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岡田(覚)
政府委員 御質問の牛乳値上げの問題につきましては、
先生御
承知のように経過がございまして、生産者
価格の値上げの問題から端を発しておるわけでございます。昨年から牛乳につきまして、加工原料乳とそれから飲用牛乳と
二つございまして、加工原料乳につきましては不足払い制度から出発したわけでございます。普通牛乳につきましては、これは地域の実情なり需給の実情に応じて、おのずと形成される
価格であるということで、その不足払いの対象にいたしておらないわけでございます。普通牛乳の生乳
価格につきましては、御
承知のように毎年きめるというのが例になっておりまして、大体四月から三月までというふうな形できまっておるわけであります。昨年生乳
価格につきまして、制度の発足もありまして、メーカーと生産者の交渉が非常におそくなりまして、四月末、五月ごろから出発したわけでございますが、なかなか
価格がきまらないということがございまして、十二月末までいわゆる乳価闘争という形で行なわれたわけでございます。その結果ほとんど値上げができないというふうな状態でございまして、その
原因といたしましては、なかなかメーカーに支払い余力がないということが
原因であろうと思うわけでございますけれども、一方におきまして、生産者
価格につきましては、かなり生産費を割っておるというふうな地域もあるわけでございます。そこで御
承知のように、昨年は非常に生乳の生産が減退をいたしたわけでございます。一方、そのために乳製品の輸入というものもふえたわけでございまして、今後の牛乳、乳製品の世界的な需給の実情から見まして、国内でどうしても生産をふやさなければいかぬというふうな要請があるわけでございます。生産者のほうとしましても、この際原料
価格の値上げをぜひやりたいという要望が強くて、四十二年度の生乳の取引
価格につきましては、相当大幅の値上げの要請がメーカーにあったわけでございます。私たちのほうは、本来
価格というものは、先ほど申し上げましたように、それぞれの段階においてそれぞれの当事者の間で自由にきまるべき
価格でございますので、この
価格の
内容に介入するということは考えておりません。しかし生産者の要請は、これは妥当であるということで、メーカーに対しましては原料
価格の値上げの要請をいたしまして、生産者に協力をしてもらうようなことを話したわけでございます。生産者
価格が上がりますと、現在の実情のもとにおいては、卸売り
価格なり、小売り
価格がこれを吸収してしまうということは不可能であろうというふうに私たちは判断をいたしておったわけでございますが、しかしそうかといって、
価格をメーカーと生産者が
幾らであり、メーカーと小売りの段階では
幾らであるかというふうなことにつきましての
指導はいたさないということを先般も明らかにいたしておるわけでございます。