運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1967-06-15 第55回国会 衆議院 災害対策特別委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年六月十五日(木曜日)     午前十時三十二分開議  出席委員    委員長 田原 春次君    理事 天野 光晴君 理事 池田 清志君    理事 細田 吉藏君 理事 湊  徹郎君    理事 渡辺 栄一君 理事 佐野 憲治君    理事 神田 大作君       熊谷 義雄君    塩谷 一夫君       世耕 政隆君    塚田  徹君       中川 一郎君   三ツ林弥太郎君       水野  清君    佐々栄三郎君       中澤 茂一君    渡辺 芳男君       小沢 貞孝君    小川新一郎君       鈴切 康雄君  出席政府委員         総理府総務副長         官       上村千一郎君  委員外出席者         内閣総理大臣官         房参事官    上田 伯雄君         大蔵省主計局主         計官      嶋崎  均君         厚生省環境衛生         局環境整備課長 田中正一郎君         農林大臣官房参         事官      太田 康二君         農林省農林経済         局金融課長   今村 宣夫君         農林省農林経済         局保険業務課長 松永 正隆君         農林省農政局農         産課長     遠藤 寛二君         農林省農政局植         物防疫課長   安尾  俊君         農林省農地局参         事官      佐々木四郎君         農林省農地局建         設部災害復旧課         長       松井 芳明君         農林省園芸局園         芸課長     千野 知長君         林野庁指導部造         林保護課長   大塚 武行君         建設省河川局治         水課長     渡辺 隆二君         自治省財政局財         政課長     首藤  堯君     ————————————— 本日の会議に付した案件  昭和四十二年五月以降の干ばつ及び降ひょうに  よる災害対策  派遣委員からの報告聴取      ————◇—————
  2. 田原春次

    田原委員長 これより会議を開きます。  災害対策に関する件について調査を進めます。  本日は、昭和四十二年五月以降の干ばつ及び降ひょうによる災害対策について調査を進めてまいりたいと存じますが、まず、本問題の実情調査のため先般当委員会より現地に派遣されました委員から報告を聴取することといたします。第一班、池田清志君。
  3. 池田清志

    池田(清)委員 昭和四十二年五月以降の干ばつ及び降ひょうによる被害状況等調査のため、議長の承認を得て、去る六月十日、十一日の両日、千葉県及び茨城県に派遣されました第一班の派遣委員を代表して、調査概要を御報告申し上げます。  派遣委員は、自由民主党池田清志日本社会党佐々栄三郎君及び民主社会党神田大作君の三名で、ほかに地元選出議員多数の御参加を得て、現地実情をつぶさに調査をいたしてまいったのであります。  まず、千葉県について申し上げます。  千葉県における塩干害は、県の報告によれば、六月五日現在、水稲の総被害面積は二万六千余ヘクタール、このうち、植えつけ未済面積三千二百余ヘクタール、植えつけ後の用水不足面積は、枯死または枯死寸前のもの四千百余ヘクタール、用水不足一万八千九百ヘクタールであります。  また、全国で第二位といわれるカンショは、植えつけ活着不良面積が二千八百余ヘクタールで、これは、約六〇%の植えつけ済み面積のうち三四%に及んでおります。  全国一の生産高といわれる落花生は、植えつけ発育遅延面積が七千五百余ヘクタールで、これは、約七〇%の播種済み面積の四二%に及んでいるのであります。  これらの干害対策といたしまして、購入した揚水機は九千百余台、これに要する原動機四千百台、合わせて四億五千万円、借り入れ揚水機二千七百余台、原動機二千百余台、合わせて千八百万円、応急工事として、さく井八千八百カ所、一億八千万円、水路その他で一億一千万円、以上の干害対策費総計は七億六千余万円に及んでおります。  また、五月三十日に本県を縦断いたしました降ひょうは、酒々井町、長柄町を中心に局部的に甚大な被害をもたらし、被害総額は一億円にのぼっております。  県におきましては、昭和三十三年以来という深刻な塩干害に対処するため、五月二十四日塩干害対策本部設置して、諸般の対策に万全を期したのでありますが、全県的な干害のために、各所に水争いが起こったといいます。  特に問題となりましたのは、野栄町、光町から旭市周辺の地域で、この地方は、大利根用水塩害のため取水できず、一方、中小河川にも、砂利採取による河床の底下が原因で塩害が発生し、木更津方面では、自衛隊の応援により、河口に土のうを積んで塩害を防いだといい、塩害は防げたものの、今度は出水期に水害の心配もしなければならない状況であったのであります。  天然の遊水池であるといわれる印幡沼からの取水も、目下堤防かさ上げをしているといいますが、先月二十四日に至り、一部を除いて工業用水取水を全面的にストップし、農業用水のみに充てる措置がとられたのであります。  応急対策としての井戸掘りポンプビニールパイプ等についても、技術者並びに資材が払底し、消防ポンプで水を繰り込んだところさえあったといいます。  このように、水稲塩干害は申すに及ばず、渇水に強いとされるカンショも、水不足で、ミミズが干からびたようなありさまとなり、一方、工業用水の節水及び取水ストップは、深刻な事態を招くおそれを生じ、一時はまことに憂慮される状況であったといわれますが、ちょうどこの時期に利根川上流矢木沢ダム放流が行なわれ、これが計画どおり下流に到達したことによりまして、文字どおり一〇〇%の効果を発揮して、危機を脱することができたということであります。  私どもが参りました時点では、関係者の懸命な努力による応急対策と、上流ダム適期放流に加えて、多少なりとも降雨があり、全県的に一応の回復が見られた現状でありまして、知事をはじめ対策本部関係者に安堵の色が見えておりましたことは、まことに御同慶の至りであったのであります。  総額八億円にのぼる塩干害応急工事に要した費用につきましては、県におきましても、対策要領を決定して補助対策推進しておりましたが、県の要望といたしまして、これらの費用に対する国の十分なる助成措置があげられましたほか、特に、知事から次の三点について要望がなされたのであります。  第一は、利根川河口きの工期短縮についてであります。この工事昭和四十五年までに完成予定でありますが、技術的に可能であれば、何とか一年短縮して昭和四十四年に完成されるよう関係方面の尽力が強く要望されたのであります。  第二は、畑かんがい推進の問題であります。現在、カンショ落花生中心とした畑作物に加え、都市近郊農業としての蔬菜類を大規模推進する必要があるが、利根川取水に関して、ばく大な経費負担は困難であるので、これの負担軽減をはかるとともに、北総東部用水推進など、畑かんがいの実効ある推進が強く望まれていたのであります。  第三に、大利根用水につきましては、土水路が多いため、河口ぜきが完成いたしましても、十分なる効果が期待できない現状にあるので、水路整備について、国の助成措置を強く要望するというのであります。  私ども調査団は、県庁において、以上申し述べました概況の説明を聴取した後、現地に向かったのでありますが、本日の委員会の時間の関係で、委員長のお許しを得て、その詳細につきまして、この原稿を会議録参照としてとどめていただくようお願いいたしたいと存じます。  次に、茨城県について申し上げます。  県の報告による干害状況は、六月六日現在で、水稲の総被害面積二万五千余ヘクタール、このうち植えつけ済面積二千二百余ヘクタール、植えつけ後の用水不足面積は、枯死または枯死寸前のもの千七百余ヘクタール、用水不足のもの二万一千五百余ヘクタールであります。  これらの干害対策として、購入した揚水機二千余台、これに要する原動機千二百余台、合わせて約一億五千万円、借り入れ揚水機は千二百余台、原動機六百余台、合わせて九百万円余、応急工事としては、さく井二千カ所七千八百万円余、水路その他で約二千六百万円、干害対策費総計は二億七千七百万円ということであります。  降ひょうによる被害状況は、五月十四日の下館市ほか一市一町において一億九百万円余、五月三十日の石岡市ほか五町三村において二億三千万円、合わせて三億三千五百万円に及んでおります。  県におきましては、五月二十七日干ばつ対策本部設置し、施設資材補助融資など対策に万全を期し、指導を行なってまいったのでありますが、特に、この災害を契機として、恒久的に災害に対処するための、国の法令に準じた条例案を作成し、今次災害対策要綱とともに、六月の県議会に提案の運びになっているということでありました。  県の要望事項といたしましては、  第一に、今次の干ばつ応急対策事業に対する国庫助成措置を五割補助にされたいということであります。特に、今回は、揚水機等購入費が二倍から三倍にはね上がり、一方、さく井費用も、技術者不足と、岩盤に突き当たって井戸掘りが思うように進まないことなどから、どうしても費用がかさむ実情であるため、かりに五十%の補助がなされても、基準価額査定にあたって、これらの事情が勘案されなければ、実質的には二、三割の補助にしか相当しないこととなるわけでありまして、実情に即した助成措置が強く要望されたのであります。  第二に、被害農家に対する再生産に必要な資材、すなわち、種子、農薬、肥料等に対する助成措置を講じてもらいたいということであります。  第三に、自創資金融資ワク拡大について、すでに年度当初においてワクの大半を消化しているため、天災融資法発動など特段の措置によりワク拡大をはかられたいということであります。  第四に、地方税減免措置、第五に、特別交付税交付について、それぞれ格段の配意が望まれたほか、利根川、鬼怒川の上流ダム放水量を増加されたいとの要望があったのであります。  また、今次の降ひょうにより全滅したスイカ、トマト等被害につきましては、果樹等と並んで共済制度を考慮する必要が指摘されたのであります。  なお、将来の問題として特に強く望まれましたことは、霞ケ浦の利水の問題についてであります。  その一つは、本年度計画調査を完了する石岡台地用水早期完成についてであります。同用水は、石岡台地土地改良事業一環として、県北の九千ヘクタール、うち水田三千五百ヘクタールを対象とするもので、用水の幹線だけについてでも早期に実現するよう強く要望がなされたのであります。  いま一つは、霞ケ浦農業用水についてであります。同用水は、県西方面の三万六千ヘクタール、うち水田一万六千ヘクタールを対象とするもので、現在利根川水系一環として調査中であるとのことでありますが、これを来年度において霞ケ浦農水として、一本立てで調査を実施されるよう要望せられたのであります。  現地状況につきましては、千葉県同様、参照掲載していただきたいと存じます。  以上、二日間にわたり、千葉茨城の両県における干ばつ及び降ひょうによる被害実情を視察いたしました結果感じましたことを一括して申し述べます。  まず、今次の干ばつにつきましては、昼夜を分かたぬ応急対策の浸透と、利根川上流ダム適期放流、加えて、ようやく梅雨期に入ったといわれる昨今、水稲中心に、一応の回復が見受けられたのでありますが、これまでに至る各県、市町村などにおける応急対策に要した経費はきわめて多額にのぼっているのであります。したがいまして、これらの費用に対する国庫助成は、従来の最高の先例に従って、五割補助を実施するよう政府要望申し上げるとともに、ポンプ等購入費さく井に要した費用査定にあたっては、資材等の値上がりを加味して、実情に即した温情ある措置が望まれるところであります。  さらに、将来にわたる問題といたしましては、利根川河口きの早期完工大利根用水水路整備、北総東部用水並びに石岡台地用水霞ケ浦農業用水等推進について、関係者のきわめて熱心なる要望に接してまいったのでありまして、願わくば、関係各省におかれては、現地実情を的確に把握されて、これらの要望に誠意をもってこたえられんことを切に希望する次第であります。  また、降ひょうによる災害対策につきましては、本委員会におきましても再三論じられているところでありますが、この災害の特徴として、被害地域が局部的であるため、いかに激甚被害をこうむりましても、天災融資法発動が困難な場合があり、この点は全く実情に沿わないというべきでありまして、同法を再検討する必要が痛感されますとともに、現実に、被災者が希望する自作農維持資金融資ワク拡大が実現できるような、何らかの実効ある方策を検討する必要が痛感された次第であります。  終わりに、本調査に際しまして御協力を賜わりました両県当局をはじめ関係各位に深甚なる謝意を表しまして、報告を終わります。
  4. 田原春次

