○菅野国務大臣
商品取引所のあり方等についてお尋ねだったと思いますが、大体
商品取引所はいままで
登録制や何かでむしろ自由的な扱いをしておったと思います。これは戦後における経済の自由化という原則に従いまして、すべての経済
取引は自由に行なわせるという方針をとってきた。したがって
仲買人な
ども登録制であるし、
大衆もかってにいつでも参加できるし、
外務員もかってな者が
外務員になれるというような
制度をとってきたと思うのです。しかしその後における
状況から見ると、不正な
外務員が大ぜい出てきて
紛議が起こるし、
仲買人も信用できないというようなことで、
取引所が公正な価格を形成する場所でなくして、むしろスペキュレーションの場所に化してきたというところで、今回の
改正法律案というものが出てきたのであります。したがいまして、問題は、
取引所というものが国民からほんとうに信頼のできる場所であるということ、これが私は先決問題であると思います。したがって、
取引所における
取引というものが信頼のできるものであるということであって、それはもちろん
取引員がまた信頼のできる
取引員でなければならぬ。そういう点において今度は免許制をとったりな
どもして、資格については、十分な素質を持った者でたければ
取引員になれぬというような
制度をとるし、また
取引員が信用できるということは、同時に
外務員が信用できる人でなければならないということで、
外務員についても今度いろいろ制限を設けるということにしたのであります。これによって
一般大衆の無知な人が、
外務員も信頼できる、
取引員も信頼できる、同時に
取引所の行なう
取引も信頼できるのだということになれば、私は
一般の人々がだまされるというようなことは大体ないと思いますが、しかし現在の状態では、お話しのとおり
紛議はさっきの
件数以上にあると思います。現に私のところにも、数日前に兵庫県のあるいなかの婦人から、こういうような
損害を受けましたという手紙をもらったほどであって、私はさっそく、そういう問題については
取引所へひとつ実情を訴えなさいということをなにしたのですが、最近の手紙によると、無事
解決しましたから御安心くださいという手紙をいただきました。どういうふうに
解決したか知りませんが、それを聞くと、全く無知な婦人が
外務員の甘言に乗せられて、そして私らが見ても
相当な
金額の
損害を受けておるということでありますので、そういうことのないように、要するに、
先ほどから申し上げましたとおり、
取引所自体が信頼できるということ、これにはやはり
取引所の職員がその地方における名望家、信頼できる人であるということ、従来日本の証券
取引所にしましても、あるいは前の米穀
取引所にしても、そこの
理事長というものは、大体世間的に見てりっぱな人という人がなっておったのでありますが、今後においても、やはり
理事長には信頼できる人を選ぶ、そしてまたその
理事長の
運営によって
取引所自体が全く公平な
処置をとるということ、同時に、
先ほど申し上げましたとおり、
取引員が信頼のできる
取引員、
外務員も信頼できる
外務員にしたい、こういうねらいで今度の
改正法を出したのでありますから、これによって私は
一般の
大衆のこうむる
損害の防止ができるのではないか、こう
考えておりますし、また
取引所で取り引きすること自体が、そういうような甘言などによっていわゆるスペキュレーションに参加しないように、これはやはり
大衆の啓蒙運動をする必要がある、こう
考えておる次第であります。