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1967-07-11 第55回国会 衆議院 災害対策特別委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年七月十一日(火曜日)    午後三時十五分開議  出席委員    委員長 田原 春次君    理事 天野 光晴君 理事 池田 清志君    理事 細田 吉藏君 理事 湊  徹郎君    理事 渡辺 栄一君 理事 佐野 憲治君    理事 永井勝次郎君 理事 神田 大作君       内海 英男君    橋口  隆君      三ツ林弥太郎君    水野  清君       武藤 嘉文君    阿部 昭吾君       稻村 隆一君    川村 継義君       神門至馬夫君    佐々栄三郎君       中澤 茂一君    山本弥之助君       渡辺 芳男君    稲富 稜人君       小沢 貞孝君    小川新一郎君       鈴切 康雄君  出席国務大臣         国 務 大 臣 塚原 俊郎君  出席政府委員         気象庁長官   柴田 淑次君         建設省河川局長 古賀雷四郎君  委員外出席者         内閣総理大臣官         房参事官    上田 伯雄君         警察庁警備局警         備課長     三井  脩君         防衛庁防衛局第         一課長     今泉 正隆君         文部省管理局教         育施設部技術参         事官      菅野  誠君         厚生省社会局施         設課長     飯原 久弥君         農林大臣官房参         事官      太田 康二君         中小企業庁計画         部長      本田 早苗君         気象庁予報部長 今里  能君         建設省河川局防         災課長     坂井 秀正君         建設省住宅局住         宅総務課長   角田 正経君         消防庁教養課長 村山 茂直君         日本国有鉄道施         設局長     松本 文彦君     ————————————— 七月十日  委員阿部昭吾君、平等文成君及び沖本泰幸君辞  任につき、その補欠として伊賀定盛君、楢崎弥  之助君及び鈴切康雄君が議長指名委員に選  任された。 同月十一日  委員楢崎弥之助辞任につき、その補欠として  阿部昭吾君が議長指名委員に選任された。 同日  委員阿部昭吾辞任につき、その補欠として楢  崎弥之助君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  委員派遣承認申請に関する件  昭和四十二年七月の集中豪雨による災害対策      ————◇—————
  2. 田原春次

    田原委員長 これより会議を開きます。  災害対策に関する件について調査を進めます。  本日は、昭和四十二年七月の集中豪雨による災害対策につきまして調査を進めてまいりたいと存じますが、まず、政府当局から、各地における被害概要及び応急対策実施状況等につきまして説明を聴取いたします。塚原非常災害対策本部長
  3. 塚原俊郎

    塚原国務大臣 今回の豪雨による被害状況と、それに対する政府対策について、簡単に御説明いたします。  梅雨前線日本南岸沿いに停滞していたところへ、台風七号くずれの熱帯気圧の接近に伴い、湿った気流が侵入し、七月八日早朝から北九州、瀬戸内地方にかけて大雨が降り、この低気圧が東北東に進むにつれて、強い雨域も近畿、中部地方に移動し、西日本各地大雨をもたらしたのであります。  七日九時から九日十五時までの総降雨量は、佐世保市三百五十四ミリ、福江市三百五ミリ、なお、九日には、三時間の間に佐世保市で百五十九ミリ、呉市で百三十三ミリ、神戸市で百四十六ミリという記録的な降雨となり、長崎県、佐賀県、広島県、兵庫県を中心に西日本各地に大きな被害をもたらしたのであります。  今回の災害特色は、記録的な雨量が短時間に降ったこと、また、都市周辺部において特に人的被害が大きかったことであります。  罹災者の方々には衷心より御同情申し上げますが、政府といたしましては、急遽、九日に、災害対策基本法に基づき、私を本部長とする、昭和四十二年七月豪雨非常災害対策本部を設置し、強力なる応急対策を推進していくことになりました。  非常災害対策本部は直ちに本部会議を開き、政府調査団現地に派遣することを決定し、本日早朝、上村副本部長団長とする兵庫班澁谷建設政務次官団長とする広島班久保農林政務次官団長とする長崎佐賀班を派遣し、被害状況調査いたしております。  災害発生に際しては、自衛隊、消防団警察機関等が一体となって警備及び救助活動に従事しておりますほか、罹災者の救援につきましても、食糧飲料水の供給、被服寝具、医薬品の供与等災害救助法に基づく災害救助実施に万全を期しておりますが、災害状況が非常に激しいものでございまして、多数の死者、行くえ不明者——本日現在の警察庁調べによりますると、死者二百八十三名、行くえ不明八十四名、負傷者四百六十二名を出しましたことは、政府といたしましてもまことに遺憾に思っております。  現在はいまだ災害の全貌が判明しておりませんので、政府調査団が各災害地調査の上今夜帰京いたしますので、その報告を待ち、今回の災害特色を教訓として、原因等を十分調査した上、将来の対策を講じてまいりたいと考えております。
  4. 田原春次

