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岡本(隆)
委員 まあ一番問題になっておるのはやはり
土地だと思うのです。
土地の売買をめぐって、駅から歩いて五分、実際に行ってみたら自動車で五分だ。あるいは水道ができておる、ところがちゃちなちゃちな簡易水道であった、そのために赤痢が多数に発生したというふうな例もありますし、あるいはまたすぐに水がかれてどうにもならないといったようなところがある。といったように、いろいろな
土地造成
業者が誇大広告をやって、それを
購入した人が非常に困っておるというようなことが、この
法律案を政府が出される一番大きな動機になっておると思うのでございますが、とにかくそういうふうに
土地というものが商品化され、しかも悪徳
業者の非常な好飼になっておる。またそれほど簡単に悪徳
業者にだまされるほど、多くの庶民が格安な宅地というものに困っておるというところに、この法案の出てくる原因があるわけであります。言いかえますならば、日本の今日の地価の暴騰が、この
法律案を出さなければならないようにした一番大きな原因なんです。ところがその地価安定施策としてわれわれがいつもいろいろな方法を具体的に言っておるにかかわらず、政府の施策が一向進まない。そのことが今日こんな
法律案をどろなわ式に出してこなければならぬということになっておるのでございますから、私は、まず政府がやはりこの問題についてもう一度謙虚に反省しつつ、この
法律案の
審査を受けなければならぬ、こういうふうに思うのでございますが、
大臣ちょっとむかっとしていられるようですけれ
ども、しかしそれは、実際私のいま申し上げていることで、別にいまさら事ここであらためてこの問題について私は
大臣と議論しようとは思っておりません。しかし、政府のほうがこの法案を出して、こんなものをいま時分出さなければならぬということについての内心じくじたるものと、そういうふうな謙虚な気持ちが政府に必要であるということを私は申し上げておるのでございますので、その点あるいはちょっと腹がたつといいますか、何をという気分になられるか知りませんが、私はもう一度そういうふうなお気持ちを政府でお持ちいただくようにお願いしておきたいと思います。
そこで、この
法律案の
内容については、もっともなことばかりでございますので、われわれも
内容については賛成でございますが、しかしこの
法律は、これと一緒に
土地、
建物の流通過程の問題を扱うのでございますが、その流通過程の中に、いろいろの
問題点がありますので、できますなればそれらの
問題点も今後整理していただくということが私は必要であるかと思いますので、この機会にいろいろ考えているところを申し上げておきたいと思うのです。
まず第一に、法務省にお伺いなり意見を申し上げることになるのでございますけれ
ども、登記の場合に登記簿が非常にわかりにくいということです。たとえば権利証
一つわれわれが受け取りましても、権利証を見ても
——私
自身かなり世なれた人間のつもりでございます。何回か
土地、
建物の売買もしてきたし、借金もしてきたし、また人の世話もしてまいりましたし、かなり世なれた人間のつもりでありますが、登記簿を見ると、もう砂をかむようでさっぱりわかりにくい。見ておりますといやになってしまう。いいかげんにしてしまうというのが実情なんです。ところが、一生に一ぺんか二へんより
土地の売買をしない
——一ぺんもしない人が非常に多いだろうと思うのです。
土地の売買にしても、一生に一ぺんか二へんだという人は無数にあると思うのです。そういう人が見ても、権利証がよくわかる、
一体それはどういう
内容のものだ、自分が持っておるこの書類というものは
一体どういうことを
内容にしたものかということがわからなければ、いろいろ事故も起こるし、だまされやすいと思うのです。その点、今日の登記というものがきわめて非近代的である。これは明治初年のものがそのままきておるのであって、今日いろいろなものが整理されている段階で、もっと登記簿というものをわかりやすいものにする必要があるのではないか。権利証があります。少なくともその権利証は、
建物は付近と合わしてどこの位置にあるのだ。
建築の申請なんかのときには、全部位置をきちっと示しています。まず位置を示して、それからその位置の次には形を示す。東西に何メートル、南北に何メートル、あるいはどういう方角へ何メートルというふうに形を示す。そして坪数を示す。その次にはどういうふうな権利が設定されているかされておらないかというふうなことをはっきり示す。この権利証の
内容はどういうものかということが一目わかるように
整備をしていただく必要があるのではないか一それは流通過程において非常に重要なことであると思いますので、法務省そういうことをやる気があるのかないのか、あるいはまた将来やる準備を進めておられるのかどうか、そういう点について法務省から御意見を承りたいと思います。