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岡本(隆)
委員 国道の
構造に歩道がないのですね。だから非常に危険なんです。いなかでも国道が開かれる。近くに学校がある。子供が通学するのに、相当の高速で
自動車が走りますので、国道がいまたいへん危険で、これは歩道をつけてもらいたいという要求が非常に多いことは、大臣も御承知だと思う。だから国道に歩道をつけるということに
——国道にもてきますか、街路にはつくが……。しかし、国道にも歩道をつけなければいよいよあぶないということが
一つのなにでございますが、したがって同時に、国道を相当長距離にわたって新たにバイパスでもって改良をやるというふうな場合には、私はむしろ住宅が取りつかないような形式にして、人や自転車は
地方道を利用して、国道は車専用にするというようにすれば
安全性が確保できるのではないか、たとえて申しますと、国道一号線の枚方−京都間にバイパスがつくられましたが、全然歩道がない。だから歩く人は危険でしょうがない。それだけではなしに、今度は農家がリヤカーなんか引っぱって国道を渡ろうにも、ひっきりなしに車が通っておるものだから、簡単に農作物を運べないのです。だから国道で平面で突っ切られると、とても農
作業にも困るというような声が農家からも出ております。そういう
意味では少し土を盛って下を農道が通れるようにしてやればなんですけれども、またそれでは将来他の道路との交差上困るからということなら完全に立体交差にしなければなりませんが、しかし立体交差にしても、そうして上げておけば、将来そこは安全な道路として、国道でも使えるわけでありますから、そういう
意味においては平面の道路をつくるということは、安もの買いの銭失いということばがありますが、結局そういうことになります。大都市と大都市を結ぶ
ところの道路というものは、これからは
自動車専用にするというふうにして、地方の地域の開発はそれに取りつけるようなランプさえすぐおろせば、幾らでもその道路は利用できるのでありますから、そういう形で一こんなに車がふえましたら、いまの道路についての概念というものを私たちは変えなければいかぬのではないか、国道と都市間を結ぶそういうような長距離輸送の道路と、それから地域の人たちの利用する道路というものをはっきり分類して考える必要があるのではないか、こういうふうに私は思います。だからこれから後の日本の道路行政の基本的な姿勢といいますか、かまえといいますか、そういうようなものとして相当長距離にわたって
自動車が走るような性格の道路としてつくる場合には、
自動車専用にする。
それでいま大臣がおっしゃいました国土縦貫
自動車道路がありますね。それに肋骨の道路をつけて
——もちろんこれからはそういうものとして開発されましょうが、たとえばいま申しました、京都−奈良間は、どうも二十四号線が詰まるから、もう一本新しくつくろうという新京都−奈良国道にいたしましても、これはいわばその縦貫
自動車道に対する肋骨の一部のようなものになる性格を持っているのです。国道二十四号線を、現在の平面の国道からそれと並行して、もう一本京都−奈良間に道路をつくるということになれば、京都をたずねた観光バスがどんどんそのまま
——現在では二十四号線を利用して奈良まで行くわけです。そうすると、春と秋とには観光
自動車でもって国道二十四号線が一ぱいになるのです。それで転覆して東京の何名か死んだりした
事故も去年かおととしにございましたが、観光バスでもって一ぱいになるというふうなこと、だから日曜日なんか詰まってどうにもしようがない。これはオーナードライバーの遊山のレジャー
自動車ですね。これで詰まってどうにもならないというふうな現状でありますから、そういうようなものは全部
自動車専用道路で、すいすい快適に走れるというふうにすることと
一緒に、地域の交通安全、いろいろな面から、同時にせっかくつくった道路は寿命が長くなくてはいかぬと思うのです。つくったわ、すぐそこでどどっと工場や住宅が進出してきて、それに飛びついていってしまった。結局街路的な性格になってしまって、またなかなか走れない、こういうことになるのが現在の実情であります。
たとえば阪奈道路をいつかも視察に行きましたが、もう堺あたり、岸和田あたりから北に参りますと、ストップ、ストップでどうにもならぬじゃないですか。道路は広いが、もう一キロも行かぬ。五百メートル行けばストップ、また五百メートル行けばストップ。結局ずっと和歌山から上がってきて、岸和田あたりまではわりあい早く来れるが、それから先は、どうにも市内へ入るのに一時間も二時間もかかってしまう、こういうことになるのです。だからそういう
意味では、あれがそういうものとして当時に開発されておりましたら、すいすい大阪まで入れると思うのです。
だからこれから後の道路
建設のあり方ということで私は申しておりますので、それでまたせっかくこれから京都−奈良間の新国道をもう一本開こうということであれば、やはりそういうような形で建造していただくのが本筋ではないか。こういうことで、いま大臣に
意見を申し上げておりますので、ひとつ十分御
検討を願って、新しい方向を
——もうここまでまいりましたら、日本の道路行政も新しい方向に進むべきではないか、こう思いますので、ひとつ御配慮をお願いしたいと思うのです。