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1967-06-15 第55回国会 衆議院 災害対策特別委員会 第4号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
四十二年六月十五日(木曜日) 午前十時三十二分
開議
出席委員
委員長
田原
春次君
理事
天野 光晴君
理事
池田
清志
君
理事
細田
吉藏
君
理事
湊 徹郎君
理事
渡辺
栄一君
理事
佐野 憲治君
理事
神田
大作
君
熊谷
義雄君 塩谷 一夫君
世耕
政隆君 塚田 徹君 中川
一郎
君
三ツ林弥太郎
君 水野 清君
佐々栄三郎
君 中澤 茂一君
渡辺
芳男
君
小沢
貞孝
君
小川新一郎
君 鈴切 康雄君
出席政府委員
総理府総務副長
官
上村千一郎
君
委員外
の
出席者
内閣総理大臣官
房参事官
上田
伯雄
君
大蔵省主計局主
計官 嶋崎 均君
厚生省環境衛生
局環境整備課長
田中正一郎
君
農林大臣官房参
事官
太田 康二君
農林省農林経済
局金融課長
今村 宣夫君
農林省農林経済
局保険業務課長
松永 正隆君
農林省農政局農
産課長
遠藤 寛二君
農林省農政局植
物防疫課長
安尾 俊君
農林省農地局参
事官
佐々木四郎
君
農林省農地局建
設部災害復旧課
長
松井
芳明君
農林省園芸局園
芸課長
千野
知長
君
林野庁指導部造
林保護課長
大塚 武行君
建設省河川局治
水課長
渡辺
隆二君
自治省財政局財
政課長
首藤 堯君 —
——
——
——
——
——
——
本日の
会議
に付した案件
昭和
四十二年五月以降の
干ばつ
及び
降ひょう
に よる
災害対策
派遣委員
からの
報告聴取
——
——
◇—
——
——
田原春次
1
○
田原委員長
これより
会議
を開きます。
災害対策
に関する件について
調査
を進めます。 本日は、
昭和
四十二年五月以降の
干ばつ
及び
降ひょう
による
災害対策
について
調査
を進めてまいりたいと存じますが、まず、本問題の
実情調査
のため先般当
委員会
より
現地
に派遣されました
委員
から
報告
を聴取することといたします。第一班、
池田清志
君。
池田清志
2
○
池田
(清)
委員
昭和
四十二年五月以降の
干ばつ
及び
降ひょう
による
被害状況等調査
のため、議長の承認を得て、去る六月十日、十一日の両日、
千葉
県及び
茨城
県に派遣されました第一班の
派遣委員
を代表して、
調査
の
概要
を御
報告
申し上げます。
派遣委員
は、
自由民主党
の
池田清志
、
日本社会党
の
佐々栄三郎
君及び
民主社会党
の
神田大作
君の三名で、ほかに
地元選出議員
多数の御
参加
を得て、
現地
の
実情
をつぶさに
調査
をいたしてまいったのであります。 まず、
千葉
県について申し上げます。
千葉
県における
塩干害
は、県の
報告
によれば、六月五日現在、
水稲
の総
被害面積
は二万六千余ヘクタール、このうち、植え
つけ
未済面積
三千二百余ヘクタール、植え
つけ
後の
用水不足面積
は、
枯死
または
枯死寸前
のもの四千百余ヘクタール、
用水不足
一万八千九百ヘクタールであります。 また、
全国
で第二位といわれる
カンショ
は、植え
つけ
後
活着不良面積
が二千八百余ヘクタールで、これは、約六〇%の植え
つけ済み面積
のうち三四%に及んでおります。
全国
一の
生産高
といわれる
落花生
は、植え
つけ
後
発育遅延面積
が七千五百余ヘクタールで、これは、約七〇%の
播種済み面積
の四二%に及んでいるのであります。 これらの
干害対策
といたしまして、
購入
した
揚水機
は九千百余台、これに要する
原動機
四千百台、合わせて四億五千万円、
借り入れ
た
揚水機
二千七百余台、
原動機
二千百余台、合わせて千八百万円、
応急工事
として、
さく井
八千八百カ所、一億八千万円、
水路
その他で一億一千万円、以上の
干害対策費
の
総計
は七億六千余万円に及んでおります。 また、五月三十日に本県を縦断いたしました
降ひょう
は、酒々井町、長柄町を
中心
に局部的に甚大な
被害
をもたらし、
被害総額
は一億円にのぼっております。 県におきましては、
昭和
三十三年以来という深刻な
塩干害
に対処するため、五月二十四日
塩干害対策本部
を
設置
して、諸般の
対策
に万全を期したのでありますが、全県的な
干害
のために、各所に
水争い
が起こったといいます。 特に問題となりましたのは、野栄町、光町から旭市周辺の
地域
で、この
地方
は、
大利根用水
が
塩害
のため
取水
できず、一方、
中小河川
にも、
砂利採取
による河床の
底下
が原因で
塩害
が発生し、
木更津方面
では、自衛隊の応援により、
河口
に土のうを積んで
塩害
を防いだといい、
塩害
は防げたものの、今度は
出水期
に水害の心配もしなければならない
状況
であったのであります。 天然の遊水池であるといわれる
印幡沼
からの
取水
も、
目下堤防
の
かさ上げ
をしているといいますが、先月二十四日に至り、一部を除いて
工業用水
の
取水
を全面的にストップし、
農業用水
のみに充てる
措置
がとられたのであります。
応急対策
としての
井戸掘り
、
ポンプ
、
ビニールパイプ等
についても、
技術者
並びに
資材
が払底し、
消防ポンプ
で水を繰り込んだところさえあったといいます。 このように、
水稲
の
塩干害
は申すに及ばず、渇水に強いとされる
カンショ
も、
水不足
で、ミミズが干からびたようなありさまとなり、一方、
工業用水
の節水及び
取水ストップ
は、深刻な事態を招くおそれを生じ、一時はまことに憂慮される
状況
であったといわれますが、ちょうどこの時期に
利根川上流
の
矢木沢ダム
の
放流
が行なわれ、これが
計画どおり下流
に到達したことによりまして、文字どおり一〇〇%の
効果
を発揮して、危機を脱することができたということであります。 私
ども
が参りました
時点
では、
関係者
の懸命な
努力
による
応急対策
と、
上流ダム
の
適期放流
に加えて、多少なりとも
降雨
があり、全県的に一応の
回復
が見られた
現状
でありまして、
知事
をはじめ
対策本部
の
関係者
に安堵の色が見えておりましたことは、まことに御同慶の至りであったのであります。
総額
八億円にのぼる
塩干害応急工事
に要した
費用
につきましては、県におきましても、
対策要領
を決定して
補助対策
を
推進
しておりましたが、県の
要望
といたしまして、これらの
費用
に対する国の十分なる
助成措置
があげられましたほか、特に、
知事
から次の三点について
要望
がなされたのであります。 第一は、
利根川河口
ぜ
きの工期短縮
についてであります。この
工事
は
昭和
四十五年までに
完成予定
でありますが、技術的に可能であれば、何とか一年短縮して
昭和
四十四年に完成されるよう
関係方面
の尽力が強く
要望
されたのであります。 第二は、
畑かんがい
の
推進
の問題であります。現在、
カンショ
、
落花生
を
中心
とした
畑作物
に加え、
都市近郊農業
としての
蔬菜類
を大
規模
に
推進
する必要があるが、
利根川
の
取水
に関して、ばく大な
経費
の
負担
は困難であるので、これの
負担軽減
をはかるとともに、北総
東部用水
の
推進
など、
畑かんがい
の実効ある
推進
が強く望まれていたのであります。 第三に、
大利根用水
につきましては、
土水路
が多いため、
河口
ぜきが完成いたしましても、十分なる
効果
が期待できない
現状
にあるので、
水路
の
整備
について、国の
助成措置
を強く
要望
するというのであります。 私
ども調査団
は、
県庁
において、以上申し述べました概況の
説明
を聴取した後、
現地
に向かったのでありますが、本日の
委員会
の時間の
関係
で、
委員長
のお許しを得て、その詳細につきまして、この原稿を
会議録
に
参照
としてとどめていただくようお願いいたしたいと存じます。 次に、
茨城
県について申し上げます。 県の
報告
による
干害
の
状況
は、六月六日現在で、
水稲
の総
被害面積
二万五千余ヘクタール、このうち植え
つけ
末
済面積
二千二百余ヘクタール、植え
つけ
後の
用水不足面積
は、
枯死
または
枯死寸前
のもの千七百余ヘクタール、
用水不足
のもの二万一千五百余ヘクタールであります。 これらの
干害対策
として、
購入
した
揚水機
二千余台、これに要する
原動機
千二百余台、合わせて約一億五千万円、
借り入れ
た
揚水機
は千二百余台、
原動機
六百余台、合わせて九百万円余、
応急工事
としては、
さく井
二千カ所七千八百万円余、
水路
その他で約二千六百万円、
干害対策費
の
総計
は二億七千七百万円ということであります。
降ひょう
による
被害状況
は、五月十四日の下館市ほか一市一町において一億九百万円余、五月三十日の
石岡
市ほか五町三村において二億三千万円、合わせて三億三千五百万円に及んでおります。 県におきましては、五月二十七日
干ばつ対策本部
を
設置
し、
施設
、
資材
の
補助
、
融資
など
対策
に万全を期し、
指導
を行なってまいったのでありますが、特に、この
災害
を契機として、恒久的に
災害
に対処するための、国の法令に準じた
条例案
を作成し、今次
災害
の
対策要綱
とともに、六月の県議会に提案の運びになっているということでありました。 県の
要望事項
といたしましては、 第一に、今次の
干ばつ応急対策事業
に対する
国庫助成
の
措置
を五割
補助
にされたいということであります。特に、今回は、
揚水機等
の
購入費
が二倍から三倍にはね上がり、一方、
さく井
の
費用
も、
技術者不足
と、岩盤に突き当たって
井戸掘り
が思うように進まないことなどから、どうしても
費用
がかさむ
実情
であるため、かりに五十%の
補助
がなされても、
基準価額
の
査定
にあたって、これらの事情が勘案されなければ、実質的には二、三割の
補助
にしか相当しないこととなるわけでありまして、
実情
に即した
助成措置
が強く
要望
されたのであります。 第二に、
被害農家
に対する再
生産
に必要な
資材
、すなわち、種子、農薬、
肥料等
に対する
助成措置
を講じてもらいたいということであります。 第三に、自
創資金
の
融資ワク
の
拡大
について、すでに
年度
当初において
ワク
の大半を消化しているため、
天災融資法
の
発動
など特段の
措置
により
ワク
の
拡大
をはかられたいということであります。 第四に、
地方税
の
減免措置
、第五に、
特別交付税
の
交付
について、それぞれ格段の
配意
が望まれたほか、
利根川
、鬼怒川の
上流ダム
の
放水量
を増加されたいとの
要望
があったのであります。 また、今次の
降ひょう
により全滅したスイカ、
トマト等
の
被害
につきましては、
果樹等
と並んで
共済制度
を考慮する必要が指摘されたのであります。 なお、将来の問題として特に強く望まれましたことは、
霞ケ浦
の利水の問題についてであります。 その
一つ
は、本
年度
で
計画調査
を完了する
石岡台地用水
の
早期完成
についてであります。同
用水
は、
石岡台地土地改良事業
の
一環
として、
県北
の九千ヘクタール、
うち水田
三千五百ヘクタールを
対象
とするもので、
用水
の幹線だけについてでも
早期
に実現するよう強く
要望
がなされたのであります。 いま
一つ
は、
霞ケ浦農業用水
についてであります。同
用水
は、
県西方面
の三万六千ヘクタール、
うち水田
一万六千ヘクタールを
対象
とするもので、現在
利根川水系
の
一環
として
調査
中であるとのことでありますが、これを来
年度
において
霞ケ浦農水
として、一本立てで
調査
を実施されるよう
要望
せられたのであります。
現地
の
状況
につきましては、
千葉
県同様、
参照
掲載していただきたいと存じます。 以上、二日間にわたり、
千葉
、
茨城
の両県における
干ばつ
及び
降ひょう
による
被害
の
実情
を視察いたしました結果感じましたことを一括して申し述べます。 まず、今次の
干ばつ
につきましては、昼夜を分かたぬ
応急対策
の浸透と、
利根川
の
上流ダム
の
適期放流
、加えて、ようやく
梅雨期
に入ったといわれる昨今、
水稲
を
中心
に、一応の
回復
が見受けられたのでありますが、これまでに至る各県、市町村などにおける
応急対策
に要した
経費
はきわめて多額にのぼっているのであります。したがいまして、これらの
費用
に対する
国庫
の
助成
は、従来の最高の先例に従って、五割
補助
を実施するよう
政府
に
要望
申し上げるとともに、
ポンプ等
の
購入費
、
さく井
に要した
費用
の
査定
にあたっては、
資材等
の値上がりを加味して、
実情
に即した温情ある
措置
が望まれるところであります。 さらに、将来にわたる問題といたしましては、
利根川河口
ぜ
きの早期完工
、
大利根用水
の
水路
の
整備
、北総
東部用水
並びに
石岡台地用水
、
霞ケ浦農業用水等
の
推進
について、
関係者
のきわめて熱心なる
要望
に接してまいったのでありまして、願わくば、
関係各省
におかれては、
現地
の
実情
を的確に把握されて、これらの
要望
に誠意をもってこたえられんことを切に希望する次第であります。 また、
降ひょう
による
災害対策
につきましては、本
委員会
におきましても再三論じられているところでありますが、この
災害
の特徴として、
被害地域
が局部的であるため、いかに
激甚
な
被害
をこうむりましても、
天災融資法
の
発動
が困難な場合があり、この点は全く
実情
に沿わないというべきでありまして、同法を再検討する必要が痛感されますとともに、現実に、
被災者
が希望する
自作農維持資金
の
融資ワク
の
拡大
