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1967-06-13 第55回国会 衆議院 社会労働委員会 第19号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年六月十三日(火曜日)     午前十時四十分開議  出席委員    委員長 川野 芳滿君    理事 藏内 修治君 理事 佐々木義武君    理事 齋藤 邦吉君 理事 竹内 黎一君    理事 橋本龍太郎君 理事 河野  正君    理事 田邊  誠君 理事 田畑 金光君       天野 光晴君    菅波  茂君       田中 正巳君    地崎宇三郎君       藤本 孝雄君    増岡 博之君      三ツ林弥太郎君    箕輪  登君       粟山 ひで君    山口 敏夫君       渡辺  肇君    淡谷 悠藏君       枝村 要作君    加藤 万吉君       川崎 寛治君    後藤 俊男君       佐藤觀次郎君    島本 虎三君       西風  勲君    八木 一男君       山本 政弘君    本島百合子君       大橋 敏雄君  出席国務大臣         労 働 大 臣 早川  崇君  出席政府委員         防衛施設庁長官 小幡 久男君         防衛施設庁労務         部長      江藤 淳雄君         郵政省人事局長 山本  博君         労働大臣官房長 辻  英雄君         労働省労政局長 松永 正男君         労働省労働基準         局長      村上 茂利君         労働省職業安定         局長      有馬 元治君  委員外出席者         日本電信電話公         社職員局次長  村手  羲君         専  門  員 安中 忠雄君     ————————————— 六月九日  委員山口敏夫君及び川崎寛治辞任につき、そ  の補欠として赤城宗徳君及び山崎始男君が議長  の指名委員に選任された。 同日  委員赤城宗徳君及び山崎始男辞任につき、そ  の補欠として山口敏夫君及び川崎寛治君が議長  の指名委員に選任された。     ————————————— 六月八日  電気事業及び石炭鉱業における争議行為方法  の規制に関する法律を廃止する法律案田畑金  光君外二名提出衆法第一九号) 同月十日  清掃施設整備緊急措置法案内閣提出第一三八  号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  駐留軍関係離職者等臨時措置法の一部を改正す  る法律案内閣提出第四三号)      ————◇—————
  2. 川野芳滿

    川野委員長 これより会議を開きます。  内閣提出駐留軍関係離職者等臨時措置法の一部を改正する法律案議題とし、審査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。島本虎三君。
  3. 島本虎三

    島本委員 いま議題になっております駐留軍関係離職者の問題について次の数点にわたって具体的に聞いてまいりたいと思います。私が聞きたいのは、観念的な問題じゃなく、具体的な問題にきょうはなりますので、できたら数字をもってお答え願いたいと思うのです。  まず第一番に、二十有余年間基地労働者の中で、人員整理その他によって相当職を離れている人があるわけであります。これに対して、政府相当手を打っているものである、こういうふうに思っておるわけでございます。現在、離職した人の数と再就職した人の数を具体的にお知らせ願いたいと思います。
  4. 有馬元治

    有馬政府委員 最近十カ年、すなわち三十二年度からの離職者の数は二十一万三千四十二名でございます。これらの離職者のうちで安定所求職を申し込んだものが十七万八千四百十二名、そこで、この求職申し込み者のうちで就職したものが四万九千八十七名でございます。
  5. 島本虎三

    島本委員 そのほかの十三万有余の数は、どういうふうになっていますか。
  6. 有馬元治

    有馬政府委員 これは自営をしたり、あるいは引退をしたり、それから自分就職先を見つけて自己就職したりというようなことで、離職後の生活をやっておるのだろうと思います。
  7. 島本虎三

    島本委員 駐留軍離職者政府公共企業体民間産業、こういうような方面優先雇用することについて当然相当程度計画があったように承っておったのです。しかしながら、いま聞きますと、自営引退自分就職、こういうようなことになっておりますと、政府公企体、こういうような方面には全然ないことになっておりますが、これは少しおかしいじゃありませんか。
  8. 有馬元治

    有馬政府委員 政府機関に対する採用計画は、三十九年度と四十年度に立てまして実施いたしたわけでございますが、その実績によりますと、三十九年度計画数が五百八十名で実績が百三十六名、四十年度は四百四十七名で実績が百二十二名、こういう状態で必ずしも計画実績がうまくかみ合っておりませんけれども、今後においてさらに政府機関への再就職あっせんを強力に続けてまいりたい、かように考えております。
  9. 島本虎三

    島本委員 いま調査報告を具体的にしてもらいましたが、自営引退自分就職という方面に重点を置いているが、肝心の駐留軍離職者政府公企体、この方面優先雇用するということについても、計画的に行なわれておったと明らかに私としては聞いておったのです。しかし、やはり全然ものの数でないような数しかいま発表になっておらない。そうなりますと、政府計画と具体的なこの数字とは、ずいぶん隔たりがあるように思うのです。  労働大臣政府のほうでは、積極的に駐留軍離職者政府公企体その他の政府機関で雇い入れる、こういうようなことに対しましての努力がなされてないように私は思うのです。これはいままで数年にわたって計画的に行なわれておったのですが、最近になってこういう傾向がなくなった、こう思っておりましたところが、以前からほとんどものの数にならないような程度しか採用しておらないという結果がいま証明されたのです。この結果は、やはり大臣としても相当怠慢のそしりを免れないのじゃないかと思うのですが、いかがですか。
  10. 早川崇

    早川国務大臣 各省によりまして、雇用計画達成率の悪いところがございまするが、防衛庁とかあるいは農林省あるいは地方公共団体というものは、かなりの計画達成率を示しておることは事実でございます。ただ駐留軍関係のほうは、非常に中高年齢層が多いものですから、その仕事性質上、採用計画達成率が非常に悪い役所もございまするが、今後ともひとつ努力をしてまいりたいと考えております。
  11. 島本虎三

    島本委員 仕事性質上ということでありますから、これはなかなか意味の深いことばでございます。  念のために聞いてみたいのですが、電電公社でいままで身体障害者採用しておった例があろうかと思います。それから炭鉱離職者労働省の指示によって採用しておった向きがあろうかと思います。電電公社関係の人おりますか。——答弁願います。
  12. 村手羲

    村手説明員 炭鉱離職者につきましては、昭和三十八年度におきまして六十八名、三十九年度におきまして六十名、四十年度におきまして三十名、合わせまして約百六十名の雇用をいたしております。仕事内容につきましては、線路外務職あるいは電信外務職が大体主体になっておりますが、非常に評判がよろしいようでございます。  それから身体障害者につきましては、昨年度から委員会を設けまして、本年度新規雇用の中に入っておりますが、現在東京電気通信局におきまして志望者を募集いたしまして、約百七十名の志望者が出ておりまして、大体その中から六十名を採用するつもりでございます。引き続きまして全国的な募集に入りまして、本年度におきまして約三百名程度雇用をいたしたいと存じております。それから来年及び再来年と引き続きまして、千名強の身障者雇用をいたしたい、こういう考え方でございます。
  13. 島本虎三

    島本委員 郵政省では、やはり石炭産業に従事しておった中高年齢層の人を計画的に採用したことがあると聞いておりますが、その結果について発表を願いたいと思うのです。
  14. 山本博

    山本(博)政府委員 方針といたしましては、ただいま電電公社から答えがありましたように、三十八年以降毎年郵便外務員職種に充てまして、炭鉱離職者の方々を受け入れております。現在までの数字をはっきりただいまデータを持っておりませんが、毎年東京、大阪、名古屋、北九州、そういう大きな都市で需要も大きく、また宿舎の設備もあるというところでずっと採用してきております。最近におきましてはやや志望者が減ってきておりますので、昨年あたりはごく少数しか採用いたしておりませんが、採用後の勤務条件あるいは健康条件、そういうものは全般としては非常に優秀な人材であるというふうに私たちは受け取っております。
  15. 島本虎三

    島本委員 そのほかにも政府機関採用している向きがあるということを聞いておったのです。しかしいまここではっきり数字まで出されましたように、中高年齢層人たちであっても、ことに就職が最も困難だといわれておる身体障害者人たちや、また技能の点で、ことにこの仕事性質上、これは困難であろうと思われておるところの炭鉱離職者のこういう人でも、政府機関またはそれに準ずる機関においてそれぞれ計画的に採用しておるのです。そうなってみますと、労働大臣はいま中高年齢層の人であり、仕事性質上これは困難だということですが、困難な事態をもうすでに克服して、りっぱにいままで採用しているじゃありませんか。そうすると労働省は、駐留軍労務者に限って世話してやるという意思が希薄である、こういうふうに考えられるのです。もしそうでないとするならば、いまの答弁はうそを育ったことになるのですか。これは大臣答弁を求める前に、なぜこういうような他の方面では十分効果をあげているのに、この政府雇用ということを積極的にやらなかったのか、防衛施設庁長官に承りたいと思います。
  16. 小幡久男

    小幡政府委員 この問題につきましては、先ほど労働省からも御答弁がありましたとおり、従来努力してまいったところでございますが、その土地土地に適当な職場があるかないかという問題も一つございますし、また職種の問題あるいは中高年齢層といったいろいろな問題がございまして、相当努力にもかかわらず著しい成果はあげておりませんけれども、われわれとしましては労働省総理府中心相当努力をやってもらっておるものと考えております。なお、防衛庁自分のところでございますので、先ほど労働省からお話しありましたとおり、率先してある程度努力はしてきたつもりでございます。
  17. 島本虎三

    島本委員 どうも長官答弁は、文章にするとほんとうにりっぱな日本語になっていますが、内容はさっぱりないですな。これは政府答弁としてはいいかもしれませんが、しかしそういうようなことによって満足できないのは駐留軍労務者であって、おそらくはここに法案を出した、こういうようなことは、いま私が申し上げましたような努力をあなたが怠ったから、今度自営するために必要な保証をしてやろうとか、いま中小企業がばったばったつぶれて、いまどうしても困るときに、そっちのほうをやるのに、資力がないなら貸してやるとかいろいろなあっせんをしようとするその努力はわかる。しかしながらあなたのほうでは、ことばはきれいであっても、政府機関公企体に対する優先雇用、こういうようなことについて口でははっきり言いながらも、その努力はさっぱり実っておらないのです。そういうようなことでは困るのです。私どものほうとしては、こういうような問題についてはもう少し実のあるような努力長官にしてもらっておかないと困るのです。ここに来てきれいな答弁だけしても、それは努力したけれども結果がだめだった、こんなことを百万べん言っても事態の解決になりません。ほかのところではちゃんをやっているのです。いま電電公社が、身体障害者まで一千名も採用しているのです。またする計画なんです。ところがあなたのほうは、りっぱに中高年齢層の人であっても技術を身につけている人なんです。そしてそれが政府機関またはそれに準ずる機関にそれを望んでいるにもかかわらず、どうしてそういう努力はやらぬのですか。あなたのほうはそういうような労務者としてやる資格のない、価値のない労務者ばかりなんですか。今度はりっぱな日本語でなくてもいいから、誠心誠意答えてください。
  18. 小幡久男

    小幡政府委員 先ほど申しましたように、その土地、つまり場所の問題もございます。その土地に、そういう御本人が希望なさるところに官庁があるかないかというような場所の問題は、相当ネックになっておることを聞いております。それからまた職種中高年齢層というような問題がございますが、官庁の側にもここ数年来欠員不補充というふうな一つのチェックがございまして、両者の出会いがなかなか困難でございました。それにもかかわらず、総理府では、いろいろ労働省その他を中心努力してまいったのでございます。そういうような状況でいまのような成績をおさめておるわけでございます。われわれとしましても、決してこれを忽諸に付しておるわけではございませんので、その点はひとつ御了解を願いたいと思います。
  19. 島本虎三

