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1967-06-30 第55回国会 衆議院 災害対策特別委員会 第6号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
四十二年六月三十日(金曜日) 午後三時十三分
開議
出席委員
委員長
田原
春次君
理事
天野 光清君
理事
池田 清志君
理事
湊
徹郎
君
理事
神田 大作君
井出一太郎
君 内海 英男君 熊谷 義雄君 塩谷 一夫君
世耕
政隆君
三ツ林弥太郎
君
山口
敏夫
君
川村
継義
君
神門至馬夫君
中澤 茂一君 平等
文成
君
山本弥之助
君 渡辺 芳男君 稲富
稜人君
小沢
貞孝
君
小川新一郎
君
出席政府委員
農林省園芸局長
八塚 陽介君
委員外
の
出席者
大蔵省主計局主
計官
嶋崎
均君
農林大臣官房参
事官
太田
康二君
農林省農林経済
局金融課長
今村 宣夫君
農林省農政局農
産課長
遠藤 寛二君
農林省農地局建
設部災害復旧課
長
松井
芳明君
農林省園芸局園
芸課長
千野
知長
君
建設省河川局防
災課長
坂井 秀正君
自治省財政局地
方債課長
山本
成美君
—————————————
六月二十一日
委員佐藤孝行
君、
山口敏夫
君及び
伊賀定盛
君辞 任につき、その
補欠
として
羽田武嗣郎
君、
井出
一太郎
君及び
平等文成
君が
議長
の
指名
で
委員
に 選任された。 同月三十日
委員羽田武嗣郎
君辞任につき、その
補欠
として
山口敏夫
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。
—————————————
本日の
会議
に付した案件
昭和
四十二年五月以降の
干ばつ
及び
降ひょう
に よる
災害対策
長野
県
小諸
市
周辺
の
集中豪雨等
による
災害対策
昭和
四十二年一月から二月までの
降雪等
による
災害対策
派遣委員
からの
報告聴取
——
——
◇—
——
——
田原春次
1
○
田原委員長
これより
会議
を開きます。
災害対策
に関する件について
調査
を進めます。 本日は、
昭和
四十二年五月以降の
干ばつ
及び
降ひょう
による
災害対策
、並びに
長野
県
小諸
市
周辺
の
集中豪雨等
による
災害対策
につきまして
調査
を進めてまいりたいと存じますが、まず、先般
長野
県の
被害状況調査
のため
現地
に派遣されました
委員
から
報告
を聴取することといたします。
湊徹郎
君。
湊徹郎
2
○
湊委員
長野
県
小諸
市
周辺
の
集中豪雨
及び
降ひょう
による
被害状況調査
のため、
議長
の承認を得て、去る六月二十四日
長野
県に派遣されました
派遣委員
を代表いたしまして、
調査
の
概要
を御
報告
申し上げます。
派遣委員
は、自由民主党の私、
日本社会党
の
川村継義
君及び公明党の
小川新一郎
君の三名で、ほかに
地元選出
の
委員
多数の御参加を得て、
被害
の
実情
をつぶさに
調査
いたしてまいったのであります。 まず、
被害
の
概要
を簡単に申し上げます。 六月十六日午後六時四十分ごろ、
小諸
市及び
御代田
町
地方
に、突如雷を伴った
降ひょう
があり、これが
集中豪雨
となって、時間雨量にして八十二ミリ、三時間で百十ミリの
降雨量
であったため、俗にいう
鉄砲水
となって、一瞬のうちにとうとい
人命
を奪い、各
河川
をはじめ
家屋
、
農地
、
道路等
に激甚なる
被害
をもたらしたのであります。 しかも、
地元住民
の
方々
がこの激甚なる
災害
になすところを知らずぼう然としているところに、一日おいた十八日午後七時過ぎ、約二十一分間にわたって、同
地方
をはじめ
上小
、
北佐久一帯
に
ピンポン玉大
の激しい
降ひょう
があり、このため、
レタス
、
キャベツ
、
白菜等
の
高原野菜
を
中心
に
農作物
が壊滅的な
被害
をこうむったのであります。
両日
の
被害
は、県の
報告
によりますと、十六日の
集中豪雨
によるものは、死者二名、
住家全壊流失
五棟、半壊三棟、
床上浸水
五十一棟、
床下浸水
六百八十一棟、
農林関係被害額
十億円、
公共土木施設被害額
五億四千万円、その他を合わせて十六億八百万円にのぼっております。 十八日の
降ひょう
による
被害
は、
レタス
、
キャベツ等高原野菜
だけで十億円、
リンゴ等
の
果樹
四億五千万円、桑一億七千万円など、
農作物
の
被害額
十八億八千五百万円に達し、
両日
を合わせた
被害総額
は約三十五億円にのぼっているのであります。 われわれ
調査団
は、
軽井沢
町、
御代田
町の
降ひょう
による
被災現地
を
視察
し、
御代田
町役場におきまして、
長野県知事
、県議会副
議長
、
小諸市長
、
軽井沢町長
、
御代田町長
及び
農業団体
の
方々
から
説明
を聴取した後、
小諸
市の
集中豪雨
及び
東部
町の
降ひょう
による
被災地
を
視察
いたしますとともに、横堰の
被災現地
におきまして、
上小地方事務所長
、
上田市長
、
東部町長
、
塩田町長
、
眞田町長
及び
川西村長
から
説明
を聴取してまいったのであります。 まず、十六日の
小諸
市及び
御代田
町の
集中豪雨
について申し上げますと、同
地方
は、年間の
平均降雨量
が九百八十ミリという、きわめて少ないところでありますが、同日はわずか一、二時間の間に百ミリをこえる
降雨量
であったため、繰
矢川
、
乙女
川、
北川
、
吉田川等
のほか各用
水路
が一度にどっと溢水はんらんし、
浅間山ろく
の
火山灰土
の脆弱な土質の上に、傾斜地であるため、瞬間的にいわゆる
鉄砲水
となって
流れ下り
、同
地方
としてはいまだかつてない激甚な
被害
をこうむったのであります。 しかも、夜間にこの未曽有の
災害
に見舞われた住民は、一時はぼう然自失し、なすところを知らない状態にあったのでありますが、
小諸
市の計画した
復旧
のための
動員計画
に協力し、自衛隊松本駐とん部隊六百人の応援を得て、決壊した道路、
水路
の
応急工事
に、
家屋
、
耕地
に堆積した
土砂
の排除に、また、
土砂
を排除した田の植えかえ及びおくれていた田植えの促進にと邁進し、その
動員数
は延べ一万六千人に及んだということであります。 これが
復旧
にあたっては、
知事
から、特に緊急を要するので二カ年内に
復旧
するよう
要望
がなされましたが、
市長
からも、市として
応急対策
のためすでに多額の
支出
をしており、今後の
復旧
のことを
考え
ると、
年間予算額
でありますが、
市財政
七億円の二倍に及ぶ
被害
をこうむっている現実からして、国の強力な
援助
が望まれたわけであります。特に、
浅間山ろく
の開発が進むにつれ
海拔八百メートル
近くまで開墾されておりますので、今回のような
降雨
がありますれば再び同様の
被害
が発生することが明らかなことから、今次の
災害
の
復旧
にあたっては、長期的な
防災計画
のもとに、再び
災害
の起こらない総合的な
対策
を強く
要望
しておったわけであります。 次に、
降ひょう
による
被害状況
について申し上げます。
上小
、
北佐久地方
は、五月三十一日、六月一日、十六日、十八日及び十九日と
降ひょう
に見舞われているのでありますが、特に十八日は、午後七時十分ごろに始まり、川西村、上田市、真田町、
東部
町、
小諸
市、
御代田
町、
軽井沢
町の各
市町村
に、西から東に向かって帯状に、地鳴りに似たごう音とともに二十分間にわたって
降ひょう
があり、その大きさは先ほど申し上げましたように
ピンポン玉大
で、スレートの屋根を突き抜け、百数十戸の
窓ガラス
が割れるほどの強いものであったわけであります。このため、同
地方
の
主要農作物
である
レタス
、
キャベツ
、
白菜等
の
高原野菜
をはじめ各
農作物
に甚大な
被害
が発生したのであります。六月から十月にかけて同
地方
を
中心
に
長野
県から出荷される