が実現できるような、何らかの実効ある方策を検討する必要が痛感された次第であります。 終わりに、本
調査
に際しまして御協力を賜わりました両
県当局
をはじめ
関係各位
に深甚なる謝意を表しまして、
報告
を終わります。
田原春次
3
○
田原委員長
第二班、
細田吉藏
君。
細田吉藏
4
○
細田委員
第二班の
調査
の
概要
につきまして、御
報告
申し上げます。
派遣委員
は、
自由民主党
の
細田吉藏
、
日本社会党
の
渡辺芳男
君及び
民主社会党
の
小沢貞孝
君の三名で、ほかに
現地参加
の
議員
多数の
参加
を得まして、去る十日、
埼玉
県における
被害
の
状況等
を
調査
いたしてまいりました。
埼玉
県におきましては、五月中旬以降ほとんど
降雨
がなく、また例年よりも
平均気温
が高く、日照時間も多かったために、
水稲
の植え
つけ
時期にあたり深刻な
水不足
を来たし、県の
報告
によりますと、
水稲作付予想面積
七万八千二百ヘクタールのうち、
用水不足面積
は、六月一日現在で一万三千八百四十三ヘクタールに達したのであります。その後、
利根川
の
ダム放流
による
流量増加
並びに
関係者
の
用水確保
の
努力
によりまして、六月五日現在の
用水不足面積
は、三千六百二十五ヘクタールとなったのであります。 しかし、
利根川水系
の一部には依然として
取水
困難が続いており、
荒川水系
におきましては、
上流
二
瀬ダム
の
貯水量
が少なく、このまま推移すれば、田植えの
最盛期
となる六月中旬における
用水不足
はますます深刻化するものと憂慮されております。 県におきましては、
用水
を計画的、
効果
的に使用できるよう
指導
し、
早期栽培
が不能となった
地帯
には
品種変更
を行なう等の
技術指導
を行ない、県独自の予備苗しろを作って苗の
確保
をはかっております。 現在までにとられた
揚水機導入
及び
井戸掘り等
の
実施状況
は、
ポンプ
の
購入
百四十九台、
借り入れ
百六十一台、
原動機
の
購入
六十六台、
借り入れ
百四十台、
井戸掘り工事
百十三カ所、
水路
の掘
さく
八百八十メートルとなっております。 なお、苗しろの
水不足
と苗しろ日数の
長期化
により、病虫害の発生が憂慮されておりますが、すでにヒメトビウンカが多発しておりまして、一斉
防除
を行なっておりますが、さらに
防除
を強化する必要があると思われます。 県の
要望事項
といたしましては、
用水不足解消対策
に対する
高率
の
助成
を行なうことが第一であります。すなわち、
用水取り入れ導水路
の掘
さく
、
動力線
の架設、
送水管
の
設置
、
揚水機場
の
設置等
の
用水確保
のための
工事
に必要な
経費
、
揚水機等
の
購入費
及び賃借に必要な
経費
、
動力用燃料費
及び
電力費
、
井戸
その他
用水確保
に要する
施設費
に対する
助成
であります。 第二に、
干害地帯
の広域一斉
防除
を実施するための
経費
について
助成措置
を講ずること。 以上であります。
降ひょう
の
被害
につきましては、
埼玉
県は
連年降ひょう
により多大の
被害
をこうむっているのでありますが、今年もすでに五月十四日及び六月五日に
県北
、
秩父地方
に
降ひょう
があり、麦、
蔬菜
、
果樹
、
桑等
に一億二千万円に及ぶ
被害
が発生しており、今後の
降ひょう
の
被害
を考えるとき、これが
被害農家
に対します
救済措置
を講ずるとともに、当面、
低利資金
の
融資
、特に
天災融資法
の
適用
、
共済金
の
早期支払い
についての
要望
がなされました。 以上の諸点につきまして、
埼玉県庁
において、
知事
をはじめ
関係者
から
説明
を聴取した後、
被害現地
におもむきまして、
利根川
の
水位低下
により
取水
困難となっている古
利根樋管
及び
川妻樋管
において
地元関係者
から
説明
を聴取し、
春日部農協
において、
春日部
市、岩槻市、越谷市等の
市当局
並びに
関係者
から
説明
を聴取した後、
春日部
市谷原新田の亀裂を生じている
水田
の
状況
を見てまいったのであります。 なお、われわれの
調査
いたしました以後十日に
県下平均
で九ミリ、十一日以降浦和で一・九ミリ、
熊谷
で十二・二ミリ、
秩父
で五ミリ、久喜で〇・五ミリの
降雨量
がありましたが、
用水不足
の
解消
にはなおほど遠く、
利根川
の
矢木沢ダム
第二次
緊急放流
による
取水
によって現在植え
つけ
が進められていることを申し上げ、
報告
を終わります。
田原春次
5
○
田原委員長
これにて
派遣委員
よりの
報告
は終わりました。
派遣委員各位
にはまことに御苦労さまでした。 なお、ただいまの第一班の
派遣委員
の
報告
中、お
申し出
のありました部分について、
参照
として
会議録
に掲載することに御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
田原春次
6
○
田原委員長
御
異議
なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
——
——
◇—
——
——
田原春次
7
○
田原委員長
質疑の
申し出
がありますので、順次これを許します。
小沢貞孝
君。
小沢貞孝
8
○
小沢
(貞)
委員
いまの視察の
報告
にもありましたように、
細田班
に加わりまして
埼玉地方
を視察し、あるいはまた、日曜等を利用して私は郷里の長野県の一部等を視察してまいりましたが、以下、
農地局
、
林野庁
、それから自治省
——
関係者
出ておられますか。
田原春次
9
○
田原委員長
出ております。
小沢貞孝
10
○
小沢
(貞)
委員
最初
に
農地局
のほうへ御質問いたしたいと思います。 この
干ばつ
について、
農地局
は、最近何か、
指導要領
といいますか、
通達
といいますか、そういうようなものを各
地方農政局
へ出したようでありますが、その
内容——概略
でけっこうですが、
最初
にそれを御
説明
いただきたいと思います。聞いたところによると、六月五日、
局長名
で
通達
を出してある、こう聞いておりますが、
概略
の
内容
を御
説明
いただきたいと思います。
佐々木四郎
11
○
佐々木説明員
今回の
干ばつ
に際しまして、去る六月五日に、
農地局長名
をもちまして、
干ばつ対策
に対しますところのいろいろな
指示
の
通達
を各
地方農政局長あて
にいたしたわけでございますが、その
内容
の一番重点は、今回の
干害対策
に対しましては、
応急対策
といたしましてこれに要した
経費
の問題につきまして
指示
をいたしております。これは、従来この種の
干ばつ
が起こった場合には、ある国の
助成
をやってきておりましたが、今回の
干ばつ
に対しましてもそういう
助成
をするような
措置
をやりたい。これは、現在
干ばつ
がなお進行中でございまして、各
地方
では、先ほどのお話にもございましたように、それぞれの
地域地域
で
ポンプ等
の
応急対策
を講じておりますので、これが一段落した
時点
におきましては、一定の手続を経まして、その総体の額がどれぐらいになるか、
規模
がどれぐらいになるかということがわかってまいります、そういう
段階
で、従前の例にならいまして
助成
の方法を講じていきたい、こういうことを各
地方
に通知いたしました。そういう趣旨でございます。
小沢貞孝
12
○
小沢
(貞)
委員
いまの
報告
にもありましたように、各地区においては、必死になって、
応急
の
対策
として、
ポンプ
を据え
つけ
たり、
井戸
を掘ったり、
水路
を開設したり、こういうようなことをやっておるわけです。それで、五月三十一日の
災害対策特別委員会
でも御
説明
があったと思いますが、それに対して国からは四割の
補助
を出す、これは平
年度
においてはそういうようにいたしたい、こういうように言明されております。さらにまた、当日だと思いましたが、
松井課長
からは、いわゆる
激甚法
の
適用
を受けるような場合には、その
助成
は五割である、こういうようなぐあいに言っておられるわけです。その点ちょっと確認しておきたいと思いますが、そのとおりでよろしゅうございますか。
佐々木四郎
13
○
佐々木説明員
激甚災害
といたしまして
高率補助
をいたすかどうかということにつきましては、いまの
段階
ではまだわかりませんけれ
ども
、現在までの
情勢
でございますと、
全国
的にこの
干ばつ
は広がってきておりまして、その
規模
は相当大きくなってきておりますので、この
情勢
がさらに続いていくならば、
激甚災
に当然なるのではないかというふうに考えておりますが、現在の
段階
ではまだはっきりそれがつかめておりません。
小沢貞孝
14
○
小沢
(貞)
委員
補助率
のことは五割でいいわけですね。
佐々木四郎
15
○
佐々木説明員
もし
激甚災
ということがはっきりいたしますならば、過去におきましては
——干ばつ
の問題は、特に制度的にどうというようなきまりがございませんで、その
年度
で発生した
干ばつ被害
の
状況
に応じて
予算措置
をとっておりますが、過去の例では、三十九年にその例がございました。その
時点
では五割の
補助
をいたしましたので、そういう
前例
がございますから、今回もそういうことは可能ではないかと考えております。
小沢貞孝
16
○
小沢
(貞)
委員
それはやはり
政令
で
指定
しなければならないわけですか。
佐々木四郎
17
○
佐々木説明員
政令
の
指定
はやる必要はございません。
小沢貞孝
18
○
小沢
(貞)
委員
そうすると、ことし
激甚法
の
指定
を受けるか受けないかというその
めど
は、この
干害
についてはどういうような
めど
を立てているか、あるいは三十九年の例にならってやる、こういうような
通達
でありますので、三十九年のときには
激甚
としてどういうように
指定
をされておるか、ことしもまた三十九年と同じような
被害
の
状況
であるならば
指定
されるか、その
めど
といいますか、
指定
するその
条件
といいますか、
被害額
、そういうような点につきましてちょっと御
説明
いただきたい。
佐々木四郎
19
○
佐々木説明員
三十九年の例を御参考までに申し上げますと、三十九年のときにいたしました
激甚
の
基準
といたしましては、
全国
に発生いたしました
干ばつ
に対して
応急対策事業費
がかかっているわけでございますが、その
対策事業費
の
査定額
の
全国合計
が、その年の
——
三十九年の
農業所得推定額
の〇・一五%をこえて、かつ、その上なお、
一つ
の県の
対策事業費
がおおむね一億円をこえるもの、あるいはまた、
一つ
の県のその年の
——
この場合は三十九年でございますが、
農業所得
の
推定額
のおおむね〇・二%をこえるもの、少し込み入っておりますが、そういういずれかの
条件
を満足する県が
全国
で十県以上あった場合には、
当該県
の
補助率
を五割にいたします、こういう規定が三十九年の
激甚災
の
干ばつ
に
適用
されております。
小沢貞孝
20
○
小沢
(貞)
委員
そういうことになると、いずれにしても、いま御発言のありました
基準
にことしもなれば、これは
農地局長
の
通達
にもあるように、干
がい応急対策事業
に要した
経費
の
助成
については、原則として過去の例に準ずるとありますから、ことしも、いま言われたような
額——
ちょっと二、三項目があってめんどうくさいのですが、それに相当すれば
激甚指定
を受ける、こういうことをちょっと念を押しておきます。
佐々木四郎
21
○
佐々木説明員
ことし四十二年、それから三年前の三十九年とは、
時点
が違いまして、三十九年のときに考えられました
全国
の
農業所得
の
推定額
とか、そういうものも変わってきておりますので、その辺がどういうことになるかわかりませんけれ
ども
、もし三十九年の
前例どおり
ということになりますならば、そのようなことが考えられるんじゃないかと思っております。
小沢貞孝
22
○
小沢
(貞)
委員
そこでお尋ねしたいのは、最近の
干害
の
状況
、
全国
の
集計
その他進行しつつあるようですから、途中の
集計
だと思いますが、大体どういうようになっておるでしょうか。この
激甚
の
指定
を受けられるか受けられないかということの参考にしたいので、それに沿うような
説明
をちょっとしていただきたいと思います。
佐々木四郎
23
○
佐々木説明員
この種の緊急な
災害
が発生した場合に、私
ども
のほうでは
全国
から概算の
報告
をとっておりますけれ
ども
、今日まで参りました
報告
では、全
被害面積
が約三十八万六千ヘクタールに及んでおりまして、これに対しまして、先ほどお話がありましたように、
水路
の掘
さく
とか、
井戸掘り
とか、あるいは川の中の水の流れを変えるとか、
ポンプ
を
つけ
るとか、あらゆる
対策
を講じております。この県の
報告
の総体は、いまのところ、概算
報告
でございまして、はっきりいたしませんけれ
ども
、約三十二億ぐらいになっております。これはまだ
査定
もいたしておりませんし、当然今後正式な申請書類等もとって確認しなければいけませんけれ
ども
、この概算
報告
なるものは、急場の場合でございますので、どの程度の正確さがあるか、ここらにまだ十分検討の余地がございます。そういうところでございますから、これがいまお尋ねの
激甚
に該当するかどうかということについては、まだちょっと判断をしかねております。
小沢貞孝
24
○
小沢
(貞)
委員
三十九年のときのこういうような
応急対策
の事業費は幾らになったわけですか。この前の
委員会
では、たしか二十八億とかいうような御発言があったようですが……。
佐々木四郎
25
○
佐々木説明員
二十八億です。
小沢貞孝
26
○
小沢
(貞)
委員
それから、この事業費が一億円以上の県が十県なければいけない、それから、
一つ
の県の