    島本委員 しかし、もう少しあなたはっきり答えてくださいよ。そうでないと私は一日じゅうやっていますよ。そうでなければ、早く終わるようにといま理事からも連絡があったのに、これじゃ困るのです。あなたがいま言った中で、長官そういうように言っていますけれども、郵便局電電公社のない都市はないのですよ。もう雇用する場所もないなんて言っておりましても、いまあなたが来てからでしょう、郵政省関係電電公社関係との雇用計画発表された。これはりっぱですよ。そういうようなことがあなたのほうでできない理由はないし、いま労働大臣も、その点は今後努力しますと言ったばかりなのに、あなたは何を聞いているのですか。もう少しその点では、今後年次計画を立てて、具体的に労働省当局と打ち合わせして、それを実現させるのかさせないのか、これをはっきりしてください。
  20. 小幡久男

    小幡政府委員 幸いここ数年は大量整理がございませんので、いろいろ官庁へ折衝していくという状況ではございませんが、ただいまの御意見もございますし、われわれとしましては、今後ともひとつ労働省にもお願いいたしまして、年次計画をつくりまして努力したいと思っております。
  21. 島本虎三

    島本委員 労働大臣のそれに対する所感を承っておきたい。
  22. 早川崇

    早川国務大臣 労働省といたしましては、ほかの失業者と違いまして、特別に駐留軍関係離職者臨時措置法を設けまして、失業者に対して特段の配慮をいたしておるわけでございます。今後とも政府機関に対する就職をひとつ促進しろ、身障者に対しましては一・五%という雇用率を設定いたしまして、電電が少しおくれておりましたが、今回千人やっていただき非常に喜んでおるわけでございます。防衛施設庁ともよく御相談をいたしまして、最近は首切りの失業者というのは非常に少ないわけでございますから、さして困難な問題とは思いませんので、防衛施設庁とも相談しながら、できるだけ政府機関の余裕のあるところには就職させていくというように努力をいたすつもりでございます。
  23. 島本虎三

    島本委員 それで大体わかりましたから、ちょっと防衛施設庁長官に伺いますが、十八歳未満の人を基地労務者として雇うということについて、長官はどのように思っていますか。
  24. 小幡久男

    小幡政府委員 最近御承知のような労働力の不足からいたしまして、どうしても十八歳という一つの境目をはずして募集せぬと労務の充足ができぬということを米軍が要求してまいりまして、現在検討しておりますが、組合側としましては、そういう若い人を職場へ入れて、不安定な職場で将来を託するのは困るというふうな意見も出まして、現在慎重に検討中でございますが、両方の意見をよく聞きまして善処したいと考えております。
  25. 島本虎三

    島本委員 在日米軍当局のほうから、最近のベトナム戦争状態が激しくなるにつれて、労務者が若干不足してきておる、こういうようなことから艦船などの修理について米軍基地で働く日本人労務者がどうしても不足がちであるから、防衛施設庁長官に対して、今度日米基本労務契約を一部改定して十八歳未満日本人まで雇えるようにしたいという申し入れが行なわれたということを聞いておるのです。これは、何人くらい、と申しましてもなんですけれども、これはもう相当程度、こういうふうになったら、十八歳未満の人も雇われる可能性があるのじゃないか、こう思われるのですけれども、しかし、これに対して長官がやるともやらないとも——考慮中である、こういうような答弁のようでありますが、防衛施設庁米軍当局からこれを雇いたいという申し入れが来た、この内容についてはっきりしてもらいたいと思います。
  26. 小幡久男

    小幡政府委員 ただいま申しましたように米軍のほうから、一般的な労働逼迫という情勢にかんがみまして、十八歳未満の者を相当に入れてほしいということを内々打診してきておるということは事実でございます。どれくらい採用するかということは明確にしておりませんが、現在の米軍雇用予定数等から見ますと、そう大きな数字ではない。そういう道を開きたいというほどの意味であろうかと考えております。しかし、それにいたしましても、一つの新しい問題でございますので、先ほど来申し上げましたように、労組ともよく相談しながら慎重に検討したいと思っております。
  27. 島本虎三

    島本委員 しかし、この問題については、年少者であるというような点で、弾薬の取り扱いだとか、そういうような方面単純労務のほうに使用したい、こういう考え方で考慮しているということになれば、これはだいぶ大きな問題じゃないか、こういうふうに思います。向こうから来た申し入れ内容、どういうような仕事内容であるのかひとつ発表願いたいと思うのです。これはちょっと聞いておかなければなりません。
  28. 江藤淳雄

    江藤政府委員 特に米軍のほうから職種指定して十八歳未満労務者を入れたいというような申し出はございません。  従来米軍日本に駐留して以来、十五歳以上の者を実際に採用しておったのでありますけれども、三十二年に基本労務契約を結ぶ際に、十八歳以上ということにいたしたのでございます。現在の在日米軍使用者としての状況から見ますと、もうすでに雇用のいろいろな日本労働法令関係の適用にもなれてまいりましたので、十八歳未満の者を米軍基地に就労さしても、さして問題はないのではないかというような感じもいたしまして、そういうような関係から現在検討いたしておりますが、職種指定というものは別段ございません。
  29. 島本虎三

    島本委員 そうした場合には、職種指定というものはないとすると、弾薬運びだとか、工員関係だとか、また、そういうようなことに対して発表されるわけはないのですけれども、指定が全然ないのに、こういうようなのが新聞に発表されるなんということは少し私としてはおかしい。わからないのです。したがって、その内容を聞いてみても、何も指定されない、こういうようなことだとすると、そのことばを信じていいのか悪いのか、私、わかりません。長官ほんとう向こうから来たのは内容を全然示さないで、単に十八歳以下の者を雇用したい、こういうふうに言ってきたにすぎないのですか。こういう方面に使用したいという、こういう申し入れの趣旨はないのですか。
  30. 小幡久男

    小幡政府委員 ただいま労務部長から御答弁申し上げましたとおり、職種指定はございません。
  31. 島本虎三

    島本委員 それを、採用する方面検討中なのですか。採用しない方面検討中なのですか。
  32. 小幡久男

    小幡政府委員 もし了解が得られれば、また可能であると判断すれば、認めてもいいのではないかという見地からやっておりますが、なお意見もありますので、さらに慎重を期したいと思います。
  33. 島本虎三

    島本委員 これは慎重を期さなければならない問題だと思うのです。十八歳未満となったら中学校を卒業した程度の十五、六歳の者でも雇用される。そうなったら、まずその身分とか将来性はどうなるのですか。このあたりも十分考えなければならないと思うのです。こういうような点は考えておられますか。
  34. 小幡久男

    小幡政府委員 もちろんそういうことに踏み切る場合には、労働場所とか、条件とか、あるいは将来とかいうこともよく考えて、現在一部に不安視されておる、若年労働者を入れて、それをスポイルするというようなことのないようなかっこうでいける方法があるかどうかという点を検討しておるわけであります。
  35. 島本虎三

    島本委員 組合のほうはこれに対してどういう意見を持っておりますか。
  36. 小幡久男

    小幡政府委員 組合のほうでは、先ほども申し上げましたように、終身の職場でございませんで、安保条約の一定の期限があるという意味では不安定な職場であるということが一つ。それから軍の業務でありますので、日本人のもとで働くのとは違って、いろいろな気づかいもあろうかという点から、できたらひとつ中高年層を雇ったらどうかというふうな意見も出ておりますが、肝心の中高年層を雇うというような場面ではないような性質の問題と思いますので、その点は、組合意見は大部分はわかりましたが、最後の中高年層を雇うということは、代案とはなり得ないのではないかというふうに考えております。
  37. 島本虎三

    島本委員 組合とよく話し合って、組合はおそらくは働く人たちの生命も、それから待遇も将来もいろいろ考えて交渉に応じておるはずですから、十分それと納得の上でないとこういう計画は軽々に取り上ぐべきではないと思います。これに対して労働大臣はどのように思っておりますか。
  38. 早川崇

    早川国務大臣 施設庁長官の言われたように慎重に検討してまいらなければならない問題だと思います。
  39. 島本虎三

    島本委員 施設庁のいままでのいろいろな状態を見ますと、口ではいろんなことを言っても、実際それをそのままやっていたのかいないのか、その結果に対して私はほんとうにはがゆい思いがするのです。どうしてあなたはやってもいいことなら堂々とおやりにならないのか。現在駐留軍労務者は一生懸命働いておる。今度やめる人のためにこういうような法案をお出しになろうとする、これはいいです。一生懸命考えてやるのはいいです。ただ全面的によくはないですよ。もっとほかに方法があるのですけれども、ほかの方法を講じないでおいて、これ一本にしぼってやっていますから、怠慢のそしりは免れません。しかしながら、出さないよりこれは出したほうがいいですよ。しかしながら、いままでいろいろあなたの手元でやってきたのは、どうも宙ぶらりんであって、はっきりした確信がないように思われる。いまの場合には、就業規則というようなものが、あなたが雇用しておるその職場におありなんですか。
  40. 小幡久男

    小幡政府委員 従業員の約八割を占めていますいわゆる基本労務契約従業員につきましては、昭和四十年の七月、労働基準法に基づく所定の手続を経ました上で就業規則を制定しております。そのほかのいわゆる諸機関従業員につきましては、おのおの諸機関の規模、職務内容が千差万別でございますので、就業規則の制度につきましてはなお技術的に検討を要する問題がございますので現在協議中であります。一部のごく少数船員につきましては、船員契約労働条件が詳細にきめられております。従業員に周知しておりますので、さしあたり問題は生じておりませんが、なおこれも制定いかんについては検討したいと思っております。
  41. 島本虎三

    島本委員 労働大臣就業規則は何人以上の職場につくるように言ってあったのでしたか。
  42. 村上茂利

    村上(茂)政府委員 就業規則は、常時十人以上の労働者を使用する使用者に対しまして義務づけられております。
  43. 島本虎三

    島本委員 駐留軍労務者はいま何人雇っていますか。
  44. 小幡久男

    小幡政府委員 概数で申しますと、一般の基本労務契約が約四万名、それから諸機関が一万名船員が約二百名ぐらいでございます。
  45. 島本虎三

    島本委員 それで、就業規則もないところに労務者が働いているようですが、労働大臣、これでいいのですか。
  46. 村上茂利

    村上(茂)政府委員 駐留軍労務者の問題につきましては、たとえば就業規則の作成につきましても、専業場ごと就業規則を作成するというので、全駐留軍労務者一本に扱うというたてまえにはなってないわけです。各事業場、たとえば国鉄ですと管理局ごととか、いろいろな分け方がございまして、国鉄とか、電電、郵政といったような全国的な組織、そういう場合には事業場単位をどうとらえるかという問題がございます。  そこで、いま先生御指摘の就業規則の問題も、十人以上というとらえ方が、これは全駐留軍労務者をとらえていうのではなくて、当該企業における事業単位を中心にいたしまして判断しているわけでございます。ところが、これまた先生御承知のように、各種の駐留軍労務者の作業態様がほぼ共通しているものですから、就業規則の型というのは、防衛施設庁のほうで一本につくっておりまして、そしてそれが各個の事業場に適用されるといったような関係になっておるわけでございます。したがいまして、就業規則の問題は個々の事業場の問題ではありますが、駐留軍労務者のような就業形態からしますと、その実質的内容は全国ほぼ画一的なものである、こういうふうに考えられるわけでございます。  しこうして、さらに問題なのは、その就業規則内容となる条項が、実は基本労務契約といったような国の機関と軍の代表者との間に結ばれる契約で、その実質的内容が定まっておるわけであります。それがしかも一般労務者に明示されまして、労働者は大体承知しておるといったような実態にございますので、にわかに一般事業場の場合と同じように扱えないという面がございます。ただ、問題は、労働条件が明示されまして、労働者がよく知っているかどうかというのが一番基本になるわけでありますが、そういった点で、基本労務契約という形で周知されているという実質を備えているということが申し上げられると存じます。
  47. 島本虎三