キャベツ
、
白菜
は、
高原野菜
として
市場
の人気が高く、
関西市場
ではほぼ一〇〇%、
関東市場
でも九〇%と、
市場占有率
が非常に高いわけでありまして、その
生産
を唯一の
農業経営
の基幹にしている同
地方
の
農家
は、
出荷期
を迎えていた時期だけに、
物心両面
に受けた打撃は言語に絶するものがあり、まことにお気の毒にたえない次第であります。
果樹
につきましても、
リンゴ
は
穴だらけ
となり、落果し、残ったものでも、傷がひどくて、生育しても商品とはなり得ず、加えて、葉も落とされたり樹体の損傷がひどいため、来年以降の結実にも影響し、その
被害
ははかり知れないものがあります。 桑は、蚕が
あと
一日か二日で上蔟しようという大切な時期でありましたために、群馬県から緊急に輸送して急場をしのいだのでありますが、
夏秋蚕
の掃き立ての
見込み
が立たないという
実情
であります。 その他、
刈り取り寸前
の麦は、穂が全部落とされ、植え
つけ
を終わった稲は、腰を折られて横倒しになり、トウモロコシは茎を裂かれるなど、全
農作物
が
ひょう
の爪によってかきむしられ、その
被害額
は実に二十二億五千万円という巨額に達しているのであります。 同
地方
の
野菜づくり
の
農家
にとりましては、
春野菜
による収入によって
秋野菜
の
生産
を行なっているのが
実情
でありますために、当面の
生活費
はもちろんのこと、
営農資金
の調達が緊急の課題となっております。
軽井沢
町の場合、
緊急対策費
としてすでに六百万円を
支出
し、
秋野菜
の
生産
に取り組んだという話も聞きましたが、
ひょう害
のような特殊な
災害
については、
種苗
、
肥料
、
農薬等
の
購入費
について何らかの
助成措置
を
考え
る必要があり、
長野
県では、その
対策
として
総合助成方式
で
助成
を行なっているということであります。 また、同
地方
は
開拓農家
が多く、
農業基盤
が弱いところに
災害
が起こっておりまして、
転落農家
が出ることが予想されるなど、きわめて深刻な問題のあるところもあったのであります。 この際、県及び
地元市町村
からの
要望事項
を取りまとめて申し上げます。 一、
激甚災害法
及び
天災融資法
の
適用措置
を講じられるとともに、
制度金融借り入れ農家
に対し
償還猶予等条件緩和
の
措置
を講ぜられたいこと。 二、
農地農業用施設
の
災害復旧事業
が早期に完結できるよう配慮されたいこと。 三、
農作物等
の
応急技術対策
並びに再
生産
に必要な
種苗
、
肥料
、桑葉、
農薬等
の
購入確保費
に対し
助成
の
措置
を講ぜられたいこと。 四、
農業災害補償法
に基づく
共済金
の
早期支払い
の
措置
を講ぜられたいこと。 五、
公共土木施設
の
被害状況
は非常に激甚であり、
復旧
は緊急を要するので、二カ年をもって
復旧
されたいこと。 六、
被害
激甚な繰
矢川
、
乙女
川、
北川
、
吉田川等
については、再度
災害防止
のために
改良復旧
をはかられたいこと。 七、
災害応急対策
の実施にあたっては、県及び
市町村
は相当多額な
一般財源
の
支出
を必要とするので、これらの特別な需要に対し
特別交付税
を増額されたいこと。 以上であります。 なお、同県の
干ばつ
につきましても県及び町村から
実情報告
がありましたが、六月二十四日現在で、県の
報告
によりますと、
農作物
植え
つけ
遅延二千四百五十二ヘクタール、植え
つけ
不能見込み
一千四百十八ヘクタール、生育不良四万六千二百十八ヘクタール、計五万ヘクタールで、総
作付面積
の三〇・九%、
林業関係
で五万一千ヘクタール、
応急対策費
として、さく井、
水路等
一億一千五百万円、
揚水機
、
原動機等
の購入一億二千九百万円、同
借り入れ
二百万円、
合計
二億四千七百万円となっております。これら
応急対策事業費
の
高率補助
についての
要望
がありましたので、あわせて御
報告
を申し上げます。 最後に、今回の
調査
を通じて痛感いたしました若干の点について
所見
を申し述べさせていただきたいと存じます。 連年の
各種災害
を通じて
災害
に対する
各種立法
及び諸
制度
は逐次整備され、また、その
運用
も弾力的に、かつ迅速になってまいりましたことは、御同慶の至りであります。
先輩各位
及び
政府
の御努力に深甚な敬意を表します。しかしながら、今回の
長野災害
の教訓にかんがみ、今日まで積み重ねられた実績の上に立って、
災害制度
全体をさらに一段と前進させる時期にきたという感を深くするものであります。 その第一は、今回の
災害
は、局地的な
集中豪雨
、それによるいわゆる
鉄砲水
といい、同じく局地的な
ひょう害
といい、特殊異常な、それだけに限定された
被害者
にとっては、深刻きわまる
特異現象
であります。いま
災害対策特別委員会
を
中心
に
特殊災害
と小
災害
の問題が取り上げられ、
政府
もまたこれに対応して、従来の
一般
の
適用基準
を変える、あるいはそれを緩和する
措置等
を検討中のようでありますが、すみやかに結論を得られるようこの機会に
要望
いたします。 第二は、
現地被災者
に対して何より大事なことは、立ち上がる意欲の喚起であり、
鼓舞激励
であります。抜く手も見せぬていの迅速果断な
措置
をとることが必要であります。そのためには、第一次的には
市町村長
、第二次的には
都道府県知事
の
臨機果断
の
措置
に期待するところがきわめて大きいわけであります。従来からルールが積み重ねられて、
知事
や
市町村長
が国やそれに伴う
地方
自治体の
制度
や
財政措置
について予知しているようなケースの場合はまだいいわけでありますが、今回のような連発した
特殊災害
の場合、ある程度
知事
や
市町村長
に
対策
や
措置
を包括的に委任して、迅速な
措置
をとり得るよう、
運用
について改善する必要があるのではないかと思われます。 第三は、今回のごとく、
干ばつ
、
水害
、
ひょう
で害と、二重三重に
被害
を受けた場合、
現地
の数
市町村
の
責任者
の話を聞きましても、隣接した地域ありながら、
市町村ごと
に、さらには
地区
によって、
被災
の
種類
や態様、あるいは
対象
になる
施設
や
作物等
にニュアンスの差があり、それに対応してとった、あるいはとろうとする
対策
、
措置
にもかなりの差が見られます。先刻申し上げました
長野
県の
総合助成方式
は、
臨機果断
の
措置
を期待する上からも、また、
現地
の
実態
に応じた弾力的な
運用
をはかる上からも、真剣に検討するに値する対案であると
考え
られます。
現地
の
要望
の強い
肥料
、
農薬
、
種苗等
に対する
個別補助
にかえて、たとえば
メニュー方式
によって
対策
の
種類
を選択させるとか、あるいは
被害額
の
一定割合——
これは過去の経験から、
各種災害
の際、県や
市町村
が実際にとった
対策
や
措置
に要した
財政負担額
は当然明らかなはずでありますから、その
一定割合
のうち、これもたとえて申せば、
被害額
の百分の一であるとか、あるいは
対策
に要した額の五分の一であるというふうな形で国が
県等
に総合的に
援助
する、そういう方法はできまいものかというふうなことを特に感じてまいった次第であります。 以上、
委員会
及び
政府
において今回の
災害
に対する
応急
の
措置
を急がれるとともに、
所見
としてただいま申し上げました諸点も十分検討されますことを
要望
して、御
報告
といたします。(拍手)
田原春次
3
○
田原委員長
これにて
派遣委員
からの
報告聴取
は終わりました。
派遣委員各位
にはまことに御苦労さまでございました。
——
——
◇—
——
——
田原春次
4
○
田原委員長
質疑の申し出がありますので、これを許します。
小川新一郎
君。
小川新一郎
5
○
小川
(新)
委員
ただいま
団長
からつぶさに
視察
の
報告
がございましたので、ダブっているところは省きまして、簡単に要点をまとめて