農業所得推定額
の〇・二%をこえなければいけないわけですね。そんなようなことだと思うのですが、ともかく、
応急
事業費として各県から
報告
になったのは、一億円以上のところは何県あったか、ちょっとお知らせいただきたいと思うのです。
佐々木四郎
27
○
佐々木説明員
いまちょっと拾ってみますと、大体十県ぎりぎりぐらいのところだと思います。ただし、先ほど申し上げますように、これは県の
報告
をなまに聞いてあげただけの数字でございまして、これは当然
査定
されてくるわけでございますので、これがそのまま一億以上というふうになるかどうか、それはまた問題は別でございます。
小沢貞孝
28
○
小沢
(貞)
委員
農業所得推定額
のほうからの十県以上というようなものは、いまの状態では簡単にはわかりませんか。現
時点
で進行しつつある状態ですから、ちょっとわかりませんか。
佐々木四郎
29
○
佐々木説明員
農業所得
の
推定額
のほうは、いままだちょっとそこまで資料を整理しておりませんが、
対策事業費
のほうだけは、概算でございますが……
小沢貞孝
30
○
小沢
(貞)
委員
実は各県とも、これが四割の
補助
になるか、三十九年に準じて五割の
補助
になるかということが重大な関心事だと思います。たとえば私のほうの長野県は、この十幾日からか、県会で、副
知事
の選任なんかとともに、やはりこの
干害対策
などが非常に大きなテーマになると思います。したがって、一般のときの四割なのか、
激甚
によって五割になるかということは、非常に重大な関心事だと思うわけです。早くその
めど
を
つけ
ていただくということが、その
干害対策
を進める上においても非常にいいのではないか、われわれはこういうように考えるわけです。 いまいろいろの数字をお聞かせいただくと、ことしは
被害額
は三十二億ということで、
昭和
三十九年の
激甚
のときよりも、これは
査定
をしてないでしょうけれ
ども
、四億も五億も
被害
が多いわけです。それから、一億以上の県が十以上なければいけないということについても、どうも該当していると思うし、さらに、昨今の状態では、
被害
はだんだんふえるとも減るような状態にはないので、これらの数字をわれわれが聞いたところによれば、ことしの
干害
においては、当然
激甚
ということで
高率補助
を受けられるのだ、こういうように理解できそうなんですが、大体そういうことになりそうでしょうか。
佐々木四郎
31
○
佐々木説明員
いまの傾向では、
被害
が西日本のほうにだんだん広がりつつありまして、
干ばつ
災害
が
拡大
する傾向にございますが、一方においては、また、四十二
年度
という年における
農業所得
の
推定額
も、三十九年からすれば当然これはふえるわけでございますので、その両方の因子が働きまして、かりに三十九年と同様の
基準
を
適用
されるといたしましても、先ほど来申し上げますように、もう少し
情勢
の推移を見ませんと、いまの
段階
では、いずれになるか、ちょっと判断しかねるかと思います。
小沢貞孝
32
○
小沢
(貞)
委員
そうすると、これはだれがどこでどういうふうにきめるわけですか。農林省と大蔵省で相談の上ということになるわけですか。そうして三十九年のときはこのくらいだから、ことしはまあこのくらいでいいだろう、こういうようなことで大福帳式にきめるわけですか。過去の例に準じてと、こういうようにありますから、いま質問して、その
被害
の
状況
から見ると過去の例に準ずる、こういうように明確にしてあるところを見れば、われわれが考えてみて、当然
激甚
ということになってしかるべきだ、こう思うわけですが、そのきめ方は、だれがどこでどういうようにきめるわけですか。
佐々木四郎
33
○
佐々木説明員
これは三十九年の例でも、先ほどお話申し上げましたように、非常にこまかいきちんとした規定をつくって
激甚災
にしておるわけです。今回も、いいかげんなきめ方ではないとわれわれは判断いたしますが、当然、これは私
ども
だけできめられることではございませんで、大蔵省の財政当局とも御相談しなければならぬ。 何回も同じことを申し上げて恐縮でございますけれ
ども
、過去の例に準じてということは、過去の例のとおりという意味じゃございませんので、過去にもそういう例がございましたので、それに準じて処理したいというのが
農地局
としての態度でございます。
小沢貞孝
34
○
小沢
(貞)
委員
三十九年のときは四月から九月までの累計をとったと聞いておりますが、そうですか。
佐々木四郎
35
○
佐々木説明員
そのとおりです。
小沢貞孝
36
○
小沢
(貞)
委員
何か気象庁の長官の御託宣なんですが、まだことしは九月にだいぶ
干害
がさらに続くのだ、こういうようなことを参議院で言明されておるし、ことしも三十九年に準じて九月か十月までのトータル、こういうことになれば、もう
被害
その他については三十九年の五割増しあるいは十割増しというようなことになるのは当然のように考えられるわけです。だから、そういうようなことから言えば、ことしもまた
激甚
ということで
高率補助
をしていただいて当然ではないか、こういうようにわれわれ考えるわけですが、いまのお話によると、大蔵省とも御相談の上とありますが、大蔵省の主計官、どうでしょう。いままでの話を聞けば、ことしは当然
激甚
ということで
指定
を受ける可能性がある、こういうように私たちは考えるわけですが、御見解を伺いたい。
嶋崎均
37
○嶋崎
説明
員 ただいま農林省のほうからお答えがありましたように、ことしの
災害
は、日を追うごとに、また、田植えの時期が進行していくごとに、
被害
が西のほうにだんだん広がって、その西のほうからの
被害
報告
というものが
被害
金額に反映してきていると聞いております。一応われわれも、農林省のほうからは県
報告
の数字がどの程度になっておるかということについて常時連絡をとっておるわけでございます。いろいろな考え方はあるだろうと思いますけれ
ども
、
激甚
の
かさ上げ
補助率
を使うにつきましては、
激甚災
法の
適用
のときのいろいろな
基準
というようなものを考えあわせて三十九年のときにはつくられておるわけでございまして、全体の
災害
の法体系の中でどういうぐあいに考えていくかということを
基準
にして、
補助
をどうするかということの考え方が策定されていくというふうに聞いておるわけでございます。そういう
状況
でございますので、
一つ
は、その当時の
報告
というのは、県
報告
ではなしに、
農地局
のほうでいろいろ調べていただいた
査定
後の
——
査定
数というのは、何も削るだけじゃなしに、要するに、適正な事業量というものを把握して、その上で行なわれるわけでありますので、そのことが各県のバランスその他の問題に響いてくると思いますから、そういう
調査
をやるわけであります。その数字が固まれば、私のほうは順次取り扱うということについては
異議
はないという旨を農林省のほうに連絡し、そういう考え方が、先般の
農地局長
の
通達
にありますように、従前の例に準じてやっていこうという取り扱いになっておるわけでございます。現在の
段階
で私のほうで言えるのはそこまででございます。将来の予測としまして、もしもこのままの気象
状況
が御指摘のように続くということになりますれば、
適用
の可能性というものはそれに従って大きくなっていくというぐあいに判断をしておるわけでございます。 いずれにしましても、いろいろ私のところに陳情に来られる県の方々にも私お話を聞いておるわけでありますが、われわれ仕事をやっていく場合に非常に大事なことだと思うのですけれ
ども
、やはり県なり市町村なり、地元におられて、具体的に、どういう便法を使い、どういうことになってやっておるかということが一番わかるわけでございまして、そういう意味で、事業量把握という意味でも非常に関心を持っておるわけでございます。そういうことで、県単でたとえば二分の一まではやるんだということを言っておられて、一〇%くらいは県が
負担
をする、そういうことによって適正な運用ができるんだというようなことで、まことにそういう施策はけっこうなことじゃないか。もちろん、国として、県が一〇%持ったから、だから四〇%を五〇%に上げるのはいやだというようなことを決して言っているわけではない。もちろん、
被害状況
に準じて扱うわけでございますが、県もそういうふうにやっていただくと、非常に処理が適正になるというのが、従来の農林
関係
の
補助
を見た私らの感覚でございますので、結果的には、農民の方々は、そういう処置を講じられた県については、そう御心配のような
状況
にはならないのじゃないかというぐあいに判断をしておるわけでございます。
小沢貞孝
38
○
小沢
(貞)
委員
地方
において大体なりそうだと大蔵省さんも言っておられるようなので、これ以上はどうもしようがないと思うが、私の聞いているのは、どこでどういう
基準
できめるのかということが、大蔵省のほうは農林省から、農林省のほうは大蔵省からということで、どうもそこがつかめないわけですね。一体何と何があったら今度の
干害
は
激甚
の中に入れるのだ、こういう、大福帳的でなくて、相談したときに、やりましょうか、やりますというような何か
めど
はないか、
基準
はないのですか。
嶋崎均
39
○嶋崎
説明
員 何か非常にぐにゃぐにゃしていて、その場その場で答えを出しているような御感覚に受け取られているようですが、決してそういう意味ではございません。先ほど来農林省のほうから御
説明
がありましたように、
補助
対象
の事業費の
全国
の合計というのが、
農業所得
の〇・一五%という、
激甚災
の
基準
のほうからきている
基準
でございますが、それを
適用
しますと、大ざっぱな見通しで、約三十一億くらいの数字になるだろうと思うのです。もちろん、今後米価の値上げとか、いろいろな価格の問題とかがありますけれ
ども
、現
時点
における見込みというのはそういうことだろうと思うのです。したがって、その
基準
を非常に引き下げようというふうなことを私何も言っておるわけじゃなしに、やはりそういう
基準
があるならば、そういう
基準
は尊重していきましょうというぐあいに考えておるわけです。 それからまた、
激甚災
法の規定は、一県十億以上というようなあれがあるわけでございますが、農業、ことに
干害
というような場合には、一県十億というようなことはなかなか考えられない。したがって、県を広くとりまして、国民経済的な影響というようなことを考えるわけですから、県が十県でともかく十億になればそれでよろしいというようなことで、横の広さを加味しまして考えた
基準
を入れ、さらに、一県一億といっても、
農業所得
の大小もあるでしょう、したがって、
農業所得
のわりあい少ないところについては、一億未満の場合でも、〇・二%以上になれば、それは一億の県と同じような扱いで一県に数えましょうというような
基準
をつくっておるわけでございます。その
基準
は、これは経済的によほどおかしいというようなことがない限り
——
私はそんなものはないと思いますが、
基準
を変えるつもりはない。ただ、言いたいのは、結局、三十九年のときもそうでございますが、春先だけの
干害
ではなしに長期間をとっておるということをどこまで流用して考えるのか、気象の
条件
というものは非常に微妙でございまして、そういっておっても、さっと降ってくるかもしれない、それで中断されてまた別の形で
干害
というものはくるのかもしれない、そういうときに、どの辺、どの範囲で締めくくって考えるか。やはり
災害
というのは、
一つ
の
災害
ごとに判断していくのが事柄の筋だろうと思いますが、そういう連続性をどこまでつかめるかというようなことがからんできて、実際具体的にあがってくる数字のほうの判断が、結局、正確な
報告
が固まるという形においてまだ明確な話ができないというだけの話でございまして、
基準
そのものをネゴシエートでどうこうするというような
——
もちろん、従前の例にあるかどうかということについては、農林省と大蔵省の間で十分折衝して、そういう形でやろうということで踏み切っているわけでございます。したがって、問題は、
被害額
自体がどういう形になるか、それから各県の
状況
というものはどういうことになるのかというようなことだけが残された問題だ、非常に簡便に言えばそんなことだろうというぐあいに思っておりまして、決して何かふにゃふにゃやっておるというわけではないわけでございます。
小沢貞孝
40
○
小沢
(貞)
委員
私たちは、過去の例に準じてやれば、おそらく、いまの
被害状況
の進行だと、
激甚
のそれになるのだろう、こう信じますから、それはなるべく早い時期に大蔵省と農林省と御協議いただいて御決定をいただくことが、
地方
に対しても非常に親切なことだ、こう思いますので、その点を希望して、次に進みたいと思います。
水稲
についてはたいへん関心を持っていま論議されておりますが、一般農作物
——
トマトを植えたけれ
ども
、みんな
枯死
してしまったとか、モロコシも枯れてしまった、こういうような場合に、
水路
をつくるとか、かん水をするとか、
応急
の
対策
をいろいろやらなければならぬ場所が出てくるのだが、これもやはり
水稲
と同じように、そういう
施設
に対しては
補助
その他は準じてやられるわけですか。
佐々木四郎
41
○
佐々木説明員
畑作物
につきまして
干ばつ
が起こった場合にどうするかということに対する態度でございますが、一般的に申し上げますと、畑作につきましては、かんがい
施設
がある場合には、その区域において
干ばつ
が起これば、その
干害
地域
に対して
水路
を掘るとか、
ポンプ
を増設するとか、いろいろなことをやりますので、それを
助成
してきたというのがいままでの例でございます。全然かんがい
施設
がない畑、こういう
地帯
にまでそれを及ぼすかどうかということは、これは畑と
水田
の性格的な違いもございまして、そういう
地域
にまで及ぼすかどうかにつきましては問題がございますけれ
