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中井委員 その点は、私も
坊さんの言われるように、税金を出せば免責の感覚が出てくる、出しているじゃないか、だから
公害を排除することにも非常に不熱心になる、責任をのがれる、おっしゃるとおりだと思います。しかし、なおかつ、永久に取れとは言いませんが、しばらくの間、臨時的なものとして
公害がなくなるまでの間どうだ、こういう考え方は私は十分あると思うのです。大蔵省の事務当局の中にでも、
公害公害とやかましいから、
公害税を取ったらどうだと提言をする少壮官僚がおるように私は聞いているんですが、自治省にもある市町村から問い合わせがあった。
公害税を置きたいと思うがどうか。もちろん、これは税金のことですから、地方自治法によりましてかってに取るわけにはいきません。自治
大臣の承認かなんか要るのではないかと思いますが、しかし、問題によりましては、そういうことをするまでに負担金を出す、適宜寄付金のような形で出すということが望ましいかもしれぬが、
現実にはなかなか行なわれにくいから、五年間なら五年間の時限で、さしあたりやる、そうしてそれは目的税で、ほかのものにはもちろん使わない。
公害の救済のために、排除のために、まあ患者に使う経費に出したり、公園をつくる経費に出したりするというふうなことはどうでしょうか。その辺、あなた御研究なさるということで、それで私もそう思いますけれ
ども、何かひっかかるものがございます。
一つの例を、私もうこれで
質問を大体終わりますから言いますが、去年滋賀県の醒井というところの近所で、石灰石を出しております
工場が非常な
公害であるから、中井代議士一ぺん応援に来てくれといって、滋賀県の現職の代議士から話がありまして、私は行きました。行きましたところが、
公害とは何ぞやといういろいろ
議論の最中の
一つですが、これがもう全くひどいものでありまして、道路から十メートル離れるぐらいのところで山の石をとっております。その向こうが山でありますが、
工場があります。そして猛烈な勢いで取っております。付近へ行きますと、まっ白であります。五十メートルから百メートルにかけてまっ白でありまして、その道路に沿いまして家が十五、六軒ある。その
人たちはすわり込みをしておりました。行って、あなた方はどうですか、どこに住んでおるか、ここに住んでおると言うのです。話をするのに、騒音で聞こえない。私は耳にはさむものを借りまして話をした。そこへ住んでおるということであります。石灰石の
工場です。これは鉱山監督局が監督をするというので、大阪の鉱山監督局に言いまして、すぐにその事業をやめろと言ったが、どうしても憲法問題でどうやこうや、こう言うのであります。そしてその経営している会社の名前を聞きますと、明治鉱業というものですから、明治鉱業なら北九州にあります大きな会社の
工場だと私は思いまして、そんなことをするはずはないといってだんだん聞いてみましたら、同じ名前ですが、違う。初めから、何というか、そういうことでだれもやり手がないのを、おれがやってやる、
公害ぐらい何じゃと、けんか腰でやっておる。非常に明治の初期の経営者意識でやっておる。それで私はびっくりしまして、町の幹部にも会い、善後措置をするように
自民党の皆さんもそれはそうだと言いますし、滋賀県の当時の知事、副知事も、それはそうだと言うので、
議論を進めて帰ってきましたのですが、十日ほど前に、先ほど言いました
戦争か平和かというふうな
議論が出ております会合へ出ましたら、何とまだそのままやっておるそうでございます。こういうことを聞きますと、そういう人が事業者のすべてではもちろんございません。ございませんけれ
ども、そういう人が一人でも二人でもあるということを考えますと、私はやはり
公害税ぐらい何じゃという気が実際いたしました。聞こえないのです。ですから、移転をするためにはおそらく一億か一億五千万円の金が要るでしょう。ですから、その山を引き受け手がない。引き受け手がないのを、おれがやってやる、
公害ぐらい何じゃということになる。われわれが
議論しておりますときに、石を運んでトラックが往復しますから、隣をすぐ地響を立ててやっていく。奥のほうへ行きますと、醒井でありますから、例の養殖場がございまして、非常においしい。外へ出ますると中仙道でございますか、一号線、新幹線が走っておるすぐ三百メートルぐらいのところでそういう惨たんたることでありまして、しかも、それが大阪の鉱山監督
局長に何回言っても問題が片づいておらぬというふうな事態を見ますると、私は冒頭の問題に返りますけれ
ども、
産業の
調和なんて甘いこと言っておってできるかなというふうな感がいたしますので、最後にその点をもう一度言いまして、
公害税なんかも大いに——
坊さんのおっしゃるように私は
公害税必ずしも賛成ではございません。そうではないけれ
ども、当面を何とかするためにはやむを得ない措置も起こってくるのじゃないか。権力でもってやらぬことには金を出さない、こういうグループがまだ残っておるということを最後に申し上げておきたいと思うのであります。したがいまして、
公害税の問題に対する自治省の見解と、それから、
通産大臣が参りませんでしたから、
工業立地適正化法ですか、これはこの国会では出ないように私は聞いておりますが、それに関連をいたしまして、
通産省は一体
公害に対してどういう立場をとっておられるのか。
工業技術院も活発に動いていらっしゃると思いますが、そういうものについての基本問題を
大臣に伺いたいと思いまするので、どうぞ
委員長、この次の私の時間に自法省
関係と通商
産業大臣をぜひお願いをいたしまして、本日の私の
質問はこれで終わります。