  5. 三井脩

    三井説明員 災害被害状況につきましては資料をもってお手元に差し上げておると思いますが、その概要を申し述べますと、本日正午現在で調査いたしましたところ、死者が二百八十八名、行くえ不明七十七名、負傷者四百六十二名となっております。物件の損壊といたしましては、建物の全壊半壊流失、これが合計で千八百四十四棟でございます。各県別の詳細な状況は、表としてお配りしておるところでございます。  今次被害発生につきましては、全国二十四府県にわたっております。このうち特に被害の大きかったのは、広島長崎佐賀兵庫の各県でありまして、大阪府も死者はかなりの数にのぼっておる次第であります。  これにつきまして警察措置状況をつけ加えますと、関係県警察本部並びに管区警察局におきまして災害警備本部を設けまして、それぞれ警戒警備救助活動に当たっておるところでございます。この間に出動いたしました警察官は、延べ一万八千八百四十八名となっておる次第でございます。
  6. 田原春次

  7. 今泉正隆

    今泉説明員 今回の災害におきまして、知事要請に基づき出動いたしました自衛官の数は延べ九千三百八十名でありまして、そのうち二千六百十名の自衛官が、今日正午なお災害派遣任務に当たっております。  出動いたしました地域は十一地域でありまして、長崎県の福江地域、同じく佐世保地域佐賀県の伊万里市、有田地域佐賀県の相知町、厳木町地域広島県の呉市地域広島県の竹原地域兵庫県の川西市地域伊丹地域神戸地域大阪府の茨木市地域、滋賀県の大津市地域、以上十一地域でございます。  主として当たりました任務は、くずれました道路の切り開き、堤防の補強、給水、生き埋めとなった方の救出及び通信支援——一部地域、これは佐賀県の伊万里市、有田町でございますが、通信途絶に対する支援業務でございます。  以上、簡単でございますが、御報告申し上げます。
  8. 田原春次

  9. 飯原久弥

    飯原説明員 御説明申し上げます。  災害救助法適用いたしました市町村は、長崎県におきましては、福江市、佐世保市を初めといたしまして十二市十町でございます。それから佐賀県におきましては、伊万里市を初めといたしまして三市六町、広島県におきましては、竹原市、呉市等十三市十一町一村、兵庫県におきましては、伊丹市、尼崎市、神戸市等六市、大阪府におきましては、高槻市等七市一町、和歌山県におきましては、上富田町、白浜町二町、長野県におきましては、諏訪市一市、以上、一府六県、四十二市三十町一村に災害救助法適用になったわけでございます。  さっそくの応急救助でございますので、避難所をそれぞれ設置いたしますとともに、必要なたき出し、あるいは日用品等の給付、そういったものを実施いたしておるわけでございます。  なお、防疫関係でございますが、ただいまのところ、直接災害による伝染病発生はいたしておりませんが、避難所におきますところの防疫活動、あるいは給水車配車等によりまして、防疫に万全を期しておる状況でございます。  それから、保育所等社会福祉施設につきましては、現在のところデータはまだ報告が参っておりませんが、いまのところ十四カ所でございます。幸いにして人命に支障はございませんが、これが復旧につきましては将来努力をしてまいる、こういう考えでおるわけでございます。  以上、厚生省関係応急対策について御説明申し上げたわけであります。
  10. 田原春次

