきたいというぐあいに考えておる次第でございます。
  9. 八木昇

    八木(昇)委員 理事の場合も、いわゆる専門家というのを入れられるということは、もう当然のことかと思うのですけれども、しかしそのほかに理事の中にもやはり労働者の声を反映できるような人をぜひ加えてもらいたいとわれわれは強く希望しておるのでございます。これにつきましてはわれわれのそういった意見をきょうのところは述べるにとどめておきますが、少なくとも運営審議会につきましては、いわゆる公益委員的な人々、すなわち、たとえば有澤委員会メンバーのような人々、それだけではなくて、やはり労働者代表と言えるような人をこれはぜひ加えてもらいたい。そのことは決しておかしくないと私は思うのです。たとえば労働者災害補償保険法によるところの審議会仕事についてはいろいろ性質は違いますけれども労災保険ども経費の負担全額事業主負担でございますが、この審議会には労働者代表が入っているわけですね。ですからそういった点を考えますると、この基金が今後ほんとうに円滑に運営されていくためにも、労働者代表を加えておいたほうが、ごく客観的に見てもよろしい、こういうふうに考えるのですが、そういったことがもしなされていないと、事ごとにこの基金の問題に関しては経営者団体炭鉱労働者団体との直接団体交渉事項のような形になってきて、そうしてその場で事ごと問題点が争われる、場合によってはストライキ騒ぎになるというようなことにもなりかねない、こういうふうに私どもとしては考えるわけなんです。そういった点について御答弁いただきたいと思います。
  10. 伊部英男

    伊部政府委員 ただいま先生指摘のように、この問題が新たな労働紛争対象になるようなことをなくするということはまことにごもっともな点でございまして、そういう意味合いにおきまして労働側の御意見、あるいは事業主側の御意見というものを十分審議会が受けとめて、これを煮詰めていく、そしてただいま御指摘のように、広義の労働条件一つでございますので、労使間のいろいろの交渉議題一つには、この問題はなり得ると思うのでございますが、その過程におきまして、審議会が十分そういった中立的な公正な取り扱いができるようにということを期待しておるのでございます。その具体的な方法として、ただいま先生からいろいろのサゼスチョンがあったわけでございますが、そういった点は基金成立後におきましても、国会における御議論はもちろん私どもといたしまして基金のほうにも十分お伝えをいたすつもりでございますが、基本的には御指摘のとおり労使意見十分反映をして、円滑にこの制度が進んでいくということを念頭に置いて運用してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
  11. 八木昇

    八木(昇)委員 ただいまの局長答弁では、国会においてそういう強い意思があったということについては、基金の当事者の側にも伝達して努力はしてみようというような意味の御答弁でございましたが、これは政務次官にお答えいただきたいと思うのですが、先ほど私が申し上げたような形にすることが、実際問題として非常にいいんじゃないか。それによって障害考えられるという点はないと私は思うのですが、十名の委員の中に、たとえば使用者側代表的な者、公益代表的な者それから労働者代表的な者というのが三分の一ずつというような形にでもすると、その会議が常にうまくいかぬということがあるかもしれませんが、しかしそこまでは入れなくて、十人のうち二名くらいは労働者意向を代弁するような人がおるというくらいであれば、障害面一つもないと思うのですが、そういった点、政務次官としてどういうふうにお考えでしょうか、ぜひ努力をしてもらいたいと思う。
  12. 田川誠一

    田川政府委員 八木委員がおっしゃったようなお考え方も一部にはあるようでございますし、一つの御意見だと思います。しかしこの基金制度をつくろうとするまでに至りましたいろいろな経緯その他を考えますと、いままで局長答弁いたしましたように、むしろ運営審議会に公正な人を入れて、そうしてその審議会を通じて労働者側意見反映させるというほうが、むしろ今後円満にいくのではないかというふうに私は考えるわけでございまして、決して八木委員の御意見が違うということではございません。確かにそのような意見一つございますし、そういう考え方がございますけれども、この基金制度特殊性考えますと、むしろ私ども考えておりますような方式をやっていったほうが円満に、スムーズにいくのではないかというふうに私は考えております。
  13. 八木昇

    八木(昇)委員 たとえば有澤委員会ですね。年金問題小委員会メンバーの方の顔ぶれを見ますと、これは学者もおられますけれども、特定の企業の社長もしくは総裁というような人ですね。だからといってその御意見が公正を欠くというふうにまでは思いません。過去のこの方々の実績を認めるにやぶさかではありません。しかしこの基金制度そのものは、今後ずっと半永久的に続いていくわけですから、そういった点を考えますと、これはやはり少数の率直に労働者意向反映できる人を加えておいたほうが、むしろ労働者欲求不満を呼ばないのではないか、こういうふうに考えます。そういう意味で、先ほどの局長答弁より政務次官答弁のほうが少しあとずさりしていると思うのですが、もう一度御答弁願います。
  14. 田川誠一

    田川政府委員 ちょっと表現がきつかったかもしれませんが、いずれにいたしましても労働者側の御協力を得なければなかなか運営もうまくいきませんし、八木委員のおっしゃったような御意向を十分に反映して、そして一方に片寄らず、労働者意見も十分に反映できるように私ども努力をしてまいりたいと思っております。
  15. 八木昇

    八木(昇)委員 この点はその程度にいたしておきます。  法案の第十六条の2でございますが、年金額受給資格期間支給開始年齢その他年金給付支給に関する必要事項は、この法律事項としないで、すべてこの基金定款で定めるというふうにした理由を明らかにしていただきたいと思います。  厚生年金やその他こういった年金的な制度は、通常掛け金はどういうふうにする、給付はどういうふうにするということは全部法律にうたってございます。国会審議を通じてこれが決定され、また改正もされる、こういうことになっておるわけです。この年金性格からいって、掛け金事業主負担させておりましても、これは一種の社会保障制度というふうに考えられるわけで、そういう公正な審議を通じて、具体的な給付条件、その他が定まる。それがためには、国会審議対象にするということが当然だと私は考えておりますけれども、なぜこういうふうにされたのか。
  16. 伊部英男

