○井手
委員 いや、そうじゃないのだ。三十九
年度に調査をしたものは、県市町村で調査したものと
炭鉱で調査したものの二通りあるはずです。その調査というのは、いまさっき言った原形
復旧の五六・七%に当たる。効用回復として調査したものが、いま言ったように県市町村の調査したものと
炭鉱が調査したものと二通りある。それを端的にいうなら、足して二で割って
通産省の六百七十億という数字が出てきているのです。足して二で割ることが、きちっと割ったかどうか知りませんけれ
ども、大体そういう
考え方です。
それから、あなたのほうではわからぬかもしれぬが、ひとつ参考までに申し上げておきますが、従来、
鉱害量で、閉山当時の
鉱害復旧量と、実際
復旧の
計画を立てて
復旧を進めておる
復旧費の差というものはたいへんなものである。参考までに私は一、二申し上げておきましょう。福岡の籾井
炭鉱は閉山のときは七千六百万円の
鉱害復旧量であったのが、その後、
復旧計画を立ててやっておる金額は、ごく最近じゃありませんが、前の数字では三億四千五百万円。これは、籾井の場合は若干問題があると思うのです。それはぼくはここでは申しません。私のほうの小城
炭鉱は閉山当時八億を予定したものが、今日では二十億をこえておる。あちらこちら、私
ども復旧工事に
関係して驚くことは、最初予定した金額の二倍半から三倍になっておる。なぜそうなったかといえば、物価の問題もありましょうけれ
ども、最初は非常に過小に見積もったということです。あれは
鉱害ではないとか、あれはこのくらいですれば
復旧できるじゃないだろうかというふうに、非常に小さく、少なく見積もったところにその差が出てきたわけです。それと、もう
一つの問題は、あなたのほうは五六・七%の効用回復でいいというお考えが従来ありましたけれ
ども、原形
復旧でなくてはほんとうの効用回復にはならぬのですよ。そこにあなたのほうの開きがたいへん出てくる。いわゆる一般の被害地からの要望とあなたのほうの考えの違いが非常にそこに出てきているわけです。だから、閉山当時の
復旧費の見込み額と実際効用する額というのは二倍半から三倍になっておる。もしそれを初めから原形
復旧ということで調査をしておるならば、その差というものは五割か八割増しぐらいでとどまっておるかもしれません。あなたのほうが五六・七%に最初から押えたところに問題があるし、県市町村の調査と
炭鉱との調査の中間をとったところにも問題があるわけです。だから、私はここでその点をいろいろ言質をとるとか、きょうは考えておりません。問題の重要性を訴えればいいわけです。あなたのほうが認識してくれればいいわけです。だから、七百六十億円、午前中もその点に対して
田中委員から非常に不審な気持ちでお尋ねがあっておりましたが、そのとおりです。七百六十億というのは、現在
復旧計画を全部立ててごらんなさい、一千二百億あるいは一千五百億円になるかもしれませんよ。少なくともこの五六・七%の効用回復に押えたことに
一つの問題があるということ。この効用回復で一番大事なことは、これは専門的になりますからおわかりにくい点もあるかもしれませんが、水利の
関係です。水利の
関係で、効用回復などということは一%か二%しかないのです。押し水といって、同じ海拔、同じ高さ、上から
流れてくる水が押し水で、ずっとかんがい水が何十町も何百町もかかっておるところは、一センチでも下がったらたいへんなことですよ。そういう問題で効用回復などということがいえますか。それは山間部におけるいわゆる田ごとの月といわれるようなところで、ものによっては一メートル下がったところを七十センチ
復旧すれば足りるところもあるでしょう。けれ
ども、山ろく部から平坦部にかけての
農地の
復旧というものは、効用回復というものはほとんどあり得ないのです。まああなたのほうが
予算獲得の
国会答弁に都合のいいように小なく見積もったとは、私は邪推はいたしません。むしろ私は、
鉱害量というものははっきり出すことが一般の要望にこたえる道だと思うのです。私は端的に申し上げますと、三十八年現在六百七十億という
鉱害量、その後物価の上昇を考えますならば、私は
安定鉱害といわれるものは千二百億から千五百億を下ることはないと思っております。少し
石炭局も認識を改めてほしいと思います。あとでいろいろ聞きたいこともありますが、どうですか、その点は。あなたのほうの考えがかなり誤りじゃないか。