    田原委員長 第二班、細田吉藏君。
  5. 細田吉藏

    細田委員 第二班の調査概要につきまして、御報告申し上げます。  派遣委員は、自由民主党細田吉藏日本社会党渡辺芳男君及び民主社会党小沢貞孝君の三名で、ほかに現地参加議員多数の参加を得まして、去る十日、埼玉県における被害状況等調査いたしてまいりました。  埼玉県におきましては、五月中旬以降ほとんど降雨がなく、また例年よりも平均気温が高く、日照時間も多かったために、水稲の植えつけ時期にあたり深刻な水不足を来たし、県の報告によりますと、水稲作付予想面積七万八千二百ヘクタールのうち、用水不足面積は、六月一日現在で一万三千八百四十三ヘクタールに達したのであります。その後、利根川ダム放流による流量増加並びに関係者用水確保努力によりまして、六月五日現在の用水不足面積は、三千六百二十五ヘクタールとなったのであります。  しかし、利根川水系の一部には依然として取水困難が続いており、荒川水系におきましては、上流瀬ダム貯水量が少なく、このまま推移すれば、田植えの最盛期となる六月中旬における用水不足はますます深刻化するものと憂慮されております。  県におきましては、用水を計画的、効果的に使用できるよう指導し、早期栽培が不能となった地帯には品種変更を行なう等の技術指導を行ない、県独自の予備苗しろを作って苗の確保をはかっております。  現在までにとられた揚水機導入及び井戸掘り等実施状況は、ポンプ購入百四十九台、借り入れ百六十一台、原動機購入六十六台、借り入れ百四十台、井戸掘り工事百十三カ所、水路の掘さく八百八十メートルとなっております。  なお、苗しろの水不足と苗しろ日数の長期化により、病虫害の発生が憂慮されておりますが、すでにヒメトビウンカが多発しておりまして、一斉防除を行なっておりますが、さらに防除を強化する必要があると思われます。  県の要望事項といたしましては、  用水不足解消対策に対する高率助成を行なうことが第一であります。すなわち、用水取り入れ導水路の掘さく動力線の架設、送水管設置揚水機場設置等用水確保のための工事に必要な経費揚水機等購入費及び賃借に必要な経費動力用燃料費及び電力費井戸その他用水確保に要する施設費に対する助成であります。  第二に、干害地帯の広域一斉防除を実施するための経費について助成措置を講ずること。  以上であります。  降ひょう被害につきましては、埼玉県は連年降ひょうにより多大の被害をこうむっているのでありますが、今年もすでに五月十四日及び六月五日に県北秩父地方降ひょうがあり、麦、蔬菜果樹桑等に一億二千万円に及ぶ被害が発生しており、今後の降ひょう被害を考えるとき、これが被害農家に対します救済措置を講ずるとともに、当面、低利資金融資、特に天災融資法適用共済金早期支払いについての要望がなされました。  以上の諸点につきまして、埼玉県庁において、知事をはじめ関係者から説明を聴取した後、被害現地におもむきまして、利根川水位低下により取水困難となっている古利根樋管及び川妻樋管において地元関係者から説明を聴取し、春日部農協において、春日部市、岩槻市、越谷市等の市当局並びに関係者から説明を聴取した後、春日部市谷原新田の亀裂を生じている水田状況を見てまいったのであります。  なお、われわれの調査いたしました以後十日に県下平均で九ミリ、十一日以降浦和で一・九ミリ、熊谷で十二・二ミリ、秩父で五ミリ、久喜で〇・五ミリの降雨量がありましたが、用水不足解消にはなおほど遠く、利根川矢木沢ダム第二次緊急放流による取水によって現在植えつけが進められていることを申し上げ、報告を終わります。
  6. 田原春次

    田原委員長 これにて派遣委員よりの報告は終わりました。  派遣委員各位にはまことに御苦労さまでした。  なお、ただいまの第一班の派遣委員報告中、お申し出のありました部分について、参照として会議録に掲載することに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 田原春次

    田原委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。      ————◇—————
  8. 田原春次

    田原委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小沢貞孝君。
  9. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 いまの視察の報告にもありましたように、細田班に加わりまして埼玉地方を視察し、あるいはまた、日曜等を利用して私は郷里の長野県の一部等を視察してまいりましたが、以下、農地局林野庁、それから自治省——関係者出ておられますか。
  10. 田原春次

    田原委員長 出ております。
  11. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 最初農地局のほうへ御質問いたしたいと思います。  この干ばつについて、農地局は、最近何か、指導要領といいますか、通達といいますか、そういうようなものを各地方農政局へ出したようでありますが、その内容——概略でけっこうですが、最初にそれを御説明いただきたいと思います。聞いたところによると、六月五日、局長名通達を出してある、こう聞いておりますが、概略内容を御説明いただきたいと思います。
  12. 佐々木四郎

    佐々木説明員 今回の干ばつに際しまして、去る六月五日に、農地局長名をもちまして、干ばつ対策に対しますところのいろいろな指示通達を各地方農政局長あてにいたしたわけでございますが、その内容の一番重点は、今回の干害対策に対しましては、応急対策といたしましてこれに要した経費の問題につきまして指示をいたしております。これは、従来この種の干ばつが起こった場合には、ある国の助成をやってきておりましたが、今回の干ばつに対しましてもそういう助成をするような措置をやりたい。これは、現在干ばつがなお進行中でございまして、各地方では、先ほどのお話にもございましたように、それぞれの地域地域ポンプ等応急対策を講じておりますので、これが一段落した時点におきましては、一定の手続を経まして、その総体の額がどれぐらいになるか、規模がどれぐらいになるかということがわかってまいります、そういう段階で、従前の例にならいまして助成の方法を講じていきたい、こういうことを各地方に通知いたしました。そういう趣旨でございます。
  13. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 いまの報告にもありましたように、各地区においては、必死になって、応急対策として、ポンプを据えつけたり、井戸を掘ったり、水路を開設したり、こういうようなことをやっておるわけです。それで、五月三十一日の災害対策特別委員会でも御説明があったと思いますが、それに対して国からは四割の補助を出す、これは平年度においてはそういうようにいたしたい、こういうように言明されております。さらにまた、当日だと思いましたが、松井課長からは、いわゆる激甚法適用を受けるような場合には、その助成は五割である、こういうようなぐあいに言っておられるわけです。その点ちょっと確認しておきたいと思いますが、そのとおりでよろしゅうございますか。
  14. 佐々木四郎

    佐々木説明員 激甚災害といたしまして高率補助をいたすかどうかということにつきましては、いまの段階ではまだわかりませんけれども、現在までの情勢でございますと、全国的にこの干ばつは広がってきておりまして、その規模は相当大きくなってきておりますので、この情勢がさらに続いていくならば、激甚災に当然なるのではないかというふうに考えておりますが、現在の段階ではまだはっきりそれがつかめておりません。
  15. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 補助率のことは五割でいいわけですね。
  16. 佐々木四郎

    佐々木説明員 もし激甚災ということがはっきりいたしますならば、過去におきましては——干ばつの問題は、特に制度的にどうというようなきまりがございませんで、その年度で発生した干ばつ被害状況に応じて予算措置をとっておりますが、過去の例では、三十九年にその例がございました。その時点では五割の補助をいたしましたので、そういう前例がございますから、今回もそういうことは可能ではないかと考えております。
  17. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 それはやはり政令指定しなければならないわけですか。
  18. 佐々木四郎

    佐々木説明員 政令指定はやる必要はございません。
  19. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 そうすると、ことし激甚法指定を受けるか受けないかというそのめどは、この干害についてはどういうようなめどを立てているか、あるいは三十九年の例にならってやる、こういうような通達でありますので、三十九年のときには激甚としてどういうように指定をされておるか、ことしもまた三十九年と同じような被害状況であるならば指定されるか、そのめどといいますか、指定するその条件といいますか、被害額、そういうような点につきましてちょっと御説明いただきたい。
  20. 佐々木四郎

    佐々木説明員 三十九年の例を御参考までに申し上げますと、三十九年のときにいたしました激甚基準といたしましては、全国に発生いたしました干ばつに対して応急対策事業費がかかっているわけでございますが、その対策事業費査定額全国合計が、その年の——三十九年の農業所得推定額の〇・一五%をこえて、かつ、その上なお、一つの県の対策事業費がおおむね一億円をこえるもの、あるいはまた、一つの県のその年の——この場合は三十九年でございますが、農業所得推定額のおおむね〇・二%をこえるもの、少し込み入っておりますが、そういういずれかの条件を満足する県が全国で十県以上あった場合には、当該県補助率を五割にいたします、こういう規定が三十九年の激甚災干ばつ適用されております。
  21. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 そういうことになると、いずれにしても、いま御発言のありました基準にことしもなれば、これは農地局長通達にもあるように、干がい応急対策事業に要した経費助成については、原則として過去の例に準ずるとありますから、ことしも、いま言われたような額——ちょっと二、三項目があってめんどうくさいのですが、それに相当すれば激甚指定を受ける、こういうことをちょっと念を押しておきます。
  22. 佐々木四郎

    佐々木説明員 ことし四十二年、それから三年前の三十九年とは、時点が違いまして、三十九年のときに考えられました全国農業所得推定額とか、そういうものも変わってきておりますので、その辺がどういうことになるかわかりませんけれども、もし三十九年の前例どおりということになりますならば、そのようなことが考えられるんじゃないかと思っております。
  23. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 そこでお尋ねしたいのは、最近の干害状況全国集計その他進行しつつあるようですから、途中の集計だと思いますが、大体どういうようになっておるでしょうか。この激甚指定を受けられるか受けられないかということの参考にしたいので、それに沿うような説明をちょっとしていただきたいと思います。
  24. 佐々木四郎

    佐々木説明員 この種の緊急な災害が発生した場合に、私どものほうでは全国から概算の報告をとっておりますけれども、今日まで参りました報告では、全被害面積が約三十八万六千ヘクタールに及んでおりまして、これに対しまして、先ほどお話がありましたように、水路の掘さくとか、井戸掘りとか、あるいは川の中の水の流れを変えるとか、ポンプつけるとか、あらゆる対策を講じております。この県の報告の総体は、いまのところ、概算報告でございまして、はっきりいたしませんけれども、約三十二億ぐらいになっております。これはまだ査定もいたしておりませんし、当然今後正式な申請書類等もとって確認しなければいけませんけれども、この概算報告なるものは、急場の場合でございますので、どの程度の正確さがあるか、ここらにまだ十分検討の余地がございます。そういうところでございますから、これがいまお尋ねの激甚に該当するかどうかということについては、まだちょっと判断をしかねております。
  25. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 三十九年のときのこういうような応急対策の事業費は幾らになったわけですか。この前の委員会では、たしか二十八億とかいうような御発言があったようですが……。
  26. 佐々木四郎

    佐々木説明員 二十八億です。
  27. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 それから、この事業費が一億円以上の県が十県なければいけない、それから、一つの県の農業所得推定額の〇・二%をこえなければいけないわけですね。そんなようなことだと思うのですが、ともかく、応急事業費として各県から報告になったのは、一億円以上のところは何県あったか、ちょっとお知らせいただきたいと思うのです。
  28. 佐々木四郎

    佐々木説明員 いまちょっと拾ってみますと、大体十県ぎりぎりぐらいのところだと思います。ただし、先ほど申し上げますように、これは県の報告をなまに聞いてあげただけの数字でございまして、これは当然査定されてくるわけでございますので、これがそのまま一億以上というふうになるかどうか、それはまた問題は別でございます。
  29. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 農業所得推定額のほうからの十県以上というようなものは、いまの状態では簡単にはわかりませんか。現時点で進行しつつある状態ですから、ちょっとわかりませんか。
  30. 佐々木四郎