    伊部政府委員 一般年金制度につきまして、ただいま八木先生指摘のように、給付法律で定め、あるいは保険料率あるいは額を法律で定めておることはお説のとおりでございます。  ただ、一昨年の国会で御審議をいただき、成立をいたしました厚生年金保険法によりますと、国として所掌する一つレベルのほかに、事業主事業主体厚生年金基金というものを別個につくり得る。その場合の厚生年金基金は、給付内容を自由にその基金の規約をもって定めるという制度が設けられたのでございます。  そこで、この石炭年金の問題ができましたときに、一つ考え方といたしまして、坑内夫あるいは石炭関係だけを全くもとから別個の制度としてつくるという考え方一つあり得るわけでありますが、この点は提案理由の中にもございますとおり、坑内夫厚生年金の中で非常に優遇を受けておる。つまり相当部分を他産業負担において現在の給付が行なわれておるという実態でございますので、これは得策ではないということになるのでございます。さらに、一つ考え方でまいりますと、厚生年金基金をそれでは石炭でつくってはどうか、現に相当程度の規模の厚生年金基金ができておりますし、また、相当事業主が合同して行なっておる基金もできておるのでございますので、そういった例に従ってはどうかというのが、実は最も基本的な考え方であったのでございます。しかしながら、この点をもう少し詰めてみますと、厚生年金基金制度をつくります場合には、政府が保証いたします報酬比例部分のほかにプラスアルファ、この報酬比例プラスアルファをもって構成されておるのでございますが、石炭の場合に、厚生年金基金をつくろうといたしますと、報酬比例部分を財政上は厚年の外へ持ち出す必要がある。そうしますと、先ほど基本論として申し上げたのと同じ問題が出てくるのでございまして、やはりそれは得策ではない。したがって、石炭だけの特例といたしまして、従前の厚生年金においての優遇措置は引き続き厚生年金に置いておいて、他産業並みプラスアルファ分、これを合同基金といったような形での制度を別個に考えようということに落ち着いたのでございます。これがこの石炭鉱業年金基金の基本的な考え方でございまして、その意味におきまして、他産業基金同様給付レベルその他は、基金自主性を持って定款をもって定めることが適当であるという考え方をとった次第でございます。
  17. 八木昇

    八木(昇)委員 厚生年金改正によりまして、いわゆる企業年金ですね、これをやることができることになったということは私も承知をしておりますが、しかし、その場合は、労働者がそういう企業年金をつくることに賛成をして、そうしてその企業年金のいろいろな条件について労使意見が一致をして初めてそれが行なわれるわけです。そうしてその後のいろいろな運営上の事柄等々についても労使できめていくわけでございますけれども、しかし、この鉱業年金の場合は、労働者意思反映制度が、先ほど来私が申し上げておるように、確立をしていないわけです。だとするならば、やはり何らかの権威ある機関において給付条件とか、その他の事柄を決定するようにしておきませんことには、まるまる掛け命の負担事業主だというわけでございますから、事業主の側にしてみれば、この内容をよくしていくことには本質的に消極的であるというこれは性質を持っておるわけでございますので、そこで一切すべてを法律事項からはずすというあり方は私は適正でない、これはごく客観的に考えて、そう言えると思うのです。そこで私の先ほど来の質問との関連においても御再考願わなければならぬ、こう思うのですが、何か御意見ございますか。
  18. 伊部英男

    伊部政府委員 この十六条の二項におきまして、法律年金額受給資格期間開始年齢等、すべて定款にゆだねておるのでございますが、ただ、これを実際に動かしていく場合におきまして、はたしてどういう内容になるのであるかということにつきまして、労働側の御関心が強いのはもとより当然でございまして、そういうことからこの法案を提出する過程におきまして、先ほど来申し上げました年金問題小委員会におきまして、労働側意見あるいは議論も十分徴しまして、この制度の実態的な骨格を本年五月に石炭年金制度の実施に関する考え方ということで示しておられるのでございます。したがいまして、この基金定款認可等にあたりましては、この考え方を中心に、これに沿うように指導してまいりたいという考え方をとっておるのでございます。  厚生年金基金の場合におきましては、御指摘のとおり労働組合同意等条件法律上も設けられておるのでございますが、実質的にはこれに近い手続を実は経てきておるとわれわれとしては考えておるのでございます。今後とも、その点につきましては労使関係が円滑にまいりますように、先ほど政務次官からも御答弁があった点でございます。またこの基本的な石炭鉱業審議会答申におきましても、石炭企業事業主が共同して行なう老齢年金制度ということになっておりまして、やはりたてまえとして労使間の円滑なる取りまとめを期待しつつ、やはりこの基金自主性を尊重していくという考え方であるべきであるというぐあいに考えておるものでございます。
  19. 八木昇

    八木(昇)委員 当面、発足するときには何とか形はできると思うのですけれども、しかしいま政府でお考えになっておるところでは、これから五年間なお引き続いて炭鉱勤務をした人が、過去においても十五年炭鉱勤務をしておったという人の場合、月額二千五百円の年金支給するということらしゅうございますが、それはいずれ、物価もやはり将来とも、程度の差こそあれ、上昇を続けます。それから国民一般生活水準も上がっていくわけでございますから、この年金支給額も、いずれは改正をしなければならない、増額をしなければならない。それに伴ってやはり掛け金もある程度ふやさなければならないという事態が当然予想されるわけでございますが、そういう際に、これは基金側は容易に応じようとしないということは、この人たちの立っておる立場からしまして、もう当然ですね。全額自分のふところから出さなければならぬ。そういうことから、社会的に客観情勢相当給付額掛け金についても引き上げなければならぬという情勢にきておるのに、なかなか、抵抗してすなおにうんとは言わぬという事情はもう当然予想されます。そういうことを予想して、ほかの社会保険制度では、そういった掛け金の問題とか給付額の問題とかは法律事項として国会がこれを決定する、こうしておるわけなんですね。ところがこの基金の場合にはすべて定款で定める、こういうことになっておりますが、政府行政指導にも限界があるし、きめ手がないわけでしょう。私は、これは非常な手落ちだと言わざるを得ないのですがね。少なくとも主要な幾つかの事項については法律事項にしてもらわなければならぬ、こう思うのですがね。どういう自信と確信を持ってやられるつもりですか。
  20. 伊部英男

