○岡本(隆)
委員 いまのたとえば
神戸市、これも下水道を太いのに入れ直すとすればたいへんでしょう。そうすると、これはもう開放式の、とにかく別の水路をつくって、大水はそこへのませる、地上に降った水はそこへのませるというふうなことは当然考えなければならぬと思うのです。だから、これはやはりこれから都市
計画のときに、当然ある程度のものは下水にのませるが、地上に降った大水は別に流してやる、そういうものを一緒に考えておかなければこれは十分なものといえないと思いますから、ひとつそういう点について御検討願いたいと思います。
それから、大臣のいまおっしゃいました不法建築物に電気事業法あるいは水道法によって供給しなければならないのだという
お答えでございますが、これに
法律改正したらいいのです。閣議で話し合って、
政府部内でやられるならばやれるんですよ。
法律改正しなければいかぬという意味のことを私は言っているのです。それはたとえば、豊中市で、供給をストップするしないで問題になって
委員会で見にいきましたね。そういうことが電気事業法によって、あるいはガス事業法によってできないというたてまえになっておるということは知っております。だから私は言うのです。しかしながら、そういうような不法建築というようなものが現在堂々とまかり通っているというところに問題があるわけで、これは建築基準法も改正しなければならぬと思うのですね。不法建築なんかして、そして基準に合わない、建蔽率はもちろんのこと、防火、あらゆる点で
規制を全然無視しておるというふうな建物に対して、それは、入居させない、住まわせないということがほんとうのあり方で、昔、ずっと以前、戦前にいまの
建築行政が警察の中にあった時代がございます。そういう時代には、検査を受けてパスしなければ住めなかったのです。またパスしなければ便所も使えなかったのです。そういう時代があったわけですね。そういう非常に強い権力主義がいいとか悪いとかということについては検討の余地があるのかもしれませんが、しかしながら、少なくもやはり自分が住む家であり、自分の身の安全を考えるならば、やはり適正な規格に合ったものに住まなければいけないでありましょうし、わずかの建築費、
建設費を惜しむのために、防火上あるいは
災害防止上あぶないところに住むというふうなことは、ひいては生命を失ったりする身の危険になるわけでございますから、そういうことから国民を守るという意味においても、私は、ある程度いろいろな
規制をして、やはり適正な基準に合った住居を建てなければ住めないということにし、少なくもガスや水道は供給を禁止させるというようなことは、これは
法律改正でできるわけなんですから、だからそういう点をひとつ大臣からももう一度各所管の大臣にお話をしていただいて、やはり
法律改正まで持っていってそういう
規制をやるべきである。またそれができないとするならば、やはり建築基準法の改正によって入居はさせないというところまでいかなければなりません。しかしそれはかってに入ってしまったものを出すわけになかなかいかぬでしょう。だから間接的な手段で制約を加えていく以外に道がないから、やはりそういう点をもう一度大臣のほうで努力し、不法建築に住まないような
規制をしていただきたいと思うのです。
それからもう
一つ重要な問題は、新しい五カ年
計画に、大臣が今度かりにいまの都市周辺の
中小河川の改修を促進するのだ、あるいはまた土砂くずれを防止するのだというような施策を新しい
計画の中に入れていかれるとするならば、これはぜひひとつ砂防をもっと強化してもらいたいということですね。いまの日本の
治水計画の中で砂防が一番おくれている。これはこの前の治山
治水緊急措置法が問題になったとき、私はその点を指摘して非常に強調したわけです。この前の緊急措置法に基づく現行
計画では
河川が五千億で五八%、ダムが千七百億で二〇%、砂防も同じように千七百億で二〇%、構成から見ますと六〇%と二〇%、二〇%というふうになっております。けれどもそれを
建設省が必要と考えておるところの
治水の全体
計画、
治水水系
計画という名で
建設省は発表されておりますけれども、それから見ますときには、現行
計画が
治水水系
計画の中にどれだけのパーセンテージを占めるかといいますと、
河川は一〇・八%、約一一%、ダムが二八%、砂防が五・五%なんです。だから、
治水水系
計画全体、日本の
治水上八兆三千億の投資が要る、その八兆三千億の投資の全体の
計画から見ると、ダムが二八%をこえておって、砂防は五・五%だ、こんなに砂防が取り残されておるのです。だから、目に見えるところの
河川事業やダムというふうなものはどんどん進める、ことに大臣が先ほどおっしゃったように、降った水はほしいのだからためたいというふうな考えもあって、ダムばかりがどんどん先行して、それで砂防がずっとおくれているのです。その砂防のおくれていることが、去年の例の山梨県の梅ケ島ですか、あそこらの大
災害になって出てきているわけです。あそこも、いまから何年前でございますか、ずっと以前に大崩壊が奥でありまして、砂防をやらなければならぬということが指摘されておりながら、それが不十分であった、そのことのためにああいうふうな大
災害が起こってきているわけなんです。だから、砂防があまりおくれておるということは、
河川は何ぼ
河川事業をやっても、どんどん土砂を流して河床を上げていく、ダムをつくっていくだけダムを埋めてしまって、洪水調節能力も弱めていくということになりますから、これはやはり、すぐにああ進んだなというふうには砂防は目に見えません、だから砂防というのは金の入れがいがないようでありますが、やはり
治水の中で非常に重要な役割りを持っておる。さればこそ、
治水に必要な費用の大体三分の一は全体
計画としては砂防に投入しなければならぬということを、
建設省も数字としてはじき出しているわけです。だから、そういうふうな砂防を非常に軽視されているということが、私は日本のいまの
災害をつくっている大きな
原因だと思いますので、これはひとつぜひ砂防というものをもっと重視されるようにお願いしたいと思うのです。