  11. 太田康二

    太田説明員 お手元に四十二年七月十一日付の農林省災害対策本部資料がお配りしてあると思いますので、これに基づきまして御説明を申し上げたいと思います。  まず第一が、農林水産業施設等被害についてでありますが、その第一が田畑の冠水面積でございます。これは一応警察庁調べの数字をとっておりますが、七月十一日七時現在で、関係が大体二十四県、田が二万九千七百七十九ヘクタール、畑が千八百六ヘクタール、合わせて三万一千五百八十五ヘクタールが冠水をいたしておるということでございます。  次に、農地関係被害でございますが、注にも書いてございますように、一応、県報告につきましては、応急報告でございますので、計数につきましては当然今後異動することがあると思いますので、それを御了承いただきたいと思います。  そこで、まず農地流失、埋没でございますが、一応金額にいたしまして二十二億三千九百万、それから農業用施設被害が四十二億七千二百万、両方合わせまして六十五億一千百万ということに相なっております。  それから次が林野関係被害でございますが、林道が、三百五十八カ所で、金額が三億五千百万、それから治山荒廃地、これが二千百九十九カ所で、五十五億一千四百六十万、治山施設関係でございますが、十六カ所で、四千九百七十万ということに相なっております。なお、国有林関係でございますが、この被害として、名古屋、大阪熊本の各営林局管内で、一億五千六百万の被害が出ております。  それから水産関係被害でございますが、この資料をつくるときには十分掌握いたしておらなかったわけでございますが、ただいま入手した資料によりますと、大阪和歌山で漁船、漁具あるいは養殖施設漁港等に一部被害があったようでございます。なお、長崎でも護岸の決壊が一部あったようでございまして、被害金額としては、一応千六百六十六万という金額報告されております。今回の被害集中豪雨でございますので、水産関係——もちろん、この計数等異動があるかと思いますが、被害は、他の農地あるいは林野等に比べますと比較的少ないようでございます。  第二に、応急手当て関係でございますが、まず食糧応急手当てでございます。災害救助の発動されました大阪兵庫広島佐賀長崎それぞれにつきまして、応急たき出し用精米あるいは乾パン等——乾パンにつきましては知事に売却する、それから精米につきましては、卸、小売り等が割り当てを受けて保管いたしておりますものを、原則として、災害救助法適用を受けておる市町村長に売却するということをいたしておりまして、その数量が、資料に載っておりますように、大阪で申し上げますと、乾パンが五百十二コリ、六万六千食分、以下、そこに書いてございますような売却をいたしたということでございます。  それから第三に、応急対策用備蓄材の問題でございますが、大阪営林局高知営林局熊本営林局でそれぞれ七千、七千、八千立方メートルの災害応急対策用備蓄をいたしておりまして、災害救助法の発動のございましたような地方公共団体が行なう住宅建設等公共的なものに対しましては、時価の半額程度でこれの払い下げを行なうということによりまして、住宅復旧等の万全を期しておるということでございます。  大体農林省関係の今回の災害に伴う被害状況並びに応急手当て等について、以上のとおり御報告を申し上げます。
  12. 田原春次

  13. 本田早苗

    本田説明員 御説明申し上げます。  中小企業関係被害状況につきましては、現在職員を派遣いたしまして調査中で、完了を急いでおりますが、十一日午後一時現在の被害状況報告によりますと、被害件数は一万五千件強でございまして、被害額は八十二億六千万円ということでございます。  これに対する資金手当て対策といたしまして、現在政府系中小企業金融機関に対しまして、次のような指示をいたしております。  被災中小企業者必要資金確保について十分配慮するようにという指示をいたしておりますが、これに応じまして、三機関では、支店別ワクの追加を行なう措置を講ずることにいたしております。  それから、既往貸し付け金につきまして、実情に応じて、元利の支払い猶余、貸し付け期間延長等措置を講じますと同時に、新規の貸し付けにつきましても、据え置き期間の設置あるいは担保条件緩和等、適切な措置を講ずるよう指示いたしております。  それから、復旧資金確保のために災害保証実施することを指示しておりまして、災害保証によりまして、それぞれの保証ワク同額別ワク保証できることに相なります。  別に、府県要請によりまして、信用保証協会に対して中小企業信用保険公庫から融資を行なうことといたしております。  さらに、被害中小企業者金融相談に応ずるために、府県政府系中小企業金融機関信用保証協会等臨時金融相談所主要被災地域に設置する準備をいたしております。  政府系の三機関では、被害地方において災害復旧貸し付けを現在準備中でございます。  以上のとおりでございます。
  14. 田原春次