    伊部政府委員 御指摘のとおり、厚生年金保除法そのものは国として一つレベルの保証をいたしておる制度でございまして、保険料保険給付国会の御審議をいただいて法定をいたしておるのでございます。この制度は、厚生年金基金一つの変形と先ほど申し上げたのでございますけれども、そういった趣旨におきまして、一つ合同企業年金といった性格を持っておると思うのでございます。国がつくります公的年金でありますが、国がつくる、法律によってできる公的年金という性格と同時に、実態的には労働企業年金という性格を持っておると思うのでございまして、今後の推移におきましては五年ごとの再計算という規定を設けてございますが、今後の物価上昇あるいは生活水準の向上、あるいは石炭産業の今後り改善といったような要素がおのずから反映をして、適切妥当な結論がそれぞれの時期において出ていくもの、かつ、そのようにできるように指導してまいりたい、かように考えておるのでございます。
  21. 八木昇

    八木(昇)委員 私はいま石炭企業ほんとうに気息えんえんの状態にあるだけに、通常企業における事業主態度よりは数倍壁が厚い、こういうふうに思いますので、局長のただいまおっしゃりれるような御意見には、これは賛成いたしかねます。そうは必ずならない、将来においておっしゃるようにはならないと思いますけれども、きょうは一応問題点をずっと指摘する意味質問しておりますから次の事項に移ります。  坑外員の問題でございます。この法案によりますと、会員の二分の一以上が希望した場合には、もう全部の会員強制適用するというような形になっておるようですね。どうせそうするのなら、もう初めから強制適用にしたらよろしかろうと私は思うのですがね。それはともかくといたしまして、大企業の場合には坑外員適用について諸般の事情から反対しないと思いますけれども、しかし、三井鉱山だって一票しかないわけです。企業の数からいきますと、中小炭鉱が圧倒的に多うございますから、これの二分の一以上の希望を取りつけることについて明確な見通しを持っておられるかどうか。このことが一点それを具体的に御回答願いたいと思います。  それと第二の点は、企業主の二分の一以上が坑外員にも適用することを希望して一応発足をしたとしましても、将来掛け金の値上げとかその他というような問題が出てくる場合に、自分のほうの会社はこの坑外員適用の問題についてはもうこの辺で御辞退申し上げるというようなところが過半数かりに出てきた、またゼスチュア的な意味からもそういった態度を示すことによって抵抗するというようなことが考えられるわけですね。もし、坑外員適用がスタートをいたしましても、十年か十五年か先に事業主の過半数がもう脱退という意向を表明した場合は、これはつぶれるわけでしょう。それはどういうことになるのか。その辺も御答弁いただきたいと思います。
  22. 伊部英男

    伊部政府委員 坑外員に関する問題でございますが、実は昨年七月二十五日の石炭鉱業審議会答申及び閣議決定におきましても、この年金制度は、炭鉱労務者のうち坑内員に対しては地下労働という特殊な作業に従事しておることにかんがみ、厚生年金優遇措置のほか、石炭鉱業における坑内員の雇用の安定と労働力の確保をはかることの緊急性にかんがみまして、かような石炭企業事業主が共同して行なう老齢年金制度をつくるべきであるということであったのでございますが、坑外員につきましては坑内員の場合とは異なりまして、厚生年金基金をつくり得る可能性があるのでございます。しかしながら、坑内員につきましては石炭鉱業年金基金坑外員につきましては厚生年金基金といったようなことを考えますと、非常に事務的にも煩雑であるのではないか。したがって、との機会に坑外員についてもこの石炭鉱業年金基金がやれるような仕組みを考えてほしいということが、労使双方、特に労働者の側からの強い御希望でございまして、この点は有沢委員会におきまして十分御審議をいただきました結果、この考え方にもございますように、坑内員とは条件が相違をいたしておりますけれども坑外員につきましても便宜基金があわせて行なうことができるといったようなくふうをせよという御建議、御意見をいただいたのでございまして、そういう趣旨事業主の二分の一以上の希望ということを条件といたしたのでございます。  なお、この法案を提出する過程におきまして関係省とも十分協議をいたしまして、この事業主の二分の一以上という点につきましては、石炭関係事業主、いろいろな団体があるわけでございますが、十分御了承をいただいておるのでございまして、この点で発足することは確信を持っておるものでございます。  なお、将来この制度を、坑外員をやめるということは可能かという御質問でございますが、法律上の問題といたしましては、これは可能でございます。しかしながら、いわば基本問題についての改正でございますので、その決定は単純過半数ではなく三分の二程度を必要とするように政令で定めるべきであると考えますし、またこの基金定款は厚生大臣の認可がなければ効力を発生いたさないのでございまして、こういう長期的な制度が一たび発足をいたしました以上、これが永続いたしますように、厚生省としてもあるいは関係省とも努力をいたしまして、そういう線に持っていきたいと考えますし、また万一の場合におきましても、既得権が損傷することのないよう、定款改正等につきましては、認可の面において十分チェックしたい。最悪の場合におきましてもさように考えておる次第でございます。
  23. 八木昇

    八木(昇)委員 将来においてこの制度が廃止のうき目にあうというようなことについては、それはなかなかならぬと思いますけれども、しかしながらやはりその負担にたえられないなどというようなことをいろいろ申しまして、その内容が改悪されるというようなこと等々はいろいろ予想されますので、やはりこういった制度では非常に不安定だと私ども考えますけれども、一応ただいまの答弁を承っておきまして、その点は責任を持ってやっていただきたいと思います。  次は第二十一条の三項でありますが、掛け金の額は少なくとも五年ごとに再計算されねばならない、こういうことになっておりますが、このこととの関連において、給付の額等についても少なくとも五年ごとに検討される、そういうふうに了解していいのでしょうか。といいますのは、当然物価が上がりますし、社会一般生活水準もこれは無限大に向上していくわけでございますから、当然この給付額も少なくとも五年ごと、また必ずしも年数刻みではなくて、物価が一定程度以上に上昇した場合等は当然検討されなければならない。ほかのこれと類似の制度のもとにおいては、そういったことがある程度保障されておるわけでございますが、その点いかがでしょう。
  24. 伊部英男