    佐々木説明員 農業所得推定額のほうは、いままだちょっとそこまで資料を整理しておりませんが、対策事業費のほうだけは、概算でございますが……
  31. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 実は各県とも、これが四割の補助になるか、三十九年に準じて五割の補助になるかということが重大な関心事だと思います。たとえば私のほうの長野県は、この十幾日からか、県会で、副知事の選任なんかとともに、やはりこの干害対策などが非常に大きなテーマになると思います。したがって、一般のときの四割なのか、激甚によって五割になるかということは、非常に重大な関心事だと思うわけです。早くそのめどつけていただくということが、その干害対策を進める上においても非常にいいのではないか、われわれはこういうように考えるわけです。  いまいろいろの数字をお聞かせいただくと、ことしは被害額は三十二億ということで、昭和三十九年の激甚のときよりも、これは査定をしてないでしょうけれども、四億も五億も被害が多いわけです。それから、一億以上の県が十以上なければいけないということについても、どうも該当していると思うし、さらに、昨今の状態では、被害はだんだんふえるとも減るような状態にはないので、これらの数字をわれわれが聞いたところによれば、ことしの干害においては、当然激甚ということで高率補助を受けられるのだ、こういうように理解できそうなんですが、大体そういうことになりそうでしょうか。
  32. 佐々木四郎

    佐々木説明員 いまの傾向では、被害が西日本のほうにだんだん広がりつつありまして、干ばつ災害拡大する傾向にございますが、一方においては、また、四十二年度という年における農業所得推定額も、三十九年からすれば当然これはふえるわけでございますので、その両方の因子が働きまして、かりに三十九年と同様の基準適用されるといたしましても、先ほど来申し上げますように、もう少し情勢の推移を見ませんと、いまの段階では、いずれになるか、ちょっと判断しかねるかと思います。
  33. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 そうすると、これはだれがどこでどういうふうにきめるわけですか。農林省と大蔵省で相談の上ということになるわけですか。そうして三十九年のときはこのくらいだから、ことしはまあこのくらいでいいだろう、こういうようなことで大福帳式にきめるわけですか。過去の例に準じてと、こういうようにありますから、いま質問して、その被害状況から見ると過去の例に準ずる、こういうように明確にしてあるところを見れば、われわれが考えてみて、当然激甚ということになってしかるべきだ、こう思うわけですが、そのきめ方は、だれがどこでどういうようにきめるわけですか。
  34. 佐々木四郎

    佐々木説明員 これは三十九年の例でも、先ほどお話申し上げましたように、非常にこまかいきちんとした規定をつくって激甚災にしておるわけです。今回も、いいかげんなきめ方ではないとわれわれは判断いたしますが、当然、これは私どもだけできめられることではございませんで、大蔵省の財政当局とも御相談しなければならぬ。  何回も同じことを申し上げて恐縮でございますけれども、過去の例に準じてということは、過去の例のとおりという意味じゃございませんので、過去にもそういう例がございましたので、それに準じて処理したいというのが農地局としての態度でございます。
  35. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 三十九年のときは四月から九月までの累計をとったと聞いておりますが、そうですか。
  36. 佐々木四郎

    佐々木説明員 そのとおりです。
  37. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 何か気象庁の長官の御託宣なんですが、まだことしは九月にだいぶ干害がさらに続くのだ、こういうようなことを参議院で言明されておるし、ことしも三十九年に準じて九月か十月までのトータル、こういうことになれば、もう被害その他については三十九年の五割増しあるいは十割増しというようなことになるのは当然のように考えられるわけです。だから、そういうようなことから言えば、ことしもまた激甚ということで高率補助をしていただいて当然ではないか、こういうようにわれわれ考えるわけですが、いまのお話によると、大蔵省とも御相談の上とありますが、大蔵省の主計官、どうでしょう。いままでの話を聞けば、ことしは当然激甚ということで指定を受ける可能性がある、こういうように私たちは考えるわけですが、御見解を伺いたい。
  38. 嶋崎均

    ○嶋崎説明員 ただいま農林省のほうからお答えがありましたように、ことしの災害は、日を追うごとに、また、田植えの時期が進行していくごとに、被害が西のほうにだんだん広がって、その西のほうからの被害報告というものが被害金額に反映してきていると聞いております。一応われわれも、農林省のほうからは県報告の数字がどの程度になっておるかということについて常時連絡をとっておるわけでございます。いろいろな考え方はあるだろうと思いますけれども激甚かさ上げ補助率を使うにつきましては、激甚災法の適用のときのいろいろな基準というようなものを考えあわせて三十九年のときにはつくられておるわけでございまして、全体の災害の法体系の中でどういうぐあいに考えていくかということを基準にして、補助をどうするかということの考え方が策定されていくというふうに聞いておるわけでございます。そういう状況でございますので、一つは、その当時の報告というのは、県報告ではなしに、農地局のほうでいろいろ調べていただいた査定後の——査定数というのは、何も削るだけじゃなしに、要するに、適正な事業量というものを把握して、その上で行なわれるわけでありますので、そのことが各県のバランスその他の問題に響いてくると思いますから、そういう調査をやるわけであります。その数字が固まれば、私のほうは順次取り扱うということについては異議はないという旨を農林省のほうに連絡し、そういう考え方が、先般の農地局長通達にありますように、従前の例に準じてやっていこうという取り扱いになっておるわけでございます。現在の段階で私のほうで言えるのはそこまででございます。将来の予測としまして、もしもこのままの気象状況が御指摘のように続くということになりますれば、適用の可能性というものはそれに従って大きくなっていくというぐあいに判断をしておるわけでございます。  いずれにしましても、いろいろ私のところに陳情に来られる県の方々にも私お話を聞いておるわけでありますが、われわれ仕事をやっていく場合に非常に大事なことだと思うのですけれども、やはり県なり市町村なり、地元におられて、具体的に、どういう便法を使い、どういうことになってやっておるかということが一番わかるわけでございまして、そういう意味で、事業量把握という意味でも非常に関心を持っておるわけでございます。そういうことで、県単でたとえば二分の一まではやるんだということを言っておられて、一〇%くらいは県が負担をする、そういうことによって適正な運用ができるんだというようなことで、まことにそういう施策はけっこうなことじゃないか。もちろん、国として、県が一〇%持ったから、だから四〇%を五〇%に上げるのはいやだというようなことを決して言っているわけではない。もちろん、被害状況に準じて扱うわけでございますが、県もそういうふうにやっていただくと、非常に処理が適正になるというのが、従来の農林関係補助を見た私らの感覚でございますので、結果的には、農民の方々は、そういう処置を講じられた県については、そう御心配のような状況にはならないのじゃないかというぐあいに判断をしておるわけでございます。
  39. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 地方において大体なりそうだと大蔵省さんも言っておられるようなので、これ以上はどうもしようがないと思うが、私の聞いているのは、どこでどういう基準できめるのかということが、大蔵省のほうは農林省から、農林省のほうは大蔵省からということで、どうもそこがつかめないわけですね。一体何と何があったら今度の干害激甚の中に入れるのだ、こういう、大福帳的でなくて、相談したときに、やりましょうか、やりますというような何かめどはないか、基準はないのですか。
  40. 嶋崎均

    ○嶋崎説明員 何か非常にぐにゃぐにゃしていて、その場その場で答えを出しているような御感覚に受け取られているようですが、決してそういう意味ではございません。先ほど来農林省のほうから御説明がありましたように、補助対象の事業費の全国の合計というのが、農業所得の〇・一五%という、激甚災基準のほうからきている基準でございますが、それを適用しますと、大ざっぱな見通しで、約三十一億くらいの数字になるだろうと思うのです。もちろん、今後米価の値上げとか、いろいろな価格の問題とかがありますけれども、現時点における見込みというのはそういうことだろうと思うのです。したがって、その基準を非常に引き下げようというふうなことを私何も言っておるわけじゃなしに、やはりそういう基準があるならば、そういう基準は尊重していきましょうというぐあいに考えておるわけです。  それからまた、激甚災法の規定は、一県十億以上というようなあれがあるわけでございますが、農業、ことに干害というような場合には、一県十億というようなことはなかなか考えられない。したがって、県を広くとりまして、国民経済的な影響というようなことを考えるわけですから、県が十県でともかく十億になればそれでよろしいというようなことで、横の広さを加味しまして考えた基準を入れ、さらに、一県一億といっても、農業所得の大小もあるでしょう、したがって、農業所得のわりあい少ないところについては、一億未満の場合でも、〇・二%以上になれば、それは一億の県と同じような扱いで一県に数えましょうというような基準をつくっておるわけでございます。その基準は、これは経済的によほどおかしいというようなことがない限り——私はそんなものはないと思いますが、基準を変えるつもりはない。ただ、言いたいのは、結局、三十九年のときもそうでございますが、春先だけの干害ではなしに長期間をとっておるということをどこまで流用して考えるのか、気象の条件というものは非常に微妙でございまして、そういっておっても、さっと降ってくるかもしれない、それで中断されてまた別の形で干害というものはくるのかもしれない、そういうときに、どの辺、どの範囲で締めくくって考えるか。やはり災害というのは、一つ災害ごとに判断していくのが事柄の筋だろうと思いますが、そういう連続性をどこまでつかめるかというようなことがからんできて、実際具体的にあがってくる数字のほうの判断が、結局、正確な報告が固まるという形においてまだ明確な話ができないというだけの話でございまして、基準そのものをネゴシエートでどうこうするというような——もちろん、従前の例にあるかどうかということについては、農林省と大蔵省の間で十分折衝して、そういう形でやろうということで踏み切っているわけでございます。したがって、問題は、被害額自体がどういう形になるか、それから各県の状況というものはどういうことになるのかというようなことだけが残された問題だ、非常に簡便に言えばそんなことだろうというぐあいに思っておりまして、決して何かふにゃふにゃやっておるというわけではないわけでございます。
  41. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 私たちは、過去の例に準じてやれば、おそらく、いまの被害状況の進行だと、激甚のそれになるのだろう、こう信じますから、それはなるべく早い時期に大蔵省と農林省と御協議いただいて御決定をいただくことが、地方に対しても非常に親切なことだ、こう思いますので、その点を希望して、次に進みたいと思います。  水稲についてはたいへん関心を持っていま論議されておりますが、一般農作物——トマトを植えたけれども、みんな枯死してしまったとか、モロコシも枯れてしまった、こういうような場合に、水路をつくるとか、かん水をするとか、応急対策をいろいろやらなければならぬ場所が出てくるのだが、これもやはり水稲と同じように、そういう施設に対しては補助その他は準じてやられるわけですか。
  42. 佐々木四郎

    佐々木説明員 畑作物につきまして干ばつが起こった場合にどうするかということに対する態度でございますが、一般的に申し上げますと、畑作につきましては、かんがい施設がある場合には、その区域において干ばつが起これば、その干害地域に対して水路を掘るとか、ポンプを増設するとか、いろいろなことをやりますので、それを助成してきたというのがいままでの例でございます。全然かんがい施設がない畑、こういう地帯にまでそれを及ぼすかどうかということは、これは畑と水田の性格的な違いもございまして、そういう地域にまで及ぼすかどうかにつきましては問題がございますけれども、かんがい施設等、いまではかなり畑地についても行なわれておりますし、それからまた、本来的には、畑に対しましては、いわゆる畑地かんがい施設というものを別に土地改良事業のほうで推進していって、なるべく畑作の振興、畑の土地の生産力の増強、こういうものをはかっていくのが本来的な姿ではないか、こういうふうに考えます。
  43. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 時間がないので、たくさんありますから、次に進みたいと思いますが、実はこういうことをやっているわけです。表流水でいままで二十町歩、三十町歩かんがいをしておった。ところが、干害でだめだ。ここは地下水が地下百メートルでなければ出ないということは、付近の者はみんなわかっている。過去においても、その付近で百メートルぐらい掘ったら水が出て、それでやった、こういうようなことから、干害だとわかったとたんに、百二十メートルの井戸を掘ろうということで、昼夜兼行でやっておって、今月末までに水を揚げればいまの状態では間に合うというようなことで、五百万も六百万もかけて掘って、ことしの干害応急に間に合うわけです。ところで、それは来年再来年は表流水で間に合うだろうが、その次の年に干害がきた場合には、またそのポンプを使えば間に合う。応急でやっても、恒久対策も兼ね備えている、こういうかっこうになっているわけですね。そういう場合には、いまここでいう補助対象——これは国民経済的に見ても、いいことなので、私の地区のほうでは、今井とか、壽とか、そういうところでは、三百万、六百万かけてそういうことを昼夜兼行でやっているわけです。そうすると、二年か三年ごとにくる干害に対しても恒久的な施設として存置できるのだ、こういうことになって、なかなか度胸があって、うまいことをやったものだ、こう思うわけです。こういうことは当然補助対象としていいわけですね。
  44. 佐々木四郎