  15. 松本文彦

    松本説明員 国鉄でございます。  ただいま資料をお配りいたしますので、ごらん願えれば大体おわかり願えるかと思うのでございますが、かいつまんで御説明いたしますと、今回の豪雨によりまして、大体百六十七の区間不通になっております。今十一日の十二時現在の不通区間が大体五十区間でございます。  資料の第一ページに、不通区間復旧見込みというのがあげてございます。今明日中には大半片づくつもりでございますが、なお二週間近くかかるものといたしまして、筑肥線、松浦線、世知原線、臼ノ浦線という、おもに九州の西北の部分の各線、並びに、土讃線の一部に、一週間ほどかかる相当大きな、吉野川に洗われました区間がございます。  おもな不通区間は以上のようなものでございますが、なお参考までに二ページに、ただいままでに開通いたしましたおもな区間をあげてございます。  なお、列車運転の概況といたしましては、山陽線は昨日十七時に全線開通いたしましたので、それに伴う列車の手配はすべて完了いたしております。呉線につきましては、一部ローカル運転を行なっておりますし、佐世保線については、現在不通で、迂回輸送を行なっております。なお、土讃線につきましては、国道の開通を待ちましてバスの運行を考えておりますし、紀勢線につきましては、明日早々に開通する予定でございますが、一部バスを使用しております。  大体以上のようなものが、今回の水害のただいままでに判明いたしております被害状況でございます。(「損害額はまだわからぬか」と呼ぶ者あり)目下調査中で、まだわかりません。もう二、三日かかると思います。
  16. 田原春次