    伊部政府委員 掛け金の額は、御承知のとおり、五年ごとに将来にわたって財政の均衡を保つことができるように再計算をすることにこの第二十一条の三項において規定がされておるのでございます。従来の国民年金あるいは厚生年金等におきましては、五年ごとの再計算の機会におきまして給付につきましてもレビューが行なわれておりまして、この二十一条第三項自体からはさようなことは出てまいらないと思うのでございますが、そういった給付のレビューということにつきましても、もちろん五年ごとに検討をいたしたいと考えます。いずれにいたしましても、この制度は本質的にやはり事業主による合同企業年金性格を持っておりますので、この点は国がレベルを保障しておる国民年金あるいは厚生年金の大部分とはその意味合いを若干異にしておるという点は、御了承を願いたいと思うのでございます。  なお、この年金は、将来労働者にとっての老後を保障するわけでございます。したがって、労働者の利益になることは予想されるわけでありますけれども、しからば、事業主にとってそれが即すべてマイナスであるかということは言えないのではないか。つまり、この制度が発足いたしますその動機といたしまして、労働力の安定的確保ということが掲げられておるのでございまして、労働力の安定的確保ということにこの制度が寄与し、あるいは働いておられる方々労働意欲、生産意欲に良好な影響を与えられることが、この制度発足後漸次明らかになってくるのではなかろうかということをわれわれとしても希望いたしたいと思うわけでありますが、そういった点を考えますと、やはりこれが当然事業主にとってはマイナスであるということにはならないのではないか。というのは、現に厚生年金一般的な制度におきましても、各企業がそれぞれ相当熱心に厚生年金の上積みとしての企業年金厚生年金基金制度あるいは税制適格年金あるいは企業年金を実施し、あるいは研究をしておる段階でございますので、そういう点は今後の年金制度の円滑なる推進とともに、おのずから問題が解決されていくというぐあいに考えておるものでございます。
  25. 八木昇

    八木(昇)委員 おそらく基金の側からみずから積極的に、この際給付額も若干上げましょうというような動きはなかなか出てこないわけですね。どうしてもやはり政府相当積極的なサゼスションをしないとそうはならない、こう思いますので、その点はひとつ相当厳格にやっていただきたい。しかしその場合にも、この制度では少し迫力を欠くと思うのですよ。というのは、政府はこの星金に対してほとんど見るべき援助はしていないでおいて、そして掛け金も上げなさい、給付金も上げなさいということを政府が言うだけでは、何らの裏づけなくして言いましても、彼らはいろいろな企業事情を釈明して、そう簡単にいかないと思います。ですからやはり政府側のほうからごく客観的に公正な限度の引き上げということを相当積極的にやってもらわなければ、制度はあっても実質が死ぬ、こういうことになりかねないと思います。その点は強く要望いたしておきたいと思います。それから次に、この基金の資金の運用の問題であります。これは具体的にはどういうふうに運用されるおつもりか。たとえば厚生年金の場合には、資金運用部のほうに預託をしておられるということになると、利息は五分五厘だ。しかしいまの企業年金なんかの場合には、多く信託あたりに預けておる。こうなりますと七分以上というような利息になってくる。そういった点、どのようにお考えになっておるか。それから、今後積み立て金が年々相当ふえていくわけでございます。それのいまの預託をどういう方面にどうするかという問題のほかに、何か石灰に役立つような方向においてこの資金を活用されるというようなおつもりがおありであるか、そういった点を伺いたい。
  26. 伊部英男

    伊部政府委員 厚生年金及び国民年金の本体部分が預金部資金に預託されておることは御承知のとおりでございますし、現行法でまいりますと、厚生年金基金は保険信託の契約によりまして保険信託に金が預託されることになっておるのでございますが、この石炭基金は、石炭のこの基金が自主的に運用するというたてまえでございます。しかしながら、今後その運用の方法につきましては、政府部内において検討をいたすつもりでございますが、おおむね現在の各種共済組合に準じてその運用を考えてまいるべきではないかと考えておるのでございます。なお、石炭に役立つようなふうに運用をする可能性はないかということでございますが、それは今後の運用のしかたとしていろいろくふうの余地はあると思います。特に、たとえば政府保証債等の引き受けといったような形になりますれば、それがすなわち石炭に回るといったようなことになりますし、あるいは不動産の所有等の形におきましてもまたいろいろなくふうの余地があろうかと思いますので、そういう点は関係政府部内におきましても十分検討、努力をしていきたい、こう思っております。
  27. 八木昇

    八木(昇)委員 附則第二条の二項に関連して伺いますが、この法案によりますと、法律施行の日から五ヵ月以内に基金が発足するということになっておるわけですね。そこで、この年金対象となる労働者は、特に過去通算を受け得る労働者は、この基金が発足したその時点に現に炭鉱に働いておる人、こういうことになるわけでしょうか。もしそうだとするならばちょっと問題がございます。その点お答えいただきたい。
  28. 伊部英男

    伊部政府委員 資格要件につきましては、基金定款で定めることになるのでございまして、通常の場合でまいりますると、過去期間の見方は、経過措置の問題でございますので、原則的には基金の設立時点、ある法律制度が発足し施行される時点において考えるのが通例でございます。  ただ、御質問趣旨は、制度実施後、従前石炭鉱業に雇用されておった方が、一時他の仕事に従事されておったけれども、いろいろな事情でもう一ぺん石炭に帰っていきたいといったような場合にどう考えるかという御質問だと思うのでございますが、原則は先ほど申し上げたとおりでございますけれども、それを基金の設立日、その当該十月一日なら十月一日午前零時現在というぐあいに考えるのも少し不都合が生ずるのじゃなかろうか。したがいまして、これにつきましてはやはり少し時間の幅を持たせたほらが適当なのじゃなかろうか。まあ五年後、十年後にきたときに、ここから見てくれと言われましても、なかなかむずかしい問題があろうかと思いますが、午前零時フラットにいないとだめだというのも少し問題があるのじゃないか。この点は経過措置の問題といたしまして、定款の作成に当たる基金十分相談をしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
  29. 八木昇

    八木(昇)委員 非常に適切な答弁だと思うのですが、そういうふうに相当幅を持たして実情に合うような措置をしてもらいたい、こう私は思います。その場合に基準を、この基金発足のときに基準を置くか、この法そのものが施行されたときに基準を置くかによってもまた違ってまいりますね。たとえばこの法が参議院でも可決されて成立をした、それから以後基金が発足するまでの間にも、現に山が相当つぶれておるわけです。北海道あたりでは七つも八つも現につぶれつつあります。九州あたりでもまきにつぶれんとするところも現に存在しております。そうしますると、これがたとえば来月つぶれた、こうしますね。そしてそれから失業保険金をもらってできれば炭鉱以外のところに就職したいと思ったけれども、とうとうない。だからこれから八ヵ月後にまだどこかの炭鉱に就職したというような人の場合も出てきますね。そうしますと、この法が施行をされるときは炭鉱在籍者だったわけです。ところがいまのような事情の人は基金発足の時点では炭鉱労働者ではない。基金発足の二、三ヵ月後にまた炭鉱へ来た。その人は過去においては相当長期間炭鉱につとめておった人である、こういうケースも出てくるわけです。でございますから、どこかに基準を置く、その基準はやはりできれば法施行の日に基準を置いて、しかもそれについてさらに相当幅を持たせて、その施行の日からさらに二年なら二年以内くらいにまた炭鉱に就職した人については過去通算するというふうに考えてもらいたい、こういうふうに思っておるのです。
  30. 伊部英男