質問
さしていただきます。 第一は、
耕地
並びに
家屋
の
損害復旧
は
全額国庫負担
でということを、陳情を受けたところでどこも言っております。もちろん、これはすぐそういうことになるわけにはまいりませんが、こういうことにつきまして、
被災農民
は、今度の
災害
はトリプル・パンチだ、ダブルではなくて、干害、
水害
、
ひょう害
という三つの
災害
の中から
耕地
並びに
家屋
、そしてまた
人命
まで失っておる。こういうのが今回の
小諸地方
の
災害
でありますので、これについてのお
考え
をまずお聞きしまして、第一の
質問
とさしていただきます。
太田康二
6
○
太田説明員
先般も申し上げたわけでございますが、確かに今回の
長野
の
災害
につきましては、
被害
を受けられた方はたいへんお気の毒だと思っているものでございます。 御
承知
のとおり、現在の私のほうの
関係
で申し上げますと、
農地
と
農業用施設
の
災害復旧
に対する
国庫補助
の
暫定法
があるわけでございますが、これによりますれば、それぞれ
基準
がきまっておりまして、これによって
補助
をいたしてまいるということになるわけでございまして、ただいま
小川先生
からの御
質問
のように、
現行制度下
において、いま直ちに
全額国庫
というわけにはまいらないというふうに思っておるのでございます。
小川新一郎
7
○
小川
(新)
委員
金を出すべきもの、また貸してあげるものは、すみやかにこれはやっていただかなければならぬ。ただいまの御答弁のとおり、
現行制度
できまっているのでどうにもなりませんけれども、私はここに、血の通った
政治
と申しますか、そういう中ですみやかにできる範囲のことをやってあげる、そうしてわれわれ議員としてもただすべきところはただし、改めるところは改めていくような姿勢というか、態度というものが
被災農民
の胸の中にたたき込まれていけば、この
要望
に対しても何十分の一かというものは満足できるのではないか、こう
考え
ております。
大蔵省
のほうですが、いつも何かこういった
措置
をとった
あと
、なかなかさ
いふ
の
ひも
がかたいというふうなことを聞いておりますが、この点どうでございましょうか。
嶋崎均
8
○
嶋崎説明員
大蔵省
の
災害関係
をすべて私が実はやっておるわけではございませんで、手分けをしてやっておりますので、
耕地
なり
家屋
なりの
補助
の問題は実は私の
所管外
なのでございます。しかしながら、
一般
的な
考え方
として、
大蔵省
が、さ
いふ
の
ひも
をゆるめっぱなしというわけにはとてもいきませんけれども、
災害
というものの性格にかんがみまして、従来そんなに
運用
をきつくやっているわけではないということは、たとえば過去の
天災融資法
は私の
所管
の話でございますが、それのみを見ていただいても、そう極端な
運用
をやったつもりもありません。
一般
に、そう締めることのみを
考え
て
災害対策
を
考え
るというようなことはないと私は思います。
小川新一郎
9
○
小川
(新)
委員
そういうふうにしていただくことを
要望
しておきます。まあ気分を害さないで
——
これは私がもらうのではありませんから、
農民
にかわって、ひとつ大きな立場に立ってやってもらいたいと思うのです。 第二は、
水路
、
農道
、これは早急に
復旧
または改修することが目下の急務になっておりますが、全般にこれらの
被害地
に対する
復旧
の
見込み
はいつごろ完成する予定になっておりますか。
松井芳明
10
○
松井説明員
このたびの
長野
県の
小諸
の
集中豪雨
による
農地
及び
農業用施設
の
災害
は、現在判明いたしておりますのは、
農地
は
被害
が約百九十四
町歩
で、
被害額
は一億六千五百万円、それから
施設
が百三十三カ所で四億八千万円、
合計
で百六十四カ所、六億四千六百二十万の
被害額
に達しておりますが、現在までに
応急復旧
といたしまして、
施設
、特に
農道橋
、
水路等
の
施設
につきまして約十カ所の
応急復旧
を行ない、また、直ちに処置をすれば稲の植え
つけ
の間に合う水田約二十
町歩
について、すでに
応急
的な
復旧
を行なって、稲の植え
つけ
が完了しております。特に
水路
あるいは
農道等
の
施設
の緊急的に
復旧
をしなければならないものが相当ございますので、そういうような最重点のものを選びまして約二十七カ所になりますが、これにつきましては、今月の二十七日から三十日までの
間緊急査定
を行なっております。この分につましては、
査定完了
後直ちに
工事
に着手して、できるだけ早く
復旧
を進めていくということを
考え
ております。また、その後におきましても緊急のものから選びまして逐次
査定
を進めてまいって、
査定
を終わり次第
工事
に移していくというたてまえをとっておりますが、大体
復旧
の
進度
につきましては、
農地
及び
施設等
の
災害
につきましては四カ年で完了するという平均的な
進度
を
考え
ておりますが、現在、緊急を要するものにつきましては二ないし三年で
復旧
をすることが行なわれておりますので、この
地区
の
実情
に即して、できるだけ早く、
復旧
の年限を短縮することも
考え
てまいりたいと思っております。
小川新一郎
11
○
小川
(新)
委員
自衛隊の出動に対しては、非常に
現地
から好評を持たれ、また感謝されておりますが、聞くところによりますと、
あと
一日いてほしかったという声が非常に高かったのであります。なぜ四日間で帰られたのか、その辺の事情をひとつお聞かせ願いたいのですが、これはわかりませんか。
——
それでは、後ほどこれは書面でけっこうですから……。 次に、樹木または
野菜等
の
復旧
の
肥料
、
病虫害防除
の
農薬
、そういった問題が複雑になっておりますが、これは
団長
からの
報告
にもありましたが、
総合助成
、あれが
一つ
、こっちが
一つ
というのではなくて、総合的にそこの
損害
の
助成
というものを
考え
なければならないのじゃないか、また、全部
知事
とか
市町村長
に一任して
損害
というものに対する
対策
を講ずべき時期がきているのじゃないかということが、
現地市町村
並びに
知事
の非常な声でございました。いまも
団長
からそのことに対する
要望
がなされておりますが、これについてのお
考え
はいかがでございましょう。
太田康二
12
○
太田説明員
ただいま
団長
の御
報告
並びに
先生
の御
質問
で、実は
総合助成
ということを
現地
でおとりになっているというお話を伺ったのでございます。御
承知
のとおり、従来は、個別の
補助
ということで、前々から申し上げているように、たとえば
干ばつ
の際には、苗しろの再仕立てに対する
補助金
とか、あるいは
稲苗
の
輸送費
に対する
補助等
をいたしたのでございますが、実は遠い過去におきましては、
肥料
、
農薬等
も含めまして
補助
した事例もあるわけでございます。そういった個別の
補助
がいいのか、あるいは
総合助成
というような形で
補助
したらいいのか、いろいろ技術的にむずかしい問題もあるわけでございますが、現在の
段階
におきましては、これも毎度申し上げてあるいはおしかりをいただくかもわかりませんが、御
承知
のとおり、
天災融資法
という
制度
が一方にできておりまして、
肥料
、
農薬等
のいわゆる
運転資金
につきましては、
通常
の場合では
末端
の金利が九分になるわけでございますが、
天災融資法
によりまして
利子補給補助
をいたすことによりまして、
通常
の場合六分五厘、
激甚農家
に対しましては三分という低利の
資金
のめんどうを実は見ておるのでございまして、しかも、その実行を見てまいりますと、おおむね九割方が三分
資金
だというような
実情
にもございますので、現在の
段階
におきましては一応これによって
政府
としての処理はできておるというように
考え
ておるのでございます。
小川新一郎
13
○
小川
(新)
委員
そういう
制度