ども
、かんがい
施設
等、いまではかなり畑地についても行なわれておりますし、それからまた、本来的には、畑に対しましては、いわゆる畑地かんがい
施設
というものを別に土地改良事業のほうで
推進
していって、なるべく畑作の振興、畑の土地の
生産
力の増強、こういうものをはかっていくのが本来的な姿ではないか、こういうふうに考えます。
小沢貞孝
42
○
小沢
(貞)
委員
時間がないので、たくさんありますから、次に進みたいと思いますが、実はこういうことをやっているわけです。表流水でいままで二十町歩、三十町歩かんがいをしておった。ところが、
干害
でだめだ。ここは地下水が地下百メートルでなければ出ないということは、付近の者はみんなわかっている。過去においても、その付近で百メートルぐらい掘ったら水が出て、それでやった、こういうようなことから、
干害
だとわかったとたんに、百二十メートルの
井戸
を掘ろうということで、昼夜兼行でやっておって、今月末までに水を揚げればいまの状態では間に合うというようなことで、五百万も六百万もかけて掘って、ことしの
干害
の
応急
に間に合うわけです。ところで、それは来年再来年は表流水で間に合うだろうが、その次の年に
干害
がきた場合には、またその
ポンプ
を使えば間に合う。
応急
でやっても、恒久
対策
も兼ね備えている、こういうかっこうになっているわけですね。そういう場合には、いまここでいう
補助
の
対象
に
——
これは国民経済的に見ても、いいことなので、私の地区のほうでは、今井とか、壽とか、そういうところでは、三百万、六百万かけてそういうことを昼夜兼行でやっているわけです。そうすると、二年か三年ごとにくる
干害
に対しても恒久的な
施設
として存置できるのだ、こういうことになって、なかなか度胸があって、うまいことをやったものだ、こう思うわけです。こういうことは当然
補助
の
対象
としていいわけですね。
佐々木四郎
43
○
佐々木説明員
いまのお話、
水田
に対して現在地表水でかんがいしていて、それが渇水になって水が足らなくなって、
井戸
を掘って、それから水を揚げる場合、それが二十町歩、三十町歩の場合といたしますれば、現行の
補助
の体系では、団体営の
補助
の
対象
になり得る、こういうように考えております。
小沢貞孝
44
○
小沢
(貞)
委員
それでは、
林野庁
のほうへお尋ねをいたしたいと思います。 ことしは森林
関係
にもたいへんな
被害
を及ぼしているわけです。どうも私のほうの長野県ばかりかと思っておったが、静岡その他にもあるようなんですけれ
ども
、これに対して、
被害
の
状況
、過去においてどういうような方法を講じたか、ごく簡単に御
報告
いただきたいと思うわけです。
大塚武行
45
○大塚
説明
員 お答えいたします。 今度の
干害
につきましては、今
年度
の新植地において相当量の
干害
が出ておるということは聞いておりますが、詳細な
調査
資料の
報告
がまだ参っておりません。大体相当な
被害
を受けていると思われます県は、いまのところ八県ばかりございますけれ
ども
、数量についてはまだ
報告
が来ておりません。 次に、過去においてこういうことについてとられました
措置
でございますが、
昭和
三十九年の凍霜害の際におきまして、造林
補助
金として特別の
措置
がとられております。通常、この造林の
補助
金は、植栽後一定の活着率以上に活着いたしまして成林した場合に
補助
金を
交付
するということになっているのでございますが、三十九
年度
の凍霜害の際には、植栽後まだ
補助
金の
交付
以前において
災害
をこうむったというようなことがございまして、それで特別な
措置
がとられたわけであります。 〔
委員長
退席、佐野(憲)
委員長
代理着席〕 その
内容
を申し上げますと、第一点は、三十九
年度
の植栽地であって凍霜害による
被害
を受けた場合には、活着率のいかんにかかわらず
補助
金を
交付
するということ、それから第二点は、その
補助
金の
交付
を受けた者であって、その以降おおむね三年以内において
応急
造林、いわゆる改植と申しますが、それを実施した場合に、五〇%以上の枯損を受けて改植した者については再度
補助
金を
交付
するということであります。それから第三点は、このような二つの
補助
の
交付
を受けていない者であって、しかも当
年度
植栽以外でありましても、五〇%以上の枯損を受けて改植をする際には、
補助率
を一般よりも高めまして
助成
をいたしております。 なお、このような
措置
は全部やったのではありませんで、特に凍霜害の
被害
が大きかった十県に対しまして、しかもその県内において、市町村単位に見ました場合に枯損率が二〇%以上であって、その面積が二十ヘクタール以上あるような市町村内の
被災者
に対しましてこの
措置
がとられております。
小沢貞孝
46
○
小沢
(貞)
委員
三十九年のときとことしの
現状
は全く同じようで、ことしの春植えたので、たとえば長野県のごときは、活着率七割以上でないと
補助
金をやりません、それも検査はこれからで十月ごろまでやります、こういう
状況
になっておるわけです。もう明らかに活着率ははるかに低下しているという
現状
であるわけです。だから、いま県の治山課等で非常に心配しているのは、三十九
年度
のときと同じように、ことしもいまの二つ三つの
基準
——
繰り返して申しませんけれ
ども
、活着率のいかんにかかわらず、ことしやったものについては
補助
金を出す、それから改植した場合にも、ことし、来年というわけにはいかぬから、三年以内ならば再
補助
をする、こういうようなことについて、これはやはり早く
指示
しないと、非常にその問題についていま迷っておるというのが
現状
ではなかろうかと思いますが、これは
激甚
というような
指定
を受けるような時期ですから、当然
林野庁
においても三十九年に準じてやるのだ、こういうことでよかろうかと思いますが、そういうことでいいでしょうか。
大塚武行
47
○大塚
説明
員 先ほ
ども
申し上げましたように、細部の
被害状況
の
調査
はまだ終わっておりませんが、早急に
調査
をするように各県のほうにも連絡をとりまして、その上におきまして、三十九
年度
の
災害
のときと同様な
措置
がとれますように、大蔵省と十分に協議の上実施をする方向で検討したいと思います。
小沢貞孝
48
○
小沢
(貞)
委員
時間がありませんので、
林野庁
関係
については、すみやかに
被害
を的確に把握していただいて、三十九
年度
と同じような
措置
を講じていただくことをお願いしておきたいと思います。 それでは、次に自治省
関係
についてお尋ねしたいと思います。 各県においては県
負担
、あるいは町村においては町村
負担
で
災害対策
を盛んにやっておるわけです。
交付
税法によれば、その
災害
に対して特別
交付
金を
交付
する、こういうように規定されておると思いますし、また、この
被害
を受けたような山間僻陬の町村においては、この特別
交付
金の額のたくさんくることを非常に望んでおるわけです。自治省としては、どういうような方法でこの特交は計算されておるか、的確に
災害
のところに特別
交付
金が増額されていくかどうか、私もしろうとでどうもよくわかりませんので、その辺をひとつ御
説明
いただきたいと思うわけです。
首藤堯
49
○首藤
説明
員 いま御説にございましたように、冷害、
干害
、凍霜害、こういったような農作物
関係
の
被害
に伴いまして
地方
公共団体の必要とします財政需要に対しましては、
特別交付税
をもって
措置
しておるわけでございます。
地方
公共団体の財政需要は、そういった
被害
に対応いたします各種の
国庫
補助
事業等の
地方
負担
、これがありますことはもとよりでございまして、そのほかにも御指摘のような数多くの単独事業があるわけでございます。それに対しまして
特別交付税
は、簡単に申しますと、二つの方面から
措置
をしておるわけでございまして、まず一点は、冷害、凍霜害、
干害
、そういった農作物
被害
に対しまして、その
被害総額
の一定のパーセンテージ、こういうものを客観的に把握されました当該団体の財政需要額、こういうように見まして
措置
をしますのが一点でございます。それからもう一点は、
国庫
補助
事業等がございますと、それの
地方
負担
があるわけでございますが、その
地方
負担
額に対しまして一定の比率の
措置
をする、こういうかっこうで
特別交付税
を配分いたしておるわけであります。 なお、このほかにも、このような農業
災害
に伴いまして
天災融資法
等の
発動
がございました場合には、そのようなものの利子補給、損失補償、こういった額につきましても同様一定の比率を乗じまして
特別交付税
の
措置
をいたしておるわけでございます。
小沢貞孝
50
○
小沢
(貞)
委員
特交のこういう
基準
で配分したということは、町村はよくわからないわけです。とにかく、
災害
で何らかの金をくれるということは法律にうたっているが、特交の算出基礎というものは、一体どういうものを算出基礎としてやっているかということは、県も市町村もよくわからない、こういう実態ではないかと思いますが、大体特交の予算はことしは幾らあるわけですか。当初予算において所得税と酒税と法人税の百分の六が特交だと思いますが、その額は幾らですか。
首藤堯
51
○首藤
説明
員 今
年度
の
特別交付税
の額は五百三十五億ということでございます。 それからなお、前段御質疑のございました算定の方法について府県、市町村がよく知らないのではないかということでございますが、これはよく知っておるはずでございます。具体的に申し上げますならば、先ほど一定率と申し上げましたが、
被害額
に対しまして県も市町村も同率でございまして、〇・五%ずつ、両方で一%に相なります。これが全般の包括的な
措置
でございます。それから、
国庫
補助
事業がございました場合には、その
地方
負担
額の七割、これが
特別交付税
の算定の額になっております。
小沢貞孝
52
○
小沢
(貞)
委員
ことしの特交の
ワク
は五百三十五億。昨年は……。
首藤堯
53
○首藤
説明
員 昨年は四百六十九億でございます。
小沢貞孝
54
○
小沢
(貞)
委員
そこで私ちょっとお尋ねしたいのだが、
地方
団体に対して
交付
すべき
昭和
四十一
年度
分の
特別交付税
等の額の算定に関する省令、県に出すのは、これの第二条ですか。そうですね。
首藤堯
55
○首藤
説明
員 そのとおりでございます。
小沢貞孝
56
○
小沢
(貞)
委員
そうですね。 そこで、一号、二号、三号とあるのですが、この一号のほうは、普通
交付
税と同じような、警察の職員の増員があったとかいうようなことで、合理的な算出基礎の上に立ってコンスタントに積み重ねて出されているのだから、これはもうどこでもわかることではないかと思います。一号のほうはそれでいいわけです。普通
交付
税と同じような算定の基礎に立って
特別交付税
の一号のほうは出している。ところが、いま言われるのは、どこにもその率をうたってもいなければ、何もないわけなんです。私の聞くところでは、第二号のほうで、「風水害、冷害、凍霜害、ひょう害、
干害
等による特別の財政需要があること。」という中に含まれてそういうものが出されるのだ、こう聞いておりますが、そういうことなんですか。
首藤堯
57
○首藤
説明
員 そのとおりでございます。
小沢貞孝
58
○
小沢
(貞)
委員
そうすると、私は、一号と二号とを比較してみれば、一号のほうは合理的な算出基礎の上に立っているから、これはまあわかる。二号のほうは、何か腰だめみたいに見えてしょうがない。凍霜害、
干害
等については
措置
する、こうあるのだけれ
ども
、腰だめ的に見えてしかたがない。いま言うように
被害額
の県が〇・五、市町村が〇・五で、
国庫
補助
のあったものについては
地方
負担
分の七割、こういうように明確にしていただいたので、私もよくわかるわけなんですが、そうすると、
全国
的に
激甚
というような年で
被害
がだんだん多くなっていった、こういうことになると、一号は、こういう積み重ねによって、もうこれは積算で出てきますから、幾らと出ちゃう。ところが、二号でもってやるほうは、
ワク
は、さっき聞いた五百三十五億という
ワク
できまっている。こういうことになると、凍霜害、
干害
等で〇・五ずつ県と市町村に出します、それから
地方
負担
の〇・七を出します、こう言っても、
ワク
が一定であれば、出したくも出せないのだ、こういう結果になると思いますが、一体そこは納得のできるような御
説明
はできるものですか。
首藤堯
59
○首藤
説明
員 理論的には、先ほどおっしゃいましたようなことがあり得るわけでございますけれ
ども
、二号の中でも、いま御指摘の風水害、冷害、凍霜害、このような
災害
関係
のものにつきましては、
特別交付税
の性格上優先的に
措置
すべきものである、このように心得ております。したがって、これで算出をしました額で
特別交付税
の額が不足をするから、それをちびってしまう、このような
措置
は考えていないわけでございます。
小沢貞孝
60
○
小沢
(貞)
委員
ちょっと御
説明
いただきたいが、たとえば、昨年でもことしでも、どういう計算になっているか私はわかりませんが、昨年四百六十九億の特交のうち、一号のように合理的な算出基礎の上に立ったのは一体幾らで、二号のほうは何か私たちは腰だめみたいに見えてしようがないけれ
ども
、いま適当な率があるということが初めてわかったのですが、二号のほうはどのぐらいのパーセントになっているものですか。あるいは額でもけっこうです。わからなければけっこうです。
首藤堯
61
○首藤
説明
員 第一号につきまして、こまかな積算基礎を省令で規定しておりますが、二号についてはこまかな
内容
を書いておりませんので、腰だめのようだ、こういう御指摘だと思いますが、先ほど申し上げましたように、