    伊部政府委員 時間の幅を持たせると申し上げたのでございますが、時間の幅と申し上げました以上、別に一時間とか二時間ということを考えておるわけではもちろんございませんので、実情に即するような結論を基金とともに相談して出してまいりたいと思いますが、ただいま先生指摘のような考え方も、非常に適切な考え方一つの例ではなかろうかと思いますので、十分検討させていただきたいと思います。
  31. 八木昇

    八木(昇)委員 次に、基金定款は、設立総会の議を経て、厚生大臣の認可を受ける、こういうふうになっておるわけでございます。ところが先ほど来質疑をいたしましたように、定款の中身が具体的にどら定まるかということが、実は今度の鉱業年金の生命なんですね。そこで、一体この厚生大臣の態度として、ほんとうは大臣に質問すべきでございますけれども有澤委員会答申をした内容そのすべてについて、われわれは賛成しておるわけではございません。たとえば有澤委員会答申をした内容にうたわれておるような項目、いわゆる主要な柱というべきものについては、厚生省当局としては、あくまでもこれは政府考え方を通すという強い意思であるのか、それともこの法のたてまえ上、それは話し合いをする、そして基金の設立準備委員会といろいろ話し合いをして、そしてそこで妥協もあり得る、こういうふうなお考え方なのか。私はその後者のような考え方であるならば、少なくとも基金の発足にあたってはそれはいかぬと私は思っておるのですが、その辺のき然たる態度をお示し願いたい。
  32. 伊部英男

    伊部政府委員 大臣、政務次官、他の委員会へ御出席で申しわけございませんが、この点については、ただいま八木委員指摘のとおり、有澤小員会の考え方の基本線を定款の中へ貫くという本姿勢でございます。この点は、次の条項にもございますように、この認可は通産産業大臣に協をいたすことになるわけでございますが、この点政府部内としての一致した考え方でございます。
  33. 八木昇

    八木(昇)委員 その点はひとつすっきりとやっていただきたいと思います。だんだん時間もたちますから、それでは直接こ法案そのものの中身についてではございませんの関連をしまして四項目ばかり簡単に伺いたいと思います。第一は、この基金の財源です。これはトン当たり四十円徴収というふうに考えてよろしゅうござましょうか。というのは、事業主側はそれらの点についてまだ釈然としていないようでございます。そのことと、それから本年度、この基金に対する事務費の補助七百万円というものが予算に組れておりますが、来年度以降は事務費補助はどういうことになっていくのか。それから、私はやはりこれが一種の社会保障制度として安定的に確立をされるためには、厚生年金に対して国が二〇%ないし二五%給付の補助をしておりまするように、やはりこの鉱業年金に対しましても一定割合の給付補助をすべきだ。これはねばり強く今後とも主張し続けるつもりでございますが、これについての厚生省としてのお考えはいかなるものであるか、これらをお答え願いたい。伊部政府委員 この年金制度の財源として、トン当たり四十円程度ということが有澤委員会考え方に示されておるのでございまして、先ほど有澤委員会答申を尊重すると申し上げた趣旨でこの点は御了承いただきたいと思います。  それから事務費につきまして、今年度事務費の一部として七百万円の補助を計上いたしたのでございますが、明年度以降につきましてもやはり引き続き事務費の補助をするよう要求をいたしたいと考えております。  それから、一種の社会保障として国庫負担をすべきではないかという御議論でございますが、この点につきましては、実は先ほど来申し上げておりますように、厚生年金基金という他産業におきます仕組みを石炭では利用できない。そこで石炭産業の置かれておる状況も考慮しつつ、かような制度を別個に考えたのでございまして、その意味におきましては、やはり国庫負担というものがここに入ってくるということは他産業との均衡上どらも適当ではないのじゃないか。また厚生年金におきまして坑内夫は実期間が三分の四倍されておる、あるいは支給開始年齢が五歳若いといったようなことから、実質的には、年金現価で申しますと約倍程度優遇を受けておるのでございまして、さらに国庫負担におきましても、一般の二割に対して、二割五分ということで、つまり全体で申しますと約二倍半の国庫負担厚生年金の中で受けておるのでございまして、そういう点も考慮いたしますと、他産業との均衡上やはり国庫負担という形は適切ではないのではないか。ただし、石炭産業の置かれておる現状にかんがみまして、かようなトン当たり四十円等の負担負担できますような全体的な石炭対策が円滑に進みますように、その点につきましては、厚生省としても通産省あるいは関係省にも十分お願いもし、協力もし、努力もしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
  34. 井上亮

