○川合政府
委員 申し上げるまでもなく、問題が非常に大きな問題でございますので、私のほうの所管と申し上げるのもいかがかとも思いますが、私
どものほうに関連がございますので、申し上げたいと存じます。
西宮の場合のようなときに、私
ども消防法の体系の中と
災害対策基本法の中と二つあるのではないかと思います。
先に恐縮でございますが、
災害対策基本法——消防法は私のほうの専管で、これは各省共管の法律でございますけれ
ども、申し上げますと、例の事前
措置という規定が
災害対策基本法にございます。これは
災害がまさにこようといたしますときに、
市町村長の権限として、必要な
措置をとることを指示することができる規定でございますが、所有者とか管理者にそういう必要な
措置をとらせる、もしそういう者がいないとか、言うことを聞かないときには代執行させる、こういう規定でございます。ただ、この規定は、
立法当時から私
どもとっております解釈といたしまして、いわゆる
災害が発生するおそれがあるというのは、予報警報が発せられたそのときであるというふうに解釈をいたしております。ただ、その問題は、先ほど来お話を承っておりますと、その点について、こういうような全くの必要なときについて、さような解釈についてさらに
検討を必要とする。私がこう申し上げるのは少し大胆でございますが、お許しをいただいて率直に言わしていただきます。従来は、かようなときに、予警報が出たときの
一つのしほった限定を——非常に強い権限でございますので、そういう限定をいたしておりました。でございますので、行政
指導として、いざそういうときになって予警報が出たときには、そういう事前
措置の指示をしなければならないから、それで所有者、管理者にもうそのつもりでやってくれという行政
指導をやるのが、私
どもの
立場、考え方でございます。ただ、お話しのように、そういう不在といいますか、所有者、そういう者に対して行政
指導をしようにもしようがないという問題でございますので、代執行ということに
なりますと、いま申しましたような
一つの時間的な、非常にもっと迫ったときにこれが発動できるという
一つの限定がございます。くどく
なりますが、実際はそういう問題が出ておるわけでございますので、この点についての運用についてさらに
検討をさしていただきたいと思います。ただ、やたらにこれをやりましても何ですから、各
関係機関よく相談をいたしまして、
一つの基準と申しますか、そういうものをつくっていかなければならない、かように思います。
問題はもう
一つございまして、災対法でございますと、除去できる相手、
対象が物件ということになっております。したがって、物件でございまして、その他必要な
措置をとることができるという規定になっておりますから、突っかい棒をやるとか防護
措置をやることはできますが、建物そのものを除去するというようなことは、これはこの条文ではできない。この場合、それ以外の
方法で防護
措置をやれるか、必要な
措置をやれるかやれないかということでございます。そういう限定がございます。
次に消防法でございますが、これは御
承知のように破壊消防の規定がございまして、それが暴風、暴雨、山くずれ、
地すべり、がけくずれというようなものに準用される法律の規定になっております。この破壊消防は、三段階というふうに普通言っておりますが、三つの種類がございまして、
一番強い規定でございますと、
建築物の処分もできるわけでございます。その場合はむろん損失補償を伴うというふうに法定されております。でございますので、この規定が御質問のあれの問題になってくるわけでございますが、ただ、お察しのように、破壊消防は、火が出て、その火事のまっただ中ということを想定した規定でございますので、これが風水害——風水害と申しますか、ただいま申しましたような
災害に準用いたします場合においても、要するに、雨が降っておって、もうそういうかまえになったときという切迫した状況のもとでないと、この法を発動するわけにはいかないわけでございます。残された道としましては、この法を運用いたしましていわゆる事前に行政
指導する点でございますが、これも、先ほど申しましたように相手がいないようなことに
なりますと、いかんともいたしがたいということでございます。いまの規定でございますと、
建築物とか、そういうものを大がかりに除却するというよりな処分をいたすとするならば、そういう雨とかその他がきたときでないとできない、こういうふうに思います。
それで、西宮のような場合は、市が
関係向きといろいろ相談しまして、何とか
関係者との間に何らかの
方法で話をつけたいというのでやっておるようでございます。われわれの聞いておりますところでは、まださような
努力中であるというふうに聞いております。