    島本委員 何と言おうと、一事業場で十人以下の事業場駐留軍にはないように私は承知しているのです。それがはっきり明示されているのかいないのか、それは私は調べておりません。しかしながら昭和三十八年の段階で、労働大臣を経て、そして当時の防衛施設庁長官が、この就業規則が実施されていない点は遺憾である、これは直ちに実施しますと言っておるです。その三十八年からいままで何年たっているのですか。まだ依然として今後努力しますだったら——だから、りっぱな日本語ばかりと言っても、内容一つもないというのです。国会の議事録を出せというなら出しますよ。ここでいいかげんな答弁をされたら困るのです。やれないならやれないと言ったらどうですか。これを必ずやりますと言ったのは昭和三十八年です。議事録を出せといえば出しますよ。なぜそういうふうにして怠慢ばかりやっているのですか。
  48. 村上茂利

    村上(茂)政府委員 御指摘の問題は、私の基準局長に就任した後でございまして、それまでは非常に不明確でございました。この点、法の定むるところに従いまして明確にしなくちゃいかぬというのが私どもの基本的態度であります。しこうして、どんなふうにやったかと申しますと、従来手続がはっきりしていなかった、これを昭和四十年の七月には基準法所定の手続をとってもらいたいというかねてからの労働省の要望にこたえまして、四十年の七月には、防衛施設庁のほうで大部分のものにつきまして法定の手続をとっている、こういう形になっておるわけであります。十分でない点もあろうかと存じますけれども、三十八年当時お答え申し上げましたその線に沿って極力努力はいたしてきたつもりでございます。今後ともなお努力いたしたいと存じます。
  49. 島本虎三

    島本委員 三十八年当時は、一人の運転者が多数の駐留軍の兵隊を乗せて、そして自動車で夜中の徴用に応じて出ていったまま帰ってこない、そして死体になって帰ってきたという事件があったのです。こういうようなことを繰り返してはならないから、その内容を調べたところが、すでにあの労働協約は切れたまま再締結はしておらない、そして、はっきり法に定められておったはずのあの就業規則さえも明示されておらない、そのままに雇用され、そのままに出動させられておった、こういうような事態がその時点でわかったのです。人命が損傷されてからわかったのです。そしてそれが三十八年からいままで、ちゃんとこれはやっておきますということが議事録に載っているのです。それなのに、いまだにそれをやっていないということになると、ほんとうにこれは困るじゃありませんか。そうすると 私を欺瞞したことになるのでございますか。これは労働大臣に伺います。
  50. 早川崇

    早川国務大臣 施設庁長官と基準局長がお答えしたとおり、大部分は四十年七月からやっておるというわけでありますが、一部にまだ不十分なところがあるという御答弁をいたしたわけでございます。一部の不十分なところはひとつ督励しまして、島本委員の強い御要望にこたえたいと存じます。
  51. 島本虎三

    島本委員 これは大臣が言ったのですから、何ものにもまさる確約でもあり、力だと思います。ほんとうにあなたの在任中に全部これは完遂してやってほしい。在任中といっても、あなたはこれから何年やってもいいですから、ここ数カ月中にこれは完成させてやってもらいたい、これを強く私は、この問題に限って、要望しておきます。  それとあわせて、この政府機関並びにそれに準ずる機関に対して、いろいろと中高年齢層駐留軍労務者雇用させるというこの件についても先ほど答弁がありましたけれども、なお一そう力を入れてこの方面努力してやってほしい、こういうふうに思うのです。  私はきょうは一時間の時間を予定してあったところが、何かの都合で、もういいかげんにやめたらどうだという注意がいまありました。半分ぐらいしかできないのは困るのです。途中はんばでやるよりも完全なものをやってやめたいのですけれども、労働協約はどうなりますか、労働大臣
  52. 早川崇

    早川国務大臣 大臣の約束は非常に重きをなすわけであります。私の約束したとおり実行させたいと思います。
  53. 島本虎三

    島本委員 いま言ったのは労働協約であります。三十二年十月以来切れておるのですが、これを妥結させるというふうな答弁もございましたから、それに期待して、今後ともにその実行を私は心から望んで、これで質問をやめたいと思います。これに対して長官何か言うことがあったら、最後にあなた答弁してください。
  54. 小幡久男

    小幡政府委員 労働協約につきましては、就業規則とは別に、若干問題もございますが、できるだけ努力したいと思います。
  55. 島本虎三

    島本委員 終わります。
  56. 川野芳滿

    川野委員長 次は淡谷悠藏君。
  57. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 施設庁長官にちょっとお伺いしたいのですが、いま米軍の野戦病院というのが日本にどのくらいできておりますか。
  58. 小幡久男

    小幡政府委員 五カ所であります。
  59. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 この野戦病院はだいぶベット数がふえているはずですが、労務者も不足しまして、看護婦などもかなり雇用されているようでございますが、この野戦病院の看護婦というのは、一般駐留軍労務者と同じように政府雇用してその役務を提供しておるのか、あるいはまた労働省あっせんしておるのか、どちらなんです。
  60. 小幡久男

    小幡政府委員 お話のとおり、政府雇用して提供しております。
  61. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 一体、戦場という概念はどうなんですか。野戦病院があり、武器の修理をし、補給をする。これは一体戦場の中に入っているのか入っていないのか。いま、まっすぐにベトナムの戦線から戦車とかその他の輸送車が入って、先般の委員会でも問題となりましたが、野戦病院は生きた人間をまっすぐ引っぱってくる。これは一体戦場内の仕事ですか、戦場の外の仕事なんですか。
  62. 小幡久男

    小幡政府委員 野戦病院と俗称されていますが、現在日本には病院は改築したりいろいろやっておりまして、野戦病院という名前は正式には使ってないと思いますが、われわれ、戦場とは考えておりません。
  63. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 野戦病院とはこの前の委員会長官がみずからお答えになったことばなんです。野戦病院としてあるのです。一体、この野戦病院に連れてくる傷病者は、戦場の現地で一たん仮収容した者を連れてくるのか、戦傷者をじかに戦場から運んでくるのか。これはどうも、この前の委員会の論議の中では、もう非常にふえまして、現地はむろんのこと、台湾でさえも収容し切れなくなった、それで日本の内地にも野戦病院をつくって収容しているという質問があり、答えがあった。しかもベットは従来の二百五十床から、一カ所千床にふえているでしょう。五千床と、大体予定してやっておるはずですね。これは野戦病院ではないといいますが、戦場で傷ついた人たちをまっすぐに収容するならば、看板は何とかけようとも、野戦病院じゃないですか。その点はどうですか。
  64. 江藤淳雄

    江藤政府委員 私からお答えしますが、野戦病院という表現がいかにも戦場における病院のような印象を受けるのでありますが、これは技術的な表現でございまして、米軍の中におきましては病院にランクがございまして、一番大きなものはゼネラル・ホスピタル、つまり中央病院、その下に地区病院というのがございます。その下のランクで第三段階のランクが、通称野戦病院というものでございます。戦地と申しますか、紛争状態において実際に収容してこれを直接看病するような病院というものは、日本でいう避病院、エバキュエート・ホスピタルといいますか、そういう例がございます。サージカル・ホスピタル・モービル、これが移動病院でございます。そういう軍内における技術的なランクの表現で、通称第三ランクに該当するものを野戦病院という表現を使っておるだけであります。現在日本にある病院としましては、陸海空軍でおのおの地区病院程度のものを相模原あるいは立川、横須賀というふうに、そういう組織のものを一つ持っておりまして、その下に野戦病院的なランクのものがあるということになっております。
  65. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 短い時間ですからあまりわかり切ったことはお答えにならなくてよろしい。実際はまっすぐ戦地から引っぱってきておるでしょう。避病院に収容しないものを相模原の病院に連れてきて病気があるかないか、二週間の間禁足して、その上で出しておるというのが米軍の言い分でしょう。看板はどうあろうと、野戦病院です。  もう一つは、MSTSの問題です。MSTSに乗り組んでおる人たちはやはり在日米軍労務者ですか。
  66. 小幡久男

    小幡政府委員 MSTSには私のほうで雇用しておるのがございますが、政府雇用しておるほうは在日米軍労務者でございます。
  67. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 LSTはこの前だいぶ聞きましたけれども、MSTSの問題なんですが、これは政府雇用して在日米軍に提供しておるんですか、あるいは一般米軍に提供しておるんですか。
  68. 小幡久男

    小幡政府委員 在日米軍に提供しております。
  69. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 このMSTSがベトナム現地に行った場合に、在日米軍といえますか、どこへ行っても在日米軍ですか。
  70. 小幡久男

    小幡政府委員 先生御承知のように、安保条約に極東の平和、安全維持のために、直接極東そのものでなくとも、その周辺の関係の深い地区に在日米軍は輸送の任務を負っておるわけであります。その任務の範山内におきましては船舶は行動し得るし、それに従事する範囲内で労務を提供しておる。これは先生も御承知のようなことをしておるわけであります。
  71. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 ジョンソン・ラインというのは正確に言うとどこをさすのですか。
  72. 江藤淳雄

    江藤政府委員 南ベトナムのドンホイから北緯十七度ラインを通り、東経百十一度ラインで交わる地点から南下しまして北緯十一度、東経百十一度ライン、さらに南下しまして北緯七度、東経百五度、そういう線を結んでおる南ベトナム周辺の海域をさしております。
  73. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 このジョンソン・ラインに出ておる米軍船員は特別手当が出ているでしょう。これは危険手当じゃないんですか。そうしますと、同じ米軍で働く日本労務者も危険手当を受けているはずですね。どうですか。
  74. 小幡久男

    小幡政府委員 しかるべき手当をもらっております。
  75. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 この区域は明らかに戦場じゃないとはおっしゃらないでしょうな。危険手当を受けておる以上は、戦闘行為による危険手当だと思う。そうしますと、ジョンソン・ラインに出勤しておりますMSTSの乗り組み員は、米軍にかかわらず、日本労務者にかかわらず、これは明らかに戦場内で働いておりますね。
  76. 小幡久男

    小幡政府委員 ことばの厳密な甘味で戦場とは考えておりません。したがいまして、輸送に協力しておるというのが実情であります。
  77. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 ことばの厳密な意味で戦場とは何をさしておるのですか。
  78. 小幡久男

    小幡政府委員 ベトナムですと、ベトナムの陸上並びにベトナムの戦闘行為が直接及ぶ範囲だと考えております。
  79. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 LSTでは、この前に戦争によって死んだ人がありますね。MSTSはLSTよりは危険度が少ないと言っておりますが、この危険度の少ないというのは、船の構造自体が少ないのかあるいは——上陸用舟艇じゃないということをおっしゃいましたが、たまの飛んでこないというような保証はないはずですね。戦争による被害を受けるはずですね。幾ら厳密に言っても、緩慢に言っても、戦争の被害の及ぶ範囲、戦争が行なわれておる区域、これは陸地であると海上であるとを問わないじゃないですか。戦争の危険があるからりっぱに危険手当を払っておる。これはどんなに言いくるめましてもやはり戦場に出ておるのです。そう思いませんか。
  80. 小幡久男

    小幡政府委員 サイゴン河を遡航するということになれば、当然戦場だと思います。
  81. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 一体、日本政府労務者雇用して米国に船の役務を提供した場合に、戦場にも行くんだという前提があったかどうか。その納得が雇用されておる労務者に行なわれておったか。これは労働大臣からひとつお聞きしたいのであります。
  82. 小幡久男