    ○井上(亮)政府委員 今回炭鉱労働者につきまして特別年金制度の設置をお願いいたしておるわけでございますが、この年金制度をつくるにあたりましては、私ども厚生省ともここ二年くらいにわたりましていろいろお打ち合わせを続け、特に昨年石炭鉱業審議会答申をいただき、政府で閣議決定をしまして以来、精力的に話し合いを詰めてまいったわけでございますが、その過程で経営者及び労働組合等とも相当突っ込んだ打ち合わせをして、今日の体系に一応関係者の同意のもとにまとめ上げたわけでございます。ただ、まとめるに際しまして、経営者側はこのトン当たり四十円の負担ということは今日の石炭産業事情からしまして相当過重な負担である。本来ならばこの負担は今日の石炭鉱業の現状からは支出ができない。したがいまして経営者側としては、制度としてはこういう制度がぜひ必要である、炭鉱労働者の定着政策のために制度はぜひ必要である、しかし、遺憾ながら負担が過重であるという意見がありまして、石炭鉱業審議会年金委員会におかれましても、あるいは政府に対する陳情としても、この四十円につきましては、補助制度を設けてくれという条件つき賛成というような経緯があったことは事実でございます。政府に対しましても、そのような陳情と申しますか申し入れといいますか、これがあったわけでございます。年金委員会に対してもそういう申し出がございました。ところで、石炭鉱業の苦しい実態は諸先生皆さん御承知のことでございますが、この補助制度というのは、政府部内で相当長い間かかりましていろいろ検討したわけでございます。厚生省とも打ち合わせし、大蔵省とも打ち合わせしたわけですが、今日の政府関係の意見といたしましては、直接補助はなかなかむずかしい、やはり石炭産業に対する全体としての助成の中でこれを配慮して助成するという、いわば間接補助的な方式が妥当ではないかというような考え方にただいまなっておるわけでございます。これに対して石炭業界は、間接補助では、今日の補助体系のもとにおきましても平均的に収支が償う程度に助成金をもらっているのである、そうなりますと、平均以下の収支の悪い企業においては依然として赤字状態でございます。ところがこの年金制度は強制でございますから、赤字であっても何とか捻出しなければいけない、こういうことになりますので、なかなかつらい、こういう意見が今日あることは事実です。私どもとしましては、政府の従来の考え方、それから石炭業界の実情、これをよく見まして、今後この負担対策につきましてさらに研究さしていただきたいというふうに考えております。
  35. 八木昇

    八木(昇)委員 いま石炭局長から御答弁がありましたように、業界筋ではそういった直接補助制度というものにしてもらいたいという要望が非常に強いわけです。私は、これはいまの石炭鉱業界の実情からしてしごくもっともな要望だと思います。現在石炭対策のためにいろいろな政府の資金が出ておりますけれども、やはり基本的には企業を救済する形のものです。ところがこの基金制度というのは、金は事業主に出させますけれども、本質的には労働者を救済するという性格のものですから、石炭企業にある程度国が補助をしているからということをもってすげかえるというのでは私はいけないと思います。これが社会保障制度と言えるためには、すべて企業側の負担で——私はそうとは言えないと思います。特に石炭企業の実情が実情でありますだけに、ぜひ今後そういった業界筋の意向等も十分にしんしゃくされるように希望する次第でございます。  次に、時間がありませんから具体的にあと三、四点を端的に伺います。過去勤務の通算は十五年間は通算するという厚生省のお考えでありますが、ということは、現在より十五年前——昔ですね、までの分を見る、こういうことなのか。たとえばいまから二十五年昔に炭鉱に入って七年つとめた、それから軍隊なんかに行って現役志願して職業軍人になっておった、その期間が七年あった、八年あった、帰ってきてまた炭鉱に戻った、そういうようなわけで過去に炭鉱勤務した期間は十五年以上になるけれども、現在から十五年以前からずうっと十五年間勤務したわけじゃない、こういう事情の人がたくさんあるわけです。そこで、過去十五年間分を通算するというのはどういう意味か、それをお答え願いたい。
  36. 伊部英男

    伊部政府委員 御指摘のとおり、飛び飛びでもよろしい、十五年の累計である、つまり厚生年金保険における第三種被保険者としての期間であるというぐあいにお考えいただければけっこうだと思います。
  37. 八木昇

    八木(昇)委員 老齢年金給付額は、定額として、たとえば坑内夫の場合は発足後実働五年の者については二千五百円、これから始まって最高七千円ということに政府はお考えのようです。それから坑外夫は坑内の人の二分の一の給付額というふうに確認してよろしゅうございましょうか。
  38. 伊部英男

    伊部政府委員 そのとおりでございます。
  39. 八木昇

    八木(昇)委員 こういうふうに有澤委員会答申で額を明示してある事実を私ども否定はいたしませんけれども、年間にトン当たり四十円——その前に、この掛け金の徴収は文字どおりトン当たりで取られるのだということをちょっと聞いておきたい。
  40. 伊部英男

    伊部政府委員 有澤委員会におきますトン当たり四十円は、いわば負担程度を示しておるのでございますが、実際の徴収の方法につきましては今後の問題として検討をすることになると思います。いまの見込みといたしましては、実際にも一トン当たりで徴収をすることに落ちつく可能性が強いように思います。
  41. 八木昇

    八木(昇)委員 ほかのいろいろな要素はあまり、あまりというか、加味しないで、文字どおりトン当たりという意味ですね。
  42. 伊部英男

    伊部政府委員 その点は今後基金あるいは業界と相談をしてまいるつもりでございますけれども、いまの方向としては文字どおりトン当たりで徴収をするということに落ちつきそうでございます。
  43. 八木昇

    八木(昇)委員 といたしますると、文字どおりトン当たりと仮定いたしまして、五千万トン年間出炭するといういまの事情でございます。そうしますると一年間に二十億円の掛け金ということになりますね。今後五ヵ年間で百億円の金が集まる、その集まった金にはそれぞれ利息がつくからもっと大きい額になる、それなのに、これから五年後に初めて給付を受ける人が若干名出てくるわけです。その数を何名と押えておられるか。それが一万名なんという数にはならないのですが、そのときにすでに五十五歳以上でなければなりません、一万名とかりに仮定したところで月額二千五百円、年間には三億円くらいになるわけですね。支出はきわめて少額ですな。そういう点を考えますと、この掛け金の額に比較して給付内容が非常に悪いように思うのですが、その辺の数字をどういうふうに予想しておられるか、時間がありませんから簡単でけっこうです。
  44. 伊部英男

    伊部政府委員 ただいまの見込みといたしましては、基金が発足して五年後の昭和四十七年におきまして、初年度は六百名程度、二十年後におきまして二万九千名程度の見込みでございます。なお、この石炭年金基金対象者が比較的高年齢でございますので、コストといたしましては比較的高くつく計算になりますし、さらに十五年という、実は年金制度におきましてあまり例のない非常に多くの掛け金の期間を置いておるのでございまして、そういった点が給付の面にも反映しているという点、御了承願いたいと思います。
  45. 八木昇