    佐々木説明員 いまのお話、水田に対して現在地表水でかんがいしていて、それが渇水になって水が足らなくなって、井戸を掘って、それから水を揚げる場合、それが二十町歩、三十町歩の場合といたしますれば、現行の補助の体系では、団体営の補助対象になり得る、こういうように考えております。
  45. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 それでは、林野庁のほうへお尋ねをいたしたいと思います。  ことしは森林関係にもたいへんな被害を及ぼしているわけです。どうも私のほうの長野県ばかりかと思っておったが、静岡その他にもあるようなんですけれども、これに対して、被害状況、過去においてどういうような方法を講じたか、ごく簡単に御報告いただきたいと思うわけです。
  46. 大塚武行

    ○大塚説明員 お答えいたします。  今度の干害につきましては、今年度の新植地において相当量の干害が出ておるということは聞いておりますが、詳細な調査資料の報告がまだ参っておりません。大体相当な被害を受けていると思われます県は、いまのところ八県ばかりございますけれども、数量についてはまだ報告が来ておりません。  次に、過去においてこういうことについてとられました措置でございますが、昭和三十九年の凍霜害の際におきまして、造林補助金として特別の措置がとられております。通常、この造林の補助金は、植栽後一定の活着率以上に活着いたしまして成林した場合に補助金を交付するということになっているのでございますが、三十九年度の凍霜害の際には、植栽後まだ補助金の交付以前において災害をこうむったというようなことがございまして、それで特別な措置がとられたわけであります。   〔委員長退席、佐野(憲)委員長代理着席〕  その内容を申し上げますと、第一点は、三十九年度の植栽地であって凍霜害による被害を受けた場合には、活着率のいかんにかかわらず補助金を交付するということ、それから第二点は、その補助金の交付を受けた者であって、その以降おおむね三年以内において応急造林、いわゆる改植と申しますが、それを実施した場合に、五〇%以上の枯損を受けて改植した者については再度補助金を交付するということであります。それから第三点は、このような二つの補助交付を受けていない者であって、しかも当年度植栽以外でありましても、五〇%以上の枯損を受けて改植をする際には、補助率を一般よりも高めまして助成をいたしております。  なお、このような措置は全部やったのではありませんで、特に凍霜害の被害が大きかった十県に対しまして、しかもその県内において、市町村単位に見ました場合に枯損率が二〇%以上であって、その面積が二十ヘクタール以上あるような市町村内の被災者に対しましてこの措置がとられております。
  47. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 三十九年のときとことしの現状は全く同じようで、ことしの春植えたので、たとえば長野県のごときは、活着率七割以上でないと補助金をやりません、それも検査はこれからで十月ごろまでやります、こういう状況になっておるわけです。もう明らかに活着率ははるかに低下しているという現状であるわけです。だから、いま県の治山課等で非常に心配しているのは、三十九年度のときと同じように、ことしもいまの二つ三つの基準——繰り返して申しませんけれども、活着率のいかんにかかわらず、ことしやったものについては補助金を出す、それから改植した場合にも、ことし、来年というわけにはいかぬから、三年以内ならば再補助をする、こういうようなことについて、これはやはり早く指示しないと、非常にその問題についていま迷っておるというのが現状ではなかろうかと思いますが、これは激甚というような指定を受けるような時期ですから、当然林野庁においても三十九年に準じてやるのだ、こういうことでよかろうかと思いますが、そういうことでいいでしょうか。
  48. 大塚武行

    ○大塚説明員 先ほども申し上げましたように、細部の被害状況調査はまだ終わっておりませんが、早急に調査をするように各県のほうにも連絡をとりまして、その上におきまして、三十九年度災害のときと同様な措置がとれますように、大蔵省と十分に協議の上実施をする方向で検討したいと思います。
  49. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 時間がありませんので、林野庁関係については、すみやかに被害を的確に把握していただいて、三十九年度と同じような措置を講じていただくことをお願いしておきたいと思います。  それでは、次に自治省関係についてお尋ねしたいと思います。  各県においては県負担、あるいは町村においては町村負担災害対策を盛んにやっておるわけです。交付税法によれば、その災害に対して特別交付金を交付する、こういうように規定されておると思いますし、また、この被害を受けたような山間僻陬の町村においては、この特別交付金の額のたくさんくることを非常に望んでおるわけです。自治省としては、どういうような方法でこの特交は計算されておるか、的確に災害のところに特別交付金が増額されていくかどうか、私もしろうとでどうもよくわかりませんので、その辺をひとつ御説明いただきたいと思うわけです。
  50. 首藤堯

    ○首藤説明員 いま御説にございましたように、冷害、干害、凍霜害、こういったような農作物関係被害に伴いまして地方公共団体の必要とします財政需要に対しましては、特別交付税をもって措置しておるわけでございます。地方公共団体の財政需要は、そういった被害に対応いたします各種の国庫補助事業等の地方負担、これがありますことはもとよりでございまして、そのほかにも御指摘のような数多くの単独事業があるわけでございます。それに対しまして特別交付税は、簡単に申しますと、二つの方面から措置をしておるわけでございまして、まず一点は、冷害、凍霜害、干害、そういった農作物被害に対しまして、その被害総額の一定のパーセンテージ、こういうものを客観的に把握されました当該団体の財政需要額、こういうように見まして措置をしますのが一点でございます。それからもう一点は、国庫補助事業等がございますと、それの地方負担があるわけでございますが、その地方負担額に対しまして一定の比率の措置をする、こういうかっこうで特別交付税を配分いたしておるわけであります。  なお、このほかにも、このような農業災害に伴いまして天災融資法等の発動がございました場合には、そのようなものの利子補給、損失補償、こういった額につきましても同様一定の比率を乗じまして特別交付税措置をいたしておるわけでございます。
  51. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 特交のこういう基準で配分したということは、町村はよくわからないわけです。とにかく、災害で何らかの金をくれるということは法律にうたっているが、特交の算出基礎というものは、一体どういうものを算出基礎としてやっているかということは、県も市町村もよくわからない、こういう実態ではないかと思いますが、大体特交の予算はことしは幾らあるわけですか。当初予算において所得税と酒税と法人税の百分の六が特交だと思いますが、その額は幾らですか。
  52. 首藤堯

    ○首藤説明員 今年度特別交付税の額は五百三十五億ということでございます。  それからなお、前段御質疑のございました算定の方法について府県、市町村がよく知らないのではないかということでございますが、これはよく知っておるはずでございます。具体的に申し上げますならば、先ほど一定率と申し上げましたが、被害額に対しまして県も市町村も同率でございまして、〇・五%ずつ、両方で一%に相なります。これが全般の包括的な措置でございます。それから、国庫補助事業がございました場合には、その地方負担額の七割、これが特別交付税の算定の額になっております。
  53. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 ことしの特交のワクは五百三十五億。昨年は……。
  54. 首藤堯

    ○首藤説明員 昨年は四百六十九億でございます。
  55. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 そこで私ちょっとお尋ねしたいのだが、地方団体に対して交付すべき昭和四十一年度分の特別交付税等の額の算定に関する省令、県に出すのは、これの第二条ですか。そうですね。
  56. 首藤堯

    ○首藤説明員 そのとおりでございます。
  57. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 そうですね。  そこで、一号、二号、三号とあるのですが、この一号のほうは、普通交付税と同じような、警察の職員の増員があったとかいうようなことで、合理的な算出基礎の上に立ってコンスタントに積み重ねて出されているのだから、これはもうどこでもわかることではないかと思います。一号のほうはそれでいいわけです。普通交付税と同じような算定の基礎に立って特別交付税の一号のほうは出している。ところが、いま言われるのは、どこにもその率をうたってもいなければ、何もないわけなんです。私の聞くところでは、第二号のほうで、「風水害、冷害、凍霜害、ひょう害、干害等による特別の財政需要があること。」という中に含まれてそういうものが出されるのだ、こう聞いておりますが、そういうことなんですか。
  58. 首藤堯

    ○首藤説明員 そのとおりでございます。
  59. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 そうすると、私は、一号と二号とを比較してみれば、一号のほうは合理的な算出基礎の上に立っているから、これはまあわかる。二号のほうは、何か腰だめみたいに見えてしょうがない。凍霜害、干害等については措置する、こうあるのだけれども、腰だめ的に見えてしかたがない。いま言うように被害額の県が〇・五、市町村が〇・五で、国庫補助のあったものについては地方負担分の七割、こういうように明確にしていただいたので、私もよくわかるわけなんですが、そうすると、全国的に激甚というような年で被害がだんだん多くなっていった、こういうことになると、一号は、こういう積み重ねによって、もうこれは積算で出てきますから、幾らと出ちゃう。ところが、二号でもってやるほうは、ワクは、さっき聞いた五百三十五億というワクできまっている。こういうことになると、凍霜害、干害等で〇・五ずつ県と市町村に出します、それから地方負担の〇・七を出します、こう言っても、ワクが一定であれば、出したくも出せないのだ、こういう結果になると思いますが、一体そこは納得のできるような御説明はできるものですか。
  60. 首藤堯

    ○首藤説明員 理論的には、先ほどおっしゃいましたようなことがあり得るわけでございますけれども、二号の中でも、いま御指摘の風水害、冷害、凍霜害、このような災害関係のものにつきましては、特別交付税の性格上優先的に措置すべきものである、このように心得ております。したがって、これで算出をしました額で特別交付税の額が不足をするから、それをちびってしまう、このような措置は考えていないわけでございます。
  61. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 ちょっと御説明いただきたいが、たとえば、昨年でもことしでも、どういう計算になっているか私はわかりませんが、昨年四百六十九億の特交のうち、一号のように合理的な算出基礎の上に立ったのは一体幾らで、二号のほうは何か私たちは腰だめみたいに見えてしようがないけれども、いま適当な率があるということが初めてわかったのですが、二号のほうはどのぐらいのパーセントになっているものですか。あるいは額でもけっこうです。わからなければけっこうです。
  62. 首藤堯

    ○首藤説明員 第一号につきまして、こまかな積算基礎を省令で規定しておりますが、二号についてはこまかな内容を書いておりませんので、腰だめのようだ、こういう御指摘だと思いますが、先ほど申し上げましたように、災害関係等につきましては〇・五%といったような基準つけまして、これは動かしていないわけでございまして、決して腰だめで算定をしておるわけではございません。  それから、いま御質問のございました第一号に関係をします額でございますが、都道府県分で約五十一億、それから市町村分で約百六十九億、したがいまして、二百何がしになりますか、そのぐらいの額が第一号の額でございます。
  63. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 そうすると、二号は、二百二十億を引くと、二百三十億ばかりということですね。去年の四百六十九億のうち、一号で合理的に積み重ねたのが、県が五十一億、市町村が百六十九億ということになると、二百二十億です。だから、二号のほうは二百四十九億ですか。
  64. 首藤堯