    小幡政府委員 いわゆる武力行為をするものではございません。あくまでも兵たん輸送の行為でございます。戦場に近く、あるいはときには戦場に行くことはございましても、決して武力を行使するものではございません。安保条約の範囲内で輸送している。しかも、その就航に先立ちまして、船員は、安保条約の範囲内でございますけれども、船員の意思を尋ねまして、もしその意思がなければ他の地区の配船に代用するとか、あるいは陸上勤務に振りかえるというふうな折衝の余地を残して、念を押して就航さしております。したがいまして、決して強制するというわけではございません。この点を御了解願いたいと思います。
  83. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 本人は強制されたかどうかわかりませんけれども、しかし、雇用されて役務を提供する場合に、戦場に行くのですよというのと、戦場には行かないのですよというのとでは、受け取るニュアンスはだいぶ違いますね。そしてMSTSはまっすぐに、ベトナムへ行くこともあるだろうけれども、あっちこっち周航してひょこっとベトナムに顔を出すことがあると長官は答えておりますね。あっちこっち航行している間にひょこっとベトナムに顔を出されてたまりますか。初めからベトナムに行くんだという確認があれば別ですよ。戦闘行為の行なわれているところをあっちこっち歩きながら、ひょこっとベトナムに顔を出すことは、あまりにもベトナム戦争をのんきに考えておられる。  それから、戦闘行為の問題、武力行為の問題ですが、一体、直接鉄砲を撃ったり爆弾を投げたり、あるいは銃剣をひらめかすだけが戦闘行為だというのは古い考えですよ。いま非常に広範な武装の範囲がある。間接に戦争に参加している戦闘員というのはありますね。輸送隊などは、一体戦闘員ですか、戦闘員じゃないのですか。昔、日本にもありましたけれども、実際鉄砲を撃たなくても、危険な戦場へ行って物を輸送するという行為は、戦闘行為なんですか、戦闘行為じゃないのですか。
  84. 小幡久男

    小幡政府委員 やはり、その輸送隊が軍の編成下にあり、個人個人が武装しておりまして、ある場合には積極的に敵に攻撃をかけるかまえをしておりますときには、これは戦闘行為と思いますが、御指摘の乗り組み員は、先生は防衛の専門家でございますけれども、条約のいわゆる事前協議の対象の問題で、戦闘行為ということは入っていないということは、従来政府がたびたび申し上げておるところでございますので、御了解を願いたいと思います。
  85. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 それじゃ戦闘員と非戦闘員は、武装する、しないところに区別があるのですね。身に寸鉄も帯びざる者は、どんな行為をしても戦闘員ではありませんか。
  86. 小幡久男

    小幡政府委員 決してそういうふうには考えませんが、一つの戦闘部隊の中に厳密に所属しておる者は戦闘員じゃないかと思います。
  87. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 これはちょっとイタチごっこになりますが、厳密な戦闘行為に所嘱している者という、その戦闘行為を聞いているのです。厳密な戦闘行為とは何か。直接敵と接触して敵を殺傷する者のみが戦闘員なのか。その殺傷する行為を助ける者は戦闘員じゃないのでしょうか。端的に言って、輸送するということは、戦闘行為なのか、戦闘行為じゃないのですか。このことを聞いておるのです。
  88. 小幡久男

    小幡政府委員 おそらくベトナムの陸上における米軍の中の輸送部隊は戦闘員だと思います。しかし、ベトナムの後方のサイゴンとかダナンとかで、普通の海船と同じように軍需品等の輸送に協力している者は、身に寸鉄を帯びておりませんし、一般の船員と同じでございます。これは戦闘員ではないと思います。
  89. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 大事な点ですから確かめておきますが、ベトナム戦争でどこまでいくと戦闘行為ですか。サイゴンですか。区域で言うならば、どこまでいったら戦闘行為ですか。
  90. 小幡久男

    小幡政府委員 厳密には私もここではお答えしかねますが、常識でひとつ……。
  91. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 それは重大な御答弁ですよ。いまの平和な東京の国会の中で議論しておるうちはよろしい。MSTSに乗り組んでどこへ行くかは、労務者にとっては死ぬか生きるかのせとぎわですよ。戦闘行為をやるかやらないかということは、応募する際の最大の要件ではないですか。それを雇用するあなた自体が、戦闘行為とは何か、戦争危険とは何かということを的確に把握しない間に役務を提供することは、非常に危険な行為であるとお考えになりませんか。私は、やはり直接対敵戦闘をするだけではなく、広範な戦闘を助ける行為は全部戦闘行為であると考えておる。これはおそらくあなたはそうだと言い切れないでしょう。したがって、在日米軍に提供した駐留軍関係労務は限界点が非常におぼろげになってくるし、在日米軍という範囲もおかしくなってくる。あなたは極東の範囲とおっしゃいますけれども、一体極東の範囲とは終局的にはどこをさすのですか。十分私も調べましたから用心してお答え順いたい。あなたは、この前の加藤万吉君の質問に対して極東の範囲を持ち出されましたから、私はあぶないと思って聞いておったが、やはりあぶないですよ。極東の範囲とはどこをさすのですか。
  92. 小幡久男

    小幡政府委員 ちょっと厳密にお答えできぬかもしれませんが、フィリピン、北米、ベトナム等は入らないというように考えております。
  93. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 ベトナムにおける戦闘行為もしくは戦闘行為に類似した行為をする場合は、安保条約によるものだと言っておる。安保条約によって極東の範囲及びその周辺ということばは一体どこにありますか、お示しを願いたい。
  94. 小幡久男

    小幡政府委員 極東の平和と安全に寄与するという意味で、いわゆる極東には入りませんが、極東に隣接する地域に起こる政治情勢の中では極東の安全に影響するものもあるという解釈になっておりますので、それを申し上げたのであります。
  95. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 その周辺というのは安保条約の何条にありますか。前文に規定されてあるのはそうではないでしょう。極東の範囲ということはありますけれども、周辺は入っていませんよ。
  96. 小幡久男

    小幡政府委員 第六条で、「並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため、」とございますか、極東そのものでなくても——周辺ということばはございませんよ。その周辺において起こる事態によってはこれに影響がある、寄与する、そういう影響力を及ぼすような事件が起こり得る周辺、こういう意味でございます。
  97. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 周辺ということばはないでしょう。
  98. 小幡久男

    小幡政府委員 ございません。
  99. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 それでは、ベトナムを極東の範囲並びに周辺という認定は、だれがしたのでしょうか。
  100. 小幡久男

    小幡政府委員 これは政府部内でそういう統一解釈になっております。
  101. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 早川労働大臣に聞きますが、政府部内で、極東の範囲並びに周辺の中にベトナムは入るということを決定しましたか。これは重大な問題ですから聞いておきたい。
  102. 早川崇

    早川国務大臣 ベトナムははっきりきめておらないと思いますが、いわゆる影響のある範囲という解釈になっておりまするから、それに日本在日米軍の輸送要員が物資の輸送に行ったというものもその範囲に入る、こういうふうに解釈をしております。
  103. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 それはいつ決定されたのですか。いつの閣議でどういうような手続で決定されたのですか。極東の範囲というのは重大な安保条約の問題点ですから、決定された日並びにいきさつをお聞きしたいのです。
  104. 早川崇

    早川国務大臣 閣議できめたというよりも、各種委員会防衛庁長官なりあるいは外務大臣なりの答弁で、そういうように意思統一をしておる、そういうことを長官が言っておるのであろうと思います。
  105. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 いまはっきりベトナムをさして議論しておるのです。防衛施設庁長官が、ベトナムについては、明らかにそういう解釈から極東の範囲における周辺区域として認定されるならば——いま閣僚としての労働大臣が答えたのは、閣議決定はしていないけれども、各種委員会の質疑を通して大体そう考えておるということですが、大体そう考えておるという早川労働大臣のその認識が防衛施設庁長官にも許される認識であって、いろいろな委員会でいろいろな論議があったから、ベトナムは入るという結論を得られたというふうに私は解釈する。あなたは一体どこの委員会のどういう論議によって、ベトナムを入れましたか。
  106. 小幡久男

    小幡政府委員 私もしっかりした記憶はございませんが、ただいまお答えがありましたように、外務省その他と連絡をいたしまして、大体そういうふうなお答えで政府はやっておるということも了承しておるわけであります。
  107. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 在日米軍に提供した日本労働者労働力が戦闘行為に使われる場合は、一々外務省に連絡をして、外務省がそれを極東の範囲の中のしかも外の周辺、つまり、極東の平和に影響する区域という認定を、外務省の見解に従ってあなたのほうでおきめになるのか、あるいはこれを認定する権限が防衛施設庁にゆだねられているのか、この点はいかがでしょう。
  108. 小幡久男

    小幡政府委員 これは、淡谷先生がいろいろ問題にされるとおり、相当の問題でございまして、われわれも、船がベトナム方面に寄港いたしますという話があったときには、当然外務省に相談しまして、これは条約上の解釈でございますから、条約上の解釈を確定してもらった上で解釈をしておるということでございます。
  109. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 これはあなたのおっしゃるとおり非常に重要な問題なんです。ジョンソン・ラインというのは、すでにアメリカのほうでは危険限度を定め、戦闘区域の中に入れているから危険手当を出してある。それに準じて日本政府もやはり労務者に危険手当を出している。そうしますと、危険手当を出しながら、ベトナムには労務者を送って差しつかえなしという結論が出ているのですね。一体周辺はどこまで広がります。極東の平和に影響を及ぼす周辺というのは、現在のあなた方の認識ではどこまでをさすのですか、場所を問いませんか。
  110. 小幡久男

    小幡政府委員 現在どこまでということを突き詰めて極端に考えておりませんが、現状のところでは、ベトナム等は入るというふうに考えております。また、それ以外の問題が出ました場合には、そのときに応じまして、その状況に応じて外務省と相談して条約上の解釈を確定していくといったようなことをいたしております。
  111. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 アラブ、イスラエルのあの紛争が、幸いいま一時停戦をしておるようですけれども、非常に重大な観点に立って、米軍がMSTSなどで日本労務者を乗っけていきたいと言われた場合に、あのアラブ、イスラエルの紛争が極東の平和に影響がありますか、ありませんか。
  112. 小幡久男

    小幡政府委員 そこまではないと考えております。
  113. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 もしそういう事態があったならば起こりかねないのです。あなた極東の範囲の周辺というものは指摘できないというでしょう。指摘できなければ、一足飛びにベトナムからアラブまで飛びますと言うとおかしいけれども、順次エスカレーションに進みますと、この周辺が非常に拡大される。われわれは安保条約の場合に極東の範囲に両点を置いたのはそこなんです。範囲はこうなんだが、極東の周辺という観念で、無制限にこの周辺の観念が広まるのであれば、これは全く極東の範囲なんというものは無意味じゃありませんか。周辺周辺といったら地球を一回りまわりますよ。その点は具体的に一体どうなっているのですか。現在ではベトナムに限るのですか。それ以上は発展させないのですか。
  114. 小幡久男

    小幡政府委員 現在は起こった事態に応じて判断しておる状況ですが、ただいまおっしゃったように、アラブということは現実にはない。非常に近い、むしろ隣接といった地域が一応考えられるという程度のことは申し上げられますが、それ以上のことはちょっと私どものほうでは、現実にはそういう事態はないのではないかというふうに考えております。
  115. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 労働大臣に伺いますが、駐留軍労務者に限って、労働省自体が雇用の衝に当たらないで、防衛施設庁にこれをゆだねているというのは、一体どういう理由だったのです。
  116. 有馬元治