がありますことはよく
承知
しております。しかし、そういう声が
現地
の
市町村長
や
知事
から出るということは、結局、
現行制度
に対して欠陥があるからなんですね。そういう問題に対してすみやかに緊急の
対策
を講ずるべきために、
現地
の
指導者
に
一つ
の
指導権
というものを与えていく、これがいまの声になってあらわれているわけでありまして、あるのだからしようがないのだというような
考え方
を持続していくならば、毎回われわれ
災害対策委員
が
視察
に行くたびに
現地
の
市町村長
や
知事
から同じ声を聞かなければならぬ。それに対して私どもが、そうですが、はい、わかりました、よく
承知
しました、今後
考え
て何とかしましょうということを繰り返していたならば、これは
政治
じゃない。その点についての
考え方
を私はただしたわけです。それについてお尋ねをしているわけです。
太田康二
14
○
太田説明員
確かに、
末端
におられましていろいろな
被害
の
状況
を見てまいりますと、適切な
措置
をすみやかにとるということが
災害
の場合特に大事であるということはよくわかるわけでございます。そこで、
末端
におきます県あるいは
市町村等
におきまして、そういった緊急の
助成措置
をあらかじめ用意しまして、
災害
が起こるたびにそこから
支出
をしてまいるということは、確かに適切な
措置
であろうかと思うのでございます。しからば国がこれに対してどういう
援助
をするかということにもなるわけでございますが、現在の
段階
におきましては先ほど申し上げたようなことで、一応
補助
の
対象
もそれぞれの
実態
に即して
補助
いたしてまいるということに国としてはいたしておるわけでございます。その際に、先ほども申し上げましたように、
肥料
、
農薬等
に対する
助成
はかつては見たこともあったのでございますが、現在では見ておらない。なお、
種子等
の
対策
につきましては現在は
補助
の
対象
にいたしておるということでございまして、これらを含めて
総合助成
という形で
補助
するあるいは技術的な方法もあるかと思いますが、現在の
段階
ではそういうことになっておるということでございます。なお今後の
補助
のあり方等の問題とも関連いたしまして検討したいと思います。
小川新一郎
15
○
小川
(新)
委員
よく了解いたしました。結局、こういった問題は、鉄砲の撃ちっぱなしではなくて、後の
災害
に対するためにも、
現地市町村
長や
知事
ともよく懇談し
——
いまのことばでいう対話ですね。話し合いの上で
対策
というものを練っていただきたい、こう
要望
いたしておきます。 次に、
長野
県では死者が二名出ましたが、この二名の人に対しては当局としてはどのような処置を講ぜられたか、また、これらの
方々
に対して国としてはどういうふうなお見舞いをしたのか、ちょっとお尋ねしておきます。
太田康二
16
○
太田説明員
まことにうかつであれでございますが、農林省としては特に何もしておらないという
実情
でございます。
小川新一郎
17
○
小川
(新)
委員
これは大事なことでありますね。
人命
の尊重ということが一番大事であります。たんぼがどうの、野菜がどうのというよりも、なくなった人たちのほうがさらにたいへんです。一番先にこういう
方々
を何とか激励してあげるのが当然だと思う。特にそういう中で働き手を失なった人々に対しては何らかのあれを見てあげるのが当然だと思いますが、これも
関係
の方が見えていないようですから、
あと
で私のほうへ
実情
等をお知らせいただきたいと思います。
嶋崎均
18
○
嶋崎説明員
私がここでお答えするのはあまり適当ではないかと思いますが、厚生省の
所管
と言われても、これは厚生省の
所管
でもないと私は思うのです。ただ、御
承知
のように、不慮の
災害
というのは非常に多うございまして、国の補償なりあるいは見舞いなりの
制度
が、個々の具体的な一人一人の
方々
——
事故にあわれた方は非常にお気の毒だと私思いますけれども、そういうケースに対して
一つ
一つ
国が補償の体系をとるというのは、現在のわが国の諸
制度
のものの
考え方
にはないと思うのです。たとえば
人命
の事故につきまして、航空機の場合その他いろいろ問題がある。それから天災で、水のみならず、別の理由でいろいろ事故があった場合もあると思います。しかし、これに対しては、たとえば現在
一般
に認められる保険
制度
その他でもってカバーするたてまえになっておりまして、国が一々補償する
制度
はとっておりません。また、そういう
制度
を現在の
制度
へ導入することは非常に困難ではなかろうかというぐあいに
考え
ておりますので、蛇足だと思いますけれども……。
小川新一郎
19
○
小川
(新)
委員
わかりました。 私ども
現地
を見まして、中小
河川
がはんらんいたしまして、その
河川
のそばの家が流されたのがありました。これは、
現地
の方も
市町村長
も言っておりましたが、こんなところに家を建てておくのが悪いのだ、流されるのがあたりまえだという声があるのです。また、どうして流されるようなところに家が建って人が住むのを許可しているのか。ここに水のいっている写真がありますが、大体こんなところに家を建てさせておくのがおかしいので、流されないほうが、おかしい。こういう中小
河川
のそばに、流されることが、予想されるところに家が建っていて、
人命
の損傷を受けることが予想されるようなところになぜ建てさせたのですか。これの御
説明
をしていただきたいのですが、
関係
の方はおりませんか。
——
ずいぶん無責任な答え方をしておりましたが……。
坂井秀正
20
○坂井
説明
員 私は建設省の防
災課長
でございます。
河川
関係
でございますので、建築のことは詳しくは存じませんけれも、昨年の四号台風でも東京都
周辺
でそういう問題がございまして、いろいろと御
質問
もございましたけれども、現在の
制度
では、私有権を制限してやるということについてはいろいろ問題があるということで、研究課題になっておるというぐあいに記憶いたしております。
小川新一郎
21
○
小川
(新)
委員
では、これもまた別の機会に専門的な人に追及していきたいと思います。 次に、
農業災害補償法
に基づくところの
共済金
の
早期支払い
の声が非常にあがっておりますが、この現状はどうなっておりますか。
太田康二
22
○
太田説明員
先生
も御
承知
のとおり、五月の下旬から六月の上旬の間に、東北
地方
から九州にかけて各地に
ひょう
の
被害
があったわけでございます。これによりまして、収穫期にあった麦あるいは田植え直後の水稲等に
被害
があったのでございます。
長野
県のお尋ねでございますが、こういった
関係
で
被害
のはなはだしかったのは岩手、栃木、東京、
長野
、岡山及び福岡という県のようでありまして、特に岩手、
長野
におきましては、
ひょう
のほかに
集中豪雨
が伴ったということもあるわけでございまして、これによりまして水稲の流失埋没あるいは冠水による
被害
というものが出ておるのでございます。そこで農林省といたしましては、これらの
被害
に対する
措置
といたしまして、都道府県並びに都道府県の農業共済組合連合会の担当者の全国
会議
等の機会を利用いたしまして、必要に応じて保険金あるいは
共済金
の仮渡の
措置
をとるということを指示いたしますとともに、再保険金の概算払いの請求を行なう場合の手続等につきましての指導を行なったのでございまして、いつでもそういう請求がございますれば支払い得る体制を整えておるわけでございます。
小川新一郎
23
○
小川
(新)
委員
それから、諸税の減免
措置
を講じてほしいとの声がこれまたあがっております。これはどのように
考え
られておりますか。
嶋崎均
24
○
嶋崎説明員
主計官が税金の話をする
——
これは私、所得税課に長くいたことがあるものですから、かわりにお答え申し上げますが、御存じのように、所得税につきましては、
災害