    ○首藤説明員 結論的にはそのとおりでございますが、なおこまかく申し上げますと、二号から三号を差し引きまして、四号を足した額、こうなっておりますので、その額が御指摘の額でございます。
  65. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 三号、四号のほうをやりだすとむずかしいので、ここに二号として二百四十九億残るとします。そうすると、そういうもので干害、風水害、冷害等特別の財政需要があるときにはこれを充てる。残った額というものはもうきまっちゃっているわけです。ずっと大きく被害が今後九月まで続いて、気象庁の長官の御託宣のように今後被害が大きくなっていけば、この二号の六番目でいっているところの算定の率ですか、算入の率ですか、そういう率できめてありますといっても、とうていおさまらない、こういう事態が出てくれば、おまえのほうの県のものをこっちに削って回すとか、こっちの当然受けるべき県のものを削って回す、こういうことにならざるを得ない、私は理論的にそう思うのです。どうでしょう。
  66. 首藤堯

    ○首藤説明員 理論的には御指摘のケースが起こり得るわけでございます。ただ、そのような場合には、非常に大きなたとえば土木災害、そのほかにつきましても大災害がございました場合には、仮定の議論でございますが、国のほうにも補正予算等の所要が生じてくるわけでございます。そのような場合には、国のほうの補正予算の財源が国税三税をもって充当されるというケースが出てまいりますと、地方交付税の全体にもこれに伴った補正が生じてくるわけでございまして、もしそのような非常に異常な事態が起これば、当初に組んでおりました交付税の総額が変化をするというケースもあり得るわけでございます。  それからなお、いままでの例で申し上げますと、災害関係等に充当されます特別交付税の額は、ほぼ百億から百五十億ぐらいの見当でございまして、いま申し上げました額の中でまかない切れなくなってちびってしまう、このような事態はまずまず起こらないと考えております。
  67. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 理論的には、削ってこっちへ持ってくることがあり得るのですからね。あり得るのですから、特交の計算というものは、どうやらこの災害は減っているらしいけれども、はたしてどうであるかわからない、これが私は自治体のすなおな声だと思います。計算基礎はよくわからないと言ったのは、私がわからないのであって、自治体のほうはわかっているのかもしれませんけれどもワクがきまっておりますと、災害が大きくなっていきまして、ほかの県の分を削ってきて分けてやるということになれば、災害だからことしは特別多かったぞ、こういうような事態にならないという不信感を私自身は持たざるを得ないわけです。私は理論的にそうなると思うのです。それを幾ら論争してもいまさらどうにもならないので、私はこの際特に要望しておくのは、それ、凍霜害だ、それ、ひょう害だ、それ、今度の干害だというような災害が起こるのは、山間僻陬の地です。最近よく問題になっている過密対策、過疎対策、こういうことがありますけれども、その過疎である部分、基幹労働力はみんな出ていってしまって、村の計画も成り立たぬというような町村のほうが、この特別交付金なり何なりを渇望しておるというのが実態ではないかと思うのです。この間毎日新聞か何かにうまいことが書いてあったけれども、行政水準で見たって、私もなるほどこれだけの違いがあるかと思って見たのですが、首都圏の、東京のまわり五十キロぐらいのところでは、保健衛生費は人口一人当たり一千八百十七円。ところが、いま私が言うような過疎地帯で、常襲災害地帯で村の財政がどうにもならぬ、こういうような山間僻陬の市町村における保健衛生費は一人当たり五百八十八円。ということは、過密地帯に近いところと比較して過疎地帯においては、同じ国民でありながら保健衛生費は三分の一か恩恵に浴することはできない、こういう実態だと思います。土木費のごときは約半分、過密だから、東京に近いところは三千五十七円で、いま言った過疎地帯では一千八百四十五円、消防費、また舗装率なんというのはさらにひどいことで、五・二%に対する〇・九%とか、自動車の通行不能のところが、片方は二五%だが、片方は七五%に近い、こういう行政の格差が出てくると思うのです。そういう場合に、それを何とか直していくのはやはり交付税だ。交付税がそういうことをしなければならない、こういう使命を持っていると私は思うのです。それについて県や市町村から要望があるのは、この干害に対して特別交付税で処置してもらいたい、県からも市町村からも言う要望はそういうことなんです。ところが、どうも理論的に突き詰めていけば、ワクはきまっているのだから、算入率は〇・五ずつ、あるいは国庫補助のあったものについては地元負担の七割、こういうように言われても、それをはたして信頼していいかどうか、こういうことに私たちは疑いを持たざるを得ないわけなんです。この過疎地帯といいますか、常時災害を受けている地帯における市町村、県、そういうようなところは特別交付税を非常に期待しているわけですから、ほかの県から大いに削ってきてなんというと、ほかの県の人におこられてしまうかもしれませんけれども、この対策についてはひとつ万全を期していただく、こういうことだけをお願いして、時間もたいへんおそくなってしまいましたので、またこの問題については地方行政委員会その他においてひとつ大いに論争させていただきたい、こう思います。  たいへん長くなりましたが、一応これで質問を終わりたいと思います。
  68. 佐野憲治

    ○佐野(憲)委員長代理 水野清君。
  69. 水野清

    ○水野委員 先週、衆議院の本委員会の視察団に随行いたしまして、私も千葉県の出身でございますので、千葉県下の被害事情を見てきたわけでございますが、その点について二、三気のついたことと要望したいことがございますので、この席を借りまして質問さしてもらいます。  御承知のように、千葉県下の問題でございますけれども災害事情を見ますと、地元では、天災上りも人災だということを言っておりまして、特に千葉県下で最大の干害のひどいところは、匝瑳郡の野栄町と光町というこの二町でございます。これは県からもたぶん報告がいっていると思います。この二町は主として大利根土地改良区というのに所属しておりまして、利根川の比較的河口に近いところから取水して、えんえんと百数十キロを越えて利根川の水を九十九里の海岸まで持ってきている地域でございますが、利根川河口からの海水が遡上しているために水が十分取れない。それから、この大利根土地改良区というのは、戦争中つくった土地改良事業でございまして——これは派遣委員報告に入っておりますので簡単にしますが、途中で漏れてしまって、末端まで水がいかないわけです。それがおもな原因で、地元の人たちは、天災よりも人災だということを言っているわけであります。しかし、具体的に申しますと、たとえば、たんぼに井戸を掘ってポンプで一時間水をくみ上げております。これは視察団と別に私は見てきたのでございますが、一時間たんぼへ水をくみ上げて、三時間しかもたない、たんぼが干割れてしまうという状況なんです。このことにつきまして、現地要望は、国の補助が団体では四一割、個人ないしは共同体、協業みたいなかっこうでは二割五分というものがつくけれども、油代がもうとてもかなわない。何とかその油代を——これはかつて実施をされたことがあるそうですが、大蔵省及び会計検査院の反対でうまくなかった。その辺の事情をちょっと伺いたいのです。油代を支給する気があるのかないのかということが一つと、それから、灯油については免税になっておるそうですが、実際灯油を使っているポンプは非常に少ないので、重油、軽油についても臨時でこういう際には何か免税措置がとれないかということをしきりに要望されたわけであります。これはさまつ的な対策でございますけれども、現在の干害状況では私は非常に重要だと思うので、この点伺いたいと思います。
  70. 佐々木四郎

    佐々木説明員 干ばつが起こった場合に、かんがいを応急的にやりますポンプに必要な油にかかった経費補助するかどうかというお尋ねでございますが、応急対策という考え方でかつてはこういう干ばつ事態に対して対処してきておったわけでございますけれども、その後、干ばつが非常に多く発生し、頻度が多いというようなことから、ポンプ施設をやったり水路を掘ったりするようなことに対しまして、干ばつ対策としてこれを補助する、こういうふうになってきたわけであります。ほとんど毎年干ばつがどこかに起こるものに対しましてはそういう姿勢できておりますが、これは考えてみますと、応急というよりも、むしろ恒久対策でございます。ポンプがつき、水路を掘るということは、この施設は半ば恒久的施設になってまいります。それで応急という名前からはいささかそれるわけでございますけれども干ばつの実態からいたしましてそういう施設がぜひ必要であり、それが非常に有効であるということでありますとともに、現地では、井戸を掘ったり、ポンプを据えたり、どうしてもやる。これをとめるわけにいかない。それが一番いいということでやってきておりますので、この方法を干ばつ応急対策事業として補助対象にしてきております。単に燃料とか油とかいうだけになりますと、これは一般の他のポンプ施設やそういう機械類に対しまして使う油なんかと非常に区別が困難になりまして、干ばつということだけにこれを使ったかどうかというようなことが非常にむずかしい問題にばってまいりますので、そういうものに補助をすることよりも、もっとたいへんお金のかかるポンプとか、そういうものに補助するほうが、より農民の人たちの経費負担を軽減することに当然なる。そういう考え方で、一時的な、臨時的な、しかも維持管理に属するような毎年必要な油類に対しましては補助をしないというふうに、考え方が変ってきております。今回もお話のような事態はあちこちにあると思いますけれども、そういう考え方になってきておりますので、そういう一時的に油等が必要でたいへん金がかかるというような場合には、別途その組合員なり農民の方々はそれに対しまして村なり農協というようなところからでもお金を借りるとか、何らかの方法を講じられるほうが手っとり早いことであって、これを干ばつ応急対策の制度として取り込むということは非常に困難であるというふうに考えております。
  71. 太田康二

    ○太田説明員 先生お尋ねのように、ガソリンを除いては、一般の油類についてはたしか免税になっておるようでございます。干ばつ対策に使用しておるポンプ類につきましては、実はガソリン使用のものは非常にわずかであるというふうに聞いておりまして、確実な数字をつかんでおるわけではございませんが、数字はわずかであるというふうに聞いております。なお、農業用のガソリンの問題につきましては、前々から非常にいろいろ問題がございまして、免税措置を講じろというような強い要望もあったわけでございますが、いろいろ技術的に困難な面等もございまして、免税にしないかわりに、農業用揮発油税見かわり農道事業という農道事業がございまして、これによって処理するということに現在は相なっておる次第でございます。
  72. 水野清

    ○水野委員 現地に参りますと、いま太田参事官のお話は、ガソリンを使っているのが非常に少ないということですが、私も全国的に見たわけではないのですが、実際にはガソリンを使っているエンジンのほうが多いということを私は見てまいりました。もう一ぺんひとつよく御調査を願って、こういう災害の際だけに、たとえば天災融資法発動される際には、同時にそういった免税措置を併用できるかどうかというようなことについて御検討いただきたいと思います。これは現在できないことはわかっておりますから、御検討いただきたい。大蔵省のほうも少しそういう姿勢でやっていただきたい。こういう天災の時期にはひとつぜひやっていただきたいということを要望します。  それから、これは少し直接の対策ではないのでありますけれども水田に水が来ないというところ——千葉県下だけではないように聞いておりますが、おもなところで、千葉県では谷津田という名前でいっております山間の水田であります。いわゆる水源が山の谷から出てくる、泉のようなところから水が流れてくるというところであります。これは農林省の今後の一つの土地改良政策の中に入ってくると思いますが、こういうものは結局水田の反収としても非常に低いわけであります。これは、先ほど申し上げたような平原地帯水田と違って、もっと被害の頻度が高いわけでありますから、こういう水田の一部は、むしろ水田をやめさして、いま農林省でいっておられる新しい選択的拡大の方向へ向けていかれたらいい。これをほうっておけば、やはり現在の農産物の価格制度のバランスの中で、どうしても水田にしがみついているわけでありますから、これが転換しやすいような制度をひとつ進めていただきたい、こう思うわけでありますが、太田さんのお考えだけでもけっこうですから……。
  73. 太田康二

    ○太田説明員 先生御指摘のとおり、今回の干ばつ被害を見てまいりますと、まさにおっしゃられたとおりの天水田、山つき地帯の、谷津田と申しますか、そういったところが被害を受けておるようでございます。そこで、御指摘のとおり、なかなか水源の確保がしにくいというようなことであれば、水田としてはきわめて不安定な状態にあるわけでございますが、確かに、現在の農産物価格の中で、生産費所得補償方式によって保障されております米価というものが、他の農産物価格に比較いたしまして有利であるというようなことから、農家の方が非常に米に対する生産意欲が旺盛になって、そういったところまで無理して水稲をおつくりになる、その結果干ばつ被害にあう、したがって、これはできる限り他の選択的拡大といわれておる農産物に転換すべきではないかというような御意見、全く私もそういうふうに持っていくべきであろうというふうに考えます。ただ、具体的な実行の方法となりますと、それでははたして何に転換したらいいかというような問題もあるわけでございまして、その地域地域実情に応じて解決しなければならないかと思いますが、全般の今後の農業改善の方向の問題として今後検討してまいりたい、かように考えております。
  74. 水野清