災害
関係
等につきましては〇・五%といったような
基準
を
つけ
まして、これは動かしていないわけでございまして、決して腰だめで算定をしておるわけではございません。 それから、いま御質問のございました第一号に
関係
をします額でございますが、都道府県分で約五十一億、それから市町村分で約百六十九億、したがいまして、二百何がしになりますか、そのぐらいの額が第一号の額でございます。
小沢貞孝
62
○
小沢
(貞)
委員
そうすると、二号は、二百二十億を引くと、二百三十億ばかりということですね。去年の四百六十九億のうち、一号で合理的に積み重ねたのが、県が五十一億、市町村が百六十九億ということになると、二百二十億です。だから、二号のほうは二百四十九億ですか。
首藤堯
63
○首藤
説明
員 結論的にはそのとおりでございますが、なおこまかく申し上げますと、二号から三号を差し引きまして、四号を足した額、こうなっておりますので、その額が御指摘の額でございます。
小沢貞孝
64
○
小沢
(貞)
委員
三号、四号のほうをやりだすとむずかしいので、ここに二号として二百四十九億残るとします。そうすると、そういうもので
干害
、風水害、冷害等特別の財政需要があるときにはこれを充てる。残った額というものはもうきまっちゃっているわけです。ずっと大きく
被害
が今後九月まで続いて、気象庁の長官の御託宣のように今後
被害
が大きくなっていけば、この二号の六番目でいっているところの算定の率ですか、算入の率ですか、そういう率できめてありますといっても、とうていおさまらない、こういう事態が出てくれば、おまえのほうの県のものをこっちに削って回すとか、こっちの当然受けるべき県のものを削って回す、こういうことにならざるを得ない、私は理論的にそう思うのです。どうでしょう。
首藤堯
65
○首藤
説明
員 理論的には御指摘のケースが起こり得るわけでございます。ただ、そのような場合には、非常に大きなたとえば土木
災害
、そのほかにつきましても大
災害
がございました場合には、仮定の議論でございますが、国のほうにも補正予算等の所要が生じてくるわけでございます。そのような場合には、国のほうの補正予算の財源が国税三税をもって充当されるというケースが出てまいりますと、
地方
交付
税の全体にもこれに伴った補正が生じてくるわけでございまして、もしそのような非常に異常な事態が起これば、当初に組んでおりました
交付
税の
総額
が変化をするというケースもあり得るわけでございます。 それからなお、いままでの例で申し上げますと、
災害
関係
等に充当されます
特別交付税
の額は、ほぼ百億から百五十億ぐらいの見当でございまして、いま申し上げました額の中でまかない切れなくなってちびってしまう、このような事態はまずまず起こらないと考えております。
小沢貞孝
66
○
小沢
(貞)
委員
理論的には、削ってこっちへ持ってくることがあり得るのですからね。あり得るのですから、特交の計算というものは、どうやらこの
災害
は減っているらしいけれ
ども
、はたしてどうであるかわからない、これが私は自治体のすなおな声だと思います。計算基礎はよくわからないと言ったのは、私がわからないのであって、自治体のほうはわかっているのかもしれませんけれ
ども
、
ワク
がきまっておりますと、
災害
が大きくなっていきまして、ほかの県の分を削ってきて分けてやるということになれば、
災害
だからことしは特別多かったぞ、こういうような事態にならないという不信感を私自身は持たざるを得ないわけです。私は理論的にそうなると思うのです。それを幾ら論争してもいまさらどうにもならないので、私はこの際特に
要望
しておくのは、それ、凍霜害だ、それ、ひょう害だ、それ、今度の
干害
だというような
災害
が起こるのは、山間僻陬の地です。最近よく問題になっている過密
対策
、過疎
対策
、こういうことがありますけれ
ども
、その過疎である部分、基幹労働力はみんな出ていってしまって、村の計画も成り立たぬというような町村のほうが、この特別
交付
金なり何なりを渇望しておるというのが実態ではないかと思うのです。この間毎日新聞か何かにうまいことが書いてあったけれ
ども
、行政水準で見たって、私もなるほどこれだけの違いがあるかと思って見たのですが、首都圏の、東京のまわり五十キロぐらいのところでは、保健衛生費は人口一人当たり一千八百十七円。ところが、いま私が言うような過疎
地帯
で、常襲
災害
地帯
で村の財政がどうにもならぬ、こういうような山間僻陬の市町村における保健衛生費は一人当たり五百八十八円。ということは、過密
地帯
に近いところと比較して過疎
地帯
においては、同じ国民でありながら保健衛生費は三分の一か恩恵に浴することはできない、こういう実態だと思います。土木費のごときは約半分、過密だから、東京に近いところは三千五十七円で、いま言った過疎
地帯
では一千八百四十五円、消防費、また舗装率なんというのはさらにひどいことで、五・二%に対する〇・九%とか、自動車の通行不能のところが、片方は二五%だが、片方は七五%に近い、こういう行政の格差が出てくると思うのです。そういう場合に、それを何とか直していくのはやはり
交付
税だ。
交付
税がそういうことをしなければならない、こういう使命を持っていると私は思うのです。それについて県や市町村から
要望
があるのは、この
干害
に対して
特別交付税
で処置してもらいたい、県からも市町村からも言う
要望
はそういうことなんです。ところが、どうも理論的に突き詰めていけば、
ワク
はきまっているのだから、算入率は〇・五ずつ、あるいは
国庫
補助
のあったものについては地元
負担
の七割、こういうように言われても、それをはたして信頼していいかどうか、こういうことに私たちは疑いを持たざるを得ないわけなんです。この過疎
地帯
といいますか、常時
災害
を受けている
地帯
における市町村、県、そういうようなところは
特別交付税
を非常に期待しているわけですから、ほかの県から大いに削ってきてなんというと、ほかの県の人におこられてしまうかもしれませんけれ
ども
、この
対策
についてはひとつ万全を期していただく、こういうことだけをお願いして、時間もたいへんおそくなってしまいましたので、またこの問題については
地方
行政
委員会
その他においてひとつ大いに論争させていただきたい、こう思います。 たいへん長くなりましたが、一応これで質問を終わりたいと思います。
佐野憲治
67
○佐野(憲)
委員長
代理 水野清君。
水野清
68
○水野
委員
先週、衆議院の本
委員会
の視察団に随行いたしまして、私も
千葉
県の出身でございますので、
千葉
県下の
被害
事情を見てきたわけでございますが、その点について二、三気のついたことと
要望
したいことがございますので、この席を借りまして質問さしてもらいます。 御承知のように、
千葉
県下の問題でございますけれ
ども
、
災害
事情を見ますと、地元では、天災上りも人災だということを言っておりまして、特に
千葉
県下で最大の
干害
のひどいところは、匝瑳郡の野栄町と光町というこの二町でございます。これは県からもたぶん
報告
がいっていると思います。この二町は主として大利根土地改良区というのに所属しておりまして、
利根川
の比較的
河口
に近いところから
取水
して、えんえんと百数十キロを越えて
利根川
の水を九十九里の海岸まで持ってきている
地域
でございますが、
利根川
の
河口
からの海水が遡上しているために水が十分取れない。それから、この大利根土地改良区というのは、戦争中つくった土地改良事業でございまして
——
これは
派遣委員
報告
に入っておりますので簡単にしますが、途中で漏れてしまって、末端まで水がいかないわけです。それがおもな原因で、地元の人たちは、天災よりも人災だということを言っているわけであります。しかし、具体的に申しますと、たとえば、たんぼに
井戸
を掘って
ポンプ
で一時間水をくみ上げております。これは視察団と別に私は見てきたのでございますが、一時間たんぼへ水をくみ上げて、三時間しかもたない、たんぼが干割れてしまうという
状況
なんです。このことにつきまして、
現地
の
要望
は、国の
補助
が団体では四一割、個人ないしは共同体、協業みたいなかっこうでは二割五分というものがつくけれ
ども
、油代がもうとてもかなわない。何とかその油代を
——
これはかつて実施をされたことがあるそうですが、大蔵省及び会計検査院の反対でうまくなかった。その辺の事情をちょっと伺いたいのです。油代を支給する気があるのかないのかということが
一つ
と、それから、灯油については免税になっておるそうですが、実際灯油を使っている
ポンプ
は非常に少ないので、重油、軽油についても臨時でこういう際には何か免税
措置
がとれないかということをしきりに
要望
されたわけであります。これはさまつ的な
対策
でございますけれ
ども
、現在の
干害
状況
では私は非常に重要だと思うので、この点伺いたいと思います。
佐々木四郎
69
○
佐々木説明員
干ばつ
が起こった場合に、かんがいを
応急
的にやります
ポンプ
に必要な油にかかった
経費
を
補助
するかどうかというお尋ねでございますが、
応急対策
という考え方でかつてはこういう
干ばつ
事態に対して対処してきておったわけでございますけれ
ども
、その後、
干ばつ
が非常に多く発生し、頻度が多いというようなことから、
ポンプ
施設
をやったり
水路
を掘ったりするようなことに対しまして、
干ばつ対策
としてこれを
補助
する、こういうふうになってきたわけであります。ほとんど毎年
干ばつ
がどこかに起こるものに対しましてはそういう姿勢できておりますが、これは考えてみますと、
応急
というよりも、むしろ恒久
対策
でございます。
ポンプ
がつき、
水路
を掘るということは、この
施設
は半ば恒久的
施設
になってまいります。それで
応急
という名前からはいささかそれるわけでございますけれ
ども
、
干ばつ
の実態からいたしましてそういう
施設
がぜひ必要であり、それが非常に有効であるということでありますとともに、
現地
では、
井戸
を掘ったり、
ポンプ
を据えたり、どうしてもやる。これをとめるわけにいかない。それが一番いいということでやってきておりますので、この方法を
干ばつ応急対策事業
として
補助
の
対象
にしてきております。単に燃料とか油とかいうだけになりますと、これは一般の他の
ポンプ
施設
やそういう機械類に対しまして使う油なんかと非常に区別が困難になりまして、
干ばつ
ということだけにこれを使ったかどうかというようなことが非常にむずかしい問題にばってまいりますので、そういうものに
補助
をすることよりも、もっとたいへんお金のかかる
ポンプ
とか、そういうものに
補助
するほうが、より農民の人たちの
経費
の
負担
を軽減することに当然なる。そういう考え方で、一時的な、臨時的な、しかも維持管理に属するような毎年必要な油類に対しましては
補助
をしないというふうに、考え方が変ってきております。今回もお話のような事態はあちこちにあると思いますけれ
ども
、そういう考え方になってきておりますので、そういう一時的に油等が必要でたいへん金がかかるというような場合には、別途その組合員なり農民の方々はそれに対しまして村なり農協というようなところからでもお金を借りるとか、何らかの方法を講じられるほうが手っとり早いことであって、これを
干ばつ
の
応急対策
の制度として取り込むということは非常に困難であるというふうに考えております。
太田康二
70
○太田
説明
員 先生お尋ねのように、ガソリンを除いては、一般の油類についてはたしか免税になっておるようでございます。
干ばつ対策
に使用しておる
ポンプ
類につきましては、実はガソリン使用のものは非常にわずかであるというふうに聞いておりまして、確実な数字をつかんでおるわけではございませんが、数字はわずかであるというふうに聞いております。なお、農業用のガソリンの問題につきましては、前々から非常にいろいろ問題がございまして、免税
措置
を講じろというような強い
要望
もあったわけでございますが、いろいろ技術的に困難な面等もございまして、免税にしないかわりに、農業用揮発油税見かわり農道事業という農道事業がございまして、これによって処理するということに現在は相なっておる次第でございます。
水野清
71
○水野
委員
現地
に参りますと、いま太田参
事官
のお話は、ガソリンを使っているのが非常に少ないということですが、私も
全国
的に見たわけではないのですが、実際にはガソリンを使っているエンジンのほうが多いということを私は見てまいりました。もう一ぺんひとつよく御
調査
を願って、こういう
災害
の際だけに、たとえば
天災融資法
が
発動
される際には、同時にそういった免税
措置
を併用できるかどうかというようなことについて御検討いただきたいと思います。これは現在できないことはわかっておりますから、御検討いただきたい。大蔵省のほうも少しそういう姿勢でやっていただきたい。こういう天災の時期にはひとつぜひやっていただきたいということを
要望
します。 それから、これは少し直接の
対策
ではないのでありますけれ
ども
、
水田
に水が来ないというところ
——
千葉
県下だけではないように聞いておりますが、おもなところで、
千葉
県では谷津田という名前でいっております山間の
水田
であります。いわゆる水源が山の谷から出てくる、泉のようなところから水が流れてくるというところであります。これは農林省の今後の
一つ
の土地改良政策の中に入ってくると思いますが、こういうものは結局
水田
の反収としても非常に低いわけであります。これは、先ほど申し上げたような平原
地帯
の
水田
と違って、もっと
被害
の頻度が高いわけでありますから、こういう
水田
の一部は、むしろ
水田
をやめさして、いま農林省でいっておられる新しい選択的
拡大
の方向へ向けていかれたらいい。これをほうっておけば、やはり現在の農産物の価格制度のバランスの中で、どうしても