    有馬政府委員 これは現在間接雇用方式をとっておりますが、日本労務者の保護という観点からこの方式をとって、そして防衛施設庁が間接雇用雇用主の立場に立って、その労働者の保護という任務を全うしておる。労働省としても、こういった雇用の充足をする立場におきまして、安定機関は協力をする、こういう立場に相なっておるわけでございます。
  117. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 いや、私の聞いているのはそうじゃなくて、なぜ労働省がやらなかったのかという問題です。役務提供は昔の調達庁がやってきたことはわかっていますけれども、これははっきり申し上げますと、普通の労務と違うのでしょう。普通の役務とは違うのでしょう。戦闘行為に非常に密接な関係があり、アメリカ軍との非常な密接な関係があるから、特に軍関係防衛施設庁がこの役務を提供しているんじゃないですか。違いますか。
  118. 小幡久男

    小幡政府委員 これは防衛庁施設庁が入る前から、先生御承知のように、調達庁の時分からやっておりました。すべての米軍の調達関係、役務の提供は、いわゆる調達庁というものが背負っておった時分からのずっと継続したあれでございますけれども、防衛庁に入る前からの問題でございますので……。
  119. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 これは前からもあとからも特に軍雇用をやっているということはわかっていますが、ただ、いまのベトナム戦争に関連してあなた方がおとりになった態度、しかも、ベトナムの周辺、サイゴンまで行ったものを戦闘行為じゃないという考え方、直接戦場から人間を運び、武器を運んできてその修理、修復、補給に当たる仕事までが、これは戦闘行為につながるものじゃないという見方ならば、私は、非常に危険な仕事駐留軍労務者が従事せざるを街ないような事態を憂えるのであります。どこに起こりましても、在日米軍がその紛争なりあるいは戦争なりに任務を担当した場合は、在日米軍に提供された役務として、在日米軍にくっついてどこまでもいかなければならないような危険性をはらむもの、だと思っている。したがって、この辺ではっきりワクを聞いておきませんと、将来さまざまな紛争が生じ、さまざまな危険が生ずるということを私は心配するのです。あなたはこの委員会答弁では、自信ありげに答弁しなければ役目が果たせないでしょうから、相当答弁しておりますけれども、御答弁の間に、やはり私はそういう心配をあなた自身が持たれていると考えている。これに対してもっと画然たるワクをつくり、あるいはこの規定をはっきりし、労働協約をはっきりさしておくことがたいへん必要になってくるのじゃないかと思うのでありますが、その点はいかがですか、最後に伺っておきます。
  120. 小幡久男

    小幡政府委員 これはごもっともな点でございまして、私のほうは、特にその船員をそういうところへ派遣いたしますにつきましては、政府雇用でございますので、随時米側と協議いたしまして、船員に対しては、先ほど申し上げましたような慎重な態度をとっておりますが、米軍に対しましても、経過地であるとか、一航海の期間とか、そういうことは非常に厳密に調整しております。したがいまして、何とかひとつ淡谷先生の御心配を少しでも減らすような努力を、今後ともこの方面に行くについては進めたいと思います。
  121. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 労働大臣、最後に一言申し上げておきますが、この間佐藤総理大臣が本会議答弁で、防衛庁長官答弁答弁として最高の責任は君が持っているのですからとみえを切った。いま現実に日本労務者在日米軍労務者として具体的に戦場で危険にさらされておるというこの事実に対して、日本の防衛の最高責任者である佐藤総理がどう考えるのか。きょうはもうやめますけれども、これはいずれ機会を見て一ぺんは問いただしてみたいと思いますから、あなたからもよろしく佐藤総理にこの委員会の質疑の状況をお伝え願いまして、私の質問を打ち切ります。
  122. 川崎寛治

    川崎(寛)委員 先ほど島本委員が質問をされたことに関連をして基準局長にお尋ねいたしたいと思います。  就業規則の問題については、常時十人以上、こういうことでございました。基準法の八十九条には届け出の義務があるわけであります。あるいは九十条には就業規則作成の手続の規定もあるわけであります。ところが、先ほど伺っておりますと、作成及び届け出の義務というものは行なわれていない、こういうふうにうかがわれるわけであります。そういたしますと、基準法の百二十条によってこれは罰則があるわけでありますから、この点は、三十八年に問題になって以後それが処理されていないということであれば、当然に罰則の適用があってしかるべきだ、こういうふうに思うわけでありますが、いかがでありますか。
  123. 村上茂利

    村上(茂)政府委員 私からの答弁ではなくて、施設庁長官答弁の中に、諸機関労務者についての就業規則はないかのような答弁長官からございました。私の答弁では、基本契約の中に労働条件の大体が示されておる、そしてそれが周知されるような状態になっておって、それが実質的には労働条件を明示するという形になっておるという答弁を申し上げたわけであります。  そこで、いま先生の御質問にお答えしますにつきまして、まさに形式的に判断いたしますと、十人以上の労働者を使用する使用者就業規則を作成し届け出ないという場合には、これは労働基準法八十九条違反になりまして、罰則の適用としては、百二十条の適用の問題が生ずるわけであります。そういった違反がある場合には、労働基準監督機関といたしましては、司法警察官の権限を行使いたしまして所定の手続をとらざるを得ない、こういうことになるわけでございます。そこで、先ほど大臣からも御答弁申し上げ、私からも答弁いたしましたように、そういった問題については今後努力をする、こういうふうに申し上げたとおりでございます。したがいまして、少なくとも一般民間の事業場に比較いたしまして片手落ちにならないように、法の適正な執行ということを私ども考える、こういうことでございます。ただ、全然空白でなくて、実質的なものが諸機関労務者については諸機関労務協約によりましてあるという事実があるわけでございます。したがいまして、これをどういうふうに法の所定の手続に乗せるかという問題があるわけでございまして、御質問の御趣旨よくわかりますので、今後とも努力をいたしたいと存じます。
  124. 川崎寛治

    川崎(寛)委員 努力する、こういうことでありますけれども、問題は三十八年に指摘されているわけですね。そういたしますと、これまでの間、所管の基準局、監督署等においては、これらの点についてそういう点をやったかやらないのか。また施設庁長官のほうにおいても、こうした点について八十九条違反、そういうもの、かあることを見のがしてきたのかどうか、ひとつお二人から……。
  125. 小幡久男

    小幡政府委員 先ほど申しましたように、三十八年以後におきまして、昭和四十年に労働省からのお示しもあり、当方も責任を感じておりますので、約八割に及びます員数の者につきましては就業規則をつくりました。いま残っておりますのは諸機関、つまりPXとかそういうところにつとめておる人々でございまして、あと二割をいま調整に努力しておるという段階でございますので、もうしばらく御猶予をお願いしたいと思っております。
  126. 川崎寛治

    川崎(寛)委員 じゃ基準局長にお尋ねしますが、今後の問題としては、努力するという、そういう政治的な発言ではなくて、具体的に法に基づいて処理をしていくという形になりますと、まず、基準局としては当然施設庁のほうに、いま二割残っておりますね、それに対しては勧告なりするわけですね。そして、もしそれが実行されない場合には百二十条の適用、こういうことになりますね。
  127. 村上茂利

    村上(茂)政府委員 形式的に申しますと御説のとおりでございます。ただ、事情が普通の場合と違いまして、先に労務基本契約とか労務協定があって、そして今度国内法の所定の手続を踏む、こういったかっこうになりますものですから、通常の民間の事業場の場合と違った条件があるということでございます。したがいまして、たとえば違反としてこれを送検するという手続は法の定めるところに従ってやらざるを得ませんが、処罰段階ということになりますと、基本契約なり協定の成立の問題と、あと手続の問題、実質的に法違反の構成要件の成立、主観的判断、その点いろいろな面につきまして、私ども要は実効ある形で事を処理していくということがねらいでございます。したがいまして、法の定める手続をとるかと申しますと、これはもちろん法に定める手続に従って処理せざるを得ない。ただ、ねらいは就業規則をつくらすことが主眼でございまして、先ほど来しばしば御答弁申し上げておりますとおりに努力いたしたい、かように考えております。
  128. 川崎寛治

    川崎(寛)委員 そのように進めていただき、けじめをつけてもらうということで終わりたいと思います。
  129. 川野芳滿

  130. 田畑金光

    田畑委員 初めに労働省にお尋ねしますが、この間炭鉱離職者臨時措置法の改正が出ましたし、今回の駐留軍離職者臨時措置法の改正の内容を見ますと、内容についてはほとんど同じような感じを受けるのですが、そう読んでよろしいのかどうか、それをまず初めにお答えいただきたい。
  131. 有馬元治

    有馬政府委員 同様でございます。
  132. 田畑金光

    田畑委員 この離職者臨時措置法という法律は、期限はいつまでになっているんですか。
  133. 有馬元治

    有馬政府委員 措置法は十年間の時限立法でございますので、来年の五月で失効することに相なります。
  134. 田畑金光

    田畑委員 炭鉱離職者臨時措置法は、期限はいつまででしたかね。
  135. 有馬元治

    有馬政府委員 今回の改正によりまして、四十六年の三月三十一日までという期限に改正いたしました。
  136. 田畑金光

    田畑委員 これは労働大臣にお尋ねしますが、炭鉱離職者臨時措置法は四十六年の三月末まで期限の延長を見たわけです。同じ政策的な措置に基づく駐留軍離職者臨時措置法というものができておるわけで、この法律は、いま局長答弁のとおりに、来年の五月十七日ですかに効力を失うということになるわけで、この法律の存続についてどのように扱う方針ですか。
  137. 早川崇

    早川国務大臣 その町点になって考えたいと思っておりまするが、依然として離職者が出るというような場合には十分延長のことも考えなければならないかと存じます。
  138. 田畑金光

    田畑委員 その時点で考えるというんですが、いつごろを考えておられるのですか。
  139. 早川崇

    早川国務大臣 現在も昭和四十二年度で千六百人程度強制離職者が出るという実情でございますので、来年の通常国会あたりで大体の見当がつくと思います。その時点で考慮いたしたいと思います。
  140. 田畑金光

    田畑委員 要するに、通常国会の時点はこの法律の延長を考慮する、こういう解釈でよろしいわけですね。
  141. 早川崇

    早川国務大臣 けっこうでございます。
  142. 田畑金光

    田畑委員 これは安定局長でけっこうですが、この法第二条に一号から八号まで載っておりますが、各号に基づく駐留軍労働者というのはどのような実数になっておるか。さらに離職者は各号に基づいてどのような数が出ておるのか、これをひとつ説明願いたい。
  143. 有馬元治

    有馬政府委員 法第二条の各号がずらっと書いてありますが、現在残っておりますのは一号の関係のみでございます。
  144. 田畑金光

    田畑委員 どれぐらいいるのですか。
  145. 有馬元治

    有馬政府委員 駐留軍労務者が四万五百五十二名、それから諸機関労務者が一万八十八名、合計いたしまして五万六百四十名でございます。
  146. 田畑金光

    田畑委員 この地位協定によって現在日本にいる軍人、軍属、家族関係者というのは、どういう状況になっていますか。
  147. 小幡久男

    小幡政府委員 在日米軍の軍人は現在約三万六千四百名でございます。軍属のほうは約三千四百名、それから軍人、軍属の家族が四万七千名ぐらいとなっております。
  148. 田畑金光

    田畑委員 その米軍人三万六千四百は、陸海空それぞれに分けるとどうなりますか。
  149. 小幡久男

    小幡政府委員 陸軍が八千百、海軍が一万三百、空軍が一万八千、時によって若干の増減がございますが、昭和四十一年十一月末の時点では三万六千四百でございます。
  150. 田畑金光

