○川井
政府委員 たいへん御
理解のある御質問でございまして、まだ
審議中でございますので、私の口から確定的に申し上げるのは時期として適当でないと思いますが、せっかくのお尋ねでございますので、差しつかえない範囲で御説明申し上げたいと思います。
先ほどちょっと
最初の御質問の中にありましたように、
政治資金規正法という
法律の目的としているところ、それから公職
選挙法という
法律の目的としているところは、その目的の
趣旨が違いますので、おのずからその罰則のきめ方にも変化が出てきているのじゃないかと思います。前者の
規正法におきましては、むしろ
政治資金の公開と申しますか、公明というふうなことを目的としておりますので、先ほど御
趣旨にありましたように、きめられた届け出を怠るとかあるいは虚偽の届け出をするとかいうふうな、一見軽微な事犯でありますけれ
ども、この目的からいうならばそこが眼目でございまして、したがいまして、そういうふうな点を怠った、あるいは積極的に虚偽の報告をしたというふうなものにつきましては、非常に重い罰則が一応つけられている、こう思うわけでございます。だた、両
法律を通じまして一応共通な場面は寄付の点でございまして、寄付の点におきましては、一部は
規正法のほうに規定があり、大部分につきましては今日公選法のほうに規定があることになっておりますので、その辺のところにつきましては、両者一応バランスを
考えまして、大体妥当な線が今日きめられているのじゃなかろうか、こういうふうに思うわけでございます。これは現行の
法律の私の立場から説明でございます。
今度問題になりました公選法並びに
規正法の一部
改正案が
自治省においていろいろ作業が進捗し、私
どもも、率直に申しまして、そのつど御協議を受けて一応の意見を述べてまいっておりますけれ
ども、それにつきましては、伝えられるようにあるいは罰金だけ、あるいは体刑と罰金とをつけたらどうだ、こういうふうな意見が
過程において出ておるわけでございます。また、これは事実として申し上げてよろしい段階だ、こう思うわけでございます。その罰金だけと、こういうふうにいま
議論がされておるといわれておるものにつきましては、一応いままでの公選法あるいは
規正法にない新しい犯罪の類型をつくったものでございまして、これは今度の五次の
答申に基づいてつくられたものでございますので、いままでの現行法にない全く新しい型の犯罪の型がそこにできるわけでございます。したがいまして、その新しい型に対してどういうふうな
刑罰を盛るかということはたいへんむずかしい問題だと思いますので、あらゆる角度から、
自治省その他内閣法制局なんかの意見も聞いておると思いますけれ
ども、
事務当局がいろいろな観点から研究をして、どれが一番適当であろうかということを
審議中の段階でございますので、その新しいものについてどういうふうなものを盛るかということにつきましては、
——その新しさというものが、公選法や
規正法に似たようなものはあるけれ
ども、それとちょっと変わったものをつくるのだということならわりあいにやさしいのでございますが、両
法律にないような全く新しい、たとえば総ワクでもって
個人としては政党に何千万円、組合その他の法人としては何千万円、そのワクまではたいへんけっこうな浄財としての
資金でいいのだけれ
ども、ある一定の
資金の限度のワクを越えますと、別な観点からまた適当でなくなる、そういうふうなものについては、そういうふうなことがないように一応規制をしたい、こういう行政上の要望でございますので、それに対してはたしてどういう
刑罰がいいだろうかということにつきましては、現行のいろいろな、いままでのなるべく似たようなものとか、あるいは諸外国の法制なんかも一応資料を集めまして目下研究中、こういうことに相なっておるわけでございます。