○小山(省)委員 今日の
段階においてそこまで立法化を進めるということは確かに困難であろうということは、私もよく理解できるわけです。しかし本年度の
中小企業におきます倒産件数などを見ましても、
日本の景気というものが急速に回復しつつあるという反面に、依然として
中小企業の中にはそういう悲惨な実例というものが減少するどころか、むしろ増加しておるというような遺憾な結果が出ておるわけです。私は、いま
高度化政策、
協業化政策というものが強力に進行しておる過程の中に、小零細
企業の中には相当悲惨な形において倒産、破産というような最悪の事態にいっている
企業が非常に多いということを
承知しておるわけです。それはもう、逐年の
経済取引の中においてそういうことがいろんな形で出ておるのです。たとえば商取引の中で手形サイトというものが一体どういう方向をとっておるか。年とともにこれが延びているのですね。従来ある
程度の現金支払いをしたようなところでも、今日ほとんど現金で支払いをするというようなところはないわけです。六十日の手形がいつしか百日になり、百二十日になり、百八十日になる。これは何も下請関係だけじゃないのです。商取引の面において、非常にそういう一方的な、支払うという有利な立場から、そういう条件を強制しておる。たとえば百貨店のように現金で売っていても、これは実際に支払うということになると相当
長期な手形で払っておる。こういういわゆる
中小企業、ことに小零細
企業を取り巻く周辺の環境というものが悪化しておるのです。こういう環境を一日も早く整備してやらぬと、これは相当
長期にわたって放任できないのですね、非常に脆弱な業界ですから。ですから、
政府が本腰を入れて
近代化政策、
高度化政策、そういう政策を進める反面に、やはりそういう零細
業者というものの立場に立って一連の社会政策的な
施策を進めませんと、これはあまり時間をかけて放置することが許されない立場にある、こういうことを十分ひとつ
長官、お
考えいただいて、今日直ちにわれわれはそういう
施策を要求するわけでありませんが、少なくとも将来この
振興事業団の
仕事というものは強化されこそすれ、後退することはないわけです。そういうものと並行的に、そういう日の当たらない部門に関係しておる人のためにできるだけの親切な
施策をしてやっていただきたい、これを私は特にひとつこの機会にお願いを申し上げておきたいと思います。
それから、しばしば
質問に立たれる方が、
公団、
公社の整理統合ということを言っておりまして、私はそういう
考え方そのものは大いにけっこうだろうと思うのです。しかし、今日の
振興事業団はむしろそういう精神を加味して、
指導センターあるいは
高度化資金というものを統合しておるから、
趣旨としては別にそういう
考え方からはずれておるとは思わぬですが、むしろこの
振興事業団を一そう強固なものにし、またその文字が示すとおり、
中小企業の
振興に大いに役立つためにさらにこの
振興事業団をもっと強化し、他のいろいろな投資育成会社であるとか、あるいは
近代化資金関係であるとか、あるいは小規模
企業共済
事業団とか、そういう一連の
事業団をできるだけ整理統合して、可能な範囲はこの
振興事業団の中に包含して、これが
中小企業対策の最も大きな柱として強力な力を発揮してもらえるように、今後この
振興事業団の強化策についてひとつ一段と御検討を願いたいというふうに
考えておるわけでありますが、この
考え方について、幸い
大臣がお見えになりましたから、どんなお
考えでありますか、お聞かせをいただきたいと思います。