    田畑委員 それから、現在米軍の使用に供せられておる施設あるいは区域というものは、どうなっておりますか。
  151. 小幡久男

    小幡政府委員 現在米軍に提供しております施設の数は百四十三でございます。その土地の広さは、丸い数字で言いますと三億五千万平方メートル、坪数で言いますと約一億坪を少しこえるという状況であります。
  152. 田畑金光

    田畑委員 いわゆる軍事基地といわれるものはどういう内容なのか、それを少しく説明してください。
  153. 小幡久男

    小幡政府委員 いわゆる軍事基地と申しますのは、兵舎の施設、それに付随しました軍人の住宅、飛行場、それから演習場、港湾、倉庫、医療、通信、そういったものが主でございます。
  154. 田畑金光

    田畑委員 地位に関する協定を読みますと、第二条の第三項によれば、「合衆国軍隊が使用する施設及び区域は、この協定の目的のため必要でなくなったときは、いつでも、日本国に返還しなければならない。合衆国は、施設及び区域の必要性を前記の返還を目的としてたえず検討することに同意する。」この条項に基づいて現在返還協定などの俎上に載っておる基地や施設などがあるのかないのか。さらに今後の見通し、これなどについてひとつ承っておきたいと思います。
  155. 小幡久男

    小幡政府委員 現在地位協定第二条に基づきまして計上にのぼっておる具体的な事例を一、二申し上げますと、たとえば東京調布の飛行場でございます。これが現在米軍がほとんど使用しておりませんので、第二条に基づきまして、米軍のほうでは、日本側で受け入れ体制ができ次第返還してもよいということを申してきております。さらに富士演習場も、日本側の受け入れ体制ができれば——これは調布とは少し趣が違っていますか、自衛隊が使用して逆に米軍が一部使用させてもらうという意味の返還をしてもよいと言ってきております。  それから、将来の見通しはどうかという御質問でございますが、現在のところ、先ほど申し上げましたとおり、米軍の兵力も三万六千幾らというふうに非常に減っておりますし、相当ぎりぎりの兵力でおりますので、急激な基地の返還は、予見し得る近い将来にはなかなか困難だと私は思っておりますが、それにいたしましても、部分的には使用の繁閑というものがございますので、それをよく見きわめまして、今後とも折衝してまいりたいというふうに考えております。
  156. 田畑金光

    田畑委員 自衛隊が現在米軍の施設を利用しているところも相当あるかと思いますが、どういうようなところで、どういうような利用状況になっておるのか。さらに、長官のいまの御答弁にもありましたように、駐留軍兵力は三万六千余、これは将来、いろいろな極東の情勢その他から見たときに、漸増するのか、漸減するのかという問題——むしろ私はあとの見通しか強いのではないか、こう思うのです。そういうことを考えてみたならば、一億坪というまだ広大な軍事華地その他が日本にあるということですね。いま読み上げた第二条第三項に基づいて、絶えず不要なものについては返還の話し合いを継続して持つということになっておるわけで、したがって、日本政府としてはそういう面についてなお一そうの努力が必要だと思うのでありますが、この点について政府の心がまえはどうなのか、これを承りたい。
  157. 小幡久男

    小幡政府委員 まず最初に、米軍施設を自衛隊がどういうふうに利用しておるかという点でございますが、御承知のように、演習場とか飛行場は実際相当共用し合っております。坪数で言いますと、私の計算では、一億坪の六、七割までは米軍と自衛隊の共同使用になっております。しかも、一例を申しますと、富士演習場だけとりましても五千万坪くらいある。だから一億坪といいましても、富士演習場が将来日本側に返ってまいりますれば、一気に五千万坪に激減する。しかも、その五千万坪のうちの相半部分は自衛隊も使用しておるという状況でございまして、決して米軍が一億坪を排他的、独占的に使用しておるという状況ではございません。  それから、将来三万六千が漸増するか、漸減するかという問題ですが、少なくともこれは増加の方向ではないというふうに考えております。
  158. 田畑金光

    田畑委員 先ほど長官答弁では、駐留軍労務者の現数についての説明がありましたが、今後の駐留軍労務者従業員の推移ですね、雇用状況あるいは離職状況、これはどのように把握されておるわけですか。
  159. 小幡久男

    小幡政府委員 これもいま直ちに、数年先を予測することは困難かと思いますが、先ほど申しましたように、米軍の兵員数あるいは基地数についてそれほど大きな変化がないという前提で考えますと、それほど著減はないのではないかというふうに考えております。
  160. 田畑金光

    田畑委員 地位協定の十二条の四項によれば、駐留軍要員の充足というのは、これは日本政府の義務条項になっておるわけですね。そこでお尋ねしたいのでありますが、駐留軍従業員が現在、諸機関従業員を合わせて軍の従業員は五万余人ということでありまするが、この充足状況ですね、どうなっておるかということ。と申しますのは、先ほど来基本労務契約に基づいて第一義的には雇用条件労働条件その他適用されておるわけです。しかも、その内容などにおいては軍の特殊作業員というような性格から見て、いろいろ国内労働から見ると、より強い身分的な制限、拘束があるわけですね。そういう点から見たときに、特にまたもう一つは、わが国の今日の雇用事情などから見た場合に、十二条に基づく政府の充足義務条項というのは今後政府としてもなかなか苦労のあるところだと見るわけでありますが、この点について、現状はどうであり、将来はどのように推移するかということを御説明願いたいと思うのです。
  161. 小幡久男

    小幡政府委員 御指摘のように、駐留軍職場はいろいろ問題といいますか、日本の企業とは違った性格がございます。これは、先ほど申しましたとおり、終身そこに職を奉ずるというような永久の職場ではございませんで、基地それから軍隊あるいは外人こういうような条件がございまして、必ずしも一般の企業に比べて快適な職場であるとはいえないと思います。そういう反面一般の労働市場の逼迫という問題がございまして、必ずしも充足は順調にいっておるわけではございません。しかしながら、絶えず労働条件等は改善いたしておりますし、大幅の増強も将来ないのではないか、欠員補充といった程度に推移していくのではないかと思っておりますので、われわれもその線に沿いまして、せめてそのくらい何とかひとつ間に合うような努力関係者とも相談の上やっていきたいと考えております。
  162. 田畑金光

    田畑委員 そうしますと、従業員充足には苦労はないというのですか。だいじょうぶやっていけるということでしょうか。幾らか将来が心配されるということなんですか。
  163. 小幡久男

    小幡政府委員 決して苦労はないとは申しません。先ほど来議論がありましたように十八歳どうこうという問題も出ておるような状況でございまして、一般の労働力の逼迫というものが同じように影響を与えておるということは率直に認めておりますので、今後いろいろくふうをこらしていくことが必要であろうと思いますが、何とかいろいろな措置を講じまして充足に努力してまいりたいと考えております。
  164. 田畑金光

    田畑委員 現在いわゆる保安解雇に基づいて係争中の問題があるのかどうか、特に日米の間の合同委員会などに持ち込むような問題があるのかないのか、もしあるとすれば、その内容についてひとつ説明願いたいと思います。
  165. 小幡久男

    小幡政府委員 現在四件ほどございますが、これは合同委員会の場でどうこうというのではなくて、裁判所で司法的処理にかかっております。
  166. 田畑金光

    田畑委員 その内容はどうなんですか。
  167. 小幡久男

    小幡政府委員 御承知のようにいわゆる軍の保安上の必要で軍が解雇したものでございます。このこまかい内容については公表できないということでございます。
  168. 田畑金光

    田畑委員 いや、私の言っておるのは、どういう内容で、どういうような事件がいま係争中で取り上げられておるのか、ひとつその輪廓でもいいから説明願いたい、こういうことなんです。
  169. 江藤淳雄

    江藤政府委員 現在係争中になっております事件は、先ほど申しましたように四件十名でございますが、これは米軍のほうで保安上の理由によって解雇した従業員たちが、自分の解雇は不当労働行為に該当するということで裁判所に提訴しておるという事件でございます。その内容は個別的には長くなりますので省略いたしますが、大体現在四件のうち駐留軍関係で八名、相模原が一名、それから船員関係一名というようなことになっております。
  170. 田畑金光

    田畑委員 私の聞きたいのは、あなたの答弁とは逆に、解雇された諸君が不当労働行為で訴えておるということを聞いておるのじゃなくて、アメリカ軍側は、どういうような理由に基づいてそれを解雇したか、アメリカ側がどんな態度でそのような不当労働行為と言われるような内容を引き起こしたのか、それを尋ねておるわけです。
  171. 江藤淳雄

    江藤政府委員 これはおのおのその労務契約によりまして、具体的に保安上の危険があって、解雇する場合の条件が規定されております。その基準と申しますと、従業員がサボタージュを行なう、あるいは諜報行為を行なうというようなことによりまして、軍機の保護に関する諸規則に違反し、またはこれらのための企画または準備をいたした物合、こういうような場合が第一条件になるわけであります。その次に、従業員が軍側の保安に直接的に有害であると認められる政策を採用し、または支持する破壊的団体または会の構成員であるというような場合、第三に、従業員がサボタージュとかあるいは諜報行為というような諾活動に従事する者、またそういう団体あるいはその会の構成員と密接な関連があるというふうに判断された場合、こういうような場合に、軍側としましては保安上有害であるという認定をいたしまして解雇することができるということが労務契約で、日米間できまっておるのであります。
  172. 田畑金光

    田畑委員 それは私もあなたのほうから借りて労務契約の内容を読んであるわけです。保安解雇に該当する幾つかのあなたの読み上げた内容についても知っておるわけです。問題は、私の聞きたいのは、いま四件十名にのぼっておると言われるが、この保安解雇のどの基準に該当してこれらの諸君は解雇されたのか、それを聞いておるのです。
  173. 江藤淳雄

    江藤政府委員 四件十名は、特にa、b、cの基準に該当するというように分類して現在資料を持っておりませんが、いずれの条項かに該当するわけでございまして、これらの者が特に従業員としましては、本人の労働組合活動が非常に活発であったために米軍のほうで好ましくない人物であるということで解雇したのであるというような前提のもとに、現在訴訟いたしておるというような状況でございます。
  174. 田畑金光

    田畑委員 言えないわけですね、言えなければ言えないということをはっきり言わなければ、あなたの言っているのは私も百も承知の上で聞いているので、そんなことを聞いているわけじゃない。保安解雇のいろいろな条項があるが、どの条項に基づいて、どんなケースとして軍が解雇したのか、それを私は聞きたいのです。したがって、身分上の取り扱いがそのように不安定であるところに、軍に働く労働者と一般の国内法の適用されておる労働者との大きな違いが出てきておると思うので、そのあたりを知りたいと思ったので質問したのですが、しかし聞いても周囲をぐるぐる回っているだけだからしようがない、いずれまたこれはあとにします。  それから、施設庁長官にお尋ねしたいのですが、先ほど質問の中でもいろいろ取り上げられておりましたが、直接雇用者と間接雇用者というのがあるわけですね。先ほど取り上げられたLST船舶要員というのは直接雇用でしょう。それからもう一つ、MSTS所属船舶に乗り組んでおるのは間接雇用だと思いますが、そこで私もお尋ねしたいのは、直接雇用者、間接雇用者の労働者に対する保護の面から見た場合に、どういう利害得失があるのかということをまず最初にお尋ねをしておきたいと思う。
  175. 小幡久男

    小幡政府委員 ただいま御指摘のように、LSTのほうは直接雇用でございます。それ以外のMSTSで雇用しておりますのは間接雇用でございます。船員の立場の差異と申しますのは、最も著しいのは、間接雇用のほうは船員法が適用されます。したがいまして、船員保険とか全部適用になるわけであります。直接雇用のほうは船員法の適用がない船員でございますので、そういった法律上の保護については間接雇用よりは若干不安がある、月給はいいと思いますが、そういうことがあると思います。
  176. 田畑金光