に対する租税の減免に関する法律がありまして、それに基づきまして
措置
することになっております。なお、賦課された金額につきましては、
災害
等の理由がある場合には、それぞれ延納
措置
というものをとれるように対処してあります。それから徴収が不能であるという場合には、それぞれ徴収猶予の
措置等
も講ぜられることになっております。すでにそういう法律に基づく
制度
が現に存在しております。ただ、所得税は御存じのように年一回の納期でございますので、したがって、前年の分としてかけられた分についての徴収の問題にいま申し上げたような
措置
がとれるようにできております。たぶんそういう
被害地
については必ず処置を講じておるはずでございます。御了承願います。
小川新一郎
25
○
小川
(新)
委員
では
あと
一問で終了いたしますが、これからの声は全部私がいただいた陳情書や請願の中からしぼりとったものでありますので、これをひとつまじめにわれわれは検討していきたいと思う。
被害
激甚であった
乙女
川、
北川
、吉田川は
改良復旧
をはかってほしい、これは非常な声であります。これは完成はいつごろになりますか。
坂井秀正
26
○坂井
説明
員 ただいまの
河川
につきましては、それぞれ
災害
あるいは
災害
関連事業によって
改良復旧
するという方針で、五日から
災害
査定
がございますが、そのときに正式に決定をやりたいと思っております。これの
復旧
の年限は、できるだけ早くということで、
災害
の現在の
制度
でまいりますと、御
承知
のように四カ年でございますが、昨年同じような
災害
がございまして、これは大体二カ年で概成をいたしております。今度の
災害
の場合も、できる限り二カ年で大体できるというようなぐあいに県とも折衝していきたいと
考え
ております。
小川新一郎
27
○
小川
(新)
委員
最後に重ねて申し上げておきますが、二カ年で
復旧
は可能と了解いたします。そしてその二カ年でできるすべての公共土木事業の
施設
というものは、次の
災害
に備えて早急にやらなければならぬことは自明の理であります。どうかひとつ特段の努力をお願いいたしまして、私の
質問
を終わらせていただきます。
稲富稜人
28
○稲富
委員
関連いたしまして
——
ただいま農業共済の問題が出たのですが、
果樹
共済はすでに
政府
としても多年の問題で取り組んでおられます。今回の
被害
は、蔬菜の
被害
がまことに甚大であったと聞いている。将来こういう蔬菜に対する共済
制度
というものは農林省としては検討さるべきものではなかろうか、こういう点はどういうふうに
考え
ておられますか。
八塚陽介
29
○八塚
政府
委員
お答え申し上げます。 ただいまもお話にありましたように、
果樹
につきましては、多年
要望
がありまして、今度の国会に、実験的な
制度
として
果樹
共済をやろうということで提案されておるのは、御
承知
のとおりでございます。野菜につきましては、現在の私の
考え方
を正直に申し上げますと、共済
制度
にのせるのは非常に困難であろうというふうに存じます。理由をくどくどしく申し上げても何でございますが、何といたしましても、いわゆる保険
制度
にのせるためのいろいろな諸要因を固めるということは、野菜の現在の作付
状況
、営農の
状況
から見ると、非常に困難ではないか、反面、
災害
を受けられた方には直接の施策とはなりませんけれども、その他の積極的な
生産
奨励の方策あるいは価格安定の方策等でもって野菜の
生産
の安定を期していきたいということで、端的に申し上げますと、いまの
段階
では保険は私どもとしては
考え
にくいのではないかと思っております。
稲富稜人
30
○稲富
委員
野菜の共済というのは将来非常に困難だとするならば、蔬菜に対する
被害
があったような場合には、あるいは種子に対する
政府
の費用の
助成
とか、そういうような問題を特別に
考え
る必要はないか、こういう問題も
災害対策
の一環として
考え
られると思うのです。もちろん、
果樹
共済なるものも試験的に任意共済をやる。任意共済をこの前も
委員会
で問題にしたことがあるのですが、任意共済というものはなかなか困難なので、試験的にこれでもって失敗したからもう共済に取り組まないということになると、とんだことになる。かつて福岡県でなたねの共済をやって失敗したことがあります。任意共済
制度
というものは十分
考え
ないといけない。ただ、これができないとするならば、共済でない方法でいかなる救いの手を伸ばすかということは、当然
考え
なければならない。特に野菜に対して共済
制度
を
考え
られないというならば、こんな場合はどういう救済
対策
があるかということはあらかじめ計画の中に入れておく必要があるのではないかと思いますが、この点については十分検討していただきたいと思います。
田原春次
31
○
田原委員長
小沢
貞孝
君。
小沢貞孝
32
○小沢(貞)
委員
時間がないようですので、私はお願いと資料だけ二、三お願いしておきたいと思います。 先ほど班長さんや、また、いま
小川
委員
から
総合助成
の問題について非常に強い
要望
が出ておりました。
現地
の
井出
先生
はじめ平等
先生
あるいはその他各党の方、みんなこういうことこそやらなければならない、こういう
現地
における強い
要望
でもありました。
現地
へ行ってみれば、なるほど、苗を県下から全部集めてくる
輸送費
は県で持とうとか、市で心配しようとか、そういうようなことで、目に見えないいろいろのことでたくさん使われておるのを、
一つ
一つ
項目別に
補助
を出すというよりは、やはり
現地
の県なり
市町村長
に一任して、総合的な立場で迅速に
対策
を講ずる、こういうことがたいへん有効ではないか、こういうようなことで
視察
に行かれた
方々
の意見がみな一致いたしました。私はこの間埼玉県へ行ったときだと思いますが、埼玉県においても、
助成
の要綱、いつの
ひょう害
に対してはどういう要綱でやりますということで、草勢・樹勢回復の
肥料
だ、
農薬
だということでやっておりました。現にここに資料もあります。
長野
県へ行くと、やはり同じような要綱をつくってやっておりました。そういうようなことで、これはおそらく各県そういうことをやっておるのではないかと思います。
委員会
の皆さんの意見が一致しておりまして、みんなでそれに取り組もう、こういうことになっておりますから、第一点としては、各県でそういうことをやっておられるのについてひとつ資料を収集していただく。これは
委員長
から
あと
で当局側へお願いをしておいていただきたい。それが第一点であります。 それから第二点としては、かつては特別にいろいろ
肥料
や何かの
助成
をしておったけれども、たぶん会計検査院か何かで、こういうこまかい金は効果がないからやめてしまえということでやまったのではないかと思いますけれども、今度は形を変えて
総合助成
でやる、こういうことになった場合に、さっきも班長さんの
報告
にありましたように、たとえば、
ひょう害
はことしは三十億だぞ、こういうことになると、
ひょう害
の一割だとか、あるいは何%だとか、そういうものをワクとして出せば、額としては幾らでもないと思いますから、これはもうやろうと思えば実現は可能だと思います。こういう問題について一点だけ
質問
をいたしますが、立法技術上何か困難な点がありましょうか、その点を
一つ
お伺いしたい。
太田康二
33
○
太田説明員
前に申し上げたかと思いますが、実は
肥料
、
農薬等
につきまして
補助金
を出すということになりますと、実際その実施の確認方法が非常に困難なわけでございます。御
承知
のとおり、現在の
補助金
適正化法によりますと、間接
補助
につきましても、結局、
末端
の受益者である
農家
のところまで出向いていってその実行を確認しなければいかぬというようなこともあるわけございまして、そういった点から、ただいま
先生
のおっしゃったような会計検査院の検査等の結果、どうもその辺がはっきりしないじゃないかというようなこともございましたし、一方において、