    八木(昇)委員 たとえば四十七年にはわずか六百名ということであると、取るに足らない支出ですよね。そうしてすでにそのときには百何十億円の金が積み立てられておるということですね。それは安全率を見過ぎていると私は思うのですけれども、いま救わなければだめなんですよ。いま現に働いている人たちに魅力あるものにしなければならぬのです。そういう喫緊の事情というものを考えますと、非常に厚生省考え方は型にはまり過ぎていると思います。  そこで時間がありませんが、結局四十円の徴収という財源で、しかも二千五百円ないし七千円の給付ということにしたについての算定の基礎、そういったものについてひとつ資料を提出していただきたいと思います。それによって、私どもも少しく勉強をしたいと思いますから、その点を要求をいたしておきたい次第でございます。ほかに相当具体的にたくさんありますけれども、きょうのところは省きます。  なお、一点だけ伺っておきます。実は、有澤さんの昭和四十一年七月の石炭鉱業の抜本的安定対策についての答申の中で、この年金問題についてらたってある項の中に、こういうふうに答申がなされておるわけであります。「なお、現在すでに相当期間坑内労働に従事している者に対する経過措置および特殊な場合における資格年限の不足に対する救済措置について検討すべきであろう。」こうなっておるわけですね。この点が政府態度では無視されておるわけです。たとえばこれから四年半くらいたった後にその炭鉱がつぶれたといたしますね。そういう場合には現在より過去に十五年以上炭鉱につとめており、さらに今後四年半勤務したあと、もう一歩だというところで山そのものがつぶれたというような事情年金はもらえぬ。あと二ヵ月か三ヵ月かすれば一生年金がもらえるのが、いまのそういった不可抗力の事情のために全然もらえない、それが普通の、たとえば国家公務員とか公共企業体なんかの共済年金制度の場合は親方日の丸ですから、本人の事情でやめる、あるいは本人の失態のために懲戒解職になるというようなことはありますけれども企業そのものがつぶれて、ほんとうはなお働きたかったのだけれども働けなくなったという事情はないから問題はないのですけれども炭鉱の場合にはあるわけですね。ずいぶんたくさん起こる。そういうもの、もしくはあるいはあともう半年くらいで受給資格がとれるというときに災害のために死亡したとかいうようなこととか、そういうような場合を想定して資格年限の不足に対する救済措置について検討すべし、こうなっておりますね。これも全く無視してあるのはどういうわけですか。
  46. 伊部英男

    伊部政府委員 石炭鉱業審議会答申の際におきまして、ただいま御指摘のように、「相当期間坑内労働に従事している者に対する経過措置および特殊な場合における資格年限の不足に対する救済措置について検討すべきであろう。」ということになっておる点はそのとおりでございます。  そこで、「相当期間坑内労働に従事している者に対する経過措置」といいますのは、先ほど来御指摘になりました鉱業勤務期間の見方ということで考えておるのでありますが、特に「および」以下の「特殊な場合における資格年限の不足に対する救済措置」、この点は実は石炭鉱業審議会答申したときには、坑内員に限られておったわけであります。そこで坑内員に限られておる、坑内労働に従事しておった方がいろいろな事情、たとえば負傷された等の事情によりまして坑外に出た、その場合に資格が足りないじゃないかという点が、実はこの「および」以下の記述の念頭にあったのでありますが、この点は今回坑外夫も適用する仕組みをつくることによりまして大部分解消したのでございます。しかしながら今後五年間の間の、ただいま御指摘のような問題は依然として残っております。この点はこういう答申をも踏まえつつ有澤委員会において検討したのでございますが、ただ本制度が今後の労働力確保が本体であるということと、それからさらに途中の離職につきましては、石炭対策の一環としてなるたけ石炭産業に再就職を進めるように承っておりますので、資格期間を満たす可能性があるわけでございまして、そういった方法で解決をしていきたいと考えておるのでございます。実はこの五年間の積み立て期間を置くか置かないということが保険料負担の面におきまして非常に大きい差が出てくるのでございまして、御指摘のように若干の気の毒なケースもあろうかとは思うのでありますが、その間の全体的な保険料負担等を考えますと、やはり五年間の積み立て期間はぜひとも必要であるということが、有澤委員会答申にも盛られておるのでございまして、この鉱業審議会の抜本対策の答申におきます資格年限不足に対する救済措置と申しますのは、実は大部分解消しておるということを申し上げたいと思います。
  47. 八木昇

    八木(昇)委員 いまの有澤答申の文章の読み方についても若干異論がありますし、ただいまの答弁では満足いたしませんが、後日に譲ります。  最後に一点だけ伺って終わりますが、これはこの法案と直接関係がありませんけれども、かねて三池炭鉱の災害をこうむられた方々から非常に強い要望等が出ておりましたが、三池炭鉱の場合だけじゃございません。一般的に問題になっておった問題について伺います。さきの法改正労災保険の一時金が年金化したわけですね。これに伴って、業務上の事故によって労災保険から給付を受けたときの厚生年金等の六年間の支給停止措置を廃止して、労災保険給付厚生年金等の給付が併給をされるようになったわけでございますけれども、その改正の際に、すでに労災保険から一時金による補償を受けておる者についてはなお従前どおりに六年間支給が停止されておるという実情にあるわけです。この点については何らかの改善措置をぜひひとつやってもらいたいというかねての熱烈なる要望がございますが、この点についていかなる措置を講じようとしておられるか。いま国民年金改正法案が提案されておるというふうに聞いておりますが、それによって改正をされるかどうか、その点をお伺いいたします。
  48. 伊部英男