    田畑委員 先ほど質疑応答の中にあったかもしれませんが、長官答弁の声が小さくて私、向こうで聞き取れなかったのですが、この直接雇用あるいは間接雇用の船舶用員、それぞれどれくらいの数になっているのですか。
  177. 江藤淳雄

    江藤政府委員 直接雇用をいたしておりますLSTは大体千二百五十名程度を前後いたしております。それから、間接雇用で提供しております従業員は現在二百二十六名でございますが、これも若干名は常に変動がございます。
  178. 田畑金光

    田畑委員 間接雇用についてはMSTSですか、これが二百二十六名、直接雇用は千二百五十名というお答えですと、この場合特に直接雇用というのが多いわけですが、そうしてまた、しばしばベトナムの地域でいろいろな事故にあっておるわけで、危険に巻き込まれておるわけですが、これについては日本政府としても何らの調整なりあるいは意見の交換なり、こういうことはできるのですか、できないのですか。
  179. 小幡久男

    小幡政府委員 直接雇用のほうは直接所管でないものですから、責任を持ったお答えはできませんが、運輸省、外務省等が対米折衝いたしまして、いろいろ危険予防その他についての折衝をしておるということは聞いております。
  180. 田畑金光

    田畑委員 それで、念のために聞いておきたいのですが、駐留軍労働者の一番大事なよってきたる法律的な根拠というのは地位協定だ、私はこう思うのです。この地位協定というのは読んで字のごとく、日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定、こういうことになっておるわけです。また、たとえば第一条を見ますと、その(a)項に「日本国の領域にある間におけるアメリカ合衆国の陸軍、海軍又は空軍に属する」云々、こうなっております。第二条を見ますと、「合衆国は、相互協力及び安全保障条約第六条の規定に基づき、日本国内の施設及び区域の使用を許される。」こういうことですね。こういうように、明確に駐留軍労働者あるいは防衛施設庁が取り扱っておられる駐留軍従業員というものは、当然日本国内における基地やあるいは施設における従業員という前提で、私はこの地位に関する協定はできておると見るのです。そういう前提に立って、先ほど申し上げたように第十二条の第四項で「労務に対する合衆国軍隊及び第十五条に定める諸機関の需要は、日本国の当局の援助を得て充足される。」ということになっておるわけです。この協定の趣旨から見ても、防衛施設庁あっせんされる駐留軍従業員というものは、この国内にある地域において、基地において、施設において働くための要員であって、それが先ほど問題になったような遠く戦争地域まで、たとえ輸送という名において出かけるにしても、私はこの協定の前提としておるものから大きく逸脱しておる、こう見るわけですが、この点はどうですか。
  181. 小幡久男

    小幡政府委員 御指摘のとおり、陸上で雇用する船員につきましては、これは働く場所も陸でございますので、これは当然その原則に従いますが、船のほうは御承知のように本質的に動くものでございます。航海するものでございます。したがいまして、船籍港があって、そこで労務を調達して、それに乗った船が移動することは、条約の解釈といたしまして決してそれを逸脱するものではないという考えでございます。
  182. 田畑金光

    田畑委員 船で動くから、それは日本海域だけでなく周辺の海域ということになるでしょうけれども、しかし、先ほど極東の範囲という問題がいろいろ議論されておりましたが、極東の範囲というのも先ほどの御答弁を聞いておると、なかなかはっきりしない。それで私はいま日米安保条約が国会で審議されたときの極東の範囲というものについての定義を取り寄せてみたのです。これによると、「フィリッピン以北並びに日本及びその周辺の地域であって、韓国及び中華民国の支配下にある地域もこれに含まれている。」、これは岸総理が政府の統一見解として述べられておる内容ですね。この中には、南ベトナムとか東南アジアの地域まで広がっていないし、またそのような想定もないのですね。あなたのような考え方でいくならば、海はどこまでも続いているわけですから、どこまでも行けるというようなことになるわけです。戦闘地域だろうと交戦地域だろうと。これはしかしそういうことまで想定してこの協定というものはできていない、そう見るのがほんとうだと思うのです。そうでなければ、要するに海外派兵に通ずるということにもなるし、軍の派遣ではないけれども、しかし民間人であっても軍従業員が戦地に事実上おもむくという結果を招いているわけであって、これは協定の危険な逸脱である、こう私は見るわけですが、この点どうですか。
  183. 小幡久男

    小幡政府委員 先ほどもお答えいたしましたように、いまお読みになりました極東の範囲にベトナムが入らないことは事実でございます。しかしベトナムは、極東のいまお沈みになった範囲の土地といいますか、その区域にすぐ隣接しておりまして、そこに起こる政治情勢いかんによっては極東の平和の維持に関係がある、ある意味安保条約の範囲内であるという解釈でございます。したがいまして、そこへ行きますのは、その安保条約に基づいて在日米軍が負うておる軍事輸送の任務の範囲内のものであるというふうに解釈して認めておるわけでございます。
  184. 田畑金光

    田畑委員 日米安保条約は、第一義的には日本の安全でしょう。そして同時に、第二義的というかしらぬが、極東の平和と安全、こういうことになっておりますね、したがって、これはあくまでも日本の安全を中心としてこの条約はできておるわけです。この極東の平和と安全というのは日本の安全とは切り離し得ない、密接不可分な地域を指しておる、こう思うのです。したがって、どこまでも日本の安全ということが主であって、別個に極東の平和と安全があるわけじゃない。日本の安全の立場から見て必要だという場合の極東の平和と安全というような考え方に立っておるのが私は日米安保条約の趣旨だと思うのですね。それはお認めになりませんか。これは当然の条約のすなおな解釈だ、こう思うのです。現にそのようなことを答弁の中にも当時の岸総理も答えておりますよ。これは異論はないと思うのです。どうですか。
  185. 小幡久男

    小幡政府委員 極東の安全が脅かされれば当然日本にも影響があると考えております。
  186. 田畑金光

    田畑委員 私の言うのは、そんな一般論的な抽象的な議論の立て方じゃなくして、この条約というのはまず日本の平和と安全を日米共同で守ろうというのが前提でできておるのでしょう。同庁に極東の平和と安全となっておるけれども、しかし極東の平和と安全というのは日本の安全と切り離して別個にあるのじゃない。それはあくまでも日本の平和と安全につながった極東の平和と安全、こういう趣旨で日米安保条約というのはできておるのですよ。あなたのお話のように、極東の安全がなければ日本は安全でないと言ったって、その極東といえばどこを指しておるのか、まことにばくとして抽象的で不明確でしょう。日本の平和を確保するためにこそ、その一番大きな柱として守るために、それにつながる極東の平和と安全ということになってこの条約はできておる。理論的にも、また条約の趣旨から見てもこれはそうなっておるのですよ。  私が言いたいのは、日本の平和あるいは日本の安全、そういう立場から見たときに、ベトナムのあの問題が直接的に日本の平和と安全にどういう関係があるかということ。それはなるほど極東のどの地域でも、いうならば世界のどの地域でも平和であり安全であるということは、即日本の平和と安全につながるわけだが、しかしこの条約というものは元来日本の安全、そうしてそれを守るためにそれにつながる極東の安全と平和を確保するための条約であるとするならば、それがベトナムの問題などで駐留軍の要員などを派遣し、そういうような戦闘行為に巻き込ませるようなことは、これはこの条約の精神から見ても大きく逸脱しておると思う。そういうことになってくればこの条約というものは、全く、日本の安全のためでなくてアメリカの極東政策、アメリカの世界政策というもののためにある条約ということになってくるわけで、この点について私がお尋ねし、念を押したいことは、防衛施設庁としてもMSTS、LSTの乗り組みについては自制し自成すべきだ、こう思うのだが、その点はどうかということを念のために聞いておきたいと思う。
  187. 小幡久男

    小幡政府委員 私ももちろんベトナム戦争の早期終結を希望することにおいてはもう間違いない気持ちを持っております。またLSTの問題につきましても好ましいと考えており乗せん。しかしながら条約上の義務というものは、たとい好ましくないことでも遂行しなければならないというので、自制自戒しつつ米軍とよく協調しながらやっていきたい、相談しながらやっていきたいと思います。
  188. 田畑金光

    田畑委員 それはこの辺で終わります。  最後に私は労働大臣にお尋ねしておきたいのですが、現在一番政治的な問題になっておる政治資金帆正法の改正について、労働大臣に一言だけ承っておきたいと思うのです。それは昨日も私この夕刊を見まして驚いたのは、政治資金規正法改正案の最終要綱の中で、私たちが一番心配しておりました労働組合に対する政治資金規制の問題です。特にこの中で、要綱のいわゆる手直し部分、与党が政府に圧力をかけて手直しをした部分の第三項に、「政治活動に関する寄付のあっせんをする者は、いかなる方法をもってするを問わず、寄付をしようとする者の賃金、工賃、下請代金その他性質上これらに類するものから当該寄付に係る金額を控除する方法で、当該寄付を集めてはならないものとすること。」となっております。これを労働大臣はどのようにお考えなのか。それまでの新聞を見ますと、自治省もいやこれは行き過ぎだ、労働大臣はそんなことはとんでもないことだ、こう言われていた。さすがに早川労働大臣だと実は敬意を表していたのです。労働基準法の二十四条を見れば明確に、こうこうこういう場合については協約によって賃金の中から一部労使の話し合いで引き去ることができるということがうたわれているわけですね。そういう基準法という法律の中で明確に認められているチェックオフすらも、これに便乗してやめさせようというような今回の与党の圧力に基づいて政治資金規正法の改正、なるものが閣議決定をされ、やがて国会に出されようとする事態にあるわけです。一体、労働大臣としてはどのようにお考えになっておるのか。ことに、私が申すまでもなく、労組法第二条を見れば、労働組合というものはこういうものだということが書いてありますね。主として労働条件や経済的地位の向上、改善をはかるのが労働組合だと書いてある。もっぱら政治活動や社会運動をするものは、これは労働組合ではないと書いてある。これはそのとおりでしょう。主として経済活動をやるのが労働組合だと書いてある。したがって、労働組合も主ならざる分野において政治的な関心を持ち、政治的な活動をすることは、これは当然、今日のすべての産業政策、労働条件がいずれも政治とのつながりを排っておるならば、労働組合が政治に関心を持ち政治活動をある限度やることは当然労働法が予想しており、前提としておることなんですね。それがそうなっておるにかかわらず、しかも基準法というりっぱな法律に基づいてチェックオフはかくのごとき場合はできるということになっておるにかかわらず、今度の政治資金規正法改正では、既存の法律体系をこわしてまでこんなものを入れようなんということは、与党の良識のためにもやるべきじゃないし、これでは結局政治資金規正法の改正なんというものは初めから審議未了に終わらせるためにこうやったのだということにもなると思われる。労働省設置法に基づいてあくまでも労働者のために福祉を増進する、労働者のためを大いに考えてサービスするのが労働省の役割であり、労働大臣はそういう任務だと思いますが、労働大臣、一体、この点について、率直にどのようなお考えを持っておられるか、これをひとつ承っておきたいと思う。
  189. 早川崇

