○春日委員 私は、まず最初に、本特別
委員会の運営のあり方について所見を述べて
委員長の善処を求め、かつは御出席の
政府委員諸君にも十分御認識を賜わって、関係閣僚に御運絡を願いたいと思うのであります。
と申しますのは、本
委員会はわが国
交通禍の現状にかんがみて、この事態を特に重視をいたしまして、これが解決をはかることのために、超党派の合意によってこの特別
委員会が持たれたものでございます。すなわち、昨
昭和四十一
年度におきます
交通禍による死者が一万三千人をこえ、傷害を受けた者が五十一万人ということでございまして、このことは、ベトナム戦争において現実に米軍が払ったその犠牲を、はるかにはるかに大きく上回るものであるのでございます。もし、かりに
日本国内においてコレラかペストで毎日三十数名が死亡しているというような事態が惹起されますならば、おそらく国は総力をあげてこれが解決のために立ち上がるでございましょう。しかるところ、これが
交通事故であるということで等閑に付せられておるうらみがある。かくて、時々刻々この
交通禍というものはそのレコードを更新しつつあるのでございます。さればこそ、各党ともにこのような事態は何とか解決をはからなければならないし、最もすみやかにこの措置をとらなければならないという必要を痛感されて、この特別
委員会が設置されたものにほかなりません。
したがいまして、本
委員会はこの会期中において何らかの対策を確立しなければならない。お伺いするところによりますと、社会党におかれては
交通安全に関する基本法の御提出の御用意があるといわれておりますし、わが党もこれに対して一案を設けて、これを各党に御提示申し上げておるのでございます。自民党さんは
もとより責任政党として、これについてはそれぞれの検討がいま進められておるように伺っておるのでございます。
したがって、この
委員会はこのような経過にかんがみて、内閣総理大臣は
もとよりのこと、少なくとも担当閣僚であります総務長官が出席をされて、そして本
委員会の審議に参加されることが当然不可欠の要件であると思う。私は、同僚議員御両氏が質問された
内容も拝聴いたしておりまして、ことごとく
交通禍をなくすることのための重大なるポイントに触れられた、非常に貴重な意見が述べられ、また、問題の核心に触れての質問がなされたと思います。こういうような問題を閣僚がだれも聞いていないとは
何事か。私は本日のこの
委員会に対して、塚原総務長官が出席されるものと期待しておりましたし、その出席の通告もしてあるはずである。しかるところ、御連絡によりますと、彼は参議院の
予算委員会で質問ありとのことで全然出てこない。われわれの経験によりますと、そういうような質問がありましても、それは午前中ことごとく総務長官に質問が集中するというわけのものではないだろうし、少なくとも質問を受けるまでの時間、質問を受けた後の時間というものは、これは十分スぺースがあるはずである。私は、その責務を果たしたらいち早くここへ飛んで来てわれわれの質問に答える、それが担当閣僚として当然の責務であろうと思う。
ことに私は
上村副長官に申し上げたいが、貴殿は出席されることを、遅刻まさに十数分である。そしていままた中途で用事があるから退席をしたいという連絡を私申し受けたのであるけれども、不謹慎きわまるのではないか。一体大臣も出てこない、おくれて出てきた副長官が、そのおくれて来た責任を痛感しないのみならず、まだ審議さなかに退出したいとは
何事であるか。私は、国会が各党の総意に基づいて本
委員会をつくったその意義と、この
委員会の使命というものを、何らわきまえていないことの最もはなはだしきものであると思う。私は猛省を促したいと思う。
そこで、私は
委員長に申し上げますが、このような
状態でこの審議を進めて、一体われわれこの
委員会がいかなる成果が期待できるのでありますか。事務当局、事務当局と言っては失礼であるけれども、それらの諸君に事務的なことをお伺いして、事務的な
答弁を得て、それで問題が解決するものではない。御質問になりましたお二方も、大臣が出てこないからやむなくして事務当局にお聞きになっておるのであるけれども、これはきわめて不本意なことであろうと拝察申し上げる。そのような
意味で、今後は必ず塚原総務長官、ときには総理大臣にみずから出てきてもらって、そうして、このような国民的災害、民族的災害に対して、世論は、全国民的規模で、少なくとも超党派的規模でこの問題の解決に当たってくれと要望いたしておるのでありまするから、次の
委員会においては、ひとつ何とか総理に万障繰り合わしてもらいたい。参議院
予算委員会の関係でどうしても繰り合わせがつかないというのであれば、少なくとも担当閣僚でありまする総務長官、あるいは運輸大臣、
建設大臣、あるいは
警察庁長官、こういうような人々がここへぴしゃっと出てきて、そうして各党の研究の成果、そのような政策について当然質疑応答を熱心に繰り返して、そこで超党派的な成果を得なければならぬ。国会としての
一つの総合的な基本政策を樹立することのための必要なる論議を固めていかなければならぬ。そのことなくしては
意味がないと私は思う。申し上げるまでもなく、各
委員会があって、その
委員会の審議では間に合わないから、特別にこの
委員会をつくったというこの
交通安全対策特別
委員会の設置の意義と目的、このことをあらためて想起願って、今後の運営についてはそのような規模でひとつやっていただきたいと思う。
私は、御質問申し上げようと思って若干の
資料もそろえてまいったけれども、そわそわにやにやしておるようなそんなあなたを相手に話をしてみたところで何ともしかたがないと思う。だから私の質問は、これを次会に譲らしていただいて、そのときには、いま申し上げたように関係各大臣
——参議院の審議も、来週はおそらく分科会あるいは
一般質問に入られるのではないかと思います。御都合をその気になってつけていただけば、御出席を求めること決して不可能ではないと思う。そのようにお扱いを願いたいと思うが、この際
委員長の所見をお伺いいたしたい。