○
八木(一)
委員 そこで、その準備がどのくらい進んでおるか。今
国会に問に合うようにりっぱな
法案を提案するということであります。今
国会が六月の末までであれば、少なくとも五月の末までに
国会に提案がされないと、普通には成立がむずかしいのではないか。もちろん六月の上旬であっても、そういった根回しがよくなればぱっぱっと通ることもございますけれども、いろいろなことでおくれがちでありますから、少なくとも今月中には、いいかげんな成案ではなしに、りっぱな成案を得て
国会に提出していただかないと間に合わない。それで、
主管の
国務大臣であられる総務長官は
——そこに宮崎君もおられますが、有能で熱心な
担当官がおられますので、ぜひ急速に出していただきたいと思うわけです。
そこで、同和対策協議会というものがあります。同和対策協議会というところは、五カ年計画なり、あるいはまたその他の問題について建議権を持っておりますから、そこでこの同和対策特別措置法の問題について、積極的に熱心な内容のいい建議が時間的に間に合う状態において出されれば、これを尊重されてしかるべきだと思います。しかし、私の仄聞したところの同和対策協議会の
審議過程では、これは時間的に間に合わない。大体一月に一回ずつしか開かれておりませんし、五カ年計画のための実態調査を主眼としておられるようであります。もちろん中間答申においては、特別措置法の提出と並行的に進めるようにという意思を表示しておりますし、堀木会長以下熱心な
委員の方々も、そういう問題について、すぐできることを期待はいたしておられると思いますけれども、
ほんとうの協議会という場でやや学者的に問題を
審議する人たちと、すぐに
政治を動かさなければならない、そういう状態との間には、少し感覚的なズレがある。
佐藤榮作さんは、
内閣総理大臣は、去年の二月の本
会議で多賀谷真稔君の
質問に対して、これを提出するという約束をしておられるわけです。多賀谷君の
要求は、昨年の二月中に提出してくれということでありました。これに対して
総理大臣は、二月中にという約束はできないけれども至急に出したいと言った。普通の概念では、昨年三月にこれが提出をされていなければ、この
質問に対する
答弁を実際に実行されたとは言えないわけであります。昨年、これを担当しておった総理府の安井総務長官はじめ、副長官あるいはまた担当の事務局の方は、熱心に取り組まれました。しかし、これは御承知だろうと思いますが、あるブレーキがかかって、その成案ができない。そうして最終的に、非常に熱心に
関係者は
努力をされましたけれども、
努力の最中に、総理府にILO問題と祝日法という、いい悪いは別として、非常に与野党の焦点になった問題をかかえておられたことと時間的にぶつかった
関係もあって、ついに成案提出が問に合わなかった。それについて
総理大臣の
佐藤榮作さんは、おもに交渉に当たっておりました私のところに、みずから立ってこられて、この提出が今
国会に間に合わなかったことは非常に残念で、申しわけない、次回の
国会にはりっぱなものを至急に提出をするということを
委員会の部屋の中でお約束をされたわけであります。これは
委員会の討論じゃないです。向こうから来られた。そういう状態であります。
総理大臣については、ほかの点についてはわれわれは批判を持っておりますが、
内閣総理大臣はこの点について、早く出して早く成立させたいという非常な熱意を去年から持っておられるわけでございますが、総理府のたくさんの案件をかかえられた条件、その熱心な
努力にかかわらず中途で少しじゃまが入った条件ということで、この前うまくできませんでした。こういうような条件を排除して、ことしどうしても成立をさせなければならない。成立をさせなければならない理由については、申し上げたら幾らでも申し上げられます。だけれども、総理府の長官は御存じだと思う。非常に時間がかかりますから、必要であれば申し上げますけれども、申し上げなくても必要な理由はおわかりだと思う。
そこで、
ほんとうにお願いしたいのは、
総理大臣がいかに
決意を持っていても、
総理大臣が提出の根回しをするわけではございません。塚原さんが熱意を持ってやられ、宮崎君が一生懸命原案を急速につくられる、その二つのことにかかっておる。塚原さんは、
内閣の約束、しかも一時的な約束じゃありません。これは
国会の論議でも十年間の歴史があります。日本の歴史というのは、四百年の歴史があるわけです。その問題を解決する
一つの大きな推進力としての同和対策特別措置法を、あなたが今
国会にちゃんとスムーズに提出させて、またそれが成立する根回しをされる、そうしていただく御
責任がおありになる。またぜひそうしていただきたいと思うわけです。そういう点できょう特においでを願ったのですが、ことに熱心な
国務大臣の
坊さんもおられます。
閣議その他において、ほかの
国務大臣の方々の御協力をぜひお願いしたいわけであります。
厚生省は昔は、総理府がこの問題を担当されるまでは、実際的なこの問題についての窓口であり、事務局であったというような歴史を持っておられます。そういう点で
厚生大臣の御協力もお願いしたいわけでございますが、まず第一に塚原総務長官の強い御
決意を伺いたいと思うのです。
特に同和対策協議会の問題については、いま申し上げたこと、これはもう
ほんとうに厳重に考えていただきたいと思う。協議会の運行は一月やると次は翌月になります。ことしの五月二十四日に開催が予想されているようであります。しかしながら、いままでの旧習を脱却するのは、なかなかむずかしいと思う。急いで六月の上旬に開くのが関の山、またこの次七月に開くのが関の山、それではもう間に合わない。五月中に協議会が数日連続的に開いて、この問題に取り組んでいただければ
——あの熱心な方々の御論議を参照されることは非常に喜ばしいと思いまするが、そうではなしに、慎重
審議ということでこれを延ばされるということであれば、これは
ほんとうに問題推進のためにブレーキになる。その意味で、あれは、諮問をしなければならないというような、
社会保障制度
審議会あるいは社会保険
審議会のような法律規定はございません。協議会が建議権を持っているだけであります。ですから、協議会が急速にそれをやっていただけばいいですが、そうでないときには総理府として、断じて
責任を持って本月中に提出をする、その
決意を固めていただきたいと思うのです。この問題については各党にお話しになるのはいいですが、各党でブレーキがかかったならば、それには一切顧慮をされずに提出をしていただきたいと思うのです。
内閣総理大臣とのお約束でありますし、自由民主党総裁との約束であります。その部局のこの問題についてのごくわずかな
知識、昔からの歴史を知らない人が無理解なために一言二言言ったようなことで、こういう問題についてブレーキが去年かかりました。わからず屋がちょっと言ったそのブレーキのために、何百万の人の問題を解決することがおくれているわけです。ですから、協力的な状態であれば、各政党にはかっていただいてけっこうであります。しかし、少しでも無理解で、まだ勉強しなければわからないとか、差別を受けてない人間が感覚で、そんなものはなくなったとか、そういったものを出せば眠った子を起こすというような
——審議会では全部そういうことについては考えちゃいけないと書いてある。
国会の論議でも
総理大臣とわれわれとの間の約束になっている。そういうことを蒸し返しをするような、ほかのことでは練達の人であっても、この問題については
知識が少ない人たちの心ない一言二言の発言でブレーキがかかるというようなことがこの前ありました。そういうような状態の場合には、
内閣は提出権を持っているわけですし、それを与党、野党にはからなければならないという
責任はありません。
国会に提出してからこれは論議をしたらいいわけでございまするから、ブレーキがかかる要因は一切排除して、
内閣の
責任で今月中にりっぱなものをぜひ提出をしていただきたいと思うわけです。この点についての塚原総務長官の前向きな御熱心な御
決意をぜひ承らしていただきたいと思います。