    早川国務大臣 これは閣議では決定しましたが、党の了承という条件つきでございますから、まだ正式に最終的には申し上げられませんが、チェックオフというものは結局、労働組合が政治献金をしてもいいという公認をしたような政治資金規正法の改正になっているわけであります。したがって、三十万以上の組合員を持つものは二千万円、これは組合員の中から出せばいいので、これはチェックオフを認めておるわけです。チェックオフを認めないのは、いわゆるそれ以外の、個々の組合員に勧誘し、あっせんして、それ以外に献金を出させておる、これはチェックオフということは認めない、当然のことであります。同時にそれは組合員だけではなくて、下請会社が親会社のほうからあっせんして資金をチェックオフするのもいかぬ、こういうことでございますから、組合の団体献金、政治献金というものは、御承知のように金額の限度を設けて公認したわけなんで、いままで労働組合法では公認しておらぬ。むしろ、与党内では、これは少し行き過ぎではないかという御意見すらあるような改正になっておる。ですから、チェックオフ禁止は、それ以外の個々の組合員に、政治的自由がありますから、これにあっせんするやつだけは、これは個々に徴収しなさい。下請会社の場合も親会社がチェックオフをしちゃいかぬ、こういうことでございますから、新聞で伝えられておるものとは根本的に違っております。そういうように御理解されたならば、何も労働者の政治活動を弾圧するというものでは決してない、かように考えております。
  190. 田畑金光

    田畑委員 私はこれで質問を終わりますが、労働大臣答弁ですね、もっと掘り下げて質問したいと思いますけれども、きょうは、これは議題外でもあるからやめます。しかし、あなたの御答弁では私は不満足ですよ。あくまでもひとつ労働大臣の任務、あるいは労働省の任務ということをわきまえて、間違わないで、この問題については正しい姿勢で閣議の中においても取り組んでもらいたいということを強く要呈して、私の質問を終わります。
  191. 川野芳滿

    川野委員長 大橋敏雄君。
  192. 大橋敏雄

    ○大橋(敏)委員 駐留軍関係の従業者は中高年齢者が多いと聞いておりますが、そういう立場から考えてみまして、今回の改正案のいわゆる自営支度金、自営業の開業資金だとかあるいは債務保証、こういう改正は当然の措置だと思います。またむしろおそきに失したのではないか、こういうふうに思うのであります。  ところで、労働大臣ないしはその関係者にお尋ねするのですけれども、今日までの離職者とその就職率を見ますと、三十二年度から四十一年度までを見ますと、平均就職率は二七・四%、それがだんだん年々に下降線をたどっていきまして、四十一年度では二一・七%にすぎないのであります。この数字から見ましても、政府の再就職指導のどこかに何か欠陥があったのではないか、こういうふうに考えるのです。それとも他にそのようにならざるを得ない何か明らかな理由でもあるのか、そういう点についてお願いいたします。
  193. 有馬元治

    有馬政府委員 一般的には離職者の年齢が非常に高くなっておる、それから地域的にも基地が都心部から離れておるというような状態、それから職種駐留軍職種は大体特定しておる、こういうふうな条件がございまして、なかなか再就職の結合がうまくいかない面もございまするけれども、私どもとしては全力をあげて就職援護の措置を講じながら再就職をはかっておるわけでございます。このたび債務保証と自営支度金を創設するということは、結局駐留軍離職者の中で一割内外が自営開業の希望を持っておる。これにこたえて新しくこの法改正を提案いたした次第でございます。
  194. 大橋敏雄

    ○大橋(敏)委員 いまのお答えの中から考えるのですけれども、なぜ駐留軍の従業者が中高年齢層に固まっていったか、そこのところをひとつお知らせ願いたいと思います。
  195. 江藤淳雄

    江藤政府委員 駐留軍従業員は、大体終戦後から入って就職いたしておりますが、特に、朝鮮動乱の際に大量に入りました。その後は新規に採用する従業員が非常に少なく、むしろ朝鮮動乱当時にたくさん入りました従業員がそのまま残っておって、しかもそれが先任権ということで解雇の規定がございませんで、逐次、年を追って高齢化していくということになっております。
  196. 大橋敏雄

    ○大橋(敏)委員 それでは次に移りますが、七割前後の離職者がその後どのような生活をしておるのか、またどのような就職のしかたをしていっておるのか、そういう実態がつかまれておりましたならば説明願いたいと思います。
  197. 有馬元治

    有馬政府委員 最近の状況を見ますと、再就職の比率が四割五分程度になっております。したがって、四割前後失業者が出ておるわけでございますが、この失業者というのは、結局高年齢その他で労働戦線からリタイアしていくという方々がおもになっておると思います。そのほかに一割近くの自営開業者がございますので、大体リタイアをする以外の方々は何らかの形で就業しておる、こういうふうに私どもは推測いたしております。
  198. 大橋敏雄

    ○大橋(敏)委員 再就職一つのひっかかりと思われることに、駐留軍関係従業員の方は農業の家族構成が多いということと、土着の人だというので広域就職になかなか踏み切れないということだとか、あるいは駐留軍関係は一週間に土曜、日曜が休みで、いわゆる五日制ですね。そういうことだとか、給料が本俸は普通並みだそうですけれども、手当が非常に優遇されている、そういう立場から再就職を考えるとなかなか条件が合わない、こういうふうなことを言てている人が多いのでありますが、そういう点について特に何か配慮されたのかどうか、考慮されているかどうかということです。
  199. 有馬元治

    有馬政府委員 御指摘のような事情はございまするけれども、できるだけ広域職業紹介体制のもとで就職援護を加えながら再就職をはかっていきたいということでせっかく努力をいたしておりますが、地元をどうしても離れられないというような場合には、自営業を開業するというふうな形で生活を維持していくということに相なろうかと思いますので、私ども今回の債務保証あるいは支度金制度というものが有効に活用されるのではないか、こういうふうに期待をしております。
  200. 大橋敏雄

    ○大橋(敏)委員 自営業開業資金の問題ですけれども、実際、現状の物価高の立場から見て、今度の改正案の内容程度で、実際に自営業が開かれるかどうか、こういう点について私少し心配をするのですけれども、実はこの法によってこれだけのものは規定され、また優遇されるのだ、そのほかにはこういう問題もあるというふうな付帯した措置でもあって、そういう立場から安全だ、あるいは安心して開業できるのだというふうなものがあれば示していただきたいと思います。
  201. 有馬元治

    有馬政府委員 今回の債務保証制度は、従来から駐留軍離職者につきましては特に開業自営業の実績がございました。それらの希望条件を調査いたしまして債務保証の条件等を設定してまいりたいというふうに考えておりますが、もちろん今回の債務保証のほかに、従来からございました各県がやっておりまする助成制度あるいは生業資金の貸し付け制度、こういうものは並行して存続いたしますので、これらの諸制度を十分活用して対処してまいりたいと思うわけでございます。
  202. 大橋敏雄

    ○大橋(敏)委員 それでは今度はちょっと観点を変えてお尋ねいたしますが、駐留軍関係従業員は、日米行政協定によって労働条件が定められていると思います。雇用関係で直接雇用と間接雇用がありまして、直接雇用のほうはまあまあ問題ないといたしましても、間接雇用の場合でありますが、政府としてのいわゆる労務管理といいますか、そういうのができない。したがいまして、不当労働行為をしいられても、いわゆる泣き寝入りの形で過ごされているのだ、こういうふうなことをよく聞くのです。たとえば、実例をあげますと、米軍の兵隊さんが職場に来て、酒を飲んできてあばれたり騒いだり、あるいは目に余るような行為をして、その汚物のあと始末をしいられるわけです。そういうときも、何らそういうものに対して苦情を申し出場所もないというふうなことを聞くのでありますが、こういう点について、同じ職場でありながら、こうした差別的な事柄があるということは問題だというふうに思うのですが、その点についてはどうお考えなのでしょうか。
  203. 小幡久男

    小幡政府委員 駐留軍従業員の保護につきましては、地位協定の第十二条五項によりまして、日米間で別に合意があります場合を除いては国内法を適用して保護することにしておりますので、ただいまのようなお話でどうこうということはないと私は思います。また、りっぱな労働組合もありますし、政府雇用でありますので、非常に円滑に政府からすぐに意思を伝達し得る状況でありますので、そのようなことは今日はないと思っております。
  204. 大橋敏雄

    ○大橋(敏)委員 これは実際に働いておる人々からの意見なので、私はもっと真剣に考えてもいいのではないかと思います。というのは、上のほうは、実際の末端の姿は見えないものであります。法的にはああだこうだと言ってみても、現実的には、いつも非常に痛めつけられておるということが多い。そういうことで、人間性尊重の立場からいっても、日本人の保護の立場からいっても、もっと掘り下げてその点は研究してもらいたい、あるいは対処してもらいたい。  日米合同委員会というのがありますが、簡単でいいですけれども、その組織ですか、内容等についてちょっとお話し願いたいと思います。
  205. 小幡久男

    小幡政府委員 日米合同委員会は、地位協定によりまして、日米間の地位協定の実施につきまして日米両国政府の間でいろいろな事項を審議する最高の機関でございます。構成は、日本側は外務省北米局長、私、いろいろな関係各省の構成員で、米軍は参謀長その他者軍の代表ということになっておりまして、主として施設問題、ときによっては労務問題も討議いたします。
  206. 大橋敏雄

    ○大橋(敏)委員 最高メンバーで組織されておるようにいま理解をしたのですけれども、先ほど私が申し上げましたような小さな事柄——小さな事柄でもないかもしれませんが、そういう問題もそういう委員会で取り上げられていろいろと討議されるような内容を含んでおるのかどうかという問題ですが、この点はどうですか。
  207. 小幡久男

    小幡政府委員 問題にもよりますが、なお、合同委員会の下部機構に労務関係の特別の分科会のようなものもございまして、いろいろな問題が上がってまいりますれば、当然そこで処理すべきものは処理をしていくということになっております。
  208. 大橋敏雄

    ○大橋(敏)委員 駐留軍労働者は、ある意味からいって、駐留軍の一方的な意思でばっさり解雇されていく、このような感じを受けるわけであります。あすの生活の不安を余儀なくされているというような感じを受けるわけでございますが、実に不安定な状況下に置かされている駐留軍の従業者また家族、それらの方々の気持ちを察して、今後駐留軍仕事の方向、つまり見通しです。それとそれに並行してどのような方策が政府として考えられているかということでありますが、同じような質問かもしれませんが、お願いします。
  209. 小幡久男

    小幡政府委員 整理は、昔に比較すれば非常に少なくなっていますが、やはり若干の整理があることは事実でございます。われわれとしましては、できるだけ前広にその整理の内定を知って、伝えるべきものは組合に伝え、そうして、十分準備をした上でできるだけ整理を減らすことが第一でございます。整理を減らすためには職場の配置転換等もやっておりますが、それによりましても、やむなく整理が出るという場合には、できるだけ前広に処理しまして、それに対しまして順序を立て、整理の期日を折衝して、いろいろ労働者の都合のいい時期に整理をしてもらうようなことも、場合によっては折衝したこともございます。そういうことをしまして、やむを得ず整理の段階に至ります場合には、ただいま提案されております法律そのものによりまして処理するようになりましょうし、あるいは離職対策というようなことを、それに補ってやっていきたいというふうに考えております。
  210. 大橋敏雄

    ○大橋(敏)委員 いままで職業訓練の手当だとか、あるいは移転資金だとか、それぞれ一応の措置はとられてきたようでありますけれども、実際に実例が示しますように、ある意味からいってまだまだ形式的な気がするのであります。とにかくこの際実情に合った対策を考えてもらいたい。現在働いている駐留軍関係者の生活の真の安定を考えた対策でなければならない、このように強く要望いたしまして、私の質問を終わります。
  211. 川野芳滿

    川野委員長 これにて、本案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————
  212. 川野芳滿

    川野委員長 次に本案を討論に付するのでありまするが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決に入ります。  駐留軍関係離職者等臨時措置法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  213. 川野芳滿

    川野委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  214. 川野芳滿

    川野委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。     —————————————   〔報告書は附録に掲載〕     —————————————
  215. 川野芳滿

    川野委員長 次会は、明日午前十時より理事会、午前十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時四分散会