水田
にしがみついているわけでありますから、これが転換しやすいような制度をひとつ進めていただきたい、こう思うわけでありますが、太田さんのお考えだけでもけっこうですから……。
太田康二
72
○太田
説明
員 先生御指摘のとおり、今回の
干ばつ
の
被害
を見てまいりますと、まさにおっしゃられたとおりの天
水田
、山つき
地帯
の、谷津田と申しますか、そういったところが
被害
を受けておるようでございます。そこで、御指摘のとおり、なかなか水源の
確保
がしにくいというようなことであれば、
水田
としてはきわめて不安定な状態にあるわけでございますが、確かに、現在の農産物価格の中で、
生産
費所得補償方式によって保障されております米価というものが、他の農産物価格に比較いたしまして有利であるというようなことから、農家の方が非常に米に対する
生産
意欲が旺盛になって、そういったところまで無理して
水稲
をおつくりになる、その結果
干ばつ
の
被害
にあう、したがって、これはできる限り他の選択的
拡大
といわれておる農産物に転換すべきではないかというような御意見、全く私もそういうふうに持っていくべきであろうというふうに考えます。ただ、具体的な実行の方法となりますと、それでははたして何に転換したらいいかというような問題もあるわけでございまして、その
地域地域
の
実情
に応じて解決しなければならないかと思いますが、全般の今後の農業改善の方向の問題として今後検討してまいりたい、かように考えております。
水野清
73
○水野
委員
もう一点、これも私から
要望
しておきたいわけでありますが、今回の
干害
の問題は、私は、基本的には、戦争中から戦後にかけての山林の乱伐ということが一番の問題だと思う。治山治水問題について現在の農林省があまり手を打っておられない。それから
林野庁
における造林
補助
金というような問題も、あまりにも
補助
制度が低いために、現在の労務賃金その他のバランスからいっても、あってなきがごとしであるというふうに私は思うのであります。それで、これは国として、やはり
一つ
の県あるいは市町村の中で、それぞれ農業
委員会
のようなところで論議をして一定の山林面積というものをきめてもらって、その中で、それをこえたものは山林が切れるけれ
ども
、いたずらにその山林を乱伐できないというふうな制度をつくっていく以外にないと私は思う。これ以上水について
——
農業用水
、
工業用水
、その他飲料水と、
利根川
の例を
一つ
とりましても、非常に
水争い
をしておるわけであります。これは幾ら
水争い
をしましても限界がある、その水源を
確保
していく必要があるというふうに思うわけでございます。この点について農林省はどういうふうに考えておられるかということをちょっと伺いたいと思います。
太田康二
74
○太田
説明
員 山林の治水上果たします役割りが非常に大きいということは、御指摘のとおりでございまして、実は農林省といたしましても、治山につきましては、たしか治山の緊急五カ年計画をもちまして計画的に実施いたしておるのでございますし、造林につきましても、
昭和
六十年を目標にいたしましての長期計画に基づきまして、国有林あるいは民有林を通じての造林をいたしておるのでございます。ただ、御指摘のように、たとえば造林の
補助
金等が、人夫賃、苗木代等の
補助
をいたしておるわけでございますが、非常に
実情
に沿わないというような点につきましては、今後検討してまいらなければならぬと思いますが、いずれにいたしましても、国土の保全上果たすべき山林の持つ役割りの重要性を十分評価いたしまして、いま申し上げたように、計画的に、しかも長期の計画をもって実施しておるのでございます。
水野清
75
○水野
委員
補足なんですが、先ほど申し上げたように、谷津田というような
水田
、いわゆる天
水田
自身が、戦後いわゆる農地解放、山林解放をやらして、無理に
水田
をつくったようなところがあるわけであります。それ自身で水に困っておるというような例が非常に多い。これは農林省だけでなく、大蔵省も、その他の
関係
の官庁も真剣に考えてもらいたい。私は、これは日本の国にとって非常に重要な問題であると思う。日本じゅうがアスファルトとコンクリートの建物だけで埋まってしまうというようなことはないと思いますけれ
ども
、そのバランスがくずれたら、これはわれわれのいまの文明社会自身の不均衡ということになるのだと思います。これが今日の
干害
をもたらす一端であろうと私は思います。ぜひともこの点よくお考えになっていただきたい。 〔佐野(憲)
委員長
代理退席、天野(光)
委員長
代理着席〕 それから、大蔵省の方がおられますけれ
ども
、先ほどのこういう
災害
時における一般の農業用のガソリンの免税問題をぜひやってもらいたいわけです。特に
災害
時においてはひとつ考えてもらわなければならないと思うのでございますが、ちょっとその点、大蔵省の方が来ておられるようですから……。
嶋崎均
76
○嶋崎
説明
員 ただいまの問題にお答えいたします。 御承知のとおり、農業用のガソリンの免税問題につきましては実は長い議論がありまして、ガソリンの消費量の算定をどうするかというようなことについてもいろいろな御高説、御議論があって、結果的にことしは全額還元するということで予算を
つけ
ました。したがって、農業、漁港の関連と、それから林道というようなところにそれぞれ使用に応じた配分を実施したわけでございます。そのときにいろいろ議論になりましたのですけれ
ども
、要するに、免税の手続とそのコストですね、それを考える場合に
——
税金は一律に処理をしても、最終的にその額相当を農業
関係
等の
補助
事業に回したほうが、財政的にも非常に効率的な処理ができるという考え方で現在の身がわり事業というものができているわけでございます。さらに、いま御指摘の
災害
時におけるところのガソリンの免税ということになりますと、さらに技術・的な困難性というものが加わっていくだろうと私は思うのでございます。農林担当の主計官でございますので、税金の免税手続等につきましては、昔はやったことはもちろんありますけれ
ども
、そう詳しくはありませんので何でございますが、そういういろいろな審議の過程において、一般的な免税すら、使用量といわゆる免税手続というところに問題点がありまして解決できなかった問題を、さらに部分的な形でやることは、技術的に非常に困難なのではなかろうかというぐあいに考えておる次第でございます。 なお、蛇足ではございますけれ
ども
、最近の
水稲
の作付問題が、十分な水利
施設
の
整備
のないままに所によっては
水田
が開かれているというのは、北のほうに非常に多いのでございますけれ
ども
、一般的にもそういうところが見受けられるわけでございます。しかし、現在の制度が米に非常に傾斜した形になっておりますし、何しろ主要食糧でございますから、そういう形になっておるのでございますが、反面、
災害対策
という面でも相当傾斜した形になっております。御承知のとおり、農業共済の制度というのは主力は米麦にあり、すでに過去の累積赤字というものも三百億にも達して、それを
国庫
で
補助
している。
水稲
の場合で申しますと、掛け金の約六割三分ぐらい程度がいわゆる
国庫
補助
金で出ておる。もし作付不能というようなことに最終的になるならば五割、それから、作付後収穫皆無というような事態になれば、全体の
被害
金額に対して、当初の
共済金
額の多寡にもよりましょうけれ
ども
、それぞれそれに応じた保険金が支払われる。その保険金の原資は、先ほど申しましたように、六割程度
国庫
補助
になっておるというようなことで、非常に手厚い
災害対策
をその面でも行なっておるわけです。制度として流れておるものですから、ついその議論が別のところで忘れられがちですけれ
ども
、
水稲
についてはそういうことになっておるということをお話し申し上げたいと思います。
水野清
77
○水野
委員
そういうお話を聞くとまた質問しなければならなくなってしまうのですが、非常に手厚いということをおっしゃったのですけれ
ども
、それは戦前の農民に比べれば非常に手厚い制度ができてきたと思うのです。しかし、大蔵省の方はわりあいに
災害
地の視察をしておられないと私は思うのです。どうしても農林省の末端の人たちが主として
災害
地を見ておられる。実際に
災害
地に行ってごらんになると、いまの
災害
地におけるガソリンの免税化
——
さっき言ったように、
井戸
を掘ってくみ上げているわけなのです。それ以外に水がないところがあるわけです。そうすると、さっき言ったように、
ポンプ
には四割の
補助
を
つけ
る、その
補助率
を五割に上げるか、もっとそれ以上に上げるか、それも
一つ
の方法です。あとはガソリンを見てやるか、それ以外にないように思う。私は見ていますと、むしろ農民の執念でやっているように思うのです。都会人のわれわれだったら、むしろ耕作を放棄したほうが早いと思う。一時間
ポンプ
でたんぼに水をくみ上げて、三時間しかもたない。くまないほうがいいと思うのですが、執念でやっている。この執念で米をつくってくれているので、私は日本の食糧政策が成り立っていると思うのです。そういう意味では、これはやはり国民経済的な立場から、税金をどうするこうするというこまかい問題じゃなくて、問題を解決してもらいたい。これは
委員会
であなたを呼び出していじめるということじゃなくて、私は、県下の困った農民の
実情
を見まして、ここでむしろあなたにお願いをしたい。ひとつここで農業用ガソリンの免税
——
農業用のガソリン税を農免農道その他に転用しておられる、そういう行政
効果
のほうが高いということをおっしゃったし、私もその一面はもっともだと思うのです。そしてわれわれ現実に農免農道が
全国
的にできて非常に助かっている面もございます。林道その他にも非常に助かっている面もございますけれ
ども
、
災害
時における、特に異常
災害
の地区だけでも何か免税
措置
をやるということは、私は、これこそ、社会党の先生方も、各党の先生方どなたも反対なさらぬと思うのです。国会の本
会議
に出せばすぐ通ってしまう。要するに、大蔵省がこの財源をどこかに当てにしてやっておられるので、わずかな財源だと思う。そういう意味でひとつ検討していただきたい。再度お願いいたします。
嶋崎均
78
○嶋崎
説明
員 ただいまの御質疑にお答えいたします。 御承知のように、農業用のガソリンにつきましては一応免税するというたてまえでいろいろ
調査
をした結果、結局、免税手続が
——
御存じのように、間接税、消費税になっておるわけでございます。手続が非常に煩瑣で、分離がなかなか困難であるということで、逆に、農業用揮発油の消費量というものを想定いたしまして、その税金に見合う国費を農道というものの事業に還元しよう、こういう考え方になっておるわけです。したがって、論理としましては、一応農業用のものは免税したと同じ形でそれを農道に使うということになっておるわけです。この際、その中からある程度取り出しまして、
災害対策
に使った農業用ガソリンの税金相当分を免税するということは、そろばんの勘定でいきますと少し合わなくなるということを私はあなたに力説しようというわけじゃないので、そういうことよりも、結局、免税をする手続、これが非常に煩瑣になって困難だということで、いまのそういう扱いになっておる。そういう扱いから言いますと、一応は免税をしたと同じ形になっておるわけです。ただ、そのたんぼで使われたガソリンがそのたんぼに返らないという問題点はあろうかと思うのですが、そういう形で零細に配分した場合にほんとうに
効果
がどうなるかというようなことで、いまの身がわり事業の使い方が考え出されておるわけです。そういうことを申し上げたわけでございます。いまの
災害
時におけるところのガソリンの免税というのは、そういう基本的な考え方と相いれないのみならず、もう
一つ
、ガソリン税を議論したときにいろいろ問題がありましたように、技術的に十分できるかどうか、これは私の所管外のことでございますけれ
ども
、非常にむずかしかろうというふうに考えますということをお答え申し上げた次第でございます。御了承願います。
水野清
79
○水野
委員
それじゃ、太田参
事官
にちょっと伺いたいのですが、農業用のガソリン税の一種の払い戻しのような形になっている農免農道とかあるいは林道とか、そういったものを
災害
地に主として今後設定していく。たとえば農免農道の希望というのは非常に多いのですが、実際にはその半分以下しか採択されていないわけであります。これをそういうような政策的な面でひとつやっていただけるかどうかということについてちょっと伺いたいのです。
佐々木四郎
80
○
佐々木説明員
御承知のように、農免農道と称しますあれは、
全国
的に各
地方
から出てまいりますものを選択いたしまして仕事を進めておりますけれ
ども
、もちろん、その中には、
災害
地であろうと
災害
地でなかろうと、そういう考え方は特に織り込んでございませんが、農道の性格からいたしまして、
災害
地であっても、農道がその
地域
に非常に必要であるという場合には、当然それは入りましょうし、
災害
と農道との
関係
が、明確に何かの
基準
と申しますか、考え方がはっきりいたしますならば、お説のようなことも考えられるかもしれませんけれ
ども
、農道というのはまた別な観点から必要性がございます。そういう観点で農免農道というものを進めていく。お話のように、今回の
災害
の
千葉
あるいは
茨城
の関東
地域
、そういうところにも当然相当多くの農道事業が進められております。特にそういうところに厚くというお考えはわかりますけれ
ども
、いま申し上げますように、
災害
と農道というものを直接関連づけてやっていくということについては、また別な問題が出てくるんじゃないかというふうに考えます。
水野清
81
○水野
委員
時間がないので私これでやめますが、いまのお話にもありますように、嶋崎さんのお話と
農地局
参
