○小笠
委員 私は一言希望だけ申し上げるので、答弁はよろしいです。
現在の
日本の
石油業界ではいろいろ問題があると思うのでありますが、それらの問題の多くにつきましては、すでに同僚
委員が触れられておりますが、まだ触れておらない点について一言申し上げておきたいと思うのは、
日本におきまして、いわゆる
石油の問題ではまず第一に量の問題が一番
基本的であると
考える。いわゆる
安定的供給の道をいかに
確保するか、こういう問題が第一であることは申し上げるまでもないのであります。それからさらに、それが
備蓄問題にもつながることは当然であります。
備蓄問題にもつながるということは、
石油業法に関連する問題でもある、こういうふうに
考えます。私が特に申し上げたいのは、量と質との問題、現在、
日本の社会においてやかましく叫ばれておる公害問題、公害問題の尤たるものはいわゆる
石油コンビナート、その他
石油を
中心として起こる公害にあるわけであります。それは大気汚染の最も尤たるものでありますが、そこで私は、今後の
石油政策を
考えるのにあたって、ローサルファの
石油をいかに
確保していくか、ここに問題があると思うのであります。一例をとりますと、アラビアのカフジ
石油につきましては、一二%近くのサルファが含まれておる。所によりましては一・五あるいは一コンマ以下のサルファがある。しかも、世界的に見まするときに、ローサルファの賦存度というものは非常に少ないのであります。最近公害問題がやかましくなってまいりまして、たとえば重油あるいは
原油からの脱硫の問題が大きく取り上げられてきておる。大型プロジェクトとして研究テーマにもなっておる。だがこの問題は、世界でまだ解決を見ていない。しかも採算的な点から見てなかなか問題がある、こういうことであります。したがいまして、今後の
日本の
石油政策を
考えるにあたりまして、いわゆる公害問題との関連において、いかなる質の
石油、
原油を
確保するかという問題が
基本的に大事だと私は思うのであります。こういう
意味におきまして、この
開発公団ができますれば、
一つの目的は取得先を分散し、同時にそれによって
安定供給の道を開かんとするのでありますが、その際に特に考慮してほしいのは、いま申し上げましたようなローサルファの問題、これをいかに安定した取得ができるようにするか、こういう問題がともすれば忘れられがちであります。量さえあればいいという
考え方、その時代はすでに過ぎておる。ここに質的な油の選択という問題を十分に頭に置いて
考えなければ、
日本の公害問題の解決にほど遠くなるおそれがある。こういう
意味から、本
公団の運営にあたりましては、その質的な問題に対して十分なる配慮をぜひしていただきたい、これが私のお願いであります。多くの人々がまだ触れておりませんが、私は
日本の公害問題という点から見ますと、最も重要な問題の
一つはここにある、こういうふうに
考えますので、
石油問題を議論するにあたりまして、役所側の考慮をぜひとも促しておきたい、これだけであります。
どうぞよろしくお願いいたします。
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