    ○水野委員 もう一点、これも私から要望しておきたいわけでありますが、今回の干害の問題は、私は、基本的には、戦争中から戦後にかけての山林の乱伐ということが一番の問題だと思う。治山治水問題について現在の農林省があまり手を打っておられない。それから林野庁における造林補助金というような問題も、あまりにも補助制度が低いために、現在の労務賃金その他のバランスからいっても、あってなきがごとしであるというふうに私は思うのであります。それで、これは国として、やはり一つの県あるいは市町村の中で、それぞれ農業委員会のようなところで論議をして一定の山林面積というものをきめてもらって、その中で、それをこえたものは山林が切れるけれども、いたずらにその山林を乱伐できないというふうな制度をつくっていく以外にないと私は思う。これ以上水について——農業用水工業用水、その他飲料水と、利根川の例を一つとりましても、非常に水争いをしておるわけであります。これは幾ら水争いをしましても限界がある、その水源を確保していく必要があるというふうに思うわけでございます。この点について農林省はどういうふうに考えておられるかということをちょっと伺いたいと思います。
  75. 太田康二

    ○太田説明員 山林の治水上果たします役割りが非常に大きいということは、御指摘のとおりでございまして、実は農林省といたしましても、治山につきましては、たしか治山の緊急五カ年計画をもちまして計画的に実施いたしておるのでございますし、造林につきましても、昭和六十年を目標にいたしましての長期計画に基づきまして、国有林あるいは民有林を通じての造林をいたしておるのでございます。ただ、御指摘のように、たとえば造林の補助金等が、人夫賃、苗木代等の補助をいたしておるわけでございますが、非常に実情に沿わないというような点につきましては、今後検討してまいらなければならぬと思いますが、いずれにいたしましても、国土の保全上果たすべき山林の持つ役割りの重要性を十分評価いたしまして、いま申し上げたように、計画的に、しかも長期の計画をもって実施しておるのでございます。
  76. 水野清

    ○水野委員 補足なんですが、先ほど申し上げたように、谷津田というような水田、いわゆる天水田自身が、戦後いわゆる農地解放、山林解放をやらして、無理に水田をつくったようなところがあるわけであります。それ自身で水に困っておるというような例が非常に多い。これは農林省だけでなく、大蔵省も、その他の関係の官庁も真剣に考えてもらいたい。私は、これは日本の国にとって非常に重要な問題であると思う。日本じゅうがアスファルトとコンクリートの建物だけで埋まってしまうというようなことはないと思いますけれども、そのバランスがくずれたら、これはわれわれのいまの文明社会自身の不均衡ということになるのだと思います。これが今日の干害をもたらす一端であろうと私は思います。ぜひともこの点よくお考えになっていただきたい。   〔佐野(憲)委員長代理退席、天野(光)委員長代理着席〕  それから、大蔵省の方がおられますけれども、先ほどのこういう災害時における一般の農業用のガソリンの免税問題をぜひやってもらいたいわけです。特に災害時においてはひとつ考えてもらわなければならないと思うのでございますが、ちょっとその点、大蔵省の方が来ておられるようですから……。
  77. 嶋崎均

    ○嶋崎説明員 ただいまの問題にお答えいたします。  御承知のとおり、農業用のガソリンの免税問題につきましては実は長い議論がありまして、ガソリンの消費量の算定をどうするかというようなことについてもいろいろな御高説、御議論があって、結果的にことしは全額還元するということで予算をつけました。したがって、農業、漁港の関連と、それから林道というようなところにそれぞれ使用に応じた配分を実施したわけでございます。そのときにいろいろ議論になりましたのですけれども、要するに、免税の手続とそのコストですね、それを考える場合に——税金は一律に処理をしても、最終的にその額相当を農業関係等の補助事業に回したほうが、財政的にも非常に効率的な処理ができるという考え方で現在の身がわり事業というものができているわけでございます。さらに、いま御指摘の災害時におけるところのガソリンの免税ということになりますと、さらに技術・的な困難性というものが加わっていくだろうと私は思うのでございます。農林担当の主計官でございますので、税金の免税手続等につきましては、昔はやったことはもちろんありますけれども、そう詳しくはありませんので何でございますが、そういういろいろな審議の過程において、一般的な免税すら、使用量といわゆる免税手続というところに問題点がありまして解決できなかった問題を、さらに部分的な形でやることは、技術的に非常に困難なのではなかろうかというぐあいに考えておる次第でございます。  なお、蛇足ではございますけれども、最近の水稲の作付問題が、十分な水利施設整備のないままに所によっては水田が開かれているというのは、北のほうに非常に多いのでございますけれども、一般的にもそういうところが見受けられるわけでございます。しかし、現在の制度が米に非常に傾斜した形になっておりますし、何しろ主要食糧でございますから、そういう形になっておるのでございますが、反面、災害対策という面でも相当傾斜した形になっております。御承知のとおり、農業共済の制度というのは主力は米麦にあり、すでに過去の累積赤字というものも三百億にも達して、それを国庫補助している。水稲の場合で申しますと、掛け金の約六割三分ぐらい程度がいわゆる国庫補助金で出ておる。もし作付不能というようなことに最終的になるならば五割、それから、作付後収穫皆無というような事態になれば、全体の被害金額に対して、当初の共済金額の多寡にもよりましょうけれども、それぞれそれに応じた保険金が支払われる。その保険金の原資は、先ほど申しましたように、六割程度国庫補助になっておるというようなことで、非常に手厚い災害対策をその面でも行なっておるわけです。制度として流れておるものですから、ついその議論が別のところで忘れられがちですけれども水稲についてはそういうことになっておるということをお話し申し上げたいと思います。
  78. 水野清

    ○水野委員 そういうお話を聞くとまた質問しなければならなくなってしまうのですが、非常に手厚いということをおっしゃったのですけれども、それは戦前の農民に比べれば非常に手厚い制度ができてきたと思うのです。しかし、大蔵省の方はわりあいに災害地の視察をしておられないと私は思うのです。どうしても農林省の末端の人たちが主として災害地を見ておられる。実際に災害地に行ってごらんになると、いまの災害地におけるガソリンの免税化——さっき言ったように、井戸を掘ってくみ上げているわけなのです。それ以外に水がないところがあるわけです。そうすると、さっき言ったように、ポンプには四割の補助つける、その補助率を五割に上げるか、もっとそれ以上に上げるか、それも一つの方法です。あとはガソリンを見てやるか、それ以外にないように思う。私は見ていますと、むしろ農民の執念でやっているように思うのです。都会人のわれわれだったら、むしろ耕作を放棄したほうが早いと思う。一時間ポンプでたんぼに水をくみ上げて、三時間しかもたない。くまないほうがいいと思うのですが、執念でやっている。この執念で米をつくってくれているので、私は日本の食糧政策が成り立っていると思うのです。そういう意味では、これはやはり国民経済的な立場から、税金をどうするこうするというこまかい問題じゃなくて、問題を解決してもらいたい。これは委員会であなたを呼び出していじめるということじゃなくて、私は、県下の困った農民の実情を見まして、ここでむしろあなたにお願いをしたい。ひとつここで農業用ガソリンの免税——農業用のガソリン税を農免農道その他に転用しておられる、そういう行政効果のほうが高いということをおっしゃったし、私もその一面はもっともだと思うのです。そしてわれわれ現実に農免農道が全国的にできて非常に助かっている面もございます。林道その他にも非常に助かっている面もございますけれども災害時における、特に異常災害の地区だけでも何か免税措置をやるということは、私は、これこそ、社会党の先生方も、各党の先生方どなたも反対なさらぬと思うのです。国会の本会議に出せばすぐ通ってしまう。要するに、大蔵省がこの財源をどこかに当てにしてやっておられるので、わずかな財源だと思う。そういう意味でひとつ検討していただきたい。再度お願いいたします。
  79. 嶋崎均

    ○嶋崎説明員 ただいまの御質疑にお答えいたします。  御承知のように、農業用のガソリンにつきましては一応免税するというたてまえでいろいろ調査をした結果、結局、免税手続が——御存じのように、間接税、消費税になっておるわけでございます。手続が非常に煩瑣で、分離がなかなか困難であるということで、逆に、農業用揮発油の消費量というものを想定いたしまして、その税金に見合う国費を農道というものの事業に還元しよう、こういう考え方になっておるわけです。したがって、論理としましては、一応農業用のものは免税したと同じ形でそれを農道に使うということになっておるわけです。この際、その中からある程度取り出しまして、災害対策に使った農業用ガソリンの税金相当分を免税するということは、そろばんの勘定でいきますと少し合わなくなるということを私はあなたに力説しようというわけじゃないので、そういうことよりも、結局、免税をする手続、これが非常に煩瑣になって困難だということで、いまのそういう扱いになっておる。そういう扱いから言いますと、一応は免税をしたと同じ形になっておるわけです。ただ、そのたんぼで使われたガソリンがそのたんぼに返らないという問題点はあろうかと思うのですが、そういう形で零細に配分した場合にほんとうに効果がどうなるかというようなことで、いまの身がわり事業の使い方が考え出されておるわけです。そういうことを申し上げたわけでございます。いまの災害時におけるところのガソリンの免税というのは、そういう基本的な考え方と相いれないのみならず、もう一つ、ガソリン税を議論したときにいろいろ問題がありましたように、技術的に十分できるかどうか、これは私の所管外のことでございますけれども、非常にむずかしかろうというふうに考えますということをお答え申し上げた次第でございます。御了承願います。
  80. 水野清

    ○水野委員 それじゃ、太田参事官にちょっと伺いたいのですが、農業用のガソリン税の一種の払い戻しのような形になっている農免農道とかあるいは林道とか、そういったものを災害地に主として今後設定していく。たとえば農免農道の希望というのは非常に多いのですが、実際にはその半分以下しか採択されていないわけであります。これをそういうような政策的な面でひとつやっていただけるかどうかということについてちょっと伺いたいのです。
  81. 佐々木四郎

    佐々木説明員 御承知のように、農免農道と称しますあれは、全国的に各地方から出てまいりますものを選択いたしまして仕事を進めておりますけれども、もちろん、その中には、災害地であろうと災害地でなかろうと、そういう考え方は特に織り込んでございませんが、農道の性格からいたしまして、災害地であっても、農道がその地域に非常に必要であるという場合には、当然それは入りましょうし、災害と農道との関係が、明確に何かの基準と申しますか、考え方がはっきりいたしますならば、お説のようなことも考えられるかもしれませんけれども、農道というのはまた別な観点から必要性がございます。そういう観点で農免農道というものを進めていく。お話のように、今回の災害千葉あるいは茨城の関東地域、そういうところにも当然相当多くの農道事業が進められております。特にそういうところに厚くというお考えはわかりますけれども、いま申し上げますように、災害と農道というものを直接関連づけてやっていくということについては、また別な問題が出てくるんじゃないかというふうに考えます。
  82. 水野清