事官
のお話と食い違いがあるわけです。嶋崎さんは、政策的にもなるべく
災害
その他に向けるようにしたい、ただ、使ったたんぼからのガソリン税が戻らない、これはやむを得ないとおっしゃる。たとえばその
地方
や何かになるべく
——
さっき私が質問の
最初
に申し上げたように、農民の言うほどじゃないにしても、これはやはり天災じゃなくて人災なんです。土地改良その他の事業を十分にやってあればこれほどのことはないわけです。これはやはり国土計画のまだ不完全なところから出ている
災害
だと私は思います。そういう意味で、いま言ったような農業用のガソリンの払い戻し分が
——
払い戻しということばはいけないかもしれないが、農林省に返ってくる、それはやはり
災害
の多発地点に振り向けて使う。それを個人的に戻すということができないなら
——
もちろんできないのが当然でございますが、政策的にその
地方
に早く土地改良をやっていただく、たとえば
千葉
県の
干害
のひどかった匝瑳郡のこの
地方
で用排水事業を早くつくり直してやる、それからこの
地方
における圃場
整備
を早くやる、あるいは農道をつくってやる、こういう形で私は還元してもらいたい。これはお答えをいただくとまた聞きたくなりますから、けっこうでございます。 これで質問をやめさせていただきます。
天野光晴
82
○天野(光)
委員長
代理
渡辺芳男
君。
渡辺芳男
83
○
渡辺
(芳)
委員
時間もだいぶたちましたので、重複は避けまして、そのものずばりお伺いをいたします。 自治省の財
政課長
が御都合があるようでありますから、財
政課長
に先にお伺いしますが、今回の
干ばつ
について非常に
災害
の大きな県について、私も、六月十日ですか、
埼玉
県に視察に行ってまいりましたが、特に
地方
交付
税の増額、それから
地方税
の減免、こういう要請が非常に出ておると思うのですが、端的にいって、
昭和
三十九年が最近における
干ばつ
の一番大きな年であると、先ほど小澤
委員
の質問にお答えになっておりましたが、ことしもそれに匹敵するかあるいはそれ以上の
干ばつ
になると思うのです。
予算措置
も、一応当初予算はきめられておりますが、補正予算として組むような事態になると、
交付
税の増額なり
地方税
の減免などについて、これはどうお考えになっているか、これをひとつお伺いいたします。
首藤堯
84
○首藤
説明
員 国の補正予算
関係
の問題につきましては、全般的な
災害
の大きさ等に関連があると思いますので、何とも私申し上げる立場にないわけでありますが、先ほど申し上げましたのは、国がそのような補正予算を編成するようになりましたような場合には、その財源が国税三税の増をもって充てられるというケースが生ずるわけでございます。そのようなケースには、
地方
交付
税の増額も、当然、その三税の三二%、こういう率で増加になるケースがあり得るということを申し上げたわけであります。 なお、税の減免につきましては、これは全般的な
災害
の
状況
によると思うわけでありますが、国のほうで国税減免等に対します
措置
が確定してまいりますと、
地方
もそれに準じた取り扱いをいたすべく
措置
をする、こういう
段階
になると思うわけでございます。
渡辺芳男
85
○
渡辺
(芳)
委員
三十九年のときに補正予算は実際組まれたのですか、あるいはそれ以外の年にそういう実態がありますか。
首藤堯
86
○首藤
説明
員 ちょっといま資料を持ってまいっておりませんので、正確に覚えておりませんが、たしか三十九年でございましたか、補正予算が組まれまして、それに伴いまして
交付
税も増加をした、こういう事態がございます。いまちょっと正確に覚えておりません。
渡辺芳男
87
○
渡辺
(芳)
委員
今後、
干ばつ
あるいは台風などがあまり来ないほうがいいのでありますけれ
ども
、いろいろな自然
災害
について問題になる、こういうふうな事態になりますと、当然補正予算な
ども
組まれて、
交付
税の増額なり
地方税
の減免などの
措置
をとらなければならぬと思うのですが、その実態に応じて今後適切な
措置
をとるようにお考えを願いたいと思います。 特にこの
干ばつ
地帯
で、私が承知しておる限りにおいては、
千葉
県が一番
被害
が大きいと思うのです。先ほどのお話に、十県くらいが大体
被害
一億円以上だという
報告
がありましたが、大体一億円以上の
被害
を持つ県については特別に考えて、特に
助成措置
などを考えていくようになると思いますが、今日までの
被害
の
報告
の中で、その該当する十県ですか、非常に
被害
の大きい県についてちょっと
報告
をしていただきたいと思います。
佐々木四郎
88
○
佐々木説明員
先ほど申し上げました金額でございますが、これは県から
報告
を受けております、
対策
に要した金の概算の額で、なまの数字でございますが、北から申し上げますと、宮城、山形、福島、
茨城
、
千葉
、長野、静岡、新潟、富山、石川、三重、大体以上でございます。
渡辺芳男
89
○
渡辺
(芳)
委員
いままでの
干ばつ
の
対策
としてそれぞれ
応急対策
をやっておられまして、
埼玉
県の場合など、早植え
地帯
でありますから、なれておるといいますか、比較的うまくやっておりますが、特に
干ばつ
にあまり経験のない県、こういうところについて、早植え
地帯
は、いずれにいたしましても相当な
被害
があることは間違いないのでありますが、おそ植えのほうは、これからといいますか、いま
最盛期
でありますから、それぞれ
対策
を講じていくだろう、こういうことは想定されます。そこで、天気を相手の仕事でありますから想定はなかなかできないにしても、先ほど話がありましたように、天水を利用しているというふうな
対策
不可能の
地域
、こういう
地域
がまだ相当あると思うのです。静岡の場合も、大体一万八千五百ヘクタールぐらいがその
被害
の
地域
だと私も
報告
を受けております。そのうち、大体千二百五十ヘクタールぐらいが、どうにもならぬという
地域
であるようであります。
全国
的に見て、こういう
被害面積
のうち
対策
不可能の
地域
というものはどのくらいありますか。
太田康二
90
○太田
説明
員 われわれは、六月十四日現在で
地方農政局
を通じまして各県からの
被害
報告
を聞いておるわけでありますが、これによりますと、十四日現在で、いわゆる
用水不足
のもの、あるいは植え
つけ
はできたけれ
ども
、
用水不足
で
枯死寸前
のもの、さらには、
水稲
の植え
つけ
がおくれておるもの、これらを合わせまして十六万九千ヘクタール、こういうことになっております。そのうち、いま先生が御指摘になりましたように、どうしようもないものがあるだろう、これは先ほどのお話にも出ましたような天
水田
等がそのおもなものになるわけでございますが、われわれは、いま申し上げました十六万九千ヘクタールのうち、
応急対策
工事
をさらに強化するとか、あるいは隣接地区から苗を補給する、あるいは苗しろの再仕立てをする、今後こういった
対策
を講ずることによって、約十二万三千ヘクタールは救済可能になる。したがいまして、十六万九千から十二万三千を引きました残りの四万六千ヘクタール、これがいわば救済の非常に困難なもの、そのうちの大部分は御指摘の天
水田
等であろう、六月十四日現在ではかようになっております。
渡辺芳男
91
○
渡辺
(芳)
委員
埼玉
県、
千葉
県、
茨城
県、まあ
利根川水系
でありますけれ
ども
、十日に視察に行きまして、十二日からダムの放水をやる、こういうことになっております。関東
地方
は、
地域
の差はあれ、若干
降雨
がありました。三十ミリ以上降りますと相当な
効果
がありますが、それ以下ではまあ焼け石に水だと思っておりますけれ
ども
、このダムの放水によって
——
これから約十日間ぐらいというお話を聞きましたが、いまの
干ばつ
地域
がそれによって救済できていくかどうか、こういうふうな見通しについてはいかがですか。
佐々木四郎
92
○
佐々木説明員
関東
地域
の河川のダムの
放流
につきましては、御承知と思いますけれ
ども
、去る六月二日から七日ごろにかけまして、
利根川上流
の一番大きな
矢木沢ダム
その他のダム群を一斉に
放流
いたしまして、約三日ないし四日ぐらいによって下流農業
地域
にその水は到達いたしますので、六月八日ごろに下流のほうでは大潮の
時点
に到達することを見越しまして、そのダムの水を毎秒約五十トン
放流
しております。これは建設省のほうでそういうことを考えてやっていただいたわけでございます。もちろん、
埼玉
、
千葉
、それから鬼怒川につきましては、栃木、
茨城
、これらの
地域
の田植えの時期、それに水の必要な時期等をにらみ合わせましてそういう
放流
をしていただきまして、この
効果
が非常にございまして、
埼玉
の東部平野、
千葉
の
河口
に近いところ、これらの
地域
にかなり広く分布しております
水田
の植え
つけ
に対してたいへん
効果
があった。さらにその間若干の雨がございましたけれ
ども
、なお今後の推移を見ながら
——
話がこまかくなりますが、
利根川
の栗橋地点で河川の水の流量を常時チェックいたしまして、そこの水量がある一定量を維持するならば、
利根川
から水を引く各
用水
の取り入れば困らないというその水量を押えまして、これは約百四十トンということになっておりますが、その水量を維持するように、今日もなお依然として河川管理の側から毎日常時河川の流れのほうを見ていただいておる、こういう
状況
でございます。
渡辺芳男
93
○
渡辺
(芳)
委員
話は前後しますが、四十府県にわたってこの
干ばつ被害
がありますが、いま各県から
応急対策
費としてどのくらい支出をしておるか、こういうふうな
報告
があると思うのです。
総額
はどのくらいになりますか。
佐々木四郎
94
○
佐々木説明員
六月十四日現在で
報告
を受けました県からのものを
集計
いたしますと、約三十二億に達しております。
渡辺芳男
95
○
渡辺
(芳)
委員
わかりました。 こう日照りが続きますと、
埼玉
県に視察に行ったときに、ヒメトビウンカが大量に発生する徴候にある。これは稲の
関係
だけでなくして、たとえばお茶などは、日照りが続きますとどうしても赤ダニが発生いたします。これは畑地にしても、たんぼにしても、こういう虫害の発生というものが
地域
的には相当大
規模
になるという可能性をはらんでおると思うのです。これらに対する
防除
対策
も積極的に
指導
されておると思いますが、いまそういう虫害の発生といいますか、そういうおそれのある
地域
などについてはおわかりですか。
安尾俊
96
○安尾
説明
員 ただいま先生の御質問の病虫害の発生
状況
でございますが、現在各県から
報告
を求めておりまして
集計
中でございますので、来週になると最近の
状況
がはっきりすると思います。
渡辺芳男
97
○
渡辺
(芳)
委員
静岡県の場合は、五月十二日以降ほとんど雨らしい
降雨
はまだないわけであります。一カ月余にわたって
干害
が続いておりますが、大体全県的に及んでおりまして、場所によっては、早植え
地帯
では水騒動が起きております。これはどこでもそういう事態というものは起こりがちでありますが、特に三十一日の本
委員会
で、三十九
年度
の
干害対策
助成
費として
工事
費について四割程度出したというふうなお話がありました。この点については、各
被害
県から
助成
率の引き上げということを強く
要望
されておると思います。これは私がいまさら申し上げるまでもなく、各
委員
の皆さんが強く
要望
しておるところでありますが、この点については、特に最近にない
干害
の非常に大きな
激甚
地については
補助率
の引き上げをこの際重ねて
要望
しておきますが、検討していただきたいと思うのです。 それから、先ほど申し上げました虫害の
防除
について、これは
補助
の
対象
になりますか、この点を明らかにしていただきたい。
太田康二
98
○太田
説明
員 かつては、樹勢
回復
用の肥料あるいは緊急
防除
用の農薬等に対しましても
助成
をいたしたこともあったわけでございますが、先ほどの
揚水機
の燃料あるいは
電力費
等に対する
助成
も、同様の理由でございますが、これを実際
災害対策
用に使ったかどうかということの判定が実は非常に困難でございます。そのために、こう言うと何でございますが、会計検査院等の検査の結果非常にいろいろな指摘も受けたというようなこともございますし、なおかつ、一方、経営資金等につきましては、御承知のとおり、大部分の
災害
のときに
天災融資法
等の
発動
もございまして、これによって次期作のいわゆる経営資金の手当てはいたすことになっておりますので、このところはそういう
生産
資材
についての
助成
は一切いたしていない、こういう
実情
でございます。
渡辺芳男
99
○
渡辺
(芳)
委員
いずれにいたしましても、従来それぞれ
助成措置
がなされている部面については、四〇%、三〇%、
対象
になる
地方
によっていろいろありますけれ
ども
、今回は特に
助成
率の引き上げを重ねてお願いいたしておきます。 それから、五月の上旬から下旬にわたって
全国
的に、また局地的に
降ひょう
がありました。
集計
をされておると思いまするけれ
ども
、
被害
の総
額——
聞くところによりますと、三十億以上でないと
天災融資法
の
発動
ができないということを聞いておりますが、これは
降ひょう
の
地域
によってそれぞれ
被害
の
対象
農産物が違うと思いますが、静岡県の場合も、特に県の西部で三ケ日
地方
を
中心
としたミカン地でたいへんな
災害
がありました。おそらく農林省のほうに
報告
されていると思いますが、大体二億くらいだろうという
被害
金額を
報告
しておると思います。しかし、これもまだふえるだろうという想定をいたしておるわけです。福岡が一番
被害
を受けたといわれております
激甚
地でありますが、
天災融資法
