○
井上(亮)
政府委員 御
指摘のように、私も個人といたしまして、ヨーロッパの炭鉄共同体も訪れたわけでございまして、
大臣の秘書官をしておりました林君が当時ベルギーに駐在しておりまして、これが私の案内をして炭鉄共同体についていろんな話を聞き、ディスカッションしたわけですが、非常にりっぱな制度組織であるというふうに私も痛切に感じたわけであります。私
どもがいま
日本の
石炭産業再建、
需要確保というようなことを
考えますときにも、やはりこの制度は参考になると私個人では
考えております。実はほとんど実質上これに近いことをいまやっておる。
ちょっと口はばったくなるかもしれませんが、そういうことを
考えながら私
どもも今日
石炭施策をやっているわけであります。たとえば例といたしまして、
電力につきましては、先ほどの西独は
発電所の今後の新設分についての
負担増以前のものについては
重油規制というような形でやっておりますが、私
どものほうは、以前からやっておる
火力発電所につきましても今後のものにつきましても同様でございますが、一定量以上の
需要については
負担増対策ということについて、
電力業界に、先ほど
先生から御
指摘のように、単なる経済合理主義からだけの反対はさせないというような制度的裏づけのもとに、
石炭の
引き取りを要請するというような制度をつくっております。
それから鉄につきましても国内炭優先使用原則、とにかく国内炭を優先使用するという原則をかねてから主張いたしております。
鉄鋼業界もそれを心よく受け入れて今日やってくれておる。
なお
原料炭を輸入いたしますときには、これは輸入の自由化をいたしておりませんで、
政府の許可を必要とする割り当て制といいますか、そういうように自由化しておりません。これは通商局が窓口になって輸入の許可を与えますけ
ども、
石炭局が一応関与しております。
石炭局の了承なしには輸入できないというような制度的な仕組みにもなっておりますので、そういった意味では輸入炭それから国内炭の供給確保についての
体制は一応できたというふうに
考えておりますが、ただ
電力についても鉄についてもこれを
法律ではやってない。鉄は輸入の制限は
法律でございます。というのが現状でありまして、まだ私自身が
考えましていろいろ不十分な点も全然ないとは申せませんが、
政策需要を確保するという意味の基本的なワクづくりは一応できたというふうに
考えております。