    ○水野委員 時間がないので私これでやめますが、いまのお話にもありますように、嶋崎さんのお話と農地局事官のお話と食い違いがあるわけです。嶋崎さんは、政策的にもなるべく災害その他に向けるようにしたい、ただ、使ったたんぼからのガソリン税が戻らない、これはやむを得ないとおっしゃる。たとえばその地方や何かになるべく——さっき私が質問の最初に申し上げたように、農民の言うほどじゃないにしても、これはやはり天災じゃなくて人災なんです。土地改良その他の事業を十分にやってあればこれほどのことはないわけです。これはやはり国土計画のまだ不完全なところから出ている災害だと私は思います。そういう意味で、いま言ったような農業用のガソリンの払い戻し分が——払い戻しということばはいけないかもしれないが、農林省に返ってくる、それはやはり災害の多発地点に振り向けて使う。それを個人的に戻すということができないなら——もちろんできないのが当然でございますが、政策的にその地方に早く土地改良をやっていただく、たとえば千葉県の干害のひどかった匝瑳郡のこの地方で用排水事業を早くつくり直してやる、それからこの地方における圃場整備を早くやる、あるいは農道をつくってやる、こういう形で私は還元してもらいたい。これはお答えをいただくとまた聞きたくなりますから、けっこうでございます。  これで質問をやめさせていただきます。
  83. 天野光晴

    ○天野(光)委員長代理 渡辺芳男君。
  84. 渡辺芳男

    渡辺(芳)委員 時間もだいぶたちましたので、重複は避けまして、そのものずばりお伺いをいたします。  自治省の財政課長が御都合があるようでありますから、財政課長に先にお伺いしますが、今回の干ばつについて非常に災害の大きな県について、私も、六月十日ですか、埼玉県に視察に行ってまいりましたが、特に地方交付税の増額、それから地方税の減免、こういう要請が非常に出ておると思うのですが、端的にいって、昭和三十九年が最近における干ばつの一番大きな年であると、先ほど小澤委員の質問にお答えになっておりましたが、ことしもそれに匹敵するかあるいはそれ以上の干ばつになると思うのです。予算措置も、一応当初予算はきめられておりますが、補正予算として組むような事態になると、交付税の増額なり地方税の減免などについて、これはどうお考えになっているか、これをひとつお伺いいたします。
  85. 首藤堯

    ○首藤説明員 国の補正予算関係の問題につきましては、全般的な災害の大きさ等に関連があると思いますので、何とも私申し上げる立場にないわけでありますが、先ほど申し上げましたのは、国がそのような補正予算を編成するようになりましたような場合には、その財源が国税三税の増をもって充てられるというケースが生ずるわけでございます。そのようなケースには、地方交付税の増額も、当然、その三税の三二%、こういう率で増加になるケースがあり得るということを申し上げたわけであります。  なお、税の減免につきましては、これは全般的な災害状況によると思うわけでありますが、国のほうで国税減免等に対します措置が確定してまいりますと、地方もそれに準じた取り扱いをいたすべく措置をする、こういう段階になると思うわけでございます。
  86. 渡辺芳男

    渡辺(芳)委員 三十九年のときに補正予算は実際組まれたのですか、あるいはそれ以外の年にそういう実態がありますか。
  87. 首藤堯

    ○首藤説明員 ちょっといま資料を持ってまいっておりませんので、正確に覚えておりませんが、たしか三十九年でございましたか、補正予算が組まれまして、それに伴いまして交付税も増加をした、こういう事態がございます。いまちょっと正確に覚えておりません。
  88. 渡辺芳男

    渡辺(芳)委員 今後、干ばつあるいは台風などがあまり来ないほうがいいのでありますけれども、いろいろな自然災害について問題になる、こういうふうな事態になりますと、当然補正予算なども組まれて、交付税の増額なり地方税の減免などの措置をとらなければならぬと思うのですが、その実態に応じて今後適切な措置をとるようにお考えを願いたいと思います。  特にこの干ばつ地帯で、私が承知しておる限りにおいては、千葉県が一番被害が大きいと思うのです。先ほどのお話に、十県くらいが大体被害一億円以上だという報告がありましたが、大体一億円以上の被害を持つ県については特別に考えて、特に助成措置などを考えていくようになると思いますが、今日までの被害報告の中で、その該当する十県ですか、非常に被害の大きい県についてちょっと報告をしていただきたいと思います。
  89. 佐々木四郎

    佐々木説明員 先ほど申し上げました金額でございますが、これは県から報告を受けております、対策に要した金の概算の額で、なまの数字でございますが、北から申し上げますと、宮城、山形、福島、茨城千葉、長野、静岡、新潟、富山、石川、三重、大体以上でございます。
  90. 渡辺芳男

    渡辺(芳)委員 いままでの干ばつ対策としてそれぞれ応急対策をやっておられまして、埼玉県の場合など、早植え地帯でありますから、なれておるといいますか、比較的うまくやっておりますが、特に干ばつにあまり経験のない県、こういうところについて、早植え地帯は、いずれにいたしましても相当な被害があることは間違いないのでありますが、おそ植えのほうは、これからといいますか、いま最盛期でありますから、それぞれ対策を講じていくだろう、こういうことは想定されます。そこで、天気を相手の仕事でありますから想定はなかなかできないにしても、先ほど話がありましたように、天水を利用しているというふうな対策不可能の地域、こういう地域がまだ相当あると思うのです。静岡の場合も、大体一万八千五百ヘクタールぐらいがその被害地域だと私も報告を受けております。そのうち、大体千二百五十ヘクタールぐらいが、どうにもならぬという地域であるようであります。全国的に見て、こういう被害面積のうち対策不可能の地域というものはどのくらいありますか。
  91. 太田康二

    ○太田説明員 われわれは、六月十四日現在で地方農政局を通じまして各県からの被害報告を聞いておるわけでありますが、これによりますと、十四日現在で、いわゆる用水不足のもの、あるいは植えつけはできたけれども用水不足枯死寸前のもの、さらには、水稲の植えつけがおくれておるもの、これらを合わせまして十六万九千ヘクタール、こういうことになっております。そのうち、いま先生が御指摘になりましたように、どうしようもないものがあるだろう、これは先ほどのお話にも出ましたような天水田等がそのおもなものになるわけでございますが、われわれは、いま申し上げました十六万九千ヘクタールのうち、応急対策工事をさらに強化するとか、あるいは隣接地区から苗を補給する、あるいは苗しろの再仕立てをする、今後こういった対策を講ずることによって、約十二万三千ヘクタールは救済可能になる。したがいまして、十六万九千から十二万三千を引きました残りの四万六千ヘクタール、これがいわば救済の非常に困難なもの、そのうちの大部分は御指摘の天水田等であろう、六月十四日現在ではかようになっております。
  92. 渡辺芳男

    渡辺(芳)委員 埼玉県、千葉県、茨城県、まあ利根川水系でありますけれども、十日に視察に行きまして、十二日からダムの放水をやる、こういうことになっております。関東地方は、地域の差はあれ、若干降雨がありました。三十ミリ以上降りますと相当な効果がありますが、それ以下ではまあ焼け石に水だと思っておりますけれども、このダムの放水によって——これから約十日間ぐらいというお話を聞きましたが、いまの干ばつ地域がそれによって救済できていくかどうか、こういうふうな見通しについてはいかがですか。
  93. 佐々木四郎

    佐々木説明員 関東地域の河川のダムの放流につきましては、御承知と思いますけれども、去る六月二日から七日ごろにかけまして、利根川上流の一番大きな矢木沢ダムその他のダム群を一斉に放流いたしまして、約三日ないし四日ぐらいによって下流農業地域にその水は到達いたしますので、六月八日ごろに下流のほうでは大潮の時点に到達することを見越しまして、そのダムの水を毎秒約五十トン放流しております。これは建設省のほうでそういうことを考えてやっていただいたわけでございます。もちろん、埼玉千葉、それから鬼怒川につきましては、栃木、茨城、これらの地域の田植えの時期、それに水の必要な時期等をにらみ合わせましてそういう放流をしていただきまして、この効果が非常にございまして、埼玉の東部平野、千葉河口に近いところ、これらの地域にかなり広く分布しております水田の植えつけに対してたいへん効果があった。さらにその間若干の雨がございましたけれども、なお今後の推移を見ながら——話がこまかくなりますが、利根川の栗橋地点で河川の水の流量を常時チェックいたしまして、そこの水量がある一定量を維持するならば、利根川から水を引く各用水の取り入れば困らないというその水量を押えまして、これは約百四十トンということになっておりますが、その水量を維持するように、今日もなお依然として河川管理の側から毎日常時河川の流れのほうを見ていただいておる、こういう状況でございます。
  94. 渡辺芳男

    渡辺(芳)委員 話は前後しますが、四十府県にわたってこの干ばつ被害がありますが、いま各県から応急対策費としてどのくらい支出をしておるか、こういうふうな報告があると思うのです。総額はどのくらいになりますか。
  95. 佐々木四郎

    佐々木説明員 六月十四日現在で報告を受けました県からのものを集計いたしますと、約三十二億に達しております。
  96. 渡辺芳男

    渡辺(芳)委員 わかりました。  こう日照りが続きますと、埼玉県に視察に行ったときに、ヒメトビウンカが大量に発生する徴候にある。これは稲の関係だけでなくして、たとえばお茶などは、日照りが続きますとどうしても赤ダニが発生いたします。これは畑地にしても、たんぼにしても、こういう虫害の発生というものが地域的には相当大規模になるという可能性をはらんでおると思うのです。これらに対する防除対策も積極的に指導されておると思いますが、いまそういう虫害の発生といいますか、そういうおそれのある地域などについてはおわかりですか。
  97. 安尾俊

    ○安尾説明員 ただいま先生の御質問の病虫害の発生状況でございますが、現在各県から報告を求めておりまして集計中でございますので、来週になると最近の状況がはっきりすると思います。
  98. 渡辺芳男

    渡辺(芳)委員 静岡県の場合は、五月十二日以降ほとんど雨らしい降雨はまだないわけであります。一カ月余にわたって干害が続いておりますが、大体全県的に及んでおりまして、場所によっては、早植え地帯では水騒動が起きております。これはどこでもそういう事態というものは起こりがちでありますが、特に三十一日の本委員会で、三十九年度干害対策助成費として工事費について四割程度出したというふうなお話がありました。この点については、各被害県から助成率の引き上げということを強く要望されておると思います。これは私がいまさら申し上げるまでもなく、各委員の皆さんが強く要望しておるところでありますが、この点については、特に最近にない干害の非常に大きな激甚地については補助率の引き上げをこの際重ねて要望しておきますが、検討していただきたいと思うのです。  それから、先ほど申し上げました虫害の防除について、これは補助対象になりますか、この点を明らかにしていただきたい。
  99. 太田康二

    ○太田説明員 かつては、樹勢回復用の肥料あるいは緊急防除用の農薬等に対しましても助成をいたしたこともあったわけでございますが、先ほどの揚水機の燃料あるいは電力費等に対する助成も、同様の理由でございますが、これを実際災害対策用に使ったかどうかということの判定が実は非常に困難でございます。そのために、こう言うと何でございますが、会計検査院等の検査の結果非常にいろいろな指摘も受けたというようなこともございますし、なおかつ、一方、経営資金等につきましては、御承知のとおり、大部分の災害のときに天災融資法等の発動もございまして、これによって次期作のいわゆる経営資金の手当てはいたすことになっておりますので、このところはそういう生産資材についての助成は一切いたしていない、こういう実情でございます。
  100. 渡辺芳男

    渡辺(芳)委員 いずれにいたしましても、従来それぞれ助成措置がなされている部面については、四〇%、三〇%、対象になる地方によっていろいろありますけれども、今回は特に助成率の引き上げを重ねてお願いいたしておきます。  それから、五月の上旬から下旬にわたって全国的に、また局地的に降ひょうがありました。集計をされておると思いまするけれども被害の総額——聞くところによりますと、三十億以上でないと天災融資法発動ができないということを聞いておりますが、これは降ひょう地域によってそれぞれ被害対象農産物が違うと思いますが、静岡県の場合も、特に県の西部で三ケ日地方中心としたミカン地でたいへんな災害がありました。おそらく農林省のほうに報告されていると思いますが、大体二億くらいだろうという被害金額を報告しておると思います。しかし、これもまだふえるだろうという想定をいたしておるわけです。福岡が一番被害を受けたといわれております激甚地でありますが、天災融資法降ひょうに対する発動というものをお考えになっておるかどうか、この点をお伺いします。
  101. 太田康二

