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八田委員 政務次官の御答弁をいただきまして非常に安堵するのですが、一般によく役所は、審議会とかあるいは
調査会をつくりまして、その答申をもらって、そして何とか
対策を講じよう、こういうような出方をしておるのです。ところで私は、審議会とか
調査会とかいうものの
委員の人々の構成について非常に体質改善しなければならない、こういうふうに思っておるのです。というのは、ああいう人たちはみな忙しいのです。はっきり言いますと、
調査会とか審議会に入る人は二つも三つも、あるときは十幾つも兼任している人がいるのですよ。わが日本には、そういった審議会
委員とか学識の人々を選び出すインフォメーション・ビューローというものはないのです。役所の人がかってに選んでいる。そして自分の隠れみのになるような自由な人を選んでいるのです。そういうことですから、私は政務次官にお願いしたのです。というのは、あの審議会とか
調査会の
委員なんか見ますと、非常に悪口になりますけれども、火のないところに煙は立たぬということは理解しておりますけれども、ドライアイスは火がなくても煙は立つのです。そういったところに対する理解がない。火があるところには煙が立ちます、そういうような
考え方でずっと通しているのですよ。ところが、ドライアイスは火がなくても煙は立つのです。そういったところに対するところの理解が足りない。
それからもう
一つは、よく新しい酒は新しい皮袋に盛らなければいけませんということを言いますね。そういった気持ちですっといきますよ。しかし、古きたるにもかおり高きブランデーがあるということを忘れているのですね。こういった点、われわれは審議会の体質改善がそういうところにあると思う。ですから、政務次官が横の連絡はとりますというけれども、横の連絡をとる場合に、その土台になるのは全部審議会とか
調査会ですよ。役人が選んだ隠れみの的な人々、そういう人々はいま申し上げましたように、いわゆる火がなくても煙は立つドライアイスがあることを忘れているのですね。こういった点はひとつ政務次官大いにお
考え願いたいと思うのです。この点をまず要求しておきます。これは大臣によく伝えてください。
それからもう
一つは、
板川さんが先ほどおっしゃったように、
被害者の立場からすればほとんど救済処置がないのですよ。一体何のためにじんぜんこういうふうに延ばされておるのか。これは
厚生省並びに役所の態度が非常に自信がないと私は思うのですね。第一いろいろな
昭和電工あたりの反論とか、あるいは
厚生省のおつくりになった
研究班なんかの
報告を見ますと、みんな三班ともばらばらですよ。私は「
新潟県
水銀中毒事件の
原因究明に対する
研究班
報告概要」というのを読みましたけれども、これが全部違うのです、合っていないのです。こんな
報告を私は初めて見ましたね。だれがつくったのですか。臨床、試験、疫学の三班を組織してこういうものをつくったといっていますが、ところがこれが全部違います。この中で一番正しく
報告しているのは臨床と試験だけです。疫学班なんかは、全く
事件記者的な推論だけです。これは繰り返しのきかない実験の場合には、こういった疫学班のような推論は出ないのです、
結論なんか出ないのです。一体
厚生省は、権威のある機関の、こんな三班がみんな分裂症みたいに出した
報告を、そのまままとめて出されて、これをどういうように理解したらいいのです。それを今度
食品衛生調査会に諮問してやるんだというけれども、こんなものを見たってどこでも
結論は出ませんよ。こういうところにほんとうを言うと行政当局の怠慢があるのです。こんな学者の論争だけでは事態は
解決しないのですよ。私は
国会対策で黄変米についても
解決しました。学者の論争だけでは
解決できない。そうしてこれに対して
解決を与えました。森永のドライミルク
事件のときもそうです。あなた方行政当局ははっきりと——学者の論争だけを紹介したってだめたんですよ。こういうばらばらな
報告をまとめて出したって一体だれがこれを判断するか。マスコミがよくその点を伝えていると思うのでありますが、こういった点は、私は行政当局に対して一番お願いしたいのは、政務次官、学者の論争においてはこれはもう
解決しないのです。これは繰り返しのできない実験なんですから、そんなものはいまから
食品衛生調査会にやってみたって
結論が出るはずがないのですよ。政務次官は大局に目をつけてください。ただ学者の
結論を待つなど、それまでわれわれ行政当局の態度は保留しなければならない、学問を尊重するようで実際は尊重していないのですよ。その点をひとつお願いして、いま苦難の道を歩んでおられる遺族、家族、そうして漁業権者に対しまして早く光明を与えるような国としての
措置を早急に立ててください。どうですか、政務次官。