天災融資法
の
措置
あるいは
特別交付税
の
措置等
もございまして、現在の
段階
におきましては、先ほど来申し上げているように、たとえば苗しろの再仕立てというようなものにつきましての
補助
ということはいたしておるわけでございますが、実は
肥料
、
農薬等
についての
補助
は現在の
段階
ではいたしておらない、それはいま申し上げたような理由で、かつては見たけれども、現在は
補助
をやっておらない、こういうことでございます。
小沢貞孝
34
○小沢(貞)
委員
質問
の要旨は、
総合助成
的なことをやることは、立法技術上困難でしょうかという一点をお伺いしているのです。
嶋崎均
35
○
嶋崎説明員
私がお答えするのはあるいは不適当かと思いますけれども御存じのように、
災害
に対するところの
特別交付税
の交付というのは、まさしく立法技術的に、片一方で
補助金
適正化法というものもあり、そういう点で財政的にいろいろ問題があるというものを、たとえば
被害
面積に対して千分の五であるとか、あるいは
被害
世帯一戸当たりについて千三百円であるとか、それぞれの
基準
があるわけでございまして、そういうもので調整をするというのが基本的な
考え方
であろうかと思うのでございます。したがって、そういうぐあいに配付された
特別交付税
は、いわゆる色のつかない
一般
的な財源として
災害
に使われるということがたてまえとして
考え
られるのが至当であろうというぐあいに思っておるわけでございます。
小沢貞孝
36
○小沢(貞)
委員
おそらく懇談会のときもそういう話が出ると思いますが、交付税というものが十分見られて、それからまた、
災害
があったらそれが適切に処置できるというようなことならば、必ずしも私は
総合助成
ということにこだわらないでいいと思う。私が頭の中にあるのは、どうも特交というものに不信感を持っておるわけなんです。それで、片方においては、こういう事態が起これば、何かしら
総合助成
的なもので手当をしなければいけない、こういうことなので、
市町村
や県における
対策
としては、やはり交付税というものと、それから、みんなたぶん意見が一致していると思いますが、
総合助成
というものの二本立てでなければうまくいかないんじゃないか、こういうように頭の中でいろいろ描いて見ておるわけですが、この点は
あと
の懇談会でもまたあると思いますので、その席に譲りたいと思います。 それから、いま一点だけお尋ねしておきますが、私のところにはたいへんたくさん電報がきておりまして、たびたびこの席で同じ
質問
をして恐縮でありますが、ことしの干害はたいへん広がって、聞くところによると、六十七億も七十億もの
応急対策事業費
が計上されつつある、こういうような情勢にあると聞いております。そこで、電報が地元からたくさんきている趣旨は、激甚指定を受けられる
見込み
があるでしょうかというのが、
理事
者としての注文なんです。それで、激甚指定を受けられる要素の第一点は、
応急
事業費がその年の農業所得の推定の〇・一五、それで、ことしの農業所得の推定の〇・一五は三十何億になると思いますが、一体ことしは第一点のほうは満たされるでしょうか。だいぶ
応急
事業費が多いようですが、その辺の関連をちょっと伺いたい。
太田康二
37
○
太田説明員
私のほうが六月二十八日現在で各県の
報告
をとった数字がございます。これによりますと、各県で実施いたしました
応急対策
工事
の概算金額が六十七億四千八百万、
先生
がさっきおっしゃった数字に近いのでございます。御
承知
のとおり、激甚災の指定の
基準
はいま
先生
のおっしゃったとおりでございますが、これは農林省が
査定
をいたしました
応急対策
工事
の
査定
額を
基準
にいたすわけでございまして、県の数字が六十七億でございますから、これが
査定
の結果どうなりますか、わからないわけでございますが、農林省の
査定
が終わってみないと実は最終的に結論は出ないのでございます。それで、その
基準
になる数字は、
昭和
四十二年の農業所得推定額の〇・一五%、三十一億というふうに記憶いたしております。
小沢貞孝
38
○小沢(貞)
委員
第二点は、二つあったと思うのですが、
一つ
の一億円以上の県というのも満たされるわけですね。
太田康二
39
○
太田説明員
これもやはり
査定
額になるわけでございますが、満たされるというのが、一億以上の県
——
いま言った三十一億をこえているというのは全国ベースの
基準
でございまして、一億をこえている県は四割を五割にする、こういうことでございますので、もちろん、いまの県の概算
報告
で一億をこえている県はかなりの数になっております。これは
基準
では十県ということになっておりますが……。
小沢貞孝
40
○小沢(貞)
委員
私の聞くところによれば、やはり夏の干害、秋の干害等も合わせて、それでことしの干害におきましてはどうであった、こういうようなことで激甚指定をされる、過去の例はそうだと聞いております。そうすると、ことしの激甚指定はだんだんおそくなって、九月、十月ごろになろうかと思うのですが、いまの
市町村長
や何かは、
補助
を出せ、何を出せということでやはりだいぶ突き上げられると、一体国は幾ら出すだろう、県は一体幾ら出すだろう、どうも県も国の様子を見ているし……というようなことで、なかなかみんな心配しているわけですが、いまお尋ねしたことによって、ここだけ激甚指定間違いなしという御言明はきょうは御無理にお願いいたしませんが、大体私のほうで頭の中で推定して、激甚指定になるんだ、こういうように数字の上からは理解さしていただきたい、こういうように
考え
るわけです。私の
考え
ていることに異議というか、間違いがありましたら、ひとつ否定をしていただきたい、こう思うわけです。
太田康二
41
○
太田説明員
この前実は
降ひょう
の
天災融資法
の発動も
先生
に引っぱり出されてしまったわけでございますが、きょうの激甚災の問題につきましては、私が申し上げた数字、それから現在までの激甚指定の
考え方
等から
考え
てまいりますと、
先生
がお
考え
になるようなふうに
考え
られてもある程度やむを得ないかと思います。
小沢貞孝
42
○小沢(貞)
委員
その程度できょうは終わっておきます。
——
——
◇—
——
——
田原春次
43
○
田原委員長
次に、
昭和
四十二年一月から二月までの
降雪等
による
災害対策
に関して、質疑の申し出がありますので、これを許します。
世耕
政隆君。
世耕政隆
44
○
世耕
委員
ことしの一月、二月の異常寒波、それから、珍しくあたたかいところに雪が降り続きまして、和歌山県、愛媛県、静岡県、大分県、宮崎県、
山口
県の、かんきつ栽培を
中心
とする地帯にいろいろの
被害
が起こってまいりました。私は新米でございまして、こういうことはあまりなれないのでございますが、時間がございませんので、簡単に概略を御
説明
いただきたいと思うのでございます。
八塚陽介
45
○八塚
政府
委員
本年の
果樹
の
被害状況
をお尋ねになったのかと存じますが、本年の
果樹
の
被害状況
は、お話のとおり、その中のかなりな部分がかんきつでございますけれども、
一般
的に相当な
被害
があったわけでございます。大体
被害
の面積につきましては、全部合わせまして一万五千百ヘクタール、そのうち三〇%以上の
被害
面積は五千三十ヘクタールということでございます。
被害
量といたしましては、これはその時期が冬でございますから、夏カン等でございますが、七万二千七百トン、
被害
見込み
金額約三十四億ということに相なっておるのでございます。
世耕政隆
46
○
世耕
委員
昭和
三十八年にも異常寒波による
被害
が日本の全土に生じたという記録が残っておりますが、そのときに農林省は、
天災融資法
その他のいろいろな苗木の
助成措置
、こういったことをなさっていらっしゃるように承っております。今回のこの異常寒波、雪害による
果樹
の
被害
、
樹体
の
被害
に対して、農林省はいままでどのような
措置
を講じておられるか、簡単に御