の
降ひょう
に対する
発動
というものをお考えになっておるかどうか、この点をお伺いします。
太田康二
100
○太田
説明
員 ひょう害は、先生御指摘のとおり、五月の十四日に宮城、
茨城
、栃木、
埼玉
の四県にあったのでございまして、これがはしりでございます。私のほうの統計
調査
部の数字が大体まとまりましたので、これを申し上げますと、約五億四千五百万の
被害
になっておるようでございます。その後五月の末、すなわち、五月の二十八日から三十日までにかけまして兵庫、
千葉
、東京等約二十県ですかにわたりましてひょうが降っております。さらに、六月の上旬に入りまして九県にひょうが降りまして、これらのひょうによる
被害
につきましては、目下統計
調査
部で取りまとめつつあるわけですが、一応県
報告
による
集計
によりますと、先ほど申し上げました五月の下旬と六月の上旬の分を全部合わせまして約四十億、こういう県
報告
の数字でございます。 そこで、
天災融資法
の
発動
をするかどうかというお話でございますが、確かにひょうの場合には局地的に非常に深度の深い
災害
が起こっておるのでございまして、当初五月中旬の場合には、五億程度だというようなことでいろいろ申し上げておったわけでございますが、その後、県
報告
におきましても
被害
の
状況
が漸次増加しておるようでもございますし、それから、私のほうの統計
調査
事務所で現在まで
調査
をいたしておるわけでございますが、その最終的な確定はいたしておりませんが、その
調査
の
現状
を見ましても、相当額に達するというふうに見込まれてまいりましたので、今回のひょう害に対しまする
天災融資法
の
発動
というものにつきましては前向きで検討いたしたい、かように現在の
段階
で考えております。
渡辺芳男
101
○
渡辺
(芳)
委員
いずれにいたしましても、一応五月の十四日ごろから六月の上旬にかけての局地的な
降ひょう
でありますから、
集計
はすみやかにできるし、実態も把握できると思います。これは農産物によってそれぞれ違うと思いますが、ミカンやタバコ、特にミカンなどの樹園地における
被害
というものはあとを引くものでありますから、特に
現地
の農民の強い
要望
でありますし、県でもおそらく農林省のほうへそういうふうに強く
要望
しておると思うのであります。
全国
的に起きた
降ひょう
でありますから、これは前向きということでなくて、どうかひとつ積極的に
天災融資法
の
発動
をしていただきたいと思うのです。これはいずれの機会かに早いうちに明らかにしていただきたいと思うのです。 それから、一月から二月にわたって数回にわたって寒波の襲来がありました。
全国
的にこれに対する
被害
についての
助成
費の申請をやっておると思います。静岡県でもミカンの苗木がたいへん
被害
を受けまして、農林省のほうにもお願いをしてあるようでありますが、この点についてもしおわかりでありましたら、その経過についてお伺いをいたしたいと思います。
千野知長
102
○千野
説明
員 ただいまの御質問にお答えいたします。 一月の寒波によりますかんきつの
被害
といたしましては、これは十数県にまたがっておるわけでございますが、これに対しまして、補植苗木の共同
購入
に対して
助成
してほしいという
要望
が各県からあがっておるわけでございます。従来の例から申しますと、そういった場合の補植苗木の共同養成事業というものは、大きい
災害
のおりに何回かやってまいっておるわけでありますが、今回はそういった苗木の二年生の出回りが潤沢になっておるので、その共同
購入
に対して
補助
してほしいということであります。そういうことになりますと、新規事業になるわけです。従来共同養成事業をやりましたのは、そういった苗木が十分出回っておらなかったこと、また、あわせて、そういった補植を機会といたしまして品種の統一等もやってまいりたいというような考えから、一年生苗木を
購入
いたしまして、それを一年間共同養成して、被災農家に計画的に配付するというやり方でやってまいったのであります。今回は苗木の流通事情等も変わってまいりましたので、共同
購入
をしてほしいということであります。新規事業でございます。いろいろ問題がありますが、目下省内でそれについて検討を進めておる
段階
でございます。
渡辺芳男
103
○
渡辺
(芳)
委員
申請をしてだいぶ日がたっておりますし、御
説明
の
内容
はわからないわけではありませんが、若干の
被害
ぐらいですと、そう何でも
助成
費をくれろというような申請はしないわけでありますから、特にこの際、早く
助成
をするというふうな、前向きの姿勢で結論を出してもらいたいと思うのです。これは
関係
の各県からそういう申請は出ておると思いますから、時期を失しないようにやっていただきたいと思います。
太田康二
104
○太田
説明
員
昭和
四十二年の一月から二月の降雪等についての
対策
につきまして、ちょっと御
説明
を申し上げたいと思うのでございますが、実は先生のおっしゃいましたように、確かに苗木についての共同
購入
に対する
助成
をしてくれという申請があったことも事実でございます。
政府
といたしましては、四十二年五月十六日、
政令
第七十号で
政令
を出しまして
天災融資法
の
適用
をいたしたわけでございまして、
融資ワク
として八億円という
ワク
を設定いたしております。さらに引き続き、
自作農維持資金
につきましても、二億円という増
ワク
をこの
災害
に対する
ワク
として認めることにいたしまして、これも決定を見たようなわけでございます。 それからさらに、その際各県からの
要望
として、既
借り入れ
金に対する償還延期等の
措置
を講じてもらいたいというような御
要望
もあったわけでございますが、これらにつきましては、ケース・バイ・ケースで各金融機関において当然やるということで、しいて特別な
措置
等は講じなかったわけでございますが、金融機関等におきましては、先ほど申し上げましたように、当然ケース・バイ・ケースで対処いたしておるというふうに考えております。 それから、最後に残ります種苗
確保
の問題でございますが、これらにつきましては、ただいま園
芸課長
のほうからのお話もありましたとおり、従来確かに苗木につきましては共同育苗という形で
措置
した例が豪雪等の場合はあるわけでございまして、今回の場合には共同
購入
ということで
要望
があるわけでございますが、一方、
天災融資法
の
発動
も見たというようなこともございまして、これらを勘案していかなければならないだろうというふうに考えておる次第でございます。
渡辺芳男
105
○
渡辺
(芳)
委員
だいぶ時間もたちましたから、それでは適当に切り上げますが、まだ検討しているという
段階
でありますから、この
降ひょう
との関連もあると思いますが、ひとつ一緒にお考え願って、
補助
の
対象
にするように御尽力を願いたいと思うのです。 それから
林野庁
の
関係
でちょっとお伺いしますが、昨年の九月二十五日、台風二十六号が御前崎に上陸して、福島県へ抜けました。これはたいへんな
災害
がありました。当時問題になりましたのは、これはどの
地域
でもそうだと思いますが、最近海岸の防風林が、乱伐したという傾向もありまして、
災害
を必要以上に大きくしたのではないかということが当時非常に大きな問題になりました。特に最近は東海、関東
地域
は台風の常襲
地帯
のようになってまいりまして、たびたび上陸をする、非常に松林がまばらになってしまって、防風林の役をしていない、そんな
関係
から、これが
応急対策
として植林をしようじゃないかという話になっておるようでありますが、この点を特に促進していただかないと
——
聞くところによりますと、ことしはこの
地域
から何キロ植える、予算がないからその次、こういうふうにいわれておるようであります。特に駿河湾
地帯
などについては、この十年間に前後四回台風が上陸いたしておるわけであります。特に二十六号台風は、六十年ぶりの台風だというふうなことになっておりますから、たいへんな
被害
を受けました。この点について、特に防災の立場からひとつ積極的に植林を促進していただきたいと思うのです。いかがでしょう。
大塚武行
106
○大塚
説明
員 直接担当ではございませんが、
林野庁
といたしましては、保安林につきましては保安林
整備
五カ年計画を立てて逐次
整備
をするとともに、その
内容
において林相の悪いところにつきましては、防災林造成事業等で着々急いでおります。しかし、御指摘のように十分とは申せませんので、さらに今後促進させますように
努力
してまいりたいと考えております。
渡辺芳男
107
○
渡辺
(芳)
委員
また機会を得て現在の
実情
についてお伺いをするようにいたします。 最後に
一つ
、
干害
とは少しはずれますけれ
ども
、最近、都市周辺、それから工業
地帯
において、盛んに農地転用によって、あるいは雑木林などで住宅建設が行なわれておりますが、これは宅地分譲なり、あるいは社宅なりあるいは公営住宅なり、いろいろあります。公営住宅
地域
などについても数百戸建設をしている。あるいはまた、農地の保全事業な
ども
よく行なわれている。その周辺の排水溝などは
整備
をされておりますが、しかし問題は、その下流
地域
に流し込む川ですね、主としてこういうものは自治体の管理する河川が多いのでありますが、下流
地域
が改修されていない、こういう傾向から、百ミリ以上の雨が短時間に豪雨として降る
——
いままでは、二百ミリ、三百ミリ降ると、下流
地域
の住宅街、商店街というものが、そういうふうに大雨が降ったときにときたま浸水ということがあり得たわけでありますが、今日百ミリ程度の豪雨でも、簡単にはけ切れなくて浸水家屋が続出しておるという傾向にあります。これは総合的な
対策
として
関係各省
あるいは自治体の都市の開発というものについてうまくいっていないと思いますが、これらの
対策
というものが十分講じられないと、特に都市周辺の
地域
なり工場
地帯
における住宅建設というものが、従来から住んでおる市民に非常に迷惑をかけておる。常に一年に一度くらいこういうことがあるというふうな
地域
を実は私も数カ所経験して実際見ておるわけであります。こういう
対策
について、非常に大きな問題でありますけれ
ども
、建設省なり農林省、自治体というものが積極的に下流の河川の改修をまず先に手を
つけ
てやっていかないと、いつも後手に回って大騒ぎになるという傾向がありますから、この点については十分な御検討を願って、特に自治体に対する
指導
というものをやっていただかないと、これからも大きな浸水家屋が数千戸、数百戸というふうに続出してまいりますから、やっていただきたいと思うのです。この点について、特に建設省の皆さんにおいていままでどういうふうな
対策
を講じられておったか、お伺いをいたしたいと思います。
渡辺隆二
108
○
渡辺
説明
員 いま先生からお話がありましたように、最近の低地部、これは農地の転換等もございますが、全般的に低地部に家が多く建つ、あるいは宅地の開発が進む、それに関連して水害が続発するという結果になっております。これらにつきましては、先生からお話がありましたように、主として
中小河川
のはんらんがその原因となっておるというケースが多いようでございます。それから全般的に見ましても、最近の水害は大河川よりも中小の河川に集中している傾向が強うございます。昨年の台風におきましても、特に東京の周辺あるいは神奈川、
埼玉
にそういった
災害
が非常に多く発生いたしております。建設省の河川局といたしましては、特に
中小河川
の
対策
というものをできるだけ重点に取り上げたいというように考えておりまして、現在、
昭和
四十二
年度
におきましては、中小の河川の改修の
関係
で、事業費といたしまして三百八十六億という、最近の河川の事業費の中ではかなり多額な事業費を計上いたしました。これは前
年度
の伸び率で申し上げますと二五%の増ということになります。河川の事業全体が一六、七%の伸びでございます。特にそういった中小の河川の
対策
というものを重点項目として取り上げております。しかしながら、この程度の事業では、先ほどからもお話いただきましたように、まだ十分な
対策
が完全になされるわけではございませんので、今後におきましてはさらに一そう中小の河川
対策
を促進いたしまして、できるだけ早目にあらかじめ
整備
するというような方向にさらに
努力
をいたしたい、かように考えます。
渡辺芳男
109
○
渡辺
(芳)
委員
通常は、こういう中小といっても小さい河川ですが、水は流れていない、大雨が降ると鉄砲水になってしまう、こういう傾向なんですね。そこで非常にそのときに問題になるわけでありますから、そういう
地域
というものはわかっておるわけでありますから、早急に重点的に
対策
を講じてやっていただきたい、
指導
していただきたいと思いますが、これらに対する
補助率
ですね、これはいままでどのくらいやられておるのですか。
渡辺隆二
110
○
渡辺
説明
員 中小の
関係
の事業費は、
中小河川
改修と、それから小
規模
河川改修と局部改修、三つに分かれております。内地でとりあえず申し上げますと、
中小河川
につきましては、これは水系が一級水系と一級水系外の二級水系と異なりますが、一級水系におきましては、現在の
時点
では四分の三の
補助
、二級水系では二分の一の
補助
、かようになっております。それから小
規模
河川につきましては、原則的に一級水系につきましては四分の三ということでございますが、一級水系の中で小
規模
の中でも特に
規模
の小さいもの並びに二級水系におきましては、四割の
補助
ということになっております。それから局部改修につきましては、三分の一の
補助
、かようなことになっております。
天野光晴
111
○天野(光)
委員長
代理 本日はこの程度にとどめ、次会は公報をもってお知らせすることとし、これにて散会いたします。 午後零時五十七分散会