  17. 古賀雷四郎

    古賀政府委員 建設省関係被害状況を御報告きしていただきます。  お手元に縦長の刷りものがございます。第一ページには気象概要がございますが、これは省略さしていただきます。雨量点等につきまして、時間の関係で若干ほかの資料と食い違った点がございますが、さようなことを御了承願いたいと思います。連続雨量と最大時間雨量が書いてございます。  それから、三ページ被害状況が書いてございます。  建設省所管にかかる公共土木施設等被害は、現在までに長崎県ほか二府二十一県に発生しており、被害額は百三億四千九百万円となっております。その被害報告額の中に、公共土木施設といたしまして、直轄災害河川百七カ所、十一億四千五百九十万円、砂防四カ所、一億一千四百三十万円、道路四十五カ所、一億四千五百八十万円、合計百五十六カ所、十四億六百万円でございます。補助災害は六千二百七十カ所でございまして、八十八億二千五百四十五万三千円、合計六千四百二十六カ所、百二億三千百四十五万三千円となっております。なお、都市施設は、十八カ所、一億一千七百八十四万円で、合計しまして、六千四百四十四カ所、百三億四千九百二十九万三千円となっております。  これらの被害額につきましては、それぞれ今後ともふえる見込みでございまして、ただいまさらに各府県から報告が引き続いてあっております。  なお、四十二年の累計の災害では、お手元資料に、ことしの正月から七月十一日現在までの被害額を書いてございますが、一万四千百八十三カ所で、二百五十九億一千七百万円ばかりとなっております。  その次に、直轄公共土木被害状況内訳でございますが、直轄河川被害状況につきましては、河川数二十四河川警戒水位をこしておりまして、被害を受けております。特に、初めの二つの河川、六角川、松浦川につきましては、計画高水位をいずれも上回っておりまして、相当な浸水害等が生じておりまして、堤防の破堤等も見られるわけでございます。その他の河川につきましては、河岸の決壊あるいはのりくずれ等を生じておりまして、破堤等はございません。総額で、二十四河川で十一億四千五百九十万円となっております。  その次の六ページ直轄砂防被害状況は、木曾川左支の中津川におきまして被害が起きておりまして、一億一千四百三十万円となっております。  それから直轄道路被害状況でございますが、これは主として直轄管理区間道路について被害状況をまとめてあります。各県にわたりまして被害が起きておりますが、十九路線、四十五カ所、一億四千五百八十万円になっております。  その次は、補助災害内訳をそれぞれ書いてございます。特に長崎佐賀広島兵庫等におきまして被害がひどうございまして、合計で、先ほど申し上げましたように八十八億二千五百四十五万三千円となっております。  その次は、都市施設被害状況でございますが、六県にわたっておりまして、一億一千七百八十四万円となっております。  その次に、十五ページ住宅被害状況が書いてございますが、二十二県にわたりまして、全壊五百七十一カ所、半壊七百三十九カ所、流失百五十一カ所、床上浸水五万二百十七戸、床下浸水二十万四千七百二十八戸、一部破損四百十戸となっております。時点が違う点で若干警察庁報告と違うかもしれませんが、このようになっております。  対策及び措置でございますが、建設省としましては、七月豪雨建設省非常災害対策本部を昨日設置いたしました。  それから、被害状況調査並びに応急復旧工法指導に当たらせるため、長崎佐賀広島兵庫の各県に災害査定官を昨日の昼までに現地に到着するように派遣いたしました。  それから、特に今回の災害実情にかんがみまして、がけくずれ等による土砂害及び宅地の被害状況調査のため、長崎佐賀広島兵庫の各県に係官を派遣いたしております。  直轄災害対策でございますが、河川につきましては、既定経費を立てかえて復旧工事実施する予定にいたしております。早急に現地調査を行ないまして予備費を要求いたしたいと考えております。  砂防につきましても、早急に調査を行ないまして予備費を要求したい。  道路につきましては、本日中に不通個所がほとんどなくなり、一車線以上を確保できるわけでございますが、必要な現地調査を行ないまして予備費を要求する予定にいたしております。  補助災害につきましては、緊急復旧を要する個所については、現地査定官が行きましたので、工法協議を行ないまして応急工事を施行する予定でございます。なお、現地準備完了をまって、早急に査定実施する予定にいたしております。また、各府県によりまして災害の度合いが違いますので、それぞれ応援等につきましても必要があれば連絡するようにいたしております。  都市施設災害につきましては、緊急に復旧を要する個所については応急工事を施行するよう指示いたしております。  それから住宅施設等災害につきましては、特に今回の災害ががけくずれなどによる住宅被害が多いことにかんがみまして、長崎及び佐賀県に対しましては、現地指導のため係官を派遣することといたしました。  それから公庫住宅につきまして、災害復旧のための住宅資金貸し付けの道を開き、担当の理事等被災地に派遣し、認定業務の開始、現地相談所開設等について指示いたしております。  公営住宅につきましては、災害公営住宅建設及び既設公営住宅復旧について、地方公共団体協議の上、所要措置を講ずることといたしております。  災害予防措置といたしまして、急傾斜地崩壊対策事業実施と相まって、地方実情に即し、建築基準法に基づく災害危険区域指定等所要建築規制を行ない、さらに、特に既存住宅できわめて危険なものについては、保安上必要な措置を緊急に講ずる等の方向で地方公共団体指導いたしております。  以上、簡単でございますが、建設省関係被害を御報告いたしました。
  18. 田原春次