説明
いただきたいと思います。
八塚陽介
47
○八塚
政府
委員
お話がありました三十八年の
被害
でございますが、これは先ほどの数字に対比して申し上げますと、
被害
面積にいたしまして十万四千六百ヘクタール、そのうち三〇%以上の
被害
面積が二万七千九百ヘクタールということで、
被害
の規模あるいは
災害
の規模といたしましては三十八年は相当大きかったわけでございます。今年の寒波の
災害
に際しましては、五月に
天災融資法
の発動がございまして、八億、これは、大体私どもの感じでは、各県の
要望
額を十分に満たしておる数字であったろうかと存じております。なおそのほか、もちろんあれだけではございませんで、自作農
資金
として約二億ということでやっておりますし、そのほか、従来の
借り入れ
が今度の
災害
で返せないというような場合の償還金の猶予
措置等
についても通達を出しておるということでございます。
世耕政隆
48
○
世耕
委員
災害
の大きい小さいにもよりまして
措置
のしかたが変わるものでございますか。率が変わるだけでございますか、
種類
が変わるものでございますか。
八塚陽介
49
○八塚
政府
委員
たとえば
天災融資法
につきましても、その他の
災害
につきましても、その個人にとっては非常に激甚な
災害
であっても、やはり一定の量にならないと
——
災害
の諸
制度
の発動というのは当然変わってまいるわけでございます。
世耕政隆
50
○
世耕
委員
今回のこの異常寒波による
災害
は、
昭和
三十八年の
災害
あるいは
昭和
四十年の台風による
災害
よりもやや小さいのではございますけれども、
昭和
四十年の豪雨による
災害
、それから
昭和
三十九年の台風による
災害
よりは、きわめて大規模なものというふうに私どもは
考え
ておりますが、いかがでございますか。
八塚陽介
51
○八塚
政府
委員
被害
について先ほど数量的に申し上げたのでございますが、たとえば
被害
面積について各
災害
の規模を順番に並べてみますと、お話がありましたように、
昭和
三十八年の一、二月の
災害
、あるいは
昭和
四十年の九月の二十三、二十四、二十五号台風によります
被害
等が大きく、大体その次くらい、大体まん中程度に位しておるのではないかというふうに思います。
世耕政隆
52
○
世耕
委員
それらに対してとられた
措置
は、いままで御
説明
ございました
措置
と同じでございますか。
八塚陽介
53
○八塚
政府
委員
私が先ほど申しました
措置
は、四十二年の一、二月寒波に対しましてとってまいりました
対策
を申し上げたわけでございます。 なお、過去のそういう
災害
につきましては、そのほかに、当時のいろいろな苗木事情あるいは
農家
の経営事情等を勘案いたしまして、共同育苗圃の設置事業というようなもの等が取り上げられたわけでございます。
世耕政隆
54
○
世耕
委員
今回とられました
天災融資法
の発動、それから自作農維持
資金
等による融資
措置
が非常に早く講じられて、これは私どもきわめて適切な
措置
だというふうに
考え
ている次第でございますが、いろいろ調べてみますと、これだけでは、いろいろな
果樹
栽培業者が今後立ち直って復興していくのにはどうもちょっと足りないようでございます。先ほどもお話が出ておりましたが、
果樹
の共済
制度
とか保険
制度
とか、そういうものがまだほとんど確立されていない現状で、やはりもう少し、これからあしたの発展、あしたの
果樹
の栽培にもっと強く希望を与えてやれる
助成
をしてやるような方法をぜひともとっていただきたいとお願いする次第でございます。その点に関しましてはいかがなものでございますか。
八塚陽介
55
○八塚
政府
委員
先ほど、本年の
災害
について
天災融資法
あるいは自創
資金
というような
制度
の発動がなされたことを申し上げましたが、単にそれだけではなくて、さらに
災害
に対応する
制度
といたしましては、農林漁業金融公庫の植栽
資金
等もございます。
一般
的に
果樹
の
生産
振興の諸
制度
につきましてはまだあるいは十分でないかもわかりませんが、私どもといたしましては、それなりの施策の充実を従来はかってきたつもりでございます。大体そういうことによる
——
と言うとあるいは言い過ぎかもわかりませんが、かなりな程度に
果樹
の植栽につきましてはふえておるのでございます。
世耕政隆
56
○
世耕
委員
わが国の農産物というのは、ほとんど大部分が輸入によってまかなわれている、あるいはせいぜい細々と国内でできるものを使っている、そういうような状態のように伺っております。かんきつとか
リンゴ
とかいうのは、わが国の農産物の中では珍しく
——
私どもの調べたところによりますと、輸出の
対象
になっております。農産物の中では二〇%以上にわたるような輸出の役割りを示しておりまして、
昭和
三十年から四十年まで輸出額がだんだん高額になってきているのですが、そのパーセントをとっていきますと、
昭和
五十年にはかなりの額に達するのではないか、それからもう
一つ
、かんきつ業者のことばでは、かんきつ類は植樹をしまして約十
年間
たたないと収穫は期待できない、このような点から
考え
まして、わが国の輸出とか国内需要がさらにさらにいまから三倍にも五倍にもふくれあがっていくようなことが予想されます今日、やはりこの
果樹
の育苗、そういうものに対して
被害
農家
に
政府
としては何か
助成
するお
考え
はないかどうか、それを承りたいと思う次第でございます。
八塚陽介
57
○八塚
政府
委員
わが国の農産物は相当輸入に依存をいたしておるわけでございます。逆に言いますと、自給率はどれくらいになるかということでございますが、まあ八〇%といい、あるいはリアルで七〇何%といい、いろいろな計算のしかたがあると思います。その自給率をどういうふうに判断するか、いろいろな評価のしかたがあろうかと存じますが、いずれにいたしましても、現在の
段階
では、農産物の輸出というのは輸出額のそう多くを占めていない、日本は、農産物に関します限りは、輸出国というよりは、やはり輸入国であろうということは、これはいなめない事実であろうと思います。そのうちで、ただいま
世耕
先生
のお話しになりましたミカンあるいはその他のくだもののかん詰め等はかなりのウエートを占めておりまして、私どもといたしましても、あらゆる機会に、輸出の増強をはかっていくという姿勢をとっておるわけでございます。そのためにいろいろな施策もやっておるわけでございます。ただ、何と申しましても、いまのところは大体九割近くが国内需要ということに特にかんきつ等はなっておるわけでございまして、それに対しまして、
生産
者のほうの供給の体制と申しますか、これは従来大体順調にその面積がふえておりまして、特に消費者の方に御迷惑をかけるというような形にはなっていないのでございます。いずれにいたしましても、今後ミカンの需給の長期的な趨勢を見て
生産
の対応策を講じていかなければならぬというふうに
考え
ております。 それに関連しまして、ただいま
災害
を受けて、改植と申しますか、そういうことをすることをさらに進める必要があるのじゃないだろうかという
先生
のお話であったと思います。今度の寒波の
災害
につきまして、各地元県、
災害
県におきましてはそういう
要望
が非常にあるということを私どもは承っておりますが、それに対しまして、従来も種々
調査
をしてまいったのでございますが、あるいは、何をなすべきかということについて、私どもとしても、十分なことはできないかもわかりませんが、できるだけのことをやってまいりたいというふうに
考え
ております。
世耕政隆
58
○
世耕
委員
そうおっしゃらずに、できるだけのことをお願いするためにきょうはここで
質問
をさしていただいておるわけでございまして、とどのつまりは、お金がほしい、お金の
援助
をいただきたい、こういうことをお願いするわけなのでございます。つまり、わが国のいろいろな食糧事情、それから食生活の栄養に及ぼす影響がこの果実類というのは非常に大きいわけでございます。それから輸出の面でもかなりの役割りを果たしているわけでございます。こういう点からいって、
