○野村
説明員 ただいまの先生の御
質問でございますが、先般、先生が運輸省にいらっしゃいまして、いろいろ現地の実情を
お話しくださって、また、こういうふうにすべきではないかという現地の実情に基づく御
意見を拝聴したこともございます。そのときに、その先生の御指摘の線の中で、さっそく実現できるものと、それからある程度調査研究を要して実現しなければならないこと、いろいろと選別をいたしまして、そして現在対馬航路を
経営しております九州郵船の社長、専務
理事等を再三招集いたしまして、実情を聴取いたしました。またその間、本年の春でございましたか、衆議院の運輸
委員長が島民の御要望によりまして現地を御視察になられましたので、そのときに私どもの定期船課長が同行いたしまして、現地の住民の
代表の方とお会いし、また船の
経営者の人ともお会いしまして、いろいろ実情を
検討いたしたわけでございます。
現在までに実現できましたのは、下関から比田勝に至ります北の航路、これが御案内のように従前は百五十トン程度の船でございましたのが、これを私どもが勧奨いたしまして、九州郵船がよその会社から定期船を買船いたしまして、現在四百五十トンの船が通っておるということで、北のほうの住民の方々からは、相当改善をされたという声を聞いております。
それから、一番中心になっております福岡と厳原との航路でございますが、これにつきまして、先生からも再三御指摘があり、また私ども会社側を再三呼びまして事情を聴取いたしましたところ、会社が従来一番危惧いたしておりました点は、御
承知のように、離島航路に
指定をして、そして補助航路の
対象になるということになりますと、これはいろいろ制約を受けるのではないかという点、それからもう
一つ、現在八分ですか配当いたしておりますが、そういう会社が離島航路の補助航路の
指定を受け得るのかどうかという点について、会社側が必ずしも十分な実情を知らなかったという点もあったかと思いますが、その点につきましては、私ども
説明をいたしまして、現在、
昭和四十一年度から離島航路の補助方式が変わりまして、航路主義ということになっておる。したがって、会社全体として八分以下であれば、たとえ配当をしておっても、当該航路が適正な
経営にもかかわらず赤字になる、あるいは現在赤字でなくても、新船を投入することによってその年度はやむを得ず赤字になるというようなことがあっても、それはその離島航路の重要性等にかんがみて、離島航路に
指定することができる。
指定すれば、補助金も出ますし、それから船舶整備公団で建造する場合には、八割の融資が受けられるのだという
制度を
説明いたしましたところ、会社側も、まだはっきりした決心はつきかねているようでございますけれども、相当新船の建造について、島民の要望もあり、また、私どもも及ばずながら相当会社に強く勧奨をいたしておりますので、そういう前向きの線で
検討してみましょうということになっております。したがいまして、私どもは、新船の建造ということにつきましては、会社側もいろいろ計画はあるようでございますけれども、できる限り早く、できれば四十三年度に千トンクラスの新船を建造するように、さらに再三今後とも強く勧奨したいと思っております。
それから、等級の設定の点について先生からもいろいろ御指摘がございました。私のほうの定期船課長が現地を見てみましたときにも実情が相当わかったわけでございますが、基本的には、現在の等級につきまして、一等何名あるいは二等何名にするという法的な基準はございませんが、おのずからそこに常織的な線がありまして、それに基づいて一応等級をきめておるわけでございますが、そういうこともありまして、たとえば二等の席になりますと、二等の定員をきめるときには、人がすわっておるスペースを基礎にして人数を割り出すような規定に現在なっております。ところが実際には、航路等がしけますために、早く入られた方が横になられるということになると、
あとから来た方がどうしてもその席に入れないということがあって、相当はみ出すというようなこともあるようでございますので、この点につきましては、船舶検査の技術面からいろいろ
検討もしなければなりませんので、下級等級の増員ということをすみやかに私どもやりたいという考えは持っておりますけれども、なかなか技術的に問題もあるようでございますので、その点はもうしばらく船舶局のほうと連絡をとりながら
検討をしたいと思っております。先生の従来からの御要望に対しまして、はなはだ歩みは緩慢でございますけれども、少しずつ前進をしておる、こういう状況を御報告申し上げたいと思います。