  19. 柴田淑次

    柴田政府委員 気象庁から、気象状況について、先ほどの塚原長官のお話をちょっと補足する意味においてお話し申し上げたいと思います。お手元資料をお配りしてございますので、その資料につきまして御説明申し上げます。  一口に申しまして、今回の集中豪雨というのは、先ほども塚原長官のお話しのように、梅雨前線台風くずれの熱帯気圧に刺激されまして起こりました集中豪雨でございます。今回のこの集中豪雨の特徴と申しますものは、短時間に大雨が降って、二、三時間に百ミリ以上の雨が降ったということでございます。  お手元資料の三ページをごらんくださいますと、三ページには台風の進路が書いてございます。四ページには、特にその例といたしまして、七月九日の十二時と七月十日の三時の梅雨前線の位置が書いてございます。その次の五ページには、七月九日の九時の天気図が書いてございます。その次には、七月十日零時の天気図が書いてございます。その次のページの図は、七月七日の朝九時から十日の九時までに降った雨の量の等雨量線でございます。最後のページは、特に被害の大きかったと思われます数県について、その県の所在地気象官署が出しました注意報警報の出した時間及び解除した時間を表にしてございます。  この際特に申し上げたいのでございますけれども、そのうちの一つは、集中豪雨予報ということでございます。すなわち、いつ、どこに、どの程度集中豪雨が降るかというような予報は、現在の技術水準及び施設から見まして、残念ながら、とうてい不可能でございます。それからまた、将来におきましても、一〇〇%完ぺきにこの集中豪雨予報をするということもたぶん不可能であろうと私たちは考えております。まことに残念なことでございますが、集中豪雨というものはそういうようなものであります。  次に、集中豪雨の際の注意報警報の発令について一言申し上げたいと思います。  注意報警報というのは、御承知のように、一般には、府県庁所在地にございます気象官署がこれを発令するようになっております。ただし、一部例外はございます。そこで、この集中豪雨予報ができない現在におきましては、その府県の中のどこかで大雨が降りそうな状態が予測されたときに、まず大雨注意報というものを出して、警戒を促すわけでございます。次いで、どこかで雨が激しく降り出しまして、その量が大きな災害を起こしそうな基準を越えるであろうと予測されるようなときには、その注意報大雨警報に切りかえるというような手続でやっておるのでございます。ただいま申しましたこの大きな災害を起こしそうな基準というのは、これは過去の経験をもとにいたしまして各府県ごとにきめられておるものでございまして、たとえば、兵庫県では、総雨量が平地で百五十ミリ、山岳部で三百ミリ以上の雨が降るというような場合には警報を出すことになっております。なお、この注意報警報に関しましては、後ほどもしも先生方の御質問がございましたら、そのときにさらに詳しく説明申し上げたいと思っております。  要するに、今回の各気象台のとった注意報警報の発令でございますが、これはすべてさっき申しました手続によって行なわれたものでございまして、各気象台は最善の努力をもってこの集中豪雨に対処したのでございまして、集中豪雨予報ができないという現状におきましては、警報の発令は、現在のこの技術の限界から見まして、これ以上たとえば早く警報を発令するということは、現在とうていできないことだとわれわれは考えております。  なお、新聞にも載っておりましたように、紀州の白浜の集中豪雨に対しまして、和歌山の気象台の大雨警報がだいぶおくれたということでございますが、これはちょうど白浜に豪雨が降る前に和歌山の気象台に落雷が二回ございまして、和歌山の気象台の通信網が全部全滅してしまっておったのでございます。したがって、和歌山としては、通信関係としてはもう孤立した、アイソレートされたような状態になっておったので、白浜に豪雨が降ったということをすぐには知ることができなかったということなのでございます。  なお最後に、今後の集中豪雨対策についてでございますけれども、これは先ほど申しましたように、集中豪雨というものに対する研究をもっとやらなければならないということが一つ、それから観測網の整備をやらなければならないということが一つ、それからなお、レーダー網をもっと整備しなければならないということもございます。そういうようなことなどを考えておりますが、今後の対策につきましては、また後ほど機会を得まして申し上げたいと思っておる次第でございます。  以上でございます。
  20. 田原春次

    田原委員長 これにて被害状況説明聴取は終わりました。  本問題に関する質疑は後日に譲ることといたします。
  21. 田原春次

    田原委員長 この際、おはかりいたします。  昨日の理事会で協議いたしました結果、昭和四十二年七月の集中豪雨による被害状況調査のため、現地委員を派遣し、実情調査することに決定したのでありますが、理事会の決定のとおり委員派遣承認の申請を行なうことに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  22. 田原春次

    田原委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  つきましては、派遣地、派遣期間、期日、派遣委員の員数及び人選、並びに議長に対する承認申請の手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  23. 田原春次

    田原委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  なお、航空機利用の必要があります場合にも、委員長においてしかるべく取り計らいたいと思いますので、御了承願います。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十四分散会