災害
を受けた、
樹体
の
被害
に対しまして、今度はどうしても新しく苗木を植えていかなければならない、これに対してはやはりいままでの融資があるわけでございますが、これは人件費その他いろいろなものでほとんど消えてしまっているような現状でございます。ぜひともこの点を農林省にお願いしたいわけなのでございますが、結局はお金のことに関連するわけでございますが、
大蔵省
はこの点に関しましてはどのようにお
考え
でいらっしゃるか、お聞かせいただきたいと思います。
嶋崎均
59
○
嶋崎説明員
ただいまの御
質問
にお答えいたします。 御
承知
のように、先ほど来園芸局のほうからいろいろ
果樹
の
災害
について御
説明
がありました。
先生
も十分に御存じだと思いますが、最近いろいろ議論になっておるわけでございますけれども、どうも
果樹
の植栽につきましては、非常に成長部門であるということで苗木等についても非常に不足しておった、あるいは、ものによっては、従来どちらかというと品種的に需要が少ないというようなものを、何らかの形で品種的に非常に需要の強いものに変えていこう、そういう前向きな
考え方
とからめまして
果樹
の共同育苗をされる場合につきまして
補助
をしておったのでございます。ところが、御
承知
のように、最近
果樹
部門が非常に成長産業であるということで、それに対応してまた苗木の
生産
の面におきましても非常に優良な品種を、かつ多量に育成していて、また現にそういうものが商品として相当量あるというような
状況
のもとにあるやに
——
私、実はきょうこまかい数字を持ってきておりませんが、そういうぐあいに聞いておるわけでございます。そうした場合には、御
承知
のように、われわれは園芸局のほうといろいろ議論をします。将来のかんきつの輸出というような問題もありましょうが、かたがた、
果樹
については、十年未満のいわゆる幼齢木、未成年木が相当の
作付面積
になっております。昨年
果樹
振興法を改正した際にも、農林省とわれわれはよく議論をしました。結局、あの法律の体系も、やはり主産地形成、あるいは
生産
性を上げるというつくり方に問題をしぼっていかないと、将来かえって過剰
生産
のおそれがあるという思想でできておったはずでございます。そういうような
状況
でございますので、いたずらに
種苗
のみ多く供給しても、現にそこにあるということになれば、それを
購入
して活用する。
購入
して活用するという状態ならば、当然
天災融資法
の発動をすれば、それに
果樹
植栽
資金
についての手当てもしますし、また、自作農維持
資金
というのは、本来の目的は自作農創設維持ということでありますけれども、御
承知
のように、あれは目的のない金も現に
運用
されている
実態
もあるわけでございます。
天災融資法
を発動したことに関連しまして、先ほどお話のありましたように、今回の場合、融資ワクとして八億、それから自作農
資金
のワクとして二億ということで対処しておりますので、このようにさらに育苗からこれを対処していかなければならぬのかどうか、やはり
果樹
をめぐるところの経済の状態なり需給の
関係
なりというものが変わっていきますれば、
補助
の形というものもそれに対応した形で純化されていくことが必要なのではないかというような議論を現在部内でやっているわけでございます。もうあけすけに中身を申し上げますと、実はそういうことでございまして、たぶん
先生
の御
質問
は、そうは言っても従来のもので何か国から県へ金が流れるような手当てを講ずべきであるというようなお
考え
かとも思いますけれども、
考え方
としては、そういうような現在の苗木の供給状態になっているということを前提にしまして従来の
補助
のあり方というものを改善していくべきではなかろうかという議論を行なっているということでございます。
世耕政隆
60
○
世耕
委員
私まだわかりかねるところがあるのでございます。つまり、いろいろな意味で過剰
生産
になる、また、いろいろなそのほかのことも
考え
た上で育苗に対する
助成
というものを控えなければならないのではないか、こういうようなお
考え
のようでございますね。おっしゃる要点はそういうことでございますね。
嶋崎均
61
○
嶋崎説明員
私が
果樹
一般
の
見込み
につきまして、実はいま詳細な資料を持っておりませんが、昨年の
果樹
振興法の改正をめぐってこういう
考え方
はいかがなものであろうかということをいろいろ疑問を出して、聞く側の立場になるわけでございますが、将来の大きな展望として、現在の未成年木というのですか、そういうものの状態というのは非常に大きな形になる、今後いろいろ更新というようような問題もありましょうし、いたずらにこれを縮小再
生産
しなければならぬとか、あるいは現状維持をしていかなければならぬというようなことを言っているわけではありませんけれども、面積の拡大につきましても、ある程度の長期的な展望の上に立ってセーブしていかなければならないような
段階
に差しかかっておるというふうに私は判断をいたしておるわけでございます。 それに関連しまして、現在の問題は苗木の問題なので、苗木が、二年生なら二年生という形で現にありまして、それを
購入
するにつきまして、
天災融資法
で
政府
の利子補給をやる、自創
資金
で長期低利の
資金
を供給するという形でそれを
購入
していただけば、それは
一つ
の現在の法規体系の中で処理できることではないかという、非常に具体的な問題とするならば、そういう議論をしておるということでございます。
世耕政隆
62
○
世耕
委員
時間がないので、もう簡単に申し上げますが、結局、苗を
購入
するだけの資力がなくなってしまっている、こういうのが罹災
農家
の現状でございます。 それから、私、これはいろいろ調べたのでございますが、アメリカあたりで今度は日本のかんきつを輸入することに大体決定してしまった。これから需要がもっとふえていくのじゃないか。かんきつ業者の話によりますと、外国へ輸出するよりも国内で売ったほうがいい、輸出よりもつまり利潤が高い、そういうようなことを言っておりまして、どんどんつくる反面、なかなか輸出を喜ばないような気配がございますが、これは今後輸出のほうにだんだん向けられて、需要がふえていくのじゃないか、そういうふうに私どもは
考え
ております。 苗木というものは、やはり十年先に立って、足りないと困るので過剰でもいいから、やはりいまのうちに育てておかなければならないのではないか、こういうふうに私どもは
考え
る次第なんでございます。 それで、何かこの罹災
農家
の共同育苗に対する
助成措置
というものはお
考え
になられませんでしょうか。
八塚陽介
63
○八塚
政府
委員
先ほど来のお話も、私は実は共同育苗の問題も含めての御
質問
かというふうに受け取っておったわけでございますが、これは主計官からのお話もありましたが、従来は共同育苗ということでやってまいったわけでございます。ただ、主計官の話にありました、苗木の需給の
状況
というのが変わっておるのではないだろうか、あるいは諸般のいわば経済条件というものが変わっておるのではないだろうかということがありまして、
大蔵省
の内部でも御議論されておるのでございますけれども、私どものほうでもその点の検討をいたしまして、そしてまた
大蔵省
とも今後御相談を申し上げるというつもりでございます。
世耕政隆
64
○
世耕
委員
罹災
農家
の共同育苗に対する
助成措置
、それを切にお願い申し上げまして、私の
質問
を終わらせていただきます。(拍手)
——
——
◇—
——
——
田原春次
65
○
田原委員長
それでは、ただいまから
昭和
四十二年五月以降の
干ばつ
及び
降ひょう
による
災害対策
につきまして懇談に入りたいと存じます。 暫時休憩いたします。 午後四時三十四分休憩
——
——
◇—
——
——
〔休憩後は
会議
を開くに至らなかった〕