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田邊委員 いずれにいたしましても、ひとつ厚生省は、今後の指導についてさらに深い検討をされて、これが効率的な活用をはかられ、老人対策の一環としての運営ができるように御配慮をいただきたいと思っておるわけであります。
次に進みますが、これは老人問題に限りません、児童にも当然わたるわけですが、特に施設の問題と関連をいたしますけれ
ども、
社会福祉施設全般について、われわれとしては、今後のあり方については、ただ単に
現状の地方公共団体なりあるいは法人なりで運営されている
状態に満足をすべきではもちろんありません。将来は国が責任を持つという形に当然移っていかなければならぬと私は思っておるわけですが、
現状では半官半民といいましょうか、ある
程度民間の力にたよるという形になってきておるようです。
そこで、民間の
社会福祉施設の運営にあたって
一つの重要な手だてとなっているものに共同募金があります。これは戦後いち早く助け合い運動として始まって、二十年の経過を経てきているわけですが、これは児童家庭局にも通ずるわけでしょうけれ
ども、最初は、施設が戦後非常に荒廃した、あるいは老朽化しつつある、こういったものを何とかひとつ直してやろうじゃないか、そのことによって、そこに収容されておる老人なり子供なり、恵まれない人たちに対して、お互いの立場で助け合おうじゃないか、こういう形であったろうと思うのです。ところが、この共同募金のあり方というものが、
経済の変動等ともあわせてだんだん変わってまいりました。はたして現在
国民の助け合いというその精神がこの共同募金の活動の中で貫かれておるかといいますと、だんだんマンネリ化しておるという
状態もあるわけです。しかもまた、共同募金の配分の方法にしても、当初は施設一本やりという形であったのが、その後、
社会福祉事業の民間におけるいわば手綱を締めるといいましょうか、扇のかなめになるような
社会福祉協議会の運営資金としてかなりこれが使われるという
状態になってきたのであります。これはまたこれで、社協というものが現実にあり、これが活動をすることは、きわめて重要な要素があることは十分
承知をいたしておるのでありますけれ
ども、
昭和四十年度の共同募金の配分内訳を見ましても、約十九億七千万円ばかりの共同募金の中で、施設に対する配分は六億円
程度、社協に対する配分が十一億五千万をこえるという
状態であります。いわば比率が逆転をいたしてきておるのでありますけれ
ども、私は、この
状態というものをそのまま認めておっていいのかどうかという点に対して、いささか実は疑問を持っているわけであります。
今後この
社会福祉協議会というものが中央地方を通じて果たす役割りというものについては、われわれは十分これは是認をしなければならぬと思いますけれ
ども、この運営については、私は、別にやはり国なり地方公共団体なりというものが、ある
程度それに対する負担を、まあいまでも補助金等を出しているわけでありますけれ
ども、今後さらに責任を持つという
態勢になるか、あるいは別の自主的な運営の資金を調達をするかという形がほしいのではないかと思うのでありまして、共同募金でかなりの部分というものをおおっているという
現状は、私は必ずしも好ましいとは思えないのであります。そういった点からいいまして、この共同募金のあり方、それと関連をする社協の運営の方法、これに対してどういうようなお考えであるか、ひとつお伺いしたいと思うのであります。