    ○太田説明員 ひょう害は、先生御指摘のとおり、五月の十四日に宮城、茨城、栃木、埼玉の四県にあったのでございまして、これがはしりでございます。私のほうの統計調査部の数字が大体まとまりましたので、これを申し上げますと、約五億四千五百万の被害になっておるようでございます。その後五月の末、すなわち、五月の二十八日から三十日までにかけまして兵庫、千葉、東京等約二十県ですかにわたりましてひょうが降っております。さらに、六月の上旬に入りまして九県にひょうが降りまして、これらのひょうによる被害につきましては、目下統計調査部で取りまとめつつあるわけですが、一応県報告による集計によりますと、先ほど申し上げました五月の下旬と六月の上旬の分を全部合わせまして約四十億、こういう県報告の数字でございます。  そこで、天災融資法発動をするかどうかというお話でございますが、確かにひょうの場合には局地的に非常に深度の深い災害が起こっておるのでございまして、当初五月中旬の場合には、五億程度だというようなことでいろいろ申し上げておったわけでございますが、その後、県報告におきましても被害状況が漸次増加しておるようでもございますし、それから、私のほうの統計調査事務所で現在まで調査をいたしておるわけでございますが、その最終的な確定はいたしておりませんが、その調査現状を見ましても、相当額に達するというふうに見込まれてまいりましたので、今回のひょう害に対しまする天災融資法発動というものにつきましては前向きで検討いたしたい、かように現在の段階で考えております。
  102. 渡辺芳男

    渡辺(芳)委員 いずれにいたしましても、一応五月の十四日ごろから六月の上旬にかけての局地的な降ひょうでありますから、集計はすみやかにできるし、実態も把握できると思います。これは農産物によってそれぞれ違うと思いますが、ミカンやタバコ、特にミカンなどの樹園地における被害というものはあとを引くものでありますから、特に現地の農民の強い要望でありますし、県でもおそらく農林省のほうへそういうふうに強く要望しておると思うのであります。全国的に起きた降ひょうでありますから、これは前向きということでなくて、どうかひとつ積極的に天災融資法発動をしていただきたいと思うのです。これはいずれの機会かに早いうちに明らかにしていただきたいと思うのです。  それから、一月から二月にわたって数回にわたって寒波の襲来がありました。全国的にこれに対する被害についての助成費の申請をやっておると思います。静岡県でもミカンの苗木がたいへん被害を受けまして、農林省のほうにもお願いをしてあるようでありますが、この点についてもしおわかりでありましたら、その経過についてお伺いをいたしたいと思います。
  103. 千野知長

    ○千野説明員 ただいまの御質問にお答えいたします。  一月の寒波によりますかんきつの被害といたしましては、これは十数県にまたがっておるわけでございますが、これに対しまして、補植苗木の共同購入に対して助成してほしいという要望が各県からあがっておるわけでございます。従来の例から申しますと、そういった場合の補植苗木の共同養成事業というものは、大きい災害のおりに何回かやってまいっておるわけでありますが、今回はそういった苗木の二年生の出回りが潤沢になっておるので、その共同購入に対して補助してほしいということであります。そういうことになりますと、新規事業になるわけです。従来共同養成事業をやりましたのは、そういった苗木が十分出回っておらなかったこと、また、あわせて、そういった補植を機会といたしまして品種の統一等もやってまいりたいというような考えから、一年生苗木を購入いたしまして、それを一年間共同養成して、被災農家に計画的に配付するというやり方でやってまいったのであります。今回は苗木の流通事情等も変わってまいりましたので、共同購入をしてほしいということであります。新規事業でございます。いろいろ問題がありますが、目下省内でそれについて検討を進めておる段階でございます。
  104. 渡辺芳男

    渡辺(芳)委員 申請をしてだいぶ日がたっておりますし、御説明内容はわからないわけではありませんが、若干の被害ぐらいですと、そう何でも助成費をくれろというような申請はしないわけでありますから、特にこの際、早く助成をするというふうな、前向きの姿勢で結論を出してもらいたいと思うのです。これは関係の各県からそういう申請は出ておると思いますから、時期を失しないようにやっていただきたいと思います。
  105. 太田康二

    ○太田説明員 昭和四十二年の一月から二月の降雪等についての対策につきまして、ちょっと御説明を申し上げたいと思うのでございますが、実は先生のおっしゃいましたように、確かに苗木についての共同購入に対する助成をしてくれという申請があったことも事実でございます。  政府といたしましては、四十二年五月十六日、政令第七十号で政令を出しまして天災融資法適用をいたしたわけでございまして、融資ワクとして八億円というワクを設定いたしております。さらに引き続き、自作農維持資金につきましても、二億円という増ワクをこの災害に対するワクとして認めることにいたしまして、これも決定を見たようなわけでございます。  それからさらに、その際各県からの要望として、既借り入れ金に対する償還延期等の措置を講じてもらいたいというような御要望もあったわけでございますが、これらにつきましては、ケース・バイ・ケースで各金融機関において当然やるということで、しいて特別な措置等は講じなかったわけでございますが、金融機関等におきましては、先ほど申し上げましたように、当然ケース・バイ・ケースで対処いたしておるというふうに考えております。  それから、最後に残ります種苗確保の問題でございますが、これらにつきましては、ただいま園芸課長のほうからのお話もありましたとおり、従来確かに苗木につきましては共同育苗という形で措置した例が豪雪等の場合はあるわけでございまして、今回の場合には共同購入ということで要望があるわけでございますが、一方、天災融資法発動も見たというようなこともございまして、これらを勘案していかなければならないだろうというふうに考えておる次第でございます。
  106. 渡辺芳男

    渡辺(芳)委員 だいぶ時間もたちましたから、それでは適当に切り上げますが、まだ検討しているという段階でありますから、この降ひょうとの関連もあると思いますが、ひとつ一緒にお考え願って、補助対象にするように御尽力を願いたいと思うのです。  それから林野庁関係でちょっとお伺いしますが、昨年の九月二十五日、台風二十六号が御前崎に上陸して、福島県へ抜けました。これはたいへんな災害がありました。当時問題になりましたのは、これはどの地域でもそうだと思いますが、最近海岸の防風林が、乱伐したという傾向もありまして、災害を必要以上に大きくしたのではないかということが当時非常に大きな問題になりました。特に最近は東海、関東地域は台風の常襲地帯のようになってまいりまして、たびたび上陸をする、非常に松林がまばらになってしまって、防風林の役をしていない、そんな関係から、これが応急対策として植林をしようじゃないかという話になっておるようでありますが、この点を特に促進していただかないと——聞くところによりますと、ことしはこの地域から何キロ植える、予算がないからその次、こういうふうにいわれておるようであります。特に駿河湾地帯などについては、この十年間に前後四回台風が上陸いたしておるわけであります。特に二十六号台風は、六十年ぶりの台風だというふうなことになっておりますから、たいへんな被害を受けました。この点について、特に防災の立場からひとつ積極的に植林を促進していただきたいと思うのです。いかがでしょう。
  107. 大塚武行

    ○大塚説明員 直接担当ではございませんが、林野庁といたしましては、保安林につきましては保安林整備五カ年計画を立てて逐次整備をするとともに、その内容において林相の悪いところにつきましては、防災林造成事業等で着々急いでおります。しかし、御指摘のように十分とは申せませんので、さらに今後促進させますように努力してまいりたいと考えております。
  108. 渡辺芳男

    渡辺(芳)委員 また機会を得て現在の実情についてお伺いをするようにいたします。  最後に一つ干害とは少しはずれますけれども、最近、都市周辺、それから工業地帯において、盛んに農地転用によって、あるいは雑木林などで住宅建設が行なわれておりますが、これは宅地分譲なり、あるいは社宅なりあるいは公営住宅なり、いろいろあります。公営住宅地域などについても数百戸建設をしている。あるいはまた、農地の保全事業などもよく行なわれている。その周辺の排水溝などは整備をされておりますが、しかし問題は、その下流地域に流し込む川ですね、主としてこういうものは自治体の管理する河川が多いのでありますが、下流地域が改修されていない、こういう傾向から、百ミリ以上の雨が短時間に豪雨として降る——いままでは、二百ミリ、三百ミリ降ると、下流地域の住宅街、商店街というものが、そういうふうに大雨が降ったときにときたま浸水ということがあり得たわけでありますが、今日百ミリ程度の豪雨でも、簡単にはけ切れなくて浸水家屋が続出しておるという傾向にあります。これは総合的な対策として関係各省あるいは自治体の都市の開発というものについてうまくいっていないと思いますが、これらの対策というものが十分講じられないと、特に都市周辺の地域なり工場地帯における住宅建設というものが、従来から住んでおる市民に非常に迷惑をかけておる。常に一年に一度くらいこういうことがあるというふうな地域を実は私も数カ所経験して実際見ておるわけであります。こういう対策について、非常に大きな問題でありますけれども、建設省なり農林省、自治体というものが積極的に下流の河川の改修をまず先に手をつけてやっていかないと、いつも後手に回って大騒ぎになるという傾向がありますから、この点については十分な御検討を願って、特に自治体に対する指導というものをやっていただかないと、これからも大きな浸水家屋が数千戸、数百戸というふうに続出してまいりますから、やっていただきたいと思うのです。この点について、特に建設省の皆さんにおいていままでどういうふうな対策を講じられておったか、お伺いをいたしたいと思います。
  109. 渡辺隆二

    渡辺説明員 いま先生からお話がありましたように、最近の低地部、これは農地の転換等もございますが、全般的に低地部に家が多く建つ、あるいは宅地の開発が進む、それに関連して水害が続発するという結果になっております。これらにつきましては、先生からお話がありましたように、主として中小河川のはんらんがその原因となっておるというケースが多いようでございます。それから全般的に見ましても、最近の水害は大河川よりも中小の河川に集中している傾向が強うございます。昨年の台風におきましても、特に東京の周辺あるいは神奈川、埼玉にそういった災害が非常に多く発生いたしております。建設省の河川局といたしましては、特に中小河川対策というものをできるだけ重点に取り上げたいというように考えておりまして、現在、昭和四十二年度におきましては、中小の河川の改修の関係で、事業費といたしまして三百八十六億という、最近の河川の事業費の中ではかなり多額な事業費を計上いたしました。これは前年度の伸び率で申し上げますと二五%の増ということになります。河川の事業全体が一六、七%の伸びでございます。特にそういった中小の河川の対策というものを重点項目として取り上げております。しかしながら、この程度の事業では、先ほどからもお話いただきましたように、まだ十分な対策が完全になされるわけではございませんので、今後におきましてはさらに一そう中小の河川対策を促進いたしまして、できるだけ早目にあらかじめ整備するというような方向にさらに努力をいたしたい、かように考えます。
  110. 渡辺芳男

    渡辺(芳)委員 通常は、こういう中小といっても小さい河川ですが、水は流れていない、大雨が降ると鉄砲水になってしまう、こういう傾向なんですね。そこで非常にそのときに問題になるわけでありますから、そういう地域というものはわかっておるわけでありますから、早急に重点的に対策を講じてやっていただきたい、指導していただきたいと思いますが、これらに対する補助率ですね、これはいままでどのくらいやられておるのですか。
  111. 渡辺隆二

    渡辺説明員 中小の関係の事業費は、中小河川改修と、それから小規模河川改修と局部改修、三つに分かれております。内地でとりあえず申し上げますと、中小河川につきましては、これは水系が一級水系と一級水系外の二級水系と異なりますが、一級水系におきましては、現在の時点では四分の三の補助、二級水系では二分の一の補助、かようになっております。それから小規模河川につきましては、原則的に一級水系につきましては四分の三ということでございますが、一級水系の中で小規模の中でも特に規模の小さいもの並びに二級水系におきましては、四割の補助ということになっております。それから局部改修につきましては、三分の一の補助、かようなことになっております。
  112. 天野光晴

    ○天野(光)委員長代理 本日はこの程度にとどめ、次会は公報をもってお知らせすることとし、これにて散会いたします。    午後零時五十七分散会