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河野(正)
委員 ただ非常に残念に思いますのは、この
人口問題というものは一朝にして解決する問題ではないのですね。特に
労働力の問題になりますと、これは生まれて中学校を卒業するまでは
労働力にならないのですね。かなりの時間がかかるわけですよ。ですから、そういう
意味では
人口問題研究所では大体
人口問題の展望というものはわかるわけですから、これは早めにそういう方針というものをお立てにならなければ、もう壁にぶつかって、立てたってもう十数年のおくれがあるのですよ。私はそういう
意味ではまこと残念ですけれ
ども、今日やっとこの
人口問題審議会に諮問をされたのは時期としてかなりずれておるのではなかろうか、そういう気持ちがいたします。私は残念ではございますけれ
ども、そういう点は、いまここでとやかく申し上げましてもどうにもならぬ問題ですが、あえて申し上げますが、この問題の取り組みというものは非常におくれておった、それで結果的にはいま
労働力の問題で
日本の
経済に非常に大きな影響を与えておる。そういう
意味で私は非常に残念に思います。しかし時間もございませんから、その点はひとつ私の気持ちを率直に申し述べて警告をいたしておきたいと思います。
それから、
幼少人口を大事にしていかなければならぬ、その資質の向上というものをはかっていかなければならぬということがいま申し上げた
一つの点でございますが、いま
一つは、だんだん老人がふえていくわけですから、この老人
対策というものを強化する必要があるということは、これはもう当然のことだと思うのです。そこで、その老人
対策を強化するということですけれ
ども、それには、
一つには生活保障の問題がございましょう。具体的に申し上げますならば、年金等を充実をして、老後の保障をはかっていくということも
一つの
方法でございましょう。それからまた、
一つには老人の慢性病
対策、たとえば成人病、ガンとか、そういう問題に対します
対策を立てて、老人を大事にするという問題があろうと思います。しかし、きょうは
雇用問題ですから、そこに焦点を当てて申し上げますと、やはり私は、老人にまず仕事を与えるということがきょうの論議の中の問題点となると思うのであります。それには、先ほど
大臣が申し述べられたような
定年制延長の問題もございましょう。同時に、私は
志免鉱業所の問題を
一つ取り上げてまいりましたが、現実にはすでに
定年になって、しかも
職場に
吸収されておらぬというふうな断層もたくさんあるわけですから、そういう
意味では、単に
定年制の問題だけでは解決しない面がございます。そこで、老人に対しましては、心身の能力を回復させて、単なる老後の保障によって徒食をさせるということではなくて、勤労の喜びを与えていくということもきわめて大切な問題であるというふうに私は
考えるわけでございます。
そこで、結果的に申し上げますならば、
一つには
幼少人口を当面大事にする、もう
一つには、老人
対策を強化をしてお年寄りを大事にしていく、こういうことが、
人口変動に伴います
雇用対策上のきわめて重要な問題であるというふうに私は
指摘せざるを得ないと思うのでございます。時間がございませんから、そういうことを結論的に申し上げて、そしてこの際特に私は
指摘を申し上げておきたいと思います点は、だんだん
若年労働者が減少していく、そのために、申し上げますように
幼少人口等も大事にしなければならぬ、またお年寄り、
大臣のほうでは御
婦人もおっしゃいましたが、そういう階層を大事にしなければならぬ。私は時間がございませんから多くは申し上げません。きょうは一例だけを取り上げて申し上げてみたいと思いますが、それは、最近
労働省が発表いたしました年少労働者就労状況という調査報告がございます。それによりますと、新規の中学
卒業者の離職率がだんだんと高まっておる、
若年労働者が非常に重要な意義を持っておりますにかかわりませず、この
労働省の年少労働者就労状況調査報告によりますと、新規中卒者の離職率がだんだん高まっておる、
数字で申し上げますならば、その離職率というものは二一・一%で、男女とも昨年よりも高まっておるというふうにいわれておるわけです。そういたしますと、このせっかく
労働力というものを確保しなければならぬときに、現実にはいま逆行するような
方向が出ておる点についてはどういうふうにお
考えになっておるか、ひとつこの際承っておきたい、かように
考えます。