    伊部政府委員 昨年二月に施行されました労災保険改正によりまして労災保険年金化されました。これに伴いまして厚生年金の六年間支給停止という制度はやめられまして、直ちに厚生年金支給する、ただし厚生年金かあるいは国民年金支給さるということを踏まえて労災の給付のほうをいわばへこますという仕組みになったのでございまして、現行におきましては労災と厚生年金あるいは国民年金が併給されておるのでございます。改正前はどうなっておったかということでございますが、改正前は労災保険業務上の傷害あるいは死亡につきまして一部年金化したところもございますけれども、原則としては一時金として支給をする。そこで一時金として相当多額な金が支給されるということもございまして、六年たって初めて厚生年金支給される。そこで厚生年金と労災とはそういう形で改正前はいわば調整されておった。改正後は並行的に調整をする、改正前は時間的に調整する、こういう形であったのでございます。ところが、昨年の二月以降の方はそういうことで厚生年金が出ておるわけでございますが、それ以前に、昨年の二月一日以前六年間の間に事故があった方々につきましては、労災による一時金は支給をされておるのでございますけれども厚生年金等は六年間経過するまでは実は支給停止になっておるということでございます。これにつきまして、理論的に申しますと調整の形を変えただけでございますので、それで済んでおるのだという議論相当強かったのでございますが、一方現に二月一日以降の災害の方が厚生年金支給を受けておる。しかもその間に厚生年金の大幅な改正が行なわれておるわけでございます。そういった事情考えますと、なるほど生活自体を考えますと非常にお気の毒であるということで、実は私ども部内におきましても議論があったのでございますが、国民年金法の改正案の附則におきましてその一部を解除をする。その国民年金法が成立をした翌月分から厚生年金及び国民年金の一部を支給するということで、附則でその改正をいたそうとしておるのでございます。その場合、大多数は厚生年金だと思いますが、厚生年金の八割を支給するということでございます。と申しますのは、一時金としていわば一応勝負がついたわけでございますので、全額というのもいろいろな意味で均衡上問題があろうというので、この法律案は実はまだ成立はさせていただいておらないのでございますが、成立の翌月から支給をするということでございます。この方々は人数といたしましては、遺族関係が約九千人、障害年金方々約五千人という相当な数にのぼる見込みでございまして、その中には御指摘のとおり相当炭鉱の災害関係の遺族あるいは傷害の方も含まれておると考えられるわけでございます。
  49. 八木昇

    八木(昇)委員 終わります。      ————◇—————
  50. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員長 この際、石炭鉱業再建対策の推進に関する件について、三原朝雄君外人名から、自由民主党、日本社会党、民主社会党及び公明党の四派共同提案にかかる決議をいたしたい旨の申し出があります。  この際、提案者に趣旨の説明を求めます。三原朝雄君。
  51. 三原朝雄

    ○三原委員 まず自民、社会、民社、公明、四党共同提案にかかる石炭鉱業再建対策の推進に関する件について決議文を朗読いたします。 石炭鉱業再建対策の推進に関する件(案)(四十二年七月) 石炭鉱業の抜本的安全対策については、先に行なわれた石炭鉱業審議会答申趣旨に従つて、特別会計を実施するなど本格的に実施する運びとなつたが、現下の石炭鉱業をとりまく客観的情勢答申当時よりさらに緊迫の度を加えており、他面最近における国際情勢からみても国内エネルギー資源の確保の必要性は一層増大している。 かかる実情にかんがみ、政府は、石炭鉱業の長期安定と資源の合理的開発を図るため、企業の再編、需要の確保、電力用炭を中心とする販売機構の一元化などの基本問題について検討すべきである。 さらに当面、次の諸点につき適切な施策を構ずべきである。 一、需要の確保について 一般炭需要の予想以上の減退と貯炭の増加の傾向にかんがみ、電発石炭火力八基(既計画五基を含む。)、共同火力の増設等を積極的に推進することにより政策需要の確保対策を強化するほか、燃焼器具の改良、普及、セントラル・ヒーテイングの推進等により暖ちゆう房用炭の需要の確保に努めること。 二、経営の安定と生産体制の近代化の促進について 肩代わり措置の実施以後における石炭企業の経営基盤の安定と生産体制の近代化を図るため、安定補給金、炭層探査および坑道掘進の補助、機械貸与及び機械利用の効率的運用を図るための措置等の諸施策を強化すること。 なお、周辺炭坑の終閉山に伴い坑内水が著しく増加し経営が圧迫されている企業については、資源確保の観点から特別の助成措置を講ずること 三、原料炭の供給の確保について 原料炭需要の増大に対処するため、原料炭の新鉱開発の促進等出炭体制を強化すること。 四、流通面の合理化について 電力、鉄鋼用炭の需要の増大、輸送距離の遠隔化等の事態に対処するため、石炭専用船の建造を引き続き実施するとともに、港湾施設の一層の整備、スラリー輸送の実現等を推進すること。 五、鉱区調整の推進について 石炭の計画的生産を図るため、鉱区の調整を積極的に推進するとともに、所要の法的措置を検討すること。 六、技術開発の推進について 技術開発体制の強化を図るとともに特に石炭資源の有効活用と石炭需要の積極的確保に資するため新技術の研究、開発及び企業化を強力に推進すること。 七、金融対策について 最近の石炭鉱業における金融の逼迫化にかんがみ、その円滑化を図るとともに、特に中小炭鉱について特段の措置を講ずること。 八、保安の確保について 保安対策については、人命尊重の基本の上に立つて監督指導体制の強化、保安教育の徹底、保安施設の整備、保安技術及び機器の開発普及等の措置を講ずることにより、保安の確保に万全を期すること。 九、労働力の安定的確保について 最近における労働事情にかんがみ、若年労働力の確保と雇用の安定を図るた め、労働条件の改善、技能者の養成、福利施設の充実等をさらに積極的に推進すること。 一○、鉱害対策について 鉱害賠償を総合的、計画的に推進するため、強力な統一賠償機関を設けること。その際、有資力賠償機関を設けること。その際、有資力賠償義務者に一定の納付金を課する。 なお、鉱害裁定の公正を期するため第三者機関を設けること。 一一、産炭地域振興対策について 産炭地域の振興については、第二次五ヶ年計画を早急に実施するとともに、企業誘致を促進するため、土地造成に対する助成、工場貸与制度の拡充等の施策を推進すること。 地方公共団体の財源の充実を図り計画事業については、財政援助措置を改善するなど負担軽減対策を推進すること。 産炭地域における生活環境の実情にかんがみ、教育施策の充実を図ること。 右決議する。 衆議院石炭対策特別委員会 以上でございますが、各項目の内容説明は、四党共同提案でもあり、懇談会などにおいて検討されたとおりでありますので、省略をいたしますが、どうか各位の御賛同をお願いいたします。
  52. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。     —————————————
  53. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員長 これより三原朝雄君外八名提出の、石炭鉱業再建対策の推進に関する件を本委員会の決議とすべしとの動議について採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  54. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員長 起立総員。よって、動議のごと石炭鉱業再建対策の推進に関する件を本委員会の決議とすることに決しました。  ただいまの決議について政府の所見を求めます。菅野通産大臣。
  55. 菅野和太郎

    ○菅野通産大臣 ただいまの御決議に対しましては、政府としても、御趣旨を尊重してその実現に努力してまいる所存であります。
  56. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員長 なお、本件の政府への参考送付等の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  57. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  本日は、これにて散会いたします。    午後零時四十八分散会